実験目的
増幅器の動作、特性の実験を行う。具体的には予備レポートで出した理論値が正しいか
を確認する。
使用機器一覧
実験器具の仕様を表a1に示す。
表a1 : 実験器具一覧
ブレッドボード
オペアンプ
741C
抵抗
各種
直流可変安定化電源
KENWOOD PW18-2
低周波発信器
KENWOOD AG-203D
2現象オシロスコープ
KENWOOD CS-4125
実験方法
●実験1-a
図b1のような回路をブレッドボード上でくみ増幅率の周波数依存性を測定する。2現象オシ
ロスコープで入力電圧、出力電圧を測定し、ピークからピークまでの値を読み取り算出する。
抵抗の値はRL =1MΩ、Rf=100kΩ、Rs=10kΩとする。よって、増幅率は次式の
Av  
Rf
Rs

( 1)
で与えられるため、増幅率は10倍となる。
周波数は1kHzから初め、1,3,10,30の刻みで1MHzまで測定する。
図b1 :反転増幅回路
1
●実験1-b
実験1-aの実験をRfの抵抗の値を変え、増幅率1倍、100倍についても測定する。
●実験1-c
図b2のような回路を組み、非反転増幅回路を製作する。抵抗の値はRfだけを変化させる。
非反転増幅回路の増幅率は次式、
Av  1 
Rf
Rs

( 2)
で与えられる。増幅率を1倍、11倍の2つを実験1-aと同様な方法で測定する。また、この実験
は位相差の測定も行う。位相差は一周期を360°として、電圧0の時のマス目のズレで測定
を行った。
図b2 :非反転増幅回路
●実験2
スルーレートの測定を行う。スルーレートとはオペアンプの限界を意味し、傾きの限界を
調べれば測定できる。具体的には図b2の反転増幅回路を組み、増幅率を5になるように周
波数を設定。発信器の出力電圧を変化させて三角派になったときの周波数、出力電圧を
測定する。
●実験3-a
オフセット電圧及び入力バイアス電流の測定を行う。実験b1の反転増幅回路を組みなお
し、増幅率は100倍にする。入力端子Sをアースにつなぎ、出力電圧をオシロスコープで観
測する。
●実験3-b
実験3-aでは非反転入力端子を直接アースにつないでいたのを10kΩの抵抗を通して
アースにつなぎ変え出力電圧をオシロスコープで観測する。
●実験3-b
図b2の非反転増幅回路を組み、増幅率を1に設定する。入力端子に何もつながない場合
を1MΩの抵抗を通してアースにつないだ場合の出力電圧をオシロスコープで観測する。
2
実験結果と考察
●実験1-a
表c1に実験結果を示す。実験方法でも示した通り、Rf=100kΩの増幅率10である。
表c1 : 反転増幅回路(増幅率10)の測定結果
周波数
入力電圧v1
出力電圧vout
増幅率Av
(Hz)
(mVp-p)
(mVp-p)
vout/V1
1K
45
500
11.1
3K
45
500
11.1
10K
45
500
11.1
30K
48
500
10.4
100K
48
380
7.9
300K
48
140
2.9
1M
45
35
0.8
●実験1-b
表c2にRf=10kΩの増幅率1の実験結果、表c3にRf=1MkΩの増幅率100の実験結果を示す。
表c2 : 反転増幅回路(増幅率1)の測定結果
周波数
入力電圧v1
出力電圧vout
増幅率Av
(Hz)
(mVp-p)
(mVp-p)
vout/V1
1K
48
48
1.00
3K
48
48
1.00
10K
48
48
1.00
30K
48
48
1.00
100K
48
48
1.00
300K
49
47
0.96
1M
40
24
0.60
3
表c3 : 反転増幅回路(増幅率100)の測定結果
周波数
入力電圧v1
出力電圧vout
増幅率Av
(Hz)
(mVp-p)
(mVp-p)
vout/V1
1K
48
4800
100.00
3K
48
4800
100.00
10K
48
3200
66.67
30K
50
1400
28.00
100K
50
450
9.00
300K
50
140
2.80
1M
40
30
0.75
これらの結果からわかるように、低周波では増幅率は(1)式の通りになるが高周波になるとそ
の値はどんどん低くなることがわかる。また、増幅率が高いほうが、周波数に依存しやすいことも
みてとれる。その様子をグラフc1に示す。
100
10
増幅率
増幅率10
増幅率1
増幅率100
1
1000
10000
100000
1000000
0
周波数[Hz]
グラフc1:反転増幅回路における増幅率の周波数特性
4
●実験1-c
非反転増幅回路のRf=0Ω、増幅率1の実験結果を表c4に、Rf=100kΩ、増幅率100の実験結果
を表c5に示す。
表c4 : 非反転増幅回路(増幅率1)の測定結果
周波数
入力電圧v1
出力電圧vout
増幅率Av
位相
(Hz)
(mVp-p)
(mVp-p)
vout/V1
(度)
1K
50
50
1.00
0
4K
50
50
1.00
0
10K
50
50
1.00
0
40K
50
50
1.00
0
100K
50
50
1.00
0
400K
50
50
1.00
20
1M
45
40
0.89
48
表c5 : 非反転増幅回路(増幅率11)の測定結果
周波数
入力電圧v1
出力電圧vout
増幅率Av
位相
(Hz)
(mVp-p)
(mVp-p)
vout/V1
(度)
1K
48
530
11.0
0.0
4K
50
540
10.8
0.0
10K
50
515
10.3
6.0
40K
50
500
10.0
24.0
100K
50
370
7.4
42.0
400K
50
115
2.3
72.0
1M
40
40
1.0
102.0
これらの結果からわかるように、反転増幅回路と同じく低周波では増幅率は(2)式の通りになる
が高周波になるとその値はどんどん低くなることがわかる。また、増幅率が高いほうが、周波数に
依存しやすいこともみてとれる。位相差は増幅率が大きい方がズレが大きい。その様子をグラフ
c2に示す。
5
100
増幅率
10
増幅率1
増幅率10
1
1000
10000
100000
1000000
0
周波数[Hz]
グラフc2:非反転増幅回路における増幅率の周波数特性
120.0
100.0
位相[度]
80.0
60.0
増幅率1
増幅率11
40.0
20.0
0.0
-20.0
1000
10000
100000
1000000
周波数[Hz]
グラフc3: 非反転増幅回路における位相遅れの周波数特性
6
●実験2
実験3の結果を表e1に示す。(半周期分)
表e1 : 三角波になったときの周波数、出力電圧
周波数
[Hz]
V1
[V]
160k
2
●実験3
実験3-aの結果はVout=130mVとなった。実験3-bはVout=65mVとなった。実験3-cは何も繋がな
い場合は13V、1MΩの抵抗を繋いだ場合は60mVとなった。
考察
a)
実験結果にも書いた通り、低周波の方が設計に近く、増幅率が小さいほうが設計に近い。
b)
fGBとは利得帯域幅積といい、落ちてくるときに重要になる。理論的には、fが10倍だと利得は1/10、
逆にfが1/10だと利得は10倍となる。次式が成り立ち、どこの点でもなることがわかる。
f GB  Av  f (3)
Avが1の時を目安とすると、反転増幅回路は増幅率が10のときに800Hz、100のときに770Hzでありほ
ぼ一緒である。
c)
スルーレイトの意味はオペアンプの限界のことである。ということは傾きの限界とも言いかえれるこ
とができる。オペアンプなどにおいて、最大応答速度を表す指標のひとつ。 また実験値
Vout
SR 
 (4)
t
は0.64V/μsとなり規格の0.5V/μsより若干多い値となった。
d)
Ibの値は実験3-a,3-bでの近似式
実験3 - a: Vout  100Vos - I b 1MΩ 
( 5)
実験3 - b: Vout  100Vos 
( 6)
を使用し、Vosは0.65mVにより、Ibは650nAとなった。規格値の800nAより若干少ない数値だった。
7
e)
位相差はグラフc2より明らかなとおり、増幅率が大きい方がズレが大きい。入力から出力までに
周波数が高いと追いつかないからと思われる。
f)
Vosを考えなくても良い理由は、直流との交流の違いで、そもそもオフセット電圧とはOPアンプ
の二つの入力端子にバイアス電流が流れ込むことによって,差動増幅器を構成するトランジス
タのベース-エミッタ間,FETのゲート-ソース間に発生する電圧のことである。FETの微小な定
数の差によって発生するため、たとえば直流で0Vを入力しても0Vにならないことがある。交流
はオフセット電圧の影響は極端に少ないため無視できる。
g)
VosとIbは考察(d)で求めた通りである。
h)
今実験のオペアンプの電源は±15Vであるので抵抗で多少消費されて13Vとなった。
1MΩ×Ibで60mVに近い数値がでる。
8
ダウンロード

実験番号2 気体放電と原子スペクトル 予備レポート