数理物理演習 III
14. June
No.4
2000
r r r
—— 微分演算子としての角運動量 l = (r × p ) の固有関数と固有値
r r
h r
1) hJ z ≡ l z = (r × p ) z = (r × ∇ ) z をデカルト座標から極座標に変換し、 l z =
i
r
∂ ∂θ ∂
ヒント─ l は回転を表す演算子なので r は定数とする。よって =
+
∂z ∂z ∂θ
えばよい。なお、以下の設問でも全て r は定数である。
2) 同様に l x , l y , l ± = l x ± il y を極座標で表わせ。
h ∂
を示せ。
i ∂ϕ
∂ϕ ∂
などを使
∂z ∂ϕ
3) 同様に、 l 2 = l x2 + l y2 + l z2 を極座標で表わせ。ヒント J + J − + J − J + = 2 J x2 + 2 J y2 を使うと少し
は計算が楽になる。
前問までの結果を使って、 l 2 と l z の固有関数 jm = F jm (θ , ϕ) を具体的に求めよう。
まず、 J 2 と J z は交換するので、これらに対し、同時に固有ベクトルとなる関数が存在
する。 J 2 と J z の固有値を j ( j + 1) と m とし、固有関数を jm と書く。すなわち、
J 2 jm = j ( j + 1) jm 及び J z jm = m jm である。この固有関数に対する昇降演算子
の働きは [ J z , J ± ] を使って調べると、J ± jm =
ベクトルのノルム(絶対値)に対する J ± jm
2
j ( j + 1) − m(m ± 1) jm ± 1 となることがわかり、
> 0 を使うと、m は m = − j , − j + 1,K , j − 1, j の範
囲に限定されることがわかる(「レポート問題 2─講義の復習」を参照のこと)。
4) l z , l ± の満たす微分方程式 l z Fj j (θ, ϕ) = jFj j (θ, ϕ) 及び l ± F j± j (θ , ϕ) = 0 から、F j j (θ, ϕ) を求め
よ。規格化は不要(問題 6)。ヒント─ 一階の微分方程式を変数分離で解くだけ。
5) F jm (θ , ϕ) が θ, ϕ の一価関数であるという条件から得られる m の条件は何か。
ヒント─ 一価関数の条件とは F jm (θ , ϕ + 2π ) = F jm (θ, ϕ) である。
6) 前問で求めた F j j (θ, ϕ) を ∫ F j j dΩ = 1 の条件で規格化せよ。なおこの条件では F j j (θ , ϕ) に
2
かかる定数 e i α までは決まらない。 e i α は F j0 (0,0) が正の実数という条件から決める(慣習)。
ヒント─もちろん dΩ = dϕ sin θdθ であり(立体角)、積分範囲は ϕ = 0 ~ 2π , θ = 0 ~ π 。
7) このようにして求めた F j j (θ, ϕ) に次々と J − を作用させて行けば、F j j −1 (θ , ϕ) , F j j − 2 (θ, ϕ) ,...,
F j− j (θ, ϕ) が得られる。具体的に F00 , F1−1 , F10 , F11 などを求めてみよ。また、 l − F1− 1 や l + F1 +1 が 0
になるかどうかも確かめよ。
8) F jm (θ , ϕ) に J 2 と J z を実際に作用させ、固有値 j ( j + 1) と m が出るかどうか確かめよ。
9) ある波動関数 Ψ (θ , ϕ) が Ψ = c00 0,0 + c11 1,1 + c10 1,0 + c1−1 1,−1 L のように、F jm (θ , ϕ) で展
開できるとする。この波動関数の角運動量 J 2 と J z を求めよ。
5/31 後藤 (3-335B, [email protected])
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