物理学セミナー
2004 May20
林田 清 ・ 常深 博
惑星の運動、力学法則、万有引力
ケプラーの法則
(惑星の運動を記述)
導きだせるは
ず
ニュートンの力学の3法則
(古典力学の基礎法則)
どんな力が働い
ているべきか?
万有引力の法則
(重力を性質を記述)
ニュートンの3法則を仮定し、惑星の運動を説明できるような重力の性質を探っ
てみよう。
ケプラーの法則
近日点
遠日点
1.
半長軸a
惑星は太陽を一つの
焦点とする楕円軌道
を公転する
2. 惑星の面積速度は
一定である
3. 惑星の軌道半長径a
の3乗と公転周期P
の2乗とは比例する
焦点
r
r 


面積速度
1 2 d
1

S   r  r   / t  r
2 dt
2

ニュートンの法則
1. 物体は外力を受けない限り、静止している物体
は静止し続け、運動している物体は一定速度
の運動(等速直線運動)をし続ける [慣性の法
則]
2. 物体の加速度はそれに作用する合力に正比例
し、その質量に反比例する [運動方程式]
3. 二つの物体が相互作用するとき、物体1が物体
2に及ぼす力は、物体2が物体1に及ぼす力と
大きさが等しく方向が反対向きである [作用反
作用の法則]
極座標表示の位置と速度
太陽(楕円の焦点)を原点にとり、惑星の位置で動径方
向とそれに垂直な方向の単位ベクトルを考える。
y e
er  cos ex  sin  ey
er

e   sin  ex  cos ey
der
  sin  ex   cos ey   e
dt
de
  cos ex   sin  ey   er
dt
注釈)
ex , ey x方向、 y方向の単位ベク ト ル、  

d
dt
成分表示でかく と er   cos ,sin   、 その微分は
der  d cos d sin  

,

dt  dt
dt 
x
面積速度一定->向心力
位置 r  rer
der
 rer  r e
速度 v  rer  r
dt
de
der
加速   rer  r
 r e  r e  r
dt
dt
度

 e   2r  r  e
1d
  r  r  e 
r  e

r dt
 r  r
2
d 2
  2
dt
y
e
er

x

r
2
2
r

 
1 2
面積速度  r  が一定であれば、加速度は er 成分のみ。
2
加速度//力の方向であるから、常に原点(太陽)の方向
に向う“向心力”が働いていなければならない。
ケプラーの第3法則->万有引力の式
簡単のため、円運動(r=軌道長半径a)の場合を考える
 2 
 r  r  a  a 

 P 
3
a
C
2
P
2
 2 
2 1
F  ma 

mC
(2

)

a2
 P 
加速度の大きさは
2
2
2
ケプラーの第3法則
=一定より
向心力
距離の2乗に反比例し、惑星の質量mに比
例する引力が太陽から働いていればよい
力の大きさが太陽の質量Mにも比例すれ
ば作用反作用の法則を自然に満たす
F  mGM
1
a2
Gを定数として万有引力の式
万有引力による惑星の運動
極座標表示の加速度
r  rer
der
v  rer  r
 rer  r e
dt
de
de
  rer  r r  r e  r e  r 
dt
dt

 

1d
  r  r  e 
r  e

r dt
 r  r 2 er  2r  r e
2
2
r

太陽からの万有引力
が(中心力として)働く
ので
r 方向の運動方程式


mM
m r  r  G 2
r
それに垂直な方向
d 2
r  0
dt
よ り r 2  (h  一定値)
 
2
軌道の式
dr dr
h dr
du

 2
 h
dt d
r d
d
1
こ こ でu 
r
d 2r
d 2u
h 2 d 2u
 h 2    2
2
dt
d
r d 2
運動方程式
M
r  r 2  G 2
r
は
h 2 du 2 h 2
M
 2
 3  G 2
2
r d
r
r
d 2u
GM
u  2
2
d
h
d 2u
GM

u

d 2
h2
の解は
GM
u  A cos(   0 )  2
h
1
r
GM
A cos(   0 )  2
h
が軌道の式
h2
h2
l
, 
A
GM
GM
と おけば
l
r
1   cos(   0 )
楕円の式
楕円上の1 点P( x, y )について
r  ( x  c) 2  y 2 , r '  ( x  c) 2  y 2
y
a
b
r'
c
O
P(x,y)
r  r '  2a
a
r
上を 代入し て 整理する と
x2 y2
 2 1
2
b
xa
と いう 楕円の式を 得る
aは長軸半径、 bは短軸半径
b2  a 2  c2
c
a 2  b2
 
は離心率
a
a
楕円の式(極座標表示)
P(r,)
r
r'
O
c
F
楕円上の1 点P(r , )について
r '  r 2  (2c) 2  4cr cos
r  r '  2a

上を 代入し て 整理する と
r (a  c cos )  b 2
b2
l  ( 半直弦) を 使う と
a
l
r
1   cos
と いう 楕円の式を 得る
楕円と双曲線と放物線
楕円
r  r '  2a
2
2
x
y
 2 1
2
a
b
l
r
1   cos 
で  1
放物線
双曲線
r ' r  2a
楕円の式あ る いは
x2 y 2
 2 1
2
a
b
l
r
1   cos 
で  1
双曲線の式
l
r
1   cos 
で   1の極限
楕円、双曲線、放物線
楕円 (=0.5)
双曲線 (=1.5)
放物線 (=1.0)
軌道の形
l
r
1   cos 
で l  1と 置いて
3
2
作図
1
=0.5 (楕円の例)
=1.5(双曲線の例)
=1.0(放物線)
0
-1
-2
-3
-3
-2
-1
0
X
1
2
3
エネルギー積分
r 方向の運動方程式
mM
m r  r 2  G 2
r
r 2  h
2
m
mh
mM
d (r 2 )  ( 3  G 2 )dr
2
r
r
こ れを 積分し て積分定数を
から
m 2 h2
mM
(r  2 )  G
E
2
r
r
m 2 h2
K  (r  2 ) 運動エネルギー
2
r
mM
U  G
r
ポテン シャ ルエネルギー


mh 2
mM
mr  3  G 2
r
r
両辺に rを かける と
md 2
mh 2
mM dr
(r )  ( 3  G 2 )
2 dt
r
r
dt
E (全エネルギー) と おく と
自由落下運動のエネルギー保存則
との比較
惑星の運動
m 2 h2
m
K  (r  2 )  (r 2  r 2 2 )
2
r
2
m
 v2
2
mM
U  G
r
K U  E
地表面での自由
落下運動
m 2
K v
2
U  mgh
K U  E
 GM 
 GM 
U  m 
  m

 ( Re  h) 
 Re 
 GM  1  1  ( h / Re )
 m 

 Re  1  (h / Re )
 GM 
 m  2  h  mgh
 Re 
全エネルギーEと軌道の形の関係
E  0 楕円軌道
m 2 h2
mM
(r  2 )  G
E
2
r
r
m 2
m
1 h2
r  E  (GM 
)
2
r
2 r
左辺  0の条件を 満たすには。 。 。
E 0
放物線軌道
E  0の場合0  rmin  r  rmax  
E 0
双曲線軌道
E  0の場合rは無限大になり 得る 。
2
2h E
  1
2
2
mG M
2
惑星の軌道の離心率は0.0-0.3の間。 円に
近い楕円軌道。
彗星の中には双曲線軌道をとるものもある。
彗星の軌道の例
彗星名:C/2000 O1 (Koehn)
元 期 2000 Jan. 17.0 TT
近日点通過時刻 = 2000 Jan. 27.34146 TT
離心率 = 1.0008468
近日点距離 = 5.9218894 au
近日点引数 = 55.10783 °
昇交点黄経 = 88.86214 °
軌道傾斜角 = 148.09741 °
観測期間 1998年12月14日~2000年7月23日
観測数 27 個
軌道要素は少年自然の家で計算(9惑星
の摂動を含む)
彗星名:P/2000 R2 (LINEAR)
近日点通過時刻 = 2000 Sept. 12.6931 TT
離心率 = 0.585854
近日点距離 = 1.390773 au
近日点引数 = 147.1076 °
昇交点黄経 = 187.4607 °
軌道傾斜角 = 3.2222 °
公転周期 = 6.15年
観測期間 2000年9月3日~27日
観測数 48 個
軌道要素は MPC41338 より
http://www.city.kakamigahara.gifu.jp/naturehome
/sub5-2d.htmlより転載 (各務原市少年自然の家)
第1宇宙速度
地球(表面付近)を周回する人工衛星を打
ち上げるための速度
mM e
v2
G 2 m
Re
Re
v1 
GM e
 7.9km / s
Re
•1周するのに何時間かかるか?
•1周するのに1日かかる(静止衛
星)ようにするにはどうすればい
いか?
http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/ins
tructor/graphics/ch02/0203.html
Copyright ©1999 The McGraw-Hill Companies.
第2宇宙速度
地球の重力圏を脱出するロ
ケットを打ち上げるための速
度(地球からのの脱出速度)
運動エネルギー
位置エネルギー
mM e
1 2
E  mv  G
0
2
Re
であ れば無限遠ま で到達でき る
v2  vesc 
2GM e
 2v1  11.2km / s http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/ins
tructor/graphics/ch02/0203.html
Re
Copyright ©1999 The McGraw-Hill Companies.
第3宇宙速度
太陽系からの脱出速度
地球の公転軌道の位置で太陽系の外へ
脱出する ための速度
2GM s
2  6.67 1011 1.99 1030
v '3 

 42.1km / s
11
rs
1.50 10
GM s
地球の公転速度
の方向にう ちあ げる と 対地球速度と し て
rs
v ''3 
2GM s
GM s

 12.3km / s
rs
rs
ですむ。 ただし 、 地球の重力圏を 脱出する
ためのエネルギー分を 考慮する と
v3  (v ''3 ) 2  (v2 ) 2  16.7 km / s
まとめ
惑星の運動を題材に力学の復習・予習を
行った。
ケプラーの法則、ニュートンの力学の3法則、
万有引力の法則
中心力、面積速度一定の法則
惑星の軌道
エネルギー積分、エネルギー保存則
3種の宇宙速度
ダウンロード

惑星の運動と万有引力、太陽地球の質量、軌道の式