学術情報から見た
火山噴火災害時の社会対応
1986年伊豆大島三原山噴火災害時
の行政分析
なぜ研究が必要なのか?
可能性の列挙と厳重注意を呼びかけるパターン
 予知の専門家が何らかの判断を下してくれる。
 メッセージがあいまい。ニーズに答えていない。
 予知は成熟してない。できない。
 決してできていないのではなく、ニーズにあった
情報が提供されていない。

研究のねらいと目的
行政は機関ごとに独自にプログラムを持っている。
研究者は基本的に自由である。
受けてのメカニズムを考える。
発信者のメカニズムを考える。
受けてのメカニズムを考えた情報提供・共有
発信者のメカニズムを考慮した受けてのあり方
行政が学術情報を活用するルールを考える
学術情報を行政の防災・減災行動に結びつくような発信、
伝達するルール・手法をつくる。
なぜ伊豆大島なのか?
噴火災害で最初に社会対応が問題として話題に
なった災害であること。
①この年始まったニュースステーションで取り上
げられた。
②噴火予知連の組織的な対応が見られたこと。
③全島避難、帰島が行政として注目されたこと。
 観測網が充実していた中で発生した災害である
こと。
 (立場的に、これらの豊富なデータと関係者に接
触できる場にいたこと)

1986-1987伊豆大島噴火災害とは
分析の期間
①11月15日以前
リスクコミュニケーション期
②11月15日~11月21日
クライシス期
③11月21日~22日未明
全島避難期(エマジェシー期)
④11月22日~12月23日
帰島検討期
資料収集
データ・論文・メモ
関係者への
インタビュー
時系列分析
空間分析
言い伝え
それまでの集まり
分析・・・多重遠近法
①個人レベル
②組織レベル
③組織内関係レベル
噴火事象の再現
行政行動の再現
科学者情報の再現
問題点の抽出
関係主体の抽出
行動法則の抽出
噴火の再現シナリオの作成
法則・主体
図上シミュレーションの実施
多重遠近法
①合理的遠近法
②組織的遠近法
①
③個人的遠近法
②
③
分析の課題
①11月15日以前
ハザードマップがどうして作られなかったの
か?
②11月15日~11月21日
クライシスコミュニケーション
③11月21日~22日未明
全島島外避難期
全島避難は本当に必要だったのか?
④11月22日~12月23日
帰島検討期
早期帰島はなぜ行われたのか?
行政機関行動一覧
研究者の行動
全島避難時の行動の特徴
大島町 ①目的が適宜変えていること。
②手段による目標設定をしていること。
③前までの行動を踏襲していること。
④情報が極端に少なくなること。
⑤集団的思考に陥っていること。
東京都 ①災害時運用マニュアルに従っていること。
②早い段階で島外避難に関する問題に取り組んでいること。
気象庁 ①マニュアルに従って、測候所の避難を決定指示
②国の連絡会議及び東京都からの問い合わせにのみ、
観測状況を報告している。(きわめて受動的に行動)
島外避難時の行政主体
④の時期
ロールプレイによる
図上シミュレーション分析





実際に起こったできごとに沿って、できごとに重要な影
響を与えたとされる人の役割を演じながら、実際にお
こった出来事の検証をする。
目的 行政の意思決定を検証し、科学者が情報を提供
した場合その意思決定に変化がみられるのか?
方法 地図を使いながら、多重遠近法によって得られた
主体を中心に災害状況、避難状況などを地図上に書き
込みながら、行った
シミュレーションのあと、ヒアリングを行った。
プレーヤー
東大法学部院生、4年生、私(専門家として)
図上シミュレーション
①災害状況の再現(同じ主体、同じ情報状況)
②行政主体を増やし、同じ情報状況
③①の主体+科学者
④②の主体+科学者
①
②
③
④
11/15以前
11・15-21
11/21-22
11/22-12/9
○
×
○
×
○
×
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
噴火現象
観測された現象(文章化)
11月15日ー11月21日


科学者の参加により、局所的な変化は見
られない。
数回の会議シミュレーションによって、行政
側プレーヤーに一律に、悪いシナリオ・ハ
ザードマップ等の住民への情報提供への
意識に変化がみられた。
全島避難期
①災害時の再現した場合




判断材料の不足⇒何が不足しているのかわからなくなる。
集団思考への陥り
①進むにつれて、誰も反対意見を言わなくなる。
②状況把握に精一杯となった。
現実の流れに流されてしまう。
決定されたわけではないが、外部の状況に流されてしま
い、流れを止めるもしくは逆らう判断は不可能。
新しい情報に飛びつく傾向がみられた。
全島避難期
②行政主体増加、情報は同じ状況





判断がより慎重になる傾向がある。
プレーヤー間の議論が多くなる。
内容に情報を多く持っている方向に引きずられて
いく傾向がみられた。
実は結論として、全島避難と島内での避難とに
別れた。
上位機関の判断をたずねる場面が多かった。
全島避難期
③もとの行政者に科学者の助言が得られた場合
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

初期段階ではプレーヤーがちんぷんかんぷんで
助言を拒否か盲目に従う。
シミュレーションが進むにつれて、行政プレー
ヤー側からの質問が多くなる。
行政側プレーヤーによって、結果がことなる。
全島避難、島内避難、部分的全島避難
プレーヤーに依存しやすい。
その他

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

ある程度、図上シミュレーションによって、事象の
再現が可能であることがわかった。
シナリオ策定、プレーヤーの良し悪しによって結
果が大きく異なる。
他の分析手法との比較をすることができない
かったので効果が不明。
習熟によってプレーヤーの対処能力があがるこ
とから、災害訓練・教育として可能性がある。
今後の進展



実際の行政者、研究者をいれたシミュレーション
の実施
他の噴火災害への適用
1992~雲仙普厳岳噴火災害
2000有珠山噴火災害
2000~三宅島噴火災害
別の手法との比較
例えば、AHP(階層分析法)
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