「これからのエネルギーの課題」
エネルギー環境教育フォーラム2009(SNWシニアとの対話)
IN 愛知教育大学
金
氏
顯
(かねうじ あきら)
(三菱重工・特別顧問)
(日本原子力学会シニアネットワーク代表幹事)
1
今日の講演の内容
1.エネルギー資源と地球環境~両問題は表裏一体の関係
2.化石燃料代替エネルギーの本命は?
3.世界各国のエネルギー事情
4.原子力開発の光と影の歴史と現状
5.原子力の10の疑問・質問に答える
2
第1章
エネルギー資源と地球環境
~両問題は表裏一体の関係
3
人類は安く豊富な化石燃料資源を大量消費し、
人口急増、文明発達してきた
何故、18世紀以降エネルギー
消費が増えたのだろう?
4
世界の一次エネルギー消費の現状と将来
世界の一次エネルギーの88%
は石油、石炭、天然ガスなどの
化石燃料による
今後中国、インドなどアジア、アフ
リカ諸国が人口増大、生活向上/
経済成長しエネルギー消費は膨
大に増加
世界的にエネルギー危機、資源争奪となる!
5
石油はいつまで供給できるか?
・最近の10年間は巨大油田の発見は殆どない
天然ガス
石油
・世界の石油生産総量の85~90%は120箇所
の巨大油田から生産
・巨大油田の発見は1960年がピーク
・中国・インド等人口超大、新興国等の需要拡大
世界の石油も天然ガスも
ピークオイルは近い!
安くて豊富な化石燃料時代の終焉6
林勉氏作成
地球温暖化の原因は人為的な二酸化炭素
大量放出説が国際的共通認識
27
平均気温の変化
大気中のCO2の濃度変化
しかし、二酸化炭素が主要因か?⇒自然変動要因説もあり、更には寒
冷化という説もある。科学的には論争中!
「正しく知る地球温暖化」赤祖父俊一著、誠文堂新光社、2008年7月刊
「『地球温暖化論』論に騙されるな!」丸山茂徳著、講談社、2008年5月刊
「地球温暖化論のウソとワナ」伊藤公紀、渡辺正、KKベストセラーズ、2008年5月
「地球温暖化への挑戦」薬師院仁志著、八千代出版、2002年5月刊
7
2050年に温度上昇2℃以内⇒450ppmCO2に抑えるに
CO2排出量を半分以下に削減
2050年に
1/2に!
8
【出典:二酸化炭素情報分析センター'CDIAC、ORNL(-HP】
化石燃料に代わる国産のエネルギー開発拡大が必須
まずは、省エネルギーとエネル
ギー効率向上
エネルギー資源争奪問題、地球温暖化
問題も共に石油など化石燃料の大量消
費が根本原因
化石燃料に代わりかつ国産の
エネルギーの開発拡大が次世
代の為に大きな課題
我が国のエネルギー自給率は準国産の
原子力を入れても約16%と世界最低
[%]
主要国のエネルギー自給率'2003年(
160
140
120
100
140%
主要先進国の中でも
自給率が最も低い。
食料自給率と比べて
も著しく低い。
80
60
(39%(
26%
40
20
15%
(50%(
8%
主要国の食料自給率
[%]
140
130%
120
原子燃料はごく少量で大きな
(106%(
エネルギーを発生、常に3~
96%
100
4年分以上備蓄でき、準国産
80
(72%(と言われる。
63%
(16%(
4%
119%
91%
74%
60
40
40%
20
0
0
イタリア 日本
ドイツ フランス アメリカ イギリス カナダ
※自給率は原子力を輸入とした場合'カッコ内は原子力を国産とした場合(
【出典:OECD/IEA “Energy Balance of OECD Countries 2002-2003”】
日本
ドイツ フランス
アメリカ
イギリス
9
【出典:平成15年度食料自給率レポート'農林水産省(】
第2章
化石燃料代替エネルギーの
本命は?
風力
太陽光
水力
バイオ
地熱
原子力
10
世界と日本の太陽光発電導入量
日本は世界に先駆けて1974年にサンシャイン計画開始、
1994年に住宅補助開始、2003年迄は日本が世界の約50%
でトップ。しかしその後ドイツに抜かれて2位に!
何故?
日本の導入量
設備容量であり発電量ではない
ことに注意!
11
世界各国の太陽光発電
導入量の推移
ドイツを始めEU諸国は太陽光発電買電価格を売電価格より数倍にする政策によ
り急上昇。ドイツ=76円/kW(20年固定(、スペイン=66円/kW、フランス=45円
/kW、韓国=86円/kW。'2007年( 日本も23円/kW⇒50円/kWの動き、要注意! 12
わが国の太陽光発電実施例
太陽光発電住宅が並
ぶ群馬県太田市
京セラ株式会社
滋賀八日市工場、
210kw
パナソニック電工ビル
'パナソニックリビング
ショールーム東京(、
14.4kw
13
欧米の太陽光発電プラント例
Althegnenberg, Germany (Courtesy RTS corp)
わが国と何か違う?
Waltenhofen 400kW (ドイ
ツ)
砂漠に設置の大規模太陽光発電所'米国(
14
15
日本は13位!何故?
16
風力発電の例
長崎鹿町風力発電'2005年3月(
米国/MidAmerican Energy/Iowa (2005年12月)
1,000kW×15基
1,000kW×50基
我が国と何か違う?
17
太陽光・風力発電導入の課題ー1
出力安定性の問題
このままでは
停電する?
電気を蓄える電池か、代替電源が必要
18
太陽光、風力エネルギー導入の課題-2
発電に要する土地面積、設備投資額が原子力に比べ膨大
~1.6km2
浜岡発電所5号機
は138万kW
刈谷市面積の
約1.8倍!
刈谷市面積の
約6.7倍!
稼働率が悪く、出力が丌安定である
太
陽光は天候と時間の影響大で平均10%程度しか発電できない
風力は風況に左右され平均20%程度しか発電しない
⇒電気を蓄えるか、代わりの発電設備が必要
19
【出典:資源エネルギー-HP】
バイオマスエネルギー
バイオマス原料
木質バイオ
バイオガス
バイオエタノール
バイオディーゼル
20
バイオマスエネルギー
◆現在のバイオエタノール生産0.5億トン'注1('米国、ブラジル他(
'注1(石油換算トン
⇒世界全体のエネルギー'100億トン(の0.5%
◆農業は肥料、機械、輸送など石油に大きく依存:EPR=1'米国(、0.3'日本(
⇒「カーボンニュートラル」「再生可能エネルギー」とは言えない
◆食糧高騰、森林伐採など⇒穀物原料のバイオエタノールは好ましくない
⇒建築廃材、林業間伐材、生ごみ、家畜糞尿など原料に
21
地熱発電
地熱発電のしくみ
地熱発電は,地中の熱に
よって高温になった水蒸気
をまず,気水分離器を使っ
て熱水と蒸気を分離、蒸気
はタービンへ送られ,発電
機と直結したタービンを回
し発電。使い終わった蒸気
は,復水器で水に戻され冷
却塔へ
地熱発電の特徴
①二酸化炭素を殆ど排出しない
②純国産エネルギーである
③自然エネルギーの中では安定的な電源である(稼働率約70%)
④燃料が要らない
欠点
①他電源に比べ規模が小さく、坑井堀削コストを反映して、発電コストが高め
②地下資源量の完全予測ができないため開発リスクが大きい
③●適地が自然の景観に恵まれた場所に多いため周辺環境との調和が必要
22
わが国の地熱発電の可能性
現状
日本の地熱発電は全国18箇所、20プラント、
最大出力53.4万KWe、全電力の0.3%、風
力*太陽光発電と同等。
有望な未開発
地域29箇所、
約247万KW。
経産省 支援強化
開発・発電施設費補助:2割⇒3分の1
経産省試算
2020年 120万kWe
2030年 190万kWe
23
我が国の新エネルギー導入実績と目標
太陽光発電と風力発
電は1%以下
(上限ケース)
24
【出典:総合資源エネルギー調査会総合部会/需給部会報告書'2001年7月(
総合資源エネルギー調査会総合部会/需給部会中間とりまとめ'2004年10月(】
我が国の長期エネルギー需給見通しの中の
再生可能エネルギー
25
高速増殖炉リサイクル実
用化によるプルトニウム
利用によりウランの利用
年数は約2500年に。
海水中ウラ
ン'3mg/t)の
回収が実用
化するとほ
ぼ無尽蔵
26
発電原価比較
(¥/kWh)
70
経済産業省
総合資源エネルギー調査会総合部会 60~70
コスト小委員会(2003年)
最近の電気事業者試算例'2008年(
60
30
20.1
11.9
10
0
10~24
9.6
水
力
6.8
石 LNG
油 火
火 力
力
7.0
6.0
5.7
5.3
石
炭
火
力
原
子
力
耐用年数
: 40年
設備利用率 : 80%'水力45%(
燃料価格 :
石油 = 27.4
石炭 = 35.5
LNG = 2.8
ウラン= 10.1
10.7
20
条件
'鉱石(
風
力
太
陽
光
2002年度平均
'コスト小委のベース(
90.7 $/バレル
76.5 $/トン
 5.3 万円/トン
95.0 $/lbU308
2008年2月
'試算例のベース(
原子力: 再処理費用、再処理設備廃止費用、
高レベル廃棄物処理・処分費、廃炉等含む
27
各種電源別のCO2排出量の比較
原子力は火力の1/20~1/40、
太陽光発電の1/2
28
【出典:電力中央研究所報告書 他】
各種エネルギーの総合評価
原子力
石油
天然ガス
石炭
太陽光
風力等
バイオ
資源量
◎
△
○
△
△
経済性
◎
○
◎⇒○
△
△
地 球
温暖化
◎
△
×⇒△
◎
◎
社会受容性
△
○
○
◎
◎
課 題
・安全・安心と社
会受容性
・高レベル放射性
廃棄物処分場
・耐震安全性
解決策
技術的解決と社
会への理解活動
資源に限界
・石炭ガス化
・CO2回収固
定化技術
・発電効率向上
・経済性・大規模
開発の限界
省エネ、エネル 技術開発で温 中小規模分散電
ギー効率向上 暖化影響軽減 源として拡大
29
NIMBY'not in my backyard(からPIMBY'please in my backyard(へ
今後のエネルギー源に求められる要件と
各エネルギーの動向予想
1.量:安定供給の確保 - 必要な時に必要な量
2.質:地球環境への適合性、安全性など
3.経済性:ライフサイクルコスト
1.石油、天然ガスは安定供給(オイルピーク、政情不安定な国々)、
質(地球温暖化問題)、経済性などから、熱エネルギー源としては今
後大幅に削減。航空機や船舶輸送用、化学材料用に長期確保しておく
ことが重要。
2.石炭は資源量は豊富、経済性もあるが、地球環境適合性が問題。ク
リーンガス化やCO2回収固定化技術などの開発、実用化促進が重要。
3.再生可能エネルギー、特にバイオマス、太陽光、風力、地熱は
地球環境に適合し、国産エネルギーとなるので開発、実用化は積極
的に推進する必要あり。ただし、経済性、出力不安定性、資源量な
どの課題の克服と共に、量的な限界を認識する必要がある。
4.原子力は質、量、経済性の全てを満たし、長期備蓄と燃料リサ
イクルにより準国産エネルギーであり、今後も基幹エネルギーと位
置づけられる。ただし、高レベル廃棄物地層処分問題、社会受容性
(NIMBY)など解決すべき課題は大きい。
30
エネルギー・環境問題への有効な手段
エネルギー問題
地球温暖化問題
2つの問題を同時に解決できる有効な手段
エネルギーの節約'省エネ('全般的(
エネルギー利用効率向上 '全般的(
再生可能エネルギー
'用途に応じ(
原子力発電
'基幹電源(
31
第3章
世界各国のエネルギー事情
32
何故国により大きく異なるのだろう?
33
化石燃料は何%?
34
人口の多い開発途上
国が経済発展したら
どうなるだろう?
35
人口の多い開発途上国が経済発展した
らどうなるだろう?
36
エネルギー利用効率の比較
(参考)
GDP当り
日本との国際比較
日本は世界一のエネルギー
効率であるが、これは何故
だろう?
37
070522 HO
少資源国の中でも日本
は輸入依存度が非常に
高い!
38
欧州は地続きであ
り、パイプランで
繋がっている。便
利な様だが?
39
フランス 周辺国へ電力を輸出
電気も隣国同士で
融通できる。
2004年データ
40
071029 OGAWA
中 国 の
電力事情
毎年膨大な電力需要増加!
何で電力を供給しているの
だろう?
41
070522 HO
世界の石油は中国へ
42
071029 OGAWA
中国・インドの経済成長と石油消費
国民一人当たりの所得
石油消費、現状と10年後の予測
160
2003
中国
インド
Million Barrels per Day
2013
120
80
40
0
India
071029 OGAWA
China
US
Other Others43
OECD
日本の一次エネルギー供給実績
石油危機後エネルギー多様化してき
たが、まだ石油に約5割依存
石油資源高騰は外貨流失、
諸物価高騰となり、我が国
産業、国民生活に大きな打
撃を与えつつある
我が国の場合、石油のほとんど(約87%)を中東に依存しており、世界的
にも突出(世界の中東依存度は、現状25%に過ぎない)。
44
【出典:総合エネルギー統計'平成15年度版(】
原油は、石炭や天然
ガスに比べ何が問題
だろう?
45
46
第4章
原子力開発の
光と影の歴史と現状
47
48
世界における原子力開発の歴史'1(
◆物質の核への探求
1895 独レントゲン、物質を透過する能力を持つ「未知のもの」を発見、X線と命名。
1898 波蘭マリー&ピエールキュリー、放射性元素ポロニウム、
ラジウム発見、放射線を出す能力を「放射線」と命名
◆20世紀の新しい物理学
1905 独アインシュタイン、特殊相対性理論発表、E=mC2
原子力の理論的基礎。
1935 湯川秀樹、中間子発見
1939 核分裂反応を発見
◆第2次大戦のさなかに欧州の科学者約100人が自由の地を
求めアメリカに亡命
1939 米国ルーズベルト大統領に、ナチスドイツが原子爆弾を
作る可能性あり、自国防衛のため原子爆弾の研究開発を
促す手紙にアインシュタイン署名
1942 アメリカ政府、極秘の原子爆弾開発「マンハッタン計画」
開始。
1945.5.7. ドイツ無条件降伏
1945.7.16 ニューメキシコの砂漠で最初の原子爆弾実験
1945.8.6. 広島にウラン型原子爆弾!
8.9. 長崎にプルトニウム型原爆投下!
48
世界における原子力開発の歴史(2)
◆平和利用への努力
1953
国連におけるアイゼンハワー米国大統領の演説
“原子力を平和利用に” (Atoms for Peace)
1955 原子力潜水艦ノーチラス号初航行、
ウエスチングハウス社製加圧水型原子炉採用
1957 国際原子力機関(IAEA)発足、
平和利用の国際協力と核不拡散管理
1957 米国で初の商業用原子力発電炉、
シッピングポート60MW運転、加圧水型原子炉
1959 米国イリノイ州ドレスデンにて沸騰水型原子炉200
MW運転
◆世界各国で商用原子力発電所を続々と建設
1960 フランス、原爆実験、1964 中国、原爆実験、
1974 インドも原爆実験、パキスタンも
1979 米国スリーマイル原子力発電所で
チェルノブイリ事故直後と現在
原子炉溶融事故発生、被害者無し
1986 ソ連チェルノブイリ原子力発電所で原子炉暴走、水蒸気爆発
大気圏に放射能放出、消防士など31名死亡、放射能汚染拡大
49
主要国の発電量と原子力発電の割合
世界の電力の16%を原子力で供給
50
【出典:ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2002-2003 他】
米、仏、日3カ国で全世界の56%、
イギリスより上の9カ国で82%。
51
52
我が国における原子力開発の歴史(1)
◆原子力の研究開発解禁
1954 初の原子力予算2.35億円認められる。
1956 原子力委員会、日本原子力研究所の設立。
原子力基本法施行「我が国における原子力の研究、
開発及び利用は、厳に平和の目的に限り、安全の
確保を前提」とし、「原子力の利用は、動力としての
利用と放射線の利用を行う。」
JRR-1 (日本初の原子炉)
1957 研究用原子炉1号機'JRR-1)初臨界
この前後より、民間企業大手5社、電力会社9社も
原子力の利用開発活動を開始。 電力は、原子力
振興会社'日本原子力発電株式会社(設立。
◆原子力発電、原子力船開発開始
1963.10.26:動力試験炉(JPDR)により我が国 JPDR(日本初の原子力発電)
初の原子力発電に成功(原子力の日)
1966:東海1号炉による初の商業発電 (ガス冷却炉)
1963: 海洋観測船“むつ”'6,000トン(建造開始。
1974年出力上昇試験で放射線漏れ。
原子力船“むつ”
1985年実験航海を成功。
52
我が国における原子力開発の歴史(2)
◆米国の軽水炉技術導入
GE社沸騰水型軽水炉(東芝、日立)、W社加圧水型軽水炉(三菱)
1970
関西電力美浜発電所1号機(加圧水型)、日本原子力発電敦賀1号機、
東京電力福島1号機(沸騰水型)が運転開始
以後、電力9社、日本原電で原子力発電プラントを建設し、
現在、55基が運転中であり、電力の約30%を賄っている。
◆最近の原子力の動向
1995
1999
2002
2004
2005
2006
2006
2007
2007
2009
昭和45年8月8日
動燃「もんじゅ」2次系Na漏洩事故発生
大阪万博
JCOウラン燃料工場で臨界事故、2名死亡
東電シュラウド自主点検記録改竄発覚
関電美浜3号復水配管破損、5名死亡
最高裁もんじゅ設置許可無効二審判決破棄
原子力部会、「原子力立国計画」報告
九電玄海3号プルサーマル地元事前了承
東洋町高レベル廃棄物地層処分調査取下げ
中越沖地震発生、東電柏崎刈羽発電所運転停止
高速増殖炉もんじゅ運転再開、六ヶ所再処理
53
東電柏崎刈羽原子力発電所
工場操業開始(予定)
わが国の原子力発電所建設ラッシュ
約30年で51基建設
チェルノブイリ事故
TMI事故
石油危機
1次エネルギー
の約40%は
電気エネル
ギー
石油危機
高度経済成長を支え二酸化炭素排出を抑制
原子力発電
54
我が国の原子力発電所
我が国の電力の
約33%を担っている
'関西では約50%(
もし原子力発電を石炭発電したら
CO2約20%増加
55
我が国のエネルギー政策
(2005年閣議決定)国家エネルギー戦略:2030年において
省エネルギー
: 現在より30%削減
石油依存度
: 50%⇒40%以下
運輸部門石油依存度
: 98%⇒80%以下
自主開発石油比率
: 15%⇒40%
原子力発電は2030年以後も総発電電力量の30~40%以上の供給負担を目指す
(2008年3月原子力委員会)
「地球環境保全・エネルギー安定供給のための原子力のビジョンを考える検討会」
“原子力エネルギーは、エネルギー消費の節約、エネルギー利用効率向上、
再生可能エネルギー利用などとともに、低炭素社会実現を目指すための対策
として丌可欠である”
(2008年7月閣議決定)「低炭素社会づくり行動計画」
“原子力などの『ゼロエミッション電源』の割合を50%以上とする中で、原子力の比率
を相当程度増加させることを目指す”
56
出典:〈参考〉中長期の方向性'イメージ(、新計画策定会議'第21回(
資料第1号、エネルギー政策における原子力発電、平成17年3月16日
57
第5章
原子力の10の
疑問、質問に答える
58
原子力に対する10の疑問、質問
1.原発は原爆と何が違うのか?
2.原子力発電の仕組みは石炭火力などと何が違うのか?
3.地震がきたら原子力発電所はどうなるのか?
4.事故が起きたらソ連のチェルノブイリのように放射能を撒き
散らすのではないのか?
5.原子燃料がリサイクルできるって、どういうことか?
6.高レベル放射性廃棄物の地層処分って、安全なのか?
7.放射線って、怖い!
8.世界は原子力を止めていく方向ではないのか?
9.日本の原子力産業はこれからどうなるのか?
10.日本では原子力が正しく理解されないのは何故か?
59
1.原発は原爆と何が違うの?
核分裂エネルギーとは
ウラン235の1gで発生する熱エネルギーは石油の100万倍以上!
ウラン235の核分裂=69×106 KJ>>石油の燃焼=42KJ
原子爆弾は核分裂を起こすウラン235の割合がほぼ
100%、原子力発電用のウラン燃料は3~5%程度。この
ため、原子力発電の燃料は核分裂の制御が可能で、
原子爆弾のような核爆発を起こすことはない。
60
【出典:HP電気事業連合会 「原子力・エネルギー図面集」】
2.原子力発電の仕組みは石炭火力などと何が違うの?
火力発電と原子力発電の違い
同じ
61
3.地震がきたら原子力発電所はどうなるの?
原子力発電所の耐震設計の7つのポイント
①活断層の上には建設しない
②岩盤の上に直に建設する
③最大の地震を考慮して設計
④信頼性の高い解析プログラムで設計評価
⑤大型振動台により実証試験
⑥大きな地震には自動的に運転を停止
⑦津波に対しても対策する
<阪神淡路大地震時の揺れの比較>
62
【出典:資源エネルギー庁パンフレット 他】
63
4.事故が起きたらソ連のチェルノブイリのように
放射能を撒き散らすのではないの?
チェルノブィリ原子力発電所事敀の原因
)
我が国では設計、教育、訓練、
規制、運転管理などが異なり、
同じような事故は起こらない!
)外部からの電力の供給を停止した時に、タービン発電機の慣性
回転
63
5.原子燃料がリサイクルできるって、どういうこと?
使用済みウラン燃料のリサイクル
高レベル放射性廃棄物
リサイクル
U235の燃料パワーの100%が
炉内で110%になり発電、更に使
用済み燃料中に約50%の燃料パ
ワーが残っている!
プルサーマル
⇒若狭では高浜3、4、
大飯、敦賀2で計画
64
【出典:原子力百科事典'ATOMICA(】
6.高レベル放射性廃棄物の地層処分って、安全なの?
高レベル放射性廃棄物地層処分
火山や活断層を避け、地層処分に適した地質環境条件を選択する。
人口バリア2までで、1000年間は安全、後は自然界の隔離機能
65
【出典:資源エネルギー庁「原子力政策の現状について」】
7.放射線って、怖い!
放射能、放射線を正しく理解しよう
宇宙の太古から放射線は自然界にある
人工放射線と自然放射線は全く同じ
原子力発電所からの放射線量は自然の5%以下
放射線は医療、農業、工業に役立っている
200mSvまでは疫学的影響なし
放射能と放射線:電池と光
66
8.世界は原子力を止めていく方向ではないの?
世界は原発建設ラッシュ
(平成20年)1月20日
石油を始め化石燃料資源高騰
+地球温暖化問題
世界で原子力発電の建設ラッシュ
⇒原子力ルネッサンス
既存:439基
建設中・計画中:349基(36カ国)
米国:30年ぶりに新設計画30基
英国、スウェーデン、イタリア:脱原子力政
策を破棄し、建設へ政策変更
中国、インド:数10基の建設計画
中東、東南アジア、南米など:原子力導入へ
の動き活発
我が国の政府並びに原子力産業
企業が協力・貢献
67
67
9.日本の原子力産業はこれからどうなるの?
10
0?
68
出典: 資源エネルギー庁 +ほか
071029 OGAWA
10.日本では原子力が正しく理解されないのは何故?
原子力の社会受容性問題の背景
原爆被曝体験
原子力・
放射線教育
原子力界が社会とのコミ
ニュケーション丌足
チェルノブイリ事故
マスコミの誤報
道・偏向報道
グリーンピース運動
核拡散の恐怖
反原子力運動
社会受容性
国の指導者が原子
力を語らない
<原子力ムラ>
企業倫理
原子力発電の
経済性
事業者の
不正・隠蔽
技術安全の自己判断:
技術者の驕り
地方自治体首長
の政治利用
当局の硬直規制
法制度の不備
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エピローグ
最後に、長崎の原爆被災者の救護活動に全精力を傾
注された当時の長崎医大永井隆博士の「原子爆弾救
護報告」にある永井博士の深い洞察と先見性ある一
文を引用する。
70
完
自然と人間が共生する住みよい社会を
創造するには、エネルギー問題・環境問
題、その解決策の柱としての原子力の
正しい認識が必須であり、そのための教
育は益々重要になります。皆様の今後
の活躍に大いに期待します。
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世界及び我が国の地球温暖化対策と エネルギー資源