慣性テンソルについて
z
 I xx

I   I yx
I
 zx
ある物体A
I zz
I zx
I yy
I zy
I xz 

I yz 

I zz 
I zy
I xz
I xx
I xy
I yz
I yy
I xy
I yx
x
y
我々が任意に決めた座標系xyzに対する質量特性は、慣性テンソルIで表すことができる。
慣性テンソルIは、xyz軸回りの回転にしにくさや軸ぶれの度合いなどの情報を含んでおり、
物体に対して、1つ求めることができる物理パラメータである。
テンソル自体は、ベクトルのような数学的表記法の1つである。
慣性テンソルの意味について
慣性乗積
 I xx

I   I yx
I
 zx
I xy
I yy
I zy
I xz 

I yz 

I zz 
慣性能率
慣性テンソルの対角成分を、慣性能率という。これは、xyz軸まわりの回転のしにくさを表し
ている。例えば、Ixxが大きいということは、x軸回りの回転がしにくいということになる(逆に
一度回転してしまえば、止まりにくいということでもある)。質量に相当する。
その他の成分を慣性乗積という。これは、回転が他の軸へ移行する度合いを表したもので、
例えば、Ixyが有限の値を持つとすると、x軸回りに回転したとき、徐々にy軸回りの回転が
発生しすることになる。
慣性テンソルの対角化について
 I xx

I   I yx
I
 zx
I xy
I yy
I zy
I xz 

I yz 
I zz 
対角化
 I1

I'  0
0

0
I2
0
0

0
I 3 
数学的な導入になるが、慣性テンソルは実対称行列であるため、数学的操作により対角化
することができる。
これは物理的には、どんな物体であれ、慣性乗積が必ず0となるような回転軸が3つ存在す
ることを表している。しかも、なぜかそれらの回転軸は必ず直交することを意味する。
直感的にわかりずらいことであるが、xyz面で物体を回転させようとしたとき、各面で最も軸
ブレなく回転させることができる点(軸)がI1やI2に相当するイメージである。
つまり、どんな物体であれ、慣性乗積が0となる、軸ブレのない回転が可能な特別な回転軸
が必ず1つ存在するということである。この特別な回転軸を慣性主軸と呼ぶ。
慣性主軸のイメージ
z
z’
ある物体A
慣性主軸座標系
x
y’
y
x’
数学的には、慣性主軸を求めるために対角化を行ったが、物理的には、座標変換を行うこ
とに相当する。
先程のxyz座標系は、我々が任意に定めた座標系であったが、それとは別に物体が最も回
転し易い(軸ブレなく回転できる)座標系が、慣性主軸座標系である。これはあらゆる物体
に対して、1つだけ定まる座標系である。
慣性主軸への座標変換
では、我々が定めた座標系と慣性主軸とを繋げるには、どうしたらよいのだろうか?
数学的手法に戻ると、座標変換は対角化することであると述べた。これは以下のように書
き表すことができる。我々が定めた座標系における慣性テンソルIは、回転行列Rを用いて、
慣性主軸座標系へと変換することができる。
I '  RIR 1
慣性主軸
任意の座標系における慣性テンソル
変換行列
この行列Rが、我々の座標系と慣性主軸座標系を結ぶ変換行列である。
R ?
変換行列Rのイメージ
1.z軸回りにλ回転する
z’ z
2.y軸回りにθ回転する
z
z’’
慣性主軸座標系
θ
任意の座標系
λ
λ
x
y
x’
x
y
θ
x’’
 x'   cos
  
 y '     sin 
 z'   0
  
すなわち、
y’
y’’
sin 
0  x 
 
cos 0  y 
0
1  z 
 x' '   cos cos
  
 y ' '     sin 
 z ' '   sin  cos 
  
 x' '   cos
  
 y' '   0
 z ' '   sin 
  
cos sin 
cos 
sin  sin 
0  sin   x' 
 
1
0  y ' 
0 cos  z ' 
 sin   x 
 
0  y 
cos  z 
これが変換行列Rである。
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