KEK Progress Report 2007-1
July 2007
A/H/M/R/D
KEK
技術職員報告集
(2004[H16], 2005[H17]年度)
高エネルギー加速器研究機構
技術部門連絡会議
High Energy Accelerator Research Organization
© High Energy Accelerator Research Organization (KEK), 2007
KEK Reports are available from:
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KEK
技術職員報告集
(2004[H16], 2005[H17]年度)
高エネルギー加速器研究機構
技術部門連絡会議
はじめに
技術調整役
安
芳次
高エネルギー加速器研究機構は、J-PARC、B ファクトリー、放射光などさまざまなプロジェクト
を遂行すると共に、世界の中で指導的役割を果たすべく、さまざまな研究開発を行っています。
特に、J-PARC では完成を間近に、建設が急ピッチで進められています。技術職員はこれらの活動
の中で、教員とともに技術の面で貢献し、その成果を、国内外での論文・学会、イベント出展等
の発表や特許等の形で発信しています。その発信が学会の受賞に結実したケースもあります。そ
して、プロジェクト、共同研究・外部資金の獲得などを通して、研究開発にも挑戦しています。
さらに、大学・企業等で講師を行うなど社会貢献も行っています。また、機構のさまざまな委員
会への参加などを含む、運営の面での貢献も重要な点で、技術職員の活躍が少なくありません。
法人化後、技術部門が研究部門と一体となり研究所・研究施設の中に組み込まれることで、技術職員
の活躍がさらに見えにくくなっている面があります。これらの現状を改善する一助とするため、機構
や研究所・研究施設で出版されるものを補う形で技術職員の諸活動をまとめておくことは有意義なこ
とと考えます。
この報告集が本機構技術職員の活動の成果をまとめたものとなることを期待します。
目 次
1. 科研費、知財、産学連携
1. 1
1. 2
1. 3
1. 4
科研費 ………………………………………………………………………………………
特許等 ………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………
イベント出展
……………………………………………………………………………………
共同研究
1
3
4
5
2. 受賞報告
2. 1
2. 2
2. 3
2. 4
2. 5
………………………………………………………………………………… 7
KEK技術賞
9
………………………………………
第1回(平成16年度)日本加速器学会賞
奨励賞
15
…………………………………
第1回(平成16年度)日本加速器学会賞
技術貢献賞
19
……………………………………
第3回(平成17年度)日本中性子科学会賞 技術賞
………………………………… 22
平成17年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
3. アンケート結果
………………………………………………………………………… 23
3. 1 技術職員活動報告
…………………………………………………………………………………… 24
3. 2 職務分布
4. 技術部門の諸活動
4. 1
4. 2
4. 3
4. 4
4. 5
4. 6
4. 7
4. 8
4. 9
4.10
4.11
5. 資料
…………………………………………………………………………………
技術交流会
………………………………………………………………………………
技術セミナー
…………………………………………………………………………………
技術研究会
……………………………………………………………………
技術職員シンポジウム
………………………………………………………………………………
受け入れ研修
………………………………………………………………………………
技術専門研修
……………………………………………………………………………………
語学研修
……………………………………………………
日本−CERN技術職員海外派遣研修
……………………………………………………………………………
機構広報室担当
………………………………………………………………………………
SMGグループ
………………………………………………………………………
機構委員会への参加
27
29
30
31
32
35
37
38
39
40
41
…………………………………………………………………………… 43
5. 1 アンケート用紙
………………………………………………………………………… 45
5. 2 アンケートの回答
……………………………………………………………………… 56
5. 3 受入研修参加報告書
編集後記
編集委員
1.科研費、知財、産学連携
1.1 科研費
科研費には基盤研究(S,A,B,C)や奨励研究のように日本学術振興会から交付されるものと特定
領域研究や萌芽研究や若手研究など文部科学省から交付されるものとがある。基盤研究(C)は
500 万円以下、基盤研究(B)は 500 万円から 2000 万円以下などと予算の範囲が決められている。
基盤研究(A,B,C)の研究期間は 2 年から 4 年で選択ができる。奨励研究は 1 年の期間で 100 万円
以下となっている。特定領域研究は規模の大きなものだが、その中に規模の小さな公募研究があ
る。意外性のある着想に基づく芽生え期の研究である萌芽研究は期間が 1-3 年で 500 万円以下、
37 歳以下の研究者が一人で行う研究である若手研究は期間が 2-3 年で A が 500 万円から 3000 万
円、B が 500 万円以下となっている。採択率は年によって変化するが平均では 25%程度である。
平成 15 年度以前は、技術職員は研究者番号を持っていなかったため、奨励研究を除く科研費の
申請はできなかったが、平成 16 年度に技術職員の研究者登録がなされ、平成 17 年度の申請以降、
科研費申請が行われた。科研費申請は前年度に行うため、平成 17 年度と平成 18 年度の申請につ
いて表 1 にまとめる。
表1
科研費登録者、申請者および採択者の数
年度
科研費登録者数
申請者数
採択者数
17
84
15
1
18
84
13
2
研究者登録者数は 84 名と両年とも変わらないが、申請者数は若干変動がある。平成 17 年度申
請では、特定領域、基盤研究(A,B,C)、若手研究、萌芽研究と広い範囲で申請する傾向があった
が、平成 18 年度では絞られた。より現実的な対応がなされてきたものと思われる。
研究代表者として申請している者は 2 割程度であるが、大半は研究分担者として研究協力、海
外出張を行っている。
表2
申請領域
年度
特定領域
基盤研究(A) 基盤研究(B) 基盤研究(C) 若手研究(B) 萌芽研究
17
3
1
2
3
4
2
18
0
0
3
5
5
0
採択者では、平成 17 年度申請では特定領域で 1 件だけだったが、平成 18 年度申請では基盤研
究(B,C)と 2 件だった。特に、基盤研究(B)の採択は快挙であった。
科研費申請には大変なエネルギーが必要であるが、機構長の考えにもあるように、一年の仕事
をまとめ新しい開発研究の要素を見出すという意味でも有意義であり、技術職員も積極的に応募
すべきである。
なお、研究者登録をしない技術職員でも申請可能な奨励研究がある。研究者登録をしていない
半数の技術職員は奨励研究の申請が出来る。ただ、過去において申請の実績があるようだが、最
1
近ではその申請が行われていないようである。大学の多くの技術職員はこの奨励研究に応募して
いる。本来の応募趣旨が技術職員の仕事に沿ったものになっていないが、大学の採択結果から見
ると現実的には仕事に結びついたものが多く、仕事に結びつけることは可能のようである。これ
についても、積極的に応募することが望ましい。
2
1.2 特許等
KEK が保有する特許権(国内)、特許権(国外)
、実用新案権、商標の件数はそれぞれ、27、5、
1、1 である。
発明届は、特許出願の前手続きである。法人化後(平成 16 年度)から手続きが整備されたもの
で、年間の発明届けの約 7 割に技術職員が発明者または共同発明者として届出されている。
技術職員のみ
技術職員と教員
教員のみ
40
35
30
届出
数
25
20
15
10
5
0
16
17
年度
図 1 発明届の中で技術職員と教員の占める割合
表 3 は平成 16、17 年度に行われた発明届について書かれている。
表 3 発明届
年度
全届出件数
内技術職員に係る件数
(技術職員のみの件数)
技術職員数
内訳
発明者
共同発明者
16
38
15(11)
17
13
4
17
22
12(5)
14
9
5
16 年度は、届け出件数 38 件に対して、技術職員が係った件数は 15 件で、約 40%を占める。17 年
度は約 55%で、技術職員の占める割合が過半数を超えている。一方、発明届の代表である発明者で
は 16 年度で 34%に対して、17 年度は 40%である。ともに、17 年度は 16 年度と比べて技術職員の活
躍が目立っている。
著作権に関しては、法人化後に整備されたものであるが、機構などの科研費申請を促す動きも
あり今後技術職員が著作権届けに少しずつ申請されるものと考える。平成 16、17 年度には届け出
はなかった。
3
1.3 イベント出展
表 4 は平成 16、17 年度のイベント出展をまとめたものである。平成 16 年度つくばテクノロジ
ー・ショーケースを例に説明する。その年の全出展の数は 10 件で、技術職員を含む出展がいくつ
あるかというとそれは 1 件で、技術職員だけによって出展している件数は 0。すべての出展の構
成員の中に含まれる技術職員の数は 2 名。出展代表をしている技術職員の数は 1 名で、共同出展
者(代表を含まない)が 1 名である。
表4
年度
16
17
全出展件数
内技術職員に係る件数
(技術職員のみの件数)
イベント出展
技術職員
内訳
イベント名
出展者
共同出展者
1
0
0
0
0
イノベーションジャパン 2004
10
1(0)
2
1
1
1
0
0
0
0
産学官連携ビジネス交流会
1
0
0
0
0
イノベーションジャパン 2005
2
1(0)
1
0
1
つくばテクノロジー・ショーケ
ース
TX テクノロジー・ショーケー
ス
イノベーションジャパンとつくばテクノロジー・ショーケースに KEK から平成 16 年度以降系
統的に出展されている。これらへの出展の多くは大学や公的研究機関の研究者であり、大学や公
的研究機関の技術シーズを発表して技術移転を促すために行われている。平成 16、17 年度は教員
を中心とする出展が主流となっているが、技術職員も出展代表となるケースもある。分野におい
ては、低温技術の出展が毎年になされており、意識的な追及がなされているようだ。
イベントへの出展は、技術発信のいいチャンスであり、技術職員も積極的に行っていくべきで
ある。
4
1.4 共同研究
KEKで行われているいわゆる共同研究には民間等との共同研究、受託研究、共同研究に関する
覚書、共同研究契約、共同開発研究、大学等連携支援事業などさまざまな形がある。民間等との
共同研究は、企業等外部機関の研究者と、産学の立場で独創的な研究を行う。共同研究に関する
覚書は、共同研究のために研究機関の間で結ばれるものである。受託研究では民間や公的機関を
問わず受けることができるが、共同開発研究は民間を除く公的研究機関研究者が共同して研究を
行うことを目的とするものである。また、科研費、科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産
業技術総合開発機構(NEDO)など競争的資金に係る共同研究も広い意味での共同研究である。
多くの技術職員は以前よりこれらの共同研究にかかわっている。しかし、一部例外(共同研究
に関する覚書)を除き、従来からこれらの研究の研究代表は教員のみだった。実質的に研究を代
表しても以前技術職員は研究者番号を持っておらず、研究者の一員として認めてもらえなかった
ので、代表者にはなれなかった例もある。法人化後、技術職員にも研究者番号を持つことができ
るようになって状況は変化しつつある。例えば民間等との共同研究で、平成18年度ではあるが技
術職員の研究代表が認められた。その背景には諸規定に書かれている教員による共同研究から技
術職員による共同研究も加えてもらうようにするための努力があった。これから共同研究を代表
する多くの技術職員が生まれることが期待される。
表5は民間等との共同研究をまとめたものである。
表5
年度
技術職員に
係る件数
民間等との共同研究
内訳
技術職員数
代表者
共同研究者
16
1
1
0
1
17
11
13
0
13
5
2.受賞報告
2.1 KEK 技術賞
平成 16 年度技術賞
推薦された技術について、書類審査および課題に関する現場での質疑応答が行われた。委員会
では熱心な議論となったが、技術賞として推薦するには評価の基準としている 4 項目(独自のア
イデア、具体化、貢献度、技術の伝承)においてもう少し高評価を獲得出来る何かが必要という
こととなり、本年度は該当無しという結論となった。
平成 17 年度技術賞
推薦された技術について、推薦者による概要の紹介、応募書類による審査、現場の見学と候補
者との質疑応答を行った。議論の課程において新たに必要となった追加資料の提出を求めるなど、
審議を深めた。結果として専門部会による技術賞候補推薦を以下の 3 件に決定した。
「大電力高周波加速空洞の空気冷却装置の開発」
加速器研究施設
戸田
信
要旨
PS− 500MeV ブースターでは、平成 15 年に無同調型高周波加速装置を導入して、ビーム損失の
低減とビーム強度の増加(3.0×1012PPP)に成功している。加速装置の空洞(発熱:35kW/空洞)
の冷却方式は重要な技術選択であり、空洞の製作に大きく影響するところであったが、他の冷却
方式との比較検討および限られた空間での構造設計等課題を解決し、磁性体に発する熱処理を強
制空冷にて行い、加速空洞の安定且つ信頼性のある運転を可能にした。
委員会の評価は以下の通りであった。
ブースターのビーム損失の低減およびビーム強度の増加ならびに安定運転に寄与していること
は、高く評価される。設計に使われた強制空冷のモデルおよび装置完成後の実績については追加
の資料で明らかとなり、制限された設置空間内の装置を設計するうえでの技術的工夫等も含め技
術の伝承に今後も努力されることを望む。
「パイプライン機能とネットワークインターフェイスを持つ高速CAMACインターフェイス」
素粒子原子核研究所
安
芳次
井上
栄二
要旨
高エネルギー実験で標準規格として利用されてきたCAMACは、その策定から 30 年以上を経
過して、最新の計算機ネットワーク技術との整合性を取りづらくなっている。規格自身が本来持
つ性能に着目し、インターフェイスを工夫することにより、最新の計算機技術やネットワーク技
術との整合性をとり易くし、かつ規格限界のデータ転送速度を引き出すデータ収集システムを実
5
現した。
委員会の評価は以下の通りであった。
着眼点の良さ(創造性)
、具体化に向けた自立的な技術開発(具体化)
、製品化による技術の社
会還元(貢献)、研究会や国際会議等での本人による発表(伝承)など、選考基準に示す 4 つの項
目のすべてにおいて技術賞に相応しいと評価された。委員の多くから今後のさらなる発展に大き
な期待が表明された。
「ブースター周辺のビームモニターの開発」
加速器研究施設
染谷
宏彦
要旨
PS− 500MeV ブースターの各種ビームモニターに関し、ハードウェアの設計・製作およびアナロ
グ回路、デジタル回路の開発・改良等に独自の視点をもって取組んだ結果、製作された各種ビー
ムモニター(入射ビームの運動量測定装置、イオンチェンバーを用いたブースター入射のロスモ
ニター、リングに設置された薄型ビームポジションモニター等)を利用することでブースターの
運転を円滑にし、かつ性能向上に繋がった。
委員会の評価は以下の通りであった。
候補者自身の「ビームを見てみたい」という欲求から、数多くの技術を独自に完成させること
で、直面する様々な問題を解決して、所期の目的を達成している。しかも、その一つ一つがブー
スターの性能向上に大きく貢献している。
具体化、および貢献度において高く評価できる。
6
2.2 第 1 回(平成 16 年度)日本加速器学会賞 奨励賞
KEK 物質構造科学研究所
宮島
司
テーマ:非線形共鳴近傍でのビームダイナミックスに関する研究
受賞論文の要旨
宮島さんは、KEK 放射光電子貯蔵リング PF-ring において、蓄積リング中での非線形ベータト
ロン振動の位相空間での振舞いを直接測定し、その Poincare Map を作成するとともに、新しい共
鳴パラメタの実験的な決定方法とその結果から共鳴の起源を推測することに成功しました。
特に、この測定の有効性と解析法は、非線形成分の寄与が大きく影響する挿入光源を有する電
子蓄積リングや、長時間蓄積が不可欠なイオン蓄積リングなどの高性能化において、強力な役割
を果たすことが期待されるものです。
周回する軌道を持つ円形加速器では、周回するためにビームが誤差磁場などによる非線形磁場
の影響を繰り返し受けます。とくにベータトロン振動の共鳴近傍ではその影響は顕著に現れ、振
動振幅を増大させ、周回ビームの損失を招くことが知られています。このようなベータトロン振
動の特徴的な状態は、位相空間中に顕著に現れます。線形な振動の場合には、位相空間中での軌
跡は楕円となります。一方、共鳴近傍では島状構造やセパラトリクス構造と呼ばれる特徴的な状
態が現れます。このような共鳴の特徴的状態は、共鳴パラメタと呼ばれる 2 つのパラメタ(振幅
依存チューンシフト、共鳴の強さ)によって特徴付けられています。図 1 に共鳴パラメタが変化
したときの位相空間中での軌跡を示します。図 1 は共鳴パラメタの変化に伴い位相空間中での軌
跡が変化することを示しています。このように、共鳴パラメタは共鳴近傍での運動を特徴付ける
重要なパラメタとなっています。
共鳴パラメタはあらゆる非線形磁場の効果を含んでいるため、現実の加速器での値を理論的に
予測することは難しく、実験的に決定する方法が主に用いられています。しかし、これまでの実
験では、単一の条件の下でのみ共鳴パラメタが決定されてきたため、共鳴の起源となる非線形磁
場に対してどのような応答するかは示されてきませんでした。今回提案した方法では、共鳴パラ
メタの非線形磁場に対する応答を測定することによって、より正確に共鳴パラメタを決定可能に
なるとともに、共鳴の起源となる非線形磁場の起源を推測することが可能となります。
受賞理由の一つが、このベータトロン振動を位相空間モニターによって測定し、共鳴パラメタ
を決定する手法を示したことにあります。
位相空間の測定システムは、初期振幅を与えるための高速キッカー電磁石と、位相空間での情
報を測定するための位相空間モニターから構成されます。高速キッカー電磁石は、シングルバン
チビームに対して、1 ターンのみでキックを与えることが可能となっています。位相空間モニタ
ーは、円形加速器の直線部に距離 L だけ離れて配置された 2 つの BPM (Beam Position Monitor) か
らの信号をターンバイターンで測定します。この 2 つの BPM からのビーム位置情報から位相空
間中でのビーム軌跡を描くことが可能となります。
加速器学会授賞式での発表では、非線形共鳴である垂直 4 次共鳴を、非線形な外乱として 8 極
磁場の強さをコントロールして、4 次共鳴パラメタが決定できることと、その解析から垂直 4 次
共鳴近傍での共鳴パラメタの変化が、8 極磁場の強さに対し比例しており、8 極磁場が垂直 4 次
共鳴の起源となっていることを説明されました。
7
さらにこの方法で観測可能になるパラメタとして紹介されたのが、六極磁場成分による垂直 3
次共鳴があります。理想的なラティスの下での垂直 3 次共鳴成分は、通常、クロマティシティ補
正に用いられる六極電磁石の磁場形状では発生しない共鳴ですが、実際には漏れ磁場や電磁石の
設置誤差などの影響を受けます。この方法ではこのような誤差磁場、設置誤差などのラティスの
周期性の乱れから生じる共鳴を調べることが出来ることを示しました。
また、この手法は第三世代放射光リングなどのように挿入光源を多数設けるものや、衝突型リ
ングのような非線形磁場によるダイナミックアパーチャーが問題となるようなチューンにおいて、
強力な役割を果たすことが期待されることが受賞の選考理由に挙げられています。
図 1;共鳴パラメタが変化したときの位相空間パターンの変化[1]
8
図 2:位相空間モニターの概念図。ビームを高速キッカーでキックした直後から、直線部に配置された 2 箇所の
BPM(ビーム位置モニター)を用いてビームの位置を 1 ターン毎に測定する。
図 3:高速キッカー電磁石の断面図
(a)水平方向用高速キッカー電磁石
9
図 3:高速キッカー電磁石の断面図
10
(b) 垂直方向用高速キッカー電磁石
図 4:垂直 4 次共鳴での観測結果[2]。
非線形磁場として 8 極磁場の強さを変えて、位相空間中での軌跡の変化
を測定した。 8 極磁場の強さを変えることは、(1)振幅依存チューンシフト、(2)4 次共鳴の強さを変化させている
ことに対応する。 8 極磁場の強さが強くなるに従い、位相空間中での軌跡は、(1)振動減衰、(2)アイランド形成、
(3)アイランド形成後減衰というような状態に変化していく。
11
宮島
司(MIYAJIMA
Tsukasa)
所属:物質構造科学研究所
放射光源研究系 電子軌道グループ 助手
専門: ビーム物理、放射光源、電磁石システム
受賞にたいする感想:本研究を行うにあたって、放射光源研究系電子軌道グループ
の小林幸則助教授、原田健太郎助手、長橋進也氏をはじめ多くのスタッフに協力し
ていただきました。今回このような賞を受賞できましたのも、多くの方々の協力の
お陰だと思っております。この場をお借りして、感謝申し上げます。
参考文献
[1] 宮島 司, 小林 幸則:「垂直 3 次共鳴近傍における位相空間中でのベータトロン振動の測定」,
日本加速器学会誌 1 NO.2, 98 (2004).
[2] Tsukasa Miyajima and Yukinori Kobayashi:``Determination of Nonlinear Resonance Parameters in
Electron Storage Rings'', Japanese Journal of Applied Physics, 44 No. 4A, 2006 (2005).
12
2.3 第 1 回(平成 16 年度)日本加速器学会賞 技術貢献賞
KEK 加速器研究施設
テーマ:
橋本義徳
酸素分子ガスシートを用いたビームプロファイルモニターの開発
受賞論文の要旨
橋本さんは、放射線医学研究所
重粒子加速器 HIMAC(Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba)
のシンクロトロン(2 段リング、主リング直径約 42m、周長約 130m、800MeV/核子)を用いて、酸
素分子ガスシートターゲットを用いた非破壊型のビームプロファイルモニターを開発しました。
この非破壊的かつ高速のビーム診断ツールは、イオンシンクロトロンにおけるビームオペレー
ションとビームダイナミクスの研究から、特に要求が高まっている技術です。
非破壊型のモニターでは、加速器を周回または取り出されたビーム自身と真空ビームパイプ中
の残留ガスとの衝突で生成される電離イオンもしくは電子を用いて、一次ビームから十分に遠い
位置までドリフトさせて検出する方法が一般的な測定法といえます。とくに、高速で精度良くビ
ーム形状測定するには、衝突させる残留ガスの圧力が高いか、ビーム強度が高いことが必要条件
となります。HIMAC シンクロトロンのようなビーム強度が低く、かつ超高真空領域のシンクロト
ロンやストレージリングなどにおいて、高速のビームプロファイル計測を、非破壊で行うことは
より一層難しい技術です。
ガスシートターゲットを用いた非破壊型のビームプロファイルモニターの開発に対する受賞に
は、二つの理由が挙げられます。一つ目は、世界のイオンシンクロトロンのビームプロファイル
計測は、残留ガスを用いたタイプをはじめ、ほとんど 1 次元に射影した計測しか行われていませ
ん。しかし、バンチ内粒子の空間密度分布構造を調べるには、本来の姿である 2 次元の実像で見
ることが必要であり、そのことに成功しました。
二つ目は、加速器のビームの高品質化にともなって、ビーム不安定性の研究と対策が数多く行
われていますが、バンチ形状の変化や、瞬時にビーム強度が減少する現象には、できるだけ短時
間で実バンチ形状を調べることが、その原因解明に有益な情報をもたらすことが分かっています
が、そのことを可能にしました。
このガスシートターゲットを用いた非破壊型のビームプロファイルモニターを開発するために、
次のような技術的困難を克服しています。
(1)シンプルなガスターゲット発生装置
本装置ではノズルビーム法とパルス化(パルス幅 120µs)を併せて、シンプルなガスターゲット発
生装置を開発しています。真空排気系は、4 段の差動排気系を、4 段の真空絶縁度として、5×10-5
を得ました。
ノズルビーム発生部は、連続体と分子線という流体としての扱いの大きくことなる境界であり、
シミュレーションが困難な領域であるために、ノズルとスキマーの形状、大きさ、位置関係を変
えて、実験的に最適な組み合わせを求めることに成功しました。本装置では、ノズル径が 1.5 mm、
スキマースリットが 2.0×3.0 mm2 でその距離 6 mm 程度で最大の分子線強度を得ています。
(2)ガスシートターゲットの密度
ガスターゲットは、圧力換算にて、1×10-4 Pa 相当の高密度を実現しています。これは、分子
線密度に換算して 3×1019 molecules/sr.s に相当する量です。ガスシートのサイズは、平坦部分とし
13
て幅 85 mm、厚み 1.3 mm (FWHM)、長さ 73.5 mm (時間換算で 100µs)を実現しました。
世界の分子線発生装置は、ペンシルビーム型が主流であるのに対して、このような高密度化さ
れたシート状分子線装置は、おそらく類を見ない存在となっています。また酸素分子ビームは、
10K 程度まで冷却されたことを、分子線のパルス波形の計測と酸素分子の収束実験にて検証して
います。
(3)新しい酸素分子ビームの収束装置の開発
酸素分子は、スピン 1 及び磁気モーメント(2 Bohr-magneton)を持っています。このことに着目し、
永久磁石を用いた周期的な不均一磁場を発生する酸素分子ビームの収束装置を開発しました。こ
れを用いてガスシート発生装置内を走行する酸素分子ビームの収束を行い、ガスターゲット密度
を 2 倍に増強することを実現しました。
偏極イオン源等での粒子の収束に用いられる回転対称の 6 重極磁石とは異なり、平面ビームの
収束装置として、これも世に類を見ない開発となりました。収束磁石は、磁極ギャップの大きな
ところでの球面収差の影響は残るものの、それも含めて設計どおりの収束機能であることを実験
的に明らかにし、可変の焦点距離は 735 m/s 相当の速度をもつ酸素分子ビームに対し、10~35 cm
を実現しました。
(4)二次元イメージスクリーン
ビーム形状を検出するための 2 段構成の MCP のアノードには、材質が、Y2SiO5: Ce3+であるイ
メージスクリーンを用いました。このことにより HIMAC のバンチ時間(最小 100ns)より短い
80 ns の時間で、その形状情報の光が高速で減衰させるようにしました。ターゲットで発生した電
離イオンを最大ゲイン 1×106 での荷電増幅を行い、スクリーン上に実 2 次元ビームプロファイル
を CCD カメラに IIT(最大ゲイン 1×104)を付けて、100 ns 以下のゲート時間で、ビームバンチ
毎に高感度なビームプロファイル計測を実現しました。
(5)測定精度
電離イオンの収集電場での位置ズレは、最大 0.3 mm であり、酸素分子ガスターゲットで発生
する単位時間・単位面積当たりのイオンペア数が、2.9×105 ions/mm2/s 程度であれば加速器制御、
医学利用に有意なビームプロファイルが検出できます。本装置の検出系は、ダイナミックレンジ
の範囲に良好な直線性をもち、空間分解能としてビーム水平方向で 0.76 mm、垂直方向で 1.51 mm
以下としました。
(6)実ビーム像のバンチ毎測定
HIMAC の典型的なガン治療ビームであるカーボンイオンビームは、ビーム強度が 2.5 ×108
ppb、ビームエネルギーが 6-430 MeV/n であり、このようなビーム計測でも、2 次元の実ビーム
像をバンチ時間内である 100 ns の IIT ゲート時間間隔で計測することに成功しました。さらに電
子冷却された重イオンビームに対しても、クーリング過程のプロファイルをクリアに計測するこ
とができ、HIMAC のビームダイナミクスに関わる研究、特に不安定性に関する有意なデータ提供
が行われるようになったことも示しました。
以上の数々の新しい技術のアイデアを用いて、かつてない高電離イオン効率をもつガスシート
ターゲットを発生する装置を製作し、バンチ時間内に二次元ビームプロファイルの高速計測を実
現したことが、第一回日本加速器学会技術貢献賞の受賞につながりました。
14
図 1. 酸素分子ガスシートビームプロファイルモニター概念図
図 2. HIMAC シンクロトロンにインストールされた装置写真.左手に見える円筒形と次の矩形のチャンバーが、ガ
スシート発生装置で、内部で空間が仕切られている。 シンクロトロンビームは、写真の後方より右手に見えるダ
クトへ走る。 衝突点の上に垂直に立つ黒いポストスタンドには、カメラと光学系がセットされる。
15
図 3. ビームプロファイル検出部概要
(b)
(a)
図 4. (a)HIMAC の
12
C6+ ビームの単バンチのビームプロファイル、(b) その水平、垂直方向への射影.図(a)のスケ
ールは 63 H x 38 V mm2 である。
橋本 義徳(HASHIMOTO Yoshinori)
所属: 加速器研究施設 加速器第一研究系 (J-PARC センター第 5 セクション)
技師
専門: ビーム診断装置技術
受賞にたいする感想:大変苦しい開発でしたが、2 次元のクリアなビームプロ
ファイルが見えたときには、天にも昇るような、生涯まれな興奮をしたことを
今でも鮮明に思い出します。この装置は多くの方々のご協力の賜物で、この開
発で得たものは、大きな私の財産だと思っています。
16
2.4 第 3 回(平成 17 年度)日本中性子科学会賞 技術賞
KEK 中性子科学研究施設
佐藤節夫
テーマ:中性子検出器エレクトロニクスシステムの開発
受賞の要旨
佐藤さんは、中性子実験に使用する中性子検出器エレクトロニクスシステムの開発を行ってき
ています。平成 18 年の 3 月に運転を終了してしまいましたが、KEK 中性子科学研究施設(KENS)
で使用された中性子検出器エレクトロニクスのほとんどは佐藤製でした。また、日本原子力研究
開発機構の多くの中性子実験や、北海道大学(北大)のパルス中性子実験で使用されています。
最近では、J-PARC 中性子実験施設用にも採用が計画されています。
今回の日本中性子科学会賞技術賞は、これら多くの中性子検出器用エレクトロニクスを開発し、
KENS における多くのパルス中性子分光器の整備に多大な貢献をしたことに贈られました。また、
J-PARC に設置される各種パルス中性子分光器用の検出系及びデータ集積装置開発の中心的役割
を担っていることも評価されています。佐藤さんの開発した一連のパルス中性子検出器のデータ
集積システムは、KENS における全国共同利用プログラムによる中性子散乱実験に多大な貢献を
しているばかりでなく、内外の研究者や実験施設に大きなインパクトを与えていることも受賞の
理由です。
KENS や北大や J-PARC はパルス中性子を発生させる実験施設では、中性子飛行時間測定法(TOF
法)を使用します。パルス中性子源から一定の距離だけ離れた地点(L)に試料を置き、パルス中
性子が発生してからの時間(t)を測定することで、試料に到達した中性子の速度(L/t)が求めら
れます。速度がわかると、運動エネルギーが求められるので、簡単に中性子エネルギーに対する
試料の振る舞いが観測できます。開発してきたエレクトロニクスの主な機能は、時間ごとに中性
子カウント数を分類する時間分析機能(TA)と、位置検出機能(PSD)です。
中性子検出器の種類について言えば、He3 ガス検出器が、簡単な構造と高信頼性の中性子検出
能力という点で、ほとんどの実験で採用されています。しかし、位置分解能の限界が 5mm 程度で
あり、カウントレートの限界が 20k カウント/秒(cps)程度で、実験の種類によっては使い物に
なりません。これらを解決するために、中性子シンチレータと光電子増倍管(PMT)を組み合わ
せた検出器が使用されます。佐藤さんはこれらのほとんどの種類の検出器の読み出し回路を手が
けています。
中性子検出器エレクトロニクスを開発するために、次のような技術的困難を克服しています。
(1) TA 機能、汎用メモリのヒストグラム化
パルス中性子実験に於いて、中性子の検出
をパルス中性子発生からの経過時刻ごとに
分類してヒストグラム化することが必要不
可欠です。普通にはマルチチャンネルアナラ
イザーを使用しますが、高価ですし、使用で
きる入力数 1 個が普通でした。検出器の数は
数十本単位でありますので、とても足りませ
図 1.
17
PSD 検出器とデジタル処理回路
ん。そこで、汎用メモリを直接使用し、安
価に高性能な時間分析器を 8 本単位で処理
できる TA を開発しました。汎用メモリは
アドレスを指定してデータをアクセスする
ので、ちょっとした外部回路を付けるだけ
で時間分析器になることに気がつきました。
図 2.
位置データと波高分布図
どの開発回路にも基本的に付ける機能です。
(2) PSD 機能、アナログ-デジタル変換器(ADC)による、完全デジタル処理
PSD の開発当初は、アナログ演算により、検出位置を求めていましたが、多くの調整箇所があ
り、検出器の本数が多くなると大変な作業になります。また、各アナログ素子の影響を受けるの
で、温度特性、経年変化など、維持管理も大変です。そこで、10 年前ごろから出始めた高速 ADC
を採用し、信号を早い段階でデジタル化してしまい、デジタルだけで処理する方法を考えました。
独自の波形処理等を開発し、60cm の検出器で 7mm の位置分解能であったものを、この方式によ
り、5mm 以下にすることができるようになりました。図 1 に検出器と処理回路を示します。8 本
の検出器を 1 枚の VME ボードで処理できる、高密度化にも成功しています。デジタル化するこ
とで、特性が均一化し、調整が要らなくなったところや、自動化できたところもあり、手間がか
からなくなりました。図 2 に得られたデータを示します。左のグラフが、横軸:検出器の位置、
縦軸:中性子カウント数で、右のグラフが同じデータの、横軸:波高、縦軸:中性子カウント数
です。検出器を 5cm ずつ 11 回移動させ、それぞれで 1mm 幅の中性子ビームを同じ時間当てたデ
ータです。
図 3.RPMT 検出器、5inch と 3inch
図 4.2 次元位置データ
(3) RPMT2 次元検出器、中性子を高位置分解能で検出する技術
中性子検出器として He3 ガス検出器が使用されることが多いのですが、欠点として、生成粒子
が 3mm 程度飛行するため、位置分解能の限界は 3mm と言われています。そこで、1mm 以下の位
置分解能を得るために中性子シンチレータを使用する検出器も採用されています。厚さ 0.2mm 程
度の中性子シンチレータを使用し、
浜松ホトニクス社が販売している 2 次元光電子増倍管(RPMT)
を使用して、直径 9cm の領域を位置分解能 0.8mm で中性子を検出できるシステムを開発していま
す。図 3 に直径 9cm の 5 インチ型と、直径 5cm の 3 インチ型を示します。図 4 に 5 インチ型で、
縦 2cm、幅 0.3mm 程度に絞った中性子ビームを 1mm 間隔で移動させて観測した 2 次元データを
示します。0.5mm 程度の位置分解があることがわかります。
当初、He3 用 PSD システムを若干変更するだけで、比較的簡単に開発をすることができました
18
が、ユーザーが多くなってくると、特殊な使用が多くなり、10000 分の 1 ぐらいの頻度でストリ
ークが出るとの指摘を受けました。あまりに頻度が少ないので、指摘された事象の確認も大変で
したが、確かにあることが確認でき、2~3 週間悩んだ後、縦軸と横軸のデータの一致判定アルゴ
リズムにバグがあることに気がつき、解決することができました。
(4) 中性子を高カウントレートで検出する技術
He3 ガス検出器の 2 つ目の欠点として、最大で 20k カウント/秒(cps)程度の遅いカウントレ
ートしか実現できません。これを補う検出器として、200ns 程度の速い中性子検出が可能なシンチ
レータを小さなブロック(1mm 厚、1.7mm 角)に切り刻み、マルチアノード PMT で個別に検出
する方法が北大から提案され、共同開発をしました。読み出し回路を一手に引き受け、今までに
無い、中性子を高速に処理する回路ができました。
1.7mm 角の中性子シンチレータを 2.3mm ピッチで 8×8 個並べ、マルチアノード PMT(H7546)
に貼り付けました。高カウントレートとするため、独立に処理する方式を開発しました。技術的
に困難だったことは、小さなスペースに 64 個のアンプとディスクリミネータと時間分析機能が必
要であったことです。なるべく少ない部品で高密度に作製しました。また、64 個のディスクリミ
ネータをコンピュータから制御できる仕組みを考え出し、波高分析機能を実現しました。
この検出器システムは北大のパルス中性子実験において、最大強度の中性子ビームの時でも使
用できること確認できました。北大の最大強度(3µs パルス幅,50Hz,2~3ms 間)での中性子カ
ウントレートは約 50Kcps/cm2 でした。一方で KENS の H9 ビームラインでは、8.3Mcps/cm2 を観測
していますので、まだまだ余裕で使用できることがわかります。
佐藤
節夫(SATO Setsuo)
所属:物質構造科学研究所
中性子科学研究施設
先任技師
専門:電気回路設計
受賞に対する感想:私の前年度に技術賞を受けているのが現
KEK 教授の清水氏で、今年度が助教授の鳥飼氏です。学歴のな
い私がこれらの方々と同列に扱って頂き、中性子科学会に感謝し
ています。受賞に恥じないよう、気を引き締めて今後も取り組ん
で行きたいです。元来、電気回路いじりが好きで、中性子検出器
の読み出し回路開発はお金をもらえて遊べる、願ってもない仕事でした。しかし、いろいろなと
ころで採用されはじめると、作ったものへの責任が伴ってきます。いろいろ不具合があると直し
ていかなければなりませんが、だんだん良くなってきますので、それもまた、解決できると楽し
いものです。
J-PARC が正念場になってきていて、私の回路がどの程度採用されるか、頑張り所です。大きな
開発になるので、今までのように一人で全てを完成させることは不可能になり、皆様の協力を必
要とします。当面、素核研の方々の協力を得て、ネットワーク対応にしていきます。何か優れた
技術、アイデアをお持ちの方が居りましたら、ぜひ声を掛けてください。
19
2.5 平成 17 年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
文部科学省では、我が国の科学技術分野において顕著な功績をあげた者を対象とした文部科学
大臣表彰を行っています。平成 17 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
を本機構の笠見勝祐さん、井上均さんが、素核研・春山富義さん、東大素粒子国際研究センター・
三原智さんの研究グループらと共に受賞しました。
この科学技術賞(研究部門)受賞のテーマは「液体キセノンカロリメータ用パルス管冷凍機の
研究」でした。 なお授賞式は 4 月 20 日、虎ノ門パストラルで行われました。
詳細については、本機構ホームページ上でご覧ください。
機構ホームページ
http://www.kek.jp/ja/news/topics/2005/gijyutsusyo.html
関連する情報
「液体キセノンを冷やす」(2005.1.20 KEK ニュース)
http://www.kek.jp/newskek/2005/janfeb/MEGXePT.html
MEG 実験
http://meg.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/
東京大学素粒子物理国際研究センターホームページ
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/
東京大学理学部ホームページ
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/index-ja_ip.html
文部科学省:平成 17 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者のページ
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/04/05041501.htm
20
3.アンケート結果
3.1 技術職員活動報告
「技術職員報告集」を作成するに当たって、技術職員を対象にアンケートを行いました。
アンケートの前半は「研究・開発面での貢献」としてその回答数を研究所・施設ごとにまとめ
たのが以下の表です。
数字は人数ではなく、回数です。ある人が 2 回発表している場合には「2」とカウントされてい
ます。また表中で [
]内に書かれている数字は発表、論文などが共同で行われた時に、筆頭者
ではなかったものの数です。
なお、アンケート項目・回答は、資料「5.1 アンケート用紙」
・ 「5.2 アンケートの回答」に掲
載しました。
アンケートの回答
素核研
物構研
加速器
平成 18 年 3 月末の技術職員数
32
29
59
37
アンケート提出者数
12
20
32
14
1.1
KEK 内外で賞を受賞
2
2
2
0
1.2
他大学・研究機関・企業等と共同研究
3
0 [2] 3
2
1.3
科研費等外部資金による開発・研究等
3
0 [1] 0
1
1.4
国内の各種学会・研究会などで成果発表
15
22[4] 28
12
1.5
国外の各種学会・研究会などで成果発表
4
4 [5] 4
4
1.6
展示会等で発表
0
0
0
1.7
発明届等を KEK で行った
7
3 [2] 1
1 [2]
1.8
企業への技術指導や電子出版の業務など技術協力
1
1
2
0
1.9
学会・ユーザ会の役員等、外部団体で活動
0
0
0
1
1.10 大学・企業等で講師などを行った
0
2
3
2
1.11 KEK で研修等の講師を行った
0
4
5
2
1.12 雑誌等に論文・技術レポートが掲載された
5 [1] 5 [1] 3 [1] 2
21
0
共通
3.2 職務分布
機構内における技術職員の業務がどのように分布しているかアンケートを元に職務分布を作成
してみました。その結果、KEKの技術職員は応用技術と基礎的技術に携わっており、一面的な業
務でなく多面的且つ複雑な業務をこなしていることが伺えます。
分
類
粒子発生装置
高周波装置・機器
電磁石
電源装置・機器
真空装置・機器
2 次粒子発生装置
小分類(記入例)
素核研
物構研
イオン源、電子銃、高電圧装置、
機器用小型
真空装置、機器
2 次粒子発生装置、
超低速ミューオン発生装置
基盤
全体
1
7
8
2
2
7
11
2
2
8
12
1
1
4
6
高周波、導波管
高周波用、電磁石用、UPS、
機構
2
加速空洞、クライストロン、
挿入光源装置
共通
2
炭素膜製造、荷電変換
DC/AC 電磁石・磁場測定、
加速器
1
1
軌道(電子、放射光)、磁場、温
計測装置・機器
度、水量・水圧・空気圧、素粒
4
2
1
7
1
3
1
5
1
1
5
7
2
1
3
1
2
子実験データ収集、三次元測定
測定器
制御装置・機器
解析
ビームモニタ用、放射光モニタ
用、素粒子実験用
軌道、安全インターロック、
ビームラインコンポーネント
計算コードによる熱負荷、磁
場、構造、軌道
電磁石設置のための測量など、
測量
挿入光源、ビームライン建設測
1
量
電気設計
電子、電気回路
6
機械設計
製図、CAD、構造体、装置
3
製作・加工
溶接、蒸着、表面処理、加工
ビームライン
ユーザーサポート
1
インターロック、コンポーネン
室、電子メール、安全
2
5
3
4
10
ト、ユーザーサポート
工作室・部品倉庫、ユーザ控え
6
10
1
7
3
5
16
5
2
3
5
15
システム管理運用、加速器制
計算機
御、計測器制御、ソフトウェア
管理
22
分
類
小分類(記入例)
素核研
物構研
加速器
4
2
2
1
4
1
4
共通
機構
基盤
全体
LAN機器、VPN、クラスタ計
ネットワーク
算機、テレビ会議システム、C
3
11
ATV、情報セキュリティ
クレーン等維持・運 クレーン、電気自動車、フォー
転
クリフト、実験用寒剤
教育・訓練、検査、分析、
安全
監視カメラ、インターフォン
5
1
排水・廃液、実験材料、廃液処
分析
理
被曝管理、ゲートモニタ、線量
放射線安全管理
計、サーベイメータ、水質管理
冷凍機、液化機、高圧ガスボン
2
1
7
2
2
4
6
1
3
2
1
7
3
5
16
職務に対する回答数
38
54
51
30
173
研究所・研究施設ごとの回答人数
12
20
32
14
78
低温装置・高圧ガス
施設・設備
ベ、超伝導装置
建屋、冷却水、圧縮空気、空調、
電気、実験盤、照明、電話
23
6
24
4.技術部門の諸活動
4.1 技術交流会
技術交流会は当機構の各研究所・研究施設で持ち回り開催され、技術職員の多面的な技術が見
える方法を重視し技術発表やどのような技術業務をしているかなどの現場見学も行われている。
平成 16 年度技術交流会
平成 17 年 2 月 18 日に、技術交流会を実施し、技術交流会報告集「KEK Proceedings 2005-14」を
発行した。発表内容は、以下の通りである。
開催日
平成 17 年 2 月 18 日
場
4 号館セミナーホール
所
発表内容
1、J-PARC
ハドロンビームライン建設の現状
上利
恵三(素核研)
2、大強度陽子ビームラインのための電磁石モックアップ
広瀬絵里奈(素核研)
3、電子陽電子入射器の RF データ収集
片桐
広明(加速器)
4、アトラス超伝導ソレノイド電磁石の開発(CERN での試験結果)
川井
正徳(素核研)
5、PF-AR ビームライン NW10 の建設
佐藤
昌史(物構研)
6、Magic-T 型
高橋
毅 (物構研)
1:2RF パワー分配器
平成 17 年度技術交流会
平成 17 年 11 月 28 日に、技術交流会を行いました。今回のテーマは、
「J-PARC 関係の技術」で、
発表前にもらった要約は次の通りです。報告書は発行済みで、「KEK Proceedings2006-6 November
2006 AHM」で入手可能です。参加者は、技術職員が 37 名、教職員が 6 名、その他 2 名でした。
開催日
11 月 28 日(月)
時
間
13 時 30 分~
場
所
4 号館
セミナーホール
講演者及び講演題目は以下の通りです。
1. 講演者
:大越隆夫
講演題目:電磁石の給電方法
概
要 :J-PARC
50GeV 陽子シンクロトロン(MR)の主電磁石(偏向電磁石・四極磁石)
に関する給電方法についてはホロコンダクター・ブスバー・ケーブルの 3 つにつ
いて検討している。どの方法においても設置場所等からの制約条件があるため長
所短所がある。検討の途中であるので意見をお聞かせ願いたい。
2. 講演者
:白壁義久
講演題目:J-PARC 50GeV 主リング用両極性速いビーム取り出し装置
概
要
:J-PARC の最終段加速器である 50GeV 主リングでは、ニュートリノ振動実験施設
へビームを送り出すための速いビーム取り出し装置が開発進行中である。この装
置は、限られた周長の中で緊急時のビームアボート装置としても機能することを
要求されており、そのために世界的にも類例の無い両極性取り出し機能が新規に
開発されている。本装置の概要、ならびに開発の現状を報告する。
25
3. 講演者
:牧村俊助
講演題目:J-PARC におけるミュオン標的チェンバシステムの製作
概
要 :ミュオン科学研究施設では世界最高強度のパルス状ミュオンビームを発生するた
めに研究開発を行っている。ミュオン標的として等方性黒鉛を用いるが、高度に
放射化するため保守作業を考慮し、高さ 3m 程度の真空チェンバに格納される。
外部遮蔽体も含め約 60 トンの標的チェンバシステムは本年度納入予定であるが、
標的位置決め機構、材料選定など製作に関し留意していることを報告する。
4. 講演者
:藤森寛
講演題目:J-PARC における大口径電磁石の設計
概
要 :大強度陽子加速器(J-PARC)において、3GeV シンクロトロンから出射した
324πmm*mmrad の陽子ビームを物質生命科学実験施設まで約 320m 輸送するライ
ン(3NBT)に設置する電磁石の磁場一様性は、中心軌道の BL 積、GL 積からの
変位として dBL/BL<5E-4 (偏向電磁石)、dGL/GL<3E-3(四極電磁石)とするこ
とが要求される。
これらの電磁石の計算と磁場測定の比較、およびその最適化について報告する。
5. 講演者
:鈴木善尋
講演題名:電磁石電源の維持管理と制御
概
要 :電磁石電源の維持管理と制御とは別のことと思われる方が居るかも知れませんが、
これは一つのこととして考えることが重要です。特に 12GeV-PS カウンターホー
ル、ニュートリノビームラインのような大きな施設では、そこに配置される多数
の電源装置の巡視は大変な時間と労力を必要とします。この状況の把握、集中監
視、管理はコンピュータを利用し合理化が可能です。ユビキタスの時代と言われ
るように、確かに、色々な計器・装置はアナログからデジタルに置き換わり、些
細な計器にまで通信機能がある時代です。これらの名も無いような多数の計器・
装置類を独自の通信回線により集中化する方法と電磁石電源の制御さらに維持
管理について報告します。
26
4.2 技術セミナー
機構および現在の技術に必要な技術の紹介などをおこなって幅広い技術の知識の研鑽を目的と
している。
平成 16 年度
(1) 演
題
講演者
CERN研修帰朝報告
共通基盤研究施設
中村
放射線科学センター
一
日
時
平成 16 年 12 月 9 日(木)
場
所
4 号館 1 階セミナーホール
15 時 30 分∼
平成 17 年度
(1) 演
題
CERN 研修帰朝報告
講演者
素粒子原子核研究所
安
物理第 2 研究系
芳次
日
時
平成 18 年 7 月 27 日(水)
場
所
4 号館 1 階セミナーホール
概
要
13 時 30 分∼15 時
安氏は、平成 16 年度 CERN 研修により、1 年間 CERN において、ATLAS データ収
集システムの研究開発を行ってきました。今回は立ち上げ状況等を帰朝報告して頂
き、更に CERN での日常生活で必要な事について、話して頂いた。
参加者
(2) 演
題
講演者
36 名
ロボット工学と構造生物学
物質構造科学研究所
助手
平木
物質科学第 2 研究系
雅彦
日
時
平成 18 年 11 月 2 日(水)
場
所
4 号館 1 階セミナーホール
概
要
13 時 30 分∼15 時
KEK のメインストリートの突き当たり手前に構造生物学研究センターという平屋
の建物がある。ここでは、蛋白質の立体構造解析が行われているが、この建物の一
部屋で蛋白質の結晶化のためにロボットが日夜働いている。
ロボットと聞くと鉄腕アトム、ガンダムを思い浮かべる方が多いと思うが、実用
化されているものとなると工場など生産現場での産業用ロボットがほとんどである。
一方でホンダの ASIMO に代表されるように、人間と共存するタイプのロボットが研
究段階から実用段階に進もうとしている。
このような様々なロボットを KEK で開発中のものも含めて紹介し、また日頃思っ
ているロボット工学について話をして頂いた。
参加者
43 名
27
4.3 技術研究会
技術研究会は共同利用機関・大学間で実施され技術職員の現場の失敗・成功例などを交え技術
研鑽を目的として交流が図られている。
平成 16 年度技術研究会
本研究会は、3 箇所の共同利用研究所が持ちまわりで開催してきた。近年、研究所間に大学開
催をいれて、本研究機構の開催は 6 年毎になった。
平成 16 年度は、大阪大学が開催した。名称は、大阪大学総合技術研究会である。開催期間は平
成 17 年 3 月 3、4 日の両日で、開催場所は大阪大学コンベンションセンターと周辺施設であった。
8 研究分野について開催され、本機構からは 39 名が参加した。
所属機関別参加数;大阪大学技術研究会実行委員会制作資料より
項
目
発表数
参加機関数
口頭
55
大学
研究所
9
(内 KEK)
ポスター
参加人数
108
58
505
21
39
120
(8)
(12 )
(39)
高等専門学校
17
7
6
36
その他
4
1
1
15
総合計
85
137
104
675
平成 17 年度技術研究会
平成 18 年 3 月 2、3 日の両日分子科学研究所技術研究会と称し、自然科学研究機構の岡崎コン
ファレンスセンターにて、5 技術分野(機械・ガラス工作技術、回路技術、極低温技術、計算機
技術、装置技術)の研究会が開催され、本機構からは 16 名が参加した。
発表数
口頭発表
ポスター発表
全体
61
47
KEK
5
2
技術研究会運営協議会について
技術研究会実行委員会は、高エネルギー加速器研究機構が開催年に当らない時にも運営協議会
のメンバーとして、毎年何れかの研究機関・大学で開催されている研究会を円滑に開催できるよ
うに、当番機関を議長にして議論を重ねている。
検討内容は、開催機関の決定、分科会の持ち方、電子出版を含む開催事務の効率化に貢献して
いる。運営協議会には、実行委員事務局員が 2 から 3 名参加している。
今後の技術研究会開催予定機関は平成 18 年度名古屋大学全学技術センター、平成 19 年度核融
合科学研究所、平成 20 年度京都大学、平成 21 年度高エネルギー加速器研究機構である。
28
4.4 技術職員シンポジウム
この技術職員シンポジウムは大学・共同利用機関に案内を出し KEK が主催している。
技術の継承・向上と技術組織の運営などでどのように機関に貢献するか意見交換などを行って
いる。各機関で技術職員の置かれている立場はいろいろであるが、このシンポジウムを通じて技
術職員が活発に活躍しているところを持ち帰り、各機関に徐々に意見が浸透し運営に生かされて
きているところが増えている。参加者自身がこのシンポジウムに期するところが多く、継続する
ことを求められている。
平成 16 年度
国立大学・国立高等専門学校・大学共同利用機関等が法人化され、技術職員に関しても、組織・
運営体制、業務内容の見直し、効率化、技術の向上等について情報交換、意見交換を行い、それ
ぞれの参考に資することが出来ればと考えている。
平成 16 年度の技術職員シンポジウムの内容は
1.法人化後における技術組織・運営等について
2.技術交流等について
以上の事をテーマに、平成 17 年 3 月 17 日・18 日開催した。
参加機関 23 機関、参加人数 71 名が、この技術職員シンポジウムに参加した。
平成 17 年度
国立大学・国立高等専門学校・大学共同利用機関等における、技術職員の業務内容の多様化に
対応する業務運営体制及び評価、更に技術職員の資質向上と後継者の育成などについて、この時
期に、各機関の状況について情報・意見交換を行い、それぞれの参考に資することが出来れば幸
いと考えている。
平成 17 年度の技術職員シンポジウムの内容は
1.技術職員の業務内容の多様化に対応する運営体制の構築について
2.各大学及び研究機関における業務の評価について
3.資質向上と後継者育成の取り組みについて
以上の事をテーマに、平成 18 年 1 月 12 日・13 日開催した。
参加機関は 26 機関、参加人数 69 名が、この技術職員シンポジウムに参加した。
今後について
この技術職員シンポジウムでの情報・意見交換等の議論を図る場所として提供することが出来
たこと、さらに各機関において、取り組まれた報告等が発表され、今後の技術職員の発展の為に、
継続して開催する方向で考えている。
29
4.5 受け入れ研修
文部省の共同利用機関である次の 3 機関の技術職員の技術交流を目的として、機関相互の間で
研修を行うということで開始された。分子科学研究所技術課、核融合科学研究所技術部、高エネ
ルギー加速器研究機構技術部である。最近では対象を上記 3 機関以外、大学、高専の技術職員に
まで広げて技術交流のための研修を実施している。
この受け入れ研修は共同利用機関間の技術向上を目指し技術職員が主に講師をおこない各機関
に必要な技術とお互い得意な分野の継承伝授に努めてきた。それを大学にも実施し最近では大学
技術職員の受け入れが多くなっている。
平成 16 年度
受入研修
(1) 研修題目:
研修内容:
FFAG の研修および加速器の見学
FFAG 加速器に関する講義受講と FFAG の運転実習をとおして、
FFAG を理解すること及び高エネ研の加速器施設の見学を行う。
受 講 者:
京都大学原子炉実験所
技術職員
吉野泰史
竹下智義
阿部尚也
研修期間:
平成 16 年 8 月 28 日∼9 月 7 日
受 入 先:
加速器研究施設
世 話 人:
竹中たてる
講
FFAG 関係
森
講義・見学等
神谷幸秀、徳本修一、久保富夫、染谷宏彦、池上
師:
(8 月 28 日は移動日)
義治、町田慎二、吉本政弘、相場政光、米村祐次郎
清、
丸塚勝美、濁川和幸、南茂今朝雄、竹中たてる
目的・評価:京都大学原子炉実験所に FFAG 加速器が建設されており、この研究所の技
術職員は FFAG 加速器を理解するとともに運転・維持管理・制御などなど
を実際に行わねばならず、大学の技術室から加速器全般について研修の希
望があった。これを実施するため、資料に研修者が記述されているような
カリキュラムをたて受け入れ研修を実施した。
規模の小さな電子線形加速器を維持管理・開発している経験者もいたが
大型加速器全般にわたる講義、見学、運転などはどのような物なのかはレ
ポートからも実感として掴まれたようである。世話人としてはこの受講者 3
人が中核になって FFAG の立ち上げに貢献することを期待するものである。
(2) 研修題目:
NC プログラミング
研修内容:
基礎的な NC プログラムの習得
受 講 者:
岩手大学工学部技術室
研修期間:
平成 16 年 9 月 6 日∼10 日
受 入 先:
共通基盤研究施設(機械工学センター)
世 話 人:
舟橋義聖(機械工学センター)
講
小林芳治(機械工学センター)
師:
伊藤有沙
上野健治(機械工学センター長)
30
外部機関受入研修
(1) 京都大学原子炉実験所技術室受入研修
研修題目:
研究用原子炉の運転維持管理及び照射設備を用いた実験測定
受 講 者:
川村真人(加速器研究施設加速器第一研究系)
池田光男(加速器研究施設加速器第三研究系)
研修期間:
平成 16 年 12 月 13 日∼15 日
平成 17 年度
受入研修
(1) 研修題目:
研修内容:
Web 関係
PowerPoint の使い方及びホームページの基礎知識、さらに PDF の使い方の
構築等の講義を行った。
受 講 者:
富山大学
杉谷地区総括管理課
研修期間:
平成 17 年 11 月 24 日∼26 日
受 入 先:
物質構造科学研究所
世 話 人:
浅岡聖二
講
濁川和幸、小菅隆
師:
(2) 研修題目:
研修内容:
学科事務主任
石原実千代
技術専門職員
澤谷和子
NC 旋盤の構築
今回の研修では自動プログラミング、対話型プログラミングなどを使わず
現場で加工図面を見ながら NC に直接プログラムフを入力することでプロ
グラムの理解と加工の手順を習得することを課題とする講義を行った。
受 講 者:
岩手大学
工学部
技術専門職員
松本行郎
技術職員
藤本甫
研修期間:
平成 18 年 2 月 13 日∼17 日
受 入 先:
共通基盤研究施設
世 話 人:
舟橋義聖
講
小林芳治
師:
(3) 研修題目:
研修内容:
機械工学センター
溶接技術の向上
今回 TIG 溶接機による溶接技術について、溶接機の取扱から溶接の一般的
な説明と基礎的な溶接技術の実習や配管溶接の実技、更に、今回例題製作
として、持参した真空容器の溶接とリークチェックを行う一連の講義を行
った。
受 講 者:
北海道大学
低温科学研究所
技術職員
藤田和之
技術職員
中鉢健太
研修期間:
平成 18 年 2 月 20 日∼24 日
受 入 先:
加速器研究施設
世 話 人:
五十嵐前衛、可部農志
講
原和文、クラブ空洞グループ
師:
31
(4) 研修題目:
研修内容:
制御関係の構築
電子出版の一般的な概要から実際に具体的な作業について、ファイルの作
成方法やファイルの編集方法等について、実習を交えて指導を行い、今後
の電子出版を運営していくためのルールに関する注意等を講義した。
受 講 者:
自然科学研究機構
核融合科学研究所
技術課長
夛喜田泰幸
技術職員
横田光弘
技術職員
小川英樹
研修期間:
平成 18 年 3 月 14 日∼17 日
受 入 先:
物質構造科学研究所
世 話 人:
浅岡聖二
講
濁川和幸、小菅隆、白川明広、片桐広明、中島啓光
師:
放射光科学研究施設
外部機関受入研修
(1) 京都大学原子炉実験所技術室受入研修
研修題目:
ライナックコース
参 加 者:
片桐広明
研修題目:
原子炉コース
参 加 者:
丸塚勝美
研修期間:
平成 17 年 11 月 8 日∼9 日
(2) 自然科学研究機構
核融合科学研究所受入研修
研修題目:
PC を用いた計測・制御技術
参 加 者:
濁川和幸、小菅隆
研修期間:
平成 17 年 11 月 15 日∼18 日
32
4.6 技術専門研修
専門研修は機構でカリキュラムを組み技術職員が機構の活動に技術面で協力をするため、技術
研鑽の基礎となる知識と現場の技術を修得し、実施に移すためのものである。講師は教員および
技術職員でおこなわれ、最近は教員の受講もある。
平成 16 年度
(1) 講義研修
研修目的:
「伝熱工学」
本機構内では、超伝導マグネットの冷却や加速器でのビームによる発熱
などで伝熱工学の知識が求められている。本研修は、技術部職員に対し、
伝熱工学についての知識を習得させ、資質の向上を図り、本機構で設計、
製作する機器の性能向上に一翼を担うことを目的とする。
尚研修では数式処理プログラム Mathematica と有限要素法解析 ANSYS
を随時使用する。これによりこの二つのプログラムを利用できる素養を身
に付けることを第二の目的とする。
講
師:
土屋
清澄
教授
実施期間:
平成 16 年 10 月 20 日~平成 17 年 2 月 9 日
受講者数:
22 名
テキスト
JP ホールマン著、伝熱工学
(2) 実技研修
研修目的:
上下
「ネットワークを使用したデータ収集」
最近ではネットワークの普及とともに、計測・制御システムをネットワ
ーク上に構築する例が増えてきている。
本研修は技術職員に対し、ネットワークを使用したデータ収集システム
構築に関する研修を行うことで、ネットワークを使用した計測・制御に関
する知識を習得させ、資質の向上を図ることを目的とする。
講
師:
小菅
隆
技師
実施期間:
平成 16 年 10 月 14 日~平成 17 年 1 月 27 日
受講者数:
12 名
平成 17 年度
(1) 講義研修
研修目的:
「技術職員のためのフーリエ解析」
本機構では、KEKB 衝突実験をはじめとして、実験データを処理する場
合に数学的技法であるフーリエ変換が用いられるため、高度の数学的知識
が求められている。
本研修では、技術職員に対し、フーリエ変換についての知識を習得させ、
資質の向上を図り、本機構の実験等においてデータ処理する場合の解析技
術の向上に一翼を担うことを目的とする。
講
師:
菊谷
英司
助教授
研修期間:
平成 17 年 11 月 18 日~平成 18 年 3 月 17 日(全 12 回)
受講者数:
15 名
33
(2) 講義研究
研修目的:
「デジタル情報のセキュリティ」
社会基盤として定着したインターネットは、そのオープン性により高い
利便性と脆弱性を合わせ持っている。インターネット上に存在する情報シ
ステムとそこで取り扱われるデジタル情報について、利便性を損なうこと
なく安全性を確保するための知識や技術を有することは、本機構における
研究業務活動においてもいまや必要不可欠になってきている。
本研修では、最初にネットワーク・セキュリティの基本的な事柄を学習す
る。続いて、セキュリティの要素技術である認証について理解をすすめる。
最後に情報セキュリティに関連する昨今の社会体制とデジタル情報の保護
のための具体的な方法について学習する。
講
師:
湯浅
富久子
助教授
研修期間:
平成 17 年 12 月 8、15、22 日(全 3 回)
受講者数:
13 名
(3) 講義研修
研修目的:
「PGA、HDL 研修」(外部講師による集中研修)
本機構内で行われる各研究系での実験の機器制御やデータ収集などに、
様々な電子回路が使用されているが、特に制御系やデータ収集系の回路な
どには、論理演算を用いたデジタル回路の使用が必須である。論理回路系
の作成にあたっては様々な手法が考えられるが、その中で
PGA(Programmable Gate Array)を採用する方法は、複雑な論理演算を実現
させる際に、有効な手段の一つである。
本研修は、技術部職員に対し、PGA および PGA のプログラムに使用す
るハードウェア記述言語 HDL(Hardware Description Language)などについて
の知識を習得させ、資質の向上を図り、本機構の実験などで使用する様々
な論理回路の作成技術の向上に一翼を担うことを目的とする。
講
師:
研修期間:
東京エレクトロンデバイス株式会社
平成 18 年 1 月 19 日(木)、2 月 2 日(木)、2 月 16 日(木)
34
4.7 語学研修
機構の国際化に伴い益々語学が必要に迫られている。最近は語学研修を通じて CERN 研修への
参加が促され海外での技術協力、例えば電子出版などがおこなわれている。目的は下記に記述さ
れている通りである。
初級:
平成 16 年及び 17 年度は実施されなかった。
中級:
1)目的
本機構は様々な形での国際交流を進めており、多数の外国人研究者及び共同利用実験者等を
受け入れている。これを支援する事務職員及び技術職員についても語学力は必要である。業務
上必要な中級レベルの英会話、読み方などを修得し、もって当該職務の円滑な遂行が図られる
ことが目的である。
2)対象者
受講対象者は、英語研修初級を終了した者、または同等程度の語学力を有する管理局、及び
技術職員の中から各部長が推薦し、総務部長が受講を認めた者とする。また、上記の受講予定
者に対してレベル合わせを実施した結果をもって受講者を決定している。
3)募集人員
8 名程度の定員の内、
平成 16 年度:3 名
平成 17 年度:3 名
の技術職員がそれぞれ受講した。
平成 16 年度
加速器研究施設
嶋本
眞幸
加速器研究施設
田中
宏和
物質構造科学研究所
上田
明
加速器研究施設
中尾
克己
加速器研究施設
中島
啓光
共通基盤研究施設
千田
朝子
平成 17 年度
4)研修期間
平成 16 年 10 月下旬~平成 17 年 1 月下旬
計 25 回
50 時間
平成 17 年 10 月下旬~平成 18 年 2 月上旬
計 25 回
50 時間
5)研修内容
日本人または外国人講師が中級企画書に従い講義をおこなう。これにより、職務上必要な英
語力を養う。この中級企画書では、研修 1 回毎に具体的な目標項目を設定し、各回終了時に個
人毎のコンサルテーションをすることで語学力の向上を目指す。
35
4.8 日本−CERN 技術職員海外派遣研修
日本− CERN 技術職員海外派遣研修(通称 CERN 研修)制度は欧州合同原子力研究機関
(CERN)が推進している LHC 計画への建設協力を契機に始められたもので、KEK から技術協
力を行う目的で技術者を 1 年程度の期間に亘り派遣するものである。教員の研究協力に倣い「海
外派遣研修」と言う名称を使用している。
平成 13 年度から募集を開始して、翌 14 年度に最初の派遣を行った。今日まで 5 名の技術職員
(1 名は現在派遣中)がこの制度を利用して CERN に滞在し、技術協力を行った。
派遣候補者は、技術レベルと語学力が一定程度以上であることを基準として、CERN での技術
協力の効果等を考慮して機構の技術部門の選考委員会で選考される。以下に、平成 16、17 年度派
遣者の受入先名称と技術協力の内容を簡単に示す。
平成 16 年度
派遣先グループ
内容
安
芳次
主任技師(当時は先任技師)
ATLAS Data Acquisition/Controls Group
アトラス実験の数多くの検出器に対して、データ取得のタイミングを明示するためのトリ
ガの生成および分配の技術協力
平成 17 年度
派遣先グループ
内容
平
雅文
技師
Safety Commission/Integrated Safety and Environment Group
CERN 全体の環境、安全を確保する活動のなかで、環境中の放射線のモニタリング、研究
所から排出される水および河川水のモニタリング、窒素酸化物のモニタリング等
帰国後は帰朝報告が義務付けられており、技術協力の成果および国際協力の下で仕事を円滑に
進めるためにどのような制度や運営方法等が取り入れられているかを、本人達が実際に体験した
事柄等を基調に披露され、KEK に於いても活用できる事の提言と実践等、十分な成果を得られて
いる。
36
4.9 機構広報室担当
機構広報室は、機構の最新の物理や技術等の研究活動を精査・広報し、国内外の関連機関及び
社会との連携を推進する部署である。
広報室の運営は、室長の下に、素粒子原子核研究所、物質構造科学研究所から各 2 名と加速器
研究施設、共通基盤研究施設、大強度陽子加速器計画推進部、評価・調査室から各 1 名(計 8 名)
と総務部、国際社会連携部からの専従職員等で構成されている。前者 8 名の室員の内の 1 名は、
技術部門(技術職員)からの選任として加わっている。
この室員の主な役割は、各研究所・研究施設の技術部門に所属する技術職員に関わる情報を収
集して広報することにある。また、広報室の各種業務についても他の室員と一緒になって遂行し
ている。
最近の企画では、常設展示ホール「KEK コミュニケーションプラザ」の開設(平成 17 年 9 月)、
移動展示物(宇宙のものさし)の企画・制作(平成 18 年 9 月)、KEK 紹介 VTR の企画・制作(平
成 19 年 3 月)等がある。また、広報室発行記事の [email protected] には 3 件、トピックスには 4 件の
技術職員に関係する記事が紹介された。
今後とも技術職員に関わる記事が数多く発行される様、技術職員の皆様の日頃のご活躍を期待
したいと思う。
37
4.10 SMG グループ
技術部 SMG グループ(Server Management Group)は平成 8 年から技術部のホームページを作り、
技術職員に関する情報の提供を行ってきた。平成 16 年 4 月から機構の法人化に伴い、技術部組織
が無くなったが、技術部門からの情報発信が継続されるよう、ホームページを残すことになった。
内容を修正し、デザインも若干変更し、法人化に合わせて、4 月 1 日より新しいトップページに
変更した。SMG グループは活動を続けることにし、平成 16 年 4 月 28 日に打ち合わせを行って以
下の方針を定めた。
1.
サーバマシンの維持管理はとりあえず現状を維持する。
サーバー管理は荒木、鈴木が行う。
(当面、荒木が主に行うが、行く行くは鈴木が主に行
えるようにする。)
2.
HP のコンテンツの見直しを行う。
分担:議事録関係− 齊藤、お知らせ− 川又、研修− 荒木、掲示板、リンク、はじめに−
平
3.
メーリングリストについては現状維持。
4.
当分の間、以下のメンバーで活動を続ける。
平、荒木、齊藤(裕)、鈴木(祥)、川又、八代、小林(芳)
5.
新たに SMG 新メンバーを各研究所、施設から選んでもらうことにする。
サーバーも古くなり、また、セキュリティ上、管理作業も大変で平成 17 年 3 月 15 日に SMG グ
ループの打ち合わせを行ない、方針として計算科学センターサービスのマシンに乗り換えること
にした。
1.
機構 Web サーバーにスペースをもらい、SMG は Web の情報のみを管理することにした。
2.
研修のページについては、研修担当者にアカウントを申請してもらい、直接アップデート
してもらうことにした。
3.
技術部門のメーリングリストについては、既存のサーバーを維持し、メンバーの編集につ
いては、各研究所、施設毎に責任を持ってもらうことにした。この ML は機構内に閉じて
いるため、機構外部から SMG へのコンタクトアドレスとして、Post.kek.jp に
[email protected] を取得した。
移行作業には時間がかかり、作業中に既存の Web コンテンツ更新用のサーバーがダウンしてし
まったが、なんとか作業を終了し、平成 17 年 7 月に切り換えを行った。
それまで Web サーバーとして使用していた engineer1 のマシンについては、DMZ に残しておく
必要がなくなったため平成 18 年 1 月に廃止した。
38
4.11 機構委員会への参加
機構の各種運営会議・委員会に平成 16 年度、17 年度は以下の人員が参加している。
平成 16 年度・平成 17 年度 各委員会における技術職員数
委
員
会
名
平成 16 年度
平成 17 年度
1
技術部門連絡会議
5
5
2
主幹会議
1
1
3
連絡運営会議
8
6
4
一般公開実行委員会
2
2
5
法人化推進委員会
1
1
6
セクシャル・ハラスメント防止・対策委員会
1
1
7
福利厚生委員会
6
7
8
表彰選考委員会
1
1
9
安全委員会
1
3
10
化学専門部会
2
3
11
機械専門部会
7
7
12
電気専門部会
4
4
13
交通専門部会
1
1
14
衛生委員会
3
3
15
営繕連絡会
5
6
16
電力ピーク調整連絡会
1
1
17
省エネルギー連絡会
1
1
18
回路連絡会
5
5
19
素粒子原子核研究所運営責任者会議
4
4
20
物質構造科学研究所教授会議
1
1
21
低温委員会
2
2
22
工作委員会
4
4
23
計算機ネットワーク運用委員会
2
2
24
高校生等実習受入検討部会
1
1
39
5.資料
5.1 アンケート用紙
「技術職員活動報告集」を作成するにあたり、技術職員の活動を資料として利用することを目
的にアンケートを行いました。
アンケートは以下の通りです。なお、アンケートの回収率は 49.7%でした。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------技術職員のための活動報告アンケート
(平成 16 年度[2004 年度]/平成 17 年度[2005 年度])
所属:
1.
素核研
物構研
加速器
共通
氏名:
機構・研究所・研究施設における研究・開発面での貢献
1.1
KEK 内外で賞を受賞された方は年度、賞主催者、受賞名、受賞タイトルをお書きください。
(例、平成 16 年度、KEK、KEK 技術賞、「タイトル」)
1.2
他大学・研究機関・企業等と共同研究をおこなった方は、共同研究の種類、相手機関、
タイトル、研究期間をお書きください。
(例、共同研究覚書、産総研、「xxxシステムに関する研究」、
平成 16 年度から平成 17 年度。)
1.3
科研費等外部資金による開発・研究等を行なった方は、資金提供者、開発・研究等の名
称、タイトル、資金規模、期間をお書きください。
(例、科研費、基盤研究(C)、「タイトル」、100 万円、
平成 16 年度から平成 17 年度の 2 年間。)
1.4
国内の各種学会・研究会などで成果発表を行なった方は、主催者、学会等名称、発表タ
イトル、発表日をお書きください。
(例、大阪大学、技術研究会、「タイトル」、平成 17 年 3 月 3 日。)
1.5
国外の各種学会・研究会などで成果発表を行なった方は、主催者、学会等名称、発表タ
イトル、発表日をお書きください。
(例、IEEE、IEEE NS、Feedback system of xxx、November 2005。)
1.6
展示会等で発表を行なった方は、主催者、展示会等の名前、発表タイトル、発表日をお
書きください。
(例、日刊工業新聞社、産学官技術交流フェア、「タイトル」、
平成 16 年 09 月 29 日~10 月 01 日。)
1.7
発明届等を KEK で行なった方は、種類、件名、提出日をお書きください。
(例、プログラム著作権、xxx解析プログラム、平成 16 年 10 月 1 日。)
1.8
企業への技術指導や電子出版の業務など技術協力の活動を行なった方は、協力相手、協
力内容、協力期間をお書きください。
1.9 学会・ユーザー会の役員等、外部団体で活動を行なった方は、その団体名、団体の目的、
役員の名称、期間をお書きください。
1.10 大学・企業等で講師などを行なった方は、大学・企業等の名称、講義タイトル、内容、
講義時期をお書きください。
1.11 KEK で研修等の講師を行なった方は、その研修等の名称、内容、講義期間をお書きください。
1.12 雑誌等に論文・技術レポートが掲載された方はその雑誌名、論文等のタイトル、発表時
41
期をお書きください。
2.機構・研究所・研究施設におけるミッションへの運営・建設・維持管理などの面での貢献
2.1
機構の諸活動(○○会議、××委員会等)への参加状況を、参加年度、名称、役割、貢献内
容について簡単にお書き下さい。(ただし、技術部門連絡会議の下で行われた諸活動(語
学研修担当等)は除きます。)
例) 一般公開実行委員、営繕連絡会委員、回路連絡会委員
2.2 維持管理、ユーザーサポート業務などについて
平成 16 年度、17 年度に行った実験装置・施設設備の維持管理、工作依頼物の製作、ユー
ザーサポートなどの業務のうち代表的な物をお書きください。
例) ○○研究施設の電磁石電源の維持・管理
○○研究施設の空調、冷却水、圧空などの管理
工作依頼物の製作と測定業務
○○施設の△△装置でのユーザー実験のサポート
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
42
5.2 「技術職員活動報告アンケート」の回答
「技術職員活動報告集」を作成するにあたって、技術職員を対象に行ったアンケートの回答を掲
載します。
ここではアンケートの回答を、書式をあわせるために編集したり、調査対象期間に該当しない
回答を削除するなどしてありますが、内容に関してはチェックせず、そのまま掲載しています。
表中で名前が [
]内に書かれているのは、発表、論文などが共同で行われた時に、筆頭者で
はなかったものです。
1.1
素核研
素核研
物構研
物構研
加速器
加速器
1.2
KEK内外で賞を受賞された方は年度、賞主催、受賞名、受賞タイトルをお書き
ください。
平成17年度、KEK、KEK技術賞 「パイプライン機能とネットワークインター
フェースを持つ高速CAMACインターフェース」
平成17年度、KEK、KEK技術賞 「パイプライン機能とネットワークインター
フェースを持つ高速CAMACインターフェース」
2004年度、日本加速器学会、第1回日本加速器学会奨励賞 「非線形共鳴近傍で
のビームダイナミクスの研究」
平成17年、日本中性子科学会、第3回技術賞 「中性子検出器エレクトロニクス
システムの開発」
平成16年度、KEK、KEK技術賞 「大強度高周波加速空洞の空気冷却装置の開
発」
平成17年度、日本加速器学会、第1回加速器学会賞・技術貢献賞 「酸素分子ガ
スシートビームプロファイルモニターの開発」
安
宮島
佐藤(節)
戸田
橋本
他大学・研究機関・企業等と共同研究をおこなった方は、共同研究の種類、相
手機関、タイトル、研究期間をお書きください。
共同研究覚書、独立行政法人産業技術総合研究所
素核研
井上
「 Robot Technology
Middleware(RT Middleware)及び分散オブジェクト技術(HORB)を利用した次
世代高エネルギー加速器データ収集システムに関する研究」
平成18年2月15
井上
日∼平成19年3月31日
素核研
共同研究に関する覚書、産総研
「高エネルギー実験データ収集装置のための
分散オブジェクト技術の研究」
平成16年∼平成17年度
安
共同研究に関する覚書、産総研 「RT Middleware 及び HORBを利用した次世
素核研 代高エネルギー加速器データ収集システムに関する研究」
平成17年度∼平成
安
18年度
物構研
物構研
共同研究覚書、日立ハイテクノロジーズ
ラーのオゾン洗浄に関する研究」
「軟X線ビームライン回折格子・ミ
平成16年度
共同研究覚書、東北大学大学院理学研究科原子核理学研究所、(東芝)
射光用加速空洞の構造最適化の実証に関する研究」
43
平成17年度
「放
[豊島]
[高橋]
加速器
加速器
加速器
共通
共同研究、放医研、「P009 重粒子線の生物効果初期過程における基礎物理研
究」
平成16年度以前からの継続した実験。現在も継続して進行中
共同研究、放医研、「P028 がん治療用加速器 の総合的研究」 平成16年度以
前からの継続した実験。現在も継続して進行中
文科省革新的原子力システム技術開発公募事業、原研東海 「加速器駆動変換シ
ステムの技術開発等」 平成14年度∼平成16年度
共同研究覚書、日本原子力研究開発機構、産総研
設場所における地下水動態の研究」
大学等連携支援事業、新潟大学
共通
「大強度陽子加速器施設建
平成15年度∼平成18年度
橋本
橋本
宍戸
平
「加速器による長基線振動実験を補完する原
子炉ニュートリノ実験のための検出装置の開発(略称;KASKA実験装置)」
岩井
2005年7月∼現在
1.3
科研費等外部資金による開発・研究等を行なった方は、資金提供者、開発・研
究等の名称、タイトル、資金規模、期間をお書きください。
加速器科学技術総合支援事業における加速器科学技術支援事業
素核研 ンCAMAC技術の応用」 4,900千円
「パイプライ
平成17年度7月4日∼平成18年度3月31日ま
井上
で
素核研
素核研
物構研
共通
1.4
KEK、加速器科学総合支援事業における加速器科学技術支援事業 「パイプラ
インCAMAC技術の応用」
平成17年度
科研費、特定領域研究(2) 「アトラス実験での精密測定と標準理論を超えた
物理の研究」
24660万円、平成16年度∼平成21年度の6年間
基盤研究(A)(2)(一般)「大強度超低速ミュオン源による表面・ナノ結晶科学
への展開」
研究代表者;三宅康博
学振、科研費(奨励研究)
「走査型電解研磨法の基礎研究」 75万円、平成
16年度
安
池野
[牧村]
永井
国内の各種学会・研究会などで成果発表を行なった方は、主催者、学会等名称、
発表タイトル、発表日をお書きください。
高エネルギー加速器研究機構、平成17年度KEK技術賞発表 「パイプライン機
素核研 能とネットワークインターフェースを持つ高速CAMACインターフェース」
井上
平成18年2月18日
素核研
素核研
素核研
素核研
素核研
高エネルギー加速器研究機構、J-PARCに向けてのデータ収集ワークショップ
「CC/NET」
平成17年10月15日
日本物理学会、平成16年秋季大会
ステム構築」
「パイプラインCAMACコントローラのシ
平成16年9月30日
KEK、J-PARCへ向けてのデータ収集ワークショップ 「DAQソフトエアR&D」
平成17年10月14、15日
KEK、DAQワークショップ2006
「RTミドルウエアを用いたDAQ」
平成18
年3月3、4日
愛媛大学、物理学会 「ATLAS前後方トリガーチェンバー(TGC)のDAQソフ
トウェア開発 」
平成18年3月28日
44
井上
井上
安
安
安
素核研
愛媛大学、物理学会 「RTミドルウエアを用いたデータ収集の試み」 平成18
年3月30日
素核研 KEK、K1.8/K1.1ビームライン研究会
素核研 日大船橋、第一回加速器学会
素核研
「T1標的の開発」
の開発」
素核研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
平成16年8月4日
物理学会
「KEKの技術職」
ュールの開発」
平成18年1月12日
村上
500MHz 4ch Flash ADC VMEモジ
平成16年9月29日
高知大学、日本物理学会
「SQLデータベースの加速器実験への応用」
2004
年9月
日本物理学会 「MAPMT 読み出し用フロントエンド ASIC の開発」 平成16
年9月29日
大阪大学、技術研究会 「2次元中性子検出器試験装置の開発」 平成17年3月3
日
分子科学研究所、技術研究会
「T0チョッパーの開発(制御)」
平成18年3
月2日
第5回電気学会高輝度放射線計測制御技術調査専門委員会 「KENSにおける検
出器エレクトロニクス開発」
平成16年5月18日
第4回東北大学物理実験フォーラム(XPF2004)
ス検出器とZnS検出器読み出し回路の開発」
「パルス中性子用の、He3ガ
平成16年12月21日
サイバネットシステム、2004 Japan ANSYS Conference 会議資料第三日目
(2004)64-1~7
2004年11月20日
焼きばめにおける残留応力解析
原子力研究開発機構(当時;原子力研究所)、Neutron Technical Advisory Comittee
(N-TAC3)
Graphite target in J-PARC.Muon (Oral talk)
2004年10月26日
原子力研究開発機構(当時;原子力研究所)、Neutron Technical Advisory Comittee
(N-TAC3) Maintenance in J-PARC.Muon (Oral talk) 2004年10月27日
高エネルギー加速器研究機構、Muon Technical Advisory Committee
edge-cooling target in J-PARC.Muon (Oral talk)
Fixed
2004年12月13日
高エネルギー加速器研究機構、Muon Technical Advisory Committee
chamber in J-PARC.Muon (Oral talk)
Target
2004年12月13日
高エネルギー加速器研究機構、Muon Technical Advisory Committee
handling of components in J-PARC.Muon (Oral talk)
Remote
2004年12月14日
原子力研究機構、KEK、第6回「核破砕中性子源用材料の科学と技術」 Fixed
edge-cooling target in J-PARC.Muon (Oral talk)
加速器学会
山野井
山野井
「低ノイズスイッチング電源開発」
日本物理学会 「2GHz 2ch 及び
高知大学
山野井
山野井
平成17年7月20日
素核研 愛媛大学
素核研
平成16年5月8日
佐賀鳥栖、第二回加速器学会 「J-PARCハドロンビームライン用ピローシール
素核研 KEK、KEK技術職シンポジウム
素核研
「T1標的の開発」
安
2005年1月27日
池野
仲吉
藤田
下ヶ橋
下ヶ橋
佐藤(節)
佐藤(節)
牧村
牧村
牧村
牧村
牧村
牧村
牧村
Muon Production target in J-PARC Proceedings of the 2nd Annual
物構研 Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and the 30th Linear Accelerator
Meeting in Japan , Tosu Japan(2005)p.173-175
45
牧村
原子力研究機構、KEK、第7回「核破砕中性子源用材料の科学と技術」 The
物構研 present status of R&D for the muon target in J-PARC
brazing method for graphite
the development of the silver
牧村
2005年12月14日
第18回放射光学会年会・合同シンポジウム
「ミニポールアンジュレータを光
物構研 源とする構造生物学研究用ビームライン BL-17の設計と建設計画」
2005年1 [小山]
月8日
物構研
物構研
日本放射光学会 「PF構造生物学研究用微小集光ビームラインBL-17A」 2006
年1月9日
日本結晶学会
「PFにおける構造生物学研究用微小集光ビームラインの開発」
2005年12月7日
物構研 KEK、技術交流会
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
加速器
加速器
2005年2月18日
大阪大学、技術研究会 「Web を使った汎用ファイル受け取りシステムの作成」
平成17年3月3日
分子研、技術研究会 「PFにおけるビームライン制御標準化に関する取り組み」
平成18年3月2日
物構研 KEK、PCaPAC2005
物構研
「PF-AR ビームラインNW10の建設」
「Recent Progress of STARS」
平成17年3月22日
平成16年度大阪大学総合技術研究会 「STARSを用いたビームライン基幹部の
真空モニタシステム」
第2回 日本加速器学会年会
鳴パラメタの決定」
「電子貯蔵リングにおける非線形共鳴近傍での共
2005年7月
第1回 日本加速器学会年会
「PF-AR 入射用パルス4極電磁石の磁場測定」
2004年8月
第23回 PFシンポジウムにて講演(KEK, つくば市) 「横方向不安定性の八極
磁場依存性」
2006年3月23日
第22回 PF シンポジウムにて講演(KEK, つくば市) 「PF-AR でのピコ秒パ
ルス光源の検討」
2005年3月18日
第22回 PF シンポジウムにて講演(KEK, つくば市)「ビーム不安定性の8極磁
場依存性の測定」
2005年3月17日
第一回日本加速器学会論文集、日大、千葉 「Cバンド-レゾナントリングを用
いた高周波窓の大電力試験」
2004年
第二回日本加速器学会論文集、鳥栖、佐賀
における電力分配系の試案」
「KEK超伝導テスト装置(STF)
2005年
[小山]
[小山]
佐藤(昌)
小菅
小菅
小菅
斉藤
宮島
[宮島]
宮島
宮島
宮島
竹中
竹中
佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター、第30回リニアック技術研究会
加速器 「クライストロンモジュレータコントロールユニット試験システムの開発」
中島
2005年7月20日
加速器
第1回加速器学会年会 「KEK 電子陽電子入射器の RF データ収集」 平成16
年8月4日
46
片桐
加速器
加速器
加速器
第2回加速器学会年会
「FPGAによる高周波計測及び制御」
平成17年7月20
日
日本大学量子科学研究所、第29回リニアック技術研究会
クのPLC制御システム」
「J-PARC リニアッ
平成16年8月5日
日本大学量子科学研究所、第1回加速器学会、第29回ライナック技術研究会 「リ
アルタイムRFパルス短縮用トリガシステム」
平成16年8月4日
片桐
門倉
池田
九州シンクロトロン光研究センター、第2回加速器学会、第30回ライナック技術
加速器 研究会 「特性X線を用いた電子銃ビームの微小サイズ精密測定」 平成17年7
池田
月21日
加速器
加速器
加速器
加速器
加速器
加速器
大阪大学、技術研究会
「陽子加速器用空冷式高周波加速空洞」
平成17年3
月3日
大阪大学、技術研究会
「PF-collaboにおけるビームライン遠隔制御システム」
平成17年3月3日
加速器学会、第30回リニアック技術研究会
(TRIAC)の建設」
「短寿命核用重イオンリニアック
平成17年7月20日
九州シンクロトロン光研究センター、第2回日本加速器学会年会
ニアックにおけるSDTL用四極ダブレットの磁場測定」
大阪大学、総合技術研究会
「J-PARCリ
2005年7月20-22日
「特殊シール面へのMO型フランジの応用」
平
成16年3月3~4日
日本真空協会 真空に関する連合講演会 「長尺ケーブルを用いたコンベクトロ
ン真空計を使った圧力測定」
2004年10月28日
戸田
濁川
岡田
吉野
白井
佐藤(吉)
九州シンクロトロン光研究センターSAGA LIGHT SOURCE、第2回日本加速器
加速器 学会年会、第30回リニアック技術研究会
試験」
加速器
加速器
加速器
加速器
加速器
加速器
新垣
平成17年7月21日
原子力機構、第8回加速器電源シンポジウム
過去30年間の故障」
「KEKPS主リング電磁石電源の
2005年12月8日
大阪大学、総合技術研究会
「J-PARC用第二DTLのRF特性試験」
平成17年3
月
加速器学会、第2回加速器学会年会、第30回リニアック技術研究会
Properties of SDTL cavities of J-PARC linac」
「RF
2005年7月20~22日
加速器学会、第1回加速器学会年会、第29回リニアック技術研究会 「Tuning of
the RF field of 2nd and 3rd DTL fot the J-PARC」
2004年8月4~6日
日本加速器学会、第2回加速器学会年会、第30回リニアック研究会 「酸素分子
ガスシートビームプロファイルモニターの開発」
加速器 平成16年 大阪大学 総合技術研究会
加速器
「50GeVリング静電セプタムのR&D
第1回日本加速器学会
2005年7月22日
「電磁石純水冷却水への油混入」
「SuperKEKB計画のためのKEKB入射ライナックのCバ
ンド化のR&Dの現状」
第1回日本加速器学会
「高強度低速陽電子ビームを用いたNEG表面からのポ
ジトロニウムTOFスペクトル」
47
末野
田中
田中
田中
橋本
大澤
大越
大越
加速器 第2回日本加速器学会
「J-PARC 50GeV シンクロトロンの現状と予定」
大越
加速器 第2回日本加速器学会
「SuperKEKB計画のためのCバンド加速管開発の現状」
大越
加速器
加速器
加速器
共通
共通
共通
2005年技術交流会 「J-PARC 50GeV陽子シンクロトロン主要電磁石への配線に
ついて」
大阪大学、技術研究会 「J-PARC用972MHz超伝導加速空洞測定制御システム」
平成17年3月3~4日
第31回リニアック技術研究会 「J-PARCリニアックテストスタンドの324MHz
クライストロンデータ収集システム」
日本放射線管理学会
「加速器施設のメンテナンスにより搬出される放射化物
2005年11月25日
の測定」
大阪大学、技術研究会
の取組み」
平成17年1月28日
共通
KEK、HEPnet-J利用者会
共通
共通
共通
共通
共通
1.5
素核研
平成17年3
核融合研、労働安全衛生に関する情報交換会 「KEKにおける労働安全衛生へ
KEK、HEPDG05
共通
「KEKにおける環境安全管理室の役割」
月3日
共通
共通
平成18年8月2日
「SRB operation experience at KEK」
2005年11月21日
KEK計算科学センター、HEPnet-J利用者会 「コンフェランス支援システムCDS
agendaについて」
2005年3月18日
分子科学研究所、第17回 分子科学研究所技術研究会
四極電磁石R&D機の開発」
「Super-KEKB用超伝導
平成18年3月2日
機械工学センター、メカワークショップ 「KASKA検出器の液入れシミュレー
ション」
2006年4月21日
分子研、第17回分子科学研究所技術研究会
験システムの構築」
KEK
「セキュアな遠隔制御のための試
平成18年3月3日
高エネ研、HEPnet-Jユーザ会
Hepnet-Jユーザ会
「VPNの利用」
平成17年3月17日
「TV会議システムの現状と今後」
事象」
福井
豊田
平
平
飯田(好)
八代
東
岩井
飯田(好)
橋本(清)
平成16年3月22
日
KEK
宍戸
飯田(好)
2006年3月10日
「共通情報システムGRID環境」
大越
Hepnet-Jユーザ会 「KEK及びHepnet-Jでこの一年に起きたセキュリティ
平成17年3月8日
中村(貞)
中村(貞)
国外の各種学会・研究会などで成果発表を行なった方は、主催者、学会等名称、
発表者、発表タイトル、発表日をお書きください。
CHEP、CHEP2006 「Feasibility of Data Acquisition Middleware based on Robot
Technology」
平成18年2月16日
素核研 CERN, ROD Crate DAQ workshop
「TGC Front End DAQ」
18 November 2004
井上
安
インドT.I.F.R.研究所、Computing in High Energy and Nuclear Physics (CHEP06)
素核研 「Feasibility of data acquisition middleware based on Robot Technology」
February 2006
48
13-17
安
素核研
IEEE NSS、Performance of Front-End Electronics and ADC ASIC for MAPMT
Readout、20th October 2004
藤田
The XX Congress of IUCr, Florence 「BL-17A: New structural biology beam line at
the Photon Factory」
物構研 Noriyuki Igarashi, Atsushi Koyama, Naohiro Matsugaki, Yusuke Yamada, Yusuke [小山]
Wakabayashi, Keiichi Hirano, Toshiaki Iwazumi, Hiroshi Kawata, Nobuhisa
Watanabeb, Soichi Wakatsuki, August 23-31 2005
国際結晶学会(IUCr2005):フィレンツェ(イタリア) 「BL-17A: New structural
biology beam line at the Photon Factory」
物構研 Noriyuki Igarashi, Atsushi Koyama, Naohiro Matsugaki, Yusuke Yamada,Yusuke [小山]
Wakabayashi, Keiichi Hirano, Toshiaki Iwazumi, Hiroshi Kawata,Nobuhisa Watanabe,
Soichi Wakatsuki、2005/8/26
PAC05 「EFFECT OF HOM COUPLERS ON THE ACCELERATING MODE IN
物構研 THE DAMPED CAVITY AT THE PHOTON FACTORY STORAGE RING」
May
高橋
2005
物構研
APAC04
「Experience of Driving Three RF Cavities by a Single Klystron in the
Photon Factory Advanced Ring (PF-AR)」
March 2004
高橋
Proc. of 21st Particle Accelerator Conference (PAC2005), (Knoxville, USA) p.2845
物構研 「Operation and Recent Development of Photon Factory Advanced Ring」
宮島
Tsukasa Miyajima, et al.、2005年5月
Proc. of 21st Particle Accelerator Conference (PAC2005), (Knoxville, USA) p.2678
物構研 「Reconstruction of Photon Factory Storage Ring for the Straight-Sections Upgrade [宮島]
Project」
T. Honda, et al.、2005年5月
Proc. of 21st Particle Accelerator Conference (PAC2005), (Knoxville, USA) p.1517
物構研
「Beam Injection for the PF-AR with a Single Pulsed Quadrupole Magnet」
K. Harada, Y. Kobayashi, S. Nagahashi, T. Miyajima, T. Obina, A. Ueda and T.
[宮島]
Mitsuhashi、2005年5月
Proc. of European Particle Accelerator Conference (EPAC2004), (Lucerne,
物構研
Switzerland), p. 2095
「Growth and Suppression Time of an Ion-related Vertical
Instability」
宮島
Tsukasa Miyajima, Yukinori Kobayashi and Shinya Nagahashi、 2004年7月
加速器
加速器
加速器
加速器
共通
PAC05 「HIGH POWER TESTING OF INPUT COUPLERS FOR SUPERKEKB」
May 2005
DESY & GSI,Linac2004 「MEASURED RF PROPERTIES OF THE DTL FOR THE
J-PARC」
August 19,2004
The
International
11th
Conference
on
ION
「Development of a H-Ion Souce for the J-PARC」
PAC05
SOURCE(ICIS'05)Caen-France
September 12-16,2005
「Installation and Radiation Maintenance Scenario for J-PARC 50GeV
Synchrotron」
CHEP、CHEP'04
「SRB system at Belle/KEK」
49
29 September 2004
坂井
田中
池上
大越
飯田(好)
共通
共通
Academia Sinica、ISGC05 「Performance measurement of transferring files on the
federated SRB」
29 April 2005
SDSC、SRB workshop
「Globally federated SRB zones」
2 February 2006
飯田(好)
飯田(好)
The Tenth International Conference on Radiation Shielding(ICRS-10) 「Radiation
共通
streaming experiment through a labyrinth of the 12GeV proton accelerator facility (2)- 中村(一)
TLD remcounter method」
1.6
2004年5月12日
展示会等で発表を行なった方は、主催者、展示会等の名前、発表タイトルをお
書きください。
なし
1.7
発明届等をKEKで行なった方は、種類、件名、提出日をお書きください。
素核研 特許公開2005−114056、パイプ連結装置、平成15(2003)年10月
山野井
素核研 特許公開2006−057698、チェーンクランプ装置、平成16(2004)年10月
山野井
素核研
特許公開2006−200550 、フランジおよびフランジを備えたパイプ、平成17(2005)
年1月
素核研 特許公開2006−284344、二次荷電粒子発生装置、平成17(2005)年2月
素核研
特許公開2007−033348、コンクリート製遮蔽体及びその製作方法、平成17(2005)
年5月
素核研 実用新案登録第2005196号、パワーブリッジコネクター
素核研
物構研
出願番号;特願第2006-354356、電子回路基板および電子回路基板作製方法、平
成18年12月28日受理
出願番号
特願2005-195079、熱衝撃を受ける機器の健全性診断方法および健全
性診断システム
山野井
山野井
山野井
村上
村上
牧村
物構研 出願番号
特願2005-104062、往復動機構を備えた真空装置
[牧村]
物構研 出願番号
特願2006-74442、往復動機構を備えた真空装置
牧村
物構研
特許出願決定済み。(発明届受理)高放射線場で空気の滞留する場所に設置す
る機器の寿命を延ばす手法
物構研 特許出願決定済み。(発明届受理)フランジ平面度測定器
加速器
共通
特許出願、カーボングラファイト薄膜における2次電子放出現象を利用した量子
ビームのためのビームモニター、H17.10.4
特許第3702346号、X線を利用した顕微鏡の部材、被測定物の保持部材及び保持
部材の製造方法
牧村
[牧村]
橋本
永井
共通
特許第3851955号、微小物体の捕捉装置及び捕捉方法
[永井]
共通
特許第3840546号、微小物体の観察装置
[永井]
50
1.8
素核研
企業への技術指導や電子出版の業務など技術協力の活動を行なった方は、協力
相手、協力内容(30文字程度)、協力期間をお書きください。
臼井国際産業、加速器科学総合支援事業(件名;高真空ガスケット設計製造技
術の確立)、平成17年度
山野井
日本テクトロニクス、協力内容:製品(リアルタイムスペクトラムアナライザ)
物構研 の活用事例紹介
宮島
http://www.tektronix.co.jp/Measurement/scopes/productivity_quo/cs_kek_j.pdf
加速器 PCaPAC2005における電子出版作業、2005年3月22日~25日
加速器
1.9
“PAC2005”(Particle Accelerator Conference, Knoxville, Tennessee, USA, May
2005) において、電子出版業務に従事。約1週間
中島
白川
学会・ユーザ会の役員等、外部団体で活動を行なった方は、その団体名、団体
の目的、役員の名称、期間をお書きください。
大学等環境安全協議会、大学等における環境保全施設業務、安全衛生管理業務、
共通
化学物質等の管理業務、有害な廃棄物の処理業務、環境安全教育等に携わる教
職員がその連携を密にし、会員相互の資質の向上をはかることを目的とする。
平
理事、平成17~18年度。
1.10
大学・企業等で講師などを行なった方は、大学・企業等の名称、講義タイトル、
内容(概略)、講義時期をお書きください。
筑波技術短期大学聴覚部機械工学科(非常勤講師)、メカトロニクス、メカト
物構研 ロニクスについての講義と実習、前記後期の2回テストを行う、平成16年4月_11 佐藤(節)
月に80分*20回
筑波技術短期大学聴覚部機械工学科(非常勤講師)、メカトロニクス、メカト
物構研 ロニクスについての講義と実習、前記後期の2回テストを行う、平成17年4月_11 佐藤(節)
月に80分*20回
加速器
大阪大学技術研究会開催に向けての電子出版講習の講師
催
加速器 東北大学にて電子出版に関する講習の講師
加速器 東北大学おいて電子出版講習会の講師
共通
2005年に阪大にて開
2004年9月開催
2004年9月21日、22日
放射線防護研究会(SS研)於:スプリング8、CERNの放射線管理、2005年2月
18日
51
濁川
濁川
中島
中村(一)
1.11
物構研
物構研
KEKで研修等の講師を行なった方は、その研修等の名称、内容(概略)、講義
期間をお書きください。
「XAFS講習会」、XAFS実験をまだ経験していない研究者、学生などを対象と
したXAFS講習会で、測定実習、見学に対応した、2006年2月10日
「放射光安全講習会」、放射光物質科学1・2系職員、新人を対象にした安全講
習会で「防火・防災」について講師をした、2004年5月、2005年5月31日
物構研 「ネットワークを使用したデータ収集」、平成16年10月~平成17年2月
小山
小山
小菅
「放射光安全講習会」、放射光科学第一・二系職員、常駐研究員等の新人を対
物構研 象とした安全講習会で「電気安全」についての講師を担当、2004年5月18日、2005
豊島
年5月31日
加速器 電子出版講習会、2006年3月17日
中島
加速器 電子出版研修、「PitStopを使用した編集方法」、平成18年3月14~17日
片桐
加速器 低温工学主催:低温工学技術講習夏合宿「7T超伝導マグネット」、8月20_25日
小島
加速器 受入研修で電子出版講習の講師(平成15年より毎年開催)
濁川
加速器
共通
受入研修
電子出版について、2006年3月14日~17日のうちの1コマ(2時間)を
担当
工作技術講習会、ボール盤の技術講習、2004年6月24、25日、2004年10月21、22
日
白川
岩井
共通
工作技術講習会、フライス盤実習講師、2005年6月9~10日、2005年10月20日
永井
共通
製図講習会、講師、2005年12月22日
永井
1.12
雑誌等に論文・技術レポートが掲載された方はその雑誌名、論文等のタイトル、
発表時期をお書きください。
PYTHON EXTENSION OF THE ATLAS ONLINE SOFTWARE FOR THE ATLAS
素核研 THIN
GAP
CHAMBER
TRIGGER
SYSTEM,
Published
in
IEEE
安
Trans.Nucl.Sci.51:576-577, 2004
素核研
The ROD Crate DAQ of the ATLAS Data Acquisition System, IEEE Real Time 2005,
Stockholm, Sweden, 4-10 June, 2005
"STATUS OF THE BELLE SILICON VERTEX DETECTOR"
素核研
Prepared for 5th
International Symposium on the Development and Application of Semiconductor
Tracking
Detectors
(STD
Nucl.Instrum.Meth.A541:
Hiroshima),Hiroshima,
Japan,
安
14-17
Jun
2004
安
61-66, 2005
Feasibility of data acquisition middleware based on Robot Technology, Computing in
素核研 High Energy and Nuclear Physics (CHEP06), 13-17 February 2006, T.I.F.R. Mumbai,
安
India
素核研
“The K2K SciBar detector“
Nuclear Instruments and Methods in Physics Volume
535 Issues1-2,11 December 2004,Pages 147-151
52
村上
“Development of a low-noise front-end electronics for a multi APD readout system
素核研 “
Nuclear Science Symposium Conference Record,2005 IEEE Volume 1 Pages [村上]
580-583
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
物構研
加速器
29 Oct.2005
中性子検出器の読み出し回路の開発、日本中性子科学会 波紋
2005年1月号
(p78-81)
He-3ガス検出器読み出し回路の技術的発展、日本中性子科学会 波紋、2005年1
月号(p110-112)
”Determination of Nonlinear Resonance Parameters in Electron Storage Rings” 2005
年10月、東京都立大学大学院理学研究科
物理学専攻
博士論文
”Determination of Nonlinear Resonance Parameters in Electron Storage Rings” 2005
年4月8日, Japanese Journal of Applied Physics, 44 No. 4A, 2006 (2005)
「PFリングにおける非線形なベータトロン共振曲線の観測」 2005年6月, 日本
加速器学会誌 2 NO.2, 182 (2005)
「垂直3次共鳴近傍における位相空間中でのベータトロン振動の測定」
2004
年9月30日, 日本加速器学会誌 1 NO.2, 98 (2004)
真空 長尺ケーブルを用いたコンベクトロン真空計を使った圧力測定 2005年3
月
加速器 Rev.Sci.Instrum.75(5)1714(2004)
加速器
加速器
共通
佐藤(節)
宮島
宮島
[宮島]
宮島
佐藤(吉)
[池上]
"Oxygen gas-sheet beam profile monitor for the synchrotron and storage ring"
Nucl.Instr.and Meth.A,,527(2004)289
"酸素分子ガスシートを用いたビームプロファイルモニター",日本加速器学会
誌、「加速器」Vol.1,No.3,2004(216-224)
A Microporous Membrane-Based Continuous Generation System for Trace-Level
Standard Mixtures of Atmospheric Gases,
佐藤(節)
Analytical Sciences,
June 2005
橋本
橋本
平
"RADIATION STREAMING EXPERIMENT THROUGH A LABYRINTH OF THE
共通
12 GeV PROTON ACCELERATOR FACILITY AT KEK(2)- TLD REM-CONTER
METHOD" Radiation Protection Dosimetry(2005),Vol.116, No.1-4,pp 252-255 発
表時期
2006年1月
53
中村(一)
5.3 受入研修参加報告書
平成 16 年度
1)京都大学原子炉実験所技術職員
吉野
泰史
研修題目
FFAG の研修および加速器の見学
研修期間
平成 16 年 8 月 28 日~9 月 7 日(8 月 28 日は移動日)
研修報告(研修の内容や成果等)
今回の研修では、以下の研修を受講致しました。
1.KEK の概要と各研究系について
2.KEK 技術職員の研究所での役割について
3.KEK の実験装置の見学
4.PS 加速器の見学と概要について
5.FFAG 加速器ついての講義と実習
6.150MeV・FFAG の見学と概要について
1.KEK の概要と各研究系について
神谷施設長より、KEK の概要と各研究系の実験についての説明を受けた。KEK の概要
に関しては、KEK は素粒子原子核研究所と物質構造科学研究所から成り立ち、共同利用
者が年間 10 万人であることや職員の数、KEK が保有する施設についての説明をして頂い
た。各研究系の実験に関しては、エネルギーの違いによるビームの利用用途、ビームの加
速方法、クォーク、ニュートリノに関する講義をして頂いた。
2.KEK 技術職員の研究所での役割について
徳本調整役より、優れた研究を行うためには、研究支援体制が必要であり、技術部組織
しては、どのような形態で運営されるのが良いのか。また、研究支援に対する評価が低い
現在の状況をどのように改善し、業務に関する評価どのように行っていくかという講義を
して頂いた。特に、これからの技術組織は運営形態についてのお話しは、我々の技術室に
おいても大きな課題であり、これからの我々のあり方を考えていく上で非常に参考になり
ました。そして、これからの我々の立場として、ただの技術者ではなく研究者の面と技術
者の面を兼ね備えた専門研究スタッフになっていければという考え方に共感しました。
3.KEK の各実験装置の見学
KEK にある、陽子シンクロトロン、陽子リニアック、電子陽電子入射器、放射光研究
施設、B ファクトリー加速器、ニュートリノ実験施設、機械工学センター、超伝導低温工
学センターの見学をさせて頂いた。見学の際には、各装置の担当者から装置の概要の説明
をして頂いた。
4.PS 加速器の見学と概要について
PS 加速器に関しては、各パートの担当者の説明を受けながら見学させて頂いた。コン
トロールシステムに関しては、濁川氏からシステムの概要や使用機器、スキャダソフト等
についての説明をして頂いた。イオン源に関しては、池上氏よりイオン源での負水素イオ
ンの発生の原理や取り出しについて、そして前段加速器の仕組みや構造についての説明を
54
して頂いた。リニアックに関しては、南茂氏より線形加速器の構造や機器についての説明
していただき、また、負水素イオンが線形加速器の中でどのようにして加速されていくの
かという説明もして頂いた。ブースターリングに関しては、染谷氏よりブースターリング
の仕組みや機器についての説明をして頂いた。主リングに関しては、丸塚氏より主リング
を構成する各機器の役割やメンテナンスの事についての説明をして頂いた。真空関係に関
しては、リニアック、ブースターリング、主リングに取り付けられた真空排気装置やフラ
ンジに使用しているパッキン、真空排気制御室の説明をして頂いた。
5.FFAG 加速器についての講義と実習
5-1.FFAG 加速器についての講義
森先生、学生の吉本氏、相場氏に FFAG 加速器に関する講義を行って頂いた。森先生に
よる講義では、FFAG 加速器の特徴と加速の仕組みについての講義を行って頂いた。吉本
氏による講義では、ベータトロン振動、シンクロトロン振動についての講義を行って頂い
た。相場氏による講義では、FFAG 加速器の加速のタイミングと Function Generator を用い
た加速電場に関するプログラミングについての講義を行って頂いた。
5-2.FFAG 加速器の実習
実習では、POP・FFAG 加速器を用いて研修が行われた。実習では、以下の項目を行っ
た。
・POP・FFAG 加速器を構成するについて
・POP・FFAG 加速器の起動
・各装置の調整
・ベータトロン振動とシンクロトロン振動の測定
・マルチターン入射
・RF電圧のプログラムの作成と実行
POP・FFAG 加速器を構成する機器については、各機器の役割や制御についての説明を
受け、これらの機器について質疑応答を行った。
POP・FFAG 加速器の起動では、フィラメント電源、引き出し電源、セプタム電源、バ
ンプ電源、RF電源についての説明と注意点を聞きながら、我々の手で装置の起動をさせ
て頂いた。
各機器の調整では、ファラデーカップを用いてビームが効率よく取り出せるよう、ステ
アリングマグネット、ソレノイドマグネットの調整を行った。
ベータトロン振動とシンクロトロン振動の測定では、ポジションメーターから得られた
信号をオシロスコープで測定し、この測定結果をフーリエ変換して周回周波数とサイドバ
ンチを求めた。そして、得られた周回周波数とサイドバンチより、各チューン値を求めた。
マルチターン入射に関しては、まずバンプ電源の抵抗の交換を行いバンプ電圧の立ち下
がりを遅くした。その後、ビームの入射タイミングを調整して、マルチターン入射を行っ
た。結果、4 ターン目までビームを入射することができた。
RF 電圧に関しては、RF 電圧をかける加圧周波数のプログラムの作成を行った。そして、
作成したプログラムでビームを加速した。
6.150MeV・FFAG の見学
150 MeV・FFAG の見学では、吉本氏より FFAG を構成する各機器についての説明をし
55
て頂いた。この装置に関する説明では、150 MeV・FFAG は POP・FFAG とは異なりヨー
クフリー構造となっていることや、装置を組んでから手直しを行った細かな部分について
の説明もして頂いた。そして、制御系については制御機器やインターロックに関する説明
をして頂いた。また、運転管理体制等については運転体制、運転日誌、点検シート、放射
線管理体制に関する説明をして頂いた。
7.総括
このたびは、このような機会を作っていただきありがとうございました。
今まで加速器とは、私にとっては非常に高いハードルでした。しかし、今回の研修で、
様々な種類の加速器の見学や講義、そして実習を受け、私なりに加速器というものを理解
し、加速器が非常に身近なものと感じられるようになりました。特に PS 加速器について
は、各パートの方々が細かく装置の説明をしてくださったおかげで、加速器の構造や加速
の仕組みを学ぶことができました。また、POP・FFAG を用いた実習では、FFAG 加速器
を構成する機器についてや、実際に我々の手で運転や測定を行わせて頂き FFAG 加速器の
オペレーション等について数多くの事を学ぶと共にいい経験をさせていただきました。
これからは、今回の研修で学んだことを我々が製作する FFAG に活かしていきたいと思
います。
8.謝辞
最後に今回の研修では、多くの方々にお世話になりました。特に調整役をして頂いた竹
中氏、可部氏、実習では、森教授、吉本氏、相場氏、米村氏には貴重な時間の中、我々の
ために研修を行って頂きありがとうございました。今後も何かとお世話になるかと思いま
すので、その節はよろしくお願い致します。
2)京都大学原子炉実験所技術職員
竹下智義
研修題目
FFAG の研修および加速器の見学
研修期間
平成 16 年 8 月 28 日~9 月 7 日(8 月 28 日は移動日)
研修報告(研修の内容や成果等)
KEK において技術職員受け入れ研修を受講し、その概要を以下に記す。
1.一般公開において各施設の見学(8 月 29 日)
2.神谷施設長、徳本調整役による講義(8 月 30 日)
3.陽子シンクロトロン(PS)の各担当者による説明(8 月 30 日)
4.森教授、吉本氏による FFAG に関する講義(8 月 31 日)
5.FFAG 実験(8 月 31 日から 9 月 6 日)
6.150MeV FFAG シンクロトロンの見学
1.竹中氏の案内で様々な施設を見学した。それぞれ興味深いものであるが、特に Belle 測定
器が印象深い。測定器自身だけでなく測定器にいたる巨大なシステムに圧倒された。電子
陽電子線形加速器から B ファクトリーに電子と陽電子に分かれて入射され、そこで高周波
加速空洞によりそれぞれ加速され Belle 測定器の一点で衝突する。そのように設計すると
ともにその設計を実現し、改良していく努力や英知は並大抵のものではないと感じた。
56
2.神谷施設長より KEK、及び加速器研究施設の概要について講義を受ける。素粒子物理学
(≒高エネルギー物理学)において粒子加速器が必要なツールであり最近ではヒッグス粒
子の発見やクォークの構造の探求、ニュートリノ振動の確認などが目指されている。また、
徳本技術調整役より技術職の役割と受け入れ研修について講義を受ける。技術職員の仕事
は研究に関連する技術が多岐に亘り、同じことの繰り返しがないことから特定の研究目的
と研究支援の結びつきを考えると、技術職員の目指すべき方向として専門知識性と個別テ
ーマ指向性を兼ね備えた今までの「技術者」よりもより個別テーマ指向性が高く研究者に
近い領域で仕事をする「専門研究スタッフ」として関っていけるような能力をつける必要
があると思われる。日本の研究支援システムは欧米に比べて遅れている現状があり、KEK
においては、技術職員は専門的技術者としての自覚を持ち、プロジェクトの成果をうるた
めに研究者との役割分担を明確にし、又技術組織としては適切な組織形態と柔軟な運営を
目指すことで研究支援システムの向上に努めている。
3.(a) 濁川氏より制御システムについての説明を受ける。インターロック、ビームの ON/OFF、
各電源装置やタイミング系は PLC により制御され、ビームモニター信号やその信号に基
づいた制御は VME 計算機、モニター信号の一部は WE7000 という計測器、マンマシンイ
ンターフェイスとして InTouch というスキャダソフトが使われている。また、運転体制に
ついては 3 ヶ月連続運転に対して 3 交代制で職員 50 名と外注職員 10 名で担当している。
(b) 池上氏よりイオン源・前段加速器についての説明を受ける。フィラメントとしてはホ
ウ化物陰極(LaB6)が用いられており比較的低い動作温度(1900K)で高電流密度の熱電
子放出が得られる。イオン源ではカスプ磁場により閉じ込められた水素プラズマ中で、コ
ンバーター電極に吹き付けられたセシウムにより負水素イオンの生成量が飛躍的に増加
する。引き出し電圧により負水素イオンを引き出すときに一緒に電子も引き出されてしま
う事を防ぐために引き出し口に置かれた永久磁石の磁場により電子を間引いている。負水
素イオンはコッククロフト型高電圧発生器から得られる 750kV で加速ギャップにおいて
加速され 4 極電磁石で収束され次段のライナックに入射される。加速管で加速するときに
おいてのビームローディングを防ぐためにバウンサー電源により加速電圧の安定化が図
られている。
(c)
南茂氏よりリニアックの説明を受ける。2 台の加速空洞で構成され加速空洞の中に
126 個の電極が負水素イオンの加速にあわせて配置されこれらの電極で形成される高周波
電場で負水素イオンを高速の 28%(40MeV)まで加速され次段のブースターに入射され
る。マイクロ波源のクライストロンについても説明を受ける。
(d) 染谷氏よりブースターリングの説明を受ける。負水素イオンはブースター(シンクロ
トロン)入射時にカーボンフォイルにより電子を 2 個剥ぎ取られ陽子となる。8 万回の回
転のうちに高周波電場により高速の 75%(500MeV)まで加速され、加速に要する時間は
25msec でビーム長さは 70μsec である。電磁石電流の調整は毎週 1 回行っており、パルス
マグネットを使ってビームの運動量を測定している。また、ブースター周りではビームに
よる放射化が激しい局所的な高線量区域(10mSv/h オーダー)があり保守作業の妨げになっ
ている。
(e) 丸塚氏より主リングの説明を受ける。主リングは直径 108m のシンクロトロンで高速
の 99.7%(12GeV)まで加速される。ブースターと同じようにビームのロスを引き起こす所
(偏向部、取出し部)の放射化が激しく局所的に高線量区域がある。最近では冷却水の配
57
管周りで振動による水漏れが月 1 回ぐらいの頻度で発生するトラブルを抱えている。マグ
ネットの調整は末端以外あまりしなくてもよい状態である。
(f)
久保氏より真空系の説明を受ける。荒引きはロータリーポンプとターボ分子ポンプに
より行い主引きはイオンポンプにより行い 10-7Pa オーダーの真空度を達成している。ブー
スターのマグネット部分はクライオポンプを使いベローズの配管を使っている。ビームラ
インのガスケットはヘリコフレックスが用いられている。
4.森教授より「FFAG 加速器の開始と応用」の講義を受ける。FFAG 加速器はサイクロトロ
ンとシンクロトロンの長所を兼ね備えた加速器である。シンクロトロンと比べて電場の周
波数変化を早くできるのではるかに繰り返しの周期は短くすることができ(平均)ビーム
強度はシンクロトロンの 10 倍以上でビームフィードバックが不要であるので運転が容易
である。また、求められる磁場精度がサイクロトロンより 10 倍楽であるのでビームの安
定性をその分楽に得られる。そして、高いビーム取出し効率から放射化が少なく保守・維
持が容易である。ただし、FFAG での陽子の加速において要求される磁場形状の複雑さと
高周波加速空洞の技術的困難さにより実現が難しかったが、計算機が発達し磁場計算コー
ドを用いての磁場分布の予測が可能になり、また加速勾配の高い加速空洞の開発により
FFAG 陽子加速器が実現可能となった。KEK においては PoP (原理検証)FFAG 陽子加速器
(最大 500keV)と 150MeV-FFAG 陽子加速器の 2 台がある。陽子線 FFAG 加速器は癌治療
用陽子線ビーム源として利用されることが目標の一つであり上記に挙げた FFAG の利点
(高強度、高ビーム取出し効率、保守・維持の容易さ)は癌治療用ビーム源としては望ま
しいものである。続いて吉本氏より FFAG 加速器における収束について講義を受ける。ま
ず磁場が軌道中心からの距離だけの関数で半径方向には一様な分布を持ったサイクロト
ロンではビームの半径方向と垂直方向の収束の条件は、磁場の半径方向に対する変化の割
合を n とすると 0<n<1 である。このときビーム軸周りで半径方向と垂直方向に粒子が単振
動(ベータトロン振動)しそれぞれの方向での一周当たりの振動数をベータトロンチュー
ンと呼ぶ。これに対して円周磁場上に強弱の変化をつけて収束力を強化したものが
AG(Alternatig Gradient:強収束)シンクロトロンである。半径の大きくなるほど磁場が強くな
る場所と弱くなる場所が交互にリング上に配置されているものである。これはレンズでい
うと凸レンズと凹レンズが適当な間隔で交互に配置されている状態であり、全体として凸
レンズ的になるようにする、つまり収束力をもつということである。これにより収束力が
強くなり磁石のギャップを小さくすることができ、加速器を大幅に小型化できる。また、
シンクロトロンでは高周波電場によって粒子が加速されるが 高周波加速には粒子と加速
電圧の位相関係にある安定性がある。高周波加速される理想的な位相よりずれて入射する
粒子は安定位相の周りを振動する(位相収束力が働く)。この位相の振動はシンクロトロ
ン振動と呼ばれ個々の粒子はシンクロトロン振動を行うことで発散することなく一つの
集団(バンチ)を成し高周波により収束されながら加速される。
5.(8/31)吉本氏、相場氏、米村氏から滝さんと共に PoP FFAG の起動と終了方法を教わる。
現在の PoP は研究のため Sector Magnet(収束と発散用電磁石の組み合わせ)に鉄板を入
れて磁場を歪ませてある状態である。(9/1)ベータトロンチューン(粒子の一周あたりのベ
ータトロン振動数)とシンクロトロンチューン(粒子の一周あたりのシンクロトロン振動
数)の測定について相場氏、米村氏に教わる。まず 50keV(未加速)のチョッパーをかま
せたバンチ状の粒子の水平方向と垂直方向のベータトロンチューンを測定する。水平方向
58
のベータトロンチューンの測定は周回周波数を frev、ベータトロン振動数を fs とすると、
オシロスコープ上でビーム位置モニターの信号を FFT(高速フーリエ変換)解析すること
で信号の周波数成分に着目すると、frev の他にサイドバンドとして frev +fs 、frev -fs が観
測されるのでベータトロンチューンの端数のみが fs /frev より求まる。チューンの整数部は
加速器の構成(k 値:磁場勾配)から数値計算で求めることができる。垂直方向のベータ
トロンチューンは F/D 比(収束・発散電磁石の強さの比)を変えて測定した。シンクロト
ロンチューンの測定では高周波電場をいれベータトロン振動と同様にオシロスコープ上
でビーム位置モニターの信号を FFT 解析して求めた。その結果水平方向のベータトロン
振動のチューンは 2.377、垂直方向は 1.218、シンクロトロン振動のチューンは 0.0359 で
あった。また、100keV に加速したときのシンクロトロンチューンはそのまま計れるのだ
が、ベータトロンチューンは、チューンを予測してベータトロンチューンに相当する周波
数を RF(高周波加速空洞)に加えて測定する(RF ノックアウト)。結果水平方向のベー
タトロンチューンは 2.367 で加速後もほぼ変わらずシンクロトロンチューンは 0.0253 で多
少変わった。チューンとはビームを安定にまわすための指標加速器の重要なパラメータで
ある。(9/2)相場氏の指導の元、マルチターン入射を行った。これはビーム強度を増加する
方法で、チョップをかけるタイミングを粒子の周回周波数にあわせて、閉軌道上で周回し
ているビームに新たにビームを入射させることを繰り返していく。リュービルの定理では、
位相空間上の粒子は同じところにいれない、とある為同じ位相空間上に複数のバンチビー
ムを入射することはできない。しかし、バンプ(入射粒子を閉軌道上にのせる)電圧を減
衰させることで周回ビームの位相空間上の異なる位置にビームを入射することができ、こ
のように複数のバンチビームを入射させることでビーム強度を増加できる。バンプ電圧源
の 抵 抗 を 変 え て 時 定 数 を 長 く し 電 圧 源 の 立 ち 下 が り 時 間 を 変 え た 。 バ ン プ 電 源を
13kV,15kV,11kV に変え、チョッパーのタイミングを変えてビームモニターにつないだオシ
ロスコープのトリガーをバンプ電源の立下りから取ってビーム全体と 1 ターン目、2 ター
ン目、・・・のそれぞれの強度を見て、どのターンまでビームが軌道上に乗り回転するこ
とができたか観測したが、ターン数は 4 のままであった。5 ターン目以降のバンチは恐ら
くセプタム電極にあたってけずられているので、F、D 磁石の強さを変えて粒子の運動量
を上げることによって軌道を約 10mm 外側にずらして同じように測定したがターン数は 4
であった。(9/3)相場氏より粒子の加速について学ぶ。磁場が一定な FFAG シンクロトロン
で RF 加速(シンクロトロン加速)を行う。RF に sin 波の電場をかけたとするといつも加
速のタイミングで粒子が入射するようにしたい。その為には RF の周波数を粒子の加速と
共に変えなければいけなく、目的の波形を作るために Function Generator を用いる。RF の
ピーク電圧 VRF と同期位相φsは一定値とすると粒子が一周するあたりのエネルギーゲイ
ンは Egain/turn=VRFsinφsとなる。VRF、φsをあらかじめ定め、時間 t、粒子の Energy、周回
周波数(=RF の周波数、にする)f(E(t))、周回周期 T=1/f(E(t))より数値計算で周回周波数
f(t)の多項式近似の係数を求める。実際にはω(t)=2π∫ 2 π 0 f(t)dt であらわされるωを
fortran による数値計算で求める。これは f(t)を多項式近似するときの誤差を低減するため
である。そこで得られたωを用いて FG に sin(ω)を与えてやると想定したφsでのポテン
シャル場でのバケツ(関数の凹み)に粒子が入ると加速されていく。チョッパーと RF の
時間差(delay)を変えると位相差φが変わり、それによりバケツに入ったり出たりして加速
されたりされなかったりする。最初がφs=20°で計算したωを FG にいれた RF において
delay を変えることによってφを変えながら測定したら加速される位相が見られたがφs
59
=60°の時には見つけることができなかった。これはバケツが小さくなるためにピンポイ
ントの位相を見つけることが困難なためである。また、加速された粒子のエネルギーは軌
道の横から銅製の邪魔板を入れていって、ビームモニターでビームがなくなっていく邪魔
板の位置から粒子の軌道半径を割り出して求める。
(9/6)相場氏、米村氏より加速後のベータトロンチューン(垂直方向)の測定を教わる。RF
で加速させ、RF の手前(セプタム側)に垂直方向にかかる電極を入れ RF ノックアウト
の周波数の sin 波をかける。それはベータトロンチューンνy、垂直方向に入れている電
極の周波数 f、周回周波数 frev のときν±f/frev=k(整数)が成り立つように f を決める。
実際には f を変えていきビーム位置モニタで見える波形の波高(∝ビーム強度)が一番低
いとき(つまりビームが減った←RF ノックアウトによる共鳴)のfから得られるνが垂
直方向のチューンだが波形を FFT してもサイドバンド(f に相当する)は見ることができ
なかった。
6.吉本氏に 150MeV FFAG の説明を受ける。PoP FFAG との大きな違いはセクター電磁石に
「ヨークフリー構造」型を採用したことである。これにより、磁石のコンパクト化が実現
されヨークを取り除いた開口部に入射・取出し口や測定用のモニター類を設置することが
可能になる。また、入射エネルギーが大きい粒子をシンクロトロンの軌道に持っていくた
め、まず磁場セプタムで大きく曲げ(60°)電場セプタムで補正する(1.73°)。RF では両
隣の D 磁石からの漏れ磁場の影響が大きいので、鉄板で RF をはさみ漏れ磁場を吸って、
補正用に RF の下に磁石を置いている。京大の FFAG では漏れ磁場を減らす方法を検討す
る。
総括
今回の研修で加速器やそれに関する多くの実験機器を見たり、ふれたりする機会を得て
貴重な経験をすることができたと思います。KEK の皆様がご親切に私どもにご教示くだ
さいましたことで自分なりに加速器というものを捉えることができたと思えると同時に
多くの課題が浮かび上がってきましたのでそれを解決し京大の FFAG 立ち上げに活かせ
るように取り組んで行きたいと思います。
謝辞
この研修でお世話になった KEK の皆様に深く感謝いたします。受け入れの手続きやス
ケジュールの立案等にご尽力くださいました竹中氏、徳本技術調整役に心より感謝いたし
ます。我々に、PoP FFAG の研修を用意してくださいました森教授に心より感謝いたしま
す。また、実際に FFAG についてご指導くださいました森研究室の吉本氏、相場氏、米村
氏に心より感謝いたします。特に相場氏にはご多忙である中多大な時間を割いていただき
大変有効なご教示を頂きました。ありがとうございました。
3)京都大学原子炉実験所
技術室技術職員
阿部
尚也
研修題目
FFAG の研修および加速器の見学
研修期間
平成 16 年 8 月 28 日~9 月 7 日(8 月 28 日は移動日)
研修報告(研修の内容や成果等)
今回、受講させていただいた研修の概要
60
8 月 29 日 9 時頃より竹中氏の案内の下、一般公開見学を行った。
始めに、電子陽電子入射器棟を訪れ、そこで同装置の概要、操作コントロール、
及びクライストロンギャラリーについて説明していただいた。
次に、放射光科学研究施設 PF リングを訪れ、そこで同装置による実験の概要、光
の分光に関する事象、及び放射光の高輝度化におけるマグネットやアンジュレー
タ、加速空洞の仕組みについて説明していただいた。
三番目に、B ファクトリー加速器を訪れ、そこで同装置の概要、及びトンネル内
における常伝導加速装置 ARES 等について説明していただいた。
四番目に、ニュートリノ振動実験前置検出器を訪れ、同装置の概要、ニュートリ
ノ検出法、及びニュートリノ振動によるその質量の証明について説明していただ
いた。
午前中の最後に B ファクトリー筑波実験棟及び展示室を訪れ、そこで Belle 測定
器、B 中間子、反 B 中間子の崩壊の挙動、CP 対称性の破れについて説明していた
だいた。
昼食後、1 時半頃より陽子シンクロトロンを訪れ、イオン源、コッククロフト加
速器、線形加速器からブースターリングを経由して、主リングにて加速される状
態、及び操作コントロールについて説明していただいた。
次に、3 号館にて永宮氏による J-PARC についての講演を聴講した。
その後、超伝導低温工学センター、機械工学センター、そして最後に陽子リニア
ック棟を見学して、この日の見学を終了した。
8 月 30 日 9 時頃より竹中氏の案内の下、事務手続き宿舎費納入を行った。
10 時より、神谷氏から KEK 全体の研究内容の概要について説明していただいた
後、10 時半より、徳本氏から KEK 技術職員の役割や存在意義、及び受け入れ研
修システムについて説明していただいた。
11 時より、放射線業務従事者としての教育を受け、放射線に関する書類を作成し
て午前の研修を終了した。
1 時半より、陽子シンクロトロン(以下 PS)のコントロール室にて濁川氏よりコ
ントロールの概要、InTouch を使った制御、及び制御方針の変遷等について説明し
ていただいた。
2 時より、池上氏から PS イオン源の概要、負水素イオンの生成過程等について説
明していただいた。
2 時半より、南茂氏から PS リニアックの概要、その制御に関する事象等について
説明していただいた。
3 時半より、染谷氏から PS ブースターの概要、加速ディスク等について説明して
いただいた。
4 時より、丸塚氏から PS 主リングについての概要、各マグネットの役割、速い取
り出し、遅い取り出しによる設備の違い等について説明していただいた。
4 時半より、久保氏から PS 真空系の概要、イオンポンプ、クライオポンプの状態、
及びその制御装置について説明していただいた。
5 時半より、竹中氏と徳本氏と共に本日の研修の概要を披露した後、翌日以降の
部屋の説明を受けてこの日の研修を終了した。
8 月 31 日 10 時より、森氏から FFAG に関する詳細な説明と FFAG を用いる理由等について
61
説明していただいた。
11 時半ごろより、吉本氏から FFAG 加速器を運転するに当たって必要なビーム収
束の原理について説明していただいて午前の研修を終了した。
1 時半より、吉本氏、相場氏、米村氏の指導の下、現場にてビームの立ち上
げ
から立ち下げまでの作業を行った。
9月1日
10 時より、昨日と同様にビームの立ち上げを行って午前の作業を終了した。
1 時半より、チョップされたビームの水平、垂直方向のベータトロンチューンを
測定した後、チョップをはずしてからビームの進行方向のシンクロトロンチュー
ンを測定した。その後、RF をかけて約 100keV に加速したビームの進行方向のシ
ンクロトロンチューンを測定し、更に先に測定した水平方向のベータトロンチュ
ーンから算出した周波数の RF をかけて水平方向のビームを測定した。最後にビ
ームを立ち下げてこの日の作業を終了した。
9月2日
1 時半より、バンプ電源の抵抗を 3kΩ×2p から 5kΩに変更した後から、
ビームの立ち上げを行った。その後、マルチターンの測定を、バンプ電圧を 13kV、
15kV、11kV にしてそれぞれ 5 ターン目まで行った。また、Focus マグネットの電
流を 95.68%に減少させ、バンプ電圧を 15kV に設定してからマルチターンの測定
を 5 ターンまで行ってこの日の作業を終了した。
9月3日
10 時半より、相場氏から同期位相Φs の変化におけるビーム加速可能領域及びそ
の加速強度の変化等について説明していただいた。
1 時半より、午前に受けた説明の実験を RF 入射のタイミングを変えながら、チョ
ッパの有無と、Φs=20゜、60゜の状態と比較して行った。
9月6日
10 時より、ビームの立ち上げを行った後、先日行った RF ノックアウトによるベ
ータトロン振動の測定を垂直方向について行った。RF をかける際にはファラデー
カップを用いた。
午後からはこのレポート作成に時間を当てた。
9月7日
9 時より、吉本氏の案内の下、150MeV の FFAG 加速器の見学を行った。
そこで、各装置(マグネット、サイクロトロン、入射ライン、入射セプタム、真
空系、冷却系、RF 加速空洞等)の概要について説明していただいた後、操作室に
てコントロールの方法及びその実態について説明していただいた。
今回の研修における感想
私が今回の研修で習得したいと考えていた事項は 2 つありました。
1 つ目は、私が職場で電子線形加速器(LINAC)の保守、管理に携わっていることから、
線形加速器に関する状態や保守の状況等です。このことに関しまして、初日においては一般
公開見学にてその会場の職員の皆様や、一緒に案内してくださった竹中氏の説明をいただき
ました。二日目においては陽子シンクロトン(PS)の皆様から説明をいただきました。それ
らの説明を受けたことで、現場での真空状態の維持方法やビームの安定度、真空管の特殊な
使用法などさまざまな点において勉強することが出来ました。
2 つ目は、今回の研修の主題でもある FFAG 加速器において加速理論やビームの収束、制
御のためのパラメータなど FFAG 加速器の運転に当たって必要な知識及び常識的なものを
つかみたいと考えていた。このことに関しましては、初日、二日目に PS 及びほかの加速器
のコントロールの見学、説明にて、PC を用いた制御のイメージをつかむことが出来ました。
また、三日目以降の Pop FFAG を用いた加速器実験にて制御パラメータの具体的な数字及び
62
点数などがある程度想像できるようになりました{真空系、マグネット系(電流値、冷却水、
温度)、ステアリング系、アーク電流、引き出し電圧、バンプ電圧、セプタム電圧、RF 系(周
波数、電圧、冷却系)等}。更に必要な知識や常識として、ベータトロンチューン、シンク
ロトロンチューン、マルチターン入射によるビーム強度の増大、同期位相Φs の角度増加に
よる加速領域の減少、加速時においてベータトロンチューンが測定できない場合に RF ノッ
クアウト法を用いて測定する事などについて身につけることが出来ました。そして最も重要
なのが、加速器本体を見学し、実際に加速器を稼動させ、運転、実験、停止に至るまでの体
験が出来たことにより、加速器運転に対する具体的なイメージが出来るようになり、加速器
運転に自信がつくようになりました。
最後になりましたが、今回の研修に携わってくださった教職員の皆様、特に FFAG 加速器
での実験を許可していただいた森教授、FFAG 加速器の現場にて教授していただいた吉本氏、
相場氏、米村氏には深く感謝いたします。また、今回の研修の調整をしてくださった竹中氏、
可部氏には厚く御礼申し上げます。
4)岩手大学工学部技術職員 伊藤有沙
研修題目
基礎的なNCプログラムの習得(ワイヤーカット放電加工機の応用)
研修期間
平成 16 年 9 月 6 日(月)~9 日(金)
研修報告(研修の内容や成果等)
私はこの春から、岩手大学工学部の技術職員として採用されました。工作センター配属と
なりましたが、正規のセンター職員には放電加工機を使える人がいないので、まずこれを身
に着けるよう指示されています。
放電加工機を正しく使えるようになって、少なくとも注文をこなせるレベルになりたいと
思っていた所、技官の正路さんの紹介により、このほど高エネ研で研修を受けることが出来
ました。
第1日
前夜、中部地方で地震があって怖くなり、一足早く出発し、昼前に到着。バスは 20 分遅
れた。可部さんと待ち合わせをし、宿舎に荷物を置いたあと、食堂へ。味は大学の学食と同
じくらいだが定食なので割安感がある。
昼食後、可部さんの車で加速器に沿って 1 周し、工場に到着。可部さんは東北大のある
教授にひげの生え方がそっくりだった。加速器自体は地下にあるので見えなかったが、その
上方を配管がなぞっているのでおおよその形はわかった。
まず、オリエンテーションで展望台に上る。雲が多かった。外は暑い。
次に部屋に戻り、G00,G01,G02,G03 といった基礎的なコマンドの本質を教わった。直線、
曲線を描くことは分かっていたが、原点出しに関して、非常に誤解していた。しかし話を聞
いてきちんと理解できた。ABS、INC 座標系は場合によって使い分けるのが便利だと実感で
きた。
練習に JIS7 号片、ひょうたんパズルのプログラムを ABS,INC で書いた。職場でひょう
たんパズルを見たことがあったが、こういう複雑な曲線はきっと高エネ研の人からもらった
のだろうと思い込んでいた。しかし金子さんも松本さんもプログラムを作ったと聞き、私に
も出来ないわけがないと、俄然やる気が出てきた。
意外と早くひょうたんパズルは出来上がった。電卓と安全メガネを持ってくるべきだった
と思った。
63
夜は、公開の反省会と私の歓迎会をかねて、バーベキューをやった。私は食べてばかりだ
った。いろいろな人と話ができて楽しかった。
第2日
NC プログラムを可視化するソフトをインストールし、前日のプログラムを描かせてみた。
やはりひょうたんは美しいと思った。
次に、テキストに沿ってクラブとスペードのプログラムを作った。前夜に座標を書き取っ
ておいたのでこれは早く出来上がった。複雑な形の割には、プログラムにすると行数が少な
いことに驚いた。加工機には手でプログラムを打ち込んだ。きちんとやったつもりでも、小
数点などの打ち間違いが結構あった。ワイヤー径を考慮し、きつく合うようにした。コース
ターにしたかったので丸型にしたが、中の絵をハートにすればお祝いのギフトにも出来ると
思った。
昼は食堂に行ったが、ドレッシングがしょうゆ風ソースだけなのは改善してほしい。休憩
時間に台風が日本に近づいているニュースを見た。
次いでサブプログラムの原理を学び、効果的に多数個取りをする方法を何個か覚えた。夜
の間に仕掛けておく方法を聞いたが、部分的には日常の仕事でも応用できそうだ。
第3日
最初は、製品作りをした。丸棒を鞍型に切り落とした。
次に、前日見て便利そうだと思っていた丸棒のジグ作りをした。同じサイズで 2 つ作っ
た。やはり、ものづくりは、現場の要求に応じた、ジグなどの工夫があって成り立っている
と感じた。大学に戻ったら設備にぴったり合う穴を開けて早速活用しようと思っている。
ウォータージェットも使うことが出来た。クラブとスペードのコースターを色違いで作っ
た。大学にもこの機械をぜひ入れたいものである。というのは最近、岩手大では、精密なア
クリル加工の注文が相次いでいる。アクリルは放電加工できないことから、電動のこぎりで
大まかに切ったあと、エンドミルで手仕上げしている。1m 以上の箱を作るときなどは、実
質 1mm 単位での仕上げになってしまうし、刃物の動く範囲より長い辺を仕上げるときは、
直線を出すのに一苦労である。しかし、これを使えば、図面のプログラムさえ出来れば、き
れいな切り口で製品が出来上がる。ウォータージェットの素晴らしさは、噂には聞いていた
が、本当に驚いた。
引き続き、ゴムシートで多数個取りの実習をした。水の出し始めは 0.5 秒待つこと、切始
めは製品にならない部分にすることなど、ノウハウ的なことも教わった。サブプロで多数個
取れば、プログラムも短くてすむので、これは確実に今後活用できそうだと思った。
夜にトランペットコンサートを聞きに行った。演奏者はつくば出身の人だ。部屋が狭いた
め音量を遠慮がちにしているようで、トランペット本来の華やかさにちょっと欠ける感じが
した。それに対し、伴奏者はかなりの腕前の人だった。
第 4日
朝は現場で上下異型の練習をした。上下異型の場合は、 INC 座標系でプログラムする必
要があることを知った。加工待ちの時間で、自作の上下異型の設計をした。金子さんや松本
さんの KM 作品を見たため、最初は、どうしてもイニシャルにしようと思って A とか I に
こだわっていたが、文字をやめて人形の掘り出しに路線変更したらすぐにデザインが出来上
がった。表は、トイレマークの男性、裏はその女性である。このプログラムは一発で入力で
き、上達を感じた。
午後から、マクロで楕円や三角関数を描く方法を習った。基礎的なプログラム言語を分か
64
っていれば本当に便利な機能だ。楕円をどう作図するかが、今回の自分なりの課題の 1 つ
であったので、納得した上で解決できて良かった。
第5日
センター長さんのお話をいただいた。お忙しい方であるのに、貴重な時間を割いていただ
いて有難かった。高エネ研の概要、アメリカ企業の雇用形態、総合研究大学の話などを聞い
た。
これからは、個人を大切にする時代だということを再認識した。大学は一応、集団で動い
ているので、人間関係も大事にしつつ、個人の意見を出していきたい。
ひとつ気になることがある。日本では先輩が後輩に教える習慣があり、職場全体の人間関
係を保つためにも、これが完全に消滅することは、すぐには考えられない。一方、業績重視
の賃金体系が取り入れられつつある。そうすると、「先輩が後輩に教えるが、賃金は業績に
より算出」する時代が必ず来る。後輩の中には先輩を超える技能を身につける人も出るだろ
う。その時、もはや年功序列に守られていない先輩はクビになってしまうのだろうか?後輩
に教えないことで自分の身を守るのだろうか?後者になれば、技術の伝承がなされない。ア
メリカのように、労働時間中に社外教育を受ければいいのだろうが、それなら日本の現状の
システムのほうが、無駄がないように思う。
まとめ
今までは、CAD で図面を描き、パソコンの自動変換機能を使い NC プログラムを書き出
していた。自分で M00 などのコマンドを追加することはあっても、修正する際は図面を書
き直していた。便利な一方で、手間のかかる仕事だとも思った。
しかし今回の研修で、プログラムを入力して図形を描かせることを重点的に教えてもらっ
たので、放電加工機の前に立って修正や追加加工ができるようになった。材料を取り付ける
向きや、どの穴を先に加工するかなど、先を読んでプログラムを組む重要性も学んだ。
放電加工機を使いこなせるようになったら、マシニングセンタにも挑戦して、業務の幅を
広げたい。
高エネ研の皆様、5 日間どうもありがとうございました。
5)加速器研究施設加速器第一研究系技師
川村真人
研修題目
平成 16 年度京都大学原子炉実験所技術室受入研修(技術交流)
研修期間
平成 16 年 12 月 13 日(月)~15 日(金)
研修報告 (研修の内容や成果等)
去る 12 月 13 日(月)から 15 日(水)にかけて、京都大学原子炉実験所(大阪府泉南郡
熊取町)技術室の受入研修に参加したので報告する。
この原子炉実験所は、京都大学の附置研究所かつ全国大学の共同利用研究所として、昭和
38 年に「原子炉による実験およびこれに関連する研究」を行うことを目的に開所された。
以来、一貫して核エネルギーの利用と中性子等の粒子線・放射線の利用に係る研究教育のた
めの施設として、この実験所には全国の研究者や学生が訪れ、実験研究を行っている。施設
には、大学の持つ原子力施設としては国内最大規模の研究用原子炉(KUR , Kyoto University
Research Reactor)のほか、KUR に付属する各種中性子照射設備・オンライン同位体分離装
置、原子炉室に接続するホットラボラトリ、原子炉室から離れたところに小型原子炉である
臨界集合体実験装置(KUCA , Kyoto University Critical Assembly)、46MeV 電子線型加速器、
65
コバルト 60 ガンマ線照射装置、放射性廃棄物処理設備、工作棟
などがある。また、技術室は 4 班、8 掛、33 名で構成されており、各人が 5 つの部に出向
して仕事を行っている。
受入研修は‘02、‘03 年度に引続き今年が 3 回目である。今年の参加者は KEK から 2 名
(加速器・池田光男氏と私)、名古屋大工学部 1 名、分子研 1 名、さらに 14 日(火)午後か
ら京都大院 1 名の、計 5 名だった。
今回の研修のメイン・イベントは、KUR 起動の立会いであった。14 日(火)朝から制御
室(地上 8m(KUR 本体タンク天井部と同じ高さ)、炉室壁面にある)に起動作業のスタッ
フと共に集まり、起動前・出力運転前の点検(ソフトウェアにより、端末から操作され、数
..
値データが自動的に記録される)、炉心燃料配置の変更(タンクの天井部から、長いさお状
の部品を使い、純水で満たされたタンクの底の炉心にある燃料要素(93%濃縮ウラン)を引
っ掛けて移動させる)などを行った後、定格 5MW まで出力を上げた。出力の制御は 2 種類、
計 5 本の調整棒(ホウ素入りステンレス鋼製の粗調整棒 4 本、ステンレス鋼製の微調整棒 1
本)を上げ下げする事で行なわれる(調整棒を炉心から引き上げると出力が増す)。当日は、
点検から定格出力到達まで、トラブルも無く順調に行なわれ、チェレンコフ光を自分の目で
確認する事も出来た。しかし、もし何かトラブルがあると、原子炉という施設の性質上、文
科省や自治体など外部に報告する事が義務付けられている、との事で、緊張感の漂った作業
であったと思う。他に、メンテナンスでは、放射線の高い場所での作業があり、シフトを組
んで、年齢の高い人から仕事を割り当てられる、との話を聞き、KEK-PS の作業と共通す
る部分があることを知った。
研修ではその他に、会議室での講義(放射線の講義では、以前 KEK にいた沖雄一氏が講
師だった)や各施設の見学があった。見学では、殆んど全ての施設で KEK-PS の加速器室
のような入室管理(名札のバーコードによる個人識別、線量計の携帯、出口での被曝測定。
)
が行われた。個人的には、仕事の関係上、電子線型加速器に一番興味があった。1966 年か
ら今年まで 38 年もの間、途切れることなく運転が続けられた事は驚きであった。KUR も 1964
年に定格出力 1000kW 到達、1965 年に共同利用研究開始ということであり、所内の多くの施
設が歴史のあるものだと知った。
15 日(水)午前は「大学法人化とこれからの技術職員」と題した意見交換会が行なわれ
た。池田氏と私で KEK の状況を報告し、また、参加者から京都大、名古屋大、分子研各々
の報告を聞いた。日頃の不勉強がたたって大した報告も出来ず、また他の報告も余り頭に入
らなかったが、KEK に対しては「研究者と技術者が一体となって研究活動を遂行する」と
いう体制で研究者からの不満や技術者の不安は無いか、という意見が出された。また京都大
からは多くの資料に基づいて人事制度改革や技術職員の組織化の提案が報告され、名古屋大
工学部からは 4 月に全学技術センターが設置された、分子研からは天文台や核融合研などと
一緒に「自然科学研究機構」となったが給与の差が解決されていない、などの報告があった。
原子炉実験所については 13 日(月)の初めの時間に報告があったが、今年から‘08 年にか
けて多くの職員が定年を迎えるため、技術の継承が問題になっている、とのことであった。
最後に、様々な施設を見学して、多くの資料も頂いたが、3 日間の短い期間であり、消化
不良の部分も多々あったと思う。しかし、“原子炉”というものを真近に見たことは貴重な
経験であった。そして原子炉実験所技術職員の方々が、面識の無い我々を“技術職員”とい
う共通項のもとに親切に迎えて下さったことに感謝申し上げたい。
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研修時に取得した主な資料
□施設見学時等(12/13(月)、14(火))
・「京都大学原子炉実験所
要覧」(32p.)
・「保安教育テキスト」(118p.)
・
「京都大学研究用原子炉(KUR)部
資料」
(研究炉起動の手順、チェックシート等、71p.)
・「使用済燃料の返送について~米国へ安全に輸送するために~」(12p.)
・「原子炉内チェレンコフ光
写真」(2p.)
・「冷中性子源設備とは」(7p.)
・「中性子放射化分析について」(18p.)
・
「重金属汚染地域住民の毛髪中元素濃度と全国平均値との比較」
(中性子放射化分析、7p.)
・「人間の毛髪の測定結果」(中性子放射化分析、3p.)
・「オンライン同位体分離(アイソトープセパレータ)装置(KUR-ISOL)」(4p.)
・「KUR 照射設備の概要」(4p.)
・「低温照射装置(LTL)保安教育テキスト」
・「重水中性子照射設備」(2p.)
・「ホットラボ施設、設備の維持管理と技術支援」(平成 15 年度 KEK 技術研究会、5p.)
・「電子線形加速器 資料」
(
「研究分野別利用件数と稼動時間の変化」等グラフ 5 種、1p.)
・「ワークショップ利用の注意事項」(2p.)
・「平成 15 年度技術室受入研修(2003.11.26~28)報告書」(KURRI-KR-101)
・「第 12 回原子炉・放射線技術研修会(2004.2.20)報告書」(KURRI-KR-109)
□討論時(12/15(水))
・「京都大学における法人化後の変化と技術職員を取り巻く状況」(13p.)
・「京大における技術職員の組織化を考える」(4p.)
・「名古屋大学全学技術センター」(17p.)
・「名古屋大学工学部・工学研究科技術部」(6p.)
・「労働安全衛生法に対する諸対策(名古屋大)」(4p.)
・「KEK 法人化後の技術職組織(案)」(KEK 竹中たてる氏より提供、2p.)
・「KEK 組織図」(KEK パンフレットコピー、1p.)
6)加速器研究施設
研修題目
加速器第 3 研究系
池田光男
平成 16 年度京都大学原子炉実験所技術室受入研修
研究用原子炉の運転維持管理及び照射設備を用いた実験測定
研修概要
原子炉の原理・法令・構造の概要・運転(立会)までを一貫して研修する。
研究用原子炉の照射設備の概要、圧気輸送管照射による試料の照射、測定
データ解析など。
受入部署
技術室(研究炉部、実験設備管理部)
研修期間
平成 16 年 12 月 13 日(月)、14 日(火)、15 日(水、午前)の 2.5 日
研修参加者:豊田朋範氏(分子研)、今井重文氏(名大)八田博司氏(京大)、
川村真人氏(KEK)、池田光男(KEK)
5 名(但し、八田氏は討論会のみ参加)
研修担当者:宮田清美氏(技術室・実験設備管理部)
研修報告(研修の内容や成果等)
67
第 1 日目
12 月 13 日(月)
(午前中は研究棟 2 階会議室等)
9:00~ 9:20
共同利用等の入所手続
9:20~ 9:40
技術室紹介
9:40~10:00
実験所のビデオによる紹介
10:00~10:20
自己紹介
10:20~10:40
休
10:40~11:20
放射線障害予防規定関係
11:20~12:00
原子炉施設保安規定関係
(昼
憩
食)
13:00~15:00
研究炉の概要と周辺実験設備について(低温実験室、炉室)
15:00~15:15
休
15:15~16:30
所内施設見学(ライナック、CA、工場、処理棟、トレーサ棟、γ棟等)
16:30~17:30
宿泊等の手続き
17:30~19:30
技術交流会(研究棟 1 階会議室)
第 2 日目
12 月 14 日(火)
8:45~12:00
(昼
憩
(ホットラボロビーに 8:30 集合)
原子炉の起動前点検、運転立会(炉室、制御室など)
食)
13:00~15:30
研究用原子炉の照射設備の概要及び圧気輸送管照射による試料の照射、
測定データ解析(低温実験室及びホットラボ実験室など)
15:45~17:00
第 3 日目
研修まとめ・意見交換
12 月 15 日(水)
9:00~11:00
(研究棟会議室)
討論:大学法人化とこれからの技術職員
11:00~11:15
休憩
11:15~12:00
研修感想文作成
12:00 修了
○研修感想文:
平成 16 年 12 月 13 日(月)から行なわれた京大原子炉実験所受入研修を受講させて頂く
機会に恵まれました。しかし突然の話で準備期間がなかったため全く予備知識がなく、京大
原子炉と聞いて京都に行けるのかと密かに喜んだのでしたが。とにかく大阪も実に広いなと
つくづく感じた次第です。前日から当所に入り研究員宿舎に泊めて頂いたため宿舎から 10
分もかからず研修会場に行けました。残念ながら共同利用が始まるため一晩のみの宿泊とな
り、2 泊目からは駅付近のホテルに移動することになりました。研修第一日目は、まず技術
室の紹介を林室長より伺いました。そのお話の中で特に感じたことは、本年 4 月からの法人
化移行に伴い人事院規則から労働安全衛生法による規制が生じその対応が現在もっとも重
要な課題のひとつだということでした。今までの体制を見直し、業務改善を行なっていくこ
との難しさを認識しました。業務内容により各種の資格を取得しなければならないのは当方
においても切実な問題です。次にビデオによる当所の紹介を見せて頂いたあと、放射線障害
予防規定関係を沖氏、原子炉施設保安規定関係を中込氏に伺いました。私も加速器という放
射線発生装置で仕事をしていますが、放射線のように目に見えない、臭わない、肌で感じな
いものの扱いほど困る物はないと常日頃感じています。これが無害なら問題ないのですが、
迷惑なことに我々の人体に悪影響を及ぼすものですから始末に負えません。だからこそ事細
かな規制により厳重に管理しなければならないことが重要なのは尤もなことだと理解しま
68
す。管理者の方々のご苦労が伝わりました。午後は研究炉の概要と周辺実験設備について伺
い、所内施設見学をさせて頂きました。数多くの施設を拝見しましたが徒歩でしたので疲れ
ました。施設の数を少なくし、見学時間を増やして欲しい箇所もありました。この後、研修
担当の皆様がお忙しい中時間を割いて準備していただいた、おいしいおでんを囲んでの技術
交流会を開いていただきました。今回の研修で最も充実したひとときを過ごさせていただい
たのではないかと思うのは私だけでしょうか?第二日目に原子炉の起動前点検、運転立会い
をさせていただきいわゆる原子炉が臨界に達する課程を体験することができました。これは
非常に貴重な体験で、運転員の皆様と一緒に綿密な立ち上げステップを肌で感じることがで
きました。一人前の運転ができるようになるには、数年から 10 年という高度な操作能力を
問われる現場でした。午後から研究用原子炉の照射設備、圧気輸送管照射による試料の照射、
測定データ解析などを見せて頂き原子炉実験の奥深さ、幅広さを改めて実感しました。最終
日は大学法人化問題の討論会でしたが、京大の八田氏による講演で法人化問題の詳細な事柄
まで説明していただいたので、これからの技術職員を考える上で大変参考になりました。惜
しむべくは講演・討論時間が短かったことでした。各機関が直面している法人化問題を少な
からず理解する手助けとなったことは、研修に参加した意義があったものと思いました。最
後になりましたが、本研修を準備された研修委員の方々、ご説明いただいた方々、関係者の
方々に深く感謝いたします。
平成 17 年度
1)富山大学杉谷地区総括管理課内科学(1)
職
名
石原実千代
学科事務主任
研修題目
Web 関係
研修期間
平成 17 年 11 月 24 日~26 日
部
門
技術部門
報
告 (研修の内容や成果等)
PowerPoint の使い方
PowerPoint を使用したプレゼンテーションに関しての講義
ホームページの基礎知識
Web サーバーの立ち上げ方からタグを使用したホームページの作り方まで
PDF の便利な使い方
PDF を利用した便利な電子ファイルの作成方法
放射光施設見学
その他(研修の感想等)
医学部の講座業務において、PowerPoint の使用や PDF の操作は、教育・研究資料の作成、
グループウェアでの事務連絡などに欠かせないものとなっていますが、ソフトウェアの操作
はマニュアルを見ながら試行錯誤で行っているのが実状です。
今回の研修によって、自分の知識を系統立ったものに整理することができました。
また、経験に基づいた実践的な技術や、高度な活用方法をご教授いただいたことで、今後
の業務に生かせるものと感じています。特に当講座では、組織病変やX線撮影の写真資料が
多いので、データの整理に役立ちそうです。
この研修を準備して下さった、施設並びにスタッフの方々に深く感謝いたします。
69
2)富山大学生命科学先端研究センター
職
名
澤谷和子
技術専門職員
研修題目
Web 関係
研修期間
平成 17 年 11 月 24 日~26 日
研修報告 (研修の内容や成果等)
PowerPoint の使い方
PowerPoint を使用したプレゼンテーションに関しての講義
ホームページの基礎知識
Web サーバーの立ち上げ方からタグを使用したホームページの作り方まで
PDF の便利な使い方
PDF を利用した便利な電子ファイルの作成方法
放射光施設見学
その他(研修の感想等)
今まで自己流で作成していた PowerPoint について、しっかりと講義を受けながら実習がで
きたことは非常に有意義でした。知らなかった手法が沢山あり、講義についても実に分かり
やすく説明していただきました。また、自分のパソコンをサーバーにする実習ではサーバー
に対する概念が変わり、今後大いに活用できる手法を得ることができたと思います。PDF に
ついても、単に電子ファイルにするだけではなく、受け取った相手が使いやすいように作り
込んでいくという考えを学ぶことができました。
テキストについては大変素晴らしい出来栄えで、そのまま書籍化しても良いのではないか
と思うほどの仕上がりでした。今後大切に活用させていただきます。
研修期間を通して、参加者及び講師の方々と意見交換や技術交流を行えたことは、これか
らの職務の糧と成るものと確信しており、今後もこのような活動を続けられることを心より
願っております。
末筆になりましたが、研修で大変お世話になりました、小菅、濁川氏に深く感謝を捧げる
とともに、今後のご活躍を祈念して本研修の報告とさせていただきます。
3)北海道大学低温科学研究所技術部
藤田和之
研修題目
溶接技術の向上
研修期間
平成 18 年 2 月 21 日~23 日
研修報告(研修の内容や成果等)
研修内容
2 月 21 日(火)
高エネルギー加速器研究機構の紹介 VTR の視聴
技術部の打ち合わせ見学
工作室・工作棟見学
溶接機取り扱い
平鋼溶接(始めは普通の溶接で、後からは溶加棒を用いての練習)
2 月 22 日(水)
平鋼付け合せ溶接
すみ肉溶接
2 月 23 日(木)
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パイプの溶接
真空容器仮付け
真空容器本溶接
リークチェック
<学んだこと・感想>
溶加棒を用いた練習
溶融池の部分に少し棒をつけたらトーチを移動させ、また少し棒をつけるという作業の繰
り返しで、この溶接のポイントは溶加棒の押し出し方ときちんと溶融池ができてから棒をつ
けるということでした。また、溶加棒を使わない溶接よりも電流を上げるということでした。
この練習は初めてだったので、溶加棒を押し出すのがとても難しく、きちんと溶け込んで
いると思っても実際は溶けていなくてダマになってばかりでした。
溶接跡をきれいにするために
私の職場では酸洗いをしていたのですが、こちらではワイヤーブラシでこすっていて、こ
の方法で溶接跡をきれいにできることを知らなかったので、とても勉強になりました。
ピンホールを防ぐために
接地点で溶接を終わらせるとピンホールという穴ができやすく、この穴があるとリークす
る場合があるのでそうならないために、溶接を終わるときは接地点から少しずらしたところ
で終わると良いことを教わりました。
バックシールド
今回はバックシールドを流しての練習はしなかったのですが、この場合も通常の溶接より
も電流を上げて行うとのことでした。
リークチェック
本来なら KF フランジで固定するのだが今回の練習用真空容器が規格外だったのでシャコ
万力を用いて真空引きをしました。
真空容器内を真空にして外側からヘリウムガスを当ててチェックするもので、始めはリー
クがあり-7 乗までしか真空度が出なかったのだが、リークしていそうなところを原さんが
補修すると-10 乗の超高真空まで引けました。
リークチェックをするのは初体験で今回の研修の中で一番楽しい時間でした。
モニターを見ていると、ガスを出していない状態だと真空度の数値は落ち着いているので
すが、ガスを出すとリークがあるときは急激に真空度が下がりその様子が見られて、本当に
良かったです。
<最後に>
忙しい中研修を受け入れてくれて本当にありがとうございました。
大変ご迷惑をおかけしたと思いますが、今回の研修は大変有意義なものでこれからの仕事
では必ず役に立つと思います。
原さんや浅岡さん、またクラブ空洞グループの皆様にはたいへんお世話になりとても感謝
しています。
4)核融合科学研究所技術部加熱技術課
夛喜田泰幸
研修題目
制御関係の構築
研修期間
平成 18 年 03 月 14 日(火)~17 日(金)
研修報告(研修の内容や成果等)
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電子出版に関する研修
電子出版についての一般事項
会議等での電子出版の流れ
MS-Word を使用したテンプレートの作成
PDF ファイルの作成方法
PDF ファイルの便利な使用方法
Acrobat を使用した編集方法
PitStop を使用した編集方法
英語文章の電子出版に関する注意
日本語文章の電子出版に関する注意
その他(研修の感想等)
今回、私たちの職場でも昨今定着してきている電子出版を採用するべく、この分野で経験
豊富な高エネルギー加速器研究機構で研修を受けさせて頂きました。周到に準備されたテキ
ストをもとに丁寧で分かりやすい講義と実習を受けることができ、非常に有意義でした。電
子出版の流れやコスト、労力等についても実情を把握するという意味で大変に参考になりま
した。
電子ファイル(PDF)の作成については、単に電子ファイルにするだけではなく、受け取
った相手が使いやすいように作り込んでいくことやその他の様々な留意点などを学ぶこと
ができました。知らなかった手法も沢山教えて頂き、今後大いに活用していきたいと思いま
す。
また、テキストについても大変素晴らしいもので、今後、私たちの職場で電子出版を進め
ていく上で、教育用テキストとして大切に活用させていただきます。
今回の研修期間を通して、講師の方々との意見交換や技術交流は、非常に意義深いもので、
このような機会を作って頂いたことに感謝するものです。今後もこのような活動を続けられ
ることを心より願っております。
最後になりましたが、研修で大変お世話になりました、小菅、濁川氏をはじめ講師の方々
に深く感謝いたしますとともに今後のご活躍を祈念して本研修の報告とさせていただきま
す。
5)加速器研究施設
丸塚
勝美
研修題目
京都大学原子炉実験所技術室受入研修
研修期間
平成 17 年 11 月 8 日∼10 日
原子炉コース
研修報告(研修の内容や成果等)
平成17年11月8日から10日にかけて、京都大学原子炉実験所において受け入れ研修に参加した。
募集の締め切りを過ぎて後、直前になって研修参加を勧められたのであるが、以前に東京
電力福島第二原子力発電所を見学して以来原子炉にも少なからず興味を持っていたので参
加することにした。無論、希望研修コースは「原子炉コース」で希望した。研修日当日、現
地に到着するまでは事前に聞いていた話から「大阪南部の山の中にある実験所」という身勝
手な先入観を植え付けてしまっていたので、予想に反してやや小高く開けた地形のてっぺん
付近に鎮座する原子炉室の外観をみて正直意外な感じを受けた。原子炉というからには原発
でイメージするように、山の陰に隠れるなどして居住エリアからは直接見通せないような場
所に位置しているものとばかり考えていた。これも周辺自治体や住民との信頼関係が十分に
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保たれている証なのであろう。
初日はオリエンテーションとビデオによる放射線教育を受けてから、早速原子炉室や制御
室の現場見学にはいった。講義から入って次に実際のものを見る、というのが本来の順序で
あるかと思うが、初日がちょうど原子炉の運転スケジュールでは立ち上げ日に当たっており、
原子炉の起動の実際を直接見学してもらうという主旨で順序を入れ替えたカリキュラムと
なった。
現場への入域方法の説明を受けゲートを通ると一本の廊下の先にすぐ原子炉室の扉があ
った。原子炉室に入る直前、パネルを前に簡単な概要説明を受けた。入り口の扉は何やらハ
ンドルのついたものものしいもので、ハンドルを回転させて扉を開ける。中に入るとその先
には二枚目の同じような扉があった。原発で見た時と同じ二重構造になっていた。これは原
子炉室内の空気が外部へ流出しないように室内が負圧となっており、扉が一枚だとあの重厚
な扉が気圧差によってドライブされて危険であるため、高い気密性を持たせた二枚の扉を交
互に開閉することにより安全性を持たせているということらしい。
原子炉室には炉内から飛び出してくる中性子を利用するための様々なラインが設置され
ていた。主な用途は中性子照射実験のためのものである。実験材料を特殊なカプセルに封じ
込めたものなどに一定時間中性子を照射し、照射後、そのサンプルを輸送管を通して隣接す
る建物(ホットラボ)に移し、マニピュレーターを用いてカプセルを開封してサンプルを測
定などの分析にまわすといった手順で実験が進められる。このほか医学利用(中性子捕捉療
法)も行なわれており、見学の時間に丁度、医師と看護士に付き添われた患者が照射用エリ
アの前で待機している様子が見られた。ベッドがビームラインの延長上にあり、出てきた中
性子をそのまま頭部にでも照射するような格好だった。無論何らかのデバイスを通して行な
うはずであるが。
原子炉室のさまざまな実験装置の説明を受けた後、制御室に移動し立ち上げに立ち会った。
原子炉が起動から定格出力5MWに達するまでの一部始終を見守った。我々陽子加速器の運
転開始時も多くのスタッフが調整に携わるが、ここで見たような緊張感を味わったことはな
く新鮮であった。特に燃料棒の挿入位置を変更して出力の調整を行なう際は現場と制御室間
で緊密に連絡をとって行なわれ、非常に神経の磨り減る作業ではないかと感じた。
運転には多くのパラメータの監視やトレンドのチェック、またLANによる情報配信のため
コンピュータが導入されているが、これは補助的なもので、安全を確保するためのインター
ロック機構は最終的にはハードウェアで構成されたものであるという。コンピュータのエラ
ーをハードウェアでカバーしているというわけである。私もコンピュータを信じられない人
間の一人であるので当然構築されるべきシステムだと思った。
この一連の起動作業を見守って、なぜかしら緊張したのはやはり原子炉の「計画外停止」
という加速器ではあまり耳にしない言葉を聞いたためであったと思う。加速器に携わる者と
しては実に真剣に考えねばならないことかもしれないとも思った。我々も運転に際しては
様々な法規の規制を受けているはずだが、ここはそれ以上だろう。オペレーションの一つ一
つにマニュアルが整備され、そのすべてが書類によって執行されるということからもうかが
い知れる。加速器はコンポーネントの種類が非常に多く複雑に絡み合った複合体である。特
に陽子加速器は老朽化が進行しており、近年は故障があちこちで頻発している。そのたびに
ビーム供給は停止となるので「計画外停止」は日常茶飯事である。本来なら、機器の故障で
停止するまでのわずかな間でもビームを撒き散らし放射能汚染(無論、特定のエリア内であ
る)を拡げてしまう加速器のほうがよほど厳しい規制を受けるべきなのかもしれないと感じ
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た。
後で再度原子炉の上部に移動し、すでに5MWの定格出力で運転中の原子炉内部を小穴か
ら見せていただいた。内部はチェレンコフ光の鮮やかな青に満たされていた。これが、JCO
臨界事故で犠牲となった作業員が沈殿槽の中に見たという、美しさとは裏腹の恐るべき「青
い光」だったのであろう。
原子炉外壁を見通せてガラス1枚隔てただけの制御室は加速器屋の感覚からすると当然管
理区域に指定されたエリアだと思っていたがそうではなかった。これは後で放射能測定の実
習を行なってみて納得できた。炉心の密閉が完全になされているので、実際に測定実習して
わかったように炉心外側の表面近傍でも加速器から見れば相当放射能レベルは低く、クリー
ンである。携帯していた線量計が示す数値が自然放射線レベルに留まっていたことからもわ
かる。加速器は光速近くまで加速したビームを大変長い距離にわたり軌道補正をかけつつハ
ンドリングするが、その際、一定の広がりをもつ高エネルギー粒子集団が真空ダクトなどに
衝突することはなかなか避けられない。このように高エネルギーの陽子線を「照射」された
ステンレス製のダクトがむき出しになっているわけで、保守作業時には場所によってはかな
りの被爆をともなうことになる。でもよく考えてみれば原子炉周りがクリーンなのは驚くま
でもなく当然のことである。もし汚れていれば、それは即ちあってはならない「事故」だか
らである。
最終日の最後には当初の予定には含まれていなかったが建設中のFFAG加速器を見学する
ことができた。建屋内はまだ一部の電磁石が搬入されているだけで設計通りには配置されて
いない状況だったが、完成後の様子をイメージするのは容易であった。このFFAGは研究用
の未臨界炉にむけてビームを射出し、そのビームをターゲットにあてることで生成する中性
子を炉内にはじきだして臨界状態をつくりだすためのものだそうである。ビームスイッチの
オンオフだけで原子炉の臨界/未臨界が選択できるようになるということである。来年度か
ら2年間研究用原子炉の運転が止まるということなので、その間にこちらの建設にも力が注
がれることであろう。
様々な現場を回った今回の研修の中で特に興味があったものの一つに気象観測設備があ
った。一見、ここでは畑違いかと思われる気象観測であるが、原子炉とも重要なつながりが
あることも覚えておかねばならない。万一、放射能を帯びたガスなどが排出される事故が起
きたときには、その時の気象条件に照らし合わせ汚染の可能性のあるエリアをいち早く特定
せねばならないだろう。特に風向、風力が重要になる。万一に備え、気象観測は定期的に行
なわれている。が、それのみならず周辺の土壌を採取したり農協や農家から農作物を入手し
て、汚染がないかどうかの分析まで行なっているというから当然とはいえ徹底したものであ
る。私事ながら私の学生時代の専攻は実は今の高エネルギー物理あるいは工学関係ではなく
地球電磁気学(地学系)であったためこのような気象観測も実習として行なったことがあった。
昔取った杵柄ということではないが、今の職場にはないこういった仕事も少しは携われると
面白いだろうと思った次第である。
京大原子炉実験所では現場のほとんどすべてを技術職員できりもりしているという話が
研修中の講義の中で少し触れられた。では教員は普段はどうしているのだろうかと今更なが
らに考えてみた。一日のほとんどを研究室に篭って過ごすのだろうか。少なくともKEKの私
の部署においては、加速器の個々のセクションを担う各々のグループ内で、教員と技術職員
は一緒になって運転や保守業務をこなしている。加速器運転時の当番表も教員、技術職員を
ミックスして同じ条件で組み込むようにしている。だから最初原子炉を見学したときその場
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にいた職員の半分くらいは教員の方々なのだろうと考えていた。それがそうではなく、全員
が技術職員であることを聞かされ驚いてしまった。しかし、そういったしくみの違いの良し
悪しではなく、原子炉を運転するという重責を技術職員だけで担っているということにただ
尊敬の念を持ち、同じ職種の者としてうれしく思ったのである。
ひとたび原子の灯を知ってしまった人類は決してそれを放棄することはないと私は思っ
ている。原子力の是非を問う議論を否定するつもりはないが、先へ進めない平行線を辿る議
論よりも、むしろ建設的見地に立って原子力を利用する上での終わりなき安全性の追求に全
力を注いだほうが、人類全体としての利益に通じるものと私は思う。当然、原子力工学を推
進するのは、それが悪用されないためにも、立派な人格者の育成がなされてからの話である
べきだ。この研究機関も安全な原子炉の開発研究と同時に教育機関としてもすぐれた人材を
育成するところであると思うし、またいつまでもそうあって欲しいと願いたい。
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編集後記
この報告集は法人化されて技術部が廃止され新たな技術職となって初めて出版されるものです。
今回の報告集は機構・研究所・研究施設でのミッションへの仕事面・運営面での貢献を中心にま
とめ、技術部門の各種委員会が行う諸活動を付け加える形としました。
この報告集は機構における技術職員の技術業務が見えることを念頭にすえ、科研費、学会賞、
特許申請などを盛り込み、技術部門の諸活動を網羅し、寄せられたアンケートからは職務分布、
論文リストを編集しました。冒頭の科研費などからは技術職員の活躍、諸活動では技術部門の活
躍などが掲載され、また、職務分類などを通して機構の技術職員が一面的でなく応用技術、基礎
技術など多面的な技術を駆使されていることが読み取れます。
多数の方がアンケートに回答されたことは報告集をより充実したものにすることができました。
これからも、より質の高い報告集を出版するためにはアンケートの論文リスト・職務に対して
の記述方法をより具体的に示し回答を寄せていただく必要があります。アンケートは 04,05 年度
に区切り回収しましたのでその年度以外の活躍は、残念ですが割愛させていただきました。
今後もアンケート作業、編集作業を通して技術職員の縦、横のつながりを少しでも膨らまし、
質の高い活躍が外からも見えるような報告集を作成していくことが期待されます。また、膨大な
編集作業に編集委員の方々が最後まで付き合いがんばってくださったことに感謝いたします。
編集委員長
編集委員
技術部門連絡会議
安芳次
竹中たてる
素粒子原子核研究所
山野井豊
田中伸晃
物質構造科学研究所
小山篤
多田野幹人
加速器研究施設
池田光男
丸塚勝美
共通基盤研究施設
押久保智子
東憲男
竹中たてる
ダウンロード

技術職員報告集