マインドフルネスによる認知行動療法
熊野宏昭
東京大学大学院医学系研究科
ストレス防御・心身医学
*本資料を、個人的な目的以外で使う場合は、事前に、
[email protected] までご連絡下さい。
マインドフルネスとは
• 今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがまま
に知覚し、それに対する思考や感情には捉われないでいる心
の持ち方、存在の有様。
• われわれが通常対象を知覚する際には、ほぼ自動的に解釈
したり評価する思考が起こり、それと同時に好き嫌いなどの
感情も加わった上で認識が成立している。しかし、その解釈、
評価、感情のほとんどが個人的(集団的、文化的、本能的)な
バイアスに由来しているため、現実をありのまま知覚すること
は非常に困難になっている。
• つまり、思考や感情(自己イメージも含む)は現実や自分その
ものではなく心の中の一過性の出来事にすぎないのであるが、
そういったものが自分と対象との間に割り込んでくるために、
対象をあるがままに体験できなくなり、そのことが限りない誤
解や苦しみを生む原因になっていると考えるのである。
対象のあるがままの体験
鳥は鳴き、空に消えていく
そしていま最後の雲が流れ去る
共に坐るわれら、山と私
山だけが残るまで
(李白の漢詩の訳文:ラリー・ローゼンバーグ著、
井上ウィマラ訳、「呼吸による癒し」、春秋社)
操作的定義(狭義)
• Bishop SR: Psychosom Med. 64(1):71-83, 2002
• What do we really know about mindfulness-based
stress reduction?
• Mindfulness has been described as a state in which one
is "fully present in the moment, focused on the reality
of the situation," while "acknowledging and accepting
it for what it is".
• There have been no attempts to operationalize these
qualities. However, each of the three dimensions seems
to involve an aspect of attention regulation.
マインドフルネスと記憶と認知
• Sati < sarati (思い出
す)
• 念: 今ここを思い出す
(忘れない)心
• 1秒前、0.1秒前を思い
出す体験
• 記憶による“私”の認
知に必要な時間
• 純粋体験
(井上ウィマラ、2003、2007)
呼吸による気づきの教え
• 呼吸を4つの領域(身、受、心、法)から、16の
視点で見つめるトレーニングシステム(井上
ウィマラ)。
• 4つの領域とは
–
–
–
–
身体
感受
心
法則性
身体: アクセプタンスということ
• 規則正しい呼吸と、そのままの呼吸
– 長く息を吸っているときには、「長く息を吸ってい
る」と知り、長く息を吐いているときには、「長く息を
吐いている」と知る。
– 短く息を吸っているときには、「短く息を吸ってい
る」と知り、短く息を吐いているときには、「短く息を
吐いている」と知る。
• 身体表現性障害患者に対する対応ー「身体の
ことは身体に任せましょう」。
感受: 六根に対する「ディフュージョン」
• 「見るものは見ただけで、聞くものは聞いただけで、
感じたものは感じただけ、考えたことは考えただけで
とどまりなさい。そのときあなたは、外にはいない。
内にもいない。外にも、内にもいないあなたはどちら
にもいない。それは一切の苦しみの終わりである」。
• つまり、ブッダは、とりわけ、感受のアクセプタンスを
重視したことになる。
• 感受で止めて、外(外的事物にまつわる勝手な思い込
みの生成)にも、内(勝手な自己イメージの生成)にも
広げない。その為の方法が、ラベリング、実況生中継。
• 呼吸で止まることができれば、感受を対象にする必要
はない。
ヴィパッサナー実践の三原則
• スローモーション
– からだを普通のスピードで動かすのではなく、できるだけゆっく
りスローな動きにする。まずは、歩く、立つ、座る、から行う。
• 実況生中継
– 今行っていることを、頭の中で簡単な言葉で確認する。それを
隙間無く切れ目なく行い、今の瞬間にとどまるようにする。これ
を実行すると、雑念が消え、瞬時に集中力が生まれてくる。
• 感覚の変化を感じ取る
– 手を上げたり、歩いたり、座ったりするたびに、からだの感覚が
変わる。考えるときも激しく感情が変わっていく。これらの変化を
感じ取り、何も解釈をせず、そこで止めるようにする。
(A・スマナサーラ)
瞑想の種類と特徴
瞑想の種類
特徴
止(サマタ)瞑想
⇒状態(state)の変化=短期効果に注目
色界禅定
何らかの物質(呼吸・光・音も含む)を認識対象に使うことで実現
〔欲・怒り・怠け・混乱・疑いを抑え、欲界(五感で認識する世界)を離れることで生じる心〕
第一禅定
尋、伺、喜、楽、一境性の全てがある
第二禅定
喜、楽、一境性がある
第三禅定
楽、一境性がある
第四禅定
一境性がある
無色界禅定
全ての物質的な対象が消えた状態に集中することで実現
空無辺処定
第四禅定を基にそこで得た一体感が「ない」状態を観察する
識無辺所定
無限大の真空状態を体験した心を観察する
無処有処定
何も観察しない体験によって心が無限大になる
非想非非想処定
何も体験しなことで心が無限大になる
滅尽定
観(ヴィパッサナー)瞑想
悟り
心の働き全てから離れる(生きていながら、消える)ことで実現
⇒特性(trait)の変化=長期効果に注目
預流果、一来果、不還果、阿羅漢果
〔自己概念・疑い・儀礼主義・欲・怒り・色界への欲・無色界への欲・私・混乱・無明が消える〕
(熊野、2007)
思考の素性
• 思考は「無知(心の基本的状態)」に由来する。
– 何を考えても、それはバイアスを伴う。
• 思考がなくても五感は働く。
– 対象のあるがままの体験。
• 「ワナワナ」リーディング(光の読書)。
– 言葉が思考の拮抗反応になる。
• 思考が無くなったとき智慧が働き始める。
– サティパンニャ(事実と出会った瞬間に、その本質
を見極める力)。
心: 貪瞋痴への気づき
• 感受に基いて思考が展開する結果生まれてくるもの
(感情に近い内容)。
– 貪:欲(Wanting)、瞋:怒り(Aversion)、痴:混乱(Delusion、
Selfing)
• 気づいて、放っておくことによって、それ以後の増殖
が止まる。
• 身体のことは身体に、感受のことは感受に、心のこと
は心に任せる。
• われわれは、何も握り締めていないし、誰とも戦って
いないし、どこにも向かってはいないことに気づく。
• 呼吸、感受で止まることができれば、心を対象にする
必要はない。
法則性: 無常・苦・無我ということ
• 呼吸、感受、心で止まることができなければ、ここまで
が観察の対象になる。
• 智慧とは、無常・苦・無我を深く理解すること。
• 無常ー私的出来事、公的出来事の全ては、常に変化
している、一過性のものである。
• 苦(Unsatisfactoriness)ー常に変化しているものを頼み
にすれば、十分に満足できることはありえない。
• 無我ー私的出来事、公的出来事をコントロールするこ
とはできず、「自分」も私的出来事の一つにすぎない。
「自分」の正体
• 「自分」(一貫したアイデンティティ)とは、構成概念である。
• 「heuristicな自分」と言ってもよく、「記憶」がその妥当性を
支えると考えられている。
• 構成概念のメリット、デメリットは、拘束条件を提供すること。
• 自己概念の影響力の大きさは、『金持ち父さん 貧乏父さ
ん』に詳しい。
• 「瞬間瞬間の自分」(六根=五感+イメージで、内外の環
境を認識する心の働き)は存在するが、対象との間に分離
はなく、時々刻々変わっていくものである(それを「自分」と
呼ぶかどうかは別問題)。
• 「瞬間瞬間の自分」を、常に見失わないようにすることが、
マインドフルネス。
心理臨床への示唆
• 身体(呼吸)
– プラスチックの骨を追いかけるのはやめよう。(思考の効力を
疑う)
• 感受(感覚)
– 複雑にするな。そして今の瞬間にしっかりつかまっていろ。
「放っておけ」療法、「置いておく」療法。(アクセプタンス)
• 心(感情)
– 自分は○○って、ほんとにそうか?(自己概念の相対化)
• 法則性(智慧)
– 全ての感情や自己イメージは、心の中の一過性の出来事に
すぎない。(全ての私的出来事の機能を変える)
Aさん1(40代主婦、気分変調性障害)
Aさん)お掃除とか、お茶碗洗いとか、やってみたけど、なかなかうまくいかな
い。集中、集中と言い聞かせるけど、「なんでお掃除しなくちゃいけないの」
「なんでパチンコじゃないの」。しまいには嫌になって止めてしまう。雑念がわ
くのがよくないんだろうと思って、色々工夫をしてみたけど、なかなかうまくい
かない。今は、10分だけと時間を区切っている。
Th)結果的には、全然できなかった家事ができましたね。
Aさん)でも、何のためにやるように言われたのか分からなくなった。掃除はよ
くて、どうしてパチンコはいけないんだろうと。
Th)単純だけど面倒なことをしようとすることで、雑念が多いこと、雑念をなくす
のは難しいことに気づいたことが大切。でもそこで雑念を押しのけようとする
のはいい方法ではない。気づいた時点で、目の前に作業に戻る。
Aさん)集中と思うけど、またすぐにそれて、繰り返しているうちに嫌になる。
Th)今は置いておいてと思って、そっと戻る。何度それてもいいし、雑念が出て
くるのは悪いことじゃない。考え続けるとよくない。それを繰り返していれば、
段々雑念につかまらなくなり、気が重くなることも減ってくる。
Aさん2(40代主婦、気分変調性障害)
Aさん)先生に言われたように一生懸命やっているけど、一つのことに
集中するのが苦手みたいで、耐えず浮かんでは消え浮かんでは消え。
ずっと考え続けているようです。
Th)それに気づいたのはとてもよかったと思います。
Aさん)おかげさまで家の中がきれいになった。車の運転も30分くらい
ならできるようになった。お料理も簡単なものなら。家事は30分くらい
しか続かない。それくらいの時間なら、あまり苦にならなくなった。でも
前はもっとできた。
Th)それでとてもいいと思います。急には変わらないから。考えることと、
考え続けることは違う。考え続けることが減った結果、あまり苦じゃな
くできるようになったのだと思います。
Aさん3(40代主婦、気分変調性障害)
Aさん)考えることと、考え続けることは違うと言われて、考えすぎること
はなくなって、嫌な気持ちになることも減りました(元気なさげ)。
Th)それはとてもよかったですね。
Aさん)ただ、町会でどうしてもご一緒しなくてはならない方で、どう考え
ても相手の言ってることがおかしいと思う人がいるんです。これまで
は言い返したりしていたんですが、考え続けないようにと思って、何
か言われても、そういうことがなかったように振舞うようにしました。
それで気は楽になったんですが、これでよいのかどうか分からない。
Th)考え続けるのは巻き込まれている状態。でも、排除して見ないよう
にするのもいい手じゃない。心を閉じてしまって、逆にいつまでも苦
手意識が続くことにもなるから。「世の中色々な人がいるから、嫌な
気持ちになったり腹が立ったりするのは当然と自分の気持ちを認め
てあげて、でも今は町会の仕事をしているんだから、ちょっと横に置
いて、早めに片付けて帰ろう」と思ってみて下さい。
Bさん1(40代男性会社員、全般性不安障害)
大分よくなり、「薬をやめたい」と言い出しました。それでも、「でも、や
めたらどうなるか心配だ」「でもやめたい、でもやめたらどうなるか心
配」というふうに何度も繰り返していました。それでもやっぱりこの人は
もうやめるんだと決めて、思い切って「えいや」ってやめました。そした
ら、ものすごい不安感が襲ってきて、それで、もう3日3晩眠れなかった。
それで、3日間眠れなかったときに、不安でどうしようもなくて、一人で
カラオケボックスに出かけて、夜2時間ぐらい歌っていたんだそうです。
歌っているときはまあ何とか気持ちのほうは楽になるんだけれども、歌
が終わるととガーっと不安が出てきて、もう呑み込まれてしまう。ただ、
ある曲の間奏を聴いている時に、不安がフッとなくなって、でも心臓は
それまでで一番爆発しているようにバクバク、バクバク。でも、不安は
ないので家に帰れるなと思って、家に帰って布団に入った。それでも夜
もずっとドキドキしていて眠れなくて、でも不安はなくて、明け方ちょっと
うとうとできた、そういう日があったと話をしてくれました。そしてその次
の日から眠れるようになり、結局薬も止めることができました。
Bさん2(40代男性会社員、全般性不安障害)
Bさんにとってこれがどんな意味があったかと言うと、「不安がなくても
自分はいる」というとても新鮮な体験になったようです。それまで、この
方にとって不安がないという現実はなかったのです。でもこの体験で、
ある瞬間に不安がないことに気がついた。でも心臓はバクバクすごい
勢いで打っている。こんなときは今までは不安で、もうどうしようもないく
らいの状態だったはずなんです。でも不安がない。それでも自分がい
るんだということにこの人は気がついたわけです。
この体験を通して、Bさんは「不安な自分」との同一化から離れること
ができ、その結果「不安障害のBさん」でもなくなったと言えるでしょう。
(熊野、2007)
Cさん(30代女性、広場恐怖を伴うパニック障害)
10
8
6
①不安
②息苦しさ
4
2
0
:4
0
12
:3
0
12
:2
0
12
:1
0
12
:0
0
12
:5
0
11
:4
0
11
:3
0
11
:2
0
11
:1
0
11
:0
0
11
:5
0
10
:4
10
10
:3
0
0
心を閉じず(アクセプタンス)、呑み込まれず(同一化しない)、
心身の状態に対する気づき(マインドフルネス)を更新し続ける
マインドフルネスと生活
• マインドフルネスを生活全般に行き渡らせることがで
きれば、さらに効果は大きくなる。
• 例えば、赤信号を一つの合図にして、立ち止まり、
息を吸って吐いて今の瞬間に戻る(われわれはどこ
にも向かっていないことを思い出す)。
• 行為者なき行為:皿洗いをするために、皿洗いをする
(きれいにするためではない)。途中で雑念が浮かん
できたら、静かに目の前の作業に戻ることをくり返す。
• ストレス状況で身体や心が痛む時、「痛み」ときちんと
自覚したところでとどまり、痛みを苦しみに変える物語
を作り出さないようにする。
認知行動療法の歴史
第一世代
• レスポンデント条件付け
– 刺激強化子随伴性
– 条件刺激が無条件刺激の機能を獲得する
• S ⇒R
– 「エクスポージャ法による消去」が代表的技法
• オペラント条件付け
–
–
–
–
反応強化子随伴性+刺激性制御
行動の結果が、反応を増・減する機能をもつ
弁別刺激は、随伴性の内容を示す機能を持つ
三項分析
• S ⇒R ⇒C
– 「報酬学習・回避学習による行動形成」が代表的技法
第二世代
• 認知的変数の設定
–
–
–
–
気分障害や不安障害などに対する臨床的要請から発達
媒介変数から独立変数へ、位置づけの転換
つまり、認知の内容や頻度を変えることが目的に
A-B-C分析(反応強化子随伴性は考慮せず)
• S ⇒O ⇒R
– 「認知再構成法」が代表的技法
– 現実的には、多くの行動的技法(第一世代)を使用
第三世代
• 言語行動(認知)は、第一世代と同じ原理で説明可能
– 徹底的行動主義の立場をとる(vs.方法論的行動主義)
– 特定の認知も、どのような文脈下で学習されたかが重視され、
どのような機能を持つのかが主要な問題になる
• S ⇒R ⇒C / S ⇒R
– 刺激等価性(オペラント条件付けで成立)によって、様々な言
語刺激が無条件刺激の機能を獲得し、その結果体験の回避
を助長する弁別刺激が増殖していく
– ルール支配行動(刺激性制御=フィードフォワード)が優位に
なり、反応強化子随伴性(フィードバック)の機能が低下
– 「認知的ディフュージョン」と「行動活性化」が代表的技法
(http://ericfox.com/elearning/rft_tutorial/rft_tutorial_v2.swf)
(http://ericfox.com/elearning/rft_tutorial/rft_tutorial_v2.swf)
マインドフルネスの臨床応用
• Mindfulness-Based Stress Reduction (MBSR)
• Mindfulness-Based Cognitive Therapy (MBCT)
• Dialectical Behavior Therapy (DBT)
• Acceptance and Commitment Therapy (ACT)
MBSR・MBCTの狙い(1)
• 心のモードの切り替え
– 「すること」モードから、「あること」モードへギアチェンジ
する。
– 「もっともっと」の気持ち(渇愛=Craving)を離れて、何も
握りしめてはいない、誰とも戦ってはいない、どこにも
向かっていないことを思い出す。
– 自己イメージの大きな変化を伴い、自己評価の基準も
変わる。
– その上で、今、何をするべきかをよく見極め、行動に移
していく。
MBSR・MBCTの狙い(2)
• 認知の機能を変える
– これまで何度も考えてきたこと、感じていた気持ち、思
い出していた記憶は、相変わらず出てくる。
– なぜならば、それらは繰り返し学習されて、習慣になっ
ているものだから。
– そこで「出てくるもの」の内容を変える必要はない、そ
れとの関係を変えていければよい。
– 相変わらず心に浮かんできたとしても、生活が邪魔さ
れないようになることが、当面の目標。
– そのためには、何が出て来ているのかを、少し離れた
ところから、きちんと見ることが必要。
MBSR・MBCTの狙い(3)
• 具体的な実践法
– 「雑念、戻ります」と横に置いておく-アクセプタンス。
– 横に置いてどこに戻るのかというと、目の前の「呼
吸」「生活」「今やっていること」「やるべきこと」。
– これを続けていると、そのうち、浮かんでくること自体
も減ってくる。
– 考えることと、考え続けること(=反すう)は違う。
– 体のことは体に任せて、感覚のことは感覚に任せて、
感情のことは感情にまかせておく。
MBSRのメタ解析(1)
• Grossman P et al: J Psychosom Res. 57(1):35-43, 2004
• Mindfulness-based stress reduction and health benefits.
A meta-analysis.
• Mindfulness-based stress reduction (MBSR) is a structured
group program that employs mindfulness meditation to
alleviate suffering associated with physical, psychosomatic
and psychiatric disorders. The program, nonreligious and
nonesoteric, is based upon a systematic procedure to develop
enhanced awareness of moment-to-moment experience of
perceptible mental processes. The approach assumes that
greater awareness will provide more veridical perception,
reduce negative affect and improve vitality and coping.
MBSRのメタ解析(2)
• METHODS: Sixty-four empirical studies were found, but
only 20 reports met criteria of acceptable quality or
relevance to be included in the meta-analysis. Acceptable
studies covered a wide spectrum of clinical populations
(e.g., pain, cancer, heart disease, depression, and anxiety),
as well as stressed nonclinical groups. Both controlled and
observational investigations were included. Standardized
measures of physical and mental well-being constituted the
dependent variables of the analysis.
• RESULTS: Overall, both controlled and uncontrolled
studies showed similar effect sizes of approximately 0.5
(P<.0001) with homogeneity of distribution.
MBSRの
メタ解析(3)
MBCTとメタ認知的気づき(1)
• Teasdale JD et al: J Consult Clin Psychol. 70(2):275-87,
2002
• Metacognitive awareness and prevention of relapse in
depression: empirical evidence.
• Metacognitive awareness is a cognitive set in which
negative thoughts/feelings are experienced as mental events,
rather than as the self. The authors hypothesized that (a)
reduced metacognitive awareness would be associated with
vulnerability to depression and (b) cognitive therapy (CT)
and mindfulness-based CT (MBCT) would reduce
depressive relapse by increasing metacognitive awareness.
MBCTとメタ認知的気づき(2)
• They found (a) accessibility of metacognitive sets to
depressive cues was less in a vulnerable group (residually
depressed patients) than in nondepressed controls; (b)
accessibility of metacognitive sets predicted relapse in
residually depressed patients; (c) where CT reduced relapse
in residually depressed patients, it increased accessibility of
metacognitive sets; and (d) where MBCT reduced relapse
in recovered depressed patients, it increased accessibility of
metacognitive sets.
• CT and MBCT may reduce relapse by changing
relationships to negative thoughts rather than by changing
belief in thought content.
MBCTとメタ認知的気づき(3)
ACTとは
• ルール支配行動(刺激性制御=フィード
フォワード)が優位な状態〔認知的フュー
ジョン、過去と未来の優位、概念としての
自己への固執、体験の回避〕から、反応
強化子随伴性(フィードバック)が正当に
働く状態〔認知的ディフュージョン、アクセ
プタンス、今の瞬間との接触、文脈として
の自己の自覚、価値の明確化、コミットさ
れた行為〕への転換を目指す。
• 「頭でっかちな自分は横に置いて目の前
の現実に注意を向けよう、そして、やりた
いこと、やるべきことに集中しよう」。
• 概念としての自己、プロセスとしての自己、
そのプロセスが起こる場(文脈)としての
自己を想定。
心理的
柔軟性
(増田・武藤、2006)
ACTとエクスポージャの対象
• 通常のエクスポージャ:不安や恐怖を喚起する「外的刺激」
– 最もうまくいくのは、「心を閉じない、呑み込まれない」とき。
• EMDR:心的外傷となっている「記憶」
– 治療の初期に、一度も思い出したことのない記憶場面が詳しく思
い出されてくることが多い。
• ACTの認知的ディフージョン:「思考過程」
– 不安過敏性の不思議。
– 体験の回避:嫌悪的な状況だけでなく、それに対する自分の反応
(嫌悪的な心理的事象)も回避する傾向。
– 「我々はなぜ、思考や記憶、身体状態、情動その他の経験の側
面についても、全く同じ手法(反駁ではなく、エクスポージャ)を用
いようとしないのか」(Wilson KG & Murrell AR, 2004)。
– 結果的に、認知の機能(believability)が変わる。
認知的ディフュージョン
• 思考の字義的な内容に対する反応のみが見られる場合、
認知的フュージョンと呼ばれる(例:高所恐怖症の人が「高
い所は怖い」と考えた場合に、自動的に恐怖のみで反応し
て、それ以外のことを考えられなくなる)。
• 認知的ディフュージョンとは、関係性の(言語の)プロセスを
介して心理的機能を獲得した刺激に対するレパートリーを
拡大するような手続きを意味する。
• 嫌悪性のある心理的な内容に対する開かれた受容的な姿
勢を作り出すこと(アクセプタンス)。
• マインドフルネスになることは、ディフージョン方略の一つ
(認知的フュージョンゆえに遍在している「苦しみ」に対する
エクスポージャ)。
認知的ディフュージョンのための技法例
• 瞑想中のように、 「思考」に囚われずに、眺めるようにしてみる。
• 「思考」を、音だけしか感じられないようになるまで、大きな声で何百
回も繰り返し言ってみる。
• 「思考」に大きさ、形、色、スピード、様式、風合いを与え、外的な事物
を観察するのと同じように扱ってみる。
• 自分の心に、とても面白い「思考」を思いついてくれてありがとうと言う。
• 「思考」に関連して出てくる身体感覚、感情、記憶、行動傾向 をよく観
察して、それらの出来事を、生命現象の展開や変化の色々な側面と
して体験できるように時間をとってみる。
• 自分の認知的過程にラベル付けをしてみる (例:『今私は、自分が完
璧じゃないといけない、という「思考」を思い浮かべている』)。
• 「思考」を、一つひとつの言葉を頭の中で言うのに何分もかかるくらい
ゆっくりと、考えるようにしてみる。
(Hayes, 2002)
高所恐怖症の場合
• 「高い所」という言葉や高い所から見下ろした写真などに、
自動的に恐怖のみで反応する(認知的フュージョン)。
• 怖くならないように(体験の回避)、高層ビルのレストラン
に行く、遊園地の観覧車に乗る、旅行に出かける、関係
したテレビ番組や写真を見たりすることなどは避けている
(行動レパートリーの抑制)。
⇒これまでずっとそうだったんだから、怖いのは当たり前。
それは横に置いておいて(アクセプタンス)、高い所にい
続けるとどうなるか観察してやろう(マインドフルネス)。
高所恐怖症を克服してずっと行きたかった名所に出かけ
て、楽しい生活を手に入れよう(価値に基いた行動)。
糖尿病の場合
• 糖尿病のことを考えると、いつも一定のイメージや考え
が浮かんでとても嫌な気持ちになるので(認知的フュー
ジョン)、自分が糖尿病であることはなるべく考えないよう
にしている(体験の回避)。
• 糖尿病のことを思い出したくないので(体験の回避)、食
事や運動に気をつけたりはしないし、薬ものみたくない
(行動レパートリーの抑制)。
⇒糖尿病は確かに大変な病気だから嫌な気持ちになるの
は当然。それでも、それは横に置いておいて(アクセプタ
ンス)、治療に取り組んで健康を維持すること(価値に基
いた行動)は可能。
ACTのランダム化比較研究
(Hayes et al, 2006)
参考文献
ダウンロード

マインドフルネス