平成 20 年度 線形代数学演習 I (水曜 1·2 時限,総科 K305)
(4 月 9 日)
数学において問題を解くのは、実際に自分で手を動かすことによって、理解し身に付ける
ためです。この授業では線形代数学 I の理解を助けるための演習をします。あらかじめ問
題を配付しておきますので、できるだけ多くの問題を(割り当てがあるかどうかにかかわ
らず)事前に解いて、自分なりの解答案を持って授業に臨んで下さい。これが学習効果の
上がる方法です。作成した解答を授業が始まる前に予め板書しておいて下さい。授業では
それをみんなの前で説明してもらいます。発表の途中であっても構いませんので、質問や
コメント等ある人は発言して下さい。それを受けて担当教員もコメントや補足をします。
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
前期予定
ガイダンス
演習:ベクトルとその演算 1
演習:ベクトルとその演算 2
演習:行列とその演算(スカラー倍, 和, 積)
演習:行列式の定義
演習:行列式の基本的性質
演習:正則行列と逆行列
演習:連立 1 次方程式の解法 I (クラメルの公式)
ここまでのまとめと演習 演習:1次独立と1次従属
演習:行列の階数
演習:基本変形
演習:連立 1 次方程式の解法 II (掃き出し法)
全体のまとめと演習
全体のまとめと演習
1◦ 講義(線形代数学 I)の進度により、課題の内容が変更されることがあります。
2◦ 成績は演習問題の解答状況(黒板発表を最重要視します)と出席状況(小テストも
適宜行います)で判断します。レポート提出を求めることもあります。
3◦ 演習で配付するプリントは http://home.hiroshima-u.ac.jp/iwatakch からたど
れるリンクにアップします。何らかの事情で手に入れられなかったときはダウンロー
ドして下さい。
4◦ 質問等があれば理学部 C609 に随時来て下さい。確実性を求めるなら前もって連絡
をとるとよいでしょう。メールなら [email protected] で、電話
なら 082-424-7338 です。ごく簡単な質問等はメールでも可能でしょう。メールの際
は subject 欄に用件を簡潔かつ適切に記入することが重要です。これは迷惑メール
だと判断されないためです。また本文に差出人を明記して下さい。
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 1
0.
ギリシャ文字
数学ではギリシャ文字を多用します。配付するプリントで用いられる字体を下にあげて
おきます。代表的と思われる読み方を右に添えてあります。手書きするときは各個人のく
せがあります。授業担当者のくせに慣れるようにしましょう。またみなさんも一通りかけ
るように練習しておいて下さい。自由度はありますが極端に変形すると読み間違えられる
おそれがあります。
α
β
γ
δ
ε
ζ
η
θ
ι
κ
λ
µ
1.
(A)
(B)
Γ
∆
(E)
(Z)
(H)
Θ
(I)
(K)
Λ
(M )
アルファ
ν
ベータ
ξ
ガンマ
(o)
デルタ
π
イプシロン
ρ
ゼータ
σ
エータ
τ
シータ(テータ) υ
イオタ
φ, ϕ
カッパ
χ
ラムダ
ψ
ミュー
Ω
(N )
Ξ
(O)
Π
(P )
Σ
(T )
Υ
Φ
(X)
Ψ
Ω
ニュー
グザイ(クシー)
オミクロン
パイ
ロー
シグマ
タウ
ウプシロン
ファイ (フィー)
カイ
プサイ(プシー)
オメガ
高校の復習と Warming up
数研出版教科書の目次より線形代数学に関する項目を拾い上げてみる。
¶
数学 B
³
第1章
第1節
1.
2.
3.
4.
第2節
5.
6.
7.
平面上のベクトル
平面上のベクトルとその演算
平面上のベクトル
ベクトルの演算
ベクトルの成分
ベクトルの内積
ベクトルと平面図形
位置ベクトル
ベクトル方程式
ベクトルの応用
µ
´
ベクトルの加法と実数倍
−
→ −
→ →
→
• 交換法則 −
a + b = b +−
a
→
−
−
→ →
→
→
→
• 結合法則 (−
a + b )+−
c =−
a +( b +−
c)
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 2
−
→ → −
→ → −
→
• 零ベクトル −
a + 0 =−
a, 0 +−
a =→
a
−
→
−
→
→
→
→
→
• 逆ベクトル −
a + (−−
a ) = 0 , (−−
a)+−
a = 0
→
→
• k(l−
a ) = (kl)−
a
→
→
→
• (k + l)−
a = k−
a + l−
a
−
→
→
−
→
→
• k(−
a + b ) = k−
a +k b
→ −
−
→ −
→
→
• ベクトルの平行条件:−
a 6= 0 , b =
6 0 のとき
−
→
→
−
−
→
→
a , b が平行 ⇔ b = k −
a となる実数 k がある
−
→ −
→
→
• 2つのベクトル −
a , b は 0 でなく、また平行でないとする。このとき任意のベク
→
トル −
p は次の形にただ一通りに表せる。
−
→
−
→
→
p = s−
a +t b
ベクトルの成分
→
→
→
→
• 基本ベクトル表示 −
a = a1 −
e1 + a2 −
e2 と成分表示 −
a = (a1 , a2 )
√
→
→
• ベクトルの大きさ −
a = (a1 , a2 ) のとき |−
a | = a1 2 + a2 2
• 成分によるベクトルの演算
(a1 , a2 ) + (b1 , b2 ) = (a1 + b1 , a2 + b2 )
k(a1 , a2 ) = (ka1 , ka2 )
• 点の座標とベクトル:点 A(a1 , a2 ) と点 B(b1 , b2 ) について
√
−→
−→
AB = (b1 − a1 , b2 − a2 ), |AB| = (b1 − a1 )2 + (b2 − a2 )2
ベクトルの内積
→
−
→
• 内積と成分、内積と角度:−
a = (a1 , a2 ), b = (b1 , b2 ) とする。
−
→
−
→
a · b = a1 b1 + a2 b2
−
→ →
−
−
→
−
→
a 6= 0 , b =
6 0 のときそれらのなす角 θ と内積の関係は
−
→
−
→
−
→
→
a · b = |−
a || b | cos θ
−
→
→ −
−
→ −
→
→
→
• ベクトルの垂直条件:−
a = (a1 , a2 ), b = (b1 , b2 ) とする。−
a 6= 0 , b =
6 0 のとき
→
−
−
→
−
→
→
a , b が垂直 ⇔ −
a · b = 0 ⇔ a1 b1 + a2 b2 = 0
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 3
• 内積の性質
−
→ → −
→ → −
−
−
→ →
→ → −
−
→
→
→
(−
a + b )·−
c =→
a ·−
c + b ·−
c, →
a ·( b +−
c)=−
a · b +−
a ·→
c
−
→
−
→
→
−
−
→
→
→
→
→
(k −
a ) · b = k(−
a · b ), −
a · (k b ) = k(−
a · b)
−
→
→
−
−
→
→
a · b = b ·−
a
√
−
→
→
→
→
→
→
a ·−
a
a ·−
a = |−
a |2 , |−
a|= −
¶
数学 B
³
第2章
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
空間のベクトル
空間の基本的図形
空間の座標
空間のベクトル
ベクトルの成分
ベクトルの内積
位置ベクトル
ベクトルの応用
座標空間における図形
µ
´
ベクトルの成分
→
→
→
→
→
• 基本ベクトル表示 −
a = a1 −
e1 + a2 −
e2 + a3 −
e3 と成分表示 −
a = (a1 , a2 , a3 )
√
→
→
• ベクトルの大きさ −
a = (a1 , a2 ) のとき |−
a | = a1 2 + a2 2
• 成分によるベクトルの演算
(a1 , a2 , a3 ) + (b1 , b2 , b3 ) = (a1 + b1 , a2 + b2 , a3 + b3 )
k(a1 , a2 , a3 ) = (ka1 , ka2 , ka3 )
• 点の座標とベクトル:点 A(a1 , a2 , a3 ) と点 B(b1 , b2 , b3 ) について
√
−→
−→
AB = (b1 − a1 , b2 − a2 , b3 − a3 ), |AB| = (b1 − a1 )2 + (b2 − a2 )2 + (b3 − a3 )2
ベクトルの内積
→
−
→
• 内積と成分、内積と角度:−
a = (a1 , a2 , a3 ), b = (b1 , b2 , b3 ) とする。
−
→
−
→
a · b = a1 b1 + a2 b2 + a3 b3
−
→ →
−
−
→
−
→
a 6= 0 , b =
6 0 のときそれらのなす角 θ と内積の関係は
−
→
−
→
−
→
→
a · b = |−
a || b | cos θ
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 4
−
→
−
−
→ →
−
→
→
→
• 垂直条件:−
a = (a1 , a2 , a3 ), b = (b1 , b2 , b3 ) とする。−
a 6= 0 , b =
6 0 のとき
−
→
→
−
−
→
→
a , b が垂直 ⇔ −
a · b = 0 ⇔ a1 b1 + a2 b2 + a3 b3 = 0
• 内積の性質:形式上は平面上の場合と同じ
¶
数学 C
³
第1章
第1節
1.
2.
3.
4.
第2節
5.
6.
7.
8.
9.
µ
行列
行列の演算
行列
行列の加法、減法と実数倍
行列の乗法
行列の乗法の性質
行列の応用
逆行列
連立1次方程式
点の移動と1次変換
合成変換と逆変換
回転移動と1次変換
´
行列の演算
• 行列の相等:2次の正方行列の場合
(
) (
)
a b
p q
=
⇔ a = p, b = q, c = r, d = s
c d
r s
• 行列の加法、減法と実数倍:2次正方行列の場合
(
) (
) (
)
a b
p q
a+p b+q
+
=
c d
r s
c+r d+s
(
)
(
)
a b
−a −b
A=
のとき − A =
c d
−c −d
) (
) (
)
(
p q
a−p b−q
a b
−
=
c d
r s
c−r d−s
(
)
(
)
a b
ka kb
A=
のとき kA =
c d
kc kd
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 5
• 加法と実数倍についての性質
A+B =B+A
(A + B) + C = A + (B + C)
A + O = A, O + A = A
A + (−A) = O, (−A) + A = O
k(lA) = (kl)A
(k + l)A = kA + lA
k(A + B) = kA + kB
• 行列の乗法:2次の正方行列が絡む場合
(
)(
) (
)
a b
p q
ap + br aq + bs
=
c d
r s
cp + dr cq + ds
)( ) (
)
(
(
)
(
) p q
(
)
p
a b
ap + br
=
, a b
= ap + br aq + bs
c d
r
cp + dr
r s
• 乗法についての性質
(kA)B = k(AB), A(kB) = k(AB)
(AB)C = A(BC)
(A + B)C = AC + BC, A(B + C) = AB + AC
• 単位行列と零行列
AE = A, EA = A
AO = O, OA = O
(
)
a b
• 逆行列:2次正方行列 A =
の場合 ∆ = ad − bc に対して次が成り立つ
c d
(
)
1
d
−b
∆ 6= 0 のとき逆行列が存在し A−1 =
∆ −c a
∆ = 0 のとき逆行列は存在しない
行列の応用
• 一次変換 f : (x, y) 7→ (x0 , y 0 ) は行列を用いて次の形でかける
)( )
( ) (
a b
x
x0
=
0
y
c d
y
一次変換 f は原点を原点に写す。また点 (1, 0) は点 (a, c) に点 (0, 1) は点 (b, d) に写
す。逆にそのような一次変換 f は上にあげたものに限られる。
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 6
• 一次変換 f , g を表す行列をそれぞれ A, B とすると、合成変換 g ◦ f を表す行列は
BA である。
• 一次変換 f を表す行列 A が逆行列をつとき、f は逆変換をもちまた f −1 は A−1 で表
される一次変換である。
• 角 θ の回転移動は行列を用いて次の形でかける
)( )
( ) (
x0
cos θ − sin θ
x
=
0
sin θ cos θ
y
y
→
→
→
→
→
→
問題 1. −
a = (a1 , a2 ) とする。−
a ·−
e1 = 3, −
a ·−
e2 = −2 を満たす −
a を求めよ。
−
→
→
−
→
→
問題 2. −
a = (a1 , a2 , a3 ) とする。どんな b = (b1 , b2 , b3 ) に対しても −
a · b = 0 を満たす
→
ような −
a を求めよ。
問題 3. 次の連立方程式が x = 0, y = 0 以外の解を持つような実数 k の条件を求めよ。
{
3x + y = kx
2x + 4y = ky
(
)
(
)
−2 2
−2 3
問題 4. A =
,B=
に対し、AB と BA を求めよ。
0 3
3 1
(
)
(
)
3 −1
1 1
問題 5. A =
,P =
とおく.以下の問に答えよ.
2 0
2 1
( ) ( )
1
1
(1) A
,A
を求めよ。
2
1
(2) P −1 を求めよ。
(3) B = P −1 AP を求めよ。
(4) B n を求めよ。
(5) An を求めよ。
)
)
(
(
cos ψ − sin ψ
cos θ − sin θ
に対し AB と BA を求めよ。
とB =
問題 6. A =
sin ψ cos ψ
sin θ cos θ
√
問題 7. i = −1 とする.以下の問に答えよ。
(1) α = a + ib,β = a0 + ib0 (a, b, a0 , b0 は実数)に対し αβ を求めよ.
)
(
)
(
a −b
a0 −b0
に対し AB を求めよ。
(2) A =
,B=
b0 a0
b a
平成 20 年度 線形代数学演習 I (担当:岩田 / TA:藤原、富永)
4月9日 7
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