バイオテクノロジー詳論
バイオインフォマティクスの医療への応用
2006年6月6日(火)
生物機能制御学講座
濱田浩幸
バイオインフォマティクス
生命科学と情報科学、情報工学が融合した学問分
野。遺伝子解析情報を元に並列コンピュータで各
遺伝子の機能予測実験を行なったり、データベー
ス化された実験結果を元に遺伝子間の相互作用を
予測したりするなど、主に遺伝子に関する情報を
コンピュータによって分析する学問のこと。「生
命情報学」「生物情報学」などと略される。遺伝
子解析の進展により近年急激に発展している学問
分野であり、各国の研究機関や民間企業による研
究競争が激化している。
コンピュータ用語辞典
狭義の意味のバイオインフォマティクス
広義のバイオインフォマティクス
遺伝子に限らず生物の実験データをコンピュータ
で整理したり、解析すれば、
バイオインフォマティクスである。
生命現象の解明のためのコンピュータツール
およびアルゴリズムの開発
生命現象に情報理論およびモデルを適用
DNA二重
らせん構造
酵素反応
のM-M式
生物学
課題
手法
情報科学
バイオインフォマティクス
医療への適用
メディカル(医療)インフォマティクス
疾患の原因(遺伝子)の究明
合併症の機序(遺伝子間相互作用)の解明
遺伝子を用いた体質や薬剤耐性の判別
狭義
副作用(代謝経路)の検討
化学物質やタンパク質の立体構造解析
適正処方の検討
臓器のコンピュータシミュレーション
・・・・
狭義の医療インフォマティクス
新薬の開発では、候補となる分子を選択する際に、薬効お
よび薬物の安定性など様々な生化学実験を行い、最良の物
質(分子)を選択しなくてはならない。この実験は大変な
労働量を伴い、新薬開発の遅延原因の一つであった。
近年、DNAマイクロアレイ、DNAチップ、質量分析機による
タンパク質の同定などを利用することで、これらの実験を
同時に進行させる、ハイスループット分析法が開発された。
これらの方法を用いれば、数千、数万という大量の実験結
果を得ることができるが、その膨大なデータを整理して結
論を導くことは非常に難しい。
情報科学的手法を用いて、これら大量の生化学実験データ
から新薬開発に重要な情報を抽出する。
広義の医療インフォマティクス
Δ
マルチフィジックス有限要素法と生体医工学への応用
Δ
人工関節の摩耗シミュレーションと設計
Δ
肝炎治療における薬物応答性の予測 :
データマイニングによるSNP解析
Δ
腹膜透析療法プランニングソフトウエアの開発
Δ
クリニカル・ゲノム・インフォマティクスの情報基盤
Δ
バイオインフォマティクスの新しい挑戦課題:
核内受容体と生活習慣病
Δ
心血管系疾患の病因,病態形成機構における
ゲノム情報の意義と臨床応用への展望
日本バイオインフォマティクス学会 医療インフォマティクス講演会 060603
狭義の医療インフォマティクスの形態
アレイデータのクラスタリング(1)
対象とする遺伝子を抽出するための技術
アレイデータのクラスタリング(2)
ノイズに強く、重要な遺伝子を正確にグループ化
V1・V2 :寄与度
アレイデータを用いた判別分析(1)
アレイデータを用いた判別分析(2)
アレイデータを用いた判別分析(3)
A4用紙の配布資
料を見て!
遺伝子間相互作用の推定(1)
遺伝子間相互作用の推定(2)
A3用紙の配布資
料を見て!
計算機シミュレーション(1)
重要な遺伝子およびその代謝物が絞られたら、
関連する代謝系を解析する
計算機シミュレーション(2)
細胞周期G2/M phaseの
数理モデルの構築と網羅的システム解析
狭義の医療インフォマティクスの形態
広義の医療インフォマティクス
Δ
マルチフィジックス有限要素法と生体医工学への応用
Δ
人工関節の摩耗シミュレーションと設計
Δ
肝炎治療における薬物応答性の予測 :
データマイニングによるSNP解析
Δ
腹膜透析療法プランニングソフトウエアの開発
Δ
クリニカル・ゲノム・インフォマティクスの情報基盤
Δ
バイオインフォマティクスの新しい挑戦課題:
核内受容体と生活習慣病
Δ
心血管系疾患の病因,病態形成機構における
ゲノム情報の意義と臨床応用への展望
日本バイオインフォマティクス学会 医療インフォマティクス講演会 060603
薬物経皮吸収システムの開発
鎮痛剤・更年期障害剤・強心剤
表皮 : 脂溶性
真皮 : 親水性
阻害剤・酵素・障壁
心拍調律メカニズムの解明
洞房結節
左心房
右心房
左心室
右心室
活動電位の伝播に伴う興奮現象の引き込み
腹膜透析療法プランニング
ソフトウェアの開発
第二回日本バイオインフォマティクス学会
九州支部講演会・医療インフォマティクス
2006年 6月 3日
九州大学大学院農学研究院生物機能科学部門
大学院システム生命科学府生命情報科学講座
○濱田浩幸 ・ 岡本正宏
まとめ
医療インフォマティクスは、遺伝子発現量
を解析し、診断および処方設定に有効な知
見(エビデンス)をもたらす。
臨床データを説明する数理モデルの設計、
薬物の分子設計など、あらゆる医療に関連
するデータの解析を、現在では、医療イン
フォマティクスとして認識している。
参考文献など
先端のゲノム医学を知る 著者:中村祐輔
わかる!使える! DNAマイクロアレイデータ解析入門
監訳:辻本豪三 他
パターン識別 監訳:尾上守夫
ハーバード大学講義テキスト 生物統計学入門
監訳:竹内正弘
ゲノム情報生物学 監修:松原謙一 他
バイオインフォマティクス事典
編集:宮野 悟
他
コンピュータ言語
C言語など
どちらか1問を答えてください
1.バイオインフォマティクスを用いて、
肝がんに罹患しているか否かを判別する
システムを開発する手続きを簡単に説明
してください。
2.バイオインフォマティクスを用いて、
糖尿病の対症療法であるインシュリンに
よる血糖値制御の投与計画を設計する手
続きを簡単に説明してください。
細胞内シグナル伝達経路の
シミュレーション
STAT1の核移動
インターフェロン処理前
インターフェロン処理後1h
フォスファターゼ
STAT1の核移行
免疫系サイトカインの細胞内
シグナル伝達経路パスウェイ
インターフェロン処理後6h
情報駆動型創薬設計
フォスファターゼ阻害剤なし
通常の状態
フォスファターゼ阻害剤あり
核内フォスファターゼ
阻害がある場合
シミュレーションの結果、核内フォスファターゼ
を阻害するとSTAT1は核から細胞質に戻れない
と予想された。(赤は核内STAT1の量)
実際に実験をしてみると
確かにSTAT1は核の外に
出ていかなかった。
ホストディフェンスにおける
シグナルパスウェイ解析
シミュレーション
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