財産への充当額は 615,903 千円となっており、77 千円の誤差が生じている。平成
24 年度は、指定正味財産と基本財産の金額はいずれも 634,115 千円で一致してい
るが、指定正味財産のうち基本財産への充当額は 634,114 千円となっており、1
千円の誤差が生じている。平成 25 年度は、指定正味財産と、指定正味財産のうち
基本財産への充当額は 616,755 千円で一致しているが、基本財産は 606,788 千円
となっており、9,967 千円の誤差が生じている。したがって、今後はこのように
差額が生じた原因を分析し適正に把握して、会計基準に従った処理を行うよう要
望する。
エ.指定正味財産の取崩し処理について(指 摘)
会計基準では、指定正味財産に区分される寄附により受け入れた資産の使途の
制約が解除された場合は指定正味財産から一般正味財産への振替処理が必要とな
る。一方、ヘルス財団における会計処理では、このような振替処理は行われてお
らず、会計上は資産の使途の制約が解除されたものとされていない。これに関し
て、基本財産の金額は減額されている。その結果、前述のとおり指定正味財産と
基本財産の金額が整合していない。したがって、今後は会計基準に従った処理に
改められたい。
オ.償却原価法を採用している場合の運用益の会計処理について(指 摘)
会計基準では、指定正味財産を財源とする基本財産投資有価証券の運用益を計
上する場合、運用益の入金時に指定正味財産の増加として認識し、その後、一般
正味財産への振替額として計上することとされている。一方、償却原価法による
受取利息相当額は指定正味財産の増加として認識するが、一般正味財産には振り
替えないこととなっている。
これについて、ヘルス財団においては正味財産増減計算書上、運用益を直接一
般正味財産の増減額として把握しており、また、償却原価法による受取利息相当
額を指定正味財産の増減額として認識した上で一般正味財産へ振替えている。し
たがって、今後は、会計基準に従った処理に改められたい。
カ.基本財産の運用方針の明確化について(意 見)
ヘルス財団は、寄附金収入及び基本財産並びに特定資産等(以下、「特定資産
等」という。
)の運用について、特定資産等取扱規程を設けてルール化している。
この規程の趣旨は、ヘルス財団の事業が特定資産等の運用益を原資とするため、
97
事業計画を実施するに当たっては、安定的な収入を確保することが不可欠である
ことから、特定資産等の適正な管理により当初計画した事業ができるようにする
ことである(特定資産等取扱規程第 1 条)。また、この規程の目的は、ヘルス財団
における特定資産等の積立て、取崩し及びその他の取扱いに関し必要な事項を定
めることを目的としており(同第 2 条)、特定資産等の運用は、元本の安全性に配
慮するとともに、相応の運用益が得られる方法で運用しなければならないものと
している(同第 4 条第 2 項)
。
平成 25 年度末における基本財産の内訳は、定期預金、普通預金、国債及び地
方債で運用されている。運用利益率をみると定期預金は 0.025%、国債・公債は
0.37%~1.0%での運用である。基本財産運用益は年々減少傾向にある一方、ヘル
ス財団の経常収益に占める割合は、平成 25 年度では 85%と高い水準である。
したがって、投機的な運用は排除されるべきであるが、効果的で効率的な運用
益を獲得すべく、基本財産における特定預金での運用についてもその一定の割合
を債権(国債・公債等)による運用に変更することを検討するよう要望する。
(単位:千円)
平成23年度 平成24年度 平成25年度
【運用率推移】
科目
基本財産(貸借対照表価額)
①
基本財産評価益(累計)
②
調整
基本財産評価損(累計)
③
項目
償却原価法増減額(当期) ④
⑤=①-②基本財産(取得価額相当額)
③-④
基本財産運用益(一般)
⑥
基本財産運用益(指定)
⑦
615,980
634,115
606,788
6,797
△ 5,960
-
25,223
△ 6,250
-
0
0
74
615,143
615,143
606,713
8,500
-
5,197
-
4,797
33
基本財産運用益計
⑧=⑥∔⑦
8,500
5,197
4,830
運用率概算値
⑨=⑧/⑤
1.38%
0.84%
0.80%
キ.寄附金収入確保について(意 見)
ヘルス財団は、事業運営が主に基本財産から生ずる運用益(利子)で賄われて
いることを認識しており、運用利回りの低下や事業の特殊性から継続的な収入の
獲得が困難であることを踏まえ、ホームページ上で「ご寄付のお願い」を記載し、
支援を募っている。寄付を頂いた方々に対しては理事長が感謝状を贈呈するとと
もに、その氏名及び金額を公表して謝意を表している。平成 25 年度は 13 件、合
計 39 万円の寄附金収入が計上されている。
ヘルス財団の運営上、寄附金収入の獲得は重要な意味を持つものであり、更な
る獲得のための方策を検討する必要があるため、例えば、募金箱の設置を病院に
依頼し、その募金箱を回収している。かつては 200 箇所程度、募金箱を設置して
98
いたということであるが(平成 25 年 5 月 29 日開催理事会議事録)
、現状は把握で
きていないということである。平成 25 年度は 13 件の団体及び個人からの寄附金
収入があり、かつての募金箱設置件数の規模と乖離が多少なりとも存在するもの
と推測される。募金箱の設置に関するコストが高いという認識を持っているため、
積極的な展開が見込まれない可能性はあるが、少なくとも現状を確認することは
必要である。公益財団法人に対する寄付により、寄付者にとっての税務上のメリ
ット等の周知を行うとともに募金箱の実態を把握し、より効果的な寄附金収入の
獲得を図るよう要望する。
なお、ヘルス財団のホームページ上で理事長及び常務理事の日々の活動状況が
細やかに公表されているのも事実である。外部の団体や個人が寄附金の拠出を意
思決定する際に重要な情報のひとつとして認識していただくことを願うものであ
るが、ヘルス財団の活動状況をより具体的に、読者に共感を持って閲覧していた
だけるような活動報告を工夫することも考えられる。現在のホームページ上で公
表されている情報をより読者に分かり易く、さらに寄附金拠出の意思決定に寄与
する情報のあり方を検討することも併せて要望するものである。
② 財政的支援について(意
見)
ヘルス財団の一般正味財産増減額の推移は次の表のとおりである。
【正味財産増減計算書の概要】
科目
基本財産運用収益
受取補助金等
経常 事業収益
収益 受取寄付金
雑収益
一般正味
経常収益計
財産増減
事業費
の部
経常
費用 管理費
経常費用計
当期経常増減額
当期経常外増減
当期一般正味財産増減額
指定正味
財産増減 当期指定正味財産増減額
の部
平成23年度
8,500
6,800
560
0
15,861
3,928
10,445
14,372
1,488
0
1,488
△ 5,412
(単位:千円)
平成24年度 平成25年度
5,197
4,797
6,700
440
1,514
385
0
0
13,411
5,622
3,783
11,399
10,331
3,952
14,114
15,351
△ 703
△ 9,729
0
△ 0
△ 703
△ 9,729
18,135
△ 17,360
この表で示されている経常費用は、平成 25 年度の公益認定により比率按分を行
っているため単純比較はできないが、経常費用合計額は概ね同水準で推移している。
一方、経常収益については、基本財産運用収益の減少に加え、平成 25 年度以降、
99
受取補助金がなくなっているため、一般正味財産増減額が大幅な赤字となっている。
かつての受取補助金は事業費運営補助金として受け取っていたが実際は赤字補て
んの意味合いが強い側面があった。補助金がなくなったことで、その事実が数値に
顕著に表れている状況である。
平成 24 年 3 月に公表された
「公社等外郭団体の改革方針」
による改革によって、
補助金の廃止と基本財産の取崩しにより、事業の充実を目指す方向に歩み出したも
のと評価されるが、ヘルス財団の事業内容に基づき、難病等の対策事業等に関する
事業展開の可能性を含めて、ヘルス財団の存在意義等を外部有識者等の意見を聴き
つつ、2~3 年かけて調査し、中期経営計画等の重要な計画を再構築することが求
められているものと推察する。このような事業の見直しを、公益認定取得後、財団
としての経営状況の推移を管理しながら、着実に進めていき、国の特殊疾病対策の
動きをこれまでと同様に注意深く見守りながら、事業方針を公表する経営努力の方
に軸足を移動させる機会が到来しているものと考える。そのような経営改革の推進
には、千葉県等の出捐団体の理解が欠かせないことは言うまでもないが、設立当時
の出資金と事業規模との関係で、改革後の事業規模を考慮して、適切な基本財産の
規模を目指すことも必要であるものと考える。
したがって、現在の財団経営者等の意向として既に検討する意思を有している
事業の見直しの方針を、具体的な中期経営計画等に結実させ、特定疾病対策等に対
する社会の役割期待に先駆的に応える事業としての活動を加速されるよう要望す
る。
③ 業務委託について
ア.委託業務の契約方法について(指 摘)
ヘルス財団は、会計システムの保守及び会計支援業務について、随意契約によ
り業務委託契約を締結している。契約に当たっては業者からのサービス内容一覧
に基づき支援サービスの内容を選択し、その内容に沿って契約金額を決定してい
るということである。
平成 24 年度までは、県の職員が財団業務を兼務していたこともあり、財団職
員の会計処理について県職員が確認をした上で当該業者に業務を委託していたた
め、委託した支援サービスの内容は限定的であった。しかし、平成 25 年度以降は
県職員の兼務が解除されており、その分、業者に委託するサービス内容が拡大し
たため、報酬額は前年度に比べて増加している。当該契約については、仕様書、
設計書がなく、前年度契約業者から提示された価格表から必要なサービスを選択
し、それにより契約金額を決定している。
100
一方、ヘルス財団における契約の方法については、競争入札等により最も効率
的にその目的を達成するよう努めるものとする一方で、予定価格が少額の場合及
び事業運営上必要があると認められる場合は随意契約によることができることと
されている。ただし、随意契約により契約を締結しようとするときは、2 人以上
の者から見積書を徴するものとしている(財務規程第 17 条)。
契約締結に際して、仕様書及び設計書がなく、また 2 者以上の見積書を採らず
に業者指定の金額で契約していることには再考を要するものと考える。適正価格
での契約を行うためには、業者提示のサービス内容と価格について詳細な説明を
聴取し、その説明が合理的であるかどうかについて、ヘルス財団として精査する
ことにより、試行錯誤ではあるが適正価格による契約が成立するものと考える。
その過程で、同規模の会計システムを整備している他の財団等の情報を様々な情
報源から得ることにより、適正な判断を行うことができるものと考える。現状で
は、契約価格に見合ったサービスの提供があったかどうかを評価する手段や基準
を持ち合わせていない状態である。
したがって、会計システムの保守及び会計支援業務について、その契約の手法
や委託業務の透明性を含めて抜本的な見直しを検討されたい。
イ.委託業務のモニタリングについて(意
見)
ヘルス財団は、会計システムの保守及び会計支援業務について、随意契約によ
り業務委託契約を締結している。委託しているサービス内容は多く、専門的な内
容が多いため、業務を全面的に任せている面が見て取れる。
業務委託契約を締結するに場合、仕様書に沿って業務が遂行されているか、金
額に見合った業務が行われているか、専門性を有した担当者が実施しているか等、
委託内容の質的水準が確保されるよう、業務をモニタリングする必要がある。
したがって、財団内部での人手不足や専門家利用を目的に業務委託契約を行う
場合には、委託業務の実施状況を定期的に報告させ、疑問点については的確に対
応してもらえるような仕組みを構築されるよう要望する。
④ 所管課による委託業務等のモニタリングについて(意 見)
千葉県から受託している契約の概要は次のとおりである。
101
【受託事業の概要】
委託事業名
平成25年度臓器移植対策
普及啓発事業
履行期限
平成26年3月31日
委託料金(消費税等を含む)(千円)
【実績報告】
440
(単位:千円)
会場使用料
49
講師謝礼
30
ポスター・パンフレット作成費
89
通信費
100
委託費
149
事務費・旅費・諸雑費
47
合計
462
上記のとおり、当該委託業務は規模が大きくはないが、業務実施コストは委託料
金額を若干上回っているため、赤字事業である。所管課はこのような業務を委託す
る意義と成果について、適切な評価を行うために、講演会出席者からのアンケート
調査の結果をクロス分析に基づく実態分析と今後の実施方針のあり方等まで見据
えて、ヘルス財団に対して結果報告を求めることを検討するよう要望する。
⑤ マネジメントの仕組み構築状況について
ア.法人としての継続性について(意 見)
財務諸表の分析から、6 億円の基本財産の取崩しで事業を賄っている実態がわ
かり、経常収益も県からの受託事業収益と基本財産運用益等のほかにはないこと
がわかることから、財政基盤が必ずしも安定しているものではないと評価せざる
を得ない。これは県における外郭団体等の改革方針に沿ったものでもあった。
一方、現在のヘルス財団における事業展開において、難病対策の門戸は開いて
いるが、利用率が決して多くないことや既存事業の抜本的な見直し等が公益認定
作業等に労力が割かれてきたこともあり不十分であったことなどに起因して、新
規事業の展開がまだ緒についていない。今後の財団の方向性について、企画委員
会で具体的に期限を決めて、法人事業のあり方、すなわち、厚生労働省における
特定疾患拡大に伴う先駆的な対応等への期待に基づく事業のあり方などを諮問し、
102
答申を得ることも検討を要する重要な事項のひとつであると考える。
公益認定を取得した財団として、まだ 1~2 年目であることを考慮すると、公
益財団法人としては、一度は積極的な難病対策等の各事業について、既存事業の
見直し及び新規事業の企画等、独自・自主事業の再構築を要望するものである。
今後 2~3 年間のうちに、今後の事業展開の方向性を中期経営計画として打ち出す
手続・作業を行うことを要望する。
特定疾患の指定拡大に伴う緊急の対策として、また、その実施主体として、財
団に期待がかかる可能性が高く、そこに事業展開のチャンスがあると考えられる。
また、その前提として、マーケティング計画の各項目などを参考にして、新規特
定疾患に係るサービス提供の相手方(ターゲット)情報を、関係者・団体に対す
るアンケート調査等によるマーケットリサーチの手法でデータを収集し、分析す
ることが必要である。難病患者の実態について、直接ご本人や患者団体に接触し、
関連する属性データや実態データ等を地道に入手することも必要と考える。
イ.企画委員会の積極的活用について(意
見)
ヘルス財団は、事業を円滑に執行するため、企画委員会を置くことができるこ
ととしている(定款第 41 条)。当該委員会を構成する委員は理事会の議決を経て
理事長が委嘱する。また、当該委員会は理事長の諮問に応じ、事業の企画及び審
査やその他理事長が必要と認めた事項を審議し、その結果を報告することとされ
ている(定款第 41 条)
。この定款の記載に基づき、ヘルス財団は「公益財団法人
千葉ヘルス財団企画委員会規程」
(以下、
「企画委員会規程」という。)を設け、企
画委員会で、事業の企画、助成対象事業の審査及びその他理事長から諮問された
事項を審議することとしている(企画委員会規程第 2 条)。
また、企画委員会には、在宅ケア部会と臓器移植部会を設けている(企画委員
会規程第 7 条)
。平成 26 年 4 月 1 日現在、在宅ケア部会委員は 13 名、臓器移植部
会委員は 9 名であり、それぞれ医療機関や関連団体の有識者で構成されている。
どちらの部会も年 3 回会議を開催しており、平成 25 年度における会議の内容は以
下のとおりであった。
103
【在宅ケア部会】
会議名等
内容
第1回在宅ケア部会 1.報告 平成24年度在宅ケア事業報告等について
H25.6.11 2.議題 (1)平成25年度在宅ケア事業計画について
(2)在宅人工呼吸器療養者支援事業審査について
(3)在宅ケア研修会について
第2回在宅ケア部会 1.議題 (1)在宅ケア研修会について
H25.9.10
(2)在宅人工呼吸器療養者支援事業審査について
第3回在宅ケア部会 1.報告 平成25年度事業執行状況について
H26.2.18 2.議題 (1)在宅人工呼吸器療養者支援事業審査について
(2)平成26年度事業計画(案)について
【臓器移植部会】
会議名等
内容
第1回臓器移植部会 1.報告 平成24年度臓器移植事業報告等について
H25.6.11 2.議題 (1)平成25年度臓器移植事業計画について
(2)臓器移植に関する公開講座について
(3)臓器移植普及推進啓発事業(出前講座)について
第2回臓器移植部会 1.議題 (1)臓器移植に関する公開講座の開催について
H25.9.10
(2)臓器移植普及推進啓発事業(出前講座)について
第3回臓器移植部会 1.報告 平成25年度臓器移植事業執行状況について
H26.2.18 2.議題 平成26年度臓器移植事業計画(案)について
現在の企画委員会は、上記のとおり 2 つの部会の活動が中心であり、その会議
の議題は専ら各部会にかかわる事業についての内容であった。前述のとおり、企
画委員会は、事業の企画を審議することも想定されているが、現状においては部
会の活動がメインとなっており、企画委員会としての会議は開催されていない。
一方で、ヘルス財団は基本財産の取崩しをもって事業を行っている現状にあり、
ヘルス財団が存続し公益財団法人としての使命を達成するためには、既存事業の
見直し及び新規事業の企画等、独自・自主事業の再構築が必要である。そのため
にも、期限を決めて方向性の原案を事務局で作成し、この企画委員会において事
業に関する議論を積極的に行い、ヘルス財団の方向性の決定に資する情報を蓄積
していくことも検討するよう要望する。
⑥ マーケティング手法の導入・運用の状況又は必要性について
ア.各事業の予算と実績の乖離について(意 見)
ヘルス財団は、平成 25 年度において主に次のような事業を行っている。
104
事 業
事業名
事業内容
在宅ケア推進事業 在宅ケア研修会の開催 地域における在宅ケア等を推進するた
め、医師・歯科医師・保健師・ボラン
ティア・一般県民等を対象に研修会を開
催する。
老人医療・難病医 在宅人工呼吸器療養者 難病患者の在宅人工呼吸器療養者を支援
療・終末期医療体 支援事業
するため、人工呼吸器関連機器を取得し
制推進事業
ようとする者に対し補助金を交付する。
在宅療養者支援事業
在宅で人工呼吸器を装着し療養する難病
患者に対し、意思伝達装置の購入費補助
決定までの間(最長6ヶ月)意思伝達装置
の貸し出しを行う(業務は日本ALS協会千
葉支部に委託する)。
臓器不全対策推進 臓器移植等普及啓発事 臓器移植推進月間事業
事業
業
市民公開講座の開催
講師は県による出前講座
コーディネーター支援事業
臓器移植推進特別事業 組織適合検査費用助成
臓器提供者及び臓器摘出病院へ感謝状等
を贈呈
委員会等運営事業 部会運営費
在宅ケア部会・臓器移植部会開催
広報事業
広報事業
機関誌発行、HP作成
この表の中でも、老人医療・難病医療・終末期医療体制推進事業の中の在宅療
養者支援事業(意思伝達装置貸出)については、次のような実績があった。
【在宅療養者支援事業(意思伝達装置貸出)】
区 分
平成23年度 平成24年度 平成25年度
実績(件数)
資料なし
19件
27件 注
実績(台数)
7台
10台
10台 注
注:資料に基づき集計した数値である。
この表によると、利用者によって利用期間が異なるため、意思決定装置貸出に
係る回転率は年度により異なるが、概ね一定の台数が常に利用されている状況で
あると推測される。これは、貸出業務を日本ALS協会千葉県支部に委託してお
り、必要な患者の情報が集約されるため、機器の効率的な貸出しが可能となって
いるものと考えられる。
一方、その他の事業の支出に関する予算と実績を対比すると、次の表のとおり
であった。
【在宅人工呼吸器療養者支援事業】
区 分
平成23年度 平成24年度 平成25年度
助成予算(千円)
3,500
3,500
3,300
助成実績(千円)
1,856
1,465
999
助成実績(件数)
21件
17件
11件
105
【組織適合検査費用助成】
区 分
平成23年度 平成24年度 平成25年度
助成予算(千円)
300
500
300
助成実績(千円)
460
510
340
助成実績(件数)
46件
51件
34件
【臓器提供者への感謝状・香典】
区 分
平成23年度 平成24年度 平成25年度
助成予算(千円)
50
50
50
助成実績(千円)
20
0
0
注
実績(件数)
2件
0件
2件
注:感謝状・香典を希望されなかった。
【臓器摘出病院への謝礼】
区 分
平成23年度 平成24年度 平成25年度
助成予算(千円)
250
250
250
助成実績(千円)
150
100
0
注
実績(件数)
2件
0件
2件
注:1医療機関で2回行われた。
これらの事業は、予算を下回る実績であった。この点につき、ヘルス財団の見
解としては、これらの事業は予算ありきの制度ではなく、いつでも申請者(希望
者)に対し、対応できるように予算計上しなければならないこと、また、実績に
おける減少傾向については、法令等制度が徐々に充実しているからと推測してい
るという回答であった。
しかし、これらの制度がどの程度周知されているのか、希望者のどの程度の割
合の方々が制度を利用しているのか、助成等の金額は適正か等については、実態
調査を行ったことがないということである。当該事業を実施するに当たって基本
的な実態を何らかの手段により把握することを前提に、予算化の規模が過大であ
るならば予算の見直しが必要であり、予算が適正であるならば予算執行率の低さ
を改善するための対策を進める必要がある。したがって、その前提となるべき実
態調査を進めることにより、今後の事業の方向性を決定するための判断材料を得
ることが可能であるため、実態調査の必要性と実施手法等を検討するよう要望す
る。
イ.関連団体への訪問について(意
見)
ヘルス財団は、各種事業の実施を行うほか、事業につながる情報を入手するた
め、理事長及び常務理事が関連団体を訪問している。ホームページに記載されて
いる活動内容(一部抜粋)は以下のとおりであった。
106
【活動記録】
日付
訪問先
内容
2014.5.24 第3回特定非営利活動法人
「脳死移植を推進する会」講演会
2014.6.1
特定非営利活動法人千葉県腎臓病協議会
「第11回県大会」
2014.7.24 千葉東病院
入院中のALS(*1)患者に療養に関す
るご希望をお聞きしました
2014.8.15 サービス付高齢者向け住宅
開設者の吉野英先生から、在宅療養上
「つばさ弐番館」
の現状と課題についてお話しをお聞き
(ALS患者が多数入居されている しました
市川の施設)
2014.9.10 「国立成育医療研究センター」
重い病気を持つ子どもと家族を支える
(2016年にレスパイトケア施設
みんなの「家」事業についてお話をお
(*2)を開設予定)
聞きしました
2014.9.17 サービス付高齢者向け住宅
開設者の佐塚みさ子様他から、在宅療
「サボテン六高台」
養上の現状と課題についてお話をお聞
(松戸の施設)
きしました
2014.9.18 共同生活援助(グループホーム) 開設者の伊藤佳世子様から、在宅療養
「りべるたす ブレイブ」
上の現状と課題についてお話をお聞き
(千葉市の施設)
しました
(*1)ALSとは、筋委縮性側索硬化症を言う。
(*2)レスパイトケアとは、乳幼児や障害児・者、高齢者などを在宅でケアしている
家族を癒すため、一時的にケアを代替し、リフレッシュを図ってもらう家族支援サー
ビスのことである。
この表に取りまとめた訪問先については、入居者、看護者、医療機関及び施設
運営者等、各々の立場によって認識している課題も問題点も変わりうる。このよ
うな施設等への訪問は難病対策の現状を知る上で有意義なものである。この活動
を単なる訪問で終わらせることのないよう、そこで得た情報を有効に活用できる
仕組みが必要である。施設訪問時に、「入居者数」、「年齢層」、「男・女の比率」、
「入居年数」
、
「現在の状況」
、「公的機関への要望事項」等のデータが入手可能で
あるか、又は、難病の実態を把握するためのアンケート調査を実施させていただ
けるかどうかの調整とその可能性の有無等について事前に検討し、それによって
さらに効果的で効率的な事業展開を目指すよう要望する。
ウ.アンケートの実施について(意
見)
ヘルス財団は、在宅ケア研修会及び臓器移植に関する市民公開講座において、
参加者アンケートを実施している。アンケートの回収状況は次のとおりであった。
107
【アンケート回収状況】
研修会\年度
在宅ケア研修会
臓器移植市民公開講座
平成25年度
平成26年度
配布
62件
配布
182件
回収
45件
回収
99件
回収率
72.6%
回収率
54.4%
配布
25件
配布
33件
回収
18件
回収
16件
回収率
72.0%
回収率
48.5%
また、アンケート調査の分析結果は次のとおりであった。
【在宅ケア研修会】
項目
男性
性別
女性
計
20代
30代
40代
年齢別
50代
60代
計
参加者
看護師
保健師
歯科医師
MSW
職業
介護福祉士
訪看職員
その他
未記入
計
構成比
4%
96%
100%
11%
27%
38%
22%
2%
100%
44%
36%
7%
2%
2%
2%
5%
2%
100%
108
項目
講演1
講演2
満足度
講演3
パネルディス
カッション
満足
やや満足
ふつう
未記入
計
満足
やや満足
ふつう
やや不満
計
満足
やや満足
ふつう
計
満足
やや満足
ふつう
やや不満
未記入
計
構成比
34%
42%
22%
2%
100%
40%
35%
18%
7%
100%
44%
27%
29%
100%
29%
45%
22%
2%
2%
100%
【臓器移植市民公開講座】
項目
男性
性別
女性
計
20代
30代
40代
年齢別
60代
参加者
80代
計
医師
看護師
一般県民
職業
患者・家族
その他
計
構成比
56%
44%
100%
11%
11%
67%
5%
6%
100%
39%
16%
17%
11%
17%
100%
満足度
講座を知っ
たきっかけ
財団の活動
について
項目
満足
やや満足
ふつう
不満
未記入
計
医療関係者
医療機関からの案内
知人の案内
チラシ
HP
その他
計
知っていた
知らなかった
計
構成比
44%
28%
11%
6%
11%
100%
33%
28%
11%
11%
6%
11%
100%
72%
28%
100%
これらの結果をみると、参加者の性別、年齢別及び職業別の分布状況を把握す
るとともに、講演ごとの満足度を満足、やや満足、ふつう、やや不満又は不満の
5 項目で評価しており、現状の把握及び次回以降の講座のテーマ選定に有用な情
報として結果集計が行われているものと評価することができる。しかし、年代別
の満足度や職業別の満足度等、よりきめ細かい調査結果を得るためには、これら
の分析結果だけでは十分に把握することができず、むしろ、アンケート内で自由
に記載されたコメントの内容が有用であったとも推測される。
一度の開催で全ての要望が満たされることはないが、必要性の高い事項、要望
の多い事項等を優先的にテーマとして選定することが必要である。そのためにも、
個別のコメントを参考にするだけでなく、きめ細かいクロス分析等を行うことに
よって、より有用な実態把握ができるようにして、アンケートをより有効に活用
されることを要望する。
⑦ ガバナンスの現状とその評価について
ア.理事職と事務職の兼務等について(意
見)
財団は、組織を運営するための基本的な機関として、評議員、評議員会、理事、
理事会、監事を有しており、定款において、理事の中から理事長を選定し、必要
に応じて常務理事を選定することとなっている。他方、財団の組織運営上、事務
局に事務局長を置いている。主な役職の職務及び権限に関する定款や規則の定め
は次のとおりとなっている。
109
役職名
代表理事
(理事長)
業務執行理事
(常務理事)
事務局長
職務及び権限
法令及び定款で定めるところにより、この法人を代
表し、その業務を統括する(定款第23条第2項)
常務理事は理事長を補佐し、この法人の業務を執行
する(定款第23条第3項)
理事長の命を受け、事務局の事務を掌理し、職員を
指揮監督する(処務規程第4条)
平成 25 年度の役職員の状況によれば、非常勤の理事長、常勤の常務理事を置い
ているが、常務理事は事務局長と兼務となっている。処務規程の別表において常務
理事及び事務局長の専決事項が定められているが、理事が事務局職員を兼務するこ
とは、理事が事務局に対して発揮すべき牽制機能が有効に機能しない可能性がある
ことから、別の手法による牽制機能の発揮、すなわち、理事会の活性化や評議員会
での活発な審議等を目指されるよう要望する。
イ.監事監査の実施状況について(意 見)
ヘルス財団は、組織を運営するための基本的な機関として、評議員、評議員会、
理事、理事会及び監事を有しており、監事の職務及び権限に関する定款の定めは
次のとおりとなっている。
役職名
監事
(定款第24条)
職務及び権限
1.監事は、理事の職務の執行を監査し、法令で定め
るところにより、監査報告を作成する。
2.監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業
の報告を求め、この法人の業務及び財産の状況の調
査をすることができる。
平成 24 年度の決算監査は、平成 25 年 5 月 8 日(水)に行われた。事務局長よ
り事業内容の説明後、約 1 時間半の間に会計監査及び業務監査を実施し、その後
監査講評を行ったということである。監査の概要についてはメモが残っているが、
事前の監査計画や具体的な監査実施事項に関する事項、監査講評の内容について、
文書で保管していない状況であった。
ヘルス財団の機関としての職務を遂行するため、監査の年間計画を策定し、そ
の計画に沿って監査手続を進めることにより、計画的かつ有効な監査の実施が可
能となり、もって理事の職務の執行を監督することが可能となる。
したがって、監事監査の前提として、これら年間監査計画や実施した監査の概
要を文書として保管することを要望する。
⑧ その他の監査結果について
110
ア.財務諸表項目及び表示について
(ア)有価証券の会計処理及び注記について(意 見)
平成 25 年度より有価証券の評価方法を時価法から償却原価法に変更してい
る。償却原価法の計算について、年割計算で行っているが、適正な期間損益計
算を行うため、月割計算で行うことを検討されたい。当該有価証券の評価方法
の変更は、会計方針の変更の注記として記載すべきところ、注記の記載がなか
った。また、有価証券の時価を表示すべきところ、正しい数値が記載されてい
なかった。注記の内容について、誤りがないよう慎重を期するよう要望する。
(イ)固定資産除却損の会計処理について(意 見)
固定資産を除却した際の会計処理について、固定資産除却損に計上すべき金
額は除却した資産の除却時の未償却残高である。しかし、ヘルス財団の会計処
理は、固定資産売却益に除却した固定資産の減価償却累計額を計上し、固定資
産除却損に除却した固定資産の取得価額を計上していた。損益に影響はないが、
売却の事実がないにも関わらず、売却益が計上され、また、除却損が過大に計
上される結果となっており、取引の実態を適正に表していない。したがって、
実態に沿った会計処理に努めるよう要望する。
(ウ)役員報酬の会計処理について(意 見)
ヘルス財団は、企画委員会の部会として、在宅ケア部会及び臓器移植部会の
2 つの部会を設置しており、平成 26 年 4 月 1 日現在、在宅ケア部会委員は 13
名、臓器移植部会委員は 9 名で構成されている。これらの部会は年 3 回会合を
開催しており、部会委員の出席者には報酬を支払っているが、会計処理に際し
て、
「役員報酬」の科目を使用している。これらの表示科目については、
「公益
財団法人千葉ヘルス財団役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」に
準じて支給することができることとされている(「公益財団法人千葉ヘルス財
団企画委員会規程」第 9 条)。しかし、公益財団法人の役員はあくまで、評議
員、理事及び監事であり、公益認定の際に経費按分する際の予算数値は、当該
役員の報酬を前提としたものと考えられる。一方、企画委員会の各部会の委員
は、財団の役員としての地位にはないため、会計上も「報酬」や「支払手数料」
といった科目で処理するよう要望する。
111
イ.財務規程の整備状況について(意 見)
会計処理上の勘定科目の整備について、財務規程第 5 条第 2 項では、「前項に
規定する勘定科目は、別表のとおりとする。」としているが、その別表が確認でき
なかった。実務上、会計処理のソフトウエアに付属する勘定科目一覧表を使用し
ているようであるが、別表としての勘定科目は規程上で設定すべきものである。
したがって、財務規程の別表として、正式に勘定科目一覧を整備するよう要望す
る。
112
ダウンロード

財産への充当額は 615,903 千円となっており、77 千円の誤差