【土木学会舗装工学論文集 第 9 巻 2004 年 12 月】
粒状材層の弾性係数の応力依存性を
考慮した舗装の構造解析
藤波 潔 1・James MAINA2・井上武美 3・松井邦人 4・菊田征勇 5
1
2
3
5
正会員 工修 東京電機大学 建設環境工学科(〒 350-0394 埼玉県比企郡鳩山町石坂)
:
正会員 Ph.D. 東京電機大学 建設環境工学科(〒 350-0394 埼玉県比企郡鳩山町石坂)
フェロー会員 博(工) (株)NIPPO コーポレーション(〒 140-0002 東京都品川区東品川 3-32-34)
4
フェロー会員 Ph.D. 東京電機大学 建設環境工学科(〒 350-0394 埼玉県比企郡鳩山町石坂)
フェロー会員 博(工) 国士舘大学 都市システム工学科(〒 154-8515 東京都世田谷区世田谷 4-28-1)
路盤は舗装表面に作用する荷重を分散する機能を担い,
舗装の耐久性に大きく影響することが知られてい
る.舗装の構造解析に線形多層弾性構造が用いられているが,路盤,路床の材料特性は線形モデルより,非
線形の特性を表す k − θ モデルが適切であるとして提案されている.本研究では,多層弾性構造の路床,粒
状材の路盤層に線形モデルと非線形モデルとした場合について舗装の寿命予測の観点から比較している.
ま
た,
路盤に浸透した水は荷重分散機能に影響するゆえ,
飽和度が寿命予測に及ぼす影響も合わせて検討した.
本結果から,粒状材の挙動を適切に表現できるモデル構築の重要性が確認できた.
Key Words : nonlinear, multilayered system, unbound materials, underground water,
service life
1.はじめに
als3) が開催されている.この目的は,cost337の活動の
中で粒状材の非線形レジリエント挙動に関する過去の
路盤は,アスファルト混合物層やセメントコンク
室内実験や原位置試験,
非線形モデルに関する研究を
リート層に作用する交通荷重を支え,その力を分散
整理し,
アスファルト舗装の推奨解析モデルを確立す
し,さらに路床へと伝える働きがある.長寿命舗装で
ることである.また,本年 6 月には Nottinghamにおい
は,路盤の弾性係数が十分に大きい時,アスコン層の
て The 6th International Symposium on Pavements Un-
弾性係数があるレベル以上であると,供用後 20 年ほ
bound が開催された.
ど経過してもほとんど破損が起こらないという報告も
路盤や路床のような粒状材をどのようにモデル化す
ある.このように,路盤は舗装の耐久性に大きく影響
るかは,
舗装を理論的に設計する上で非常に重要であ
を与える.また,路盤は荷重分散機能だけでなく,舗
る.
粒状材の弾性係数は拘束圧に依存することが知ら
装体内に浸透した降雨水や地下水を排水する機能も併
せ持つ.
浸透した水の飽和度は荷重分散機能に影響す
れており,いろいろなモデルが提案されている.粒状
材層の代表的な非線形モデルとして k − θ モデルがあ
る 1).
る.吉村ら 4) は,最近レジリエントモデュラスについ
Brown2) は,第 36 回ランキンレクチャにおいて「地
盤工学の研究成果は舗装の設計に十分反映される努力
て試験機間の k − θ モデルの違いについて成果報告を
している.k − θ モデルはAASHTO5) にも取り入れられ
がなされていない.路盤,路床の有効応力に対する理
ている.Irwin と Fellers は CHEVLAY(Chevron Elas-
解を深め,飽和・不飽和状態に適用することが将来に
tic Systems Program)を拡張してメインフレームで非
向け舗装設計法改良の基礎となる」と述べている.
線形解析が行える NELAPAV(Nonlinear Elastic Layer
ヨーロッパでは,1999年1月にLisbonにおいて舗装お
Analysis for PAVements)を開発している.その後,
よび地盤の研究者を対象としてInternational Workshop
1985年にはIrwinとSpeck6) はこのマイクロコンピュー
on Modeling and Advanced Testing for Unbound Materi-
タ版を開発した.この解析ソフトは逆解析ソフト
201
MODCOMP7) に組み込まれており,LTPP データの逆
(2)上載圧による粒状材内部の応力度
解析の中心的なソフトになっている.
これらのモデル
材料の湿潤密度ρ,深さzにおける上載圧σz0 は式(4)
では弾性係数は拘束圧の非線形関数で表されている.
により計算できる.
NELAPAVでは舗装の粒状材層を細分割し,個々の細
σ z0 = ρ g z
(4)
分割層の中央における上載圧と側圧から弾性係数を求
め,
その値をその層の弾性係数として解析を行ってい
ここに,g は重力加速度である.
る.したがって,弾性係数は拘束圧の非線形モデルで
舗装構造がn層からなるとき,各層の厚さと密度を
あるが,解析は線形である.
それぞれhi,ρi とすると,深さzにおける上載圧σz0 は,
式(5)により計算できる.
本研究では,Irwinらの考え方 8) に基づき,すでに開
発されている多層弾性構造解析ソフトGAMES を拡
9)
 j −1

σ z 0 =  ρ i g hi  + ρ j


 i =1

張する形で簡易非線形モデルのプログラム開発を行っ
∑
た.このプログラムを用いて不飽和時,路盤面上まで
j −1 

g  z − hi  ( j ≤ n)


i =1 

∑
(5)
飽和,
路床面上まで飽和した状態に対する応答解析を
行い,
計算されたひずみから疲労破壊基準10) を用いて
地下水面下では,土粒子は浮力の作用を受ける.し
線形モデルと非線形モデルによる耐久性の違いを評価
たがって,そこでの土の密度 ρb は,式(6)で表される.
している.
ρb = ρ − ρ w
(6)
ここに,ρw=1,000 kg/m3 は水の密度である.
上載圧による水平方向の圧力 σh0 は,横土圧係数 K0
2.舗装の簡易非線形モデル
と上載圧 σz0 を用いて式(7)により計算できる.
(1)弾性係数の非線形モデル
σ h0 = K 0 σ z 0
舗装材料の弾性係数には,
アスファルトコンクリー
(7)
ト,ポルトランドセメントコンクリート,安定処理土
のような弾性係数が一定と考えられる材料と,
粒状材
ここで,自然に堆積し,自重により圧密している土の
のような応力あるいはひずみに依存する材料とがあ
場合,K0 の値は 0.4 ∼ 0.6 の範囲にある.内部摩擦角
る.後者の材料は非線形と呼ばれており,弾性係数は
φ が分かっている時,あるいは推定できる時,K0 は式
拘束圧の影響を受けると言われている.いわゆる
k − θ モデルと言われるものは,弾性係数と応力パラ
(8)により計算できる.
K 0 = (1 − sin φ )(OCR ) 0.7
メータの間の関係を,
E = k1θ
k2
(8)
(1)
ここに,OCR は過圧密比であり,過去の最大上載圧
で表している.ここに,θ = σ 1 + σ 2 + σ 3 ,k1 , k 2 は弾性
σz0max を現在の上載圧 σz0 で除した値である.
係数を計算するときに用いる定数である.
このモデルは,k1 , k 2 が θ の単位に依存し,
特に k1 の
OCR =
単位は左辺と右辺の単位が一致するように考える必要
σ z 0 max
σ z0
(9)
があるので,適切なモデルとは言いがたい.ここで
は,路盤,路床の弾性係数として,いろいろなモデル
締固められた上層粒状路盤,下層路盤のような,過
が提案されているが,本研究では文献 7),11)を参考に
圧密状態にある材料では K0 は大きな値になる.実験
基準応力(ps=100kPa)で無次元化した次のモデルを
から求めた K0 の値は,舗装材の場合 0.7 ∼ 1.3 の範囲
用いている.
にあることが知られている 7).
路盤
路床
 θ
E 2 = k1 p s 
 3 ps




σ 
E 3 = k 3 p s  1 
 ps 
k2
(2)
(3)解析モデル
本研究では,舗装を表・基層,路盤,路床の 3 層構
造でモデル化できるものとする.その寸法は図 -1 に
k4
(3)
示す通りである.表・基層の厚さは0.2m,その弾性係
数は一定(E1=4,000 MPa)とし,路盤,路床の弾性係
ここに,θ = σ 1 + σ 2 + σ 3 ,σ 1 :鉛直方向の垂直応力
(kPa),σ 2 , σ 3:水平方向の垂直応力(kPa)である.
数はそれぞれ式(2),(3)を用いて求めた.文献 11)を参
考にして,これらの式で,k1=7230,k2=0.38,k3=2011,
202
P = 49kN
2r = 0.3m
層厚 [m]
表・基層
弾性係数 [MPa]
x
路盤
表・基層
h1 = 0.2
E1 = 4,000
h2 = 0.55
 θ
E 2 = k1 p s 
 3 ps




k2
路盤
y
σ 
E3 = k 3 p s  1 
 ps 
h3 = 10.0
路床
h4 = ∞
k4
路床
ベッドロック
E4 = 3,500
ベッドロック
z
図 -1 解析モデル
E [MPa]
k4=0.55 としている.路盤の厚さは 0.55m で,0.05m 刻
0
みで 11 層に分割し,細分割した層の中央における上
載圧から式(2)を用いて,その弾性係数を求めている.
kg/m3,路盤1,900kg/m3,路床1,600kg/m3 である.また,
水平土圧は,式(7)において K0=1.0 としている.路床
の厚さは 10m として,路床上面から 0.05m は 0.01m刻
みで 5 層に分割し,その下の 0.15m は 0.05m 刻みで 3
層,その下の 1.8m を 0.2m 刻みで 9 層,さらにその下
の 8m を 1m 刻みで 8 層に分割している.よって,路床
z [m]
なお,このとき用いた各層の密度は,表・基層 2,300
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
100
200
300
400
500
E2
Case1
E3
Case2
図 -2 弾性係数分布(不飽和)
は全部で 25 分割されている.路床より下をベッド
ロックとして,その弾性係数を固定(E4=3,500 MPa)
としている.ポアソン比ν は計算結果にあまり大きな
の2通りの方法で求め,その結果を図-2に示す.Case2
影響を与えないパラメータであり,
これまでの研究成
ではCase1で求めた弾性係数を初期値として,作用荷
果から,およその値は分かっているので,解析ではそ
重 49kN による内部応力を Case1 の上載圧から求めた
の値を用いている.
応力に加え,再度,弾性係数を計算している.この作
業を弾性係数が収束するまで繰り返してCase2の最終
的な弾性係数としている.
3.不飽和状態の寿命予測
式(2)のモデルによる路盤の弾性係数は,深さ方向
に対して Case1 では増加するが,Case2 では逆に減少
する傾向を示している.これに対して,路床に適用し
(1)弾性係数と表面たわみ
路盤は最適含水比で締固められており,
そのとき飽
た式(3)のモデルは,Case1,2 ともに深さ方向に弾性係
和度はおよそ 75% ∼ 85% の範囲にある.この状態を
数が増加する傾向がある.
不飽和と考えている.また,応答解析は,図 -1 に示
図 -2 の 2 種類の弾性係数分布を用いて,作用荷重
すように舗装表面に49kNの鉛直荷重が半径r =0.15 m
49kN による表面たわみを計算した結果を図 -3 に示
で円形等分布するとして解析を行い,
表面たわみを求
す.Case2 の表面たわみは Case1 よりも小さい.これ
めている.解析に使用する弾性係数は,式(2),(3)を用
は,Case2 における平均的な路盤の弾性係数が Case1
いて,
に比べて大きくなり,路盤の剛性が増すために,
Case1: 上載圧だけの場合
Case2 の表面たわみが小さくなると考えられる.
Case2: 上載圧と作用荷重による応力増分を考慮し
た場合
203
350
表面たわみ [µm]
表 -1 逆解析によって得られた弾性係数(不飽和)
Case1
300
弾性係数
E 1 [MPa]
E 2 [MPa]
E 3 [MPa]
250
Case1
4184.22
229.11
122.13
200
Case2
4428.99
320.01
131.19
Case2
150
100
Case2
50
0
0.3
0.6
0.9
1.2
1.5
x [m]
線形
Case1
非線形
図 -3 舗装表面のたわみ(不飽和)
0.0
(2)寿命予測
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
7
表・基層の破壊回数×10
FWD 試験では表面たわみを測定し,その値を用い
て逆解析を行い表・基層,路盤,路床の弾性係数を推
Case2
定している.舗装が表・基層,路盤,路床の 3 層から
なる場合,これまで,それぞれの層の内部で弾性係数
は変化しないと仮定し,
路床の深さは半無限として逆
線形
Case1
解析を行ってきた.これは,各層の内部でばらついて
いる弾性係数を等価な弾性係数で評価するという考え
非線形
0
方に基づいている.しかし,逆解析を行うと各層の弾
5
10
15
20
25
7
路床の破壊回数×10
性係数は互いに影響し合っているため,
舗装構造シス
図 -4 表・基層と路床の破壊回数(不飽和)
テムとしては等価であるが,
それぞれの層の等価な値
を求めているわけではない.現実問題として,地中深
4.飽和状態の寿命予測
くなるにしたがい剛性が高くなっていることを考える
と,
路床の弾性係数を一定とする考え方は必ずしも適
切でないことは明らかである.
(1)弾性係数と表面たわみ
ここでは,路床上面より 1 0 m のところに固い層
路盤や路床のような粒状材の弾性係数は湿潤状態に
(ベッドロック:E4=3,500 MPa)を挿入し,その弾性
より変化する.路盤,路床が飽和すると土粒子は浮力
係数を固定として 4 層モデルで図 -3 の表面たわみを
を受ける.ここでは路盤上面まで飽和している場合
用いて逆解析を行った.得られた弾性係数を表 -1 に
と,路床上面まで飽和している場合について考える.
示す.表・基層の弾性係数は,作用荷重を考慮した場
図 -5(a)は Case1 における深さ方向の弾性係数の変
合,5 ∼ 10% ほど大きく評価することになる.路盤,
動を示している.路盤面上まで飽和しているとき,路
路床の弾性係数はその変動範囲内の最小値付近の値に
盤の弾性係数は不飽和の場合と比較して僅かに小さく
収束している.
なっている.浮力は水面から浅いところでは小さく,
図-2の深さ方向に弾性係数が変動する断面と,表-
深くなるほど大きくなる.
路盤は飽和時も水面から浅
1 の表・基層,路盤,路床の弾性係数を用いて順解析
いために浮力の影響は非常に小さく,
不飽和時との差
を行い,表・基層下面と路床上面のひずみを計算し
は僅かである.路床面上まで飽和しているとき,路盤
た.これらのひずみを用いて,疲労破壊基準 に基づ
は浮力の影響を受けないため,
路盤の弾性係数は不飽
き許容 49kN 輪数を計算し,図 -4 に示す.ここで,ア
和のときと同じである.路床の弾性係数は,深くなる
スファルト量 12.5%,空隙率 4.4% としている.アス
ほど不飽和の場合と比較してかなり小さな値となる.
ファルト混合物の弾性係数は一定としている.
Case2 において,路盤面上まで飽和しているとき
表・基層では非線形モデルの方が線形モデルよりや
と,路床面上まで飽和しているときについて,細分割
や大きめの破壊回数を予測しているが,
路床では逆に
した層の弾性係数を求めて図 -5(b)に示した.Case2
線形モデルの方が大きめの破壊回数となる.
線形モデ
における路盤の弾性係数は,Case1 の弾性係数と大き
ルと非線形モデルによる破壊回数の違いは3倍程度で
く異なっている.
その変化の傾向は不飽和のときと同
ある.
様に路盤上面で大きく,下面で小さくなっている.路
10)
床内の弾性係数の変動も不飽和の場合(図-2)とほぼ
204
表 -2 逆解析によって得られた弾性係数(飽和状態)
荷重タイプ
Case1
Case2
地下水位
E 1 [MPa]
E 2 [MPa]
E 3 [MPa]
不飽和
4184.22
229.11
122.13
路盤上面
4137.25
233.20
83.30
路床上面
4075.02
248.92
96.26
不飽和
4428.99
320.01
131.19
路盤上面
4357.54
311.96
92.89
路床上面
4316.82
339.89
104.09
E [MPa]
100
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
200
300
400
350
500
不飽和
300
表面たわみ [µm]
z [m]
0
E2
不飽和
水位:路盤上面
E3
水位:路床上面
水位:路盤上面
250
水位:路床上面
200
150
100
50
0
0.3
0.9
1.2
1.5
x [m]
(a) Case1
(a) Case1
E [MPa]
0
100
200
350
300
400
500
不飽和
300
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
表面たわみ [µm]
z [m]
0.6
E2
不飽和
E3
水位:路盤上面
水位:路盤上面
250
水位:路床上面
200
150
100
水位:路床上面
50
0
0.3
0.6
0.9
1.2
1.5
x [m]
(b) Case2
(b) Case2
図 -5 弾性係数分布(飽和状態)
図 -6 舗装表面のたわみ(飽和状態)
同様の傾向があり,
その大きさは水の影響を受けて弾
であるときと,
路床上面まであるときの計算を行って
性係数の値は,同じ深さでは小さく,深くなるほどそ
いる.図 -5 のモデルで計算した表面たわみを図 -6 に
の差が大きくなる.
示す.同図より路盤や路床が飽和されているとき,表
面たわみはかなり増加する.Case2 では弾性係数の増
(2)寿命予測
加により,表面たわみがCase1と比べて15%ほど小さ
飽和した路盤層内の水のある割合を一定期間内に排
くなる.
水するという考え方に基づいており,AASHTOでは,
図 -6 の表面たわみを用いて,各層内で弾性係数が
排水レベルと飽和レベルにある時間割合とから排水係
深さ方向に一定と仮定して逆解析を行った結果を表-
数 mi を設け,層係数 ai に乗じる形で舗装を評価して
2 に示す.
いる.
一般に路盤や路床の湿潤状態により弾性係数が
図-5の深さ方向に弾性係数が変動する断面と,表-
変化することが分っている.
特に粒状材料では弾性係
2 の表・基層,路盤,路床の弾性係数を用いて順解析
数の低下と排水の繰返しによる変位が増加する.
を行い,表・基層下面と路床上面のひずみを計算し
路盤上面まで常に満水の状態は存在しない.しか
た.これらのひずみを用いて,疲労破壊基準 10) に基づ
し,
不飽和の場合と比較する目的で水位が路盤上面ま
き許容 49kN 輪数を計算して図 -7 に示す.ここで,ア
205
線形
水位:路床上面
水位:路床上面
線形
水位:路盤上面
水位:路盤上面
非線形
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
非線形
0.0
1.6
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
7
7
表・基層の破壊回数×10
表・基層の破壊回数×10
水位:路床上面
水位:路床上面
線形
水位:路盤上面
0
5
10
15
20
線形
水位:路盤上面
非線形
非線形
0
25
5
10
15
20
25
7
7
路床の回数×10
路床の破壊回数×10
(a) Case1
(b) Case2
図 -7 表・基層と路床の破壊回数(飽和状態)
スファルト量 12.5%,空隙率 4.4% としている.アス
本研究の結果は,
弾性係数の応力依存モデルの影響
ファルト混合物の弾性係数は一定としている.
を大きく受ける.しかしながら,これらモデルのパラ
Case1 の場合,非線形モデルと線形モデルとでは
メータの値は室内実験により決定されているのが現状
表・基層の破壊回数はほぼ同じで,路床では逆に線形
である.
現位置試験では引張応力が発生すると思われ
モデルの方が大きめの破壊回数となる.
線形モデルと
るが,室内実験ではこのような状態を再現できない.
非線形モデルによる破壊回数の違いは,
路床で非線形
今後,
信頼できる非線形モデルを構築することが非常
は線形の約半分である.Case2 の場合,非線形モデル
に重要であると考える.
の方が表・基層の破壊回数は大きく,路床の破壊回数
は線形モデルと非線形モデルとでほぼ同じである.
参考文献
1)
5.結論
井上武美:耐久的な路盤についての考察,舗装 29-6,
pp.4-8, 1994.
2)
粒状材層の簡易的非線形モデルを用いて解析を行
Brown, S.F.: Soil mechanics in pavement engineering,
Geotechnique 46, No.3, pp.383-426, 1996.
い,湿潤状態と路盤面上,路床上面まで飽和している
3)
Correia, A.G.: Review of models and modeling of unbound
場合について破壊回数を求めた.その結果,以下の事
granular materials, International symposium for unbound
柄が明らかになった.
materials (ed. Correia, A. G.), pp.3-15, 1999.
4)
1) 路盤の非線形モデルにおいて,Case1では深さが増
吉村啓之,磯部雅紀,岡部俊幸,加納孝志:アスファ
ルト舗装のレジリエントモデュラス,舗装 39-3, pp.7-
すほど弾性係数が増加するのに対して,Case2では
14, 2004.
逆に減少する特性がある.
5)
2) Case2 の場合,見かけの剛性が増加することによ
"AASHTO Guide for Design of Pavement Structures"
AASHTO, pp.II-22-26, AASHTO, 1986.
り,表面たわみは Case1 よりも小さくなる.
6)
3) 非線形モデルと等価な線形モデルでは,表・基層の
Irwin L.H. and Speck : NELAPAV User's Guide, Cornel
University, Local Roads Program Report, No.86-1, Revized
弾性係数を最大 10%ほど大きく評価する.
March 2003.
4) 非線形モデルと線形モデルで破壊回数を評価する
7)
Irwin, L.,H. : Instructional Guide for Backcalculation and
と,表・基層ではほとんど同じであり,路床では非
the Use of MODCOMP3 Version 3.6, Cornel University,
線形モデルは線形モデルの約 1/2 となる.
Local Roads Program, March 1994.
5) 路盤が飽和状態における路床の破壊回数は,湿潤
8)
時の破壊回数と比べて 1/3 程度である.
Irwin L.H. : Backcalculation : An Overview and Perspective,
A joint conference of the FWD and road profiler's groups,
206
9)
Roanoke, VA, USA, Oct.21-25, 2002.
10) (社)日本道路協会:舗装設計施工指針,平成13年12月.
松井邦人,マイナ・ジェイムス,董勤喜,小澤良明:鉛
11) Lytton, R.L.: Backcalculation of Pavement Layer Properties,
直および水平方向に円形等分布荷重の作用を受ける舗
Nondestructive Testing of Pavements and Backcalculation of
装構造の弾性解析,土木学会舗装工学論文集,第 6 巻,
Moduli, STP 1026, Bush, A.J. III and Baladi, G.Y., eds.,
pp.100-109,2001.
ASTM, pp.7-38, 1989.
PAVEMENT STRUCTURAL ANALYSIS CONSIDERING STRESS DEPENDENCY
OF LAYER MODULI OF UNCONFINED MATERIALS
Kiyoshi FUJINAMI, James MAINA, Takemi INOUE, Kunihito MATSUI
and Yukio KIKUTA
It is well known that the function of base layer is to disperse the load acting on the pavement surface and this highly
influences durability of the pavement. In pavement analysis, linear multi-layer elastic system is used and it is hereby
proposed that k-θ nonlinear model be used to represent material properties for base and subgrade layers instead of a
linear model. In this research, comparison between linear and nonlinear models for multi-layer elastic subgrade and
unconfined base materials is made from the point of view of expected pavement life. Effects of percolation of water into
base layer and degree of saturation on the load dispersion capacity and expected life, respectively, were evaluated.
Results confirmed the importance of developing a model that properly represents behavior of unconfined materials.
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粒状材層の弾性係数の応力依存性を 考慮した舗装の構造解析