量子力学 I(2006 年度前期)
試験勉強用練習問題
問題
1. 確率変数 A の分散に関して、次の公式を示せ。
h∆A2 i = hA2 i − hAi2
ここで、∆A = A − hAi である。
2. 次の交換子を計算し、x̂, p̂ を用いて表せ。
(a) [x̂, p̂2 ]
(b) [x̂2 , p̂]
(c) [x̂2 , p̂2 ]
3. 次の手順で、不確定性関係を証明せよ。
(a) 自己共役演算子 Â, B̂ に対して、[Â, B̂] = iĈ とおくとき、Ĉ も自己共役演算子であることを
示せ。
(b) ∆ =  − hÂi, ∆B̂ = B̂ − hB̂i とする時、[Â, B̂] = iĈ なら [∆Â, ∆B̂] = iĈ であることを示せ。
(c) 実数 λ に対して D̂ = ∆ + iλ∆B̂ とおくとき、状態 D̂|ψi のノルムの 2 乗を計算せよ。ここで、
|ψi は任意の状態ベクトルである。
(d) 前問で計算したノルムの 2 乗が非負であることから、不確定性関係
D
ED
E 1 D E2
Ĉ
(∆Â)2 (∆B̂)2 ≥
4
を示せ。(ヒント:判別式を考えよ。)
(e) 位置と運動量の不確定性関係を示せ。
4. 無限に深い井戸型ポテンシャル
V (x) =
(
0
∞
を考える。
|x| ≤
|x| >
a
2
a
2
(a) 時間に依存しないシュレーディンガー方程式を解き、エネルギー固有値と、対応するエネルギー
固有関数を全て決定せよ。
(b) 時刻 t = 0 における状態が、n 番目の固有エネルギー En に対応する固有関数 ψn (x) であったと
する時、時刻 t における波動関数 ψn (x, t) を求めよ。また、この状態に対する時刻 t での位置と
運動量の期待値 hx̂it , hp̂it を計算せよ。
(c) 時刻 t = 0 における状態が、基底状態 ψ1 (x) と第一励起状態 ψ2 (x) の重ね合わせ ψ(x) =
√1
2
{ψ1 (x) + ψ2 (x)} であったとする時、時刻 t における波動関数 ψ(x, t) を求めよ。また、こ
の状態に対する時刻 t での位置と運動量の期待値 hx̂it , hp̂it を計算せよ。必要なら、公式
Z π2
8
x cos x sin 2x dx =
9
−π
2
Z π2
4
sin x sin 2x dx =
3
−π
2
Z π2
2
cos x cos 2x dx =
3
−π
2
を使え。
1
5. 次の箱型ポテンシャル
V (x) =
(
V0
(0 < x < a)
0
(x < 0, a < x)
(V0 > 0) を考える。粒子が左から入射する状況を考え、以下の二つの場合に分けて透過確率と反射確
率を求めよ。
(a) V0 < E の場合
(b) 0 < E < V0 の場合
解答
1. hAi は定数なので、hAi = a とおく。
E
D
2
(∆A)
D
=
=
(A − a)
2
E
A − 2aA + a2
= hA2 i − 2ahAi + a2
= hA2 i − 2a2 + a2
= hA2 i − a2
= hA2 i − hAi2
定数の期待値はその定数そのものであること(hai = a)、また、定数倍は期待値記号の外に出せるこ
と(haAi = ahAi)に注意。
別解
変数 A のとる値の集合をを {ai }、また、値 ai が出る確率を P (ai ) とすると、
X
hAi =
ai P (ai )
i
2
hA i =
hAi = a とおくと、
h(∆A)2 i =
=
ここで
P
i
X
i
X
X
a2i P (ai ).
i
(ai − a)2 P (ai )
a2i P (ai ) − 2a
X
ai P (ai ) + a2
i
X
P (ai ).
i
P (ai ) = 1 を使うと、
h(∆A)2 i = hA2 i − a2
= hA2 i − hAi2 .
2. 関数に対する演算子の形にして計算する。以下、演算を受ける側の関数を f (x) と書くことにする。
(a)
d
x̂p̂ f (x) = x −i~
dx
2
2
= −~2 xf 00 (x)
2
f (x)
p̂2 x̂f (x)
2
d
xf (x)
dx
d2
= −~2 2 {xf (x)}
dx
2 d
= −~
{f (x) + xf 0 (x)}
dx
= −~2 {2f 0 (x) + xf 00 (x)}
=
−i~
よって、
x̂p̂2 − p̂2 x̂ f (x)
= 2~2 f 0 (x)
d
= 2i~ −i~
f (x)
dx
= 2i~p̂f (x)
従って、
[x̂, p̂2 ] = 2i~p̂
(b) 上と同様にして、
x̂2 p̂f (x) = −i~x2 f 0 (x)
p̂x̂2 f (x)
d 2
x f (x)
dx
= −i~ 2xf (x) + x2 f 0 (x)
= −i~
x̂2 p̂ − p̂x̂2 f (x)
= 2i~xf (x)
= 2i~x̂f (x)
よって
[x̂2 , p̂] = 2i~x̂
(c)
x̂2 p̂2 f (x) = −~2 x2 f 00 (x)
d2 2
x f (x)
2
dx
2 d
2xf (x) + x2 f 0 (x)
= −~
dx
= −~2 2f (x) + 4xf 0 (x) + x2 f 00 (x)
p̂2 x̂2 f (x) = −~2
よって、
x̂2 p̂2 − p̂2 x̂2 f (x) = ~2 {2f (x) + 4xf 0 (x)}
= 2~2 + 4i~x̂p̂ f (x)
[x̂2 , p̂2 ] = 2~2 + 4i~x̂p̂
注) 正準交換関係 x̂p̂ − p̂x̂ = i~ を使って書き換えることができるので、[x̂2 , p̂2 ] = −2~2 + 4i~p̂x̂
や、[x̂2 , p̂2 ] = 2i~(x̂p̂ + p̂x̂) も正解。
3
別解
交換関係に関する以下の公式を使う。
[Â, B̂ Ĉ] = B̂[Â, Ĉ] + [Â, B̂]Ĉ
(1)
[ÂB̂, Ĉ] = Â[B̂, Ĉ] + [Â, Ĉ]B̂
(2)
(1) と (2) の証明 例えば、(1) の右辺を計算すると、
B̂[Â, Ĉ] + [Â, B̂]Ĉ
= B̂(ÂĈ − Ĉ Â) + (ÂB̂ − B̂ Â)Ĉ
= −B̂ Ĉ Â + ÂB̂ Ĉ
= [Â, B̂ Ĉ]
(2) も同様。
これらの公式と正準交換関係 [x̂, p̂] = i~ を使うと、
[x̂, p̂2 ] = p̂[x̂, p̂] + [x̂, p̂]p̂
= 2i~p̂
[x̂2 , p̂] = x̂[x̂, p̂] + [x̂, p̂]x̂
= 2i~x̂
[x̂2 , p̂2 ] = p̂[x̂2 , p̂] + [x̂2 , p̂]p̂
= p̂(2i~x̂) + (2i~x̂)p̂
= 2i~(p̂x̂ + x̂p̂)
3. (a)
Ĉ = −i[Â, B̂]
であるから、
Ĉ †
†
= (−i)∗ [Â, B̂]
†
= i ÂB̂ − B̂ Â
† † = i
ÂB̂ − B̂ Â
= i B̂ † † − † B̂ †
(∵ エルミート共役をとると、積の順番が入れ替わる)
= i B̂ Â − ÂB̂
∵ Â, B̂ は自己共役演算子
= −i ÂB̂ − B̂ Â
= −i[Â, B̂]
=
Ĉ.
よって、Ĉ † = Ĉ なので、Ĉ は自己共役演算子。
4
(b) 期待値 hÂi, hB̂i は単なる定数で、積の順序を入れ替えてもよいことに注意すると、
[∆Â, ∆B̂] =
 − hÂi B̂ − hB̂i − B̂ − hB̂i  − hÂi
ÂB̂ − hÂiB̂ − hB̂i + hÂihB̂i
=
− B̂  − hB̂i − hÂiB̂ + hÂihB̂i
ÂB̂ − B̂ Â
=
= [Â, B̂].
よって、
[∆Â, ∆B̂] = [Â, B̂] = iĈ.
(c)
2
D̂|ψi
= hψ|D̂† D̂|ψi
∵ D̂|ψi の共役(双対)は hψ|D̂†
† = hψ| ∆ + iλ∆B̂
∆ + iλ∆B̂ |ψi
= hψ| ∆ − iλ∆B̂ ∆ + iλ∆B̂ |ψi
∵ ∆Â, ∆B̂ は自己共役演算子
o
n
= hψ| (∆Â)2 + iλ ∆Â∆B̂ − ∆B̂∆ + λ2 (∆B̂)2 |ψi
o
n
∵ [∆Â, ∆B̂] = iĈ
= hψ| (∆Â)2 − λĈ + λ2 (∆B̂)2 |ψi
E
D
E
D E
D
=
(∆Â)2 − λ Ĉ + λ2 (∆B̂)2
(d) ノルムの 2 乗は非負であるから、
D
E
D E
D
E
(∆Â)2 − λ Ĉ + λ2 (∆B̂)2 ≥ 0.
この式が任意の実数 λ に対して成り立つので、この式を λ についての2次式と見たときの判別
式 D は0以下、つまり、
D
ED
D E2
E
D = Ĉ − 4 (∆Â)2 (∆B̂)2 ≤ 0.
よって、
D
が言える。
(∆Â)2
ED
E 1 D E2
(∆B̂)2 ≥
Ĉ
4
(e) [x̂,
D p̂]
E = i~ であるから、Â = x̂, B̂ = p̂ とおくと、Ĉ = ~。この場合、~ は単なる定数なので、
Ĉ = h~i = ~。よって、
h∆x̂2 ih∆p̂2 i ≥
4. (a) |x| ≤
a
2
~2
.
4
におけるシュレーディンガー方程式は、
−
~2 ∂ 2
ψ(x) = Eψ(x).
2m ∂x2
この方程式の一般解は、
ψ(x) = A cos(kx) + B sin(kx)
5
k=
√
2mE
~
!
と書ける。|x| >
a
2
の領域には入り込めないので、この領域では常に ψ(x) = 0 であり、境界条
件は
ψ(a/2) = ψ(−a/2) = 0.
よって、
A cos(ka/2) − B sin(ka/2) = 0
A cos(ka/2) + B sin(ka/2) = 0.
従って、A cos(ka/2) = 0, B cos(ka/2) = 0 が言える。もし A = B = 0 なら、常に ψ(x) = 0 と
なって、無意味な解となるので、A と B のどちらかは0ではない。
i. A 6= 0 の場合
A cos(ka/2) = 0 から、cos(ka/2) = 0。従って、ka = (奇数) × π の形となる。また、この
場合 sin(ka/2) 6= 0 なので、B = 0。
ii. B 6= 0 の場合
B sin(ka/2) = 0 から、sin(ka/2) = 0。従って、ka = (偶数) × π の形となる。また、この
場合 cos(ka/2) 6= 0 なので、A = 0。
以上をまとめると、エネルギー固有関数は、
(
Cn cos πnx
a
ψn (x) =
Cn sin πnx
a
(n = 1, 3, 5, . . . )
(n = 2, 4, 6, . . . )
となる。ここで、n = 0 の場合は常に ψ(x) = 0 となるので除外した。また n が負の場合は、位
相因子(符号)を除いて
q n が正の場合と同じ解になるので、除外している。規格化定数Cn は、
1
π~n 2
。
規格化条件から Cn = a2 と定まる。また、ψn のエネルギー固有値は、En = 2m
a
(b) 時間に依存するシュレーディンガー方程式は、
i~
∂
ψ(x, t) = Ĥψ(x, t).
∂t
t = 0 における波動関数が、エネルギー固有状態 ψn (x) である時、Ĥψn (x) = En ψn (x) であるか
ら、時間依存シュレーディンガー方程式の解は
ψn (x, t) = e−iEn t/~ ψn (x)
となる。(方程式を満たしていること、及び、正しい初期条件を満たしていることは、簡単に確
かめられる。)
この波動関数に対して、まず位置の期待値を計算すると、
Z
hx̂it =
ψn (x, t)xψn (x, t)dx
Z
=
eiEn t/~ ψn (x)xe−iEn t/~ ψn (x)dx
=
Z
a/2
xψn (x)2 dx.
−a/2
ψn (x) は偶関数と奇関数の場合があるが、いずれの場合でも ψn (x)2 は偶関数。したがって、
xψn (x)2 は奇関数となって、上式の積分の値は0。従って、hx̂it = 0。
次に、運動量の期待値を計算すると、
Z
∂
∗
hp̂it =
ψn (x, t) −i~
ψn (x, t)dx
∂x
Z
∂
= −i~ eiEn ~/t ψn (x)e−iEn t/~ ψn (x)dx
∂x
Z a/2
= −i~
ψn (x) ψn0 (x) dx.
−a/2
6
(ψn0 は ψn の微分を表す。)ここで、ψn が偶関数である場合は、ψn0 は奇関数、ψn が奇関数であ
る場合は、ψn0 は偶関数なので、いずれの場合も ψn (x)ψn0 (x) は奇関数。従って、上式の積分は
0となり、hp̂it = 0。
(c) 基底状態と第一励起状態は、それぞれ ψ1 (x, t) = e−iE1 t/~ ψ1 (x), ψ2 (x, t) = e−iE2 t/~ ψ2 (x) の形
で時間発展するので、初期条件が ψ(x) =
√1
2
態は、
{ψ1 (x) + ψ2 (x)} であるばあい、時刻 t における状
o
1 n
ψ(x, t) = √ e−i~E1 t/~ ψ1 (x) + e−iE2 t/~ ψ2 (x) .
2
位置の期待値は、
Z
hx̂it =
ψ(x, t)∗ xψ(x, t)dx
Z
o n
o
1 n i~E1 t/~
e
ψ1 (x) + eiE2 t/~ ψ2 (x) x e−i~E1 t/~ ψ1 (x) + e−iE2 t/~ ψ2 (x) dx
=
2
Z n
o
1
=
x ψ1 (x)2 + ψ2 (x)2 + ei(E2 −E1 )t/~ + e−i(E2 −E1 )t/~ ψ1 (x)ψ2 (x)
2
Z
Z
(E2 − E1 )t a/2
1 a/2 x ψ1 (x)2 + ψ2 (x)2 dx + cos
xψ1 (x)ψ2 (x)dx.
=
2 −a/2
~
−a/2
積分の第一項は、奇関数の積分なので0。従って、第二項だけ積分すればよく、
hx̂it
(E2 − E1 )t
= cos
~
Z
a/2
xψ1 (x)ψ2 (x)dx
−a/2
Z
a/2
=
(E2 − E1 )t
2
cos
a
~
=
2
(E2 − E1 )t a 2
cos
a
~
π
=
−a/2
16a
(E2 − E1 )t
cos
.
9π 2
~
x cos
2πx
πx
sin
dx
a
a
Z
t cos t sin 2t dt
π/2
−π/2
πx t=
a
最後の式変形で、問題文中の積分公式を用いた。
次に、運動量の期待値を計算すると、
Z
o
o
∂ n −i~E1 t/~
1 n i~E1 t/~
iE2 t/~
e
ψ1 (x) + e
ψ2 (x)
−i~
e
ψ1 (x) + e−iE2 t/~ ψ2 (x) dx
hp̂it =
2
∂x
Z n
o
−i~
=
ψ1 (x)ψ10 (x) + ψ2 (x)ψ20 (x) + ei(E2 −E1 )t/~ ψ2 (x)ψ10 (x) + e−i(E2 −E1 )t/~ ψ1 (x)ψ20 (x) dx.
2
ψ1 , ψ20 は奇関数、ψ2 , ψ10 は偶関数であるから、積分の中の 4 つの項のうち、最初の 2 つは奇関
数となり、積分に寄与しない。したがって、後の 2 項だけを考えればよく、
Z
o
−i~ n i(E2 −E1 )t/~
hp̂it =
e
ψ2 (x)ψ10 (x) + e−i(E2 −E1 )t/~ ψ1 (x)ψ20 (x) dx
2
(
)
Z a/2
Z a/2
−i~
2πx
πx
πx
2πx
i(E2 −E1 )t/~ π
−i(E2 −E1 )t/~ 2π
=
−e
sin
sin
dx + e
cos
cos
dx
a
a −a/2
a
a
a −a/2
a
a
(
)
Z π/2
Z π/2
i~
πx i(E2 −E1 )t/~
−i(E2 −E1 )t/~
=
e
sin 2t sin t dt − 2e
cos t cos 2t dt
t=
a
a
−π/2
−π/2
n
o
4i~ i(E2 −E1 )t/~
e
− e−i(E2 −E1 )t/~
=
3a
8~
(E2 − E1 )t
= −
sin
.
3a
~
途中の積分で、問題文中の積分公式を用いた。
7
5. (a) V0 < E の場合を考える。時間に依存しないシュレーディンガー方程式
~2 d 2
−
+
V
(x)
ψ(x) = Eψ(x)
2m dx2
の解は、3つの領域 I (x < 0),II (0 < x < a),III (x < a) に分けて、

ikx
0 −ikx

 ψI (x) = A1 e + A1 e
0
0
ψ(x) =
ψII (x) = A2 eik x + A02 e−ik x


ψIII (x) = A3 eikx + A03 e−ikx
√
2mE 0
,k
~
(x < 0)
(0 < x < a)
(a < x)
√
2m(E−V0 )
)左から粒子が入射する状況を考えると、領域
~
3では右側に進む透過波しか存在しないので、A03 = 0。接続条件は、
と書ける。
(ここで、k =
=
ψI (0) = ψII (0)
(3)
ψI0 (0)
(4)
0
ψII
(0)
=
ψII (a) = ψIII (a)
(5)
0
ψII
(a)
(6)
0
ψIII
(a).
=
(ここで ψ 0 は ψ の x 微分を表す。)今、未知の係数が A1 , A01 , A2 , A02 , A3 の 5 個、条件式が 4 個
あるので、4 個の係数を消去して、全てをひとつの係数で表すことができる。ここでは、係数を
全て A3 で表す方針で計算する。まず、(1) と (2) から、
A1 + A01
= A2 + A02
ik(A1 − A01 ) = ik 0 (A2 − A02 )
これを行列の形にまとめると、
1
k
1
−k
!
!
A1
A01
1
k0
=
!
1
−k 0
A2
A02
!
(7)
また、(3) と (4) から、
0
0
A2 eik a + A02 e−ik a
0
= A3 eika
0
ik 0 (A2 eik a − A02 e−ik a ) = ikA3 eika
行列の形にまとめると、
0
eik a
0
k 0 eik a
e−ik
0
a
−k 0 e−ik
0
a
!
!
A2
A02
1
=
k
!
eika A3
(8)
この式から、
A2
A02
!
0
=
0
e−ik a
0
−k 0 e−ik a
eik a
0
k 0 eik a
=
1
−2k 0
=
1
2k 0
0
−k 0 e−ik a
0
0
(k 0 + k)e−ik a
0
(k 0 − k)eik a
8
0
−e−ik a
0
−k 0 eik a
!−1
eik a
!
1
k
!
eika A3
!
eika A3
1
k
!
eika A3
また、(7) から、
A1
A01
!
1
k
=
=
1
−k
!−1
k + k0
1
2k
k−k
=
1
4kk 0
=
1
4kk 0
1
k0
k − k0
0
k+k
k + k0
0
1
−k 0
!
k − k0
!
!
A2
A02
A2
A02
!
!
0
(k 0 + k)e−ik a
!
eika A3
0
(k 0 − k)eik a
!
0
0
(k + k 0 )2 e−ik a − (k − k 0 )2 eik a
eika A3
0
0
(k 2 − k 02 )(e−ik a − eik a )
k − k0
k + k0
よって、領域 I から領域 III への透過率は、
T
=
=
=
=
~k
2
m |A3 |
~k
2
m |A1 |
(4kk 0 )2
|(k +
− (k − k 0 )2 eik0 a |2
4k 2 k 02
2
02
2
0
4k k cos (k a) + (k 2 + k 02 )2 sin2 (k 0 a)
4k 2 k 02
.
4k 2 k 02 + (k 2 − k 02 )2 sin2 (k 0 a)
k 0 )2 e−ik0 a
反射率は、
R =
=
~k
0 2
m |A1 |
~k
2
m |A1 |
(k 2 − k 02 )2 sin2 (k 0 a)
.
+ (k 2 − k 02 )2 sin2 (k 0 a)
4k 2 k 02
反射率と透過率は、T + R = 1 の関係を満たすので、この関係式を使って一方から他方を求めて
もよい。
(b) 0 < E < V0 の場合、各領域での波動関数は、

ikx
0 −ikx

 ψI (x) = A1 e + A1 e
ψ(x) =
ψII (x) = A2 eκx + A02 e−κx


ψIII (x) = A3 eikx + A03 e−ikx
ここで、κ =
√
2m(V0 −E)
。これは、領域
~
(x < 0)
(0 < x < a)
(a < x)
II で ik 0 = κ と置き換えただけで、本質的に前問と同
じ式である。以下同様に計算して、
T
=
R
=
4k 2 κ2
+
4k 2 κ2
+ κ2 )2 sinh2 (κa)
(k 2
(k 2 + κ2 )2 sinh2 (κa)
4k 2 κ2 + (k 2 + κ2 )2 sinh2 (κa)
を得る。
コメント
• 問題1は、分散に関する問題。変数と定数の区別が分かっていれば難しくないはずである。
9
T
1
T
1
0.8
0.8
0.6
0.6
0.4
0.4
0.2
0.2
1
2
3
4
5
Energy
1
2
3
4
5
Energy
図 1: 透過率 T の図。横軸はエネルギー E 。V0 = 1, ~ = 0.1 の場合をプロットした。古典論では E < V0 で
T = 0、V0 < E で T = 1 となるが、量子論では T はエネルギーの関数として滑らかに変化する。左の図は
比較的薄い壁 (a = 0.1) の場合で、E が V0 より小さくても、トンネル効果で有限の透過確率が存在するこ
とがわかる。右の図は比較的厚い壁の場合 (a = 0.5) で、E < V0 ではほとんど T = 0 であり、V0 < E では
振動しながら T = 1 に近づいていくことが分かる。
• 問題2は、演算子の交換関係に関する問題。x̂ や p̂ は、波動関数に作用する演算子であることに注意
すること。従って、交換関係を計算する時は、右側に作用される側の関数を補って考えたほうがよい。
d
(そうでないと非常によく間違う。)例えば、x が関数である時には、 dx
x = 1 であるが、x が演算子
(つまり、他の関数 f (x) に作用して、別の関数 xf (x) を作り出す、という働きを表す)である場合に
d
d
d
d
{xf (x)} = f (x) + xf 0 (x) = (1 + x dx
)f (x) であるから、 dx
x = 1 + x dx
である。また、別解
は、 dx
に示したように、演算子の具体的な表式を使わないで抽象的に処理してしまうのも一つの手である。
• 問題3は、不確定性関係を証明する問題。ブラケットや演算子に関する基本的な計算ルールが身に付
いていれば難しくないはず。演算子のエルミート共役をとると、積の順序が入れ替わることに注意し
よう。
• 問題4は、井戸型ポテンシャル中のエネルギー固有状態と、それらの重ね合わせの時間発展に関する
問題。井戸型ポテンシャルの問題は色々な意味で量子力学の基本なので、きちんと解けるようにして
おこう。また、時間発展の計算の仕方(エネルギー固有状態は位相因子がかかるだけの単純な時間発
展をすること、一般の状態はエネルギー固有状態の重ね合わせで書けること)をよく理解しておこう。
期待値を求めるための積分は面倒に思えるかもしれないが、関数の偶奇性に気をつけて無駄を省いて
計算すればそれほど面倒ではない。
• 問題5は、授業中に少しだけ述べた、有限の高さ、有限の厚さの壁による跳ね返りを計算する問題。
計算は結構面倒なのだが、大学の理学や工学を理解するためにはある程度の計算力は絶対に必要なの
で、敢えて出題してみた。基本的には解の接続条件から連立方程式を解くだけである。面倒な連立方
程式を解く時は、行列をうまく使うとよい。エネルギーがポテンシャル壁の高さより小さくても、ト
ンネル効果で有限の透過確率が存在するのが面白い所である。
• このプリントに間違いを見つけたら、工学部 B-509 号室に来るか、または [email protected] [email protected]配布物は、http://www.a-phys.eng.osakacu.ac.jp/ suri-g/members/sugita/lecture.htm に置いておくので、必要ならダウンロードして下さい。
プリントに間違いがあった場合の告知も、このページで行います。
• それでは、試験頑張って下さい。
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量子力学I(2006 年度前期) 試験勉強用練習問題 問題