はじめに
コンピューターおよびインターネットは、現在、世界的規模で急速に普及しつつあ
り、近い将来、現在のテレビと同じように、ほとんどの家庭で日常的に利用されるよ
うになると予測されている。我が国におけるインターネットの普及率は現在のところ2
割強であるが、携帯電話経由のインターネット接続を含めるとすでにxxxに達して
いると推定される。これまで人類が手にした他のどのメディアよりも速いペースで一
般家庭に普及しつつあるインターネットが、テレビに匹敵する常用メディアになるに
伴い、人々の情報行動、ライフスタイル、価値観をはじめとして、わが国の社会、経
済、政治、文化システム全体が大きな影響を受けるものと予想される。もちろんこの
ような変化は、インターネット先進国、途上国ともに起こっているグローバルな現象
である。
このような人類社会に対する多様な変化が、この5年ほどの間に急速に進行するで
あろうことはもはや疑うものがない。しかしながらこれまでのところ、インターネッ
トの普及とそれに伴う社会的影響に関して、全国レベルでの精度の高い学術的調査研
究は行われていない。しかも、これはいますぐ行わなければ2度と実施できない調査
研究である。折から、米国のUCLAで創始され、シンガポール、イタリアがすでに加わ
り、5年以内に25カ国以上が参加予定の「ワールド・インターネット・プロジェクト」
(World Internet Project)が、世界的規模でのインターネット利用調査を実施し、 イ
ンターネットの長期的な普及過程を追跡するとともに、インターネットの普及が家庭
生活および社会システムのさまざまな領域に与える中長期的影響や情報通信技術の発
展との相関関係を探ろうとしている。
そこで通信総合研究所では東京大学社会情報研究所と共同で研究グループを組織し、
インターネットの利用動向に関し全国規模の学術的な調査を実施することとした。本
報告書はその初年度である2000年秋の時点での調査結果である。今後5年間程度は定
期的に調査を継続し、わが国のインターネット利用がどのようにダイナミックな変化
を遂げるかを明らかにしていきたいと念願している。
本調査研究に参加され、報告書を分担執筆された以下の研究者諸氏(敬称略)の労苦
に謝しつつ、本報告が基礎データとして多くの研究者に活用されることを願ってやまな
い。
東京大学社会情報研究所 教授
東洋大学社会学部 教授
(ワールドインターネットプロジェクト日本委員会
東京経済大学コミュニケーション学部 教授
東京工業大学大学院社会理工学研究科 助教授
筑波大学社会工学系 講師
2001年1月
橋元良明
三上俊治
代表)
吉井博明
遠藤 薫
石井健一
総務省通信総合研究所
通信システム部統合通信網研究室長
久保田文人
1章
1.1
調査の概要
調査の目的
本研究は、全国規模でインターネット産業や利用状況、利用頻度、利用者の属性などに
関する実態を分析することにより、インターネット産業や利用者の動向を把握し、調和の
ある技術開発の方向を明らかにすることを目的として実施したものである。
本調査研究は、アメリカの UCLA が中心となり、世界十数カ国と共同で2000年か
ら開始した ワールド・インターネット・プロジェクト(World Internet Project) の一環と
して実施するものであり、今後5年間にわたる継続的パネル調査研究をめざしている。本
報告書は、その第一年度の成果報告である。
1.2
調査項目
本調査において取り上げた主な調査項目は、次のとおりである。
(1)
マスメディアへの接触について
(2)
情報機器の所有について
(3)
情報別のメディア利用について
(4)
携帯電話やPHSの利用について
(5)
パソコンの利用について
(6)
インターネットの利用について
(7)
電子メールやその他のインターネット利用について
(8)
インターネットの影響について
(9)
インターネット社会観について
(10)
価値観、文化行動について
1.3
調査対象
(1)
母集団
全国 12 歳以上 74 歳以下の者
(2)
標本数
3,500人
(3)
抽出方法
1.4
層化二段無作為抽出法
調査時期
平成 12 年 10 月 26 日∼ 11 月 12 日
-1-
1.5 調査方法
調査員による訪問留め置き式回収法
1.6 調査実施委託機関
社団法人
(社)新情報センター
1.7 回収結果
有効回収数(率)
2,555人(73%)
調査不能数(率)
945人(27%)
−不能内訳−
転
居
114人
長期不在
47人
一次不在
229人
住所不明
14人
拒
その他
否
484人
57人
-2-
2章
2.1
2.1.1
インターネットの利用状況
パソコンの利用状況
パソコンの利用有無
本 調 査 で は 、 パ ソ コ ン の 利 用 状 況 に つ い て 、「 自 宅 」「 職 場 や 学 校 」「 移 動 中 や 出 先 」 に
分 け て 設 問 し て い る 。 ふ だ ん パ ソ コ ン を 自 宅 で 使 っ て い る 人 が 28.8% 、 職 場 や 学 校 で 使 っ
て い る 人 が 28.4% い る 。 し か し 、 移 動 中 や 出 先 で 使 用 し て い る モ バ イ ル 派 は 1.6% と わ ず
か で あ る 。 パ ソ コ ン を ま っ た く 使 っ て い な い 人 は 58.0% と 過 半 数 に 達 し て い る 。
場所によるパソコンの利用パターンをみると、自宅と職場の両方でパソコンを使ってい
る 人 は 全 体 の 14.3% 、 自 宅 だ け で 使 っ て い る 人 は 13.0% 、 職 場 や 学 校 だ け で 使 っ て い る 人
は 12.8% 、 自 宅 、 職 場 、 モ バ イ ル い ず れ で も 使 っ て い る 人 が 1.3% 、 自 宅 と モ バ イ ル の 人
が 0.3% と な っ て い る 。
性 別 、年 齢 別 の パ ソ コ ン 利 用 状 況 を み る と 、表 2.1.1 の よ う に な っ て い る 。自 宅 、職 場 、
学 校 、移 動 中 の い ず れ に お い て も 、女 性 よ り も 男 性 の 方 が 利 用 率 は 高 く な っ て い る 。逆 に 、
どこでも使っていないのは男性よりも女性に多い。年齢別では、自宅で使用している割合
が も っ と も 高 い の は 30 代 で 、 20 代 が こ れ に 次 い で 高 く 、 50 代 以 上 に な る と 利 用 率 が か
な り 落 ち る 。 職 場 や 学 校 で 使 用 す る 人 の 割 合 は 、 20 代 が も っ と も 高 く 、 10 代 、 30 代 が こ
れ に 続 い て い る 。 移 動 中 の パ ソ コ ン 利 用 率 は 全 体 と し て 低 い が 、 30 代 の 利 用 率 が も っ と
も 高 く 、 20 代 が こ れ に 次 い で い る 。 60 歳 以 上 に な る と 、 場 所 を 問 わ ず 利 用 率 は 10 % 未
満と非常に低く、どこでも使っていないという人がほぼ 9 割に達している。
表 2.1.1
パソコンの利用状況(単純集計と性別、年齢別クロス集計)%
性別
年齢
全体
男性 女性
12-19 20-29 30-39 40-49 50-59 60-74
自宅で使用
28.8
32.4 25.2*** 34.9
41.1
41.9
32.8
21.0
7.8 ***
職場や学校で使用
28.4
34.5 22.3*** 38.1
42.4
37.5
33.9
22.9
3.6 ***
0.6
2.4
4.0
1.8
0.9
0.2 ***
53.5 62.5*** 43.6
38.9
45.9
51.9
移動中や出先で使用
どこでも使っていない
1.6
58.0
2.6
0.7***
(設問は複数回答可。χ 2 検定
66.5 89.6 ***
*** : p < .001 )
表 2.1.2 は 、 パ ソ コ ン 利 用 有 無 と 学 歴 、 従 業 員 規 模 、 世 帯 年 収 、 都 市 規 模 、 イ ン タ ー ネ
ットを利用する同居家族人数との関連性をみたものである。それによると、学歴が高い人
ほど、勤め先の従業員規模が大きい人ほど、世帯年収の高いひとほど、人口規模の大きな
都市に住んでいる人ほど、パソコン利用率が高くなるという関連がみられる。また、イン
ターネットを利用する同居家族の人数が多い人ほど自分でもパソコンを使っている割合が
高いという興味深い関連もみられる。
表 2.1.2 パ ソ コ ン の 利 用 状 況 ( 学 歴 、 従 業 員 規 模 、 世 帯 年 収 等 と の 間 の 順 位 相 関 係 数 )
学歴
従業員規模
世帯年収 都市規模 インターネット
利用家族人数
自宅で使用
職場や学校で使用
移動中や出先で使用
どこでも使っていない
.308
.222
.175
.078
.303
***
***
***
***
***
.278
.383
.161
.030
.134
***
***
***
n.s.
.109
.078
.027
.034
***
**
n.s.
n.s.
− .325
− .347
− .198
− .062
***
***
***
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ( Kendall τ ) *** : p < .001
2.1.2
*
**
.057
*
− .266
***
** : p < .01 * : p < .05 n.s.: 有 意 差 な し
パソコンの利用時間
パ ソ コ ン の 利 用 時 間 は 、 利 用 者 全 体 で 1 週 間 に 平 均 6 時 間 34 分 で あ る 。 つ ま り 、 1 日
平均 1 時間弱ということになる。
属 性 と の 関 連 を み る と 、 図 2.1.1 の よ う に な っ て い る 。 性 別 で は 、 女 性 よ り も 男 性 の 方
が パ ソ コ ン の 使 用 時 間 は 長 い ( f=11.085 ; p < .001 )。 年 齢 別 で は 、 60 歳 以 上 の 平 均 使 用 時 間
が も っ と も 長 く 、 20 代 、 30 代 が こ れ に 続 い て い る ( f=3.144 ; p < .01)。 学 歴 と の 関 連 を み
ると、学歴の高い人ほど、パソコンの使用時間も長いという傾向がはっきりとみられる
( f=7.995 ; p < .001)。 都 市 規 模 と の 関 連 で は 、 東 京 都 区 部 に 居 住 す る 人 の 使 用 時 間 が と く
に 長 く な っ て い る の が 特 徴 的 で あ る ( f=2.393 ; p < .05)。 居 住 地 域 別 に み る と 、 平 均 使 用 時
間 が も っ と も 長 い の は 関 東 で 、四 国 、北 海 道 、北 陸 が こ れ に 続 い て い る( f=1.978; p < .05 )。
0
100
200
300
400
500
600
性別
339.4
男性
236.6
女性
年齢
175.6
12-19
341.9
340.2
20-29
30-39
279.7
276.5
40-49
50-59
374.3
60-74
学歴
小学校
中学校
86.8
127.9
243.2
高校
279.5
短大・高専
404.3
大学
548.2
大学院
都市規模
489.3
東京区部
306.8
279.2
政令指定都市
人口10万以上
276.7
277.0
人口10万未満
町村
地域
327.3
北海道
東北
148.1
362.9
関東
318.3
北陸
東山
東海
近畿
中国
198.9
202.5
280.8
288.5
357.7
四国
九州
沖縄
図 2.1.1
259.9
318.2
パソコン使用時間(週平均分数)とデモグラフィック属性の関連
2.1.3
パソコンの利用開始時期
パ ソ コ ン の 利 用 を 開 始 し た 時 期 を み る と 、 1998 年 に 利 用 し 始 め た 人 が も っ と も 多 く 、
2000 年 、 1999 年 が こ れ に 続 い て い る 。 こ こ 3 , 4 年 の 間 に パ ソ コ ン が 急 速 に 普 及 し て き
た こ と を 示 し て い る 。図 2.1.2 は 利 用 開 始 時 期 の 回 答 を 年 ご と に プ ロ ッ ト し た も の で あ る 。
累 積 グ ラ フ を み る と 、 1995 年 か ら 普 及 曲 線 が 急 上 昇 し て い る の が 観 察 さ れ る 。 し た が っ
て、この年をもってパソコン普及に弾みがついた年と考えることができる。
18
100
16
90
80
14
70
12
60
10
50
8
40
6
30
4
20
2
10
0
0
1975 1979 1980 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
有効パーセント 0.2
累積パーセント 0.2
図 2.1.2
2.2
0.1
1.5
0.4
0.9
0.1
2.6
0.9
1.4
1.3
1.3
0.3
1.8
2.2
3.1
3.2
5.8
6.7
8.2
9.5
10.8 17.7 18.1 20.9 24.3 28.4 39.7 46.1 56.8 72.1 85.8 100.0
6.8
0.5
2.8
3.4
4.1
11.3
6.4
10.7 15.3 13.8 14.2
パ ソ コ ン の 利 用 開 始 時 期 ( パ ソ コ ン 利 用 者 の み ) N=1,064
インターネットの利用率
本調査では、インターネットの利用を「ウェブ(ホームページ)を見たり、Eメールを
やりとりすること」と定義し、携帯電話・PHSでのiモードやEメールの利用も含むも
の と し て 定 義 し 、 そ の 利 用 状 況 に つ い て 設 問 し た 。 図 2.2.1 は 、「 こ れ ま で 自 宅 や 職 場 、
学校等でインターネットを利用したことがあるか」という設問に対する回答を示したもの
である。
2.2.1 単 純 集 計 結 果
自 宅 や 職 場 、 学 校 な ど で イ ン タ ー ネ ッ ト を 現 在 利 用 し て い る 人 は 、 全 体 の 33.1% と な っ
て い る 。 こ こ で 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 」 と は 、 ウ ェ ブ ( ホ ー ム ペ ー ジ ) を 見 た り 、 E メ
ールをやりとりすることを指している。また、携帯電話・PHSでのiモードやEメール
の 利 用 も 含 ま れ る 。 東 京 大 学 社 会 情 報 研 究 所 が 2000 年 3 月 に 実 施 し た 全 国 調 査 で は 、 同
じ 設 問 に 対 し 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し て い る と 回 答 し た 人 の 割 合 が 24.5% だ っ た が 、 そ
れに比べると約9%ほど高い利用率となっている。ただし、東京大学調査では、調査対象
者 の 年 齢 が 1 6 歳 以 上 と な っ て い る が 、 本 調 査 で は 、 12 歳 以 上 で あ る の で 厳 密 な 比 較 は
できないが、この 8 ヶ月間でインターネットの利用者が急速に増加していることを示すも
の と い え る 。 U C L A が 2000 年 2 月 に 実 施 し た 米 国 で の 調 査 に よ る と 、 イ ン タ ー ネ ッ ト
利 用 率 ( 12 歳 以 上 ) は 66.9% と な っ て い る の で 、 ア メ リ カ 人 に 比 べ る と 日 本 人 の イ ン タ
ーネット利用率はほぼ半分程度とかなり低い。
「 か つ て 利 用 し た こ と は あ る が 、 今 は 利 用 し て い な い 」 と い う 人 の 割 合 は 5.7% で あ る 。
この割合は東京大学調査とほぼ同じである。現在の利用者と合わせると、インターネット
の 利 用 経 験 者 は 38.8% と い う こ と に な る 。
「 イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し た こ と は な い が 、 利 用 し て み た い 」 と い う 人 は 30 % 、「 利
用 し た こ と は な く 、 利 用 し た い と も 思 わ な い 」 と い う 人 が 31 % と な っ て い る 。
現在利用している
利用したことはないが利用してみたい
無回答
0%
20%
40%
33.1
全体
利用したことはあるが今は利用していない
利用したことはなく利用したいとも思わない
60%
5.7
80%
30.0
100%
0.3
31.0
性別 ***
37.2
男性
5.9
28.9
女性
5.5
28.4
0.1
28.4
31.6
0.5
33.5
年齢 ***
44.2
12-19
15.4
61.3
20-29
33.3
40-49
50-59
60-74
8.9
44.4
30-39
21.2
5.4 2.0
4.9
4.5
2.6
33.3
20.8
8.4
36.2
14.3
34.4
27.6
33.7
21.9
7.1
42.3
70.3
0.5
0.2
0.2
0.2
0.4
(χ 2検 定 ; *** p<.01 )
図 2.2.1
2.2.2
インターネットの利用有無
性別、年齢別の利用率
性 別 に 利 用 率 を 比 較 し て み る と 、 現 在 利 用 し て い る 人 の 割 合 は 、 女 性 の 28.9% に 対 し て
男 性 が 37.2% と な っ て お り 、 男 性 の 方 が 利 用 率 は 高 く な っ て い る 。 た だ し 、「 利 用 し た こ
とはないが、利用してみたい」という利用希望をもつ人の割合は男性よりも女性の方が高
く、今後男女格差が徐々に縮小していくことが予想される。
年齢別の利用率をみると、現在インターネットを利用している割合がもっとも高いのは
20 ∼ 29 歳 で 、 61.3% が 利 用 し て い る 。 逆 に 利 用 率 が も っ と も 低 い の は 60 歳 以 上 の 5.4 %
で あ る 。 両 者 の 間 に は 、 実 に 10 倍 以 上 の 開 き が あ る 。 年 齢 が 30 代 、 40 代 、 50 代 と 高 く
なるにしたがって、インターネット利用率は大きく低下していくという傾向が明確にみら
れ る ( 図 2.2.1 )。 た だ し 、「 利 用 し た こ と は な い が 利 用 し て み た い 」 と い う 回 答 は 、 30 代
∼ 50 代 ま で は い ず れ も 3 割 以 上 お り 、 今 後 こ の 年 代 層 で は 、 条 件 次 第 で は 利 用 者 が 大 幅
に 増 え て ゆ く こ と が 予 想 さ れ る 。 し か し 、 60 歳 以 上 の 高 齢 者 に お い て は 、「 利 用 し た こ と
が な く 、 利 用 し た い と 思 わ な い 」 と い う 拒 否 反 応 を 示 す 人 が 70 % と 圧 倒 的 に 多 く 、 今 後
が利用率が大幅に上昇することはあまり見込めない。
図 2.2.2 は イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 の 性 別 、 年 齢 別 ブ レ イ ク ダ ウ ン を 日 米 両 国 で 比 較 し て
み た も の で あ る 。 日 本 で は 、 男 女 と も 、 19 ∼ 24 歳 で の 利 用 率 が も っ と も 高 い の に 対 し 、
ア メ リ カ で は 、 女 性 が 12 ∼ 15 歳 で も っ と も 高 く 、 男 性 が 16 ∼ 18 歳 で も っ と も 高 く な っ
て い る 点 が 異 な っ て い る 。 25 歳 以 上 に な る と 、 年 齢 と と も に 利 用 率 が 低 下 し て い く と い
う点では日米共通している。年齢による男女間の差を日米で比較してみると、いくつかの
興 味 あ る 特 徴 が み ら れ る 。 ま ず 、 12 ∼ 15 歳 と い う 中 学 生 レ ベ ル の 若 年 層 で は 、 日 米 と も
に男性よりも女性の方がインターネット利用率が高くなっている。その理由は不明だが、
もともと男性よりもコミュニケーション能力の高い女性が、低年齢層におけるリテラシー
の増大とともに、メールやチャットを活発に利用するようになったためとも考えられる。
次 に 、 25 歳 か ら 55 歳 ま で の 年 代 を み る と 、 ア メ リ カ で は ほ と ん ど 男 女 差 が み ら れ な い
のに対し、日本では、男性にくらべて女性の利用率が大きく落ち込んでおり、男女間格差
が顕著にみられる。これは、有職女性の比率がアメリカよりも日本の方が低く、それだけ
インターネットにアクセスする機会が日本の女性では少ないということが最大の原因にな
っ て い る と 思 わ れ る 。 最 後 に 、 56 歳 以 上 の 高 年 齢 層 に な る と 、 日 米 と も に 女 性 よ り も 男
性 の 方 が 利 用 率 が 高 く な っ て い る 。 た だ し 、 日 本 の 場 合 に は 、 56 歳 以 上 の 高 年 齢 男 性 で
のインターネット利用率の落ち込み具合がアメリカよりも激しく、この層における日米格
差が際だっている。
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
男性(日本)
女性(日本)
男性(米国)
女性(米国)
図 2.2.2
12-15
16-18
19-24
25-35
36-45
46-55
56-65
66-74
29.2
44.0
77.3
91.6
51.4
52.7
94.7
87.8
65.7
65.2
84.1
78.7
59.5
43.9
81.8
77.5
44.0
32.6
71.4
67.7
38.1
16.4
66.1
74.3
12.8
6.1
62
43
5.2
0.9
40.4
18.4
性別、年齢別のインターネット利用率(日米比較)
注 : 米 国 の 年 齢 上 限 は と く に な い が 、日 本 は 74 歳 が 回 答 者 年 齢 の 上 限 に な っ て い る 。
米 国 デ ー タ の 出 典 : The UCLA Internet Report: Surveying the Digital Future,
UCLA Center for Communication policy, November 2000
2.2.3
学歴別の利用率
学歴別にみると、日本でもアメリカでも学歴の高い人ほどインターネット利用率も高く
なるという関連がはっきりとみられる。日本では、アメリカよりも学歴間の利用率の差が
大きくなっている。アメリカでは学歴間の差は最大でも3倍以下におさまっているのに対
し 、 日 本 で は 中 学 校 と 大 学 院 と の 間 に は 約 8 倍 も の 開 き が み ら れ る ( 図 2.2.3)。
0
日本
0
20
20
小学校
40
60
80
100
40
60
80
100
26.5
小学校
中学校
中学校
高校
高校
短大・高専
12.5
12.5
26.5
24.9
24.9
47.3
47.3
短大・高専
大学
62.2
95.8
95.8
62.2
大学
大学院
大学院
米国
米国
中学校以下
中学校以下
31.2
31.2
高校
高校
短大
短大
53.1
53.1
70.2
70.2
大学
大学
大学院
大学院
図 2.2.3
86.3
86.3
86.3
86.3
学歴別にみたインターネット利用率(日米比較)
米 国 デ ー タ の 出 典 : The UCLA Internet Report: Surveying the Digital Future,
UCLA Center for Communication policy, November 2000
2.2.4
世帯年収別の利用率
世 帯 年 収 別 の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 を み る と 、 図 2.2.4 の よ う に な っ て い る 。 日 本 の 場
合 、 世 帯 年 収 200 万 円 未 満 の 低 所 得 層 の 利 用 率 は 21.7 % と も っ と も 低 く 、 所 得 と 比 例 し
て イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 率 も 高 く な る と い う 傾 向 が み ら れ る ( カ イ 2 乗 検 定 ; p < .001)。
アメリカでも日本と同様に、インターネット利用率は所得に比例して高くなる傾向がみら
れ る ( 図 2.2.4)。 イ ン タ ー ネ ッ ト へ の ア ク セ ス が い ま だ 経 済 的 要 因 に よ っ て 大 き く 規 定 さ
れているという現状が日米共通に存在している。
0
20
40
60
80
100
日本
200万未満
21.7
200∼400万未満
21.8
400∼600万未満
600∼800万未満
800∼1000万未満
29.8
35.9
47.8
52.4
1000万以上
米国
1.5万ドル未満
1.5∼5万ドル未満
41.0
61.5
5∼10万ドル未満
10∼15万ドル未満
15万ドル以上
図 2.2.4
81.0
88.6
87.3
世帯年収別にみたインターネット利用率(日米比較)
米 国 デ ー タ の 出 典 : The UCLA Internet Report: Surveying the Digital Future,
UCLA Center for Communication policy, November 2000
2.2.5
職業別の利用率
図 2.2.5 は 、 回 答 者 の 職 業 別 に イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 を み た も の で あ る 。 上 側 の グ ラ フ
は、仕事の種類別にみたもので、学生・生徒の利用率がもっとも高く、フルタイムの仕事
を も っ て い る 人 の 利 用 率 が こ れ に 次 い で 高 く な っ て い る 。無 職 者 の 利 用 率 は も っ と も 低 い 。
下半分のグラフは、職業別(有職者のみ)のインターネット利用率を示したものである。
専門技術職の利用率がもっとも高く、事務職、管理職、会社役員、自由業がこれに続いて
いる。逆にもっとも利用率が低いのは農林漁業従事者である。自営業や技能・労務職も利
用率はあまり高くない。このように、仕事の種類や職業によって、インターネットの利用
率に有意な差がかなり明確にみられる。
0
10
20
30
40
50
60
70
80
仕事の種類 ***
40.9
フルタイム
24.6
パート、バイト
15.1
専業主婦
50.7
学生、生徒
8.3
無職
職業 ***
52.2
会社役員
19.6
自営業主
45.5
自由業
67.1
専門技術職
55.9
管理職
61.2
事務職
38.9
販売・サービス
21.3
技能・労務職
45.5
保安職
8.2
農林漁業
29.2
その他
( χ 2 検 定 ; *** : p<.001)
図 2.2.5
2.2.6
職業別にみたインターネット利用率
地域別の利用率
地 域 別 の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 を み る と 、 図 2.2.6 の よ う に な っ て い る 。 都 市 規 模 別 に
みると、もっとも都市規模の大きい地域である「東京区部」でのインターネット利用率が
55.9 % と 他 の 地 域 に 比 べ て 飛 び 抜 け て 高 く な っ て い る 。 ま た 、 人 口 の 少 な い 町 村 で は 、
他の都市部に比べてインターネットの利用率がかなり低くなっている。
全国を11のブロックに分けた地域別にみると、関東地域(茨城、栃木、群馬、埼玉、
千葉、東京、神奈川)の利用率がもっとも高く、北陸地域(新潟、富山、石川、福井)が
これに続いている。近畿地域の利用率も平均値以上を示している。インターネットの利用
率 が も っ と も 低 い 地 域 は 、 沖 縄 で あ り 、 東 山 地 域 ( 山 梨 、 長 野 、 岐 阜 )、 東 北 地 域 ( 青 森 、
岩手、宮城、秋田、山形、福島)の利用率もかなり低い。
以上のように、都市規模、地域別にみたインターネット利用率の格差は依然としてかな
り大きいという実態が示されている。
0
10
20
30
40
50
60
都市規模 ***
55.9
東京区部
政令指定都市
36.3
人口10万以上
33.9
人口10万未満
34.3
町村
24.5
地域 ***
29.8
北海道
東北
22.6
関東
40.4
北陸
39.7
東山
22.4
31.3
東海
近畿
35.2
中国
29.5
四国
29.1
九州
30.6
沖縄
22.3
(χ 2 検定
図 2.2.6
2.3
2.3.1
*** p < .001 )
都市規模、地域別にみたインターネット利用率
インターネットの非利用者
インターネットを利用しない理由
それでは、インターネットを利用していない人は、どのような理由から利用していない
の だ ろ う か 。「 利 用 し た こ と が な い 」 と 答 え た 人 ( 1,703 人 ) に 対 し て 、 利 用 し な い 理 由
を あ ら か じ め 用 意 し た 15 の 選 択 肢 の 中 か ら い く つ で も 選 ん で も ら っ た と こ ろ 、 図 2.3.1 の
よ う な 結 果 が 得 ら れ た 。 選 択 肢 の ワ ー デ ィ ン グ は 、 ア メ リ カ の UCLA が 行 っ た 調 査 と 大
部 分 合 わ せ て あ る 。た だ し 、
「時間がないから」
「コンピューターウィルスが怖いから」
「不
要メールや迷惑メールが多いから」という項目は、アメリカでは「その他」に入れて集計
してあるため、日本のデータのみ載せてある。
インターネットを利用しない理由でもっとも多かったのは、
「使い方がわからないから」
と い う も の で 、 49.0 % と ほ ぼ 半 数 の 人 が 理 由 と し て あ げ て い る 。 次 に 多 か っ た の は 、「 イ
ンターネットを使える機器がないから」という理由であった。この上位 2 つの理由は、利
用能力と利用機器の点でインターネットへのアクセスができないことがインターネット利
用 を 妨 げ る 最 大 の 要 因 と な っ て い る こ と を 示 し て い る 。 3 番 目 に 多 か っ た 理 由 は 、「 イ ン
ターネットに興味がないから」というもので、これはインターネットに対するニーズの欠
如 を 示 す も の で あ る 。 4 番 目 に 多 か っ た 理 由 は 、「 費 用 が 高 す ぎ る か ら 」 と い う 経 済 的 な
要 因 で あ る 。「 時 間 が な い か ら 」 と い う 時 間 的 制 約 を あ げ た 人 も 2 割 強 い た 。 そ の 他 の 理
由は、図に示すとおりである。
アメリカと比較すると、いくつかの共通点と相違点がみられる。日米で共通しているの
は 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 え る 機 器 が な い か ら 」 と 「 イ ン タ ー ネ ッ ト に 興 味 が な い か ら 」
と い う 理 由 を あ げ る 人 が 多 か っ た と い う 点 で あ る 。 こ れ に 対 し 、「 使 い 方 が わ か ら な い か
ら」という利用能力の問題をあげた人は、アメリカよりも日本の方がはるかに多くなって
いる。日本ではインターネットを利用しない最大の理由となっているが、アメリカでは
第 3 位となっている。この数字の違いがインターネットリテラシーの日米格差を意味する
のか、それとも他の要因が絡んでいるのかは不明である。いずれにしても、今回の調査に
よ っ て 、日 本 で は 使 い た く て も 使 え な い 人 た ち が 数 多 く い る こ と が 明 ら か に な っ た わ け で 、
こうした人々に対するリテラシー教育の重要性が改めて浮き彫りになったといえるだろ
う 。 ま た 、「 費 用 が 高 す ぎ る か ら 」 と い う 理 由 を あ げ た 人 の 割 合 も 、 ア メ リ カ に く ら べ て
日本の方が著しく高い。これは、電話利用料金の日米格差をそのまま反映したものであろ
う。つなぎ放題のフレッツなどの低料金サービスが始まったとはいえ、日本はアメリカに
くらべるとインターネットの利用料金がはるかに高いというのが実状である。この面での
早急な改善が待たれるところである。
イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し な い 理 由 の 上 位 4 項 目 に つ い て 、属 性 と の 関 連 性 を 調 べ て み た 。
その結果、性別ではとくに有意な差はみられなかったが、年齢別ではいずれも有意な差が
認 め ら れ た ( 図 2.3.2)。 ま ず 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト に 興 味 が な い か ら 」 と 「 使 い 方 が わ か ら
な い か ら 」 と い う 理 由 を あ げ た 人 は 、 50 代 以 上 の 高 年 齢 層 に 比 較 的 多 か っ た 。 こ れ に 対
し て 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 え る 機 器 が な い か ら 」 と 「 費 用 が 高 す ぎ る か ら 」 と い う 理 由
を あ げ た の は 、 比 較 的 若 い 年 代 層 に 多 か っ た 。 ま た 、「 時 間 が な い か ら 」 と い う 理 由 を あ
げ た の は 、 30 代 と 20 代 と い っ た 仕 事 や 子 育 て な ど で 忙 し い 年 齢 層 の 人 に 比 較 的 多 い と い
う傾向がみられた。このように、年代によって、インターネットを使わない理由がそれぞ
れ異なっているというのは、興味深い知見といえる。
学 歴 別 で み る と 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト に 興 味 が な い か ら 」 や 「 使 い 方 が わ か ら な い か ら 」
という回答は、学歴の低い人に比較的多いという傾向がみられた。逆に学歴の高い人ほど
「時間がないから」という理由をあげる傾向がみられる。
仕事の種類別にみると、
「 イ ン タ ー ネ ッ ト に 興 味 が な い か ら 」と い う 理 由 を あ げ た の は 、
無職の人や専業主婦に比較的多いという結果が得られた。
0
10
20
30
40
インターネットを使える機器がないから
37.7
18.9
22.7
時間がないから
13.2
1.0
ハイテク技術に対して不安を感じるから
10.6
4.2
費用が高すぎるから
子供のためによくないから
ポルノなど有害な情報が多いから
プライバシーの侵害が心配だから
コンピューターウィルスが怖いから
回線速度が遅すぎるから
4.9
1.4
1.1
1.9
3.2
0.9
2.9
3.8
日本(N=1,703)
米国(N=694)
7.8
1.2
0.7
5.6
4.2
その他
図 2.3.1
31.2
9.1
不要メールや迷惑メールが多いから
無回答
42.6
49.0
使い方がわからないから
自分のコンピューターの性能が不十分だから
60
35.3
33.3
インターネットに興味がないから
接続の仕方が難しすぎるから
50
25.7
0.4
インターネットを利用しない理由(日米比較)
70
60
50
40
30
20
10
0
12-19
20-29
30-39
40-49
50-59
60-74
興味がない ***
11.5
24.1
20.3
29.1
39.6
56.0
使える機器がない ***
使い方がわからない ***
56.9
39.1
51.0
36.6
44.6
38.2
43.2
43.6
37.1
59.6
37.4
57.5
費用が高すぎる ***
41.4
42.8
39.4
35.5
23.6
22.8
時間がない ***
25.3
32.4
34.7
27.7
23.1
9.1
(χ 2 検定
図 2.3.2
*** p < .001 )
年齢別にみたインターネットを利用しない主な理由
2.3.2
インターネットを利用しないことによる経験
インターネットを利用していないと答えた人に対し、利用しないことで具体的に不利益
を 受 け た り 、 不 愉 快 な 経 験 を し た こ と が あ る か ど う か を 、 あ ら か じ め 用 意 し た 12 項 目 を
あ げ て 「 よ く あ る 」 か ら 「 ま っ た く な い 」 ま で の 4 段 階 尺 度 で 回 答 し て も ら っ た 。 表 2.3.1
は回答結果を示したものである。
全体として、不利益を受けた人の割合は非常に低い。インターネットを使わないことに
よ る 不 利 益 や マ イ ナ ス 面 の 経 験 を み る と 、「 肩 身 の 狭 い 思 い を す る 」 こ と が 「 よ く あ る 」
ま た は 「 た ま に あ る 」 と い う 回 答 が 合 わ せ て 7.1% あ る が 、 そ の 他 の 不 利 益 は い ず れ も 4
%以下の低率にとどまっている。まだインターネットの普及率が 4 割に達していない現在
の状況では、不利益を感じるほどの状況は生じていないようである。
表 2.3.1
インターネットを利用しないことによる経験
(インターネット非利用者に対する設問)
%
よ
く
あ
る
た
ま
に
あ
る
ほ
と
ん
ど
な
い
ま
っ
た
く
な
い
無
回
答
インターネットの利用をはじめるよう、強くすすめられたことがある
3.9
14.5
18.8
62.2
0.6
インターネットを利用していないことで肩身の狭い思いをすることがある
0.8
6.3
19.9
72.2
0.8
Eメールを利用できないことで連絡網からはずされることがある
0.3
1.2
11.5
86.1
1.0
就職・転職活動で不利をこうむったことがある
0.2
1.4
9.7
87.7
1.0
仕事上、学業上の情報入手で不利をこうむったことがある
0.5
2.5
11.7
84.3
0.9
コンサート、イベントのチケット予約で不利をこうむったことがある
0.3
1.9
9.6
87.4
0.8
ニュースを知るのが遅れたことがある
0.3
2.6
13.7
82.5
0.9
航空券などで料金的な損をしたことがある
0.1
1.1
9.5
88.4
1.0
友人の近況やうわさに関して、自分に情報が入らないことがある
0.9
2.5
12.7
82.9
1.0
まわりから、情報の入手が遅いと言われたことがある
0.3
2.3
12.7
83.8
0.8
人から、連絡するのが面倒だと言われたことがある
0.4
1.8
10.9
85.9
1.0
仕事上や学業上で、昇進や成績に関して不利をこうむったことがある
0.2
0.9
9.7
88.3
0.9
2.3.3
インターネット利用意向
それでは、インターネットを現在利用していない人が、近い将来、インターネットを
利 用 す る よ う に な る 可 能 性 は ど の く ら い あ る だ ろ う か 。こ の 点 に つ い て 尋 ね て み た と こ ろ 、
図 2.3.3の よ う な 結 果 が 得 ら れ た 。「 大 い に 可 能 性 が あ る 」 と 回 答 し た 人 は 8 . 2 % 、「 少
し 可 能 性 が あ る 」 と 回 答 し た 人 が 29.9% あ り 、 合 わ せ る と 38.1% に な る 。 こ れ ら の 人 々 は
インターネット利用者予備軍と考えることができる。
大いに可能性がある
0%
全体
少し可能性がある
20%
8.2
40%
まったく可能性がない
60%
29.9
80%
61.7
無回答
100%
0.2
性別 **
男性
10.2
女性
6.4
31.7
58.1
28.3
0.3
64.9
年齢別 ***
12-19
17.2
20-29
15.9
30-39
10.8
40-49
9.1
50-59 5.8
46.6
36.2
40.0
44.1
45.4
43.8
32.4
23.9
60-74 2.5 15.4
58.1
70.1
81.8
0.3
0.3
0.2
( χ 2 検 定 ; *** : p < .01 ** : p < .001 )
図 2.3.3
インターネットの利用意向
性別にみると、女性よりも男性の方がインターネットに対する将来的な利用意向はやや
強いという傾向がみられる。また、年齢別にみると、若い人ほど近い将来インターネット
を利用する可能性に肯定的な回答をする傾向がみられる。これを見る限り、我が国ではイ
ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 に お け る 性 差 、年 齢 差 が 急 激 に 改 善 す る と は い え な い よ う に 思 わ れ る 。
2.4
インターネット利用開始時期
イ ン タ ー ネ ッ ト を 現 在 使 っ て い る 人 ( N=1,703)に 対 し 、 自 宅 、 職 場 、 学 校 な ど で イ ン タ
ー ネ ッ ト を 利 用 開 始 し た 時 期 を 尋 ね た 。図 2.4.1は そ の 回 答 結 果 を 示 し た も の で あ る 。2000
年 に な っ て か ら 利 用 し 始 め た 人 が も っ と も 多 く 、 1999 年 に 利 用 し 始 め た 人 が こ れ に 続 い
て い る 。 こ の 両 者 を あ わ せ る と 、 53.1% と 過 半 数 の 利 用 者 が 1999 年 以 降 に 利 用 し 始 め て
い る こ と が わ か る 。 こ れ に 対 し 、 1995 年 以 前 か ら 利 用 し て い る 人 は 、 12.0 % と 少 数 に と
どまっている。言い換えると、インターネット利用者の大半は、利用し始めてから 2 年以
内 と い う こ と に な る 。 ま た 、 1995年 以 降 、 利 用 開 始 比 率 が 急 に 高 く な っ て い る こ と も 注 目
に 値 す る 。 累 積 グ ラ フ を み て も 、 1995年 を 境 と し て そ れ ま で 低 迷 状 態 に あ っ た イ ン タ ー ネ
ッ ト の 利 用 率 が 急 上 昇 に 向 か っ て い る こ と が わ か る 。 そ の 意 味 で は 、 1995年 は イ ン タ ー ネ
ッ ト の 離 陸 点 ( テ イ ク オ フ ポ イ ン ト )、 1999年 は イ ン タ ー ネ ッ ト 普 及 に 弾 み が つ い た 普 及
臨界点(クリティカルマス)の年と位置づけることができるかもしれない。
35.0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
1985
1987
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
0.0
0.0
0.2
0.3
0.5
0.9
1.3
4.0
6.4
10.4
15.6
23.9
33.1
図 2.4.1
インターネットの利用開始時期
利用開始時期を性別にみると、女性よりも男性のほうが開始時期は早いという傾向がみ
ら れ る 。 女 性 の 場 合 に は 、 2000 年 以 降 に 利 用 し 始 め た 人 の 割 合 が 非 常 に 高 く な っ て い る
( 図 2.4.2 )。 男 性 の 場 合 、 1995 年 に 開 始 し た 人 の 割 合 が 大 き い こ と と 、 2000 年 に 入 っ て
から利用を開始したという回答の割合が低下しているのが特徴的である。これに対し、女
性 の 場 合 に は 、 1996 年 以 降 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を 開 始 す る 人 の 割 合 が 年 々 増 大 す る 傾 向 が
2000 年 ま で 一 貫 し て 続 い て お り 、 し か も 年 を 追 っ て 比 率 が 増 大 し て い る こ と が わ か る 。
40
36.1
35
男性
女性
30
25.9
25
24.2
20
21.5
15
5
0
13.1
10.6
11.0
10
0.2
0.2
1985
1987
0.8
0.3
1990
0.4
1991
図 2.4.2
0.5
1.6
1.1
0.4
1992
1993
8.2
6.0
4.3
1.4
16.2
14.9
0.8
1994
1995
1996
1997
1998
2000 年
1999
インターネットの利用開始時期(性別)
イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 開 始 時 期 を 年 齢 別 に み る と 、 20 歳 未 満 の 若 年 層 で は 、 2000 年 以
降 イ ン タ ー ネ ッ ト を 始 め た 人 の 割 合 が 高 い の に 対 し 、 30 代 か ら 50 代 に か け て は 、 1998
年 以 前 に 利 用 を 開 始 し た 人 が 過 半 数 に 達 し て い る ( 図 2.4.3 )。
0%
10%
20%
12-19
20-29
30-39
1999
30%
40%
36.2
26.7
23.4
40-49
29.3
50-59
27.8
60-74
2000
22.2
1996-98
50%
- 1995
60%
70%
34.1
15.6
90%
22.5
25.9
26.4
80%
30.2
24.4
32.0
20.6
32.0
33.3
18.5
100%
7.2
17.2
25.9
23.1
19.6
25.9
図 2.4.3
2.5
2.5.1
インターネットの利用開始時期(年齢別)
インターネットへのアクセス方法
最初にインターネットにアクセスした機器
最 初 に イ ン タ ー ネ ッ ト に ア ク セ ス し た 機 器 は 、 パ ソ コ ン が 82.1% と 圧 倒 的 に 多 い 。 こ
れ に つ い で 多 い の は 、 携 帯 電 話 ・ P H S で 13.6% と な っ て い る 。 こ れ ら 以 外 の 機 器 で イ ン
ターネットを初めて使ったという人はほとんどいない
0
20
40
60
80
82.1
1.パソコン 2.ワープロ専用機
0.8
3.携帯情報端末
0.7
13.6
4.携帯電話・PHS
5.ゲーム機
1.5
6.ウェブTV
0.8
7.その他
図 2.5.1
100
0.2
最初にインターネットにアクセスした機器
パソコン
携帯電話
その他
25
20
19.8
18.5
15
13.9
11.2
10
8.1
8.1
7.1
5
0
0.1
0.1
0.6
0.2
0.5
1985
1987
1990
1991
1992
1.0
1.1
0.1 0.2
1993 1994 1995
0.1
1996
0.6 1.1
0.7
0.2
1997
1998
3.9
1.4
1999
1.3
2000年
図 2.5.2
最初にインターネットにアクセスした機器(利用開始時期別)
しかし、最初にアクセスした機器を、インターネットを開始した時期別にブレイクダウ
ン し て み る と 、 非 常 に 興 味 深 い 傾 向 が み ら れ る ( 図 2.5.2 ) す な わ ち 、 パ ソ コ ン に よ る ア
ク セ ス は 、 1995 年 以 後 、 急 激 に 伸 び て い る と は い え 、 1999 年 を ピ ー ク と し て 、 2000 年 に
入るとやや低下する傾向がみられる。これに対して、携帯電話・PHSで最初にアクセス
し た 人 の 割 合 は 、 1999 年 以 降 、 急 増 し て い る こ と が わ か る 。 こ れ は 、 1999 年 に i モ ー ド
が導入されたことと符号している。その伸び率をみると、数年のうちにパソコンによる初
期アクセスを携帯電話が抜くような勢いを示している。
パソコン
0%
20%
携帯電話
40%
60%
その他
80%
100%
性別 *
男性
女性
84.9
3.2
12.0
78.6
15.7
5.7
年齢 ***
12-19
75.4
18.8
5.8
20-29
74.2
21.0
4.7
30-39
83.1
40-49
14.4
2.5
93.9
4.1 2.0
50-59
88.8
3.1 8.2
60-74
88.9
7.4
3.7
世帯年収 ***
200万未満
200∼400万未満
400∼600万未満
67.4
23.9
72.6
8.7
21.2
84.6
6.2
12.3
3.1
600∼800万未満
87.8
10.2
2.0
800∼1000万未満
88.0
8.5
3.4
1000万以上
87.5
8.3
4.2
全体
82.1
13.6
4.3
( χ 2 検 定 ; *** p < .001 ** p < .01 * p < .05 )
図 2.5.3
最初にインターネットにアクセスした機器(属性別)
性別にみると、携帯電話・PHSからインターネットに入るのは、男性よりも女性の方
に 多 く な っ て い る 。 年 齢 別 で は 、 10 代 か ら 20 代 に か け て は 他 の 年 代 に 比 べ て 携 帯 電 話 ・
PHSで最初にインターネットにアクセスする人の割合が高くなっている。世帯年収との
間にも密接な関連がみられ、世帯年収の低い人ほど、最初に携帯電話でインターネットに
アクセスする割合が高くなっている。これは、携帯電話・PHSのイニシャルコストがパ
ソコンに比べて大幅に安いためだろう。
2.5.2
現在インターネットにアクセスしている機器
現在インターネットにアクセスしている機器を見ると、最初にアクセスした機器の場合
と 同 様 に 85.0 % と 大 半 の 人 が パ ソ コ ン で イ ン タ ー ネ ッ ト に ア ク セ ス し て い る 。 こ れ に つ
いで多いのは、携帯電話・PHS経由のインターネット利用者で、ほぼ4割の人が携帯電
話・PHSでインターネットを利用している。これは、最近とくに携帯電話・PHS経由
のインターネット利用が大幅に増えているという現状を反映したものと考えられる。
0
20
40
60
100
85.0
1.パソコン
2.ワープロ専用機
3.携帯情報端末
1.9
3.8
39.9
4.携帯電話・PHS
3.8
5.ゲーム機
6.ウェブTV
1.9
7.その他
0.9
8.無回答
0.1
図 2.5.4
80
現在インターネットにアクセスしている機器(複数選択)
携帯情報 その他
2 4%
端末
1 1%
ゲーム機
1 8%
無回答
0 1%
携帯電話・
PHS
21 5%
パソコン
73 1%
図 2.5.5
ふだんインターネット・アクセスにもっともよく使う機器
このうち、ふだんもっともよく使う機器を一つだけ答えてもらったところ、パソコンで
ア ク セ ス し て い る 人 が 73.1% で ほ ぼ 4 分 の 1 を 占 め て い る 。 携 帯 電 話 ・ P H S で の イ ン タ
ー ネ ッ ト 利 用 が 21 . 5 % で こ れ に 続 い て い る 。 こ れ ら 2 つ で 、 全 体 の ほ ぼ 95 % を 占 め て
いる。
パソコン
0%
20%
携帯電話・PHS
40%
その他
60%
80%
100%
性別 ***
男性
女性
79.6
4.2
16.2
64.9
6.5
28.5
年齢 ***
12-19
20-29
55.1
8.7
36.2
59.7
6.0
34.3
30-39
79.5
3.0
17.5
40-49
89.9
7.4
50-59
89.8
4.1 6.1
60-74
85.2
2.7
7.4
7.4
学歴 ***
小学校
22.2
77.8
中学校
63.8
高校
62.5
短大・高専
12.1
24.1
7.3
30.2
70.7
大学
5.5
23.8
85.3
大学院
1.4
13.3
100.0
仕事の種類 ***
フルタイム
パート、バイト
78.8
65.4
専業主婦
学生、生徒
無職
16.6
4.7
3.7
30.9
76.4
60.1
66.7
18.2
32.4
28.6
5.5
7.5
4.8
( χ 2 検 定 ; *** p < .001 ** p < .01 * p < .05 )
図 2.5.6
インターネットへのアクセスにふだんもっともよく使う機器
インターネットにアクセスするのにもっともよく使う機器を属性別にみてみよう。
性別では、パソコンをよく使うのは女性より男性の方に多いのに対し、携帯電話・PH
S を よ く 使 っ て い る の は 男 性 よ り も 女 性 の 方 が 多 い 。 年 齢 別 で み る と 、 10 代 か ら 20 代 に
かけては、携帯電話・PHSでアクセスする割合が他の年代層よりもかなり大きい。これ
に 対 し 、 40 代 以 上 の 人 は ほ と ん ど が パ ソ コ ン で ア ク セ ス し て い る 。 学 歴 別 で は 、 小 学 校
卒を除くと、中学校から短大までの人が、比較的携帯電話・PHSでインターネットにア
クセスする割合が高い。これに対し、学歴が大学以上の人はほとんどパソコンでアクセス
している。仕事の種類別にみると、携帯電話・PHSでのアクセス率がもっとも高いのは
学生、生徒であり、パート・バイトをしている人がこれに次いで多い。これに対し、フル
タイムの仕事をもっている人はパソコンによるアクセス率がもっとも高くなっている。
2.6
2.6.1
自宅でのインターネット利用状況
自宅でインターネットを使っている利用者の比率
現 在 、 自 宅 で イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 っ て い る 人 は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 全 体 の 73.6% で
あ る 。 図 2.6.1 は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 全 体 ( N=845 人 ) を 100 % と し た と き の 、 自 宅
でのインターネット利用率を主要な属性別にみたものである。
0
性別 n.s.
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
0
72.4
75.5
男性
女性
年齢別 *
68.1
12-19
76.3
81.0
20-29
30-39
70.3
68.4
66.7
40-49
50-59
60-74
学歴 *
小学校
中学校
高校
44.4
65.5
70.4
78.0
77.5
78.3
短大・高専
大学
大学院
仕事の種類 *
71.9
フルタイム
82.5
パー ト、アルバイト
89.3
専業主婦
70.5
71.4
学生、生徒
無職
イン ター ネットを使う家族人数 ***
1人もいない
1人
2人以上
62.1
78.0
91.9
( χ 2 検 定 ; *** p < .001 ** p < .01 * p < .05
図 2.6.1
n.s. 有 意 差 な し )
主要な属性別に見た自宅でのインターネット利用率
性別の有意差はないが、女性の方が自宅での利用率がわずかに高くなっている。年齢別
で は 、 30 代 の 利 用 率 が も っ と も 高 く 、 20 代 が こ れ に 次 い で い る 。 学 歴 は 高 い 人 ほ ど 、 自
宅でのインターネット利用率も高くなるという傾向がみられる。仕事の種類別にみると、
自宅でのインターネット利用率がもっとも高いのは専業主婦で、パート・アルバイトをし
ている人がこれに続いている。また、インターネットを使っている同居家族の人数が多い
人ほど、自宅でのインターネット利用率も高いという興味深い関連もみられる。
2.6.2
自宅でのインターネット利用時間
自 宅 で の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 時 間 は 、 週 平 均 4 時 間 6 分 で あ っ た 。 1日 平 均 時 間 に 直 す
と 、 約 35分 と い う こ と に な る 。 ア メ リ カ で の UCLA調 査 で は 、 自 宅 で の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用
時 間 が 平 均 7.3時 間 で あ っ た か ら 、 日 本 の ほ う が 利 用 時 間 は 短 い と い う こ と に な る 。
性別で比較してみると、女性よりも男性の方が自宅での利用時間は長くなっている。年
齢 別 で は 、 20代 ∼ 30代 で の 利 用 時 間 が 比 較 的 長 い 。 こ の 他 に 統 計 的 に 有 意 な 差 が み ら れ た
の は 、 都 市 規 模 で あ る 。 図 2.6.2に 示 す よ う に 、 東 京 都 区 部 に 住 む 人 は 、 他 の 地 域 に く ら
べると、自宅でのインターネット利用時間が群を抜いて長くなっている。
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
分
性別 *
281.1
男性
女性
204.0
年齢別 n. s.
211.0
12-19
287.0
283.8
20-29
30-39
40-49
50-59
60-74
208.2
175.8
181.7
都市規模別 *
262.9
郡部(町村)
人口10万未満の市
177.4
258.4
人口10万以上の市
政令指定都市
214.2
411.5
東京都区部
( χ 2 検 定 ; *** p < .001 ** p < .01 * p < .05
図 2.6.2
自宅でのインターネット利用時間と属性の関連
n.s. 有 意 差 な し )
2.6.3
自宅でのインターネット接続方法
自 宅 で イ ン タ ー ネ ッ ト に ア ク セ ス す る 手 段 を み る と 、「 電 話 回 線 」( 携 帯 電 話 ・ P H S
以外)を経由する、いわゆるダイヤルアップ接続が利用者全体のほぼ半数を占めている。
ISDN 回 線 経 由 が こ れ に つ い で 多 く 、 携 帯 電 話 ・ P H S が 三 番 目 に 多 い 。 こ れ に 対 し 、 C
ATVやADSLなどの高速インターネット接続での利用率は非常に低い。アメリカ商務
省 が 2000 年 8 月 に 実 施 し た 全 国 調 査 に よ る と 、 ア メ リ カ の 家 庭 で CATV や A D S L な ど
高 速 イ ン タ ー ネ ッ ト に ア ク セ ス し て い る 家 庭 は 10.7% に 達 し て い る 。 こ れ に く ら べ る と 、
我 が 国 で の 高 速 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 は 4.3% で 半 分 以 下 と い う こ と に な る
ADSL
0 0%
その他
0 3%
無回答
0 3%
携帯電話・
PHS
16 6%
CATV回線
4 3%
電話回線/
携帯電話・
PHSを除く
49 8%
SDN回線
28 6%
図 2.6.3
自宅でのインターネットへのアクセス手段
性別にみると、電話回線や携帯電話・PHSで接続しているのは、男性よりも女性の方
に 多 い 。 こ れ に 対 し 、 男 性 は 女 性 に く ら べ て ISDN や CATV で の 利 用 率 が 高 い と い う 傾 向
が み ら れ る 。 年 齢 別 に み る と 、 10 代 、 20 代 の 若 い 人 た ち は 、 自 宅 で も 携 帯 電 話 ・ P H S
か ら ア ク セ ス す る 比 率 が 他 の 年 代 に く ら べ て 著 し く 高 い 。 30 代 以 上 の 人 は 、 通 常 の 電 話
回 線 や ISDN を 経 由 し て イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し て い る 割 合 が 比 較 的 高 い 。
電話回線
0%
ISDN
20%
CATV
携帯電話・PHS
40%
60%
その他
80%
100%
性別 **
男性
48.0
33.0
52.5
女性
5.8
23.4
2.5
12.9
21.2
0.3
0.4
年齢別 ***
12-19
20-29
39.8
26.9
43.2
24.4
30-39
57.4
40-49
56.7
53.7
50-59
60-74
6.5
25.8
1.1
4.5
27.3
0.6
29.6
27.9
35.8
50.0
2.6.4
6.7 8.7
6.0 4.5
50.0
( χ 2 検 定 ; *** p < .001 ** p < .01 * p < .05
図 2.6.4
1.2 11.7
n.s. 有 意 差 な し )
自宅でのインターネットへのアクセス手段(性別、年齢別)
自宅で使うインターネットの利用料金
イ ン タ ー ネ ッ ト に 月 々 払 っ て い る 料 金 の 平 均 額 を み る と 、 毎 月 2000 円 ∼ 5000 円 と い う
人 が も っ と も 多 い 。 2000 円 未 満 の 人 が こ れ に 続 い て お り 、 両 者 を 合 わ せ る と 、 63.8 % と
利用者全体のほぼ 3 分の2に達する。
わからない 無回答
6 3%
0 3%
自分で払って
いない
10 5%
2000円未満
23 0%
10000円
以上
2 7%
5000円∼
10000円
未満
16 4%
2000円∼
5000円未満
40 8%
図 2.6.5
自宅で使うインターネット利用料金
2.7
2.7.1
自宅以外でのインターネット利用状況
アクセスする場所別にみた利用率
自 宅 以 外 で イ ン タ ー ネ ッ ト に ア ク セ ス し て い る 場 所 を み る と 、「 自 宅 以 外 の 職 場 」 で の
利用が圧倒的に多く、学校がこれについで多い。しかし、公共図書館やインターネットカ
フェなど、パソコンをもたない一般の人々が利用できる場所での利用率はきわめて低い。
0
5
10
15
20
25
30
公共図書館
0.8
インターネットカフェ
0.6
3.6
7.7
その他の自宅以外の場所
40.0
自宅以外では使っていない
図 2.7.1
45
11.8
学 校
無回答
40
39.8
自宅以外の職場
友人・親戚の家
35
1.7
自宅以外でのインターネット利用状況
図 2.7.2 は 、 自 宅 を 含 め て 、 ア ク セ ス す る 場 所 別 に み た イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 率 を 日 米 間
で 比 較 し て み た も の で あ る 。 ア メ リ カ 側 の 公 表 さ れ た デ ー タ ( Cole et al., 2000 )で は 、 学 生
・生徒については、学生・生徒の中で学校でインターネットを使っている者の比率、有職
者の中で自宅以外の職場でインターネットを使っている者の比率を計算しているので、日
本のデータもこれに合わせて計算し直している。また、母数もインターネット利用者全体
を 100 % と す る の で は な く 、 こ こ で は ア メ リ カ 側 デ ー タ に 合 わ せ て 、 非 利 用 者 を 含 め た 全
サ ン プ ル ( 日 本 が 2555 人 、 ア メ リ カ が 2096 人 ) を 100 % と し た と き の 比 率 を 計 算 し て い
る。
どの場所をとっても、アメリカの方がインターネットへのアクセス率が高いが、とりわ
け、公共図書館での利用率の差が際だっている。アメリカでは、全人口の 1 割近い人が図
書 館 で イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し て い る が 、 日 本 で は わ ず か 0.3% に す ぎ な い 。 学 校 で の イ
ンターネット利用率も日本はまだアメリカの半分程度のレベルにとどまっている。公共政
策レベルでの日米間のデジタル格差がこの数字に端的に示されているように思われる。
0
10
20
30
80
46.9
26.8
42.3
29.3
学校でインターネットを利用する学生・生徒
図 2.7.2
70
24.3
自宅以外の職場でインターネットを利用する有職者
その他の場所でインターネットを利用する人
60
66.9
自宅でインターネットを利用する人
公共図書館でインターネットを利用する人
50
33.1
インターネットを利用する人
友人や親戚の家でインターネットを利用する人
40
55.3
1.2
19.8
0.3
9.6
日本
米国
2.7
2.4
アクセスする場所別にみたインターネット利用率の日米比較
( 母 数 は 、 日 本 が N=2,555 人 、 米 国 が N=2,096 人 )
米 国 デ ー タ の 出 典 : The UCLA Internet Report: Surveying the Digital Future,
UCLA Center for Communication policy, November 2000
2.7.2
場所別のインターネット利用時間
自 宅 以 外 の 場 所 で の 1 週 間 あ た り の イ ン タ ー ネ ッ ト 平 均 利 用 時 間 を み る と 、「 自 宅 以 外
の 職 場 」 ( N=336 )が 5 時 間 43 分 、「 学 校 」 ( N=100 )が 2 時 間 24 分 、「 公 共 図 書 館 」 ( N=7 )
が 1 時 間 31 分 、
「 イ ン タ ー ネ ッ ト カ フ ェ 」( N=5 )が 1 時 間 54 分 、
「 友 人 ・ 親 戚 の 家 」( N=30 )
が 51 分 、「 そ の 他 の 自 宅 以 外 の 場 所 」 ( N=65 )が 1 時 間 48 分 と な っ て い る 。
図 2.7.3 は 、 自 宅 お よ び 自 宅 以 外 の 場 所 に お け る 性 別 の イ ン タ ー ネ ッ ト 平 均 利 用 時 間 を
示したものである。公共図書館、友人・親戚の家をのぞいて、どの場所でも、女性よりも
男性のほうが利用時間は長くなっている。公共図書館の場合には、利用者がわずか7人な
ので、これをもって女性の方が利用時間が長いとはいえない。ちなみに、自宅以外の場所
では、サンプル数が少ないため、男女間の差は統計的に有意ではないことをお断りしてお
きたい。
0
50
100
150
200
その他の自宅以外の場所
図 2.7.3
400
分
360.5
296.9
154.9
128.1
学校
友人・親戚の家
350
204.0
自宅以外の職場
インターネットカフェ
300
281.1
自宅
公共図書館
250
50.0
121.3
男性
女性
135.0
30.0
48.3
53.6
132.8
74.3
自宅および自宅外でのインターネット利用時間(週平均分数、性別)
3章
携帯電話とモバイル・インターネットの利用状況
本章では、最近、利用が急増している携帯電話(PHSを含む)及びモバイル・インタ
ーネットの利用状況について述べる。
3.1
携帯電話の利用状況
(1)携帯電話の利用率
携帯電話を「現在、利用している」人は、全体の 55.0%と過半数に達している。また、
「かつて利用したことはあるが、今は利用していない」人が 6.5%で、利用経験者は併せ
て 61.5%と6割を超えている。「利用したことはないが、利用してみたい」と思っている
人が 16.2%おり、「利用したことがなく、利用したいとも思わない」人は、22.2%に留まっ
ている。
携帯電話の利用率は、利用拡大とともに男女差が縮まりつつあるが、依然少し残ってお
り、男性の 61.3%に対して女性は 48.8%に留まっている。図 3.1.1 に示したように、利用
率の違いがもっとも大きいのは年齢であり、もっとも高い 20 歳代の 88.4%に対して、も
っとも低い 70 歳代は 12.4%に留まっている。今後、利用率がどこまで上昇するかは、比
較的利用率が低い中高年齢層の需要がどこまで伸びるかにかかっている。
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
88.4
69.3
61.5
48.7
47.9
25.3
12.4
10歳代
20歳代
図3.1.1
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
携帯電話利用率(%)の年齢ギャップ
学歴による利用率の違いもみられ、大卒(在学中を含む、以下同様)以上の 71.5%、短
大・高専・旧制高校卒の 73.8%に対して、高校卒が 54.9%、小中卒が 26.9%と大きな開き
がある。この違いは、年齢と学歴の間の相関を考慮しても、依然残る。
-1-
世帯収入との関連も若干あり、特に、世帯年収が 400 万円未満の世帯の構成員では、利
用率が 43.3%であり、それ以上の世帯構成員の 61.5%に比べると、18.2%の違いがある。
また、職業との関連をみると、無職( 18.9%)、専業主婦( 32.1%)、パートタイム、アルバ
イト(49.2%)といった、フルタイムで働いていない人の利用率が低くなっている。職業別
では、農林漁業従事者が 28.6%と低い以外は目立った違いはない。
「かつて利用したことはあるが、今は利用していない」人は専業主婦やパート、アルバ
イト従事者に多く、経済的理由により止めたのではないかと推察される。「利用したこと
はないが、利用してみたい」人は、小中卒の人、女性、専業主婦やパートタイム、アルバ
イトの人に多くみられるが、60歳以上の場合は特に多くはない。
(2)保有携帯電話の機能
携帯電話は、電話を送受信する以外に、メールやインターネットのウェブをみる機能
が備わっている場合が多い。携帯電話利用者のうち、69.0%はメール機能付き端末を、40.0%
はウェブ機能付き端末を使用している。これらの機能付きの端末を持っているのは、若い
人に圧倒的に多い(図 3.1.2)。また、高学歴ほど両機能がついた端末を持っている率が高
くなっている。メール機能付きの端末を持っているのは、男性より女性にやや多くみられ
た。
100
93.4
90
82.7
80
70
70.1
65.1
60
54.5
50
40
37.3
30
26.4
50.0
44.7
34.4
39.2
32.2
24.8
20
メール機能
ウェブ機能
両機能なし
25.0
14.9
12.8
10
62.5
60.1
55.5
18.8
4.6
0
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代
図3.1.2
携帯電話のメール機能、ウェブ機能保有率(%)の年齢ギャップ
(3)携帯電話の利用目的
携帯電話の利用目的が私用なのか、それとも仕事なのかを尋ねた結果、「ほとんど私
用」が 55.2%ともっとも多く、「私用で使うことが多い」は 10.7%、「私用と仕事が半々く
らい」が 14.0%、「仕事で使うことが多い」が 12.5%、「ほとんど仕事」は 7.3%であった。
ほぼ 2/3 は私用目的の方が多いのである。携帯電話を使用する目的に関しては、特に性差
-2-
が大きく、女性は実に 78.1%が「ほとんど私用」に使っているのに対して、男性の場合、
「ほとんど私用」の割合は 37.1%と少なく、仕事と私用が混在していることが高い。
当然、年齢による違いも大きく、「ほとんど私用」の比率は、10歳代の 89.5%、20
歳代の 66.6%から次第に低下し、50歳代では、39.1%にまで低下する。そして、60歳
代を過ぎると、リタイヤする人が増えることから再び上昇する。
7.3 0.2
ほとんど私用
12.5
私用で使うことが多い
私用と仕事用が半々
14.0
55.2
仕事用で使う方が多い
ほとんど仕事用
10.7
無回答
図3.1.3
携帯電話の利用目的
(4)携帯電話の電話としての利用
携帯電話を使って話をする回数を尋ねた結果、図 3.1.4 に示したように、1日5通話
以上が 18.1%、1日1∼4通話が 29.8%ともっとも多く、週2∼6通話が 29.0%、週1通
話以下が 9.0%であった。全体の平均通話数(注)は、1日あたり 3.12 通話である。
性差が非常に大き
9.0
0.1
7.9
く、男性が1日に平
10.2
1日10通話以上
1日5∼9通話
1日3∼4通話
1日1∼2通話
週5∼6通話
週2∼4通話
週1通話以下
無回答
18.9
19.6
10.1
均 3.95 通話も話すの
に対して、女性は 2.08
通話しか話さない。
この原因は、ほとん
ど利用目的の違いに
あり、男性は仕事に
使うことが多いため、
24.1
通話数が多くなって
図3.1.4
携帯電話を使った通話数
いる。
(注)平均を出すために 、「1日10通話以上」→15通話 、「1日5∼9通話」→7通
話、「1日3∼4通話」→ 3.5 通話、・・・「週1通話以下」→ 0.07 通話/日として計算
-3-
実際、携帯電話を「ほとんど私用」で使っている人の場合は、平均1日あたり 1.81 通
話に留まっているのに対して、「私用で使うことが多い」人では 2.33 通話、「私用と仕事
が半々くらい」の人は 4.71 通話、「仕事で使う方が多い」人の場合は、さらに増えて、平
均1日あたり 6.23 通話になる。「ほとんど仕事」に使っている人は、私用の通話がほとん
どないことから少し減って、5.88 通話になっている。
年齢による違いをみると、仕事をしている率が高い、20∼50歳代の通話回数がやや
多くなっている。地域的な差は少ないが、仕事利用率がやや高い四国、九州、沖縄の通話
数が多くなっている。
3.2
モバイル・インターネットの利用状況
(1)携帯電話を使ったメール利用
携帯電話を使ったメール(文字メールまたは E メール)は、どの程度利用されてい
るのであろうか。メール機能のある携帯電話を持っている人の 29.1%は実際には使ってい
ない。携帯電話利用者全体の 47.2%は、携帯電話によるメールを使っていない。携帯電話
のメールを実際に使っている人は、携帯電話利用者の 52.8%、すなわち全体の 29.0%であ
る。
携帯電話利用者の中でのメール利用率をみると、男性の 47.5%に対して、女性は 59.1%
と高くなっている。また、年齢による違いが非常に大きく、若い人ほど利用率が高い。図
3.2.1 に示したように、10歳代の利用率が 92.1%とほとんどの利用者が使っているのに
対して、60歳以上は 20.0%と低くなっている。年齢が高くなるほど機能はあっても実際
に使っていないのである。
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
92.1
78.4
52.6
35.1
図3.2.1
20.0
60
歳
以
上
代
歳
50
代
歳
40
代
歳
30
代
歳
20
10
歳
代
24.4
携帯電話によるメール利用率の年齢による違い
-4-
学歴別でみると、短大・高専・旧制高校卒の利用率が 60.5%ともっとも高く、高卒の
52.8%、大卒以上 51.0%、小中卒 40.3%と続いている。また、年齢と同様に、職業従事と
いう点からみると、学生・生徒の利用率が圧倒的に高く 87.1%、パート、アルバイトが
57.8%、フルタイムで働いている人は 47.2%と低くなり、専業主婦は 36.1%でもっとも低
くなっている。メール利用率は、携帯電話の利用目的とも相関が高く、使用目的が私用で
ある割合が高いほど利用率が高くなる。ほとんど私用に使っている人の場合は、メール利
用率が 60.5%であるのに対して、ほとんど仕事の人は 28.2%と少ない。
次にメール利用者の平均利用通数をみると、メール利用率と似た傾向がある。利用者の
平均利用通数は、3.55 通/日であるが、男性より女性、年齢が若い人、学生・生徒の利用
通数が多くなっている。特に、10歳代の利用者は平均 6.66 通/日、学生・生徒は平均 6.72
通/日と多用しているのが目立つ。また、地域差もみられ、東京都区部、四国、中国、北
海道が 4 通/日を超えているのに対して、北陸、東山、東北は 2 通台に留まっている。
使用目的との関係は少し複雑で、ほとんど私用の人が平均 4.04 通ともっとも多いが、
次に多いのがほとんど仕事に使っている人の 3.20 通/日になっている。仕事用にメール
を使っている人は少ないものの、使っている人に限ればかなりの利用頻度になっていると
いうことになる。また、携帯電話の通話回数が多い人ほどメール利用回数も多い傾向がみ
られる。
(2)携帯電話によるインターネット利用
携帯電話利用者のうちでメール送受信もしくはウェブ閲覧機能付きの端末を持ってい
る人は 73.4%に達しているが、そのうちインターネットの利用と意識して、実際に利用し
ているのは 35.6%と少ない。実際に使っているのは、10∼20歳代の若い人に多く、年
齢が高くなるにつれて少なくなる。また、性差や学歴差は少ないが、世帯年収が低い人の
方が実際に使っている率がやや高くなっている。
実際に利用している人の週平均利用時間をみると、123 分で1日平均にすると 18 分に
なる。平均利用時間は、年齢差が少なく、高卒以上、フルタイムで働いている人、大都市
居住者でやや長くなっている。
-5-
4章
ウェブの利用実態
4.1 ウェブの利用頻度
インターネットのウェブサイトへのアクセス状況を、パソコンの画面と携帯電話等に分けて調査し
た。
パソコン画面でウェブを見る頻度は、図 4.1.1 のようになっている。1 日数回以上見ている人が
インターネット利用者の 20.1 %、1 日 1 回くらい見る人が 16.9%おり、両者を合わせると、37.0%
の人が1日1回以上ウェブをみていることになる(この集計の母数はインターネット利用者 845 人)
図4.1.1 ウェブを見る頻度
0
一日数回以上
一日一回くらい
10
20
30
40
50
60
70
20.1
5.5
16.9
5.2
26.7
週に数回くらい
12.5
14.3
月に数回くらい
9.6
パソコン
月に一回以下
5.7
3.5
全くアクセスしない
携帯電話
16.3
63.5
これに対して、iモードなど携帯電話や PHS を通じてウェブにアクセスする頻度は、パソコン
経由にくらべるとかなり少ない。1日数回以上アクセスしている人は 5.5%、1日1回アクセスす
る人が 5.2%であり、両者を合わせても 10.7%にとどまっている。まったくアクセスしないという
人が利用者全体の 63.5%に達している。
ウェブ利用と回答者の属性との関係
ウェブ利用と属性の関係をみるために、ウェブ利用の頻度を週あたりの回数にして属性ごとの平均
値を求めてみた。ウェブ利用を性別で分けてみると、パソコンによる利用では男性の方が多い傾向が
ある。しかし、携帯電話・PHS については、男女の利用度はほぼ等しくなる(図 4.1.2 参照)
。また、
若者はウェブ利用における携帯電話・PHS の利用が相対的に高い。年齢が高くなるにつれて、ウェ
ブ利用に占めるパソコン利用の比率が相対的に高くなる。
携帯電話・PHSによるウェブ閲覧
携帯電話・PHS の普及率は今回の調査対象者では 54.5 %であるが、そのうち電子メールを送受信
する機能がある端末を持っている人は 38.0%、ウェブを見る機能がある端末をもつ人は 22.0%であ
った。しかし、これらの機能をもつ人が必ずしも電子メールやウェブの機能を使っているわけではな
い。メールを携帯電話・PHS で送受信している人は当該の機能がある端末をもつ人のうちの 70.9%
だが、ウェブを携帯電話・PHS で見ている人は、その機能のある端末をもつ人のうちの 28.0%にす
ぎない。ウェブを携帯電話・PHS で見るという行動は、まだ一般的なものとは言えないようである。
こうした関係を年齢別に分析したところ、興味深い結果が得られた。年齢が上がるほど、パソコン
や携帯電話などの機器をもつ比率は低下するが、機器を持っている人の中でウェブをみる機能を使っ
ている人の率もまた同様に年齢とともに低下するのである(表 4.1.1)
。つまり、年齢は機器の所有
への影響と、機器を持った場合でのウェブ利用という点で二重に影響を及ぼしているということにな
る。
0
2
4
6
8
10
性別
パソコン
男性
7.7
2.2
女性
携帯電
話
4.4
1.4
年齢
10代
3.7
2.3
20代
30代
6.7
1.7
40代
0.9
50代
0.9
60代
7.4
3.3
6.9
4.8
8.2
0.1
2.5
70代
学歴
小中学校
4.0
1.3
高校
5.0
2.5
高専・短大
1.6
大学・大学院
1.6
5.4
8.5
職業
フルタイム
1.9
パート・アルバイト
1.9
専業主婦
7.1
2.9
0.7
学生・生徒
無職
6.9
5.2
2.4
5.8
1.1
世帯年収
200万以下
200∼400万
1.5
400∼600万
1.6
600∼800万
800∼1000万
1000∼1200万
6.6
4.2
5.4
7.1
6.0
1.3
5.6
1.8
7.1
2.7
1200∼1400万
2.3
1400万以上
2.2
図4.1.2 属性別の週当たりウェブ利用頻度
6.3
7.8
表4.1.1 年齢別のウェブ閲覧可能な機器所有と閲覧の関係
年齢
パソコンを普段
そのうち、ウェ
ウェブ閲覧可能
そのうち、ウェ
利用している
ブを見ている%
な携帯電話を所
ブを見ている%
有している
10 台
56.1%
58.3%
31.7%
57.6 %
20 台
61.1
74.1
49.0
61.3
30 台
53.9
69.7
25.8
53.0
40 台
47.9
60.1
19.8
29.6
50 台
32.6
57.0
11.8
14.6
60 台
10.7
47.5
3.8
14.3
70 台
7.0
33.3
2.3
0.0
4.2 ウェブサイトへのアクセス状況
具体的にどのようなウェブサイトにアクセスしているかを尋ねた結果が、表 4.2.1 である。
アクセス率がもっとも高いのは、Yahoo!や Goo などの検索サイトである。パソコン画面では、
64.4%、携帯電話でも 7 %の人が利用している。パソコン画面で次にアクセス率が高いウェブサイ
トは、交通・経路・地図関連である。個人のホームページがアクセス率で第三位に入っている点は注目
に値する。近年における個人ホームページ急増がその背景にあると思われる。
携帯電話によるアクセスの比率を比較するために、
(携帯電話のみ+パソコン・携帯両方)÷(パソコンのみ+携帯のみ+パソコン・携帯両方)の比率を計算
してみた(表 4.2.1 の一番右の列)。この数字は、携帯電話利用がサイト利用に占める比率を意味す
る。30 %を越えているサイトが3つあり、占い(39.5 %)、出会い(35.7 %)、天気予報(31.7 %)、
次いで音楽・コンサート(28.8 %)となっている。特に若者向けの情報サイトで携帯電話(多くはNT
Tドコモの i モードであろう)経由の閲覧が多いことがわかる。
表4.2.1 最近1ヶ月間にアクセスしたウェブサイト
パだ
ソけ
コで
ンア
画ク
面セ
ス
携ア
帯ク
電セ
話ス
だ
け
で
携画
帯面
・の
パ両
ソ方
コ
ン
どセ
ちス
らし
でて
もい
アな
クい
無
回
答
携帯
電話
比率
検索サイト
64.4
7.0
5.4
22.6
0.6
16.1
交通・経路・地図
40.4
4.5
2.1
52.7
0.4
14.0
ニュース
33.6
4.0
56.6
0.5
21.7
天気予報
25.2
7.9
3.8
62.6
0.5
31.7
パソコン関連
27.2
0.7
0.7
70.8
0.6
4.9
オンラインショッピング
20.8
0.7
0.7
77.3
0.7
6.3
オンラインショッピング以外の商品情報
25.2
0.8
1.3
72.2
0.5
7.7
観光・旅行
34.7
2.4
1.3
61.3
0.4
9.6
ビジネス・経済関連
25.6
1.7
1.3
70.8
0.7
10.5
自分・子供の学校関係
11.4
0.1
0.5
87.3
0.7
5.0
その他の教育関連
11.5
0.1
0.4
87.2
0.8
4.2
その他の職場関連
25.9
0.7
0.7
72.2
0.5
5.1
就職情報
12.2
0.9
0.5
85.9
0.5
10.3
政府・役所
15.1
0.2
0.1
83.9
0.6
1.9
5.3
4.7
0.1
-
94.4
0.7
2.1
スポーツ
27.6
4.9
2.4
64.9
0.4
20.9
音楽・コンサート
24.7
6.9
3.1
64.6
0.7
28.8
術
9.1
0.4
0.5
89.2
0.8
9.0
映画・テレビ
24.3
3.3
1.9
70.1
0.5
17.6
政治活動のサイト
美
医療情報
16.3
0.1
0.6
82.2
0.7
4.1
健康・フィットネス
11.6
0.1
0.4
87.1
0.8
4.1
1.9
0.2
-
97.0
0.8
9.5
コンピュータ・ゲーム
22.6
2.6
1.4
72.7
0.7
15.0
アダルト関連
10.3
1.3
0.7
87.1
0.6
16.3
個人のホームページ
35.3
2.6
1.7
59.9
0.6
10.9
科学・サイエンス
13.0
0.1
0.1
85.8
0.9
1.5
趣味・工作
30.1
2.4
1.4
65.2
0.9
11.2
料
12.3
1.1
0.5
85.4
0.7
11.5
宗
教
理
4.9
0.1
0.4
94.0
0.7
9.3
20.7
0.6
0.8
77.0
0.8
6.3
ギャンブル
5.6
1.5
0.9
91.4
0.6
30.0
マンガ・アニメ
9.6
1.7
0.7
87.3
0.7
20.0
育児関連
出版・図書情報
い
16.1
7.7
2.8
72.9
0.5
39.5
出会い
6.3
2.6
0.9
89.5
0.7
35.7
占
表4.2.2 サイトの数量化3類分析(コレスポンデンス分析)
第1軸
第2軸
第3軸
第4軸
(頻度の
パソコ
主婦向
男性向
因子)
ン対携
け情報
け情報
帯電話
因子
検索サイト
0.774
-0.038
-0.062
-0.047
交通・経路・地図
0.958
0.028
-0.099
-0.077
ニュース
1.027
0.007
-0.195
-0.039
天気予報
1.032
0.047
-0.142
-0.077
パソコン関連
1.221
-0.002
-0.106
-0.016
オンラインショッピング
1.212
-0.093
0.055
-0.143
オンラインショッピング以外の商品情報
1.173
-0.072
-0.023
-0.158
観光・旅行
1.007
0.081
-0.011
-0.133
ビジネス・経済関連
1.112
0.178
-0.266
0.016
自分・子供の学校関係
1.194
0.101
0.279
0.105
その他の教育関連
1.423
0.318
0.248
0.171
その他の職場関連
1.033
0.233
-0.207
-0.002
就職情報
1.284
-0.070
0.042
-0.023
政府・役所
1.371
0.395
-0.162
0.176
政治活動のサイト
1.740
0.543
-0.039
0.648
スポーツ
1.033
-0.034
-0.162
0.029
音楽・コンサート
0.997
-0.212
0.046
-0.048
美
術
1.498
0.036
0.279
-0.084
映画・テレビ
1.179
-0.170
0.063
-0.058
医療情報
1.323
0.340
0.273
-0.065
健康・フィットネス
1.490
0.352
0.440
-0.121
宗
教
1.514
0.663
0.405
1.020
コンピュータ・ゲーム
1.057
-0.289
0.026
0.102
アダルト関連
1.285
-0.194
-0.122
0.328
個人のホームページ
1.042
-0.096
0.001
-0.002
科学・サイエンス
1.514
0.207
0.039
0.264
趣味・工作
1.079
-0.096
0.021
-0.033
料
1.307
0.090
0.400
-0.179
育児関連
1.346
0.400
0.715
-0.024
出版・図書情報
1.339
0.103
0.117
0.019
ギャンブル
1.277
-0.308
-0.188
0.446
マンガ・アニメ
1.021
-0.588
0.230
0.208
占
い
0.908
-0.323
0.106
0.023
出会い
1.046
-0.519
0.172
0.217
理
説明率
85.7%
2.6%
1.8%
1.2%
各サイトへの回答者のアクセスの有無をあらわす変数(パソコンか携帯電話かという区別は無視)を
使い、各サイトの接触状況を林の数量化3類(コレスポンデンス分析)で分析した結果が表 4.2.2 で
ある。まず、第 1 軸は接触者が少ないほど得点が高い(つまり接触頻度と逆方向の得点をあらわす)
軸であるが、これは数量化3類分析の時にしばしば見られる回答頻度を表わす次元であり、結果とし
ては特に意味はない。第2軸は、得点の高いサイトにはパソコンでの接触頻度が高いものが並び、低
いサイトには携帯電話・PHS での接触頻度が高いものが並んでいる。したがって、第2軸はパソコ
ン対携帯電話(PHS 含む)の利用メディアを表わす軸といえよう。第3軸は、得点の高いものに「育
児関連」
「料理」
「健康・フィットネス」
が並んでいることから、主婦向けサイトを表わす軸であろうと考
えられる。第4軸は、
「政治活動」
「宗教」
「ギャンブル」
「アダルト関係」
があることから、これは男性向
けのサイトを表わす軸であろうと考えられる。
4.3 ウェブの利用形態
どのようにパソコンで目的のウェブを見出すのかを聞いた質問
(問19)
の結果が表4.3.1である。最
も多いのが「ポータルサイト(Yahoo!など)の目次を使う」
で50.8%、次いで「ブックマークやお気に入り
を使う」
43.7%であった。
「ポータルサイトの目次を使う」
「ブックマークやお気に入りを使う」
「サーチエンジンでキーワード
検索を使う」
の3つにおいて性差が認められた。これらの項目について男性の方がよく使うという傾
向があった。また、ブラインドタッチができる人(問6-3で
「キーボードを見ないで打てる」
)とそうで
ない人に分けて、各項目の比率を比較したところ、全ての項目においてブラインドタッチのできる人
の方が比率が高かった。この結果は、ブラインドタッチに代表される情報リテラシーの高い人ほど、
どの形態も幅広く使う傾向があることを示している。
表4.3.1 ウェブの利用形態(「いつも使う」「
+ よく使う」
の%)
全体
男性
女性
ブラインドタ
それ以外
ッチ可能の人
ポータルサイトの目
50.8%
54.9%
45.6% **
66.2%
47.3% ***
43.7
47.6
38.6 **
60.1
40.0 ***
32.0
31.2
33.1
41.8
29.8 **
39.6
43.7
34.3 *
53.9
36.4 ***
20.2
20.6
19.6
31.4
17.7 ***
次を使う
ブックマークやお気
に入りを使う
見ているサイトのリ
ンクを次々にたどる
サーチエンジンでキ
ーワード検索をする
アドレスを直接打ち
込む
0
10
20
30
40
50.5
ほとんど私用
12.8
私用が多い
半々くらい
仕事・学業が多い
ほとんど仕事・学業
ウェブは見ない
50
9.8
7.8
9.9
8.5
図4.4.1 ウェブを見る目的
60
4.4 ウェブの利用目的
ウェブを見る理由を私用・仕事(学業)にわけて聞いた結果が図4.4.1である。ほとんどの人が、私用
でウェブを見ていることがわかる。
次にどのような要因が、私用/仕事・学業と関係しているのかを見てみよう。表4.4.1をみると、女
性の方が男性よりも私用としてのウェブ利用が多いことがわかる。また、携帯電話利用の方が私用の
割合は高い。表では携帯電話のみの利用者における私用利用は55.1%であるが、これはウェブを利用
しない(電子メール利用のみ)人が29.6%もあるためであり、これを除くと携帯電話利用者におけるウ
ェブ利用は私用目的が70%以上で最も高くなる。
表4.4.1 性別・利用メディア別のウェブの利用目的(%)
性別
男性
インターネット利用メディア
女性
パソコ
携帯電話 パソコ
ンのみ のみ
それ以外
ン・携帯
電話両
方
ほとんど私用
45.3
58.1
45.7
55.1
62.6
46.7
私用が多い
14.3
11.0
13.3
11.2
10.6
17.8
半々くらい
11.0
8.5
11.7
1.0
12.6
4.4
9.7
5.5
9.7
3.1
4.0
12.2
13.1
6.0
14.8
0.0
4.0
10.0
6.7
11.0
4.9
29.6
6.1
8.9
仕事・学業が多い
ほとんど仕事・学業
ウェブは見ない
2
χ =28.9**
2
χ =122.6**
( χ2 ** p<.01)
4.5 ホームページの所有
自分のホームページをもっている人はインターネット利用者のうちの7.5%、定期的に更新してい
る人は2.6%(22人)に過ぎなかった。ウェブを見る人に比べて自分のホームページを所有している人は、
かなり少ないと言えよう。
ホームページ所有者の特徴をまとめたのが、表4.5.1である。ホームページ利用者は男性にやや多
く(性差は5%水準で統計的に有意)、年齢には統計的な有意差はない。ウェブの利用目的でみると、
仕事・学業目的の割合がやや高いが、その差は統計的に有意ではない。
ホームページ所有者のライフスタイルを調べたところ、問38b
(情報探求度)
と統計的に有意な関係
かが見出された。欲しい情報があると納得があるまで探すタイプの人の方が、ホームページを持って
いる傾向が強いのである。また、パソコンの利用を開始した時期が古い人ほどホームページを持って
いる傾向もみられた。つまり、ホームページ所有者は、情報探求について熱心であり、パソコン歴が
長い人が多いと言えよう。
表4.5.1 ホームページ所有者の特徴
人数 男性比率 平均年
私用目的
欲しい情報 パソコン利
があると探 用開始時
齢
す(Q38b)1
期(平均)
定期的に更新
22
64.4%
33.4歳
61.9%
1.50
1993年
あるが更新せず
41
75.6
31.6
61.0
1.63
1994
ないが今後希望
285
59.3
34.0
68.7
1.65
1995
ない
494
53.4
33.4
71.4
1.90
1995
χ2またはF検定
* p<.05, ** p<.01, *** p<.001
*
.
***
**
1
点が低いほど探す傾向が強い
4.6 他のメディア利用や行動時間との関係
インターネットでウェブを見ている人は、他のメディアの利用について何か特徴があるのだろうか。
このことを調べるために、ウェブ利用の頻度と他のメディア利用の頻度との相関係数を計算した。そ
の結果が表4.6.1である。
結果をみると、ウェブ利用の頻度とテレビ視聴時間、新聞閲読時間、ラジオ聴取時間との間に負の
相関関係が見られる。つまり、ウェブをよく見る人は、これらのメディア利用が少ないことがわかる。
一方、雑誌閲読時間、書籍閲読時間、テレビゲーム時間と電話で話す時間とは正の相関関係が認めら
れる。これらのメディアについては、ウェブをよく見る人の方が多く利用している。
また、ウェブをよく見る人は、家族と一緒に過ごす時間と睡眠時間が一般の人よりも短く、家族と
レジャーで外出する時間は長いという傾向が見られた。スポーツをする時間については差がみられな
かった。つまり、ウェブを長く見る人が孤独で社交性がないというステレオタイプ的な見方は、デー
タからは検証されないことがわかる。
ただし、この結果にみられた他のメディア利用時間や行動時間における差が、ウェブを見たことに
よる影響であると断定することは必ずしもできない。もともとメディアに対する志向の違いがあった
のかもしれない。また、若者がウェブを使うことが多いので、若者の利用時間が多いメディアとの間
で見かけ上の相関があるのかもしれない。ウェブ閲覧がもたらす他のメディアへの影響については、
より詳細な分析が必要であろう。
表4.6.1 ウェブ利用時間と他のメディア利用時間の相関関係
相関係数
一日一回以上
ウェブを見る t検定結果
ウェブを見る人
のが一日一
(N=348)の週当
回以下の人
たり分数
(N=2207)の週
当たり分数2
テレビ視聴時間(週)
-0.133***
新聞を読む時間
-0.03
1226.0
1601.0
169.1
188.8
***
雑誌を読む時間
0.140***
136.3
88.7
***
本を読む時間
0.109***
205.5
119.2
***
テレビゲームをする時間
0.080***
98.4
58.4
**
音楽鑑賞をする時間
0.195***
273.0
120.6
***
155.0
169.3
110.1
70.5
ラジオを聞く時間
-0.017
電話で話す時間
0.095***
家族といっしょに過ごす時間1
-0.115*
1572.8
2017.7
スポーツの時間
-0.020
166.7
187.0
睡眠時間
-0.042*
418.3
460.4
0.048*
1.8
1.5
家族とのレジャー外出時間1
**
***
*
**
注1 同居家族がいない人は計算から除外
注2 ウェブを見るのが一日一回以下の人には、インターネットを全く使わない人も含まれている。
注3 * p<.05 ** p<.01 *** p<.001
5章
電子メールの利用実態
5.1 電子メールの利用頻度
電子メールの利用頻度は、図5.1.1のようであった。
「1日に数回以上」
「1日に一回くらい」
を合わせ
ると47.4%とほぼ半分に達する。性別による差はあまりみられない。
受信・送信数の分布は、図5.1.2のようであった。最も多いのが1∼10通であり、受信で47%、送信
で56%を占めていた。ただし、この分布は度数が多い方に偏っている(極端に送受信数が多い人がい
る)ため、受信数の平均は27.7通、送信数の平均は16.3通と、最頻値よりも平均値の方が高くなった。
アメリカのUCLA調査では、一週間あたりの電子メール送信数の平均は31.0通、受信の平均45.9通な
ので、1日あたりにすると日本の方がかなり少ない。ただし、この計算に用いた母数(日本ではインタ
ーネット利用者を母数にして比率を計算している)
が等しいかどうかに問題があり、日本の利用者の
方が電子メールが少ないかどうかを断定するには検討が必要であろう。
0.0
10.0
20.0
12.4
12.0
13.0
1日に一回くらい
19.1
17.6
20.9
週に数回くらい
12.4
13.0
11.7
月に数回くらい
まったくしない
40.0
35.0
35.7
34.1
1日に数回以上
月に一回以下
30.0
全体
3.4
3.6
3.3
男性
17.6
18.1
17.1
女性
図5.1.1 性別にみた電子メールの利用頻度(インターネット利用者)
60
55.9
50
46.8
40
% 30
20
18.6
受信
18.2
10.3
12.8
10
送信
6.4
6.7
2.0
2.4
3.1
4.5
0.9 0.5
1.8 0.7
0.7 0.2
0.1 0.0
2.3 0.6
1.5 0.9
1.6 0.4
60
70
80
90
100
200
201∼
0
0
10
20
30
40
50
図5.1.2 電子メールの受信数・送信数(1週あたり)
電子メール利用と属性の関係
主要な属性ごとの電子メールの受信数・送信数の平均を示したのが図5.1.3である。性別では男性の
方が若干多い。年齢では若い方が多く、年齢とともに減少する傾向がある。職業では、学生・生徒と
有職者が多く、専業主婦が最も少ない。世帯年収では200万以下の最も年収の少ない層が一番電子メ
ールを利用しているが、これは若者が電子メール利用の中心であるためであろう。
電子メールと電話利用
電子メールをよく使う人は、普段の対人コミュニケーションも活発なのだろうか。本調査票には対
人コミュニケーション一般の量を測定した項目はないが、電話(携帯電話・PHS含む)を使う時間が含ま
れているのでこれを代用の指標として分析してみよう。
電子メールを使う頻度によって回答者をわけて、電話を使う時間(問5g)を比較してみた(図5.1.
4)
。その結果、
「1日数回以上電子メールを使う」
最もよく電子メールを使う人たちが、電話を使う頻
度も最も多かった。電子メールを全く使わない人(ここにはインターネットを使わない人も含めてい
る)は、電話を使う時間は週当たり66分と
「1日一回程度電子メールを使う」人に次いで電話時間が短か
った。
「1日一回程度電子メールを使う」
人が電話時間が最も短い原因は不明である。ただし、統計的
には「1日に数回以上電子メールを使う」
人たちと残りの人たちの間に有意差があり、残りの人たちの
間では電話を使う時間には差はない。
0
10
20
30
40
50
60
性別
男性
女性
11.3
33.2
17.6
21.0
受信
発信
年齢
10代
30.2
20代
12.8
30代
70代
30.5
13.3
50代
60代
33.7
15.2
40代
35.2
21.7
26.0
11.2
7.8
5.5
4.0
4.0
学歴
小中学校
15.2
14.6
高校
15.4
高専・短大
22.6
13.4
大学・大学院
22.9
36.4
15.4
職業
フルタイム
パート・アルバイト
専業主婦
28.2
14.0
30.2
12.4
7.2
5.4
学生・生徒
無職
26.7
22.1
12.2
37.3
世帯年収
200万以下
200∼400万
800∼1000万
1000∼1200万
1200∼1400万
1400万以上
21.2
11.9
400∼600万
600∼800万
55.7
35.1
24.5
14.7
19.8
9.7
14.1
26.9
41.2
12.5
16.2
28.4
25.1
39.8
図5.1.3 属性別の受信・送信メール数(1週あたり)
週当たり電話利用時間(分)
0
50
100
150
200
250
全ての電子メール利用
188.9
1日に数回以上
1日に一回くらい
週に数回くらい
月に数回くらい
月に一回以下
まったくしない
59.1
73.6
80.8
88.4
66.6
携帯・PHSのメール
236.6
1日10通以上
164.2
1日5∼9通
121.8
1日3∼4通
1日1∼2通
週5∼6通
週2∼4通
95.3
79.3
99.2
週1通以下
91.8
利用しない
91.4
図5.1.4 電子メールを使う頻度でわけた電話利用時間の平均(一週間合計)
同様の傾向は、電子メールを携帯・PHS上のメールに限定して分析した時、さらに強く認められた。
図5.1.4をみるとわかるように、1日10通以上携帯電話・PHSでメールを使っている人は、週当たり23
7分も電話で話をしているのである。
このように電子メールと電話・携帯電話利用の間には密接な関連が見られる。これらのメディア利
用には、他人との直接的なコミュニケーションという点で共通性があり、対人コミュニケーションへ
の必要性が高い人の利用が多いという関係があるためであろう。
5.2 電子メールの利用目的
電子メールを使う目的を私用と仕事・学業にわけて聞いた結果が図5.2.1である。ウェブの場合より
も私用目的が多く、
「ほとんど私用」
が63.2%に達している。この比率は、ウェブ閲覧における私用目
的の比率よりも高い
(4.4参照)
。
私用の利用が特に多いのが、女性である。女性は、80%以上が「ほとんど私用」
と答えている。これ
に対して、男性は50%以下しか「ほとんど私用」
はいない。
また、パソコンよりも携帯電話利用の人の方が、私用目的の人が多い。パソコンのみで電子メール
を利用している人が53%「ほとんど私用」
であるのに対して、携帯電話のみで電子メールを利用してい
る人は89%が「ほとんど私用」
と答えている。
図5.2.1 電子メール利用の目的
0
20
40
60
63.2
ほとんど私用
9.1
私用が多い
6.9
半々くらい
8.0
仕事・学業が多い
11.4
ほとんど仕事・学業
無回答
80
1.4
表5.2.1 性別・利用メディア別の電子メールの利用目的
(%)
性別
男性
インターネット利用メディア
女性
パソコン
携帯電話 パソコン・ それ以
のみ
のみ
携帯電話 外
両方
ほとんど私用
49.7
82.7
53.1
88.5
73.4
66.5
私用が多い
11.1
6.7
10.0
8.1
6.3
15.4
8.3
5.3
8.8
2.3
7.3
3.1
仕事・学業が多い
12.7
7.3
8.8
1.2
7.8
15.4
ほとんど仕事・学業
18.1
3.0
19.4
0
5.2
4.6
半々くらい
2
χ =90.1***
2
χ =74.9***
5.3 電子メールの相手
ふだん電子メールをする相手が何人いるか、その人数を聞いた質問
(問23-3)
の結果が表5.3.1に示
されている。回答の中央値は5人であるが、分布が歪んでいて極端に人数が多い人がいるために、平
均では7.9人となった。
また、ふだん電子メールをする人数の平均を回答者の属性別に求めたものが図5.3.1である。あま
りはっきりした傾向は見られないが、高学歴者ほど電子メールをする人数が多い点が注目される。
電子メールをする相手を回答者の性別で分けて比較したところ、男女で電子メールの相手がきわめ
て異なることが見出された。男性の場合、仕事上の関係の人が多いのに対して、女性では友人や家族
が多いのである。この差は、仕事をしている率が男女で異なるためなのかもしれないので、フルタイ
ムで働いている人に限定して男女の比較を行ったがやはり結果は同様であった(表5.3.1の右列)。男
性と女性では、電子メールの使われ方に基本的な差があることがわかる。
5.4 電子メール利用とウェブ利用の関係
電子メール利用が多い人は、ウェブの利用も多い傾向がある。表5.4.1は、両者の関係を示したも
のである。パソコンの場合でも携帯電話の場合でも、電子メール利用とウェブ利用については、正の
相関関係があることがわかる。
表5.3.1 電子メールをする相手の性別比較
全体
よく電子メールをする相手
男性
女性
フルタイム フルタイム
の男性
の女性
7.87人
8.55人
7.01人 *
8.91人
6.84人 *
普段よく会う友人
61.8%
44.8%
67.0% ***
37.7%
67.2% ***
普段あまり会わない友人
66.6%
51.5%
70.2% ***
48.4%
69.5% ***
恋人
19.7%
15.4%
17.0%
14.0%
24.2% *
家族
31.9%
21.8%
33.7% ***
23.0%
30.5%
仕事上の関係で同じ勤務先
38.1%
39.0%
23.0% ***
45.5%
37.5%
31.2%
37.4%
11.8% ***
44.5%
21.9%***
の人数(平均)
の人
仕事上の関係で別の勤務先
の人
注
*:p<0.05, **:p<0.01, ***:p<0.001
で性差に関する統計的有意差を示す
0
2
4
6
8
10
12
14
性別
8.6
男性
6.8
女性
年齢
5.7
10代
7.9
20代
8.3
30代
7.6
40代
9.4
50代
60代
4.7
6.5
70代
学歴
小中学校
5.0
5.9
高校
7.6
高専・短大
10.0
大学・大学院
職業
8.3
フルタイム
7.8
パート・バイト
専業主婦
4.5
学生・生徒
7.2
無職
7.3
世帯年収
9.9
200万以下
200∼400万
6.2
8.0
400∼600万
600∼800万
800∼1000万
1000∼1200万
1200∼1400万
6.8
7.3
8.2
8.3
1400万以上
図5.3.1 属性別にみた電子メールをする相手の人数平均
12.7
さらに、電子メールの利用を1日一回以上の人とそれ未満の人、ウェブ利用をパソコンまたは携帯電
話のいずれかで1日一回以上の人とそれ未満の人に分けて、各々(電子メール利用多・少×ウェブ利用
多・少)
を組み合わせて4つのパターンをつくった。このパターンごとの回答者の主要な特徴を示した
ものが図5.4.1である。ウェブ利用が多く電子メール利用が少ない人には男性が多く、電子メール利
用が多くウェブ利用が少ない人には女性が多い。電子メールとウェブのどちらも多い人は、学歴が高
く、テレビ視聴時間が短く、年齢も比較的若いという特徴がみられる。
表5.4.1
電子メールとウェブ利用の関係
電子メールの
パソコンによるウ
携帯電話による
利用頻度
ェブ利用日数(月当
ウェブ利用日数
たり日数)
(月当たり日数)
1日に数回以上
9.47
3.45
1日に一回くらい
6.08
0.98
週に数回くらい
4.28
1.64
月に数回くらい
3.79
1.06
月に一回以下
4.16
0.63
まったくしない
3.36
0.35
F検定
p<0.001
p<0.001
電子メール利用多い
男性:66%
大卒以上:39%
大卒以上:52%
平均年齢:35 歳
平均年齢:33 歳
テ レ ビ 視聴時 間: 1413 分
テレビ視聴時間:1194 分
男性:50%
男性:75%
大卒以上:25%
大卒以上:37%
平均年齢:47 歳
平均年齢:35 歳
テ レ ビ 視聴時 間: 1667 分
テレビ視聴時間:1299 分
ウェブ利用多い
ウェブ利用少ない
男性:43%
電子メール利用少ない
図5.4.1 電子メールとウェブ利用を組み合わせたタイプ別利用者の特徴
5.5 電子メール利用にともなうトラブル
表5.5.1は、電子メール利用にともなうトラブルの経験を聞いた結果をまとめたものである。多か
った回答は「チェーンメールが送られてきた」
(26.9%)
「不必要なメールが送られてきた」
(19.3%)
「ダイ
レクトメールが送られてきた」
(17.1%)
「送ったメールが届かなかった」
(14.7%)
などである。
性別で比較してみると、
「チェーンメールが送られてきた」「
と 送ったメールが届かなかった」
で女性
の方が比率が高い以外は、全て男性の方が比率が高い。
「送ったメールが届かなかった」
が女性の方が
比率が高いのは、女性の方がコンピュータリテラシーが低いことと「チェーンメール」
は女性の方が私
的な目的に多く電子メールを使うことと関係があるだろう。それ以外の項目で男性の方が比率が高い
のは、男性の方が電子メールをよく利用していることとで説明できるだろう。実際、1日数回以上利
用している電子メールのヘビーユーザーとそれ以外を比較してみると、全ての項目でヘビーユーザー
の方が経験率が高い。
表5.5.1 電子メール利用にともなうトラブルの経験率
全体
男性
女性
1日数回以上 それ以下の
利用者
利用者
7.5%
7.7%
7.2%
14.9%
2.0% ***
4.9
5.4
4.3
8.1
2.5 ***
17.1
21.2
11.8***
22.3
13.3 **
26.9
23.3
31.4*
40.5
16.8 ***
19.3
21.5
16.3
24.0
15.8 **
2.2
2.8
1.3
2.7
1.8
送ったメールが届かなかった
14.7
13.9
15.7
18.9
11.8 *
ウイルスメールで被害を受け
2.4
3.3
1.3
3.4
1.8
相手との間に感情的ないざこ
ざやトラブルが生じた
嫌がらせ・中傷メールが送ら
れてきた
ダイレクトメールが送られて
きた
チェーンメールが送られてき
た
不必要なメールが送られてき
た
望まない相手にかかわるはめ
になった
た
注
*:p<.05, **:p<.01, ***:p<.001
6章
6.1
インターネット上の各種サービス利用状況
インターネット上の各種サービスの利用時間
インターネット利用者が利用しているサービスのうち、利用割合が高いのは、E メール
とウェブである。インターネット利用者の 79.4 %が E メールを、78.2 %がウェブを利用し
ていると回答している。これらに比べると、チャット、インスタント・メッセンジャー、電
子掲示板・電子会議室、など、多対多の双方向コミュニケーションを特徴とするサービスの
利用者は、それぞれ、9.0 %、3.6 %、10.7 %でしかない(図 6.1.1 参照)
。
図6.1.1
表6.1.1
問24
インターネット利用者全体に対する各種サービス利用者の割合(%)
インターネット利用者全体に対する各種サービスの利用時間の分布(%)
10時間以上
10時間未満
5時間未満
3時間未
2時間未満
1時間未満
30分未満
満
使っていな
い
Eメール
4.2
4.8
8.1
10.9
20.9
16.9
14.5
19.7
ウェブ
7.4
9.1
8.6
10.0
18.2
16.1
9.8
20.6
チャット
0.4
0.5
1.9
0.9
3.6
1.5
0.7
90.6
メッセンジャー
0.6
0.1
0.4
0.0
1.5
0.7
0.5
96.1
電子掲示板・電
0.4
0.5
0.7
1.0
3.7
3.2
1.6
88.8
子会議室など
それぞれのサービスの利用者の中での利用時間の分布を見てみると、いずれのサービスで
564
も、およそ7割から8割の利用者の利用時間は2時間未満であることがわかる(図 6.1.2 参
照)
。また、各サービス毎の利用者の平均利用時間は、図 6.1.3 に示すとおりであり、ウェ
ブやメッセンジャーの利用者は比較的長い時間を費やしていることがわかる。
図6.1.2
図6.1.3
サービス毎の利用者の利用時間の分布(%)
サービス毎の利用者一人あたりの平均利用時間(分)
また、当然ながら、利用者は複数のサービスを利用することができる。一人の利用者が利
用しているサービスの種類の数の分布を示したのが図 6.1.4 である。これによれば、7割
以上の利用者が複数のサービスを利用しており、5種類のサービスすべてを利用しているも
574
のも、1.9 %いる。
4種類
2 9%
5種類
1 3%
3種類
12 0%
1種類
29 0%
2種類
54 9%
図6.1.4
利用サービスの種類数(利用者のみ)
ただし、こうしたサービスの利用は、ネット端末として何を使っているかにもよるだろう。
そこで、主にパソコンを介してインターネットにアクセスしている人々の中だけで見ると、
表 6.1.2 に示すように、チャット、メッセンジャー、電子掲示板・電子会議室の割合は大きく
増加する。
表6.1.2
パソコンを介したインターネット利用者の利用割合(%)
Eメール
ウェブの閲覧
チャット
メッセンジャー
電子掲示板・電子会議室
79.1
83.7
10.7
5.1
14.3
同様に、インターネットの普及の段階によっても、利用の割合は変化するだろう。日本よ
りインターネットの大衆化の進んだアメリカの状況を Cole らの調査(Cole et al. [2000] )
により比較してみる(図 6.1.5 参照)と、とくに、日本ではいまだ利用者の少ないチャット、
メッセンジャー、電子掲示板・電子会議室などの利用に大きな違いが見られた。とはいうも
のの、日本では近年、携帯電話などからのインターネットアクセスが急増しており、アメリ
カ的なインターネット普及とは異なった普及の様相を見せつつある。したがって、ここから
584
短絡的に結論を導くことは慎むべきだろう。
図6.1.5
6.2
アメリカとの利用割合(%)
の比較
オンラインサービスの利用
インターネット技術の進歩にともない、従来マスメディアがになってきた情報提供サービ
スや、対面的に行われてきた商取引も、インターネットを介してオンラインで行われること
が珍しくなくなってきた。これらのサービスがどの程度利用されているのかを見たのが表
6.2.1 である。
かなり一般的に利用されているのは、
「携帯・PHSへのメール送信・転送」
(62.2%)「
と 画像・
動画・ソフトのダウンロード」
(61.0%)
である。また、オンラインゲームやメール・マガジン
もかなり市民権を得つつあるように思われる。これに対して、e-コマースとして産業界から
期待されている「インターネット上の株取引」、
「インターネット・バンキング」
などはまだ今
後の課題といえよう。
また、6.1 節で見た基本的サービスでは複数のサービスを利用するのが多かったのに対
し、この節で見ているオンラインサービスは、未だサービス開始後間もないということもあ
るだろうが、単独のサービスしか利用しないユーザーが相対的に多くなっている。ただし、4
種類以上のサービスを利用している人も 10 %程度存在する(図 6.2.1 参照)
594
表6.2.1
オンラインサービス利用者のインターネット利用者全体に対する割合
インターネット上 インターネッ オンラインのクレ
の株取引
ト・バンキン
インターネ
オンラインゲー
ジットカード決済
ット電話
ム
グ
利用者(実数)
14
26
75
24
117
利用者割合(%)
2.2
4.1
11.9
3.8
18.6
携帯電話・PHSへのメ
インターネッ
画像・動画・ソフト
メール
有料の電子新聞
ール送信・転送
ト・オークショ
のダウンロード
・マガジン
サイト
ン
利用者(実数)
391
68
384
129
22
利用者割合(%)
62.2
10.8
61.0
20.5
3.5
4種類
5 7%
5種類
3 5%
6種類
1 4%
3種類
14 3%
7種類
0 3%
1種類
44 8%
2種類
29 9%
604
図6.2.1
一人で利用しているサービスの種類数による利用者の分布(%)
次に、インターネットにアクセスする手段とサービス利用の関係を見てみよう。図 6.2.2
に示したクロス集計結果によれば、主に携帯電話や PHS からインターネットにアクセスし
ている人は、「携帯電話や PHS へのメール送信・転送」「
や 有料の電子新聞サイトへのアクセ
ス」
が、パソコンからアクセスしている人に比べて多い。一方、「ソフトなどのダウンロー
ド」「
や オンラインゲーム」は、いずれのアクセス手段も同程度の利用度と考えられる。電子
商取引関係のサービスを利用するために携帯電話や PHS が使われることはまだ少ないよう
である。
主にパソコンからアクセス
0%
10%
20%
30%
40%
60%
70%
80%
21.0
96.9
インターネット・オークション
59.4
携帯電話・PHSへのメール送信・転送
20.4
90.9
インターネット電話
3.1
40.6
79.6
オンラインゲーム
100%
12.1
79.0
画像・動画・ソフトのダウンロード
90%
30.0
87.9
メール・マガジン
9.1
98.6
オンラインのクレジットカード決済
96.2
インターネット・バンキング
100.0
インターネットの株取引
6.3
50%
70.0
有料の電子新聞サイト
図6.2.2
主に携帯電話・PHSからアクセス
1.4
3.8
0.0
アクセス手段とサービス利用
コミュニティウェアの利用
6.1 節でもふれたように、インターネットでは、従来対面的な場でしか行うことが困難
だった多対多の双方向コミュニケーションが可能である。こうした多対多の双方向コミュニ
ケーションのためのシステムとして代表的なものが、チャット、電子掲示板、メーリングリ
スト、といったシステムである。多対多のコミュニケーションは、ある程度のコミュニティ
意識(仲間意識)
の基盤となるとも言われている。この意味から、本節ではこれらのシステム
614
を「コミュニティウェア」と呼び、その利用の現状を考察する。
図 6.3.1 によれば、これらコミュニティウェアの利用者は、有効回答者の 15 %
20 %程
度であり、必ずしも高いとはいえない。しかも、コミュニティウェアの利点である双方向性
を活かして自ら情報発信をしているのは、利用者の半分程度である。その反対に、コミュニ
ティウェアを「利用しておらず利用したいとも思わない」
回答者は、6割前後に達している。
とはいえ、コミュニティウェアの利用は、利用環境にも左右されるだろう。そこで、
「主
にパソコンを利用し、自宅にパソコンをもつネット利用者」
グループと「それ以外のネット利
用者」
にわけて、利用状況を比較したのが、図 6.3.2 である。
図6.3.1
コミュニティウェアの利用状況
624
利用し自分からも情報発信する
利用していないが利用したい
利用しているが情報を見るだけ
利用しておらず利用したいとも思わない
0%
(メーリングリスト)
20%
60%
80%
100%
4.6
5.2
それ以外のネット利用者
パソコンが主で、自宅にパソコンを持つ者
40%
20.2
8.1 7.2
69.9
23.5
61.2
26.5
59.3
(電子掲示板)
それ以外のネット利用者 5.5 8.7
パソコンが主で、自宅にパソコンを持つ者
(チャット)
12.8
24.4
48.1
3.8
それ以外のネット利用者
5.8
パソコンが主で、自宅にパソコンを持つ者
12.2
図6.3.2
12.8
29.9
12.2
60.5
26.9
55.7
インターネットアクセス方法とコミュニティウェア利用状況
では、コミュニティウェアを積極的に利用しているのは、どのような人々なのだろうか。
性別で見ると、インターネット利用のレベルでも男性が優位であるが、コミュニティウェ
アではその差が拡大される(表 6.3.1、図 6.3.3 参照)
。とくに、メーリングリストでその差
は大きく、チャットでは相対的に小さい。メーリングリストは専門的なテーマにもとづくも
のが多く、チャットは他愛ない世間話も多いことによると考えられる。
表6.3.1
コミュニティウェア利用の性別構成(実数)
性別
男性
女性
合計
チャットを利用している
70
47
117
電子会議室を利用している
114
67
181
メーリングリストを利用してい
76
32
108
インターネットを利用している
476
369
845
全体
1279
1276
2555
る
634
男性
0%
10%
20%
30%
女性
40%
50%
60%
70%
29.6
70.4
メーリングリストを利用している
90% 100%
43.7
56.3
インターネットを利用している
80%
電子会議室を利用している
63
37
チャットを利用している
59.8
40.2
図6.3.3 コミュニティウェア利用の性別構成(%)
年齢別で見ると(表 6.3.2、図 6.3.4 参照)、やはり 20 ∼ 39 歳がインターネット全体の利
用に比べても、コミュニティウェア利用者の多くを占めていることがわかる。特徴的なこと
は、メーリングリストでは 20 ∼ 59 歳が圧倒的で、12 ∼ 19 歳の若年層の割合がかなり抑
えられているのに対し、チャットでは 12 ∼ 19 歳の若年層の占める割合がネット全体の年
齢別利用構成よりも著しく高くなっている点である。これは、性別構成でも指摘したように、
メーリングリストのコミュニケーションは専門性が高くなりがちなのに対し、チャットは他
愛ないおしゃべりが主で、携帯電話や PHS でのコミュニケーションに近い感覚があるため
と推測される。
表6.3.2
コミュニティウェア利用の年齢別構成(実数)
年齢
12∼19歳
20∼39歳
40∼59歳
60∼74歳
合計
チャットを利用している
30
69
17
1
117
電子会議室を利用している
28
105
46
2
181
メーリングリストを利用してい
9
69
27
3
108
インターネットを利用している
152
440
235
18
845
全体
312
833
908
502
2555
る
644
12∼19歳
0%
20%
電子会議室を利用している
チャットを利用している
図6.3.4
40∼59歳
40%
18.0
インターネットを利用している
メーリングリストを利用している
20∼39歳
60%
52.1
8.3
63.9
15.5
58.0
25.6
60∼74歳
80%
100%
27.8
2.1
25.0
2.8
1.1
25.4
59.0
14.5
0.9
コミュニティウェア利用の年齢別構成(%)
コミュニティウェアは、インターネットの特徴の表れたコミュニケーションの場といえる。
このような場に参加することは、インターネットを使うことのメリットを実感する契機にな
るだろうか。代表的なコミュニティウェアである電子会議室利用者を例として、図 6.3.5
に示した結果からすると、確かにコミュニティウェア利用者は、インターネットが役に立つ
と感じている割合が、一般のインターネット利用者に比べてかなり高いようである。とくに、
趣味や人との交流、自己表出の側面で、差は大きくなっている。
とはいえ、このことは、インターネット全般に対して有益であるとの感覚をもつ人が電子
会議室などの利用にも積極的である、という結果であるかもしれない。
654
図6.3.5
電子会議室利用者以外のインターネット利用者と電子会議室利用者における
インターネット有効性感覚(%)
[参照文献]
Cole, J. I., et al. [2000] The UCLA Internet Report, UCLA Center for Communication Policy.
664
7章
Eコマースの利用実態
本章では、インターネットを使った商品の注文や代金の決済を行うオンラインショッピ
ングの現状について分析する。
7.1
オンラインショッピング利用
インターネットを使った商品の注文や代金の決済を行うオンラインショッピングは、
表 7.1.1 の合計欄(表の最下行)に示したように、全体の 7.0%(6.2%+0.8%)が利用経験を
有しており、そのうち 6.2%は今後も利用したいと考えている。また、32.4%は「利用した
ことはないが、利用してみたい」と回答している。しかし、60.6%は「利用したことはな
く、今後も利用したいとは思わない」と利用意向がないと答えている。現在、インターネ
ットを利用している人に限ると、オンラインショッピングの利用経験者は 18.6%に達して
おり、17.3%は今後も利用したいと答えている。インターネット利用者でも 42.5%は、利
用経験もなく、今後の利用意向もない。
米国では、インターネット利用者が 66.9%で、そのうち 50.1%、すなわち全体の 33.5%
がオンラインショッピングを行っている。日本に比べて、インターネット利用率が2倍、
インターネット利用者の中でのオンラインショッピングの利用率が約3倍も多いというこ
とになる。
インターネット利用者のオンラインショッピング利用率は、女性より男性の方が若干高
く、学歴では大卒、地域では東京都区部居住者で高くなっている。また、年齢差もあり、
30歳代がもっとも高く 26.4%、次が20歳代の 19.8%、40歳代の 19.6%と続き、年齢
が上昇すると共に減少し、70歳代は 0.0%となる。10歳代は決済手段等のネックもあ
り、7.2%と低い率に留まっている。
表7.1.1
オンラインショッピング利用実態と利用意向
オンラインショッピング
利用状況と意向
インターネット利用
状況と意向
1.現在、利用している
2.利用はあるが、
今は利用していない
3.利用はないが、
利用してみたい
4.利用はなく、
利用したいと思わない
合計
利用あり、利 用 あ
今後も利 る が 今
用したい 後 し た
くない
17.3%
1.3%
0.7%
1.4%
利用な 利用な
いが今 く今後
後 利 用 もなし
したい
38.9% 42.5%
42.5% 55.5%
合計
サンプル
数
100.0%
100.0%
845
146
0.9%
0.4%
49.5%
49.2%
100.0%
764
0.5%
0.6%
7.0%
91.9%
100.0%
790
6.2%
0.8%
32.4%
60.6%
100.0%
2545
-1-
一方、米国で顕著な影響を及ぼしている世帯年収との関係をみたのが、図 7.1.1 である。
日本の場合は世帯年収の影響が小さいのに対して、米国の場合は、かなり大きな影響を与
えていることがわかる。
80
72.9
70
66.7
63.5
60
50
41.7
40
日本
米国
34.4
30
18.3
20
22.7
19.8
18.2
10.6
10
図7.1.1
上
ド
/1
0万
1,
40
円
0万
1,
40
円
/1
5万
5万
ド
ル
未
ル
以
満
満
未
ル
ド
0万
/1
1,
00
0万
円
円
0万
60
20
0万
円
/1
/5
.5
万
万
ド
ド
ル
ル
未
未
満
満
0
世帯年収とオンラインショッピング利用率との関係
また、インターネットを比較的早い時期に始めた人の方がオンラインショッピングの利
用率が高い傾向もみられる。図 7.1.2 に示したように、1994 年以前に始めた人の場合は
21.2%、1995 年に始めた人は 30.9%、1996 年は 36.1%、1997 年 22.8%、1998 年 22.7%、1999
年 10.4%、2000 年 8.5%となっている。この傾向は米国と同じであるが、米国ではインタ
ーネットの利用歴が1年未満の人でも、オンラインショッピング利用率が 26.4%、3年以
上になると 70.9%と非常に高いところが、日本との大きな違いである。
インターネットを使う場所や主たるアクセス機器によっても、オンラインショッピング
利用率が影響を受ける。自宅でインターネットを使う人のオンラインショッピング利用率
が 21.9%であるのに対して、使わない人はわずか 4.5%と少ない。職場など自宅以外でイ
ンターネットを行う人は、オンラインショッピングをしにくいのである。また、主たるア
クセス機器がパソコンの人の 21.7%に対して、主として携帯電話からインターネットにア
クセスしている人はわずか 3.3%しか、オンラインショッピングをしておらず、携帯電話
からのオンラインショッピングにかなりの抵抗感があるものと考えられる。
インターネットの利用頻度もオンラインショッピングに影響を及ぼす。1日に1回以上
E メールを送受信したり、ウェブをみたりする多頻度利用者は、オンラインショッピング
利用率も高い傾向がみられる。多頻度利用者はインターネット利用に支払っている料金も
高いので当然ではあるが、自宅でインターネット利用に 5,000 円/月以上支払っている人
-2-
は、オンラインショッピング利用率が 35.3%と高い。さらに、積極的なインターネット利
用者であるホームページ開設者の場合は、39.7%がオンラインショッピングを利用してい
る。
80
70.9
70
60.4
60
49.6
50
36.1
40
30
30.9
26.4
21.2
22.8
20
日本
米国
22.7
10.4
10
8.5
20
00
年
年
19
99
年
98
19
19
97
年
年
19
96
年
95
19
19
94
年
以
前
0
図7.1.2
インターネット利用開始年とオンラインショッピング利用率との関係
逆に、オンラインショッピング利用者と非利用者でのインターネット利用時間の違いを
みると、表 7.1.2 に示したように、すべての項目についてオンラインショッピング利用者
の方が非利用者より多くの時間をインターネットにかけているが、特にウェブ利用時間に
大きな違いがみられ、オンラインショッピングの利用者は、非利用者の3倍もの時間をウ
ェブ利用に使っている。オンラインショッピングをすると、インターネット利用に相当の
時間がかかるということを意味しているものと考えられる。
表7.1.2
オンラインショッピング利用者と非利用者のインターネット利用時間の違い
(単位:時間/週)
オンラインショッピング
利用者
非利用者
7.2
E メール
ウェブ
自宅での利用
自宅外の職場での利用
167
375
405
589
91
123
202
276
オンラインで購入したもの
それでは、オンラインショッピングで何を購入しているのであろうか。表 7.2.1 に示し
たように、もっとも多いのは、衣類・装身具(28%)で、次に本・雑誌(25%)、日用品・雑
貨(22%)が続いている。インターネット普及の初期に多かった、パソコンのソフトウェア
(17%)やパソコン・周辺機器(14%)は、2番手グループに後退している。航空券・鉄道乗
-3-
車券といった予約関係も増えており、3番手グループを構成している。地域の特産品など
を含む食料品が次に多くなっている。本・雑誌と同様に品数が多い音楽 CD・テープは伸
びることが期待されているが、予想ほど伸びておらず、10%に留まっている。化粧品・薬
品は、オンライン上での販売が活発ではないこともあり、購入費率は低い。酒類は地酒等
よく話題にはなっているが実際購入している人は多くはない。
購入品目は、当然のことながら、男女差
表7.2.1
オンラインで購入したもの
品目
があり、男性の方が多いのは、パソコン・
購入率
・周辺機器、パソコン・ソフト、音楽 CD
1.衣服・装身具
27.9%
・テープ、女性の方が多いのは、衣類・装
2. 本・雑誌
24.6
身具、化粧品・薬品、日用品・雑貨である。
3.日用品・雑貨
21.8
年齢による違いをみると、中高年が多く
4.パソコンのソフトウェア
17.3
購入しているのは、食料品や日用品・雑貨
5.ホテルの予約
14.5
で、本・雑誌は30歳代以上が、ビデオ・
6.パソコン・周辺機器
14.0
LD・DVD は20歳代以下の若い人が多く
7.食料品
12.3
購入している。専業主婦でオンラインショ
8.航空券・鉄道乗車券
10.6
ッピング経験者は数的には少ないが、衣類
9.音楽 CD・テープ
10.1
・装身具、食料品、家具・インテリアの購
10.化粧品・薬品
8.9
11.ビデオ・LD・DVD
7.8
世帯収入や地域、居住都市規模による違
12.パソコン以外の家電品
6.7
いは、全般に少ない。近所に多様な店がな
13.コンサート・演劇のチケット
6.1
いと考えられる町村部に居住している人が
14.家具・インテリア
5.6
オンラインで特に買い物をしているという
15.酒類
2.2
こともない。
16.花
2.2
オンラインショッピング経験者の平均購
17.自動車
1.1
入品目数は 2.11 で、性別、年齢、学歴、
その他
12.3
世帯収入、居住地域等による明確な違いは
n=179
7.3
入率が高くなっている。
みられない。
オンラインショッピングの購入金額
オンラインショッピング経験者が過去1年間に購入した額は、平均で 55,700 円であり、
購入額にもっとも大きく影響するのは購入品目であり、表 7.3.1 に示したように、花、パ
ソコン・周辺機器、航空券・鉄道乗車券、音楽 CD・テープを購入している人は、平均で
年10万円以上に達している。自動車を購入した人の平均購入額は、5万円強と小さく、
-4-
自動車そのものではなく、自動車部品を購入した可能性が高い。性差は、男性の 60,550
円に対して、女性は 48,900 円であり、大きくない。年齢差は、多少あり、10歳代が 26,490
円ともっとも購入額が少なく、60歳代が
61,500 円でもっとも購入額も多い。20∼
表7.3.1
50歳代はほぼ6万円前後で一定になって
品目
オンラインショッピング購入
購入額(円)
いる。就業状況との関係をみると、もっ
1.花
150,000
とも購入額が高いのが、学生・生徒の
2.パソコン・周辺機器
122,920
82,880 円で、次が専業主婦の 65,040 円、
3.航空券・鉄道乗車券
108,820
フルタイムの仕事に就いている人は
4.音楽 CD・テープ
107,940
54,890 円、パートタイム・アルバイトの
5.ホテルの予約
91,090
人は 32,940 円、無職の人も 26,830 円と
6.パソコン以外の家電品
88,820
購入額が少ない。
7.食料品
84,500
8.ビデオ・LD・DVD
73,190
9.日用品・雑貨
72,590
興味深いのは、世帯年収との関係で、
図 7.3.1 に示したように、世帯年収が低い
人の方がかえって購入額が大きい傾向が
10.パソコンのソフトウェア
71,670
みられる。このことは、日本における
11.コンサート・演劇のチケット
69,100
オンラインショッピングが世帯年収の高
12. 本・雑誌
68,000
い人にアピールしていないことを物語っ
13.化粧品・薬品
61,330
ている。また、居住都市規模との関係を
14.衣服・装身具
54,690
みると、東京都区部居住者の購入額が
15.自動車
52,500
34,000 円と少なく、町村居住者の購入
16.酒類
50,000
額が 73,110 円と高い点が注目される。
17.家具・インテリア
39,000
¥140,000
¥120,000
126,667
¥100,000
¥80,000
¥60,000
¥40,000
64,738
50,143
64,030
49,300
42,682
40,283
¥20,000
42,436
20
0万
円
未
満
40
0万
円
未
満
60
0万
円
未
満
80
0万
円
未
満
10
00
万
円
未
満
12
00
万
円
未
満
14
00
万
円
未
満
14
00
万
円
以
上
¥0
図7.3.1
オンラインショッピング購入額と世帯所得との関係
-5-
8章
8.1
インターネットの効用と影響
インターネットの効用
図 8.1.1
インターネットの効用
N=845
インターネットを利用することによって、どのような効用があったのか、に関する質問
の 回 答 分 布 を 示 し た の が 図 8.1.1で あ る 。 図 に 示 さ れ る よ う に 、 49.1%の 人 が 「仕 事 で 役 立
っ た 」 、67.0%の 人 が 「生 活 上 で 役 立 っ た 」 、60.8%の 人 が 「趣 味 が 広 が っ た り 深 ま っ た り し た 」
と 答 え て い る 。 こ れ に 対 し 「新 し い 人 と の 交 流 が 広 が っ た 」は 27.7%、 「自 分 の こ と を 知 っ て
も ら え た 」が 13.4%と 肯 定 的 回 答 比 率 が や や 少 な か っ た 。 そ の 他 39.1%が 「時 間 を 有 効 に 使 え
る 」と 答 え て い る 。
表 8.1.1
インターネットの効用と主なデモグラフィック特性
性別
年齢
学歴
年収
仕事上で役立った
.216
.280
.349
.115
***
***
***
**
生活上で役立った
.008
.039
.223
.083
n.s.
n.s.
***
*
趣味が広がったり深まったりした
.027
-.192
.013
.001
n.s.
***
n.s.
n.s.
新しい人との交流が広がった
-.014
-.093
.047
.032
n.s.
***
n.s.
n.s.
自分のことを多くの人に知ってもらえた
.016
-.038
.041
.020
n.s.
n.s.
n.s.
n.s.
時間を有効に使えるようになった
.089
.075
.192
.106
**
*
***
**
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ***:p<.001 **:p<.01 *:p<.05 n.s.:no significant
表 8.1.1は 効 用 と 性 別 、 年 齢 、 学 歴 、 年 収 と の 関 連 を 順 位 相 関 分 析 に よ っ て 見 た も の で
- 1 -
あ る 。有 意 差 の 示 さ れ た も の に つ い て み る と 、男 性 、高 年 齢 、高 学 歴 、高 年 収 の 人 ほ ど 「仕
事 上 で 役 立 っ た 」と 答 え る 傾 向 に あ る 。 こ う し た 属 性 の 人 ほ ど 職 場 で の 利 用 頻 度 が 高 い こ
と が 大 き な 要 因 で あ ろ う 。「 生 活 上 で 役 立 っ た 」と 答 え た の は 高 学 歴 、 高 年 収 の 人 に 多 い 。
「趣 味 が 広 が っ た り 深 ま っ た り し た 」「新 し い 人 と の 交 流 が 広 が っ た 」に つ い て は 、 と も に 年
齢 と 関 連 が 深 く 、若 い 人 ほ ど 肯 定 的 に 答 え て い る 。ま た 、女 性 よ り 男 性 、高 年 齢 、高 学 歴 、
高 年 収 ほ ど 「時 間 を 有 効 に 使 え る よ う に な っ た 」と 答 え る 人 が 多 か っ た 。
表 8.1.2
インターネットの効用とインターネット諸機能利用時間
E メ ー ル ウ ェ ブ チ ャ ッ ト ICQ
BBS
仕事上で役立った
.209
.276
-.013
.073
.161
***
***
n.s.
*
***
生活上で役立った
.211
.337
.057
.117
.109
***
***
n.s.
***
**
趣味が広がったり深まったりした
.127
.420
.224
.164
.157
***
***
***
***
***
新しい人との交流が広がった
.270
.197
.301
.197
.185
***
***
***
***
***
自分のことを多くの人に知ってもらえた
.243
.094
.256
.152
.159
***
**
***
***
***
時間を有効に使えるようになった
.277
.265
.145
.096
.116
***
***
***
**
**
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ***:p<.001 **:p<.01 *:p<.05 n.s.:no significant
ICQ:ICQや MSNメ ッ セ ン ジ ャ ー な ど 。 BBS:電 子 掲 示 板
表 8.1.2は イ ン タ ー ネ ッ ト の 効 用 と 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 様 々 な 機 能 を 利 用 し た 時 間 (問 24)
と の 関 連 を 順 位 相 関 分 析 し た も の で あ る 。表 に 示 さ れ る と お り 、チ ャ ッ ト の 利 用 時 間 と 「仕
事 上 / 生 活 上 で 役 に 立 っ た 」と の 関 連 を 除 き 、 あ と は す べ て 、 い ず れ の 機 能 に お い て も 、
長時間利用する人ほど効用がある、という方向性の回答をしている。効用を感じるからこ
そ、インターネットの利用時間が長くなると考えれば、ある意味で自明な結果である。
表 8.1.3 「仕 事 上 で 役 立 っ た 」人 が よ く 見 る サ イ ト ( ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 重 回 帰 分 析 )
VARIABLE
NUMBER
PARTIAL
MODEL
STEP
ENTERED REMOVED
IN
R**2
R**2
C(P)
F
PROB>F
1
自分の職場関連
1
0.1905
0.1905
80.5310
190.3419
0.0001
2
ビ ジ ネ ス ・経 済 関 連
2
0.0419
0.2324
36.5401
44.1579
0.0001
3
パソコン関連
3
0.0144
0.2469
22.6980
15.4834
0.0001
4
交 通 ・経 路 ・地 図
4
0.0096
0.2564
14.2246
10.3549
0.0013
5
教育関連
5
0.0053
0.2617
10.4041
5.7888
0.0164
6
(-)占 い
6
0.0057
0.2674
6.1616
6.2490
0.0126
7
ニュース
7
0.0056
0.2731
1.9864
6.2218
0.0128
8
(-) コンピュータ・ゲーム
8
0.0034
0.2765
0.2136
3.8146
0.0512
9
政 府 ・役 所
9
0.0030
0.2795
-1.0619
3.3214
0.0688
(-)の 項 目 は 回 帰 係 数 が マ イ ナ ス 、 す な わ ち ア ク セ ス 率 が 低 い も の 。
- 2 -
「仕 事 上 で 役 立 っ た 」と 答 え た 人 は ど の よ う な ウ ェ ブ サ イ ト に ア ク セ ス す る こ と が 多 い の
か を 示 し た の が 表 8.1.3で あ る (ウ ェ ブ サ イ ト の ア ク セ ス は 、問 18か ら 媒 介 機 器 を 問 わ ず 「ア
ク セ ス す る / し な い 」の 2値 に 変 換 し 、 「検 索 サ イ ト 」を の ぞ く 33の サ イ ト へ の ア ク セ ス を 説
明 変 数 と し て ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 重 回 帰 分 析 を 行 っ た 。以 下 、本 章 の 手 続 き は 同 様 で あ る ) 。
表に示されるとおり、仕事上で役立ったと答えた人は、職場関連やビジネス、パソコン関
連 、 交 通 ・経 路 ・地 図 等 の サ イ ト に よ く ア ク セ ス し て い る 。
表 8.1.4 「生 活 上 で 役 立 っ た 」人 が よ く 見 る サ イ ト ( ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 重 回 帰 分 析 )
VARIABLE
NUMBER
PARTIAL
MODEL
STEP
ENTERED REMOVED
IN
R**2
R**2
C(P)
F
PROB>F
1
商品情報
1
0.0896
0.0896 143.4150
80.0921
0.0001
2
交 通 ・経 路 ・地 図
2
0.0557
0.1452
87.0136
52.9316
0.0001
3
ニュース
3
0.0267
0.1719
61.0036
26.1726
0.0001
4
観 光 ・旅 行
4
0.0221
0.1941
39.7621
22.2863
0.0001
5
個人のホームページ
5
0.0173
0.2113
23.6507
17.7251
0.0001
6
自 分 ・子 供 学 校 関 連
6
0.0072
0.2185
18.0781
7.4703
0.0064
7
音 楽 ・コ ン サ ー ト
7
0.0064
0.2250
13.3266
6.7073
0.0098
8
宗教
8
0.0049
0.2299
10.1732
5.1459
0.0236
9
料理
9
0.0039
0.2338
8.0912
4.0917
0.0434
10
アダルト
10
0.0032
0.2369
6.7682
3.3406
0.0680
11
医療情報
11
0.0025
0.2394
6.1597
2.6275
0.1054
12
趣 味 ・工 作
12
0.0022
0.2416
5.8792
2.3009
0.1297
13
就職情報
13
0.0020
0.2436
5.7357
2.1659
0.1415
14
育児関連
14
0.0030
0.2428
4.5758
3.2016
0.0739
15
ビ ジ ネ ス ・経 済 関 連
15
0.0022
0.2450
4.3074
2.2961
0.1301
同 様 に 「生 活 上 で 役 立 っ た 」と 答 え た 人 が ど の よ う な サ イ ト に ア ク セ ス す る こ と が 多 い か
を 示 し た の が 表 8.1.4で あ る 。 表 に 示 さ れ る と お り 、 生 活 上 で 役 立 っ た と 答 え る 人 ほ ど 、
商 品 情 報 、 交 通 ・経 路 ・地 図 、 ニ ュ ー ス 、 観 光 ・旅 行 、 個 人 の ホ ー ム ペ ー ジ 、 自 分 や 子 供 の
学校関連等にアクセスしている傾向が示されている。
表は省略するが、その他の効用と、そうした効用があったと答えた人がよくアクセスす
る サ イ ト は 以 下 の と お り で あ る (危 険 率 5%以 下 で 有 意 な も の )。
「趣 味 が 広 が っ た り 深 ま っ た り し た 」
(1)個 人 の ホ ー ム ペ ー ジ 、 (2)音 楽 ・コ ン サ ー ト 、 (3)趣 味 ・工 作 、 (4)パ ソ コ ン 関 連 、
(5)マ ン ガ ・ア ニ メ 、 (6)商 品 情 報 、 (7)映 画 ・テ レ ビ 、 (8)育 児 関 連
「新 し い 人 と の 交 流 が 広 が っ た 」
(1)個 人 の ホ ー ム ペ ー ジ 、 (2)出 会 い 、 (3)音 楽 ・コ ン サ ー ト 、 (4)出 版 ・図 書 、 (5)オ ン ラ
インショッピング
「自 分 の こ と を 多 く の 人 に 知 っ て も ら え た 」
- 3 -
(1)個 人 の ホ ー ム ペ ー ジ 、 (2)出 会 い 、 (3)オ ン ラ イ ン シ ョ ッ ピ ン グ 、 (4)音 楽 ・コ ン サ ー
ト 、 (5)天 気 予 報
「時 間 を 有 効 に 使 え る よ う に な っ た 」
(1)パ ソ コ ン 関 連 、 (2)交 通 ・経 路 ・地 図 、 (3)個 人 の ホ ー ム ペ ー ジ 、 (4)ア ダ ル ト 関 連 、
(5)職 場 関 連 、 (6)自 分 ・子 供 の 学 校 関 連
8.2
インターネットが他メディア利用やコミュニケーション行動に与える影響
図 8.2.1
他メディア利用、コミュニケーション行動、生活時間への影響
N=845
インターネットの利用を開始した後、他メディアの利用やコミュニケーション行動、生
活 時 間 に ど の よ う な 影 響 が あ っ た か を 尋 ね た 質 問 に 対 す る 回 答 分 布 を 示 し た の が 図 8.2.1
で あ る 。 「か な り 減 っ た 」と 「少 し 減 っ た 」を 会 わ せ た 数 値 で 見 れ ば 、 調 査 項 目 中 も っ と も 影
響 が 大 き か っ た の が 、 人 に 電 話 す る 回 数 (33.4%)で あ り 、 こ れ に 睡 眠 時 間 (33.1%)、 テ レ ビ
視 聴 時 間 (32.1%)、 本 を 読 む 時 間 (17.7%)が 続 い て い る 。 10%を 超 え て い る の は 他 に 「同 居 家
族 と 一 緒 に 過 ご す 時 間 (11.4%)」、 「新 聞 を 読 む 時 間 (10.8%)」「家 族 と 対 面 で 話 す 時 間 (10.1
%)」で あ る 。イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 開 始 後 、時 間 や 頻 度 が 増 え た (10%以 上 )と い う の は 、「趣
味 ・娯 楽 が 同 じ 人 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」の 1項 目 だ け で あ っ た 。
つ ぎ に こ う し た 影 響 と 性 別 、 年 齢 、 学 歴 、 年 収 と の 関 連 を 見 た の が 表 8.2.1で あ る 。 概
して表中にあげたデモグラフィックな特性と有意な関連を示した項目は少ない。
- 4 -
表 8.2.1
他メディア利用への影響と主なデモグラフィック特性
性別
年齢
学歴
年収
テレビ視聴時間
.024
.014
-.037
.020
n.s.
n.s.
n.s.
n.s.
新聞を読む時間
.091
-.011
-.052
.076
*
n.s.
n.s.
*
本を読む時間
.067
-.078
-.055
.045
n.s.
*
n.s.
n.s.
人に電話する回数
-.101
-.033
-.106 -.002
**
n.s.
**
n.s.
同居家族と一緒に過ごす時間
.005
.073
-.018
.042
n.s.
*
n.s.
n.s.
友だちと一緒に過ごす時間
.044
-.025
-.092 -.020
n.s.
n.s.
**
n.s.
家族と対面で話す時間
.021
.026
.005
.048
n.s.
n.s.
n.s.
n.s.
友だちと対面で話す時間
.007
-.078
-.064
.020
n.s.
*
n.s.
n.s.
家族とレジャーで外出する時間
-.004
.057
-.010
.080
n.s.
n.s.
n.s.
*
趣 味 ・娯 楽 が 同 じ 人 と コミュニケーションす る 回 数
.003
-.167
-.068 -.004
n.s.
***
n.s.
n.s.
睡眠時間
.001
.037
-.069
.024
n.s.
n.s.
*
n.s.
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ***:p<.001 **:p<.01 *:p<.05 n.s.:no significant
危 険 率 5%以 下 で 有 意 差 が 示 さ れ た も の は 以 下 の と お り で あ る 。
「新 聞 を 読 む 時 間 」 は 女 性 よ り 男 性 、 年 収 が 低 い ほ ど 減 少 し た 。
「本 を 読 む 時 間 」は 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
「人 に 電 話 す る 回 数 」 は 男 性 よ り 女 性 、 学 歴 が 高 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
「同 居 家 族 と 一 緒 に 過 ご す 時 間 」は 年 齢 が 低 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
「友 だ ち と 一 緒 に 過 ご す 時 間 」は 学 歴 が 高 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
「友 だ ち と 対 面 で 話 す 時 間 」は 年 齢 が 高 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
「家 族 と レ ジ ャ ー で 外 出 す る 時 間 」は 年 収 が 低 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
「趣 味 ・娯 楽 が 同 じ 人 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン す る 回 数 」は 年 齢 が 若 い 人 ほ ど 増 加 し た 。
「睡 眠 時 間 」は 学 歴 が 高 い 人 ほ ど 減 少 し て い る 。
表 8.2.2は イ ン タ ー ネ ッ ト の 諸 機 能 の 利 用 時 間 (問 24)と 時 間 的 影 響 に 関 す る 諸 項 目 と の
関連を順位相関分析したものである。表から明らかなようにほとんどの項目でインターネ
ットの利用時間が長いほど、他メディア利用やコミュニケーション行動、睡眠時間が短く
な る と い う 傾 向 が 示 さ れ て い る 。 順 位 相 関 係 数 の と く に 大 き な も の で い え ば 、 「E メ ー ル
利 用 時 間 が 長 い 人 ほ ど 、 人 に 電 話 す る 回 数 が 減 少 」「ウ ェ ブ の 利 用 時 間 が 長 い ほ ど テ レ ビ 視
聴 時 間 、 睡 眠 時 間 が 減 少 」と い う 現 象 が 顕 著 で あ る 。
- 5 -
表 8.2.2
他メディア利用への影響とインターネット利用時間
E メ ー ル ウ ェ ブ チ ャ ッ ト ICQ
BBS
テレビ視聴時間
.163
.329
.164
.119
.126
***
***
***
***
***
新聞を読む時間
.084
.134
.155
.181
.084
*
***
***
***
*
本を読む時間
.022
.109
.085
.139
.040
n.s.
**
*
***
n.s.
人に電話する回数
.243
.067
.035
.050
.052
***
n.s.
n.s.
n.s.
n.s.
同居家族と一緒に過ごす時間
.108
.117
.090
.023
.077
**
***
*
n.s.
*
友だちと一緒に過ごす時間
.069
.089
.080
.097
.101
*
**
*
**
**
家族と対面で話す時間
.068
.101
.080
.033
.087
*
**
*
n.s.
*
友だちと対面で話す時間
.140
.055
.089
.089
.034
***
n.s.
*
*
n.s.
家族とレジャーで外出する時間
.098
.130
.101
.096
.103
**
***
**
**
**
趣 味 ・娯 楽 が 同 じ 人 と コミュニケーションす る 回 数
.054
.121
.169
.110
.091
n.s.
***
***
**
**
睡眠時間
.138
.224
.175
.126
.089
***
***
***
***
*
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ***:p<.001 **:p<.01 *:p<.05 n.s.:no significant
表 8.2.3
STEP
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
テ レ ビ 視 聴 時 間 を 減 ら し た 人 が よ く 見 る サ イ ト( ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 重 回 帰 分 析 )
VARIABLE
NUMBER
PARTIAL
MODEL
ENTERED REMOVED
IN
R**2
R**2
C(P)
F
PROB>F
個人のホームページ
1
0.0736
0.0736
73.1281
64.8638
0.0001
オンラインショッピング
2
0.0320
0.1056
44.4218
29.2229
0.0001
健 康 ・フ ィ ッ ト ネ ス
3
0.0199
0.1255
27.3569
18.5337
0.0001
パソコン関連
4
0.0137
0.1391
16.2562
12.9220
0.0003
音 楽 ・コ ン サ ー ト
5
0.0084
0.1475
10.2483
7.9663
0.0049
アダルト関連
6
0.0055
0.1530
6.9953
5.2530
0.0222
出 版 ・図 書 情 報
7
0.0043
0.1572
4.9205
4.0903
0.0435
(-)職 場 関 連
8
0.0035
0.1607
3.5454
3.3980
0.0656
天気情報
9
0.0030
0.1638
2.6392
2.9329
0.0872
(-)政 治 活 動
10
0.0031
0.1668
1.6965
2.9770
0.0848
(-)の 項 目 は 回 帰 係 数 が マ イ ナ ス 、 す な わ ち ア ク セ ス 率 が 低 い も の 。
テレビ視聴時間の増減とサイトアクセスとの関連について、ステップワイズ法重回帰分
析 を 行 な っ た 結 果 が 表 8.2.3で あ る 。 表 は 、 「テ レ ビ 視 聴 時 間 が 減 っ た 」人 が ど の サ イ ト を
よ く 見 て い る か を 示 し て い る (マ イ ナ ス を 付 し た も の に 限 っ て は 、 ア ク セ ス す る 頻 度 が 低
い サ イ ト )。
- 6 -
表 に 示 さ れ る と お り 、 個 人 の ホ ー ム ペ ー ジ 、 オ ン ラ イ ン シ ョ ッ ピ ン グ 、 健 康 ・フ ィ ッ ト
ネ ス 、 パ ソ コ ン 関 連 、 音 楽 ・コ ン サ ー ト 、 ア ダ ル ト 関 連 な ど の サ イ ト に ア ク セ ス す る 人 ほ
どテレビ視聴時間が減っている。
表 8.2.4 睡 眠 時 間 を 減 ら し た 人 が よ く 見 る サ イ ト ( ス テ ッ プ ワ イ ズ 法 重 回 帰 分 析 )
VARIABLE
NUMBER
PARTIAL
MODEL
STEP
ENTERED REMOVED
IN
R**2
R**2
C(P)
F
PROB>F
1
個人のホームページ
1
0.0473
0.0473
32.5855
40.5250
0.0001
2
オンラインショッピング
2
0.0228
0.0701
14.3249
19.9830
0.0001
3
コンピュータゲーム
3
0.0167
0.0868
1.5016
14.8689
0.0001
4
医療情報
4
0.0049
0.0917
-0.8335
4.3664
0.0370
5
商品情報
5
0.0036
0.0953
-2.0260
3.2244
0.0729
6
出会い系
6
0.0029
0.0982
-2.6328
2.6382
0.1047
7
天気情報
7
0.0028
0.1010
-3.0811
2.4822
0.1155
同 様 に 睡 眠 時 間 の 増 減 と の 関 連 を 示 し た の が 表 8.2.4で あ る 。 テ レ ビ 視 聴 時 間 の 増 減 と
よ く 似 た 傾 向 が 示 さ れ て い る が 、 関 連 の 深 い 3番 目 に 「 コ ン ピ ュ ー タ ゲ ー ム 」 が 登 場 し て
いるのが特徴的である。
- 7 -
9章
9.1
インターネットへの信頼とインターネット社会観、不安
インターネット情報への信頼度
図 9.1.1 イ ン タ ー ネ ッ ト 情 報 の 信 頼 度 (利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
図 9.1.1は 「 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 情 報 の う ち 、 信 頼 で き 、 か つ 正 確 な 情 報 は ど の 程 度 あ
る と 思 う か 」と い う 質 問 に 対 す る 回 答 分 布 を 示 し た も の で あ る 。表 に 示 さ れ る と お り 、「全
部 」ま た は 「大 部 分 」と 答 え た 人 が 15.9% 、「半 々 く ら い 」が 約 半 数 の 48.8%で あ っ た 。一 方 、「一
部 」が 23.4%、 「ま っ た く な い 」と 答 え た 人 も 9.7%に 達 し て お り 、 調 査 対 象 者 の 3分 の 1以 上 が
インターネットの信頼性に疑問をもっていることが示された。
日 米 で 比 較 す れ ば 、 米 国 UCLA調 査 で は 、 「全 部 」が 2.7%、 「大 部 分 」が 45.6%、 あ わ せ て 48.
3%と 信 頼 し て い る 人 が ほ ぼ 半 数 に も 達 す る 。 否 定 的 な 評 価 の 「一 部 」が 10.4%、 「全 く な い 」
が 1.4%で 、 日 本 よ り イ ン タ ー ネ ッ ト 情 報 へ の 信 頼 性 が 非 常 に 高 い こ と が 見 て と れ る 。
日本の調査で、インターネット情報への信頼度は、その人がインターネットを利用して
いるか、いないかによって、かなり回答が異なっている。表に示されるとおり、インター
ネ ッ ト を 利 用 し て い る 人 の 方 が イ ン タ ー ネ ッ ト 情 報 に 対 す る 信 頼 度 が 高 い (χ 2 :p<.001)。
と く に 非 利 用 者 に お い て 、「 ま っ た く な い 」 と 答 え た 人 が 14.2%に も 達 し て い る の は 注 目
すべき傾向である。
表 9.1.1 イ ン タ ー ネ ッ ト へ の 信 頼 度 と 諸 項 目 の 順 位 相 関
性別
年齢
学歴
年収
int加 入 時 期 int利 用 の 有 無
.025
.123
-.148
-.123
.039
.155
n.s.
***
***
***
n.s.
***
信 頼 度 の 高 い の は ・・
若い人
高学歴 高収入
利用者
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ***:p<.001 **:p<.01 *:p<.05 n.s.:no significant
- 1 -
信 頼 度 と 主 な デ モ グ ラ フ ィ ッ ク 属 性 等 と の 関 連 を 順 位 相 関 分 析 で 見 た の が 表 9.1.1で あ
る。
表に示されるとおり、性別では信頼度に有意な差はないが、年齢が低いほど、高学歴な
ほど、高年収ほど、インターネット情報への信頼性が高い。
表 9.1.2
インターネットへの信頼度とインターネット利用時間の順位相関
E メ ー ル 時 間 ウ ェ ブ 時 間 チ ャ ト 時 間 ICQ
電子掲示板
.022
.088
.016
.009
.000
n.s.
*
n.s.
n.s.
n.s.
信 頼 度 の 高 い の は ・・
長時間利用者
数 値 は 順 位 相 関 係 数 ***:p<.001 **:p<.01 *:p<.05 n.s.:no significant
ま た 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 時 間 と の 関 連 を 見 た の が 表 9.1.2で あ る (母 数 は イ ン タ ー ネ ッ
ト 利 用 者 )。 概 し て 、 各 機 能 の 利 用 時 間 と の 関 連 は 薄 い が 、 ウ ェ ブ 利 用 時 間 の 長 い 人 ほ ど
インターネット情報への信頼度が高い傾向が示されている。
ち な み に 、 ウ ェ ブ の サ イ ト へ の ア ク セ ス と の 関 連 を や は り 相 関 分 析 で み た 場 合 (ア ク セ
ス の 有 無 の 2値 と の 順 位 相 関 )、 イ ン タ ー ネ ッ ト 情 報 へ の 信 頼 度 が 高 い 人 は 、 「検 索 サ イ ト 」
(ρ :.121***)、 「パ ソ コ ン 関 連 」(.101**)、 「商 品 情 報 」(.088*)、 「観 光 ・旅 行 」(.073*)、 「映
画 ・テ レ ビ 」(.074*)の 各 サ イ ト に よ く ア ク セ ス す る と い う 傾 向 が 示 さ れ た 。
9.2
インターネット社会観
9.2.1
インターネット利用と政治参加意識
今回の調査ではインターネット利用が、政治とのかかわりにおいてどのような影響をも
つか、日米共通質問で以下の項目を尋ねた。
(1)イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 に よ っ て 、 あ な た の よ う な 立 場 の 人 が 、 政 治 に 対 し て 、
より力をもつようになる。
(2)イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 に よ っ て 、 あ な た の よ う な 立 場 の 人 が 、 行 政 に 対 し て
もっと発言できるようになる。
(3)イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 に よ っ て 、 あ な た の よ う な 立 場 の 人 が 、 政 治 を よ り よ く
理解できるようになる。
(4)イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 に よ っ て 、 役 所 の 人 た ち が あ な た の よ う な 立 場 の 人 の 考 え に 、
より注意を払うようになる。
そ れ ぞ れ の 回 答 を 日 米 比 較 し た も の が 以 下 の 図 9.2.1-9.2.4で あ る 。 な お 、 い ず れ の 項
目においても、日本調査では、インターネット利用者と非利用者の相違が顕著に見られた
- 2 -
ため、その比較の数値もあわせて盛り込んだ。
(1)政 治 に 対 し て 、 よ り 力 を も つ よ う に な る
図 9.2.1
「政 治 に 対 し て 、 よ り 力 を も つ よ う に な る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う / ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で わ ず か
8.9%で あ り 、 26.5%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利
用 者 の 方 が 肯 定 的 に 回 答 (13.9%)す る 傾 向 が み ら れ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア
メ リ カ 調 査 の 方 が 肯 定 的 に 回 答 (25.1%)す る 傾 向 が み ら れ た 。
(2)行 政 に 対 し て も っ と 発 言 で き る よ う に な る
図 9.2.2 「行 政 に 対 し て も っ と 発 言 で き る よ う に な る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
- 3 -
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 19.7%で
あ り 、 43.2%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 顕 著 に 肯 定 的 に 回 答 (31.0%)す る 傾 向 が み ら れ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 回
答比率の分布はほとんど同じであった。
(3)政 治 を よ り よ く 理 解 で き る よ う に な る
図 9.2.3 「政 治 を よ り よ く 理 解 で き る よ う に な る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 16.1%で
あ り 、 43.0%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 肯 定 的 に 回 答 (23.2%)す る 傾 向 が み ら れ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ カ
調 査 の 方 が 顕 著 に 肯 定 的 に 回 答 (39.9%)す る 傾 向 が み ら れ た 。
(4)役 所 の 人 た ち が あ な た の よ う な 立 場 の 人 の 考 え に 、 よ り 注 意 を 払 う よ う に な る
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で わ ず か
13.6%で あ り 、 47.0%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利
用 者 の 方 が 肯 定 的 に 回 答 (20.5%)す る 傾 向 が み ら れ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア
メ リ カ 調 査 の 方 が 肯 定 的 に 回 答 (25.6%)す る 傾 向 が み ら れ た 。
- 4 -
図 9.2.4 「役 所 の 人 た ち が 、 よ り 注 意 を 払 う よ う に な る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
(5)「政 治 的 関 与 意 識 」合 成 ス ケ ー ル
上 記 の (1)∼ (4)の 4質 問 の 得 点 を 合 計 し 「政 治 的 関 与 意 識 ス ケ ー ル 」を 構 成 し 、 利 用 / 非
利用、主なデモグラフィック特性との関連を順位相関分析によってみたところ、非利用者
よ り 利 用 者 (ρ =.149***)、 女 性 よ り 男 性 (.066**)、 高 学 歴 (.107***)、 高 年 収 (.084***)に
おいて、インターネット利用によって政治的関与度が高まる、という意識をもっているこ
とが示された。年齢による有意差は見出されなかった。
9.2.2
社会的影響
インターネットの普及によって社会的にどのような影響が生じるか、に関しても、日米
で 共 通 の 質 問 項 目 を 設 定 し た 。以 下 、項 目 ご と に イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 / 非 利 用 者 の 違 い 、
日米の比較結果を見てみる。
(1)イ ン タ ー ネ ッ ト に ア ク セ ス で き な い 人 は 著 し く 不 利 に な る
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 25.7%で
あ り 、 47.0%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 肯 定 的 に 回 答 (43.9%)す る 傾 向 が み ら れ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ カ
調 査 の 方 が 顕 著 に 肯 定 的 に 回 答 (42.2%)す る 傾 向 が み ら れ 、 日 本 調 査 の イ ン タ ー ネ ッ ト 利
用者の回答分布とほぼ同様の傾向が示された。
- 5 -
図 9.2.5 「非 利 用 者 は 著 し く 不 利 に な る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
(2)人 々 は イ ン タ ー ネ ッ ト に 時 間 を と ら れ す ぎ て い る
図 9.2.6 「イ ン タ ー ネ ッ ト に 時 間 を と ら れ す ぎ 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 22.2%で
あ り 、 38.5%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 肯 定 的 に 回 答 (28.6%)す る 傾 向 が み ら れ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ カ
調 査 の 方 が 顕 著 に 肯 定 的 に 回 答 (56.3%)す る 傾 向 が み ら れ た 。 こ の 質 問 自 体 、 イ ン タ ー ネ
ット利用をネガティブな側面からみたものであるが、利用者の方が、また利用率の高いア
メ リ カ の 方 が 、 「そ う 思 う 」と 答 え て い る の は 興 味 あ る と こ ろ で あ る 。
- 6 -
(3)イ ン タ ー ネ ッ ト の 話 を 聞 く と 、 自 分 が 取 り 残 さ れ て い る と 感 じ る
図 9.2.7 「取 り 残 さ れ て い る 感 じ が す る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 19.5%で
あ り 、 60.5%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 肯 定 的 回
答 に 比 率 は ほ と ん ど 差 が 見 ら れ な か っ た が 、 む し ろ 非 利 用 者 に 「そ う は 思 わ な い 」と 答 え た
人 が 多 か っ た (p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 「そ う 思 う 」の 比 率 が ア メ リ カ の 方 が 高 か っ
たが、全体的に日本の回答分布と大きな相違は見られなかった。
(4)自 分 に と っ て 有 意 義 な も の は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 に は な い
図 9.2.8 「有 意 義 な も の は イ ン タ ー ネ ッ ト 上 に な い 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
- 7 -
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 10.8%で
あ り 、 46.9%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 「そ う 思 う /ま あ そ う 思 う 」の 回 答 比 率 が 少 な か っ た (6.6%、 p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較
で は 、 ア メ リ カ 調 査 の 方 が 顕 著 に 否 定 的 (あ ま り そ う 思 わ な い /そ う 思 わ な い )に 回 答 す る
比 率 (67.8%)が 高 か っ た 。
(5)子 供 た ち が イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で 好 ま し く な い 情 報 に ア ク セ ス す る 可 能 性 が あ る
図 9.2.9 「子 供 が 有 害 情 報 に 触 れ る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 半 数 以
上 の 53.9%に 達 し 、17.8%が 否 定 的 に 答 え た 。イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、
利 用 者 の 方 が 「そ う 思 う /ま あ そ う 思 う 」の 回 答 比 率 が 高 か っ た (69.0%、 p<.001)。 ま た 、 日
米 比 較 で は 、 ア メ リ カ 調 査 の 方 が 顕 著 に 「そ う 思 う /ま あ そ う 思 う 」と 答 え た 人 の 比 率 (81.8
%)が 高 か っ た 。 利 用 者 の 方 が 子 供 に と っ て の 有 害 情 報 を 危 惧 し て い る の は 、 実 態 を 知 っ て
いるせいであろうか。
(6)イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 す る こ と は 時 間 の 節 約 に な る
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 30.9%で
あ り 、 27.5%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 肯 定 的 回 答 比 率 が 高 か っ た (34.3%、 p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ カ 調 査 の
方 が 顕 著 に 「そ う 思 う /ま あ そ う 思 う 」と 答 え た 人 の 比 率 (67.2%)が 高 か っ た 。
- 8 -
図 9.2.10 「時 間 の 節 約 に な る 」(利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
(7)社 会 混 乱 、 産 業 、 学 校 教 育 へ の 影 響
図 9.2.11 「社 会 混 乱 、 産 業 、 学 校 教 育 へ の 影 響 」(利 用 者 / 非 利 用 者 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
「イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 う 人 が 増 え る と (a)社 会 は 混 乱 し 、 荒 廃 す る 、 (b)産 業 が 活 性 化 す
る 、 (c)学 校 教 育 の 質 が 向 上 す る 」と い う 3つ の 質 問 に 対 す る 日 本 調 査 の 回 答 分 布 お よ び 利
用 者 と 非 利 用 者 の 回 答 の 比 較 を 示 し た の が 図 9.2.11で あ る 。 こ の 3質 問 に 関 し て は 、 米 国
調査では対応するものはない。
- 9 -
「社 会 が 混 乱 す る 」と 答 え た 人 は 全 体 で 9.3%で あ り 、 利 用 者 / 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 非 利
用 者 の 方 が 「混 乱 す る 」と 答 え る 比 率 が 高 か っ た (p<.001) 。「 産 業 が 活 性 化 す る 」 と 答 え た
人 は 全 体 で 34.9%で あ り 、 非 利 用 者 に 比 べ 、 利 用 者 の 方 が 「活 性 化 す る 」と 答 え た 人 の 比 率
が 高 か っ た 。 ま た 「学 校 教 育 の 質 が 向 上 す る 」と 答 え た 人 は 全 体 で 22.4%で あ り 、 非 利 用 者
に 比 べ 利 用 者 の 方 が 「向 上 す る 」と 答 え た 人 の 比 率 が 高 か っ た 。 こ こ に あ げ た 3つ の 質 問 に
関しては、総じて、インターネット利用者の方が影響を楽観的に考える傾向にある。
(8)コ ン ピ ュ ー タ 観
(8a)世 の 中 は ま す ま す コ ン ピ ュ ー タ に 依 存 し す ぎ る よ う に な っ て い る
図 9.2.12 「コ ン ピ ュ ー タ 依 存 」(利 用 者 / 非 利 用 者 比 較 )
**: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2:p<.01
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 63.8%で
あ り 、 12.3%だ け が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 非 利
用 者 の 方 が や や 肯 定 的 に 回 答 す る 傾 向 が み ら れ た (p<.01)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ
カ 調 査 の 方 が 「そ う 思 う /ま あ そ う 思 う 」と 答 え た 人 の 比 率 (52.3%)が 低 か っ た 。
(8b)人 間 の 方 が コ ン ピ ュ ー タ よ り 過 ち を 犯 し や す い
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 24.4%で
あ り 、 22.6%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が や や 肯 定 的 に 回 答 す る 傾 向 が み ら れ た (28.1%、 p<.01)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ
カ 調 査 の 方 が 顕 著 に 「そ う 思 う /ま あ そ う 思 う 」と 答 え た 人 の 比 率 (50.6%)が 高 か っ た 。 ア メ
リカ人の方がコンピュータを信頼している傾向にあることが示唆されている。
- 10 -
図 9.2.13 「人 の 方 が コ ン ピ ュ ー タ よ り 間 違 い を 犯 す 」(利 用 者 / 非 利 用 者 比 較 )
**: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2:p<.01
(9)「イ ン タ ー ネ ッ ト 社 会 観 」合 成 ス ケ ー ル
以 上 、 9.2.2で 取 り 上 げ た 計 11の 質 問 に 関 し て 、 イ ン タ ー ネ ッ ト や コ ン ピ ュ ー タ の 利 用
に よ っ て プ ラ ス の 影 響 が あ る と 考 え る 方 向 の 選 択 肢 に 高 い 得 点 (5)を 与 え 、 逆 に マ イ ナ ス
の 影 響 が あ る と 考 え る 方 向 の 選 択 肢 に 低 い 得 点 (1)を 与 え る よ う に 変 換 し た 上 で 、 サ ン プ
ル ご と に 得 点 を 合 計 し 「イ ン タ ー ネ ッ ト 社 会 観 ス ケ ー ル 」を 構 成 し た 。
この数値とインターネットの利用/非利用、主なデモグラフィック特性との関連を順位
相 関 分 析 し た 結 果 、 非 利 用 者 よ り 利 用 者 (ρ =.154*** )、 女 性 よ り 男 性 (.061**)、 低 年 齢
(.084***)、 高 学 歴 (.049* )、 高 所 得 (.062**)の 人 に お い て 、 ス ケ ー ル 値 が 高 い 、 す な わ
ちインターネットの社会的影響をプラスに捉えていることが示された。
ま た 、イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 時 間 と の 関 連 で は 、E メ ー ル (ρ =.106**) 、ウ ェ ブ (.235***) 、
チ ャ ッ ト (.129***)、 電 子 掲 示 板 (.071*)の い ず れ に お い て も 、 利 用 時 間 の 長 い 人 ほ ど イ ン
ターネットの社会的影響をプラスに捉えていることが示された。
9.3
インターネット不安
今 回 の 調 査 で は イ ン タ ー ネ ッ ト に 関 す る 不 安 と し て 以 下 の 3つ の 質 問 を 尋 ね て い る 。
(1)イ ン タ ー ネ ッ ト で の 利 用 行 動 や 利 用 内 容 が 他 人 に 知 ら れ て し ま う の で は な い か と 不 安
に 思 う (利 用 行 動 ・内 容 の 遺 漏 不 安 )
(2)イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 う と 名 前 ・住 所 ・ 勤 務 先 ・ク レ ジ ッ ト カ ー ド 番 号 な ど が 他 人 に 漏 れ
てしまうのではないかと不安に思う(個人情報遺漏不安)
(3)イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 う と 間 違 っ た 情 報 に 振 り 回 さ れ る の で は な い か と 不 安 に 思 う (攪 乱
情報不安)
- 11 -
これらの質問に対する回答分布を、インターネット利用者/非利用者の比較も含めて示
し た の が 図 9.3.1で あ る 。
図 9.3.1 イ ン タ ー ネ ッ ト 不 安 (利 用 者 / 非 利 用 者 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
図 に 示 さ れ る よ う に 「 利 用 行 動 ・内 容 の 遺 漏 に 不 安 が あ る 」 と 答 え た 人 (そ う 思 う / ま あ
そ う 思 う )は 、 調 査 対 象 者 全 体 の ほ ぼ 半 数 に あ た る 48.5%に 達 す る 。 ま た 、 利 用 者 と 非 利 用
者 と の 比 較 で は 、 利 用 者 の 方 が 不 安 に 思 っ て い る 人 の 比 率 が 高 い (56.8%、 p<.001)。
ま た 、 個 人 情 報 の 遺 漏 不 安 に つ い て は 、 調 査 対 象 者 全 体 の 半 数 以 上 の 62.1%が 不 安 に 思
うと答えている。利用者と非利用者との比較では、利用者の方が不安に思っている人の比
率 が 高 い (73.9、 p<.001)。
間 違 っ た 情 報 に 振 り 回 さ れ る 不 安 に つ い て は 、 調 査 対 象 者 全 体 の 38.0%が 不 安 を 感 じ て
い る 。 利 用 者 と 非 利 用 者 と の 比 較 で は 、 上 記 2項 目 と は 反 対 に 、 非 利 用 者 の 方 が 不 安 に 思
っ て い る 人 の 比 率 が 高 い (39.6%、 p<.001)。
この3つの質問に関し、インターネット利用に対する不安が高い選択肢に高い得点を与
え る 変 換 を 施 し 、 得 点 を 合 計 し て 「イ ン タ ー ネ ッ ト 不 安 ス ケ ー ル 」を 構 成 し た 。
インターネット不安スケールと、インターネットの利用/非利用、主なデモグラフィッ
ク 特 性 と の 関 連 を 順 位 相 関 分 析 し た 結 果 、非 利 用 者 よ り 利 用 者 に お い て 不 安 が 高 か っ た (ρ
=.064**)。 デ モ グ ラ フ ィ ッ ク 特 性 に 関 し て は 、 性 別 、 年 齢 、 年 収 と の 有 意 な 関 連 は 見 出 さ
れ ず 、 高 学 歴 ほ ど 不 安 が 高 い と い う 傾 向 が 見 出 さ れ た (.092***)。
インターネットの様々な機能の利用時間との関連もみたが、Eメール、ウェブ、チャッ
- 12 -
ト 、 ICQ、 電 子 掲 示 板 の い ず れ の 利 用 時 間 と も 有 意 な 関 連 は 見 出 さ れ な か っ た 。
9.4
インターネット上の表現の自由
今 回 の 調 査 で は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 表 現 の 自 由 に 関 し 、 以 下 の 2項 目 を ア メ リ カ 調 査
と共通質問として設定した。
(1)政 府 は 好 ま し く な い 内 容 で あ っ て も 、 イ ン タ ー ネ ッ ト で 自 由 に 流 す こ と を 認 め る べ き
だ
(2)た と え 特 定 の 宗 教 や 民 族 に 不 快 感 を 与 え る 意 見 だ と し て も 自 分 の 意 見 を イ ン タ ー ネ ッ
トで自由に表現できるべきだ
こ う し た 質 問 に 対 す る 回 答 分 布 を 見 た の が 図 9.4.1-9.4.2で あ る 。
(1)政 府 は 好 ま し く な い 内 容 で あ っ て も 、 イ ン タ ー ネ ッ ト で 自 由 に 流 す こ と を 認 め る べ き
だ
図 9.4.1 内 容 発 信 の 自 由 (利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 21.0%で
あ り 、 36.9%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 肯 定 的 に 回 答 す る 傾 向 が み ら れ た (30.8%、 p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 肯 定 的 回
答 の 比 率 は 日 米 で ほ と ん ど 差 が な か っ た が 、 否 定 的 回 答 (そ う は 思 わ な い )に 関 し て 米 国 の
方が顕著に比率が高かった。
(2)た と え 特 定 の 宗 教 や 民 族 に 不 快 感 を 与 え る 意 見 だ と し て も 自 分 の 意 見 を イ ン タ ー ネ ッ
トで自由に表現できるべきだ
- 13 -
図 9.4.2 意 見 表 明 の 自 由 (利 用 者 / 非 利 用 者 、 日 米 比 較 )
***: 利 用 者 / 非 利 用 者 で χ 2 :p<.001
こ の 質 問 に 対 し て 肯 定 的 (そ う 思 う /ま あ そ う 思 う )に 答 え た の は 日 本 調 査 全 体 で 22.2%で
あ り 、 34.2%が 否 定 的 に 答 え た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 と 非 利 用 者 の 比 較 で は 、 利 用 者 の
方 が 肯 定 的 に 回 答 す る 傾 向 が み ら れ た (27.3%、 p<.001)。 ま た 、 日 米 比 較 で は 、 ア メ リ カ
調 査 の 方 が 顕 著 に 肯 定 的 な 回 答 比 率 が 高 か っ た (36.1%)。
この2つの質問に関し、インターネット上の表現の自由を求める方向の選択肢に高い得
点 を 与 え る 変 換 を 施 し 、 得 点 を 合 計 し て 「イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 表 現 の 自 由 ス ケ ー ル 」を 構 成
した。
表現の自由スケールと、インターネットの利用/非利用、主なデモグラフィック特性と
の 関 連 を 順 位 相 関 分 析 し た 結 果 、 非 利 用 者 よ り 利 用 者 (ρ =.108***)、 女 性 よ り 男 性 (.075*
**)、 若 年 齢 層 (.100***)、 高 学 歴 (.119***)、 の 人 に お い て 自 由 を 求 め る 方 向 性 の 意 見 が
強かった。
ま た 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 様 々 な 機 能 の 利 用 時 間 と の 関 連 を み た 場 合 、 E メ ー ル (.127**
*)、 ウ ェ ブ (.136***)、 チ ャ ッ ト (.089*)、 ICQ(.073*)、 に お い て 、 そ れ ぞ れ 利 用 時 間 が 長
い人ほど、表現の自由を求める方向の回答をしているという傾向が示された。
- 14 -
10章
各種情報メディアの利用と使い分け
本章では、人々が情報の種別や目的別にどのようなメディアを利用しているのか、ある
いは多様なメディアを使い分けているのかについて分析する。
10.1
情報の種別によるメディアの使い分け
人々は、日常生活で必要となる情報を、どのようなメディアから入手しているのであろ
うか。必要な情報を5つに絞り、その情報源を尋ねたところ、、表 10.1.1 に示したような
結果が得られた。
【健康医療情報】
健康医療関係の情報減としては、テレビがもっとも多く、次に新聞、友人・家族と続い
ている。女性は男性より、健康医療情報への関心が高く、多くのメディアに接触する傾向
がみられ、特に、テレビ、新聞、本、雑誌、専門家を情報源とする割合が高い。これに対
して、男性は、インターネットへの接触が多くなっている。年齢別にみると、中高年齢層
は、テレビやラジオ、パンフレット・広報紙への接触が多く、本や雑誌、専門家、友人や
家族は、20∼40歳代に多くなっている。世帯年収との関連は全般に弱くなっている。
また、インターネット利用者に限定しても、インターネット利用率は 25.4%(医療健康の
情報源の第5位)に留まっており、医療健康情報をインターネットから入手することにつ
いては、まだ充分には進んでいないようである。実際、インターネット利用者でも、医療
健康情報については、インターネットより、テレビ、新聞、本、雑誌、友人・家族などか
ら入手することが多いからである。
【選挙や候補者の政見・経歴情報】
選挙や候補者の政見・経歴情報に関しては、テレビと新聞が情報源の双璧で、他のメデ
ィア利用は全般に少ない。「探したことがない」という回答も 26.9%とかなり高くなって
いる。性別にみると、男性は新聞や雑誌、女性はパンフレット・広報紙や友人・家族から
情報を得ることがやや多くなっている。年齢別では、10∼20歳代は関心がなく、「探
したことがない」という割合が多く、中高年齢層はテレビ、ラジオ、新聞、パンフレット
・広報紙への接触が多くなっている。
インターネットの利用は非常に少なく、インターネット利用者に限っても、 3.8%と非
常に低く、インターネットが選挙や候補者の政見・経歴情報の入手に使われていないこと
を物語っている。
【自宅から目的地への道順情報】
この情報は、本や友人・家族から情報を得ることが多く、雑誌が第3番目のメディアに
-1-
なっている。雑誌や本を情報源にする人は、20∼40歳代の短大卒以上の人に多く見ら
れ、10∼20歳代の人は、友人・家族から情報を得ることが多い。インターネット利用
者と非利用者では大きな違いがみられ、インターネット利用者の場合は、本と並んでイン
ターネットがもっとも大きな情報源になっている人が多い。特に、パソコン画面で1日1
回以上ウェブにアクセスしている人の場合は、もっともよく使う情報源になっている。
【趣味に関する情報】
趣味に関する情報は、雑誌、テレビ、本から情報を集めることが多い。性別では、女性
がパンフレット・広報紙や友人・家族から情報を得ることが多いのに対して、男性が多い
のはインターネットである。学歴も多少関係があり、高学歴ほどテレビ、新聞、本、イン
ターネットといったメディアを多用して情報を集めている。都市規模による違いは少ない
が、町村に居住する人の場合は、そのような情報を「探したことがない」人の割合が多く
なっている。
インターネット利用者と非利用者では大きな違いがみられ、インターネット利用者はメ
ディア利用全般に利用率が高く、インターネットも約6割が利用している。特に、パソコ
ン画面でウェブを1日に数回以上見ている人は 81.0%が、また、1日に1回くらい見てい
る人は 71.6%が、インターネットを情報源にしており、他のすべてのメディアを上回って
いる。逆に、インターネット非利用者は、全般にメディア利用が少なくなっている。イン
ターネット利用者は趣味に関する情報への態度が積極的で、多様なメディアを使いこなし、
そのひとつとしてインターネットも積極的に使っているのである。
表10.1.1
情報種別による情報源・メディア
情報のタイプ
対象者
a.健康・医療に 全体
関する情報
インターネット利用者
インターネット非利用者
b.選挙や候補者 全体
の政見・経歴
の情報
インターネット利用者
インターネット非利用者
c.自宅から目的 全体
地への道順
インターネット利用者
情報
インターネット非利用者
d.趣味に関する 全体
情報
インターネット利用者
インターネット非利用者
e.仕事や研究に 全体
役立つ情報
インターネット利用者
インターネット非利用者
第1位
テレビ(64.0)
テレビ(61.7)
テレビ(65.1)
テレビ(56.6)
第2位
新聞(44.4)
新聞(44.1)
新聞(44.6)
新聞(49.3)
テレビ(54.0)
新聞(50.7)
テレビ(57.9)
新聞(48.6)
本(33.6)
友人家族(31.9)
本(45.3)
インターネット(43.9)
友人家族(31.5)
本(27.7)
雑誌(53.5)
テレビ(44.3)
雑誌(71.1)
インターネット(58.2)
雑誌(44.8)
テレビ(40.9)
本(36.8)
新聞(32.6)
本(54.1)
インターネット(50.4)
新聞(29.0)
本(28.2)
-2-
(単位%;MA)
第3位
友人家族(32.1)
雑誌(38.8)
友人家族(29.8)
パンフレット広報紙
(15.8)
同上(14.9)
同上(20.1)
雑誌(18.8)
友人家族(32.8)
雑誌(16.0)
本(38.7)
テレビ(51.6)
本(33.1)
テレビ(27.9)
新聞(38.5)
テレビ(26.0)
【仕事や研究に役立つ情報】
仕事や研究に役立つ情報に関しては、フルタイムの仕事に就いているか否かにより大き
く異なる。フルタイムの仕事に就いている人は、多様なメディアから関係する情報を集め
ている。40歳代以下の年齢層では、雑誌や本インターネットからの情報収集が多く、新
聞は30∼50歳代で多くなっている。また、インターネット利用者と非利用者とでは大
きく異なり、インターネット利用者は、当然ではあるが、インターネットによる情報収集
率が非常に高く、5割を超えている。インターネット利用者は、メディアに積極的にアプ
ローチしており、それ以外の多くのメディアからも情報収集しているのである。
10.2
目的によるメディアの使い分け
次に、目的によるメディアの使い分けをみるために、2つの目的(「いち早く世の中の
できごとや動きを知る」と「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」)
を設定し、その目的のためにもっとも利用するメディア(ひとつのみ)を尋ねた。その結
果、表 10.2.1 に示したように、迅速性、信頼性共にテレビがもっとも多く選択された。
迅速性については、テレビが 83.0%と圧倒的な支持を集めており、2位の新聞をあげた
率、 9.5%をはるかに凌いでいる。インターネット利用者に限ってみても、インターネッ
トをあげる人は 9.5%と1割にも達しない。パソコンの画面でウェブを1日に数回以上見
ている人の場合は、さらに高く、23.8%になるが、それでもテレビには到底かなわない状
況である。性別でみると、男性は、新聞やインターネットをあげる割合が多少増え、女性
はテレビが少し多くなっているが、大きな違いはない。年齢や学歴による違いも少ない。
表10.2.1
世の中のできごとや動きを知るメディア(迅速性と信頼性)
(単位%;SA)
情報のタイプ
対象者
a.いち早く世の 全体
第1位
第2位
第3位
テレビ(83.0)
新聞(9.5)
インターネット(3.0)
中のできごと
インターネット利用者
テレビ(78.2)
新聞(9.5)
インターネット(8.9)
や動きを知る
インターネット非利用者
テレビ(85.4)
新聞(9.6)
ラジオ(3.3)
全体
テレビ(58.0)
新聞(35.2)
ラジオ(2.0)
インターネット利用者
テレビ(48.2)
新聞(40.8)
インターネット(5.4)
インターネット非利用者
テレビ(63.1)
新聞(32.7)
ラジオ(2.6)
b.信頼できる
情報を得る
一方、
「信頼できる情報を得る」メディアとしても、テレビをあげる人がもっとも多く、
全体の 58.0%に達している。次が、新聞の 35.2%で、迅速性の場合よりも新聞をあげる人
が多くなっているが、新聞とテレビの合計でみると、9割以上となり、既存マスメディア
の評価が圧倒的に高いことがわかる。インターネット利用者に限っても、インターネット
-3-
をあげる割合は、 5.4%と低く、さらに1日に数回以上ウェブを見るヘビーユーザーにし
ても、13.2%とあまり高くない。インターネットは信頼できるメディアとしての地位をま
だ得ていないことがわかる。信頼性については、男女差はほとんどなく、年齢差が若干み
られる程度である。30∼40歳代でやや新聞の評価が高く、10歳代ではテレビの評価
が高くなっている。また、世帯年収が 600 万円以上の人は、新聞をより評価する傾向がみ
られる。
10.3
各メディアの重要性評価
次に、情報を収集する手段もしくは娯楽の手段として、各メディアがどの程度重要と評
価されているかを尋ねた。情報源としての各メディアの重要度評価の結果を、「非常に重
要」に5点、「重要」に4点、「どちらともいえない」に3点、「あまり重要ではない」に
2点、「まったく重要ではない」に1点を与え、平均をとったところ、図 10.3.1 のように
なった。もっとも高い評価は、テレビで、それに僅差で新聞が続き、この2つだけが4点
台をつけている。3番手がパーソナルな「家族や友人」で平均 3.93 となっている。4位
の本、5位のラジオ、6位の雑誌は、評価が接近しており、平均で「やや重要」という位
置づけになっている。インターネットは利用者が限られていることもあり、最下位になっ
ている。
性差に着目すると、男性はインターネットを、女性は家族や友人を、より重要視する傾
向がある。また、年齢による違いもあり、インターネットは利用率が高い10∼20歳代
の評価が高く、テレビは10歳代と70歳代の評価が高い。ラジオを重要と考える人は5
0歳代以上に多く、新聞は30歳代以上、雑誌は10∼20歳代、本は20∼30歳代、
家族や友人は10∼30歳代で重要と考える人が多くみられる。
インターネット利用者に限って各メディアの重要度をみても、インターネットは 3.52
とラジオを抜くだけで、雑誌や本にもかなわない。情報収集手段としても、インターネッ
トは、まだ他のメディアに追いついていないのである。
しかし、パソコン画面でウェブをよく利用している人に着目すると、状況はかなり違っ
てくる。図 10.3.2 に示すように、パソコン画面でウェブを頻繁にみている人ほど、インタ
ーネットの重要性を高く評価しており、特に、1日に数回以上見ている人は、情報源とし
てインターネットが最も重要と評価しているからである。逆に、ウェブ利用頻度が少ない
インターネット利用者の場合は、テレビや新聞の重要度が相対的に上昇している。
他方、娯楽の手段としての重要度評価をみると、図 10.3.3 のように、テレビ(4.14 点)と
「家族や友人とのおしゃべり」(4.11 点)がずば抜けて高い評価を受けている。2番手グル
ープとして、雑誌(3.48)、本(3.54)、新聞(3.48)の3つがほぼ並んでいる。次がラジオで、
インターネットは、ここでも最下位に位置づけられている。
-4-
2.41
インタネット
3.52
2.78
3.49
3.22
3.40
ラジオ
3.14
雑誌
3.30
3.61
3.26
本
3.42
3.41
家族や友人
インターネット非利用者
インターネット利用者
全体
3.72
4.01
3.93
4.21
4.16
4.20
新聞
4.29
4.27
4.28
テレビ
0
0.5
1
図10.3.1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
情報収集メディアとしての重要度評価
性差に着目すると、男性は利用率が高いこともあり、インターネットをやや高く評価す
る傾向があり、女性は家族や友人とのおしゃべりを重視する傾向がみられる。年齢による
違いもあり、インターネットは10∼20歳代、テレビは10歳代と70歳代、ラジオは
50歳代以上、新聞と雑誌は30歳代以上、本そして家族や友人とのおしゃべりは10∼
5
4.5
4.43
4.37
4.30
4.24
4.18
4.14
4
4.13
4.30
4.18
4.18
4.20
4.23
4.06
3.5
3.62
3.59
3.31
3
3.04
2.85
2.5
い
い
っ
ま
に
1
月
た
回
くし
な
くら
い
くら
回
に
数
月
週
に
数
1
日
1
図10.3.2
回
回
くら
くら
以
回
数
日
1
い
い
上
2
情報収集メディアとしての重要度評価とウェブ利用頻度
-5-
インターネット
テレビ
新聞
30歳代が、より重視している。
インターネット利用者は、当然、インターネットの重要度が高く、ラジオと新聞を抜い
て、第5位に位置づけているが、それでも本や雑誌にはとどいていない。また、パソコン
画面によるウェブ利用頻度が高い人ほど、インターネットの重要度が高くなるが、情報収
集手段の場合よりは、利用頻度による違いが小さく、1日に数回以上利用する人でもイン
ターネットの重要度は 3.61 点に留まっている。
2.38
インタネット
2.72
3.39
3.29
3.07
3.22
ラジオ
3.42
雑誌
3.86
3.48
3.82
3.54
4.01
4.3
4.11
家族や友人
3.58
3.26
3.48
新聞
4.13
4.16
4.14
テレビ
0
図10.3.3
インターネット非利用者
インターネット利用者
全体
3.41
本
1
2
3
4
5
娯楽の手段としての各メディアの重要度評価
-6-
11章
11.1
社会意識、文化とインターネット
外国語ウェブの利用
インターネットの進展は、社会のグローバリゼーション(世界的な相互依存関係の緊密
化)
を促進すると良くいわれる。その一方で、個人の生活やコミュニケーション行動はむし
ろ狭い範囲で完結する傾向があるともいわれる。インターネットは確かに地理的には遠く離
れた場所の人々とのコミュニケーションを可能にした。しかし、可能であるからといって
人々がそのような機能を活用するとは限らない。
この節では、現代におけるグローバルメディアとしてのインターネットが、実際にグロー
バルメディアとして利用されているか、すなわち、外国からの情報を直接得るための媒介と
して利用されているかを、外国ウェブの利用状況から考察する。
調査結果を見ると、ウェブ閲覧をしている人の 23.2 %が外国語サイトを訪問している。
ただし、外国語サイトを訪れる人も、日本語サイトに比べて見る数が限られている(全体の
7.0 %程度)
のは当然であろう。
外国語サイトを閲覧する人と、日本語サイトしか閲覧しない人を比較すると、
(1)
外国語サイトを訪れる人は、ウェブ閲覧時間が長い傾向がある(図 11.1.1 参照,
0.1%有意)
(2)
外国語サイトを訪れる人のウェブ利用目的は、「私用」
よりも「仕事」
に偏っている
(図 11.1.2 参照,0.1%有意)
(3)
外国語サイトを訪れる人では、自分のホームページを開設する意欲が高い傾向があ
る(図 11.1.3 参照,0.1%有意)
などが観察される。
図11.1.1
外国語サイト閲覧者のウェブ利用時間の分布(%)
9905
図11.1.2
図11.1.3
外国語サイト閲覧者の利用目的(%)
外国語サイト閲覧者のウェブ開設意向割合(%)
こうした観察結果は、外国語サイト閲覧者は、相対的にウェブ利用に積極的であり、情報
に対して受け身なばかりではないことを示唆する。いいかえれば、同じようにインターネッ
トを利用するといっても、外国語サイトを訪問するような利用の仕方をする人々とそうでな
い人々の間には、質的な差異が存在する可能性もある。
11.ア
外国とのメール交換
インターネットが、個人レベルにおけるグローバル・コミュニケーションの媒体として機
10005
能しているかを見るには、ウェブだけでなく、外国とのメールのやりとりにも表れると考え
られる。そこでこの節では、外国とのメール交換について考察する。
「E メールでよくやりとりする相手で外国に住んでいる人は何人いますか」
という質問に
対して、「いる」
人は回答者(E メールをしている人)
の 18.2 %で、平均して 2.6 人の外国に
住んでいる相手がいる。
外国語ウェブを訪問し、かつ、外国の居住者とメール交換している人は、外国語ウェブ訪
問者のおよそ三分の一、外国とメール交換している人の半分である(表 11.2.1 参照)。この
ように重なりが小さいということは、今後、外国語サイトを訪れたり、外国居住者とメール
交換するグループは拡大する可能性があると考えられる。
表11.2.1 外国との関わり(回答者数)
外国語ウェブ訪問
外国とメール交換
両方とも行っている
いずれか一方を行っている
121
62
238
者
回答者数
11.3
179
価値観とインターネット利用
今日、我が国においても、インターネット利用者は 40 %に迫る勢いであり、現在の利
用者はすでに「初期採用者=特殊な存在」とはいえない。では、インターネット利用者層は、
非利用者層と等質なグループとなっているのだろうか。本節では、インターネット利用者層
と非利用者層との間の社会的価値観について比較検討する。ここでいう「社会的価値観」
とは、
「社会のなかで自らが獲得したいと考えている価値」
をさすものとする。具体的には、調査票
の問 29 において回答者に重要性を尋ねている「職業」
「収入」
「学歴」
「家族からの尊敬」
「社会
貢献」
「趣味的世界」
「財産」
「地位」などが、その代表例と考えられる。
ここでは、回答者全員をインターネット非利用者とインターネット利用者のグループにわ
け、それぞれの社会的価値を「重視する」ものの割合を比較した。
結果を図 11.3.1 に示す。この結果を見ると、学歴を除くすべての項目について、インタ
ーネット利用者の中でこうした価値を「重視する」者の割合は、インターネット非利用者のそ
れを凌駕している。すなわち、社会内達成的な価値(地位、財産、収入、職業)、人間関係的
な価値(社会活動、家族)、趣味的価値のいずれについても、インターネット利用者は非利用
者に比べ、高い重要度を感じている(すべての項目において、0.1%有意)
。いいかえれば、
「世界に対する欲望」
が高い、ということかもしれない。
10105
図11.3.1
社会的価値について「重要と思う」
人の割合(%)
この結果は、1995 年 SSM 調査にもとづいて遠藤[2000]が明らかにした結果とも非常に
よく一致するものである。これは、
「インターネットを利用したから積極的になった」という
ことは考えにくいので(ある種のフィードバックは想定可能であるとしても)、もともと世界
に対して積極的な姿勢をもつものがインターネットの利用にも積極的である、ということを
示すものであろう。ただし、そのような人々の参入が、インターネットの普及に力を与えて
いることも事実である。ここで目を引くのは、
「学歴」
だけが、他の項目とは逆転しているこ
とである。このことも、すでに遠藤[2000]に指摘されているが、インターネットが「知の
流通」
におおきな影響を及ぼすことが示唆される。
ちなみに、Cole[2000]によれば、アメリカにける類似質問に対する回答では、「高い収
入」
を重視するのはインターネット利用者グループに多かったが、
「社会活動」
を重視するの
はむしろインターネット非利用者に多い、という結果が出ている。今後国際比較が重視され
る興味深い差異といえる。
11.4
社会的不公平感
さて、前節で見たように、インターネット利用者には、社会的達成に高い価値付けをする
者が多い。しかし、このような欲求あるいはアクティブネスは何によって動機づけられてい
るのだろうか。
一般に、(社会的)
欲求は何らかの社会的欠乏感によって駆り立てられると考えられる。
10205
図11.4.1
社会的不公平感をもつ人の割合(%)
この欠乏感は、必ずしも客観的な基盤に立つものではなく、むしろ「相対的剥奪」
感と呼ば
れる心理的要因に起因する可能性が考えられる。
本調査では、インターネット利用者のアクティブネスを動機づける因子として、さまざま
な属性に関わる不公平が現代社会にあると感じるか否かを尋ねた。その結果を図示したのが、
図 11.4.1 である。
これによれば、全体の傾向としてはインターネット利用者も非利用者も類似のパターンを
示しており、ジャーナリズムなどで頻繁に取り上げられる「学歴格差」が最も高い値を示して
いる。
しかしながら、インターネット利用者は、いずれの項目でも非利用者を上回る不公平感を
示している。これは、いささか奇妙な現象といえる。なぜなら、
「ディジタル・ディバイド」
が問題になるように、インターネット利用者の中心は、学歴や収入の高い男性中心であり、
必ずしも客観的に見て不公平を受ける側とはいえないからである。にもかかわらずこのよう
な結果が出るのは、先に述べた仮説をうらづけるものといえる。また、先天的属性への依存
が大きい「性別」「
や 資産」について、非利用者に対する差異が顕著である。
この結果も、遠藤[2000]の分析と非常に一致するものである。
11.5
文化行動
インターネット利用者のプロフィールを刻むためのもう一つの視点は、彼(女)
らの文化行
動の観察であろう。
10305
第6章でも、11.3 節でも触れたように、インターネット利用者は、社会経済的価値だけ
ではなく、趣味的領域でも積極的な傾向が観察される。
また、インターネットに関しては、その形成過程においてすでに「インターネット文化」
と
いういい方で、その文化的側面が注目されてきた。しかし、その注目のされ方は、インター
ネット上に新奇なものとして現れたマイナー文化やカルト文化に偏したものであったように
も思われる。それらはしばしば「おたく文化」といった呼び方をされ、ネット利用者の特殊性
を表すかのようにも語られた。
この節では、こうした偏った先入観を避けて、インターネット利用者の多様な文化行動を
探るものとする。以下の図 11.5.1 6 は、一般によく行われている文化行動に関して、イン
ターネット利用者と非利用者における活動者の割合を比較したものである。
図11.5.1 文化行動(1)
(%)
10405
図11.5.2
文化行動(2)
(%,***は0.1%有意を示す)
図11.5.3
文化行動(3)
(%,***は0.1%有意を示す)
10505
図11.5.4
文化行動(4)
(%,***は0.1%有意を示す)
図11.5.5
文化行動(5)
(%,***は0.1%有意を示す)
10605
図11.5.6
文化行動(6)
(%,*は5%有意,***は0.1%有意を示す)
これらの結果によれば、通説とは異なり、日本の古典文化に関する分野(「歌舞伎、能、文
楽の鑑賞」、
「華道、茶道、書道」
、
「短歌や俳句の創作」)
を除いて、すべての文化行動で、イ
ンターネット利用者の行動率が非利用者のそれを大きく上回っている。それは、ハイカルチ
ャー、ローカルチャーの別や、屋外活動と屋内活動の区別なく、広い範囲にわたっているの
である。
このような積極性は、当然、インターネット利用者の年齢構成にも依存することではあろ
うが、今後の社会のメカニズムに根本的な再検討をうながす現象であるかもしれない。
[参照文献]
Cole, J. I., et al. [2000] The UCLA Internet Report, UCLA Center for Communication Policy.
遠藤薫
[1998] 「情報コンシャスネスと社会階層ーー情報化社会のライフスタイル戦略
とその帰結」
『社会階層の新次元を求めて』
(1995 年 SSM 調査シリーズ 20),p.119-168,1995
年 SSM 調査研究会
遠藤薫
[2000] 「情報コンシャスネスとオルト・エリート」今田高俊編『日本の階層システ
ム5』
,p.111-150,東京大学出版会
10705
ダウンロード

はじめに コンピューターおよびインターネットは、現在、世界的規模で急速