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貧困プロファイル
コロンビア共和国
2013 年度版
独立行政法人国際協力機構
日本テクノ株式会社
本報告書は、JICA が日本テクノ株式会社に委託し、平成 25 年 10 月から 26 年 2 月までの
期間に実施された文献調査及び現地調査に基づいて、JICA が当該国で援助を実施する上で
の参考資料として作成されたものです。記載されている全内容は JICA の公式見解を反映し
ているものではありません。
全体目次
全体目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ i
図表・地図目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ii
略語リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
v
Ⅰ.貧困状況の概観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1.貧困のトレンド・状況と背景の概観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
Ⅱ.貧困削減のための政策枠組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
1.貧困削減戦略・目標の有無と現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
(1)国家開発・計画戦略
有無・概要と貧困削減の位置づけ・・・・・・・・・・・・ 3
(2)PRSP の有無、概要とその他の国家計画戦略との関係性・・・・・・・・・・・・ 5
(3)特に貧困と関連深い国家戦略・政策の概要と現状・・・・・・・・・・・・・・・ 5
(4)過去 10 年程度の成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
(5)今後改定の予定など・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2.コロンビア政府による指定貧困地域・集団・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
(1)ZOLIP としての貧困指定地域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
(2)ZOLIP 認定プロセス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
(3)貧困指定集団・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
Ⅲ.所得貧困の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
1.貧困ラインとデータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
(1)コロンビア政府設定の貧困線、その根拠と妥当性の確認・・・・・・・・・・・・ 11
(2)データソースの紹介とその評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
2.貧困の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(1)州、県レベルの貧困率・貧困ギャップ率・GINI の表・・・・・・・・・・・・・・ 12
a.貧困率/貧困ギャップ率/二乗貧困ギャップ率・・・・・・・・・・・・・・・
12
b.極貧率/極貧ギャップ率/二乗極貧ギャップ率・・・・・・・・・・・・・・・・
13
c.GINI 係数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
(2)過去 10 年程度のトレンドとその要因、今後の見通し・・・・・・・・・・・・
15
(3)地理的分布の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18
Ⅳ.所得貧困以外による分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
1.現況とトレンド(国レベルの分析)・国際比較および地域比較・・・・・・・・・・・
20
(1)多次元貧困指数 IPM・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
(2)人間開発指標 HDI・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
22
(3)ミレニアム開発目標 MDG・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
2.食糧安全保障・脆弱性による分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
34
Ⅴ.社会的属性・特性と貧困との関連の分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
36
1.社会的に排除されているグループの存在と貧困指標との関連・・・・・・・・・・・・・ 36
(1)国内避難民・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
36
(2)地雷被害者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
37
i
(3)エスニック・グループ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
2.その他の要因と貧困との関連・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
(1)性別・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
(2)年齢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
(3)教育水準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
41
(4)雇用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
(5)職位・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
(6)世帯構成(子どもの数・被雇用者数)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
43
Ⅵ.貧困に影響を与えている国内外の要因・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
44
1.貧困層・社会的弱者に影響を与えている短期的・長期的要因、リスクとショック・・
44
(1)国内紛争・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
44
(2)自然災害・気候変動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
46
(3)経済活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
47
(4)基礎インフラ・公共サービス整備の不均衡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
Ⅶ.重点支援分野と貧困との関連分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
52
1.重点分野:均衡のとれた経済成長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
52
(1)コロンビアの労働市場の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
52
(2)当該分野と貧困および貧困層との関連・・・・・・・・・・・・・・・・・・
55
(3)貧困層・社会的弱者を制限している要因の分析・・・・・・・・・・・・・・
56
2.重点支援分野:環境問題および災害への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・
58
(1)当該分野の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
58
(2)当該分野と貧困および貧困層との関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・
58
(3)貧困層・社会的弱者を制限している要因の分析・・・・・・・・・・・・・・
59
添付資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
60
1.資料リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
60
2.主要な情報源リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
61
図表・地図目次
図表 1 主要指標一覧(2013 年 11 月版)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
vii
図表 2 貧困率、貧困ギャップ率、GINI 係数(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ix
図表 3 HDI の中南米カリブ域内比較、HDI グループおよび地域比較(2012 年)
・・・・・・・
x
図表 4 MDG 達成状況のグラフ(1990 年ベースライン、現状と目標値の比較)
・・・・・・・
xii
図表 5 PND2010-2014 における目標項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
図表 6 PND2010-2014 に示される貧困削減のための活動指針(抜粋)
・・・・・・・・・・・
4
図表 7 PND2010-2014 に示される貧困削減目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
図表 8 ANSPE により実施中の貧困削減プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
図表 9 UNIDOS の目標分野と活動内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
図表 10
9
PND2010-2014 に示される貧困削減目標に対する実績比較(2012 年)
・・・・・・
ii
図表 11 ZOLIP 指定地域の状況事例(参考)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
図表 12
ZOLIP 申請の条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
図表 13 コロンビア国内の地域別に見る貧困線(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・
11
図表 14 コロンビア国内の地域別に見る極貧線(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・
11
図表 15 地域区分別に見た貧困率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
図表 16 地域区分別に見た貧困ギャップ率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・
13
図表 17 地域区分別に見た二乗貧困ギャップ率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・
13
図表 18 地域区分別に見た極貧率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
図表 19 地域区分別に見た貧困ギャップ率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・
14
図表 20 地域区分別に見た二乗貧困ギャップ率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・
15
図表 21 地域区分別に見た GINI 係数(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
図表 22 貧困率の推移(2002-2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
図表 23 極貧率の推移(2002-2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
図表 24 全国レベルの GINI 係数の変遷(2002-2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・
17
図表 25 自治体中心部(都市部)レベルの GINI 係数(2002-2012 年)
・・・・・・・・・・・
18
図表 26 自治体中心部以外の地域(農村部)の GINI 係数(2002-2012 年)
・・・・・・・・・
18
図表 27
13 大都市圏の GINI 係数(2002-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18
図表 28
13 大都市圏以外の自治体中心部での GINI 係数(2002-2012 年)
・・・・・・・・・
18
図表 29 コロンビア国内 13 大都市の貧困率、極貧率および GINI 係数(2011-2012 年)
・・
19
図表 30 地域別に見た IPM(2011-2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
図表 31
IPM の 15 指標でみた全国貧困世帯の比率(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・
21
図表 32
IPM の 15 指標でみた地域別貧困世帯の比率(2011-2012 年)・・・・・・・・・・
22
図表 33 コロンビアの HDI 値およびその構成要素値(1980-2012 年)・・・・・・・・・・
23
図表 34 コロンビアと他国・地域との HDI 比較(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・
23
図表 35 CIVETS 諸国における HDI 比較(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
図表 36 コロンビアと他国・地域との IHDI 比較(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・
24
図表 37 コロンビアと他国・地域との GII 比較(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・
24
図表 38 コロンビアと他国における多次元的貧困と所得で見た貧困との比較・・・・・・・・
25
図表 39 コロンビアにおける MDG の達成状況測定のターゲットおよび指標・・・・・・・・
25
図表 40 コロンビアにおける MDG 達成状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
図表 41 地域別に見た貧困・極貧水準(1990-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
27
図表 42 貧困男性 100 人当たりの貧困女性数(1990-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・
28
図表 43 教育関連指標の推移(1990-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
図表 44 就学年齢別で見る男性の収入対女性の収入(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・
29
図表 45 国会に占める女性議席比率(1990-2013 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
図表 46 子どもの死亡率の推移(1990-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30
図表 47 1 歳児のはしか予防接種比率(1990-2011 年)・・・・・・・・・・・・・・・・・
30
図表 48 妊産婦死亡率(1990-2010 年、出産 10 万人当たり)
・・・・・・・・・・・・・・・
31
iii
MDG ゴール 5 関連のコロンビア母子保健指標(1990-2011 年)
・・・・・・・・・
31
図表 50 思春期の女性による出産率(1993-2008 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
図表 51 結核有病率および死亡率(1990-2011 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
図表 52
MDG ゴール 7 関連の環境関連指標(1990-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・
33
図表 53 通信サービスの人口 100 人当たりの加入者・利用者数(1990-2012 年)
・・・・・・
33
図表 54 コロンビア国内において食糧問題を抱える人口グループ・・・・・・・・・・・・・
34
図表 55 年齢層別で見た国内紛争の累積被害者数(2013 年 12 月 1 日時点)
・・・・・・・・
36
図表 56 性別で見た国内紛争の累積被害者数(2013 年 12 月 1 日時点)
・・・・・・・・・・
37
図表 57 地雷負傷者および死亡者の推移(1990-2013 年)・・・・・・・・・・・・・・・
37
図表 58 地雷被害者の内訳(1990-2013 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
図表 59 コロンビア国内エスニック・グループの人口(2005 年)
・・・・・・・・・・・・・
38
図表 60 エスニック・グループ別教育達成度(2005 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
39
図表 61 人種別国内紛争被害者数(2013 年 12 月 1 日時点)
・・・・・・・・・・・・・・・
40
図表 62 世帯主の性別で見た所得貧困層(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
図表 63 世帯主の性別で見た所得極貧層(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
図表 64 世帯主の属する年齢層で見た所得貧困層(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・
41
図表 65 世帯主の属する年齢層で見た所得極貧層(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・
41
図表 66 世帯主の教育水準で見た所得貧困層(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・
41
図表 67 世帯主の教育水準で見た所得極貧層(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・
41
図表 68 世帯主の就労状況で見た所得貧困層(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
図表 69 世帯主の就労状況で見た所得極貧層(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
図表 70 世帯主の職位で見た所得貧困層(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
図表 71 世帯主の職位で見た所得極貧層(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
図表 72 世帯構成と貧困率との関係(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
43
図表 73 世帯構成と極貧率との関係(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
43
図表 74 国内紛争被害件数(2013 年 12 月 1 日時点の登録件数)
・・・・・・・・・・・・・
44
図表 75 県別に見た国内紛争被害者数および被害件数(2013 年 12 月 1 日までの累積)
・・・
45
図表 76 国内紛争被害件数と被害者数の推移(2013 年まで)
・・・・・・・・・・・・・・・
45
図表 77 UNGRD によるコロンビアの災害履歴(1998-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・
46
図表 78 洪水発生件数、GDP、年間降水量(Bogotá 首都区)およびラ・ニーニャ現象時期・・
47
図表 79 分野別に見た実質経済成長率の推移(2001-2011 年、2005 年を基準)
・・・・・・・
48
図表 80 都市農村人口比率の推移と予測(1985-2020 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・
48
図表 81 農牧畜林水産・狩猟業の輸出額と全輸出に占める割合の推移(1995-2013 年)
・・・
49
図表 82 コロンビアの主要農産物輸出額の推移(2008-2013 年、単位:FOB US$1,000)
・・・
49
図表 83 実質 GNI 増加率(2001-2011 年、2005 年基準)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
50
図表 84
2008 年世界金融危機(リーマンショック)前後の地域別貧困率(2005-2010 年)
・・
50
図表 85
2008 年世界金融危機(リーマンショック)前後の地域別極貧率(2005-2010 年)
・・
50
図表 49
図表 86 地域別に見た基礎インフラ・公共サービス整備状況(2012 年、%)・・・・・・
iv
51
図表 87 労働市場の指標の推移(2001-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
53
図表 88 主要都市/都市圏の失業率(2013 年 8-10 月期)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
54
図表 89 各地域における経済活動分野で見る人口比率(2013 年 8-10 月期)
・・・・・・・・
54
図表 90 各地域における職位で見る人口比率(2013 年 8-10 月期)
・・・・・・・・・・・・・
55
図表 91
Bogotá 首都区および 23 県の貧困率(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
56
地図 1 コロンビア全国地図(行政区画)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
xi
地図 2 Bogotá 首都区及び 23 県の貧困率地図(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・
xiii
地図 3 Bogotá 首都区及び 23 県の極貧率地図(2012 年)・・・・・・・・・・・・・・・・
xiv
地図 4 Bogotá 首都区及び 23 県の GINI 係数地図(2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・・
xv
地図 5 13 大都市圏の貧困地図および極貧地図(2011-2012 年)
・・・・・・・・・・・・・・
20
地図 6 先住民族居住地域とアフリカ系コロンビア人居住地域・・・・・・・・・・・・・・
38
ANSPE
ACPB
BRICS
CIS
CIVETS
COMPES
DANE
DNP
DPS
DPT
ECLAC
ELN
ENIG
FARC
GDP
GII
GNI
HDI
略語リスト
Agencia Nacional para la Superación de la Pobreza Extrema
(国家極貧克服庁)
Alta Consejera Presidencial para Bogotá
(Bogotá 首都区のための大統領府高等審議室)
Brazil, Russia, India, China and South Africa
(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)
Centro de Innovación Social
(社会革新センター)
Colombia, Indonesia, Vietnam, Egypt, Turkey and South Africa
(コロンビア、インドネシア、ベトナム、エジプト、トルコ、南アフリカ)
Consejo Nacional de Política Económica y Social
(国家経済社会評議会)
Departamento Administrativo Nacional de Estadística
(国家統計局)
Departamento Nacional de Planeación
(国家企画庁)
Departamento de Prosperidad Social
(社会繁栄庁)
Diphtheria, Pertussis and Tetanus
(ジフテリア、破傷風、百日咳)
Economic Commission for Latin America and the Caribbean
(国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会)
Ejército de Liberación Nacional
(国民解放軍)
Encuesta Nacional de Ingresos y Gastos
(収入支出全国調査)
Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia
(コロンビア革命軍)
Gross Domestic Product
(国内総生産)
Gender Inequality Index
(ジェンダー不平等指数)
Gross National Income
(国民総所得)
Human Development Index
(人間開発指標)
v
HDR
HIV/AIDS
IHDI
IPC
IPM
LGBTI
MASC
MDG
MPI
NBI
OAG
PND
PPAIMA
PRSP
SENA
SGSS
SISBEN
SRP
VAM
UNGRD
UNHCR
UPZ
WFP
ZOLIP
Human Development Report
(人間開発報告書)
Human Immunodeficiency Virus / Acquired Immune Deficiency Syndrome
(ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群)
Inequality-adjusted Human Development Index
(不平等調整済み人間開発指標)
Índice de Precios al Consumidores
(消費者物価指数)
Índice de Pobreza Multidimensional
(多次元貧困指数:コロンビアにて採用されている指数)
Lesbian, Gay, Bisexuality, Transgender/Transsexual and Intersexed
(女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性転換者・異性装同性愛者)
Mecanismos Alternativos de Solución de Conflictos
(紛争解決代替メカニズム)
Millennium Development Goals
(ミレニアム開発目標)
Multidimensional Poverty Index
(多次元貧困指数:HDR にて採用されている指数)
Necesidades Básicas Insatisfechas
(満たされていない基礎的ニーズ)
Observatorio de Asuntos de Genéro
(ジェンダー監視室)
Plan Nacional de Desarrollo
(国家開発計画)
対人地雷総合アクション大統領府プログラム
(Programa Presidencial para Acción Integral contra Minas Antipersonal)
Poverty Reduction Strategy Papers
(貧困削減戦略書)
国家職業訓練庁
(Servicio Nacional de Aprendizaje)
Sistema General de Seguridad Social en Salud
(保健における社会保障システム)
Sistema de Identificación y Clasificación de Potenciales Beneficiarios para
Programas Sociales
(社会プログラムのための潜在的受益者の特定と分類システム)
Sarampión, Rubiola y Paperas
(ムンプス、麻疹、風疹)
食糧脆弱度分析と地図化
(Vulnerability Analysis and Mapping)
Unidad Nacional para la Gestión del Riesgo de Desastres
(全国災害リスク管理局)
Office of the United Nations High Commissioner for Refugees
(国連難民高等弁務官事務所)
Unidades de Planeamiento Zonal
(地区計画ユニット:行政区画の一つ)
World Food Programme
(国連世界食糧計画)
Zonas Libres de Pobreza Extrema
(極貧フリーゾーン)
vi
図表 1
主要指標一覧
vii
出典:JICA 図書館 国別主要指標一覧(2013 年 11 月版)
https://libportal.jica.go.jp/fmi/xsl/library/public/data/Index/SouthAmerica/Colombia.pdf (2014/1/12 アクセス)
viii
図表 2
貧困率、貧困ギャップ率、GINI 係数(2012 年)
貧困
極貧
GINI
貧困
貧困
二乗貧困
極貧
極貧
二乗極貧
率*
ギャップ率
ギャップ率
率**
ギャップ率
ギャップ率
32.7
12.9
7.0
10.4
3.8
2.1
0.539
28.4
10.9
5.8
6.6
2.4
1.3
0.514
46.8
19.5
11.0
22.8
8.4
4.5
0.465
13 大都市圏
18.9
6.4
3.2
3.3
1.2
0.7
0.499
13 大都市圏以外の都市部
42.2
17.4
9.6
11.4
4.0
2.2
0.500
Antioquia
26.8
10.5
5.8
8.1
3.2
1.9
0.529
Atlántico
33.9
10.8
4.9
4.7
1.3
0.6
0.464
Bogotá D.C.
11.6
3.7
1.9
2.0
0.8
0.5
0.497
Bolívar
44.2
17.6
9.4
13.2
4.4
2.2
0.507
Boyacá
35.6
12.7
6.3
11.0
3.4
1.7
0.532
Caldas
35.4
13.2
6.9
10.4
3.4
1.9
0.522
Caqueta
42.1
15.5
7.9
10.2
3.2
1.6
0.479
Cauca
62.1
30.1
18.1
34.0
12.9
6.7
0.565
Cesar
46.8
19.5
11.1
16.0
6.4
3.6
0.518
Córdoba
60.2
26.9
15.4
27.3
9.6
4.9
0.542
Cundinamarca
23.3
7.8
4.0
6.3
2.1
1.2
0.463
Choco
68.0
37.6
25.5
40.7
20.1
13.1
0.616
Huila
45.4
18.3
9.9
16.6
5.6
2.8
0.559
La Guajira
58.4
27.4
16.6
27.7
11.2
6.2
0.556
Magdalena
52.3
21.7
12.1
17.4
6.1
3.3
0.510
Meta
29.5
11.9
6.9
9.2
4.0
2.5
0.505
Nariño
50.8
20.0
10.6
17.2
5.4
2.6
0.502
Norte de Santander
40.4
14.8
7.6
10.7
3.5
1.7
0.485
Quindío
38.9
16.2
9.2
12.1
4.5
2.6
0.525
Risaralda
28.4
9.8
5.0
6.4
2.3
1.3
0.487
Santander
20.8
6.7
3.2
4.6
1.5
0.8
0.487
Sucre
51.5
18.3
8.8
12.7
3.4
1.5
0.483
Tolima
42.3
16.9
9.2
15.3
5.0
2.5
0.523
Valle de Cauca
26.9
10.4
5.7
7.4
2.8
1.6
0.518
地域区分
全国
自治体中心部
(都市部)
自治体中心部以外の地域
(農村部)
係数
Bogotá 首都区および 23 県
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012 より作成
*:「当該地域で生活するために最低限必要とされる(食糧及び非食糧を含む)財を購入できるだけの支出水準」
**:「当該地域で生存するために最低限必要とされる食糧財のみを購入できるだけの支出水準」
ix
図表 3 HDI の中南米カリブ域内国比較、HDI グループおよび地域比較(2012 年)
国名
HDI
出生時
平均就
予測就
一人当たり国民総所得 GNI
平均余命
学年数
学年数
HDI
ラン
ク
2012
2012
2010
2011
0.825
0.819
0.811
77.0
79.3
76.1
9.3
9.7
9.3
16.3
14.7
16.1
17,308
14,987
15,347
ブラジル
ジャマイカ
セント・ルシア
エクアドル
コロンビア
0.792
0.780
0.780
0.775
0.773
0.770
0.760
0.760
0.748
0.745
0.745
0.741
0.733
0.730
0.730
0.725
0.724
0.719
77.2
79.3
76.3
77.1
79.4
76.1
72.8
70.3
74.6
77.6
73.3
74.2
72.5
73.8
73.3
74.8
75.8
73.9
8.5
10.2
9.4
8.5
8.4
8.6
8.9
9.2
7.6
7.7
8.4
8.7
8.6
7.2
9.6
8.3
7.6
7.3
15.5
16.2
13.2
13.7
13.7
15.8
13.3
11.9
14.4
12.7
12.9
13.2
13.3
14.2
13.1
12.7
13.7
13.6
13,333
5,539
13,519
12,947
10,863
9,257
13,883
21,941
11,475
10,977
12,460
9,306
9,367
10,152
6,701
7,971
7,471
8,711
人間開発中位国
ベリーズ
ドミニカ共和国
スリナム
エル・サルバドル
ボリビア
パラグアイ
ガイアナ
ホンジュラス
ニカラグア
グアテマラ
0.702
0.702
0.684
0.680
0.675
0.669
0.636
0.632
0.599
0.581
76.3
73.6
70.8
72.4
66.9
72.7
70.2
73.4
74.3
71.4
8.0
7.2
7.2
7.5
9.2
7.7
8.5
6.5
5.8
4.1
12.5
12.3
12.4
12.0
13.5
12.1
10.3
11.4
10.8
10.7
5,327
8,506
7,327
5,915
4,444
4,497
3,387
3,426
2,551
4,235
2005 年米ドル建て購買力平価
A. 国別
38
40
45
51
59
59
61
62
63
67
67
71
72
72
77
83
85
85
88
89
91
96
96
105
107
108
111
118
120
129
133
人間開発最高位国
バルバドス
チリ
アルゼンチン
人間開発高位国
ウルグアイ
キューバ
パナマ
メキシコ
コスタ・リカ
グレナダ
アンティグア・バーブーダ
トリニダード・トバゴ
ベネズエラ
ドミニカ国
セント・キッツ・ネヴィス
ペルー
セント・ヴィンセント・グレナディーンズ
人間開発低位国
161 ハイチ
0.456
62.4
4.9
7.6
B. HDI グループ
人間開発最高位国
0.905
80.1
11.5
16.3
人間開発高位国
0.758
73.4
8.8
13.9
人間開発中位国
0.640
69.9
6.3
11.4
人間開発低位国
0.466
59.1
4.2
8.5
C. 地域
アラブ諸国
0.652
71.0
6.0
10.6
東アジアおよび太平洋
0.683
72.7
7.2
11.8
ヨーロッパ・中央アジア
0.771
71.5
10.4
13.7
中南米カリブ
0.741
74.7
7.8
13.7
南アジア
0.558
66.2
4.7
10.2
サブサハラ・アフリカ
0.475
54.9
4.7
9.3
出典:Human Development Report 2013: The Rise of the South:Human Progress in a Diverse World
x
1,070
33,391
11,501
5,428
1,633
8,317
6,874
12,243
10,300
3,343
2,010
地図 1
コロンビア全国地図(行政区画)
出典:DANE http://www.dane.gov.co/geoportal/web/guest/cartograficos
xi
(2014/1/12 アクセス)より作成
図表 4
MDG 達成状況のグラフ(1990 年ベースライン、現状と目標値の比較)
ターゲット1A:指標
1.1 (2011) 100.0
ターゲット8F:指標
8.16 (2012)
100.0
100.0
ターゲット1B:指標
1.6 (2011)
90.0
94.0
80.0
70.0
ターゲット7C:指標
7.9 (2011) 93.7
ターゲット1C:指標
1.9 (2011)
60.0
50.0
99.5
40.0
30.0
20.0
ターゲット7C:指標
7.8 (2011)
ターゲット2A:指標
2.1 (2012)
10.0
98.7
88.3
0.0
57.3
ターゲット6B:指標
6.5 (2011)
ターゲット3A:指標
94.7 3.1(2012)
40.4
ターゲット5B:指標
5.2 (2010) 97.0
ターゲット3A:指標
3.3 (2012)
ターゲット4A:指標
4.2 (2012)
99.4
ターゲット4A:指標
99.4 4.1(2012)
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/6 アクセス)
xii
地図 2
Bogotá 首都区及び 23 県の貧困率地図(2012 年)
出典:DANE (2012), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia (2014/1/12 アクセス)より作成
xiii
地図 3
Bogotá 首都区及び 23 県の極貧率地図(2012 年)
出典:DANE (2012), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia (2014/1/12 アクセス)より作成
xiv
地図 4
Bogotá 首都区及び 23 県の GINI 係数地図(2012 年)
出典:DANE (2012), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia (2014/1/12 アクセス)より作成
xv
Ⅰ.貧困の状況の概観
1.貧困のトレンド・状況と背景の概観
コロンビア共和国(以下、コロンビア)は南米大陸北西部に位置し、ブラジル、メキシコ
に次いで中南米第 3 位の人口 4,712 万人(2013 年推定値1)を有する国土面積 103.87 万平
方キロ(日本の約 3 倍)の国家である。首都である Bogotá 首都区には人口 767 万人(全人
口の 16.7%、2013 年推定値2)が居住するが、人口の大部分が国土西部に位置するアンデス
地域に偏在し、東部平原地域はインフラ整備を含め開発の遅れた人口希薄地域となってい
る。貧困率は「自治体中心部(都市部)」よりも「自治体中心部以外の地域(農村部)」に
て顕著であり、2012 年の所得貧困率3では都市部 28.4%に対し農村部 46.8%となっている。
また都市と農村部の格差以上に「13 大都市圏4」と「13 大都市圏以外の都市」との格差が
大きく、13 大都市圏の貧困率は 18.9%である一方、13 大都市圏以外の都市部では 42.2%と
倍以上の差が生じている。
経済的には天然資源(石炭、石油、ニッケル等)や農業資源(コーヒー等)が豊富で、中
南米諸国では例外的に累積債務危機の経験を有しない堅実な経済運営の結果、順調な経済
成長を遂げてきた。この安定した経済成長に伴い地域間格差はあるものの貧困率は漸進的
に低下傾向に向かい、過去10年では全国平均で49.7%(2002年)から32.7%(2012年)へ
と低下した。しかしながらGINI係数は全国値で0.539(2012年)と依然高い値であり、所得
分配が依然改善されていないことが課題とされている。また、対コロンビア海外直接投資
と対外貿易拡大は2000年代のコロンビア経済の成長の軸5であったが、外部経済との関係深
化は2008年の世界経済危機時には対外ショックへの脆弱性となった。これは特に国内極貧
層に影響を与える結果となり、極貧率6は都市農村部にかかわらず数値を悪化7させ、その回
復に数年を要することとなった。
政治社会的には、左翼系反政府非合法武装勢力(左翼ゲリラ)と政府軍・警察との国内武
力紛争が1960年代以降50年近く続き、これに極右民兵組織(パラミリタリー)、コカイン
の生産・密輸を拡大させていた麻薬マフィアの活動が相まった結果、600万人近くに上る国
内紛争の被害者と500万人以上に上る国内避難民の問題8を発生させるなど、社会不安と治
1
DANE の 2005 年センサスに基づく推定値,
http://www.dane.gov.co/index.php/poblacion-y-demografia/proyecciones-de-poblacion (2014/1/11 アクセス)
2
同上
3
DANE は貧困率を「当該地域で生活するために最低限必要とされる(食糧及び非食糧を含む)財を購入できるだけの
支出水準」と定義している。
4
Barranquilla, Cartagena, Montería, Cúcuta, Bucaramanga, Medellín, Bogotá, Manizales, Pereira, Ibagué, Cali,
Villavicencio, Pasto の 13 都市
5
コロンビア政府(2010), PND2010-2014, P.6-7
6
DANE は極貧率を「当該地域で生存するために最低限必要とされる食糧財のみを購入できるだけの支出水準」と定義
している。
7
2005 年に比べ 2008 年の極貧率は都市部は 2.1 ポイント、農村部は 4.8 ポイントの悪化となった(DANE、2013)。2006
年及び 2007 年は貧困関連の政府統計値が存在しないため直接比較ができないが、それまでの経済成長のトレンドから
判断すれば、2007 年と 2008 年のギャップは更に大きいであろうことが推測される。
8
国家情報ネットワークによる 2013 年 12 月 1 日時点の値。
1
安の著しい悪化が起こっていた。現在、治安問題に対しては前ウリベ政権(2002‐2010年)
のゲリラ掃討作戦が奏功したこと、現サントス政権(2010‐2014年)の左翼ゲリラとの和
平交渉進展などにより、2011年の殺人件数はピーク時2002年の51%9に低下するなど国内治
安は大幅に改善されつつある。また、国内紛争被害者を含む社会的弱者や貧困層への各種
社会支援プログラム(極貧撲滅プログラムJUNTOS‐UNIDOS等)も継続的に実施されてお
り、貧困率削減に寄与していると判断される。
自然環境においては、国土がアンデス火山帯に位置し、大河が流れるなどの特徴を有して
おり、地震、洪水など自然災害も歴史的に多い。コロンビアの経済成長に伴う都市への人
口集中は、国内紛争により農村部コミュニティから流出した国内避難民と相まって、全人
口の75.6%(2010年推定値)10が都市に集中する結果となっている。近年の洪水、そしてそ
の被害の増加は、自然氾濫原・土砂災害危険地域への住居の増加及び都市化に伴ったもの
とも判断され11、こうした地域に住む貧困層の生活を更に脆弱なものにしている。
9
10
OAG http://www.equidadmujer.gov.co/oag/indicadores/Violencia/homicidios_colombia_dane.pdf (2014/1/11 アクセス)
DANE (2010), Censo General 2005 Perfil, P.1
http://www.dane.gov.co/files/censo2005/PERFIL_PDF_CG2005/00000T7T000.PDF
11
JICA (2013) コロンビア国防災セクター情報収集・確認調査報告書(案)P.14
2
(2014/1/11 アクセス)
Ⅱ.貧困削減のための政策的枠組み
1.貧困削減戦略・目標の有無と現状
(1)国家開発・計画戦略、有無・概要と貧困削減の位置づけ
2010 年にサントス政権(2010‐2014 年)は「国家開発計画 2010‐2014 “全ての人々のた
めの繁栄”」PND2010‐2014 を発表した。この PND2010‐2014 では「全ての人々のため
の繁栄」を伴った国家になるために、「より雇用が多く、より安全で、より貧困が少ない」
国家を目指すとし、基本理念としてコロンビアの社会文化的多様性に配慮した「多様な視
点」と全ての人々が恩恵をうける「ソーシャル・インクルージョン」を掲げた。その大目
標は下記の図表 5 の様に大きく 7 つに大別される。
目標 1
1-1
1-2
1-3
目標 2
2-1
2-2
2-3
2-4
2-5
2-6
2-7
2-8
2-9
2-10
2-11
目標 3
3-1
3-2
3-3
目標 4
4-1
4-2
4-3
4-4
目標 5
5-1
5-2
5-3
目標 6
6-1
6-2
6-3
目標 7
7-1
7-2
12
図表 5 PND2010-2014 における目標項目
持続的成長と競争力
繁栄のための革新
競争力と生産性の向上
雇用創出と拡大
社会繁栄のための機会の平等
幼児、子ども、青年への支援
人的資本の形成
普遍的かつ持続的な保健へのアクセスとその質の向上
文化振興
スポーツとレクリエーション
極貧克服のためのネットワーク‐JUNTOS12‐
雇用能力、起業能力及び収入創出
暴力による強制移住の被害者への政策
エスニック・グループへの支援
ジェンダー
障害者への支援
平和構築
安全:公共の秩序と市民の安全
司法
人権、国際的権利、移行期の正義
持続的環境と危機予防
持続的開発のための環境管理
災害危機管理、安全なコミュニティのための良い政府
気候変動への対応
エネルギー効率化
良い政府、市民参加、汚職撲滅
良い政府
汚職撲滅
市民参加と社会資本
国際的調和
国際市場への参入
対外政策
国境政策
地域開発における横断的支援
地方組織の制度強化と国家-地方関係の強化
地方自治体の強化
前ウリベ政権期(2001‐2010 年)に開始された極貧削減プロジェクトの名称でスペイン語で「共に」を表す。
3
7-3
7-4
地域開発における観光促進
地方開発計画の策定
出典:PND 2010‐2014“Resumen Ejecutivo”より作成
特に貧困削減に関しては、次の図表 6 に示すように「社会繁栄のための機会の平等」の目
標の下、11 の小目標の内の一つとして「極貧克服のためのネットワーク‐JUNTOS‐」が
掲げられている。そしてここでは 8 つの活動指針が示されている13。
図表 6 PND2010-2014 に示される貧困削減のための活動指針(抜粋)
極貧克服のためのネットワーク‐JUNTOS‐
150 万世帯を対象とした家族支援を継続する。
極貧克服のため、ネットワーク下の社会プログラムやサービスの提供を統合的
なものにする。
活動指針 3 潜在的な需要と既存の社会支援に関する情報に基づき、極貧克服のためのネッ
トワークへの投資支出に関し優先順位づけのメカニズムを構築し、効率的な支
出を行う。
活動指針 4 極貧克 服のため地 方の能力を 強化するた めに「地方 技術支援プログラム
(Programa de Asistencia Técnica Territorial)」を実施する。
活動指針 5 「漸進的な焦点調整(Focalización Progresiva)」のシステム14を、モニタリン
グ及びフォローアップの指標と共に策定・実施する。
活動指針 6 空間、地理及び地形等を考慮した上記「焦点調整」のためのツール(多次元貧
困指標 IPM を用いた貧困地図など)を開発する。
活動指針 7 「 官 民 社 会 支 援 促 進 に か か る 登 録 ( Registro Nacional de la Oferta de
promoción Social Público-Privado)」を策定・実施する。
活動指針 8 全国の自治体において新しい SisbenNet15を実施・運用し、情報の最適化を行
う。
目標 2-6
活動指針 1
活動指針 2
出典:PND 2010‐2014“Resumen Ejecutivo”P.23
上記 PND2010‐2014 では、下記の図表 7 に示すように 2009 年の値をベースラインとした
2014 年の目標値を設定した。ここでは「所得でみた貧困」の割合を 38%、
「多次元貧困(後
述の「Ⅳ.所得貧困以外による分析」を参照)」の割合を 22.4%、
「所得で見た極貧」の割合
を 9.5%、GINI 係数を 0.54 にまで削減することを宣言している。また当該 4 年間に 35 万世
帯が極貧から脱出することを目標としている。
図表 7
PND2010-2014 に示される貧困削減目標
ベースライン値 2009 年
所得で見た貧困
45.5%
多次元貧困
34.6%
所得で見た極貧
16.4%
GINI 係数
0.58
JUNTOS により極貧を克服した世帯数
-
指標
2014 年目標値
38%
22.4%
9.5%
0.54
35 万人
出典:PND 2010‐2014“Resumen Ejecutivo”P.49
13
PND2010‐2014 ”Resumen Ejecutivo”, P.23
受益者の潜在能力を漸進的かつ継続的に探し、これを支援する手法を「焦点調整」と呼び、モニタリングおよびフォ
ローアップ指標を活用してこの実施をシステム化している(PND 2010-2014, P.330 参照)
15
「社会プログラムのための潜在的受益者の特定と分類システム SISBEN」において利用されるネットワークシステム
(PND 2010-2014, P.330 参照)
14
4
(2)PRSP の有無、概要とその他の国家計画戦略との関係性
コロンビアにおいては貧困削減戦略書 PRSP は策定されていない。しかし 2005 年に策定さ
れた長期国家計画「ビジョン・コロンビア 2019」にて所得貧困率を 2019 年に(補助金を
用いない場合)20%もしくは(補助金を用いた場合)15%16にまで削減するとうたっている
他、前述の PND2010-2014 の「目標 2-6 極貧克服のためのネットワーク‐JUNTOS‐(現
在は UNIDOS に改称)」が貧困削減政策に係る基本戦略となっている。この極貧克服に向け
た政策は前ウリベ政権(2002-2010 年)時に開始されたもので、2020 年にコロンビアから
極貧状態を根絶することを目標に、後述する国家極貧克服庁(ANSPE)により推進されて
いる。
(3)特に貧困と関連深い国家戦略・政策の概要と現状
2011 年にコロンビア政府は ANSPE を設立した。ANSPE は貧困層及びそのコミュニティが
等しく社会サービスにアクセスできるようにするため、特に極貧状況にある世帯及びコミ
ュニティの生活の質向上を目的とした公的機関による社会サービス提供、民間による社会
投資、社会革新イニシアティブ17、家族及びコミュニティへのサポート等を連携強化するこ
とをその活動の柱とする。このため ANSPE は「住民組織/団体、政府機関、民間組織、市
民社会組織の大同盟の下、疎外された貧困状況にある弱者が極貧状況を克服することをサ
ポートする」ことを使命とし、
「2020 年までにコロンビアから極貧世帯を根絶する」ことを
目標としている18。
ANSPE はその戦略的目標として、以下の 4 点を掲げている19。
 PND2010‐2014 に従い 2014 年までに 35 万世帯の極貧を克服することに責任を有する。
 社会的繁栄とソーシャル・インクルージョンを伴った支援を確かなものにするため、30
以上の機関/組織が提供する社会サービスの内容に従い、UNIDOS(スペイン語で「団結」
を意味する)ネットワーク(後述)の戦略に従った支援をコーディネートする。
 コロンビア政府の社会支援政策に基づいた適切なメッセージや情報を提供し、社会的繁
栄をテーマとした知識の活用を支援する。
 コロンビア国内における極貧根絶の支援に向けた新戦略/方法論/ツールを活用する。
また ANSPE はその機能として、以下の活動に責任を有している20。
 極貧克服のための国家政策の策定に関し、社会繁栄庁 DPS を支援する。
 極貧克服にかかる国家戦略の実施メカニズムとスキームを策定し、またこれを調整する。
 国家企画庁 DNP との連携により、極貧世帯支援に向けられる資源の「焦点調整(前述の
16
Vision Colombia (Resumen), P.45
ANSPE は「県レベルでの貧困世帯の生活改善に資する活動計画」のことを「社会革新イニシアティブ」と呼び、そ
の支援を行っている(後述の図表 8 参照)。
17
18
ANSPE http://www.anspe.gov.co/es/anspe/mision-y-vision(2014/1/6 アクセス)
19
ANSPE http://www.anspe.gov.co/es/anspe/objetivos-estrategicos (2014/1/6 アクセス)
20
同上
5
図表 6 参照)
」とフォローアップにかかるメカニズムとツールの策定と実施を行う。
 DNP 及びその他機関と協力し、極貧克服にかかる国家戦略のフォローアップと評価のス
キームを策定し、これを実施する。
 極貧状況にある人々への社会公共政策の「焦点調整」と適性化のメカニズムを関係省庁・
機関との調整の下で策定し、これを実施する。
 極貧克服のため、中央及び地方部において民間セクターと公的機関の連携を促進する。
 極貧克服に向け、民間及び地方のイニシアティブの特定とその実施を通じて社会変革を
促進する。
 極貧克服とその国家政策と関連した地方戦略の形成を促進する。
 極貧状況にある家族とコミュニティへのサポート戦略の策定を行い、これを実施する。
 事業実施状況/環境に応じ、これに必要な活動を実施する。
ANSPE が現在実施中の主なプログラムは 2014 年 1 月現在で 6 つ(UNIDOS、民間社会投
資、家族・コミュニティ促進、制度的サービス、社会革新センターCIS、極貧フリーゾーン
ZOLIP)あり、その内の UNIDOS は前ウリベ政権により開始され PND2010‐2014 にてそ
の継続的実施が示された JUNTOS が改名したものである。各プログラムの概要は下記図表
8 に示す通りである。
図表 8
プログラム名
UNIDOS
民間社会投資
家族・コミュニ
ティ支援促進
制度的サービ
ス
社会革新セン
ターCIS
極貧フリーゾ
ーン ZOLIP
ANSPE により実施中の貧困削減プログラム
概要
基礎社会サービスを提供する 30 以上の政府機関のネットワークの下、全国
に 1 万人規模で配置されたファシリテーターCogestor が各極貧世帯を官民の
既存社会サービスを適切に活用できるよう技術的にサポート・支援する。
2014 年時点で 35 万世帯が、2020 年には全ての極貧世帯がその状態から脱出
することを目指す。
民間部門、NGO 及び国際機関などと協調し、官民連携、情報提供、民間資本
導入 etc.を通じて、極貧世帯向け支援に民間社会投資を関連付け、またその
「焦点調整」を促進する。
家族やコミュニティ向けファシリテーション・プロセスの継続的実施・フォ
ローアップを指導し、地方部における UNIDOS 実施チームの形成や(地方自
治体関係者を含む)その他社会支援従事者のサポート活動の質の向上を図る。
教育、
保健、栄養、信用、
司法へのアクセス、家族環境改善、収入創造等 UNIDOS
の対象となる家族のニーズを特定し、UNIDOS の下で支援を実施するために、
UNIDOS セクター間委員会(Comisión Intersectorial Unidos)の定期会合等
を通じて関係機関を動員・連携させる。
県レベルでの貧困世帯の生活改善に資する活動計画(社会革新イニシアティ
ブ)やそれを実施する関係組織を特定し、これを支援することを目的とする。
2012 年には 6 県(Atlántico、Antioquia、Bolívar、Cundinamarca、Valle del
Cauca、Huila)にて極貧克服に資する 20 イニシアティブを特定し、2013 年
にはこれを 8 県(Chocó、Magdalena、La Guajira、Meta、Boyacá、Nariño、
Caldas、Risaralda)に拡大した。2014 年には残りの県にも活動を拡大する
予定である。
UNIDOS 活動の重点実施地域と定め、域内の極貧世帯率がゼロになるまで、
社会投資を優先的に行うなど集中的な活動を行う。2013 年末現在 ZOLIPS と
されているのは Bogotá 首都区の Kennedy 地区及び Usume 地区など全国 20
か所程度であり、2014 年末までに 50 地区の指定を目指している。
出典:ANSPE ウェブサイト等より作成。
6
極貧克服のためのネットワーク(JUNTOS および UNIDOS):コロンビア政府の貧困対策の核
となるのがこの UNIDOS(旧 JUNTOS)である。これは ANSPE が全国に配置する 1 万人
以上の Cogestor と呼ばれるファシリテーターが極貧世帯を定期的に巡回し、これら貧困世
帯が自ら主体的に各種既存の社会サービスを効率的かつ有効活用して極貧から脱出するこ
とを継続支援するものである。このため UNIDOS 自身は貧困層が必要とする社会サービス
(例:保健、教育、給水衛生 etc.)を直接提供することはなく、中央政府関係機関、地方自
治体、民間組織と連携してこれら組織の既存スキームを活用することとなる。
UNIDOS は そ の 活 動 に お い て 9 つ の 目 標 と 45 の 活 動 か ら 構 成 さ れ て い る が 、
PND2010-2014 の基本理念である多様な視点とソーシャル・インクルージョンを反映し、
各極貧世帯のニーズと居住地域において利用可能な社会サービスを勘案し、対象世帯の積
極的な参加とその理解度に合わせた柔軟な支援アプローチを採用している。
身 分 確
認
収 入 お
よ び 労
働
教 育 と
訓練
保健
図表 9 UNIDOS の目標分野と活動内容
家族構成員がコロンビア市民としての身分証明書を有し、法により定められた必要条件を満たして
いることを証明する。
1. 0-7 歳は住民登録、7-18 歳は身分証明書(Tarjeta de Identidad)を所持し、18 歳以上は市民権
証明(Cédula de ciudadanía)を所持する。
2. 18-50 歳の男子は兵役手帳を所持する。
3. 社会プログラムのための潜在的受益者の特定と分類システム SISBEN に含まれる家族は、家族
の各構成員の所有する有効な身分証明書に記載されている事項と同じ個人情報が SISBEN に登
録される。
様々な生計手段を通じて家族が(金銭的もしくは物的)収入を得る。
4. 60 歳以上の全ての大人が収入源を有するもしくは世帯内で生計を支えるメカニズムを有する。
5. 少なくとも 15 歳以上の家族構成員の一人が報酬を伴う仕事を有する、もしくは自立的な収入源
との関係を有する。
6. 労働年齢にある全ての家族構成員が、報酬を伴う労働に結び付くような能力水準に達する、も
しくは現在の状況を更に向上する。
7. 報酬を伴う労働に結び付くような資産の水準に家計を向上させる、もしくは現在の状況を更に
向上する。
子ども、青少年、成人が人的資本を向上させ、統合的な成長を可能にする知識を獲得する。
8. 5 歳以下の子どもが、保育、栄養、早期教育における統合的ケアに係る何らかのプログラムに
関係している。
9. 就学年齢(5-17 歳)未満で基礎サイクル(第 9 学年まで)を終了していない者が正規教育サー
ビスもしくはその代替システムに出席し、その能力開発を可能にする。
10. (身体に障害を有する人々を含む)18-65 歳の成人が識字能力を有する。
11. 一度基礎サイクルを終了した人物がそれを望むのであれば、中等、技術、専門教育を受ける、
もしくは職業訓練プログラムを受ける。
12. 15 歳以下の子どもが労働活動に従事しない。
保健システムの効果的な関与の下、全ての人々がケア・サービスを受け、保健のプロモーション・
予防プログラムに参加する。これにより家族は避けられることが可能な死亡率・疾病率を減少する。
13. 家族構成者が保健における普遍的な社会保障システム SGSS に加入する。
14. SGSS の枠組みの中で家族がその権利として有する保健プロモーションによる支援を受ける。
15. 男女双方の青少年および成人が家族計画の方法を認識する。
16. 12 歳以下の子どもが 5 価ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風 DPT、インフルエンザ菌 b、
B 型肝炎)の 3 回接種を受け、1-2 歳の子どもが SRP(ムンプス、麻疹、風疹)の 2 回接種を
受ける。
17. 妊婦が出産前検診に登録し、これを受診する、もしくは施設において出産ケアを受ける。
18. 10 歳以下の子どもが成長期の異変に対する早期発見のための診察の登録と受診を行う。
7
栄養
居 住 環
境
家 族 の
調和
銀 行 利
用 と 貯
蓄
司 法 へ
の ア ク
セ ス を
保 証 す
る た め
の支援
19. 家庭内の女性が子宮頸がんおよび乳がんの検診プログラムに参加し、その結果を認識する。
20. 障害のある人々が(特にコミュニティに拠点を有する)リハビリテーションプログラムや自立
のために必要な技術支援にアクセスを有する。
家族の全ての構成員が適切な食糧と食糧管理に適切な習慣を有する。
21. 食べ物の取り扱いと準備において衛生的な習慣を実践する。
22. 家族が様々な食べ物を健康的な方法で食する。
23. 6 か月以下の子どもが、推奨される 6 か月間のうち少なくとも 4 か月間は母乳のみを飲む。
家族がその文化的背景に従って、安全化居住環境を有する。
24. 住居が飲料水供給システムと下水システムを有する。
25. 家族は廃棄物を適切に処理する。
26. 住居が通常もしくは代替エネルギーシステムの設備を有する。
27. 住居はトイレ、台所、洗濯場および寝室を個別に有する。
28. 一部屋に 3 人以上が居住せず、子どもが大人と別に就寝する。
29. 住居から土間をなくす。
30. 家族構成員が就寝し食事をとるための適切な器具を有する。
31. 家族が通信システムへのアクセスを有する。
32. 物理的な安全性を可能にし健康面から家族の福祉を向上するような適切な材質で住居が作られ
る。
33. 住居は照明、自然換気を有し、プライバシーを確保する。
家族が、より強いきずな、健康的な共生と愛情表現のメカニズムを有する。
34. 家族がその家族計画を策定し、これを実施する。
35. 家族が家庭内暴力・性的暴力の犠牲者の早期発見、ケア、回復のための支援サービスに応じる。
36. 家族構成員がその地域(コミュニティ組織、文化娯楽施設、スポーツクラブ、教育施設等)に
おいて利用可能なプログラムやサービスの場や機会を認識し、これらに参加する。
37. 6 歳以下の子どもがいる家族は人としてのしつけを行う。
38. 家族は対話の場を設け、家族共生の規則を用い、争いごとを解決する。
39. 家族は共同で子育てや障害のある人々の社会的統合に参加する。
労働、収入および家族の安全への機会へのアクセス手段としての金融システムに関心を有する。加
えて自ら設定する目的の実現のための貯蓄習慣を身に着ける。
40. 家族が正規(金融システム)もしくは非正規(貯蓄・信用グループ)メカニズムを通じて貯蓄
を行う。
41. 家族が貯蓄、信用、保険の金融サービスのうち少なくともその一つの特徴を理解する。
42. 希望する家族が金融システムもしくは貯蓄・信用グループを通じて貸付を受ける。
紛争解決、自らの権利の認識、価値の保全、適切かつ効率的な方法による共生の強化のため、正規
および非正規な司法サービス*へのアクセスを家族が有する。
43. 家族は紛争解決のために適切な司法の必要性を認識し、司法システムが提供する代替案の中か
らその制度的手続きを特定し、これを理解する。また市民としての権利と義務を認識する。
44. 司法のニーズを有する家族が、司法関係者からの早急かつ適切なケアを受けた上で、紛争解決
代替メカニズム MASC への参加を同意する。
45. 国内避難民の家族が、権利の効果的な享受のため、フォローアップ支援のサポートを受ける。
出典:ANSPE http://www.anspe.gov.co/es/programa/estrategia-unidos/dimensiones-y-logros(2014/2/10 アクセス)
*)
「非正規な司法サービス(インフォーマル・ジャスティス)」とは、地理的な条件や社会の状況から裁判所がコミュニテ
ィから一般的に遠い存在であるような場合、迅速に解決しうるコミュニティ調停等のことを指す。
(4)過去 10 年程度の成果
前ウリベ政権(2002-2010 年)から開始された極貧撲滅政策 JUNTOS は現サントス政権で
も UNIDOS として受け継がれ、継続的に実施されてきている。コロンビアにおける貧困関
連指標は段階的に改善を示しており、PND2010-2014 で示した貧困削減目標値も全国値に
おける 2014 年目標と 2012 年実績の比較では「所得貧困」および「GINI 係数」で 2012 年
末時点で既に 2014 年目標値を達成している状況にある。また「多次元貧困」および「所得
極貧」も PND2010-2014 の中間時点の 2012 年末で半分以上の達成度を示していることか
8
ら、概ね順調に推移していると判断される。
図表 10
指標
所得貧困
多次元貧困 IPM
所得極貧
GINI 係数
PND2010-2014 に示される貧困削減目標に対する実績比較(全国)
2012 年
ベースライン値
2014 年目標値
2009 年
実績値
達成度
45.5%
32.7%
170.7%
38%
34.6%
27.0%
62.3%
22.4%
16.4%
10.4%
87.0%
9.5%
0.58
0.539
102.5%
0.54%
出 典 : PND 2010 ‐ 2014“Resumen Ejecutivo”P.49 お よ び DANE ( 2013 ) Pobreza Monetaria y
Multidimensional en Colombia より作成
(5)今後改定の予定など
2014 年は現サントス政権の任期の最終年、つまり PND2010-2014 の終了年度となる。サン
トス政権は任期続投に意欲を示しており、従来の貧困削減政策および実施状況に特段の問
題も指摘されていないことから、再選されれば 2020 年の極貧撲滅の目標に向け、次期
PND2014-2018 において同様の政策が継続されるものと判断される。
2.コロンビア政府による指定貧困地域・集団
(1)ZOLIP としての貧困指定地域21
現在まで、下記の地域が ZOLIP として地域指定されている。
1)Cundinamarca 県:Sopó(既に極貧削減目標は達成済み)、Chía、Tocancipá
2)Bolívar 県:El Salado、Ararca、Manzanillo del Mar、Punta Canoa、San Basilio、Tierra Baja
3)Valle del Cauca 県:Dagua
4)Casanare 県:El Morro
5)Boyacá 県:Paipa 、Tibasosa
6)Antioquia 県:Buriticá
7)Sucre 県:Canutal
8)Cesar 県:La Sierrita、Potrerillo22
9)Bogotá 首都区:Kennedy、Usme
なお参考までに上記 Bogota 首都区の Kennedy 地区及び Usme 地区は事例として示す(図
表 11)。
図表 11
地域名
Kennedy
地域
人口
103
万人
NBI 指数
5%
Usme
地域
35
万人
8.5%
ZOLIP 指定地域の状況事例(参考)
位置
UPZ Gran Britania 内にあり、barrios Pastranita,
Alfonso López, Almenar, Carmelo 及び Britania
地区
UPZ Danubio 内にあり、Danubio Azul 及び
Nevado 地区を含む。
活動内容
双方で 450 世帯(約 2
千人)を対象に実施
し、12~18 か月の期
間内に全活動を実施
する予定。
出典:ACPB
http://wsp.presidencia.gov.co/bogota/prensa/2013/Zolip/Paginas/Que-son-las-Zonas-Libres-de-Pobreza-zolip.as
px より作成(2014/1/6 アクセス)
21
ACPB
http://wsp.presidencia.gov.co/bogota/prensa/2013/Zolip/Paginas/Que-son-las-Zonas-Libres-de-Pobreza-zolip.aspx
(2014/1/6 アクセス)
22
Portafolio Co. http://www.portafolio.co/opinion/zonas-libres-pobreza-extrema
9
(2014/2/10 アクセス)
(2)ZOLIP 認定プロセス23
ZOLIP として認定されるためには、公的もしくは民間機関が、極貧フリーゾーン国家委員
会(Comité Nacional de Zonas Libres de Pobreza Extrema)に図表 12 に示される書類を申
請し、認定される必要がある。
書式の種類
書式 1:登録要件
書式 2:技術書類
書式 3:UNIDOS
対象世帯の情報
図表 12 ZOLIP 申請の条件
内容
提案者及び賛同者の一般情報、申請動機、
地域の状況、政治的意思及び署名。
申請対象地域の政治・社会・経済・環境・
財務・行政等の全般的情報。
対象地域に特有の社会文化的条件、当該地
域の重要なプロジェクト、支援対象家族の
夢や期待についての全般的情報。
必須要件
提案者による書類作成。
自治体による書類作成。
UNIDOS のファシリテータ
ーCogestor の支援の下自治
体による書類作成。
出典:ANSPE http://www.anspe.gov.co/en/node/32(2014/2/10 アクセス)
(3)貧困指定集団
特に政府による貧困指定集団といったものは存在しないが、UNIDOS による支援対象とな
っている極貧人口 35 万人(2014 年目標値)が、現在のところそれに相当するものと考え
られる。前述の「地図 2 Bogotá 首都区及び 23 県の貧困率地図(2012 年)」
(P. xiii)およ
び「地図 3
Bogotá 首都区及び 23 県の極貧率地図(2012 年)」(P. xiv)が示すように、
貧困率や極貧率が高い地域は北部カリブ海地域および西部太平洋岸地域に集中している。
人種別の貧困率を示す統計は確認できなかったが、これら 2 地域は後述する「地図 6 先住
民族居住地域とアフリカ系コロンビア人居住地域」(P.38)が示すようにアフリカ系コロン
ビア人の居住割合が非常に高く、先住民族居住割合も前者程ではないが少なくない。この
ためこれら人々の貧困割合が相対的に高いものと推測される。
23
ANSPE http://www.anspe.gov.co/en/node/32(2014/1/5 アクセス)
10
Ⅲ.所得貧困の分析
1.貧困ラインとデータ
(1)コロンビア政府設定の貧困線、その根拠と妥当性の確認24
コロンビアでは低所得者層の消費者物価指数 IPC(Índice de Precios al Consumidores de
ingresos bajos)と連動した絶対的貧困線を採用している。この貧困線は「当該地域で生活
するために最低限必要とされる(食糧及び非食糧を含む)財を購入するできるだけの支出
水準」とされ、2012 年は全国レベルで 202,083 コロンビア・ペソ/人(約 104 米ドル/人)
であり、2011 年の 194,696 コロンビア・ペソ/人から 3.8%の上昇となっている。例えば 4
人家族の世帯であれば、808,332 コロンビアペソ(約 416 米ドル/人)が貧困線となる25。
コロンビアでは下記図表 13 に示すように地域ごとに物価水準とその変動に合わせて貧困線
を設定している。
図表 13
コロンビア国内の地域別にみる貧困線(2011-2012 年、コロンビア・ペソ)
地域区分
2011
2012
変化率%
全国
194,696
202,083
3.8
自治体中心部(都市部)
215,216
223,151
3.7
自治体中心部以外の地域(農村部)
128,593
133,522
3.8
13 大都市圏*
215,215
222,971
3.6
13 大都市圏以外の自治体中心部
215,217
223,414
3.8
出典:DANE, línea base ENIG 2006-2007 を IPC にて調整したもの
*:Medellín、Barranquilla 、Bogotá、Cartagena、Manizales、Montería、Villavicencio、Pasto、Cúcuta、
Pereira、Bucaramanga、Ibagué、Cali の 13 都市圏
またコロンビアでは極貧線を「当該地域で生存するために最低限必要とされる食糧財のみ
を購入できるだけの支出水準」と定義され、2012 年は全国レベルで 91,207 コロンビア・
ペソ/人(約 47 米ドル)であり、2011 年より 4.0%の上昇となっている。例えば 4 人家族の
世帯であれば、364,828 コロンビアペソ(約 188 米ドル)が極貧線となる。地域別に見た
極貧線は下記図表 14 のように示される26。
図表 14
コロンビア国内の地域別にみる極貧線(2011-2012 年、コロンビア・ペソ)
地域区分
2011
2012
変化率%
全国
87,672
91,207
4.0
自治体中心部(都市部)
91,650
95,351
4.0
自治体中心部以外の地域(農村部)
74,855
77,720
3.8
13 大都市圏
91,930
95,703
4.1
13 大都市圏以外の自治体中心部
91,243
94,841
3.9
出典:DANE, línea base ENIG 2006-2007 を IPC にて調整したもの
24
DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.5-6
25
1 米ドル=1,943 コロンビア・ペソで換算(2014 年 1 月 16 日付)。
26
同上
11
(2)データソースの紹介とその評価
コロンビアでは国家統計局 DANE が 2000 年代以降貧困に関する統計を継続的に実施して
いる。2006 年及び 2007 年のデータは当該時期に DANE において統計手法の変更作業が行
われたために公表されていないが、これらを除く統計数値は 2002 年から現在までその結果
を毎年 DANE のウェブサイト上27で公表している。DANE を中心とするコロンビアの統計
事業は中南米地域ではメキシコ等と並んで高い水準にあると認識されており、2000 年代に
は世銀の支援を受けて統計整備・能力の更なる強化を図った他、現在では近隣諸国への技
術支援も実施している28。
2.貧困の状況
(1)州、県レベルの貧困率・貧困ギャップ率・GINI の表
a. 貧困率/貧困ギャップ率/二乗貧困ギャップ率
貧困率:地域別に見た貧困率は自治体中心部(都市部)、特に 13 大都市圏で低く、自治体
中心部以外の地域(農村部)は依然高い貧困率である。下記図表 15 が示すように、13 大都
市圏の貧困率は 2012 年に 18.9%である一方、13 大都市圏以外の自治体中心部では同 42.2%
と 2 倍以上の格差を生じている。また自治体中心部以外の地域(農村部)では 46.8%と若
干ではあるが 2011 年より増加を示している。
図表15 地域区分別に見た貧困率(2011‐2012年、%)
46.1 46.8
44.5
50
40
34.1
32.7
30
30.3
42.2
28.4
20.6
20
18.9
自治体中心部
以外の地域
十三大都市圏
以外の自治体
中心部
2012
十三大都市圏
0
自治体中心部
2011
全国
10
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.8
貧困ギャップ率:貧困線からの乖離率を示す貧困ギャップ率は、次の図表 16 に示すように
全国レベルで見ると 2012 年に 12.9%と 2011 年に比べ 0.5 ポイント減と若干の改善を示し
ている。しかしながら地域区分で比較してみると、13 大都市圏では 2012 年に 6.4%である
一方、自治体中心部以外の地域(農村部)で 19.5%、13 大都市圏以外の自治体中心部で 17.4%
とほぼ 3 倍近い格差が生じている。また、自治体中心部以外の地域(農村部)では若干で
あるが 2012 年には前年に比べて 0.3 ポイント悪化している。
27
DANE http://www.dane.gov.co/index.php/estadisticas-sociales/pobreza
28
DANE における聞取り結果(2013/11/26)
12
(2014/1/20 アクセス)
図表16 地域区分別に見た貧困ギャップ率 (2011‐2012年、%)
25
20
15
19.5
19.2
13.4
12.9
11.6
18.4
17.4
10.9
6.9
10
6.4
5
十三大都市圏以外
の自治体中心部
十三大都市圏
自治体中心部以外
の地域
自治体中心部
全国
0
2011
2012
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.8
二乗貧困ギャップ率:貧困層内の所得および支出の格差に着目した二乗貧困ギャップ率で
みると、図表 17 に示すように前述の貧困ギャップと同様の地域的傾向があることが理解さ
れる。13 大都市圏では 2012 年の値が 3.2%と全国レベルでの値 7.0%の半分以下である一
方、自治体中心部以外の地域(農村部)は 11.0%、13 大都市圏以外の自治体中心部では 9.6%
と 13 大都市圏の 3 倍以上の値を示している。これら値は 13 大都市圏が「貧困線直下に貧
困層が密集している地域」で、自治体中心部以外の地域(農村部)や 13 大都市圏以外の自
治体中心部は「貧困線よりもずっと下の方に貧困層が集中している地域」であることを示
している。
7.3
7.0
6.2
5.8
3.4
3.2
2011
十三大都市圏以
外の自治体中心
部
十三大都市圏
自治体中心部以
外の地域
自治体中心部
全国
12
10
8
6
4
2
0
図表17 地域区分別に見た二乗貧困ギャップ率 (2011‐2012年、%)
10.7 11.0
10.2
9.6
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.9
b. 極貧率/極貧ギャップ率/二乗極貧ギャップ率
極貧率:次の図表 18 に示すように、地域別に見た極貧率は 2012 年には自治体中心部(都
市部)で 6.6%、特に 13 大都市圏では 3.3%と低く、全国水準の 10.4%を大きく下回ってい
13
2012
る。他方、自治体中心部以外の地域(農村部)は 22.8%、13 大都市圏以外の自治体中心部
は 11.4%と高い極貧率であり、大きな格差を生じている。
図表18 地域区分別に見た極貧率(2011‐2012年、%)
22.1 22.8
25
20
15
10.6
10.4
10
12.2
7.0
6.6
3.5
5
3.3
2011
十三大都市圏以
外の自治体中心
部
十三大都市圏
自治体中心部以
外の地域
自治体中心部
全国
0
11.4
2012
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.12
極貧ギャップ率:次の図表 19 に示すように、極貧線からの乖離率を示す極貧ギャップ率は
全国レベルで見ると 2012 年に 3.8%と 2011 年の値と変化はない。また地域区分で比較して
みると、13 大都市圏では 2012 年に 1.2%と非常に低い値である一方、自治体中心部以外の
地域(農村部)では 8.4%、13 大都市圏以外の自治体中心部で 4.0%大きなかい離が生じて
いる。また、自治体中心部以外の地域(農村部)では若干であるが 2012 年には前年に比べ
て 0.4 ポイント悪化している。
図表19 地域区分別に見た極貧ギャップ率 (2011‐2012年、%)
10
8.0
8
6
4
3.8
3.8
8.4
4.2
2.5
2.4
1.3
2
1.2
十三大都市圏以
外の自治体中心
部
十三大都市圏
自治体中心部以
外の地域
自治体中心部
全国
0
4.0
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.13
二乗極貧ギャップ率:極貧層内の所得および支出の格差に着目した二乗極貧ギャップ率で
みると、次の図表 20 に示すように前述の極貧ギャップと同様の地域的傾向があることが理
解される。13 大都市圏では 2012 年の値が 0.7%と全国レベルでの値 2.1%の 3 分の 1 であ
14
2011
2012
る一方、自治体中心部以外の地域(農村部)は 4.5%、13 大都市圏以外の地域では 2.2%と
13 大都市圏の値から大きく乖離している。これら値は 13 大都市圏が「極貧線直下に極貧層
が密集している地域」で、自治体中心部以外の地域(農村部)や 13 大都市圏以外の自治体
中心部は「極貧線よりもずっと下の方に極貧層が集中している地域」であることを示して
いる。
2.0
2.1
1.3
2.2
1.3
0.8
2.2
0.7
2011
十三大都市
圏以外の自
治体中心部
十三大都市
圏
自治体中心
部以外の地
域
自治体中心
部
全国
5
4
3
2
1
0
図表20 地域区分別に見た二乗極貧ギャップ率 (2011‐2012年、%)
4.5
4.2
2012
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.13
c.GINI 係数
地域別で比較した GINI 係数は図表 21 で示すように、2012 年の全国水準で 0.539 と依然高
い水準にある。またこれは自治体中心部(都市部)で 0.514、13 大都市圏で 0.499、13 大
都市圏以外の自治体中心部で 0.500 と都市部で高い一方、自治体中心部以外の地域(農村
部)では 0.465 と若干低い数値を示している。しかしながら自治体中心部(都市部)では
2011 年から 2012 年にかけて GINI 係数の改善が見られるのに対し、この自治体中心部以外
の地域(農村部)では逆に数値が悪化している。
図表21 地域区分別に見たGINI係数 (2011-2012年)
0.590
0.540
0.548 0.539
0.526
0.490
0.499
0.492 0.500
0.459 0.465
2011
十三大都市圏
以外の自治体
中心部
十三大都市圏
自治体中心部
以外の地域
自治体中心部
全国
0.440
0.517
0.514
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.15
(2)過去 10 年程度のトレンドとその要因、今後の見通し
貧困率及び極貧率:過去 10 年のトレンドでは、リーマンショックに端を発する 2008 年の
世界同時不況の影響で一時的な上昇が見られたものの、貧困率、極貧率ともに漸進的に低
15
2012
下傾向にある。図表 22 に示すように、全国レベルでは 2002 年の貧困率 49.7%から 2012
年の 32.7%と 17 ポイントの減少を示している。また図表 23 に示すように、極貧比率も全
国レベルでは 2002 年の 17.7%から 2012 年の 10.4%へ 7.3%減少した。これは 2000 年代以
降の好調なコロンビア経済における失業率の低下、JUNTOS‐UNIDOS を中心とする社会
支援政策の継続的な実施などを反映したものと考えられる。
しかしながら自治体中心部(都市部)と自治体中心部以外の地域(農村部)との格差はい
まだ歴然と存在し、この格差克服が課題である。2012 年の値でみると、貧困率は 18.4 ポイ
ント差(都市部 28.4%:農村部 46.8%)、極貧率は 16.2 ポイント差(都市部 6.6%:農村部
22.8%)となっており、過去 10 年間でその格差はあまり変化していない。都市農村の格差
の背景には特に農村部を疲弊させた国内紛争、度重なる自然災害、都市部に重点を置いた
これまでの基礎インフラサービスの整備の進展等があるが、特に所得貧困に関しては過去
の経済成長が主に第 2 次および第 3 次産業によるもので、農村部の雇用の大部分を占める
第 1 次産業(農牧畜林水産・狩猟業)は逆に低成長に留まっていたことが原因として存在
する(詳細は後述の「Ⅵ.貧困に影響を与えている国内外の要因」を参照)。
61.7
60
49.7
50
40
45.5
56.8
58.3
48.0
47.4
44.9
43.7
56.6
56.4
45.0
42.0
41.1
37.4
30
53.7
40.3
36.0
49.7
37.2
33.3
46.1
46.8
34.1
32.7
30.3
28.4
2012
70
2011
図表22 貧困率の推移 (2002‐2012年、%)
全国
自治体中心部
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
20
自治体中心部以外の地域
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.7
16
図表23 極貧率の推移 (2002‐2012年、%)
10
12.2
15.7
14.8
11.2
16.4
13.8
10.0
9.1
11.2
28.6
14.4
9.9
全国
自治体中心部
2009
2008
2007
2006
2003
2002
0
25.0
22.1
22.8
12.3
10.6
10.4
8.3
7.0
6.6
2012
17.7
20
2005
30
32.6
27.8
2011
29.1
29.0
2010
33.1
2004
40
自治体中心部以外の地域
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.11
GINI 係数:全国レベルで見ると、図表 24 に示すように 2000 年代初頭に低下傾向を示した
GINI 係数は 2000 年代半ばに向け上昇傾向に転じ、2000 年代後半からは再度低下傾向に向
かっている。
図表24
全国レベルのGINI係数の変遷(2002-2012年)
0.580
0.570
0.560
0.572
0.550
0.567
0.554
0.558 0.557
0.557
0.560
0.548
0.540
0.539
0.530
0.520
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.16
しかしながら地域区分ごとで見た GINI 係数のトレンドでは、次の図表 25 から図表 28 に示
すように自治体中心部(都市部)
(図表 25)および 13 大都市圏(図表 27)では 2000 年代
後半以降継続的に数値の改善が見られている一方、自治体中心部以外の地域(農村部)(図
表 26)や 13 大都市圏以外の自治体中心部(図表 28)では 2011 年以降は GINI 係数の悪化
が起こっており、地方中小都市や農村部での所得の不平等が拡大していることを示してい
る。また 2002 年から 2012 年を通じて全体的には GINI 係数が改善傾向にはあるものの、
依然いずれの地域区分でも 0.5 前後の数値を示しており、所得の不平等が全国的に存在して
いることを裏付けている。
17
図表25
図表26
自治体中心部(都市部)のGINI係数
(2002-2012年)
自治体中心部以外の地域(農村部)の
GINI係数(2002-2012年)
0.540
0.540
2005
2004
2003
2002
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
0.450
2004
0.470
2003
0.460
2002
0.472
0.470
0.480
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.16
(3)地理的分布の分析
次の図表 29 に示される DANE の国内 13 大都市のデータ29によれば、2012 年に最も貧困率
が高いのは Montería の 36.9%、次いで Pasto の 36.8%である。逆に最も低いのは
Bucaramanga の 10.4%、次に低いのは Bogotá の 11.6%となっている。また極貧率も同様
にこれら 4 都市が同じ位置を占めている。また、GINI 係数が一番大きいのは Cali の 0.515、
また一番低いのは Bucaramanga の 0.432 と全体的に所得の不平等が存在していることがこ
こでもうかがえる。
29
DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.27
18
2012
2002
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
0.499
0.490
0.492
0.482
0.480
0.500
2011
0.497 0.500
0.485
0.490
0.524
0.510
0.511
0.496
0.500
0.517
0.520
0.516
0.510
0.531 0.529
0.539
2010
13大都市圏以外の自治体中心部での
GINI係数(2002-2012年)
0.520
0.541
0.537
0.530
図表28
2012
0.548
0.550
2005
13大都市圏のGINI係数(2002-2012年)
2011
0.560
0.437
2006
図表27
2004
0.400
2003
0.490
2002
0.420
0.465
0.459
2010
0.514
0.500
0.463
2009
0.440
2009
0.510
2008
0.460
2007
0.520
0.469
2007
0.535
0.471
0.470
0.480
0.526
2006
0.537
0.536
0.489
0.500
2005
0.530
0.537
0.516
2004
0.539
0.540
0.520
0.542
2008
0.550
0.550
2003
0.560
図表 29
コロンビア国内 13 大都市の貧困率、極貧率および GINI 係数(2011-2012 年)
貧困率%
極貧率%
GINI 係数
県
2011
2012
2011
2012
2011
2012
Barranquilla
34.7
30.4
5.3
3.8
0.472
0.464
Bogotá
13.1
11.6
2.0
2.0
0.522
0.497
Bucaramanga
10.7
10.4
1.1
1.2
0.449
0.432
Cali
25.1
23.1
5.2
5.3
0.504
0.515
Cartagena
33.4
32.7
4.7
5.9
0.488
0.482
Cúcuta
33.9
32.4
5.7
5.1
0.471
0.446
Ibagué
22.0
21.3
2.7
2.8
0.449
0.451
Manizales
19.2
17.6
2.3
2.4
0.471
0.455
Medellín
19.2
17.7
4.0
3.5
0.507
0.500
Montería
37.5
36.9
6.5
6.3
0.530
0.501
Pasto
40.6
36.8
8.8
8.0
0.522
0.502
Pereira
21.6
21.9
2.2
3.0
0.451
0.456
Villavicencio
23.0
21.6
4.0
3.9
0.467
0.469
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.27
また、上記 DANE の貧困率と極貧率を地図に示したものを次の地図 5 に示す。
19
地図 5
13 大都市圏の貧困地図(上)および極貧地図(下)(2011‐2012 年)
出典:DANE http://fundacionprogresarcuc.blogspot.jp/2013/04/mapa-colombiano-de-pobreza.html
(2014/1/20 アクセス)
20
Ⅳ.所得貧困以外による分析
1.概況とトレンド(国レベルの分析)・国際比較および地域比較
(1)多次元貧困指数 IPM
コロンビアでは 2011 年以降、DNP により多次元貧困指数 IPM(Índice de Pobreza
Multidimensional)が採用されている。これは 5 分野(教育、子ども/青少年少女、労働、保
健、公共サービス/居住環境)の 15 指標から構成されるもので、貧困を収入/支出水準以外
の条件から判断している30。
IPM で算出された結果では、図表 30 に示すように 2012 年に貧困水準は全国で 27.0%、自
治体中心部(都市部)で 20.6%、自治体中心部以外の地域(農村部)で 48.3%となってお
り、これらは前年との比較ではいずれも改善を示している。前述の図表 15(P.12)に示す
ように自治体中心部以外の地域(農村部)では貧困率が若干増加(2011 年 46.1%⇒2012
年 46.8%)した一方、IPM では 4.8 ポイントの改善(2011 年 53.1%⇒2012 年 48.3%)と
なっている。
図表 30
地域別に見た IPM(2011‐2012 年、%)
2011
2012
全国
29.4
27.0
自治体中心部(都市部)
22.2
20.6
自治体中心部以外の地域(農村部)
53.1
48.3
地域区分
2012-2011
-2.4
-1.6
-4.8
出典:DANE(2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.19
IPM の 15 指標と至近の値は下記の図表 31 に示される。
「非識字」、
「改良された水源へのア
クセスの欠如」、
「長期の失業」の 3 指標が若干の悪化を示している以外、残りの 12 指標で
は改善を示している。しかしながら個別指標を見ると、2012 年の「正規雇用の欠如」80%、
「低い教育達成度」が同 53.1%となっており、雇用と教育の質が大きな課題となっている
ことが示されている。
図表 31
IPM の 15 指標で見た全国貧困世帯の比率(2011-2012 年、%)
指標
2011
2012
2011-2012
1.排泄物の不適切な除去
14.5
12.1
-2.4
2.保健サービスへのアクセス難
8.2
6.6
-1.6
3.低い教育達成度
54.6
53.1
-1.5
4.幼児保育サービスの欠如
10.8
9.4
-1.5
5.狭い住居
14.2
13.1
-1.2
6.健康保険の欠如
19.0
17.9
-1.1
7.不適切な材質でできた住居外壁
3.2
2.2
-1.0
8.児童労働
4.5
3.7
-0.8
9.就学の遅れ
34.1
33.3
-0.8
10.未就学
4.8
4.1
-0.7
11.不適切な材質でできた床
6.3
5.9
-0.4
12.正規雇用の欠如
80.4
80.0
-0.4
13.非識字率
12.0
12.1
0.1
30
DANE(2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.17-18
なお、2010 年以降、HDR に採用さ
れている多次元貧困指数 MPI とは異なる算出方法であるので、混同しないよう注意が必要である。
21
14.改良された水源へのアクセスの欠如
15.長期の失業
12.0
9.1
12.3
10.0
0.3
0.9
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.19
また IPM を自治体中心部(都市部)と自治体中心部以外の地域(農村部)で見ると、
「3.低
い教育達成度」、「9.就学の遅れ」、「12.正規雇用の欠如」等が都市部農村部で共に数値が高
く大きな課題であると判断される。また都市農村部の比較でみると、「3.低い教育達成度」
で 40.8 ポイント、
「14.改良された水源へのアクセスの欠如」で 42.2 ポイントと両指標での
格差が突出している。その他にも「1.排泄物の不適切な除去」19.5 ポイント、
「11.不適切な
材質でできた床」17.2 ポイント、「13.非識字率」17.8 ポイントが存在し、農村部でのこれ
ら生活環境の未整備や公共サービスの遅れが存在していることを示している。
図表 32 IPM の 15 指標で見た地域別貧困世帯の比率(2012 年、%)
指標
A:自治体中心部
B:自治体中心部以
(都市部)
外の地域(農村部)
1.排泄物の不適切な除去
7.8
27.3
2.保健サービスへのアクセス難
5.9
9.1
3.低い教育達成度
44.1
84.9
4.幼児保育サービスの欠如
9.8
7.9
5.狭い住居
13.2
12.5
6.健康保険の欠如
18.3
16.7
7.不適切な材質でできた住居外壁
2.1
2.2
8.児童労働
2.8
7.0
9.就学の遅れ
31.3
40.6
10.未就学
3.0
7.9
11.不適切な材質でできた床
2.2
19.4
12.正規雇用の欠如
76.4
93.0
13.非識字率
8.2
26.0
14.改良された水源へのアクセスの欠如
3.0
45.2
15.長期の失業*
10.6
7.9
A-B
-19.5
-3.2
-40.8
1.9
0.7
1.6
0.1
-4.2
-9.3
-4.9
-17.2
-16.6
-17.8
-42.2
2.7
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.20 より作成
*:「12 か月以上の失業状態にある経済活動人口が世帯に少なくとも一人いる場合」と定義。
(2)人間開発指標 HDI
人間開発指標 HDI:2012 年のコロンビアの HDI 値は 0.719 であり、187 ヶ国/地域中 91 位
にランクし、人間開発高位国に分類される。1980 年から 2012 年の間、HDI 値は 0.556 か
ら 0.719 へと 29%増加(年率では平均 0.8%増加)であった。次の図表 33 に 1980 年から
2012 年の間の HDI の構成要素の推移を示す。各構成要素とも漸進的な上昇を示しており、
当該期間に出生時平均余命は 8.4 歳、予測就学年数は 4.7 年、平均就学年数 3 年、一人当た
り国民総所得 GNI(2005 年米ドル建て購買力平価)3,454 米ドル、HDI 値 0.163 の上昇を
示している。
22
図表 33
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2011
2012
コロンビアの HDI 値およびその構成要素値(1980-2012 年)
予測就
平均就
一人当たり国民総所得 GNI
出生時平均余命
学年数
学年数 (2005 年米ドル建て購買力平価)
65.5
8.9
4.3
5,257
67.6
8.9
4.8
5,050
68.3
9.3
5.5
5,788
69.4
10.3
6.1
7,687
71.0
11.5
6.5
6,470
72.3
12.5
6.7
7,030
73.5
13.6
7.3
8,127
73.7
13.6
7.3
8,455
73.9
13.6
7.3
8,711
HDI 値
0.556
0.573
0.600
0.634
0.658
0.681
0.714
0.717
0.719
UNDP(2013), Explanatory note on 2013 HDR composite indices, P.2
HDI の近隣国・地域内比較・国際比較を行うと、コロンビアの HDI である 0.719(2012 年)
という値は、
人間開発高位国の平均 0.758 および中南米カリブ地域の平均 0.741 を下回る。
中南米カリブ地域で 2012 年にコロンビアの HDI のランクと人口規模が近似している国はメ
キシコ(第 61 位)とブラジル(第 85 位)であることから、これらの国・地域の比較を下
記の図表 34 に示す。
図表 34
HDI 値
コロンビア
メキシコ
ブラジル
中南米カリブ
高人間開発国
0.719
0.775
0.73
0.741
0.758
コロンビアと他国・地域との HDI 比較(2012 年)
一人当たり国民総所得 GNI
HD
出生時平 予測就 平均就
(2005 年米ドル建て
I ランク
均余命
学年数 学年数
購買力平価)
91
73.9
13.6
7.3
8,711
61
77.1
13.7
8.5
12,947
85
73.8
14.2
7.2
10,152
74.7
13.7
7.8
10,300
73.4
13.9
8.8
11,501
UNDP(2013), Explanatory note on 2013 HDR composite indices, P.3
また次の図表 35 に示すように CIVETS31諸国との比較では、CIVETS の平均 HDI 値が 0.661
であることから、トルコの 0.722 に次いでコロンビアの値 0.719 が突出した状況になって
いる。個々の構成要素にてコロンビアと CIVETS 平均を比較すると、出生時平均余命は 3.3
年、予測就学年数 0.9 年、平均就学年数 1.0 年、一人当たり GNI2,522 米ドルと全ての構成
要素で上回っている。また、CIVETS 内 HDI 最上位のトルコとの比較では、2 つの教育指標
(予想就学年数および平均就学年数)ではトルコを上回る一方、出生時平均余命および一
人当たり GNI では下回る状態となっている。
31
BRICS に次ぐ新興国グループ Colombia、Indonesia、Vietnam、Egypt、Turkey および South Africa の頭文字を取っ
た表現。
23
図表 35
CIVETS 諸国における HDI 比較(2012 年)
一人当たり国民総所得 GNI
HD
出生時平 予測就 平均就
(2005 年米ドル建て
I ランク
均余命
学年数 学年数
購買力平価)
91
73.9
13.6
7.3
8,711
112
73.5
12.1
6.4
5,401
121
69.8
12.9
5.8
4,154
121
53.4
13.1
8.5
9,594
90
74.2
12.9
6.5
13,710
127
75.4
11.9
5.5
2,970
70.6
12.7
6.3
6,189
HDI 値
コロンビア
エジプト
インドネシア
南アフリカ
トルコ
ベトナム
CIVETS
0.719
0.662
0.629
0.629
0.722
0.617
0.661
UNDP(2013), Explanatory note on 2013 HDR composite indices, P.4
不平等調整済み HDI(IHDI)
:2010 年版 HDR より採用されている IHDI でみると、コロンビ
アの HDI 値 0.719 は下記図表 36 に示すように 3 項目(出生時平均余命、教育、収入)にお
ける分配の不平等により値を減じられ、IHDI0.519 と 27.8%の損失となっている。この損失
率は中南米カリブ地域平均 25.7%、高人間開発国平均 20.6%を上回る値である。特にコロ
ンビアの場合はメキシコ、ブラジルと比較しても収入の不平等による損失が 44.5%と高い
点が特徴である。
図表 36
IHDI 値
コロンビア
メキシコ
ブラジル
中南米カリブ
高人間開発国
コロンビアと他国・地域との IHDI 比較(2012 年)
全体損 出生時平均余命の不
教育の不平等
失%
平等による損失%
による損失%
27.8
13.7
21.5
23.4
10.9
21.9
27.2
14.4
25.3
25.7
13.4
23
20.6
12.4
19.9
0.519
0.593
0.531
0.55
0.602
収入の不平等
による損失%
44.5
35.6
39.7
38.5
28.6
UNDP(2013), Explanatory note on 2013 HDR composite indices, P.4
ジェンダー不平等指数 GII:従来の「ジェンダーに関連する開発指数」および「ジェンダー・
エンパワーメント指数」に代わり 2010 年版 HDR 以降採用されている GII は、3 分野 5 指
標:リプロダクティブ・ヘルス(妊産婦死亡率、若年女性妊娠率)、エンパワーメント(国
会における議席、中等高等教育の修了)、経済活動(労働力率)、から構成される。下記図
表 37 に示されるように、コロンビアの GII 値は 2012 年に 0.459(148 ヶ国中 88 位)であ
り、中南米カリブ地域平均 0.419、高人間開発国平均 0.376 を大きく上回っている。
図表 37
GII 値
コロンビア
メキシコ
ブラジル
中南米カリブ
高人間開発国
0.459
0.382
0.447
0.419
0.376
コロンビアと他国・地域との GII 比較(2012 年)
中等教育修了
若年女
国会に
GII
妊産婦
者比率
性妊娠
おける
ランク
死亡率
率
議席
女性
男性
88
92
68.1
13.6
43.8
42.4
72
50
65.5
36
51.2
57
85
56
76
9.6
50.5
48.5
74
70.6
24.4
49.8
51.1
47
45.9
18.5
62.9
65.2
UNDP(2013), Explanatory note on 2013 HDR composite indices, P.5
24
労働力率
女性
55.8
44.3
59.6
53.7
46.8
男性
79.7
80.5
80.9
79.9
75.3
多次元貧困指数 MPI:MPI は 2010 年版 HDR 以降、教育、保健および生活水準の観点から
世帯レベルにおける欠乏状態を示す指標として用いられている。コロンビアにおいて利用
可能な数値は 2010 年のものである32。下記の図表 38 に示すようにコロンビアでは人口の
5.4%が多次元貧困の状態にあり、追加的な 6.4%が多次元な貧困の危険にさらされている。
剥奪強度は、多次元貧困下で生活する人々が欠乏を経験した割合であり、これはコロンビ
アでは 40.9%である。またコロンビアの MPI 値は 0.022 であり、メキシコの 0.015、ブラ
ジルの 0.011 を上回っている。
図表 38
調査年
コロンビア
メキシコ
ブラジル
2010
2006
2006
コロンビアと他国における多次元貧困と所得で見た貧困との比較
下記の項目における不
多次元貧困の状
人口%
足状態の貧困全体への
態にある人口%
影響度
MPI 値
剥奪
貧困に対
極貧 貧困線
生活
人数
保健
教育
強度
し脆弱
状態
以下
水準
0.022
5.4
40.9
6.4
1.1
8.2
33.5
31.8
34.7
0.015
4
38.9
5.8
0.5
1.2
23.9
38.6
37.5
0.011
2.7
39.3
7
0.2
6.1
40.2
39
20.7
UNDP(2013), Explanatory note on 2013 HDR composite indices, P.6
この図表 38 が示すようにコロンビアの多次元貧困人口は 5.4%と貧困線以下人口 8.2%を
2.8 ポイント下回っている。これは所得貧困線以下で生活する人口が非所得資源へのアクセ
スを有していることを示している。またコロンビアでは保健、教育および生活水準の 3 項
目がほぼ同じレベルで貧困に影響を与えていることも判断される。
(3)ミレニアム開発目標 MDG
MDG の全体的な進捗状況:国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会 ECLAC は下記図表 39
に示す指標を用いてコロンビアの MDG の達成状況を継続的にモニタリングしている。
図表 39 コロンビアにおける MDG の達成状況測定のターゲットおよび指標
ゴール
目標とターゲット
指標
ゴール 1. 極度の貧困と ターゲット 1.A:2015 年までに 1 日 1.25 ド 指標 1.1 1 日 1.25 ドル
(購買力平価)
飢餓の撲滅
ル未満で生活する人口の割合を 1990 年の水 未満で生活する人口の割合
準の半数に減少させる。
ターゲット 1.B:女性、若者を含むすべての 指標 1.6 1 日 1 ドル(購買力平価)
人々に、完全かつ生産的な雇用、そしてデ
未満で生活する就業者の割合
ィーセントワークの提供を実現する。
ターゲット 1.C: 2015 年までに飢餓に苦し 指標 1.9 カロリー消費が必要最低限
む人口の割合を 1990 年の水準の半数に減少 のレベル未満の人口の割合
させる。
ゴール 2. 初等教育の完 ターゲット 2.A:2015 年までに、全ての子 指標 2.1 初等教育における純就学率
全普及の達成
どもが男女の区別なく初等教育の全過程を
終了できるようにする。
ゴール 3.ジェンダー平
ターゲット 3.A:2015 年までに、初等・中 指標 3.1 初等・中等・高等教育にお
等推進と女性の地位向
等教育における男女格差を解消し、2015 年 ける男子生徒に対する女子生徒の比
32
前述のコロンビアが DNP にて採用している多次元貧困指数 IPM とは異なるものであるので、HDR 記載の MPI との
直接比較などはできない。
25
上
までに全ての教育レベルにおける男女格差
を解消する。
ゴール 4. 乳幼児死亡率
の削減
ターゲット 4.A:2015 年までに 5 歳未満児
の死亡率を 1990 年の水準の 3 分の 1 に削減
する。
ターゲット 5B:2015 年までにリプロダク
ティブ・ヘルスへの普遍的アクセスを実現
する。
ターゲット 6B:2010 年までに HIV/AIDS の
治療への普遍的アクセスを実現する。
ゴール 5. 妊産婦の健康
の改善
ゴール 6. HIV/AIDS、マ
ラリア、その他疾病の蔓
延の防止
ゴール 7. 環境の持続可
能性確保
ゴール 8. 開発のための
グローバルなパートナ
ーシップの推進
ターゲット 7C:2015 年までに、安全な飲
料水及び衛生施設を継続的に利用できない
人々の割合を半減する。
ターゲット 8F:民間部門と協力して、特に
情報・通信における新技術による利益が得
られるようにする。
率
指標 3.3 国会における女性議員の割
合
指標 4.1 5 歳未満児の死亡率
指標 4.2 乳幼児死亡率
指標 5.2 医師・助産婦の立会による
出産の割合
指標 6.5 治療を必要とする HIV 感染
者のうち、抗レトロウイルス薬へのア
クセスを有する者の割合
指標 7.8 改良飲料水源を継続して利
用できる人口の割合
指標 7.9 改良衛生施設を利用できる
人口の割合
指標 8.16 人口 100 人当たりのイン
ターネット利用者数
出典:ECLAC MDG Country Profile Colombia
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/6 アクセス)
また図表 40 は上記の目標とターゲットおよび指標により各ゴールの達成度をレーダーチャ
ートに示したものである。ゴール 1、4、5、7 および 8 は既に 90%台後半、ゴール 2 も 80%
台後半と高い達成度を示しており、2015 年までの達成の可能性は高いと判断される。他方、
「指標 3.3 国会における女性議員の割合」、「指標 6.5 治療を必要とする HIV 感染者のうち、
抗レトロウイルス薬へのアクセスを有する者の割合」はそれぞれ 40.4%(2012)、57.3(2011)
と大きく遅れており、ゴール 3 および 6 での一層の努力が必要とされている。
図表 40
コロンビアにおける MDG 達成状況(1990 年ベースライン、現状と目標値の比較)
ターゲット1A:指標1.1
(2011)100.0
ターゲット8F:指標 100.0
ターゲット1B:指標1.6
94.0 (2011)
8.16 (2012)
ターゲット7C:指標7.9
(2011) 93.7
100.0 80.0
60.0
40.0
20.0
ターゲット7C:指標7.8
(2011)
98.7
ターゲット6B:指標6.5
(2011)
ターゲット1C:指標1.9
99.5 (2011)
ターゲット2A:指標2.1
88.3
(2012)
0.0
57.3
40.4
ターゲット5B:指標5.2
97.0
(2010)
ターゲット4A:指標4.2
(2012)
99.4
ターゲット3A:指標
94.7 3.1(2012)
ターゲット3A:指標3.3
(2012)
ターゲット4A:指標
4.1(2012)
99.4
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/6 アクセス)
26
これら情報は随時更新されており、ECLAC のコロンビアのカントリープロファイルのウェ
ブサイト上で常時公開されているものである33。
MDG における各ゴールの詳細分析:上記 ECLAC のウェブサイトでは、各ゴールに関連する
指標を掲載し、ベースラインである 1990 年から現在までの推移を示しているので、ここに
掲載する。
ゴール 1:極度の貧困と飢餓の撲滅
指標 1.1「貧困人口の割合」に関しては、図表 41 に示すように 1991 年以降約 20 年の期間
に、都市部および農村部の貧困は漸進的に低下傾向にある。低下幅は都市部貧困 24.2 ポイ
ント、農村部貧困 13.8 ポイント、都市部極貧が 13.4 ポイント、農村部極貧が 11.5 ポイン
トとなっており、都市部貧困層における改善が最も顕著であったと判断される。
図表41 地域別に見た貧困・極貧水準(1990-2012年、%)
52.7
40
57.2
56.6
50.6
46.9 45.4
50
61.2
45.7 45.1 44
45
41.4
54.4
37.3 35.9
42.5
34.6
33.4
20
20
10
19.8 18.6
33
33
28.8 29.1 28
21.9
17.2
都市部貧困
33.2
25.5
46.2 46.9
30.5 28.5
22.2 22.8
2007
11.2 9.8
8.2 7.1 6.6
2006
2005
2004
2003
2001
2000
1999
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1998
農村部極貧
2002
12.4 11.2
10.1 9.2
0
都市部極貧
29.1
2009
34.3
2008
30
50.5
農村部貧困
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/6 アクセス)
他方、貧困を男女比で見ると 1990 年代中頃に若干の低下傾向を示した後、長期的に女性の
貧困/極貧者数が増加している状況にある。次の図表 42 で示すように貧困男性 100 人当た
りの貧困女性者数は、1994 年に 104.1 人と最低値を示した後、2000 年代以降漸進的に増加
し、2012 年に同貧困女性者数は 111.5 人にまで達した。更に極貧者数でみると、極貧男性
100 人に対する極貧女性数は 124.2 人と更に大きな悪化を示している。前述のように貧困・
極貧層の全国レベルでの比率は同じ期間に低下傾向にあったことから、2000 年代以降貧困
33
ECLAC MDG Country Profile Colombia
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2
(2014/1/6 アクセス)
27
2012
60
61.8
60.1
2011
62.3
60.7
2010
70
層に取り残された人々の中での貧困・極貧女性の割合が増加した、つまりコロンビアにお
いて貧困の女性化が進展したと判断される。
図表42 貧困男性100人当たりの貧困女性数(1990-2012年)
130
125
117.4 117.7
120
111.8
115
109.0
109.1
104.1
105
107.4
106.7
100
124.2
112.9 113.8 114.2
111.3
110
119.5
122
107.8
105.3 107.1
105.0
104.1
108.3
111.1 110.9
114.6
113.0
115.5
95
貧困
極貧
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/6 アクセス)
ゴール 2:初等教育の完全普及の達成
次の図表 43 に示すように初等教育の純就学率は 2012 年で 86.5%と 2000 年の 96.5%の水
準に回復していないものの、15-19 歳人口における初等教育修了者の比率が 2012 年に
95.1%にまで上昇していることから初等教育修了者層における就学開始の遅れ、留年もしく
は学業中断などの要因があると判断される。また 20-24 歳人口における中等教育修了者の
比率が 2012 年で 66.5%と同年の初等教育修了者比率と比較して約 30 ポイント程低いこと
から、初等教育修了後の中等教育への進学・アクセスに課題があるとも判断される。
図表 43
教育関連指標の推移(1990-2012 年、%)
1990
2000
2012
指標 2.1 初等教育の純就学率
70.7(1991)
96.5
86.5
指標 2.2 15-19 歳人口における初等教育の修了者
80.0(1991)
87.8(1999)
95.1
の比率
20-24 歳人口における中等教育の修了者の比率
32.8(1991)
48.9(1999)
66.5
指標 2.3 15-24 歳人口における男女合計の識字率
90.5(1993)
98.0(2004)
98.2(2011)
公共支出に占める教育の割合
2.7(1989)
3.5
4.4(2011)
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/6 アクセス)
ゴール 3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
次の図表 44 に示すように、2012 年の数値では就学年数が 0~5 年の場合を除いて、女性の
収入水準は就学年数が増加するにしたがってわずかながら増加する。しかしながら就学年
数にかかわらず、女性の収入水準は男性のそれより 2 割前後少ない状況にあり、コロンビ
28
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
90
アでは現在も女性に対する賃金差別が歴然と存在していると判断される。
図表44 就学年数別で見る男性の収入対女性の収入
(男性の収入を100米ドルとする場合、2012年)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
88.8
81.4
0~5年
全体
76.9
77.7
79.2
6~9年
10~12年
13年以上
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/7 アクセス)
また、指標 3.3「国会に占める女性議員比率」に関しては、次の図表 45 に示すように 1990
年代後半に上昇したものの、その後頭打ち状態にあり、2013 年現在でも 12%台に留まって
いる。
図表45 国会に占める女性議席比率(1990-2013年、%)
14
8.4
8.4
8.4
8.4
2007
2008
2009
10
2006
12
12.7
11.8 11.8 11.8 12.0 12.0 12.0 12.1
11.7
12.1 12.1 12.1
8
6
4.5
4
2
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/7 アクセス)
ゴール 4:乳幼児死亡率の削減
指標 4.2「乳幼児死亡率」に関しては 1990 年代以降漸進的に低下傾向にあり、大きな成果
を上げている。次の図表 46 が示すように乳幼児死亡率は 1990 年から 2012 年の間に出生
1,000 人当たり 28.9 から 15.1 へ、同様に指標 4.1「5 歳未満児死亡率」は同期間に 35.1 か
29
2013
2012
2011
2010
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
ら 17.6 へと共にほぼ半減している状態にある。
図表46 子どもの死亡率の推移
(1990-2012年、出生1000人当たり)
40
35.1
35
34.1
33.1
32.1
31
30
30
28.9
25
28.1
27.3
26.6
25.8
25
28.9
24.2
27.9
23.4
20
26.9
22.6
26
21.9
25.2
21.3
24.4
20.7
23.7
20.1
15
23
22.3
21.7
21.1
20.5
19.9
19.3
18.7
18.1 17.6
19.5 19
18.5 18
17.5 17
16.5 16.1
15.6 15.1
5歳未満児死亡率
乳幼児死亡率
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
しかしながら図表 47 に示すように、指標 4.3「はしかの予防接種を受けた 1 歳児の割合」
に関しては、コロンビアの場合 1990 年には中南米カリブ諸国の平均を上回る水準であった
ものが、2000 年代には停滞状態にあり、2011 年時点でも中南米カリブ諸国の平均である
93%を 5 ポイント下回る 88 ポイントとなっている。
図表47
100
82
1歳児のはしか予防接種比率(1990-2011年、%)
93
91
88
88
76
50
0
1990
2001
コロンビア
2011
中南米カリブ諸国
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
ゴール 5:妊産婦の健康の改善
次の図表 48 に示すように指標 5.1「妊産婦死亡率」は 1990 年代後半に停滞期があったもの
30
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
10
の、それ以降は漸進的に低下傾向にあり、2010 年には出産 10 万人当たり 92 と 1990 年の
同 170 と比べて約 54%の水準にまで低下している。他方、中南米カリブ諸国平均値との比
較では、常に遅れをとっており 2010 年時点でも中南米カリブ諸国平均は同 81 とコロンビ
アとの間に 11 ポイント差を生じている。
図表48 妊産婦死亡率(1990-2010年、出産10万人当たり)
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
170
140
130
120
130
100
1990
1995
コロンビア
2000
100
88
2005
92
81
2010
中南米カリブ諸国
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
その他母子保健に関する関連指標を見ると、図表 49 に示すように指標 5.2「医師・助産婦
の立会による出産の割合」は 2011 年時点で 99.3%と高い達成度を示している。また指標
5.5「産前ケアの機会」も「少なくとも 1 回の健診実施」が 2010 年で 97.0%、
「少なくとも
4 回の健診実施」88.6%と達成度は高い。他方、指標 5.3「避妊具普及率」は 1990 年以降
向上はしているものの、2011 年時点でいまだ 79.1%となっている。
図表 49
ゴール 5 関連のコロンビア母子保健指標(1990‐2011 年、%)
1990
2000
2011
指標 5.2 医師・助産婦の立会による出産の割合
80.6
86.4
99.3
指標 5.3 避妊具普及率
66.1
76.9
79.1(2010)
指標 5.5 産前ケアの機会
少なくとも 1 回の健診実施
82.0
90.8
97.0(2010)
少なくとも 4 回の健診実施
67.0
81.0
88.6(2010)
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
上記避妊具普及の伸び悩みは、次の図表 50 に示すように思春期の女性による高い出産率に
影響を与えている。指標 5.4「思春期女性による出産率」は 1990 年代後半にかけて一度は
低下傾向を示していたものの、2000 年代半ばに再度上昇を示した。結果として 1990 年代
及び 2000 年代を通じて「思春期女性による出産率」はほぼ横ばい状態である。この間の人
口増加を考えれば、出産の実数としては増加していると判断される。
31
図表50 思春期の女性による出産率 (1993‐2008年、1000人当たり)
100
96.2
95
91.8
91.9
90
85.3
85
82.6
80
85.1
80.6
75
70
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
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ゴール 6:HIV/AIDS、マラリア、その他の疾病蔓延の防止
指標 6.5「治療を必要とする HIV 感染者のうち、抗レトロウィルス薬へのアクセスを有する
者の割合」は 2011 年の値では 45.8%と半数にも満たない状態である34。また、下記の図表
51 に示すように指標 6.9「結核の有病率および結核による死亡率」は漸進的に低下傾向に
あり、結核有病率は 1990 年から 2010 年の間に 80 から 48 へと 4 割減少し、結核死亡率も
1990 年から 2011 年の間に 7 割減少した。現在では結核死亡者は人口 10 万人当たり 1.9 人
となっている。
図表51 結核有病率及び死亡率(1990‐2011年、人口10万人当たり)
100
80
60
80 80 79 81 80 79 78 76
73 67
63 61 60 59 58 57
56 51 54 52
48
6.4 6.4 6.2
6
5.7 5.3 4.9 4.4
4
3.7 3.4 3.2 3.2 3.1 2.9 2.8 2.7 2.5 2.3 2.2
2
1.9
1993
1994
1998
1999
2010
2011
20
1990
40
結核有病率
結核による死亡率
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
34出典:ECLAC Country Profile Colombia
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
32
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1997
1996
1995
1992
1991
0
ゴール 7:環境の持続可能性確保
次の図表 52 に示すように、指標 7.3「オゾン層破壊物質の消費量」は 1990 年の 2,152.7 メ
ートルトン/人から 2012 年には 284.8 メートルトン/人へと 1990 年の 13%の水準にまで劇
的に減少している。また指標 7.6「保護対象となっている陸域と海域の割合」は 2012 年に
20.8%と 2 ポイント上昇している他、指標 7.10「スラムに居住する都市人口の割合」は 2009
年に 1990 年水準の約 46%にまで減少した。しかしながら指標 7.1「森林面積の割合」およ
び指標 7.2「一人当たり二酸化炭素の総排出量」は過去 20 年の間に若干の数値悪化が見ら
れる。
図表 52
ゴール 7 関連の環境関連指標(1990‐2012 年)
1990
2000
指標 7.1 森林面積の割合(%)
56.3
55.4
指標 7.2 一人当たり二酸化炭素の総排出量(メートルトン)
1.7
指標 7.3 オゾン層破壊物質の消費量(ODP メートルトン)
2,152.7
指標 7.6 保護対象となっている陸域と海域の割合(%)
18.0
指標 7.10 スラムに居住する都市人口の割合(%)
31.2
1.5
1,155.8
18.7
22.3
2012
54.5
(2010)
1.6 (2010)
284.8
20.8
14.3
(2009)
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
ゴール 8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
コロンビアにおける通信サービスの普及は 2000 年代初めにインターネット利用者数が急激
な増加を開始してから大きく変容した。下記の図表 53 に示すように、従来の電話線加入者
数は 2000 年代に入り漸減しはじめ、2011 年には電話線加入者数が人口 100 人当たり 15.2
人となる一方、携帯電話加入者数が急増し、2012 年には人口 100 人当たり 98.5 人が携帯
電話に加入している状況にある。また携帯電話普及と同時期にインターネット利用者数も
漸増しており 2012 年には約 2 人に 1 人がインターネットを利用している状況となった。
図表53 通信サービスの人口100人当たりの加入者・利用者数(1990-2012年)
100
98.5
80
60
49
40
7.3
電話回線加入者数
携帯電話加入者数
2011
2010
インターネット利用者数
出典:ECLAC Country Profile Colombia より作成
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/9 アクセス)
33
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0 0
15.2
2012
20
2.食糧安全保障・脆弱性による分析
コロンビアにおいては、WFP の食糧脆弱度分析と地図化 VAM は実施されていない。その
ため本節では WFP が実施したコロンビアにおける弱者層の食糧と栄養の安全に係る評価
(2011 年 5 月発表)を引用する。これは国内紛争による暴力の影響が大きく、先住民族や
アフリカ系コロンビア人の人口が集中する 11 自治体において 2007 年から 2010 年まで実施
された調査結果に基づいたものである35。
同報告書は、食糧へのアクセスにおいてより大きな問題を抱える人口グループを特定し、
これを 3 グループ(より脆弱、脆弱、あまり脆弱でない)に分類した。そしてこれらグル
ープに属する人々を下記の図表 54 のように示している。
図表 54 コロンビア国内において食糧問題を抱える人口グループ
脆弱度
人口グループ
より脆弱
国内避難させられた先住民族、紛争地域居住者、不法耕作地居住者、追放
(厳しい食糧不安)
された人々
女性世帯主のみ、子どものみ、もしくは年老いた/障害のある世帯主の家計
で最近(1 年以内に)国内避難をさせられた人々、特にアフリカ系コロン
ビア人の場合を含む。
(1~2 年の間に)国内避難させられた世帯で子供が多いなど扶養家族が多
く、また社会保障プログラムでカバーされていない人々、特にアフリカ系
コロンビア人の場合を含む。
脆弱
(日雇い労働者、小規模農業従事者、構成員の多い家族等)脆弱な居住者
(穏やかな食糧不安)
国内避難したのち帰還したが、支援を受けていない人々
あまり脆弱でない
3 年以上国内避難しているが、支援プログラムが不十分。
(食糧不安のリスク下 国内避難した後に帰還し、支援を受けている。
にある)
WFP(2011), Evaluación de la situación de seguridad alimentaria de poblaciones vulnerables en Colombia,
Resumen Ejecutivo, P.2
http://documents.wfp.org/stellent/groups/public/documents/ena/wfp240720.pdf (2014/1/8 アクセス)
上記 WFP の評価では、約 57,000 世帯が食糧不安の状態にあり、かつ政府の支援プログラ
ムでカバーされていないとされている。食糧不安の原因としては、1)構造的な要因、2)
国内紛争に起因する要因が挙げられる。前者の「構造的要因」としては、生産を行うため
の資産へのアクセスが制限される、人的資本形成が遅れている、基礎サービス・保健等へ
のアクセスが制限されている、収入源がインフォーマルで不安定である、等が指摘される。
また「国内紛争」はこの「構造的要因」を資産の喪失(土地・生産資産・住居、社会保護
ネットワークの破壊)を通じて更に悪化させる。更に「国内紛争」は住民や経済活動従事
者に対し絶え間ない脅迫を行い経済生産活動の発展を制限し、彼らの経済活動放棄、ひい
ては失業を引き起こしている。また彼らの移動の自由を奪うことで経済生産活動のみなら
ず、保健教育などの基礎サービスや人道的支援へのアクセスも制限し、急激な食糧不安を
生み出す結果となっている。
35
WFP(2011), Evaluación de la situación de seguridad alimentaria de poblaciones vulnerables en Colombia, Resumen
Ejecutivo, http://documents.wfp.org/stellent/groups/public/documents/ena/wfp240720.pdf (2014/1/8 アクセス)
34
WFP の評価ではこうした食糧不安に直面するグループが所在する地域の特徴を下記の様に
分析している36。
 国内避難させられた人々の状況は大都市よりも中小都市においてより悪い。
 活発な武装グループが存在し、監禁/幽閉や国内避難のリスクが非常に高く、先住民族
やアフリカ系コロンビア人が居住する僻地コミュニティ
 紛争が継続中で国内避難民人口が発生と受け入れの両方の面で多い地域で、雨季にお
ける自然災害で影響を受けた地域(Chocó、Córdoba、Valle del Cauca、Huila、Tolima、
Meta、Arauca、Caquetá、Nariño、Putumayo 県等)
36
WFP(2011), P.4
35
Ⅴ.社会的属性・特性と貧困との関連の分析
1.社会的に排除されているグループの存在と貧困指標との関連
下記に述べる社会グループについてはこれらグループを直接対象とした貧困指標は確認さ
れないものの、コロンビア国内において明らかに社会的脆弱層であると考えられているた
め、ここに記載する。
(1)国内避難民
コロンビアでは 1960 年代半ば以降 50 年近くにわたり、左翼系反政府非合法武装勢力(左
翼ゲリラ)であるコロンビア革命軍 FARC 及び国民解放軍 ELN 等が反政府活動を行ってき
た他、1990 年代になると極右民兵組織(パラミリタリー)が活動を活発化し始め、これに
1970 年代末からコカインの生産・密輸を拡大させていた麻薬マフィアの活動が相まってこ
れらの勢力の活動や衝突により、現在までに 600 万人37近くにのぼる内戦被害者が発生し
た。これにより生じた 500 万人以上に上る避難民の問題は、流出元の農村部のコミュニテ
ィ崩壊や流入先の都市部における深刻な社会インフラ不足を生じさせ、また各武装勢力は
その過程で莫大な人権侵害を引き起こし大きな社会問題となった38。UNHCR39によれば、
2013 年中旬の数値として国内避難民 4,744,096 人、亡命者 394,007 人と算出している。ま
たコロンビアの国家情報ネットワークにて把握された内戦被害者全体の数値のうち国内避
難民と考えられる強制立ち退きの被害者数は 82.3%を占めているとされる。
国内避難民の状況について詳細統計が確認されなかったため、ここでは参考として「国内
紛争の被害者」の内訳を以下に示す。下記の図表 55 は 27~60 歳の年齢人口に被害者が集
中している一方、子ども・青少年人口、老年人口も例外なく犠牲者となっていることを示
している。
図表55 年齢層別に見た国内紛争の累積被害者数(2013年12月1日時点)
627,040
384,289
不明
61~100歳
27~60歳
18~26歳
13~17歳
6~12歳
0~5歳
1,950,580
1,015,808
754,052
826,133
408,309
0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
出典:国家情報ネットワーク http://rni.unidadvictimas.gov.co/?page_id=1629 (2014/1/8 アクセス)
37
国家情報ネットワーク(Red Nacional de Información)によれば、2013 年 12 月 1 日時点での国内紛争被害者(登録
者)は 5,966,211 人、被害事象は 6,680,249 ケースに達する。http://rni.unidadvictimas.gov.co/?page_id=1629 (2014/1/9
アクセス)
38
外務省
国別データブック
コロンビア、
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/12_databook/pdfs/06-11.pdf(2014/1/9 アクセス)
39
UNHCR Colombia http://www.unhcr.org/cgi-bin/texis/vtx/page?page=49e492ad6 (2014/1/9 アクセス)
36
また、次の図表 56 のジェンダー統計が示すように、国内紛争被害は男女関係なく発生して
おり、累積実数では女性被害者が若干男性を上回る状況となっている。
図表56 性別に見た国内紛争の累積被害者数(2013年12月1日時点)
女性
2,965,646
男性
2,946,918
45,778
情報なし
不特定
7,448
LGBTI
421
0
被害者数
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
出典:国家情報ネットワーク http://rni.unidadvictimas.gov.co/?page_id=1629 (2014/1/9 アクセス)
(2)地雷被害者
上記国内紛争では、115,532 人(2013 年 12 月 1 日時点)の障害者40を生む結果となってい
るが、その中でも大きな原因となっているのが対人地雷による被害である。背景には左翼
ゲリラがコロンビア国軍の兵力低下、重要な資金源となっていたコカ栽培地の保護等のた
めに地雷を敷設し、この地雷による被害者が 2000 年代に急増した(図表 57 参照)ことが
ある。現在ではコロンビア政府による対左翼ゲリラ対策と地雷除去作業の進展により 2000
年代後半以降低下傾向を示したが、2013 年時点で累積被害 10,607 人(死亡者・負傷者含
む)に達している。
図表57 地雷負傷者および死亡者の推移(1990-2013年)
1200
1000
800
600
400
200
地雷負傷者
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
地雷死亡者
出典:PPAIMA http://www.accioncontraminas.gov.co/Paginas/victimas.aspx (2014/1/10 アクセス) より作成。
40
国家情報ネットワーク http://rni.unidadvictimas.gov.co/?page_id=1629 (2014/1/9 アクセス)
37
また地雷被害者の内訳を見ると、図表 58 に示すように国軍関係者の被害者が多く、また男
性の被害者が大多数である。
図表 58
民間人
国軍
男性
女性
不明
地雷被害者の内訳(1990-2013 年の累積:人、かっこ内は%)
負傷者
死亡者
合計
3,327(31.4)
789( 7.4)
4,116(38.8)
5,124(48.3)
1,367(12.9)
6,491(61.2)
7,962(75.1)
2,038(19.2)
10,000(94.3)
459( 4.3)
101( 1.0)
560( 5.3)
30( 0.3)
17( 0.1)
47( 0.4)
出典:PPAIMA http://www.accioncontraminas.gov.co/Paginas/victimas.aspx
(2014/1/10 アクセス) より作成。
(3)エスニック・グループ
コロンビアではエスニック・マイノリティとして先住民族、ジプシー、ライサル人、黒人・
アフリカ系コロンビア人、パレンケ人が生活している。図表 59 に示すように、全人口に対
する比率を見た場合、黒人・アフリカ系コロンビア人が 10.52%、先住民族が 3.43%と比較
的大きいグループを形成する一方、ジプシー、ライサル人、パレンケ人は 3 グループ合計
でも 0.1%をわずかに超える程度で非常に小さいグループとなっている。
図表 59
コロンビア国内エスニック・グループの人口(2005 年)
人口
比率%
先住民族
1,392,623
3.43
ジプシー
4,858
0.01
ライサル人
30,565
0.08
パレンケ人
7,470
0.02
黒人・アフリカ系コロンビア人
4,273,722
10.52
非エスニック人口
34,898,170
85.94
出典:センサス 2005
また下記の地図 6 に示すように、居住地域で見ると先住民族は東部国境地域に、アフリカ
系コロンビア人は西部の太平洋岸地域および島嶼県に多く居住している。
地図 6
先住民族居住地域(左)とアフリカ系コロンビア人居住地域(右)
出典:DANE (2005), Mapa étnico
http://www.dane.gov.co/files/censo2005/etnia/sys/etnias.pdf (2014/1/10 アクセス)
38
エスニック・グループの教育達成度を見ると、次の図表 60 に示すように義務教育を終了し
ていない割合は先住民族が 30.1%(2005 年)と突出しており、またアフリカ系コロンビア
人も同 12.3%と全国平均の同 10.2%を超えている。またこれら 2 つのエスニック・グルー
プは基礎教育前期(6 歳から 11 歳)で就学を終了してしまっている割合が全国平均を超え
て高く、先住民族の場合はそれ以降の教育段階を終了している比率も全国平均を大きく下
回っている。本章の後述「2.3 教育水準」(P.41)で示すように「世帯主の終了した教育段
階が高い程、世帯の貧困度が低い」という傾向はコロンビア社会において明確となってい
ることから、これら先住民族及びアフリカ系コロンビア人における貧困率の高さには教育
水準の低さが影響していることが推測される。
図表60 エスニックグループ別教育達成度(2005年)
50
43.7
45
40
37.2
38.1
36.8
35
30.1
30
27.6
27.0
25
19.0 20.218.2 19.2
20
15
16.9
17.4
12.7
11.9
11.3
8.1
8.1
10
5
16.2 16.6
4.7 4.2 5.2 4.2 4.7
10.2
12.3
9.2
6.5
2.7
0
就学前
基礎教育前期
全国
先住民族
基礎教育後期
中等教育
アフリカ系コロンビア人
高等教育
ジプシー
該当なし
非エスニック
出典:DANE (不明), la Visibilización estadística de los grupos étnicos colombianos, P.42
前述の国内内戦の影響は、次の図表 61 に示す国内紛争の直接被害として現れている。特に
アフリカ系コロンビア人被害者は約 55 万人、先住民族被害者は約 12 万人となっており、
これらエスニック・グループへの影響は少なくないことが理解される。
また、保健関連では、妊産婦死亡率において、パレンケ人の場合は新生児 10 万人当たり 636.9
(2010)、ジプシーの場合、同 512.8 と非常に高い値となっている。また先住民族の場合も
同 205.8 である。いずれにしても全国平均値 71.6(2010 年)からは非常に乖離した数値で
あり、早急な対応が望まれる課題の一つである41。
41
DNP (2013), COMPES Social, P.25
39
図表61 人種別内戦被害者数(2013年12月1日時点)
6,000,000
5,271,436
4,000,000
2,000,000
28,250
478
7,784
533,337
295
パレンケ人
黒人・アフリ カ
系コロンビア人
ライサル人
不特定
ジプシー
インディヘナ
白人・混血
0
124,631
出典:国家情報ネットワーク http://rni.unidadvictimas.gov.co/?page_id=1629 (2014/1/9 アクセス)
特に先住民族およびアフリカ系コロンビア人のエスニック・グループは前述の「Ⅳ.所得貧
困以外による分析」の「2.食糧安全保障・脆弱性による分析」(P.34)で示したように、
WFP の食糧安全評価において「より脆弱(厳しい食糧不安)」に分類されていることから、
より貧困に陥りやすい環境に置かれていると判断される。
2.その他の要因と貧困との関連
(1)性別
世帯主の性別にみた貧困状況は、下記の図表 62 及び同 63 に示すように全国、自治体中心
部(都市部)および自治体中心部以外の地域(農村部)のいずれの地域区分でも女性世帯
主の家計の方が男性のそれより貧困率、極貧率ともに高い状況にある。全国貧困率では女
性世帯 35.5%、男性世帯 31.5%と 4 ポイント高く、全国極貧率もそれぞれ 11.8%、9.8%と
2 ポイント高くなっている。
性別
男性
女性
図表 62 世帯主の性別でみた所得貧困層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
31.5
26.1
45.7
35.5
32.8
51.2
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.21
性別
男性
女性
図表 63 世帯主の性別でみた所得極貧層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
9.8
5.3
21.6
11.8
9.1
27.7
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.24
(2)年齢
世帯主の年齢層別に見た貧困率及び極貧率は次の図表 64 および図表 65 にそれぞれ示され
る。自治体中心部(都市部)の場合年齢が低い程貧困・極貧率ともに増加傾向にある。自
治体中心部以外の地域(農村部)では 26~45 歳と働き盛りの年齢層における貧困・極貧率
40
が最も高い。
全体的に自治体中心部(都市部)の方が自治体中心部以外の地域(農村部)より貧困・極
貧率ともに低く、両地域における値の差は年齢層が高くなるほど開く傾向にあり、これは
とりわけ極貧率の場合において顕著である。
図表 64
年齢層
25 歳以下
26~35 歳
36~45 歳
45~55 歳
56~65 歳
65 歳超
世帯主の属する年齢層でみた所得貧困層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
37.8
35.8
43.4
38.2
34.2
50.8
36.8
32.3
50.6
29.3
24.8
45.0
27.0
22.6
42.0
27.6
23.1
42.7
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.21
図表 65
年齢層
25 歳以下
26~35 歳
36~45 歳
45~55 歳
56~65 歳
65 歳超
世帯主の属する年齢層でみた所得極貧層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
13.3
10.2
22.0
12.5
8.5
25.1
11.8
7.4
25.4
8.6
5.3
20.2
8.7
5.0
21.3
8.5
5.0
19.9
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.24
(3)教育水準
世帯主の教育水準ごとで区分した貧困・極貧率はそれぞれ下記の図表 66 および図表 67 の
通りである。地域区分にかかわらず教育水準が高い程貧困・極貧率が減少する傾向が明確
に示されている。特に中等教育修了以下の世帯主とそれ以上の学歴層の世帯主の値におけ
るかい離が非常に大きいのが特徴である。
図表 66
教育水準
なし/初等
中等
技術/専門学校
大学/大学院
世帯主の教育水準でみた所得貧困層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
44.6
41.0
50.4
28.5
27.3
36.6
9.0
8.8
13.2
5.3
5.2
9.0
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.21
図表 67
教育水準
なし/初等
中等
技術/専門学校
大学/大学院
世帯主の教育水準でみた所得極貧層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
16.2
10.8
24.8
6.7
5.3
16.3
1.8
1.6
7.0
1.1
1.0
4.6
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.24
41
(4)雇用
世帯主の就労状況でみた貧困・極貧率はそれぞれ図表 68 および図表 69 の通りである。こ
こでも自治体中心部(都市部)より自治体中心部以外の地域(農村部)の貧困・極貧率が
高いことは明らかである。しかしながら世帯主が就労中の場合でも、全国レベルでの貧困
率が 31.9%、同極貧率が 9.5%となっており、世帯主の労働から得られる所得だけでは貧困・
極貧から脱せない状況が確認される。
図表 68
就労状況
失業中
就労中
休職中
世帯主の就労状況でみた所得貧困層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
52.6
51.2
62.9
31.9
27.1
45.5
31.6
27.4
52.6
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.21
図表 69
就労状況
失業中
就労中
休職中
世帯主の就労状況でみた所得極貧層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
22.6
20.5
37.4
9.5
5.4
21.5
11.4
7.9
28.7
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.24
(5)職位
世帯主の職位別で見た貧困・極貧率を図表 70 および図表 71 で示す。貧困率では世帯主が
自営業者およびその他職位に属する世帯の貧困・極貧率が全国レベルではそれぞれ 45.1%、
43.3%と他の職位に比べて非常に高い。これについで会社員、経営者の貧困率が高いが、世
帯主が公務員である世帯の貧困・極貧率はいずれの地域区分でも非常に低い状態にある。
図表 70
職位
会社員
公務員
その他
自営業
経営者
世帯主の職位でみた所得貧困層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
20.5
19.2
24.8
2.4
2.3
3.4
43.3
42.0
49.4
45.1
38.3
61.5
15.9
10.5
30.2
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.21
職位
会社員
公務員
その他
自営業
経営者
図表 71 世帯主の職位でみた所得極貧層(2012 年、%)
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
3.0
2.0
6.3
0.2
0.1
1.8
13.3
9.9
29.9
16.0
9.1
32.8
3.5
1.0
10.3
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.24
42
(6)世帯構成(子どもの数・被雇用者数)
次の図表 72 および図表 73 に世帯構成と貧困率、また極貧率との関係を示す。ここでは明
確に、子どもの数が多い程、また世帯における就業者が少ない程貧困・極貧率が高くなる
傾向が明確に示されている。特に 12 歳以下の子どもの数が 3 人以上の世帯の貧困率は全国
で 71.89%(自治体中心部 68.65%、自治体中心部以外の地域 76.77%)と非常に高くなって
いることが理解される。
また世帯の中に就業者が複数いる場合でも貧困率は高く、特に自治体中心部以外の地域(農
村部)では就業者が 2 人以上いる世帯の貧困率が 41.56%、極貧率が 18.16%となっている。
これは夫婦共働き、世帯主とその子どもが共に働いても貧困から抜け出せない状況を示し
ている。
図表 72 世帯構成と貧困率の関係(2012 年、%)
世帯の特徴
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
子どもなし
17.32
14.67
28.53
29.44
26.64
39.89
12 歳以下の子 一人
どもの数
二人
44.54
41.06
54.44
三人以上
71.89
68.65
76.77
就業者なし
48.45
44.51
67.29
世帯における
一人
41.66
37.95
51.80
就業者の数
二人以上
25.84
21.33
41.56
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.22
図表 73 世帯構成と極貧率の関係(2012 年、%)
世帯の特徴
全国
自治体中心部(都市部) 自治体中心部以外の地域(農村部)
子どもなし
4.62
2.92
11.80
7.58
5.06
16.99
12 歳以下の子 一人
どもの数
二人
13.05
8.99
24.58
三人以上
32.36
23.22
46.12
就業者なし
25.14
21.14
44.28
世帯における
一人
13.87
9.17
26.72
就業者の数
二人以上
6.77
3.50
18.16
出典:DANE(2012)Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.22
43
Ⅵ.貧困に影響を与えている国内外の要因
1.貧困層・社会的弱者に影響を与えている短期的・長期的要因、リスクとショック
(1)国内紛争
1960 年代半ば以降 50 年近く続くコロンビアの国内紛争は、2013 年 12 月時点で 650 万件
を超える被害件数と 600 万人近い被害者を発生させている。これは紛争地域となった農村
部の社会不安、経済停滞、人権侵害によりコミュニティ崩壊を招き、避難民が流入するの
都市部における深刻な社会インフラ不足を生じさせた。紛争による被害は反社会勢力によ
る直接的な暴力行為だけでなく、図表 74 に占めすように多岐にわたり、その中で最も件数
及び被害者数が大きいのが住民の「国内避難」の項目であり、約 55 万件と全体の 82.5%を
占める。次いで多いのが殺人で全体の 11.0%に相当する。
図表 74 国内紛争被害件数(2013 年 12 月 1 日時点の登録件数)
被害内容
件数
割合%
土地の強制的放棄・略奪
7,329
テロリスト行為
53,032
脅迫
108,575
人権侵害・性的暴力
3,654
強制失踪
102,480
国内避難
5,514,336
殺人
737,313
対人地雷
10,705
動産・不動産の損失
83,865
誘拐
32,341
拷問
9,812
子ども・青少年少女に対する犯罪
7,726
その他
0
情報なし
9,081
合計
6,680,249
出典:国家情報ネットワーク、http://cifras.unidadvictimas.gov.co/
0.1
0.8
1.6
0.1
1.5
82.5
11.0
0.2
1.3
0.5
0.1
0.1
0
0.1
100.0
(2014/1/10 アクセス)
地域別に見ると国内紛争被害の発生はほぼ全国で発生しており、その中でも Antioquia 県が
最大の被害地である。同県では発生件数 127 万件、被害者数は 114 万人に達している。次
いで Bolivar 県が発生件数 48 万件、被害者数 45 万人を記録している。次の図表 75 に 2013
年 12 月 1 日までの県別の累積値を示す。
44
1,400,000
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
0
Amazonas
Antioquia
Arauca
Atlántico
Bogotá DC
Bolívar
Boyacá
Caldas
Caquetá
Casanare
Cauca
Cesar
Choco
Córdoba
Cundinamarca
Guainía
Guaviare
Huila
La Guajira
Magdalena
Meta
Nariño
Norte de Santander
Putumayo
Quindío
Risaralda
San Andrés,…
Santander
Sucre
Tolima
Valle del Cauca
Vaupés
Vichada
不明
図表75 県別に見た国内紛争被害者数および被害件数(2013年12月1日までの累積)
被害者数
被害件数
出典:国家情報ネットワーク、http://cifras.unidadvictimas.gov.co/
(2014/1/9 アクセス)
また国内紛争被害の経年変化を見ると、下記の図表 76 に示されるように 2000 年代前半に
急増し、ピーク時の 2002 年には年間被害者数 666,626 人、同被害件数 693,241 件にまで達
した。その後、前ウリベ政権(2001~2010 年)及びそれを引き継いだ現サントス政権
(2010~2014 年)の治安対策の効果もあり 2013 年時点では年間被害者数 84,792 人、同被
害件数 101,668 件にまで大きく低下している。なお、国家情報ネットワークはそのウェブ
サイトに 1986 年以降の国内紛争被害者数を動画地図上にて掲載しており、その経年変化を
視覚的に把握できるようにしている42。
図表76 国内紛争被害件数と被害者数の推移(2013年まで)
800,000
600,000
400,000
200,000
1985以前
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
被害者数
被害件数
出典:国家情報ネットワーク、http://cifras.unidadvictimas.gov.co/
42
国家情報ネットワーク
http://cifras.unidadvictimas.gov.co/Home/Mapa#
45
(2014/1/9 アクセス)
(2014/1/14 アクセス)
(2)自然災害・気候変動
コロンビアは自然災害の発生の多い国であり、過去に洪水、地滑り・土砂崩れ、地震、津
波、火山、森林火災、干ばつなどが記録されている。その中で最も恒常的に多くの被災者
を発生させているのは、洪水災害である。次の図表 77 に全国災害リスク管理局 UNGRD に
よる災害記録を示すが、1998 年以降約 1 万回の洪水被害が記録されており、その被災者数
は計 12,832,168 人(1998-2012 年)に達している。また災害記録数では洪水に次いで、地
滑り・土砂崩壊、森林火災、台風・強風・落雷、等が続いている43。また干ばつは総記録数
では 256 回であるが災害影響者数では 60 万人以上に達している。
図表 77
災害種
洪水
地すべり・土砂崩
壊
台風・強風・落雷
地震
旱魃
森林等火災
凍害・ひょう
火山活動・噴火
その他災害・事故
UNGRD によるコロンビアの災害履歴(1998-2012 年)
行方不明者
災害影響者
死者
負傷者数
総記録
数
数
数
合計
合計
549
225
12,831,086
1,082
9,995
774
12,832,168
1,649
293
1,145,671
1,705
4,256
1,942
1,147,376
131
1
1,336,881
1,150
3,166
132
1,338,031
*1
*1
0
85,102
1,10
8
219
*1
8
85,212
0
0
602,451
0
256
0
602,451
134
0
73,192
569
3,450
134
73,761
0
0
28,832
1
48
0
28,833
6
6
10,544
16
73
12
10,560
1,037
78
61,900
2,478
681
1,115
64,378
災害対応費
(千ペソ)
494,408
52,788
59,498
40,726
9,019
11,553
339
19,695
11,821
出典:UNGRD の記録に基づき JICA 調査団(2013)が集計
注*1:1999 年 1 月 25 日の地震被害(死者 1,186)は記録されていない。
特にコロンビアにおける 2 大災害である洪水被害および土砂災害に関しては、次の図表 78
に示すコロンビアの年間洪水発生件数、国内総生産 GDP および Bogotá 首都区の年間降水
量に基づき、JICA(2013)は気候変動および社会経済的変化の観点から下記の 4 点を指摘
している44。
43
JICA (2013), P.13-14
44
JICA (2013), P.13-14
46
図表 78
洪水発生件数、GDP、年間降水量(Bogotá 首都区)およびラ・ニーニャ現象時期 (1970-2012 年)
出典:JICA(2013)コロンビア国防災セクター情報収集・確認調査報告書 P.13
 ラ・ニーニャ現象が発生した 2010 年及び 2012 年に洪水の発生件数が多い。同様に、
その前の 2007 年春~2008 年春、2005 年秋~2006 年春及び 1998 年夏~2000 年春
のラ・ニーニャ現象時期についても前後の年に比べると洪水発生件数が多いと言える。
 ラ・ニーニャ現象のときは年間降水量が多い傾向にある。洪水被害の大きい他の地域
でも同様の傾向がある。
 2010 年夏~2011 年春のラ・ニーニャ現象は、その前の 2007 年春~2008 年春と比べ
て特に大きな規模とは言えない。しかし、年間降水量を見るとかなり増加しており、
地球温暖化によるものと推論されるが、これが長期的に継続するかは現時点では判断
できない。コロンビア内部での主要な官庁職員では、これらの現象が一般的には地球
温暖化(気候変動)が原因である、との見方が一般的である。
 1993~2011 年現在まで洪水発生件数が右肩上りの増加傾向にあり、コロンビアの
GDP の増加と近似している。これは、経済活動の増加に伴い自然氾濫原・土砂災害
危険地域への住居の増加及び都市化に伴い、洪水(被害)が増加していったと考えら
れる。
(3)経済活動
不均等な経済発展:2004 年から 2007 年の間、コロンビア経済は過去 30 年間で最大の成長
率(実質成長 2004-2007 平均 5.9%)を示し、2007 年に実質 GNI 成長率 6.9%とそのピー
クを迎えた。この急成長は特に国内・海外からの投資、輸出の増加に支えられたものであ
った。しかしながら地方自治体中心部以外の地域(農村部)にて就業者の 64.1%(2013 年
8-10 月期)を占める農牧林水産・狩猟業は次の図表 79 に示すように 2003 年以降 GDP 成
長率を常に下回る成長率しか達成できていなかった。2000 年代半ばに高い成長率を示した
47
建設、商業・飲食業・ホテル業、安定的な成長の金融業、2000 年代後半からに急成長した
鉱業・採石業、等は都市部でのこれら分野の就業者に恩恵をもたらしたが、農村部ではこ
れら分野の就業者は少なく、農村部の貧困削減への影響は限定的である。
図表 79
GDP
農牧畜林水産・狩猟
鉱業・採石業
製造業
建設
商業・飲食業・ホテル
輸送・倉庫・通信
金融・保険・不動産・企
業向けサービス
コミュニティ・社会・
個人サービス
分野別に見た実質経済成長率の推移(2001-2011 年、2005 年を基準)
2001 2002 2003
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
1.7
2.5
3.9
5.3
4.7
6.7
6.9
3.5
1.7
4.0
1.8
4.6
3.1
3.0
2.8
2.4
3.9
-0.4
-0.7
0.2
-8.3
-1.8
1.7
-0.9
4.1
2.4
1.5
9.4
10.9
10.6
2.9
2.1
4.9
7.9
4.5
6.8
7.2
0.6
-4.1
1.8
5.5 12.3
8.3
10.7
6.9
12.1
8.3
8.8
5.3
-0.1
2.9
1.5
3.7
7.1
5.0
7.9
8.3
3.1
-0.3
5.2
3.3
2.8
4.5
7.6
7.8
10.8
10.9
4.6
-1.3
6.2
2011
6.6
2.4
14.4
5.0
10.0
6.0
6.2
1.2
3.0
3.9
4.6
5.0
6.4
6.8
4.5
3.1
3.6
7.0
1.3
1.7
2.0
4.1
3.5
4.4
5.0
2.6
4.4
3.6
2.9
出典:DANE, Valor agregado según ramas de actividad económica y PIB,
http://www.dane.gov.co/index.php/cuentas-economicas/cuentas-anuales (2014/2/13 アクセス)
この農牧畜業水産・狩猟分野の伸び悩みの背景には、
「長引く国内内戦による農村部の疲弊」
(「Ⅳ.2.食糧安全保障・脆弱性による分析」
(P.34)、
「Ⅵ.1.(1)国内紛争」
(P.44)等参照)
に加え、次の図表 80 に示す「農村部から都市部への人口流出」、
「全般的な農業生産量・単
収の伸び悩み」45等が存在している。そしてこれらが複合的な要因になって農業部門の長期
的停滞を引き起こしていると推測される。
図表80 都市農村人口比率の推移と予測(1985-2020年)
100%
80%
60%
40%
20%
0%
都市部
農村部
出典:DANE Estimaciones de población 1985-2005 y proyecciones de población 2005-2020 nacional y
departamental desagregado por área, sexo y grupos quinquenales de edad
http://www.dane.gov.co/index.php/poblacion-y-demografia/proyecciones-de-poblacion (2014/2/25 ア ク セ
ス)
結果として次の図表 81 に示すように農産物輸出金額は名目値では 1985 年以降 2013 年ま
でに約 2.5 倍に増加したものの、コロンビアの輸出額全体に占める農産物の割合は同期間に
45
農林水産省(2011)、海外農業情報調査分析(中南米)
コロンビアの農業及び農業政策、P.65
48
10%から 4%強へと半分以下に低下し、長期的な低落傾向を示している。
図表81 農牧畜林水産・狩猟業の輸出額(左軸)と全輸出に占める割合
(右軸)の推移(1995-2013年)
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
12
10
8
6
4
2
0
輸出額(百万US$:FOB)
全輸出額に占める割合(%)
出典:DANE Colombia, exportaciones totales 1995-2013
http://www.dane.gov.co/index.php/comercio-exterior/exportaciones
(2014/2/25 アクセス)
特に前掲の図表 79 に示すように、農牧畜林水産・狩猟業は、リーマンショック以降‐0.4%
(2008 年)および‐0.7%(2009 年)と 2 年連続マイナス成長となり、2010 年にかろうじ
て 0.2%のプラス成長に回復した。これは次の図表 82 に示すように、特にコロンビア農業
部門の主要輸出産品で嗜好性の高い商品作物であるコーヒー(輸出品目第 1 位)
、花卉(同
第 2 位)の輸出額の急落が影響している。結果として農村部での労働集約的なコーヒー、
花卉産業における雇用と賃金に影響を与えたと推測され、本章で後述(「外部ショックへの
脆弱性の増加」)するように都市部貧困が減少傾向を続ける中、農村部貧困率は高止まりす
るなどその影響は大きいものとなったと判断される。
図表82 コロンビアの主要農産物輸出額の推移
(2008-2013年、単位:FOB US$1,000)
400,000
300,000
200,000
100,000
Jan-08
Jan-09
花卉
Jan-10
果物
Jan-11
Jan-12
Jan-13
コーヒー・茶等
出典:DANE Colombia, exportaciones según capítulos del arancel 2008-2013
http://www.dane.gov.co/index.php/comercio-exterior/exportaciones (2014/2/25 アクセス)
外部ショックへの脆弱性の増加:海外投資の受け入れ、輸出拡大により経済成長を遂げた
49
コロンビアは、反面、2008 年のリーマンショックに端を発する世界的金融危機等の外的要
因に対して脆弱性を増加させた。コロンビアは伝統的に中南米カリブ地域では例外的に累
積債務危機の経験がない等対外ショックに耐性の強い経済であったが、図表 83 に示すよう
に外的ショックの影響を免れることはできなかった。
図表83 実質GNI増加率(2001-2011年、2005年基準)
8
6.7
6
5.3
4
2
0
3.9
1.7
2001
6.9
4.7
4.0
3.5
2.5
2002
6.6
1.7
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
出典:DANE (2013), Informe de Resultados de las Cuentas Nacionales Anuales Años 2010 Definitivo y
2011 Provisional, P.6
経済危機の貧困層への影響を見ると、次の図表 84 に示すように、貧困率においては農村部
生活者に影響を与えており、2005 年の 56.4%から 2008 年の 56.6%への増加となった(注:
2006-2007 年は DANE の統計手法変更プロセスのため、数値は発表されず)。また極貧層へ
の影響を見ると、図表 85 に示されるように地域区分に関係なく数値が悪化しており、また
2005 年水準以前にまで数値が回復するのには 2010 年まで時間を要している。
図表 84 2008 年世界金融危機(リーマンショック)前後の地域別貧困率(2005-2010 年、%)
地域区分
2005
2008
2009
2010
全国
45.0
42.0
40.3
37.2
自治体中心部(都市部)
41.1
37.4
36.0
33.3
その他地域(農村部)
56.4
56.6
53.7
49.7
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.11
注:2006-2007 年は DANE の統計手法変更プロセスのため、数値は発表されず。
図表 85 2008 年世界金融危機(リーマンショック)前後の地域別極貧率(2005-2010 年、%)
地域区分
2005
2008
2009
2010
全国
13.8
16.4
14.4
12.3
自治体中心部(都市部)
9.1
11.2
9.9
8.3
その他地域(農村部)
27.8
32.6
28.6
25.0
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, P.11
注:2006-2007 年は DANE の統計手法変更プロセスのため、数値は発表されず。
現在では、2009 年以降コロンビア経済は国内外投資の増加、輸出回復により再び回復基調
に乗ってきている。現在の課題は PND に示す 3 大支柱(革新的政策の導入、生産と競争力
のための政策、雇用創出と増加への刺激策)の実施を通じて、この経済回復基調を継続さ
せ、持続的な社会・環境とともに維持していくことであるとされている46。
46
コロンビア政府(2010)PND2010-2014-Resumen Ejecutivo-, P.6-7
50
(4)基礎インフラ・公共サービス整備の不均衡
コロンビアにおいては、電力、ガス、上下水道、ごみ回収などの基礎インフラおよび公共
サービスは段階的に整備が進められており、その改善が図られてきた。次の図表 86 に示す
ように、特に電力に関しては都市部 99.8%、農村部 90.0%まで普及し、都市農村部格差は
大きく縮小している。しかしながら都市ガス、上下水道、ごみ回収サービスは都市部での
普及が進む一方、農村部の立ち遅れが目立っている。また地方間格差も大きい。背景には
投資効率の観点から人口が集中する都市部への投資が優先され、人口希薄の広大な土地で
国内紛争の影響も強い農村部への投資やサービス提供が後回しにされている現状がある。
都市ガスは全国の農村部で 8.0%しか整備されておらず、電力供給が整っていない場合は
薪・炭などの火力に頼ることとなる。上水道は農村部では 53.3%の整備に留まっており、
約 2 人に 1 人は上水道にアクセスできていない。また農村部での下水道は 15.6%、ごみ回
収は 21.7%に留まっており、これら地域の人々は不衛生な生活環境に置かれたままとなっ
ている。都市農村部の地域差も大きいが、特に Atlántica 地方、Central 地方、Pacífica 地方
の農村部では何らのサービスも受けていない人々が 10%程度存在しており、当該地域での
基礎インフラ・公共サービスの提供が非常に遅れていることが指摘される。
図表 86
地方・地域
全国
Atlántica
Oriental
Central
Pacífica
(Valle 県を除く)
Pacífica
(Valle 県を含む)
Bogotá
Antioquia
Valle del Cauca
San Andrés y
Providencia
Orinoquia-Amazonía
地域別に見た基礎インフラ・公共サービス整備状況(2012、%)
電力
都市ガス
上水道
下水道
ごみ回収 サービスなし
都市
99.8
71.3
97.0
92.2
97.0
0.0
農村
90.0
8.0
53.3
15.6
21.7
8.4
都市
99.8
81.9
91.3
69.8
85.4
0.0
農村
84.2
19.4
40.4
6.8
11.7
13.5
都市
99.7
70.5
97.7
96.8
98.9
0.0
農村
93.8
4.8
48.4
9.7
17.1
5.0
都市
99.8
70.2
99.4
98.2
99.5
0.0
農村
88.0
7.5
53.6
20.6
28.3
10.2
都市
99.5
11.0
89.1
82.4
97.1
0.1
農村
87.1
0.2
68.4
14.5
13.1
10.5
都市
99.8
58.2
96.5
94.4
99.1
0.0
農村
89.2
4.6
70.7
22.4
24.4
8.8
都市
99.8
89.4
99.9
99.9
100.0
農村
都市
99.9
52.0
99.1
96.0
99.7
0.0
農村
96.6
0.7
53.5
23.7
35.1
2.7
都市
99.9
77.0
99.5
99.2
100.0
農村
95.7
18.5
77.6
47.4
59.9
3.4
都市
99.8
32.8
32.9
99.5
農村
都市
98.8
29.8
91.3
94.4
99.8
農村
出典:Encuesta Nacional de Calidad de Vida 2012
http://www.dane.gov.co/index.php/es/estadisticas-sociales/calidad-de-vida-ecv/87-sociales/calidad-de-vida/4623-e
ncuesta-de-calidad-de-vida-2012 (2014/2/13 アクセス)
注:網掛け部は該当数値確認できず。
51
前述の図表 32(P.22)にて示した IPM でも、飲料水供給や衛生施設等の生活インフラの欠
如を多次元貧困の指標としており、これら指標における都市農村格差が極めて大きい旨指
摘している。これら公共サービスの普及と改善、特に地域格差の縮小が人々の貧困からの
脱却に依然不可欠であると判断される。
52
Ⅶ. 重点支援分野と貧困との関連分析
1.重点支援分野:均衡のとれた経済成長
(1)コロンビアの労働市場の推移
国内労働市場の推移:コロンビアの労働市場を見ると、図表 87 に示す 2000 年代を通じて
現在までの緩やかな労働年齢人口47の増加と 2000 年代半ばの若干の落ち込みから回復した
労働力率の上昇を、前述の「Ⅵ.貧困に影響を与えている国内外の要因」の「(3)経済活動」
に示される 2000 年代を通じた経済成長による雇用増が吸収する構図となっている。2001
年から 2012 年の間に労働年齢人口は 4.2 ポイント増、労働力率は 2.1 ポイント増、就業率
は 4.7 ポイント増となった一方、失業率48は 4.6 ポイント減少となっている。
図表87
90
80
70
労働市場の指標の推移(2001-2012年、%)
74.9
75.3
75.8
76.2
76.6
77.0
77.4
77.8
78.1
78.5
78.8
79.1
62.4
62.3
62.3
61.5
60.5
59.1
58.3
58.5
61.3
62.7
63.7
64.5
53.1
52.6
52.6
53.1
53.4
52.0
51.8
51.9
53.9
55.4
56.8
57.8
15.0
15.6
15.6
13.6
11.8
12.0
11.2
11.3
12.0
11.8
10.8
10.4
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
60
50
40
30
20
10
0
労働年齢人口比率
労働力率
就業率
失業率
出典:DANE (2013), Principales Indicadores del Mercado Laboral Anexo より作成。
就業・雇用の地域格差:他方、失業率を詳細に見ると、2013 年 8‐10 月期の失業率は全国
8.7%、自治体中心部(都市部)9.5%である一方、自治体中心部以外の地域(農村部)は 5.5%
と、都市農村比較では都市部の失業率が高い。また前述の「図表 32
IPM の 15 指標で見
た地域別貧困世帯の比率」
(P.22)に示すように、長期の失業の割合は都市部 10.6%、農村
部 7.9%と都市部の方が農村部を上回っている。更に次の図表 88 に示す 23 大都市の失業率
を比較すると、Quibdó18.1%と Barranquilla 都市圏 8.0%とでは最大 2 倍以上の失業率の差
が発生している状況にある。
47
DANE は労働年齢人口を都市部では 12 歳以上人口、農村部では 10 歳以上人口と定義している。
48
DANE は失業率の定義として、a.その都市に空席の仕事がない、b.召集されるのを待っている、c.仕事の探し方がわ
からない、d.仕事を探すのに疲れている、e.専門に適した仕事が見あたらない、f.繁盛期を待っている、g.必要な経験が
不足している、h.ビジネスを開始する資金がない、i.雇用者により若すぎるもしくは年配すぎると判断される、を設定し
ている。
53
図表88 主要都市/都市圏の失業率(2013年8-10月期、%)
20
18.1
18
16
13.913.3
13.113.112.5
12.412.2
11.711.5
10.710.210.2
10.0 9.7 9.6
9.8
9.3 9.1 9.1 8.8
8.3 8.3 8.0
14
12
10
8
6
上記都市/都市圏平均
Barranquilla都市圏
Bogotá首都区
Bucaramanga都市圏
Santa Marta
Riohacha
Villedupar
Cartagena
Pasto
Medellín都市圏
Montería
Manizales都市圏
Sincelejo
Villavicencio
Tunja
Neiva
Pereira都市圏
Ibagué
Cúcuta都市圏
Popayán
Florencia
Cali都市圏
Armenia
Quibdó
4
出典:DANE (2013), Principales Indicadores del Mercado Laboral Anexo より作成。
また、職種の分布を地域別に見ると下記の図表 89 に示すように、自治体中心部(都市部)
では商業・ホテル・レストランが 31.6%、コミュニティ・社会・個人サービスが 23.5%と
高い人口比率を占め、第 1 次産業(農牧林水産業および狩猟)はほとんど存在しない。し
かし自治体中心部以外の地域(農村部)では農牧林水産業および狩猟が 64.1%とと大部分
を占め、重要な就業分野となっている一方、その他の経済活動分野の雇用吸収能力が非常
に低く、特に 2000 年代の経済成長の中心であった第 2 次産業(製造業、建設)や第 3 次産
業(商業・レストラン・ホテル、コミュニティ・社会・個人サービス、輸送・倉庫・通信)
の比率がいずれも都市部の半分以下になっている。
図表 89
全国
自治体中心部
(都市部)
自治体中心部
以外の地域
(農村部)
各地域における経済活動分野で見る人口比率(2013 年 8-10 月期、%)
コミュニ
輸送・
商業・レス
ティ・
農牧畜林水
不動産・賃
製造
倉庫・
建設
トラン・ホテル
社会・
産・狩猟
貸・興行
通信
個人サービス
27.3
20.1
17.3
11.4
7.9
7.1
5.9
その他
2.9
31.6
23.5
-
13.1
9.3
8.7
6.7
7.0
12.2
8.2
64.1
5.7
3.1
-
2.9
3.7
出典:DANE (2013), Principales Indicadores del Mercado Laboral, Octubre de 2013, P.19-23 より作成
更に職位の分布を地域別に見ると、次の図表 90 が示すように、自治体中心部(都市部)で
は(日雇い・肉体労働者を含む)単純労働者・会社員 41.9%、自営業 40.9%の比率が高い。
他方、自治体中心部以外の地域(農村部)では自営業の比率が 47.6%と高い点は自治体中
54
心部(都市部)と同じであるが、単純労働者・会社員 16.3%は自治体中心部(都市部)ほ
ど高くなく、これに日雇い・肉体労働者 14.9%が続く。この農村部での単純労働者や会社
員の項目が非常に低いことは、当該地域において雇用を吸収する組織・企業が少ないもし
くはその規模が小さいことに起因すると推測される。また無報酬の労働者(家庭内労働、
家族経営における労働等)の比率が 12.7%と自治体中心部(都市部)の 3.8%の 3 倍以上と
なっているのも自治体中心部以外の地域(農村部)の特徴である。
図表 90
全国
自治体中心部
(都市部)
自治体中心部以
外の地域
(農村部)
各地域における職位で見る人口比率(2013 年 8-10 月期、%)
単純労働者 無報酬
雇用者
政府
日雇い
自営業
・会社員
労働
・経営者 関係
・肉体労働
42.4
35.7
5.7
4.6
4.1
3.8
単純労働者・会社員
40.9
41.9
3.8
4.5
5.0
の項目に含まれる
47.6
16.3
12.7
4.7
1.3
家庭内
雇用
3.4
14.9
3.8
2.3
出典:DANE (2013), Principales Indicadores del Mercado Laboral, Octubre de 2013, P.19-23 より作成
(2)当該分野と貧困および貧困層との関連
貧困の地域格差:コロンビアは 2000 年代を通じて貿易の拡大と海外直接投資の流入を主導
とした経済成長(実質 GNI は 2001-2011 年平均で 4.3%49)を続けてきた。これに伴い全国
的な貧困率(2002 年 49.7%⇒2012 年 32.7%へと 17 ポイント減)、極貧率(2002 年 17.7%
⇒2012 年 10.4%へと 7.3 ポイント減)
、GINI 係数(2002 年 0.572⇒2012 年 0.539 へと 0.033
ポイント減)は漸進的に低下傾向を示している。
他方、貧困率を地域別に見た場合、自治体中心部(都市部)が 28.4%(2012 年)に対し自
治体中心部以外の地域(農村部)は同 46.8%、また 13 大都市圏が 18.9%に対し 13 大都市
圏以外の都市部が同 42.2%等、所得貧困の地域格差は非常に大きい。また県別に見ると地
域格差は更に顕著になり、次の図表 91 が示すように県別(Bogotá 首都区および 23 県)貧
困率は Choco 県 68.0%から Bogotá 首都区 11.6%まで最大 6 倍近い差を示している。これ
は前述の「図表 10 PND2010-2014 に示される貧困削減目標に対する実績比較(全国)」
(P.9)
が示すように、全国レベルでは貧困削減が順調であってもコロンビアの経済成長の恩恵が
地方部にまではいまだ十分に及んでいないことを示している。特に前述の「Ⅵ.1.(3)経
済活動」に示したように、農牧畜林水産・狩猟業は地方部おける主要な雇用吸収先である
にもかかわらず、低い経済成長しか達成できず、またリーマンショックなど外部経済への
脆弱性を増している状況にある。
49
DANE (2013), Informe de resultados de las Cuentas nacionales Anuales Años 2010 Definitivo y 2011 Provisional より
換算。
55
図表91
Bogotá首都区および23県の貧困率(2012年、%)
出典:DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012
雇用と貧困:前述の「図表 70 世帯主の職位で見た所得貧困層」
(P.42)にて示したように、
自営業者の貧困率(2012 年)は自治体中心部(都市部)38.3%、自治体中心部以外の地域
(農村部)61.5%と地域区分を問わず高い。特に自治体中心部以外の地域(農村部)では職
位人口比率の約半分を占めるにも関わらず、その所得貧困層は 61.5%に達している。また
自治体中心部以外の地域(農村部)では「経営者」の職位でも 30.2%が貧困層に属してお
り、組織・企業経営者であっても所得水準が低い構造が示されている。
また前述の「図表 32 IPM の 15 指標でみた地域別貧困世帯の比率」(P.22)が示すように
「正規雇用の欠如」は 2012 年に自治体中心部(都市部)76.4%、自治体中心部以外の地域
(農村部)93.0%となっており、ともに高い比率で満たされておらず、これは所得水準だけ
ではなく、雇用の質も依然として改善が必要な状態にあることを示している。更に前述の
「図表 68 世帯主の就労状況でみた所得貧困層(2012)」
(P.42)が示すように、世帯主が
就労中であるが貧困状況にある世帯比率は全国 31.9%(都市部 27.1%、農村部 45.5%)に
達し、世帯主の所得だけでは貧困から脱せない状況を示している。更に「図表 72
世帯構
成と貧困率の関係」(P.43)および「図表 73 世帯構成と極貧率の関係」(P.43)が示すよ
うに、世帯に 2 人以上の就業者がいる場合でも貧困・極貧率は高く、特に自治体中心部以
外の地域(農村部)では世帯における就業者の数が 2 名以上いる世帯の貧困率が 41.56%
(2012 年)、同極貧率が 18.16%に達しており、当該地域での貧困の大きさを示している。
(3)貧困層・社会的弱者を制限している要因の分析
莫大な国内紛争被害の処理:コロンビアにおいて 50 年以上続く国内紛争は、農村部から延
べ 500 万人以上に達する国内避難民の流出による農村部の疲弊をもたらした。またこの国
内避難民は都市部へ流入し、都市人口増加と都市失業率増加に影響を与えてきた。2000 年
代から現在までの間、前ウリベ政権以降実施され現サントス政権に継承されている国内治
安対策は功を奏し、治安の改善と海外からの投資回復をもたらしコロンビアの経済成長を
下支えしている。多くの貧困人口を含むとされる国内紛争被害者への保障政策は「被害者
56
Valle del…
Tolima
Sucre
Santander
Risaralda
Quindío
Norte de…
Nariño
Meta
Magdalena
La Guajira
Huila
Cundinamarca
Córdoba
Choco
Cesar
Cauca
Caquetá
Caldas
Boyacá
Bolívar
Bogotá DC
Atlántico
Antioquia
80
68
62.1
60.2
70
58.4
52.3
51.5
50.8
60
46.8
45.4
44.2
42.3
42.1
40.4
50
38.9
35.635.4
29.5
40 26.833.9
28.4
26.9
23.3
20.8
30
11.6
20
10
支援・総合保障ユニット UARIV」を中心とした政府の強いイニシアティブの下進められて
いるが、その莫大な作業ゆえに国際的な支援をうけつつ長期的な視点で解決せざるを得な
い状況にある。特に国内紛争により土地を奪われたり、また土地から追い出されたりした
人々への土地返還作業は 2011 年制定の「被害者救済・土地返還法」以降、「土地返還ユニ
ット」が土地返還申請にかかる行政手続きを進めている。
地理的要因:コロンビアは国土面積 103.87 平方キロメートルに 4,712 万人(2013 年推定
値)が居住しているが、国土西部のアンデス高原地域に人口が集中し、特に都市部への人
口集中度は 75.6%(2010 年推定値)に達している。その他の地域、特に東部平原地域は非
常に人口希薄で、行政サービスも十分に行き届いていない状況にある。こうした状況に対
し、コロンビア政府は、PND2010-2014 で「多様な視点」と「ソーシャル・インクルージ
ョン」に基づいた国家開発計画を提示し、国民の多様性を尊重しつつ、国民をもれなく抱
合・支援する方針を打ち出した。職業訓練庁 SENA により職業訓練・起業家支援が全国レ
ベルで実施されている他、極貧削減政策 JUNTOS を引き継いだ UNIDOS は全国に 10,300
名(2013 年 11 月時点)の貧困層支援コーディネーターCogestor を配置し、継続的な支援
を行っている。しかしながら、現実には対象人口の多さと地理的要因から段階的なアプロ
ーチ(目標は 2014 年までに 35 万人が極貧克服、2020 年で全国の極貧克服)を取らざるを
得ない状況となっている。
教育・能力開発と正規雇用機会:IPM(2012 年)が示しているように、
「低い教育達成度(全
国 53.1%)」、
「就学の遅れ(同 33.3%)」といった基礎教育の遅れは、教育と貧困の相関関
係が明らか(P.41 の図表 66 および 67 参照)なコロンビアでは貧困克服の大きな足かせと
なっているが、現実にはこれに加えこうした教育の遅れに既に直面してしまっている労働
力人口を吸収することのできる「正規雇用の欠如(同 80.0)」の解消が大きな課題とされて
いる。ここでは既に労働市場に参加している人々や日々の貧困に直面している人々に彼ら
の就業能力やニーズに合わせた支援を行うことが重要で、前述の SENA はこうした就業能
力向上や起業家能力向上の支援の支援を行ってきた。また国家開発計画 2010-2014 におい
ても目標 2-2 にて「雇用能力、起業家能力および収入創出」をうたっていることからこれを
積極的に支援することが必要であると判断される。
特にこれまで述べたように農村部の主要な雇用分野である農牧畜林水産・狩猟業は、経済
成長水準も低く、外部経済への脆弱性もはらんでいることから、その生産性向上と関連分
野を含めた農村地域での雇用創出は、貧困の度合いが高い農村部における貧困削減にとり
非常に重要である。またコロンビア政府は ANSPE による UNIDOS に象徴されるように、
条件付き給付金制度等を通じた所得再配分政策ではなく、教育、職業訓練、既存社会福祉
サービスの効率・効果的な活用を地方分権化政策の中で地方自治体を通じて実施すること
で人的資本の能力強化による貧困削減に注力していることから、地方農村部においてこう
したコロンビア政府の施策がより浸透するよう支援を行うことが貧困削減には効果的と判
57
断される。
2.重点支援分野:環境問題および災害への取り組み
(1)当該分野の現状
コロンビアはアンデス火山帯、熱帯雨林地域、大河川という地勢的特徴を有していること
から、火山噴火・地震・洪水など自然災害も多い。前述の「図表 77 UNGRD による災害
履歴(1998-2012)」
(P.47)を見ると、主なものは件数の多い順に洪水 9,995 件、地すべり・
土砂崩壊 4,256 件、台風・強風・落雷 3,166 件、森林等火災 3,450 件となっている。近年
は地球温暖化の影響から集中豪雨の被害も多く発生しており、ラ・ニーニャ現象の影響に
より、2010-2011 年に発生した集中豪雨による洪水や地滑りはコロンビア 32 県中 28 県を
被災し、人口の約 5%に相当する被災・被害者数約 2.3 百万人を記録した。このため自然災
害への取り組み強化は喫緊の課題となっている。
(2)当該分野と貧困および貧困層との関連
我が国外務省は「度重なる被害により人々の生活や経済社会の開発が阻害される悪循環を
断つことは、貧困削減、持続可能な開発を実現する上で最も重要な前提条件の一つである」
と防災協力イニシアティブ(2005 年)50にて示している。コロンビアにおける自然災害に
よる貧困層への影響を定量的に示した統計は確認されないものの、社会的に脆弱な立場に
置かれている貧困層へのこうした災害の影響は明らかである。
災害時の死亡や負傷などの身体的被害だけではなく、災害後の生活において財産・雇用の
喪失は所得貧困者および多次元貧困者を更なる困窮に追い込むことになる。多次元貧困指
数 IPM は「排泄物の不適切な除去(衛生設備の欠如)」
、
「狭い住居」、
「不適切な材質ででき
た住居外壁」、「不適切な材質でできた床」等を指標にしているが、これらに当てはまる貧
困層の居住環境は自然災害に対し極めて脆弱であり、容易に失われやすいものである。ま
た同様に「保健サービスへのアクセス難」、「健康保険の欠如」に当てはまる貧困層は災害
後も負傷や疾病の身で周辺の衛生状況が悪化する中、こうした社会保障サービスへのアク
セスを阻害されたままになる。
特に前述のように「コロンビアにおける経済活動の活発化に伴い、自然氾濫原・土砂災害
危険地域への住居の増加および都市化に伴い、洪水被害が増加していった」51との指摘は、
所得貧困層が都市に流入し、高い災害リスクにさらされていることをうかがわせるもので
ある。またここには前述の「図表 76 国内紛争被害件数と被害者数の推移」
(P.45)に示す
ように 2000 年代に入り激化した国内紛争が国内避難民の増加を加速させ、災害危険地域へ
の居住を増加させたとも考えられる。また WFP が指摘しているように、国内紛争地域にて
自然災害が発生した地域では食糧不安に対する脆弱性が高まる傾向にあり、国内避難民の
50
外務省
51
JICA(2013)、コロンビア国防災セクター情報収集・確認調査報告書(案)、P.14
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/archive/bosai_initiative.html (2014/2/10 アクセス)
58
貧困化が一層加速する危険性があるとされる。
(3)貧困層・社会的弱者を制限している要因の分析
従来のコロンビアの防災システムは「今後起こる災害を想定してきたわけでなく、各災害
事例に対応するために整備してきた後追いの対応であった」、「災害管理サイクルの考えが
あっても、地方や地域レベルでの運用のための制度・予算措置が欠落していた」、「防災行
政にかかる権限の重複など実際の各機関の防災活動に無駄があったり、その逆に欠落があ
った」等の批判の対象となるものであった52。
こうした課題に対応するためコロンビア政府は 2012 年法律 1523 号の制定・施行により、
災害リスクをより統合的に管理し削減していくことが定められ、これを実施に移すための
「災害リスク管理全国システム SNGRD」が設立されるなど、度重なる自然災害への対策の
ため近年整備を整えてきた。こうしたコロンビア側の防災への取り組みは途に就いたばか
りであり、過去コロンビアが被った自然災害の種類、回数・頻度や規模を勘案すれば当該
分野への支援の必要性と緊急性は非常に高いと判断される。
52
同上、P.15
59
添付資料
1.資料リスト
COMPES (2013), Equidad de Género para las Mujeres, Documento CONPES Social 161 y
sus anexos: la Política Pública Nacional de Equidad de Género y el plan de acción
indicativo para el período 2013-2016,
https://www.dnp.gov.co/LinkClick.aspx?fileticket=1HWTeFgGXhY%3D&tabid=1657
(2014/1/13アクセス)
DANE (不明), La Visibilización Estadística de los Grupos Étnicos Colombianos,
http://www.dane.gov.co/files/censo2005/etnia/sys/visibilidad_estadistica_etnicos.pdf
(2014/1/10 アクセス)
DANE(2007),Encuesta Nacional de Ingresos y Gastos - ENIG- 2006-2007,
http://formularios.dane.gov.co/pad/index.php/catalog/144 (2014/1/5 アクセス)
DANE (2013), Pobreza Monetaria y Multidimensional en Colombia 2012, Departamento
Administrativo Nacional de Estadística
http://www.dane.gov.co/index.php/es/estadisticas-sociales/pobreza/87-sociales/calidad-devida/4915-pobreza-monetaria-y-multidimensional-2012 (2014/1/6 アクセス)
DANE (2013), Informe de Resultados de las Cuentas Nacionales Anuales Años 2010
Definitivo y 2011 Provisional,
http://www.dane.gov.co/files/investigaciones/pib/anuales/ccrg_base2005/Boletin_Cuentas_
Anuales_2010d-2011p.pdf (2014/1/11 アクセス)
DNP (2010), Plan Nacional de Desarrollo 2010-2014,
https://www.dnp.gov.co/PND/PND20102014.aspx (2014/1/7 アクセス)
World Bank (2002), Colombia Poverty Report: Volume I Main Report,
http://www-wds.worldbank.org/servlet/WDSContentServer/WDSP/IB/2003/04/23/00009494
6_0304090401521/Rendered/PDF/multi0page.pdf (2014/1/6 アクセス)
DANE (2013), Encuesta Nacional de Calidad de Vida 2012, Departamento Administrativo
Nacional de Estadística
http://www.dane.gov.co/index.php/es/estadisticas-sociales/calidad-de-vida-ecv/87-sociales/
calidad-de-vida/4623-encuesta-de-calidad-de-vida-2012 (2013/9/22 アクセス)
DANE (2013), Principales Indicadores del Mercado laboral Octubre de 2013, Boletín de
prensa, http://www.dane.gov.co/files/investigaciones/boletines/ech/ech/bol_ech_nov13.pdf
Anexo, http://www.dane.gov.co/files/investigaciones/boletines/ech/ech/anexo_ech_nov13.xls
(2014/1/14アクセス)
DNP/DDS (2013), Pobreza monetaria y desigualdad del ingreso Análisis de los resultados
recientes 2010-2012, Dirección de Desarrollo Social, Subdirección de Promoción Social y
Calidad de Vida
https://www.dnp.gov.co/LinkClick.aspx?fileticket=6gJu7j4dcPk%3d&tabid=337 (2013/10/14
アクセス)
DNP (2007), Pobreza y grupos étnicos en Colombia: Análisis de sus factores determinantes
y lineamientos de políticas para su reducción
https://www.dnp.gov.co/Portals/0/archivos/documentos/DDS/Pobreza/GRUPOS%20ETNIC
OS.pdf (2014/1/7 アクセス)
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on 2013 HDR composite indices, Colombia
http://hdr.undp.org/sites/default/files/Country-Profiles/COL.pdf (2014/1/7アクセス)
UNDP (2012), Avances y retos de la Política Social en Colombia Septiembre de 2012,
https://www.dnp.gov.co/LinkClick.aspx?fileticket=EuaPw33rYGs%3d&tabid=86 (2013/10/17
アクセス)
UNDP (2011), Informe Nacional de Desarrollo de Humano: Colombia rural 2011 Razones
para la esperanza
http://hdr.undp.org/en/reports/national/latinamericathecaribbean/colombia/NHDR_Colombia
_2011_ES_low.pdf (2013/10/17 アクセス)
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poblaciones vulnerables, Mayo 2011, Informe Final
http://documents.wfp.org/stellent/groups/public/documents/ena/wfp240719.pdf (2014/1/8ア
クセス)
WFP (2011), Colombia - Evaluación de la seguridad alimentaria y nutricional en las
poblaciones vulnerables, Mayo 2011, Resumen Ejecutivo
http://documents.wfp.org/stellent/groups/public/documents/ena/wfp240720.pdf (2014/1/8ア
クセス)
*******************************************************************************************
JICA/公共政策部/貧困削減タスクフォース (2009), 課題別指針 「貧困削減」 平成21年9月
http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1701.nsf/3b8a2d403517ae4549256f2d002e1dcc/3c646
47ac6b9578c49257631000ae8af/$FILE/%EF%BC%88%E5%A4%96%E9%83%A8%E5%8
5%AC%E9%96%8B%EF%BC%89%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E5%89%8A%E6%B8%9
B%E6%8C%87%E9%87%9D%E3%80%90%E6%9C%AC%E6%96%87%E3%80%91.pdf
(2014/1/10アクセス)
JICA(2013)コロンビア国防災セクター情報収集・確認調査報告書(案)
2.主要な情報源リスト
コロンビア官庁
Alta Consejería Presidencial para la Equidad de la Mujer (ACPEM),
http://www.equidadmujer.gov.co/Paginas/ACPEM.aspx (2014/1/10アクセス)
Agencia Nacional para la Superación de la Pobreza Extrema (ANSPE)
http://www.anspe.gov.co/ (2014/1/10アクセス)
Agencia Presidencial de Cooperación Internacional de Colombia (APC Colombia)
http://www.apccolombia.gov.co/#&panel1-1&panel2-1 (2014/1/10アクセス)
Banco de la Republica/Banco Central de Colombia
http://www.banrep.gov.co/ (2014/1/10アクセス)
Defensoría del Pueblo
http://www.defensoria.org.co/red/index.php?_secc=00 (2014/1/10アクセス)
Departamento Administrativo Nacional de Estadística (DANE),
61
http://www.dane.gov.co/index.php/es (2014/1/10アクセス)
Departamento Nacional de Planeación (DNP)
https://www.dnp.gov.co/Inicio.aspx (2014/1/10アクセス)
Departamento para la Prosperidad Social (DPS)
http://www.dps.gov.co/portal/default.aspx (2014/1/10アクセス)
Grupo de Cooperante en Colombia/Mesa de Genero,
http://mesadegenerocolombia.org/site/ (2014/1/10アクセス)
Instituto Colombiano de Bienestar Familiar (ICBF)
http://www.icbf.gov.co/portal/page/portal/PortalICBF/EiInstituto (2014/1/10アクセス)
Instituto Nacional de Medicina Legal y Ciencias Forenses (INMLCF)
http://www.medicinalegal.gov.co/ (2014/1/10アクセス)
Instituto Colombiano de Desarrollo Rural (INCODER)
http://www.incoder.gov.co/portal/default.aspx (2014/1/10アクセス)
Instituto Nacional de Salud
http://www.ins.gov.co/Paginas/inicio.aspx (2014/1/10アクセス)
Ministerio de Comercio, Industria y Turismo, http://www.mincit.gov.co/index.php (2014/1/10
アクセス)
Ministerio de Educación Nacional
http://www.mineducacion.gov.co/1621/w3-channel.html (2014/1/10アクセス)
Ministerio de Salud y Protección Social
http://www.minsalud.gov.co/Paginas/default.aspx (2014/1/10アクセス)
Profamilia, Encuesta Nacional de Demografía y Salud
http://www.profamilia.org.co/encuestas/Profamilia/Profamilia/ (2014/1/10アクセス)
Programa Presidencial para la Acción Integral contra Minas Antipersonal
http://www.accioncontraminas.gov.co/Paginas/AICMA.aspx (2014/1/10アクセス)
Red Nacional de Información, http://rni.unidadvictimas.gov.co/?page_id=1629 (2014/1/10ア
クセス)
Servicio Nacional de Aprendizaje (SENA)
http://www.sena.edu.co/Paginas/Inicio.aspx (2014/1/10アクセス)
Sistema Nacional de Gestión del Riesgo de Desastres/Unidad Nacional de Gestión del
Riesgo Desastres (NGRD) en Colombia
http://www.sigpad.gov.co/sigpad/noticias_detalle.aspx?idn=1369 (2014/1/10アクセス)
Sistema de Identificación de Potenciales Beneficiarios de Programas Sociales (SISBEN)
https://www.sisben.gov.co/default.aspx (2014/1/10アクセス)
Sistema Nacional de Vigilancia en Salud Pública (SIVIGILA)
http://www.ins.gov.co/lineas-de-accion/Subdireccion-Vigilancia/sivigila/Paginas/sivigila.aspx
62
(2014/1/10アクセス)
Unidad para la Atención y Reparación Integral a las Víctimas,
http://www.unidadvictimas.gov.co/index.php (2014/1/10アクセス)
Unidad Administrativa Especial de Gestión de Restitución de Tierras Despojadas/Ministerio
de Agricultura y Desarrollo Rural
http://restituciondetierras.gov.co/ (2014/1/10アクセス)
主要援助機関
AECID Colombia, http://www.aecid.org.co/?idcategoria=640 (2014/1/10アクセス)
SIDA Colombia,
http://www.sida.se/English/Countries-and-regions/Latin-America/Colombia/Our-work-in-Col
ombia/ (2014/1/10アクセス)
UN Colombia, http://nacionesunidas.org.co/ (2014/1/10アクセス)
UNDP Colombia,
http://www.pnud.org.co/sitio.shtml?apc=i1-----&s=a&m=a&c=02006&e=A#.UpJE0q-CiT5
(2014/1/10アクセス)
UNHCR Colombia, http://www.unhcr.org/pages/49e492ad6.html (2014/1/10アクセス)
USAID Colombia,
http://www.usaid.gov/es/where-we-work/latin-american-and-caribbean/colombia (2014/1/10
アクセス)
国際機関
ECLAC Statistic Division, Millenium Development Goals: Country Profiles Colombia
http://interwp.cepal.org/perfil_ODM/perfil_pais.asp?pais=COL&id_idioma=2 (2014/1/10 アク
セス)
OCHA Colombia, http://www.colombiassh.org/site/ (2014/1/10 アクセス)
63
ダウンロード

貧困プロファイル コロンビア共和国 - JICA報告書PDF版(JICA Report