今井健一・丁可編『中国 高度化の潮流-産業と企業の変革』
アジア経済研究所 2007 年
調査研究報告書
第6章
アパレル産業の発展方向
-産業の集積とオーガナイザーの成長-
丁 可
要 約
中国におけるアパレル産業の高度化は、産業が地理的に集積する形で発展
してきた。本章では、中国のアパレル産地を①専業市場推進型、②輸出指向
型、③大企業主導型という三つの類型に分類し、各類型の産地が構造の異な
る国内外市場に直面しながら、いかにして独自の競争力を有するオーガナイ
ザーを育ててきたのかについて、検討した。
キーワード:中国 アパレル産業 高度化 産業集積 専業市場
-177-
はじめに1
近年、中国の繊維・アパレル産業においては、特定の地域における生産機能
の集中が急激に進展している。繊維産業全体では、三分の一近くの生産が「産
)。その下流にあるアパ
地」2において行われている(孟楊・牛艶紅[2006]
レル産業となると、49 産地での生産比率が 77%近くにまで達している(中国
紡織工業協会[2006]
)。中国アパレル産業高度化の研究は、アパレル産地に
おける構造的発展の特徴を明らかにすることにほかならない。
先進国の事例をみるなら、
アパレル産地の成長は往々にして、
優れた企画、
デザイン能力と生産と流通の組織能力を有するオーガナイザーの成長を伴う
ものである(伊丹敬之・伊丹研究室[2001]
、小川[1998]、竹内[2004])。
多くの発展途上国では、このようなオーガナイザーの存在を欠いたなかでア
パレル産業による工業化の推進を余儀なくされている。その場合、先進国企
業の生産と流通のシステムに組み込まれ、その下請け先として出発するより
ほかはなかった。グローバルバリューチェーン論は、まさにこうした状況の
下で、途上国の産業集積がいかにして成長の機会を掴むかを議論するものだ
といえる(Schmitz[2006]
)。
しかしながら、中国のアパレル産業については、より慎重に検討する必要
がある。この国には、自力更生の工業化の経験があり、フルセットといわれ
るほどの産業の厚みを有している。また、中国においては世界最大の繊維・
アパレル製品の国内市場が形成されており、そこでの需要の構造は、中間層
1
本研究の現地調査にあたって、浙江大学経済学院および南京市のアパレル貿易
会社のみなさまより、多大なご支援をいただいた。心より感謝の意を表す次第で
ある。
2
産業集積の展開には様々な様式がある。アパレル産業の場合、地場の夥しい数
の中小製造業者を主体とする「産地」型の集積地が最も多い。このため、アパレ
ル産業集積は、一般的に「アパレル産地」と呼ばれてきた。後述するように、中
国では大企業が経営の主体となっている「産地」の枠組みでは捉えきれないよう
な集積地も発展してきている。ただ、本報告書の性格に鑑み、差し当たりアパレ
ル産地とアパレル産業集積を区別せずに使用することとする。
-178-
を主流とする先進国の市場とはかなり異なっているようである。従って、中
国におけるアパレル産業集積は、オーガナイザーの性格や、市場リンケージ
の差異により、様々な類型に分かれていることが予想される。アパレル産業
の高度化の研究は、これらの異なる類型の産地において、中国独自のオーガ
ナイザーがどのような形で成長しているかにとりわけ焦点を当てなくてはな
らない。
本章では、
中国で最も代表的な 65 のアパレル産業集積を検討することによ
って、上述の課題に取り組みたい。以下では、まず第 1 節で、アパレル産業
集積の分析に使う資料を説明する。第 2、3、4 節では、各類型のアパレル産
地の特徴点を説明した上で、そこにおけるオーガナイザーとなるアパレル関
連企業や市場の事例を取り上げ、それぞれの高度化の特徴を指摘する。第 5
節では、産業集積の方向とは異なるアパレル大手メーカーの事例を取り上げ
る。最後に結論を述べて締めくくりとする。
第 1 節 資料の説明
1.資料の概要
中国の現行の統計制度では、年間売上 500 万元以上の「規模以上企業」の
データのみ、公式統計に算入されることになっている。また、そこにはアパ
レル産地の発展の定性的特徴に関する情報は、ほとんど含まれていない。し
たがって、
中小零細企業が絶対多数を占めるアパレル産業の分析においては、
統計年鑑のデータをもって説明することの意味は大きくない。
一方中国紡織工業協会は、
各地に勃興しつつある繊維産地との交流を深め、
そこへの指導、支援を強化するために、2002 年から 2006 年までの間に 4 回
にわたり、中国の 109 の市、県、鎮を「中国紡織産業基地市(県)
」または「紡
-179-
織産業特色名城(鎮)
」として指定してきた3。これらの称号が授与されるに
あたって、一般的に、地方政府は宣伝の目的から、当該産地の発展に関する
特徴的な事実、また、産地全体の生産高や企業数等の基本的なデータを含ん
だ資料を公表している。現段階では、これらの宣伝資料の収集、整理、集計
を通じて、アパレル産地の全体像を描いたり、その成長要因を分析したりす
ることは、中国のアパレル産業の実態に迫る最も現実的な手段だといわざる
をえない。
具体的にみると、
「中国紡織産業基地市(県)
」と「紡織産業特色名城(鎮)
」
の状況を全面的に把握する情報源としては、
次の三つがあげられる。
第一は、
中国紡織協会に所属する中国製衣雑誌社と中国紡織導報雑誌社が発行した
『2
006 中国著名紡織服装基地実用商務地図』
(以下では「紡織商務地図」と略す)
である。この地図には、上記 109 の産地を含む 114 の繊維産地の一覧とそこ
における生産高と企業数の大部分のデータが掲載されている。また、そのう
ちの 22 産地に関しては、詳細な説明がなされている。第二は、中国服装協会
ホームページのアパレル産業集積に関連するサイト(http://www.cnga.org.cn/j
ijudi)である。そこでは、2003 年から、順次中国紡織工業協会に指定された
繊維産地のうちのアパレル部門の主要な情報を掲載してきた。第三は、中国
紡織経済信息網の産業集積地の紹介をするサイト(http://www.ctei.gov.cn/chan
yejidi)である。このサイトでは、一部の繊維産地の全体状況とそこに立地す
るリーディングカンパニーに関する資料が掲載されている。なお、各産地に
ついての分散した説明資料は、インターネット上豊富に掲載されている。
筆者は以上の情報源にもとづいて中国アパレル産業の最も代表的な 65 産
地の情報を収集し、整理してみた4。これらの産地の一覧は、付録に掲げてあ
3
2005 年には、湖南省と黒龍江省で一カ所ずつ指定したが、公式の第四回の指定
活動は、2006 年に行われた。各産地は、指定の際に当協会の設定した条件に達し
たかどうか、審査を受けなければならない。
「中国紡織産業基地市(県)
」と「紡
織産業特色名城(鎮)
」を指定するに至った経緯の詳細については、孟楊・牛艶
紅[2006]を参照されたい。
4
65 産地は主に 2006 年の最新情報を掲げた紡織地図の集積地一覧から選出して
-180-
る。ここでは、その地域別分布状況を紹介することに止めよう(表 1)
。
表 1 中国アパレル産地の地域別分布
地域
市
県
鎮
合計
浙江
3
7
5
15
江蘇
0
3
7
10
広東
3
5
15
23
福建
1
2
7
10
山東
0
4
0
4
河北
0
2
0
2
遼寧
0
1
0
1
合計
7
24
34
65
出所:中国製衣雑誌社・中国紡織導報雑誌社[2006]
第一に、
中国の代表的なアパレル産地は、
すべて沿海地域に集中している。
とりわけ広東、浙江、江蘇、福建の四省は 58 産地を抱えており、全体の 9
割近くを占めている。アパレルは、典型的な労働集約産業である。その生産
がこれだけの狭い範囲に集中していることは、アパレル工場の労働力の大半
が、域外出身者に依存していることを示唆している。
第二に、アパレル産地の広さについてみると、鎮を範囲とする産地が最も
多く、次に、県を範囲とする産地、市を範囲とする産地の順となっている。
いる。アパレル産地の判断に際しては、他の資料を参照した。上海、北京、常州、
無錫の情報は服装協会のホームページでしか確認できなかった。また、そのすべ
ては 2003 年のものである。よって、ここでは分析の対象からはずすことにした。
中国のアパレル生産量の 77%を集積している前掲 49 産地の一覧は公表されてい
ない。ただ、大多数はこの 65 産地に含まれていると思われる。
-181-
ただ、地域によっては、産地のカバーする範囲が明らかに違う。山東、河北、
遼寧のいずれでも、県を範囲とする産地しか成立していない。逆に、浙江、
広東、福建と江蘇では、鎮を範囲とする集積が発達している。江蘇の常熟、
福建の晋江と石獅、広東の開平では、県(市)自身が産地になっているとと
もに、その内部に、さらに鎮を範囲とする集積地が現れてきている。しかも、
その大多数は異なる種類の衣料品を生産している。これは、アパレル生産の
先進地域において、地域内部の業種間の分業が極めて発達していることを示
している。
2.アパレル産地分析の指標
前述したように、中国のアパレル産地に関しては、その発展において、グ
ローバルバリューチェーンの背後にある先進国の市場が発展の原動力になっ
ているのか5、それとも中国の国内市場が原動力になっているのか、産地の内
部において、生産と流通のオーガナイザーが海外の企業なのか、それとも地
場の企業なのか、あるいは別の組織なのか、といった違いに応じて、類型別
に検討する必要がある。このような問題意識から、本章では上記 65 産地の資
料からアパレル産地の発展を示す定性的指標として、次の六つを取り出した6。
一、
輸出の生産高に占める割合が 5 割を超えているか否か。
この指標から、
関連する産地の成長に対して、先進国市場がどれだけの影響を与えているの
かについて、判断が可能である。
5
中国のアパレル貿易では、発展途上国への輸出も行われている。ただ、輸出額
の上位 10 カ国のうち、途上国はロシアの一カ国のみである。したがって、輸出
が生産高の 5 割を超えている産地の大多数では、先進国市場を中心に販売してい
ると思われる。
6
この六つともアパレル産地の発展状況を反映する重要指標である。よって、各
宣伝資料とも、これらの指標に関して、なんらの特徴点がある場合は、必ず明記
し、そうでない場合は、記述を避けている傾向が強い。筆者は、この点を意識し
ながら、各指標を判断した。
-182-
二、専業市場の開設の有無。後述するように、専業市場は、産地に成立し
ている地場製品を中心に販売する卸売市場であり、主に中国国内の中、底辺
市場向けに商品を販売している。また、そこでの取引の主体は、主に中小零
細企業である。専業市場の検討を通じて、当該産地の発展における国内市場
の役割、また地場の中小企業の役割を把握することが可能である。
三、見本市の開催の有無。見本市の開催は、産地としての地域ブランドを
宣伝する手段として、中国では広範に利用されている。また、見本市には、
域外の有力のバイヤーや製造業者の参加が多い。この指標を以て、地域ブラ
ンドを創出する努力が払われているかどうか、またその産地が高い次元の需
要と結び付けられているかどうかについて、判断できる。
四、産地内部でアパレル産業に関する分業ネットワークが形成されている
か否か。ここでは、資料のなかで、
「産業チェーンが完備されている」のよう
な表現、
または細分化された各業種に関する具体的な叙述がみられる場合に、
「産地内部で分業ネットワークが形成されている」と判断する。
五、リーディングカンパニーの成立の有無。ここでは、資料において中国
語で「龍頭企業」のような表現がある場合、また有力ブランドを創出してい
ること、さらに生産高がその産地で明らかに高いことが確認される場合に、
「リーディングカンパニー」とみなしている。この指標でもって、アパレル
産地における大企業の成長状況を判断できる。
六、国家レベルのブランドの有無。ここでは、
「中国馳名商標」
「中国名牌」
、
その他明らかに国家レベルのブランドの称号を持っている場合に、国家レベ
ルのブランドを有するとみなしている。この指標でもって、当該産地におい
て、すぐれた企画、デザイン能力のもつ企業が育っているかどうかを判断で
きる。
以上、一から四までは、産地発展の全体状況を示すデータである。対する
五、六はその産地における個別企業の発展を示す指標である。筆者は、第一
の指標「輸出の割合が 5 割を超えているか否か」
、と第二の指標「専業市場の
開設の有無」でもって、前述した 65 のアパレル産地を分類してみた。下記表
-183-
2 が示すように、この二つの指標でみた場合、これらの産地は明らかに三つ
の類型に分かれている。各類型では、産地や企業レベルの指標の面で、異な
る特徴をみせている。
なお、表 2 では、参考のために一産地当たりの企業数と生産高という二つ
の量的な指標を提示した。表 2 の注で詳細に説明したような事情で、現段階
では、この二つの指標をもって、各産地の類型別の差異を厳密に比較するこ
とは難しい。さしあたり産地発展の全容を把握する目安の一つとして、ご参
照いただければ幸いである。
以下第 2、3、4 節では、表 2 にそって、産地発展と企業発展の全体状況を
踏まえた上で、そこにおけるオーガナイザーの特徴を詳細に検討していきた
い。
表2 中国におけるアパレル産地の三つの類型
産地のタイプ
専業市場推進型
輸出指向型
大企業主導型
全産地数
35
19
11
輸出が5割以上を占める産地の数
3+1
19
0
専業市場を有する産地の数
28
0
0
見本市を開催する産地の数
13
3
1
産地内分業ネットワークの形成が
確認できた産地の数
28+2
11
5+1
リーディングカンパニーが
確認できた産地の数
28+5
16+1
11
国家レベルのブランドを有する企業が
育った産地の数
11
2+2
6
一産地当たりの生産高(億元)
64.15
93.94
51.49
一産地当たりの企業数(社)
1,464
1,251
523
出所:中国製衣雑誌社・中国紡織導報雑誌社[2006]、中国服装協会ホームページ産業集積サイト
(http://www.cnga.org.cn/jijudi/More.asp?MainType=产业集聚地&TypeID=40)、中国紡織経済信息網産業集
積サイト(http://www.ctei.gov.cn/chanyejidi/)、その他インターネット情報。
-184-
注:
1、
基本的な情報は、まず紡織商務地図を参照した。不足がある場合は、中国服装協会ホームページ、
中国紡織経済信息網、その他インターネット情報の順で補充した。補足する際は、なるべく最新のデ
ータを取り入れた。
2、
定性的指標は基本的に 2005 年のものであるが、資料では年度が明記されていないケースもある(た
だ、すべては 2002 年以降の数字と判断できる)。筆者は、これらのケースに関して、なるべくインター
ネットで 2005 年の最新の情報を取り入れた。これらの定性的指標は産地の基本構造そのものに関わ
っており容易に変化するものではない。従って、その 2、3 年間の差異は、産地の類型化に差支えがな
いと考えてよい。
3、
中国服装協会ホームページに掲載された「中国産業集積地一覧表」(2002 年度の情報と思われる)で
は、輸出指向型産地の深圳、寧波、象山、大企業主導型産地の温州、楽清、容城、晋江について、専
業市場が成立していると記してある。しかし、同ホームページの宣伝資料と 2005 年時点の状況を示
すその他資料では、この点が明確に確認できなかった。これは専業市場が急激に衰退したのか、ま
たは専業市場が同産地にとって宣伝資料に盛り込むほどの重要要素ではないことを示唆している。
従って、集計の際にはこれらの産地に関して、「専業市場を有しない」と判断した。
4、
“+”の後は、可能性のある産地の数を示している。
5、
生産高と企業数については、紡織商務地図では主に 2005 年のデータを掲載しているが、2003 年の
データも一部含まれていると記されている。ただ、各データの具体的な年度は確認できない。中国の
アパレル産業が全体的に成長を続けていることを考慮すれば、2006 年現在の実際の状況は、ここで
示されたものより、一層進展していると思われる。
6、
紡織商務地図に掲載された一部の産地については、アパレル産業の生産高ではなく、アパレル産業
の売上、地域全体の工業総生産、または GDP の数値が掲載されている。売上は、生産高と僅差があ
るが、全体の判断に影響しないため、そのまま援用した。地域全体の工業総生産または GDP で示さ
れた場合は、すべてインターネット情報を利用して可能な限り、2005 年の最新のアパレル産業の生産
高の数値に直した。
7、
産地当たりの生産高と企業数に関する記述では、「・・・元以上」、「・・・社未満」のような表現が散見さ
れる。このような場合は、同数値をそのまま算入した。
-185-
8、
生産高と企業数の平均値の計算で、市と県や、県と鎮が重複する場合は、上位の行政単位にある市
や県のデータ、具体的には泉州、泉州石獅、泉州晋江、東莞、常熟、温州のデータを除外した。
第 2 節 専業市場推進型産地
1.全体の特徴
第一類型のアパレル産地を、
「専業市場推進型」と呼んでおこう。この類型
の産地の内部、またはその立地する同じ県(市)の他の地域においては、必
ず「専業市場」が成立している。表 2 が示すように、専業市場と関連する産
地は 65 産地のうち、35 もあり、現代中国を最も代表しているアパレル産地
の一類型だといえる。
いちば
周知のように、
「市場」は夥しい数の小生産者や小商人が集う舞台である。
これらの中小企業は、商品を販売したり、生産に必要な原料を供給したり、
情報を伝達したりしている。この状況は、アパレル専業市場からも確認され
る。表 2 が示すように、アパレル専業市場が開設された 28 産地7のうち、26
産地の市場では地場製品が販売されており、1 市場ではその可能性が示され
ている。また、17 産地の市場では、地場製品の生産に必要な生地や付属品、
機械などが販売されており、3 つの産地の市場では、その可能性が示されて
いる。情報の集積については、地場製品と関連している域外製品が専業市場
で販売されている現象に注目しておきたい。28 産地のうち、少なくとも 8 産
地の市場において、このことが観察された。また、3 つの産地の市場は、そ
の可能性が示唆されている。このような域外製品の流入は、直接、産地の中
小企業に最新の市場動向を提供することに寄与しているように思われる。
いちば
このようにみると、専業市場は「市場」本来の機能を生かすことによって、
アパレル産地の生産と流通のオーガナイザーとしての役割を果たしているの
7
複数の鎮が一つの専業市場を共有していることもあるので、専業市場の成立し
ている産地の数は、専業市場推進型産地の全体の数より少ない。
-186-
いちば
である。ところが、このような機能を有する「市場」は、途上国の産地に一
般的に存在している。その多くは、自発的に形成されたものであり、往々に
してインフォーマルセクター化が進み、産地発展のボトルネックになってし
まう。それに対して、専業市場は、なぜ中国の代表的アパレル産地の半数以
上において、オーガナイザーとして機能しうるのであろうか。
このことは、地方政府との関連で検討する必要がある。中国において専業
市場は、地方政府の介入の下で開設されたものが多い8。市場では、地方政府
の職員を中心に、管理委員会が設置されており、市場取引をめぐる環境整備
が行われている。このことによって、専業市場は、二つの面において革新的
な変化が生まれた (丁可[2006])。
第一に、市場内部のインフォーマルな取引空間が改造された。専業市場の
管理者は、市場内の雑多な商品を種類と区域別に整理した9。また、取引活動
を管理監督する部署、
例えば工商や品質管理部門を場内に導入した。
さらに、
金融や物流、電信、レストラン、宿泊施設といった施設を設置してきた。そ
の結果、専業市場では、商品の取引効率が大幅に高まることになった。
専業市場の第二の変化は、中国国内各地の市場に展開されるインフォーマ
ルな商人のネットワークをフォーマルな流通システムに改造したことである。
中国では改革開放の初期に、アパレル製品や雑貨の中、低級品の販売に関し
て、広域的に流通活動を行う商人集団が活躍していた。その多くは、浙江省
のような産地が発達している地域の出身である。彼らは、新しいビジネスチ
ャンスを追い求めて、産地の専業市場や各消費地の市場の間を転々とし、イ
ンフォーマルな販売ネットワークを形成してきた。そこで、専業市場の管理
者やそのサポートを受けた有力商人は、これらの商人集団の各地への進出を
契機に、産地と消費地の間で、安定的な取引関係を構築してきた。その結果、
8
専業市場が最も発達している浙江省の場合、アパレル市場を含む 68 の最も代
表的な市場のうち、自然発生的に形成された市場はわずか 14 しかない。
9
これは、中国語で「劃行規市」と呼ばれている。
-187-
そうしたネットワークのない商人でも、
産地へ買い付けに来るようになった。
このことは、専業市場による国内の底辺市場の開拓機能を大幅に強化した。
このような特異な性格があるため、専業市場の立地しているアパレル産地
の発展には、次のような特徴を持ち合わせている(表 2)。
第一に、専業市場推進型の産地においては、製品の販売先が主に国内市場
となっている。35 産地のうち、輸出の割合が 50%以上を占めている産地は 3
つ、またその可能性のある産地は1つしかない10。専業市場を通じて、国内
市場の開拓が行われることは、この類型の産地の最大の特徴である。
第二に、
この類型の産地では、
他の類型と比較してよく見本市を開催する。
実際、見本市のほとんどは専業市場の管理者が主催するものである。見本市
は、夥しい数の売り手や買い手を集積するという意味では、市場と本質的に
は変わらない。ただ、そこには伝統的な商人ネットワークを乗り越えた有力
企業の参加が多い。見本市が積極的に開催されている事実から、地方政府の
介入を受けたこの類型の産地による市場のグレードアップ、また地域ブラン
ド確立への強い意欲が窺われる。
第三に、この類型の産地では、アパレル生産に関連する分業のネットワー
クが形成されているケースが最も多い。そういった産地では、一般的に衣類
の生産に必要な生地から付属品、染色、または関連する加工工程の業者が揃
っている。専業市場が集積してきた巨大な需要が、このような分業の深化を
促進したと思われる。
参考のために、産地当たりの企業数と生産高をみると、専業市場推進型産
10
3 つの輸出中心の産地は、広東省均安のジーンズ産地、福建省深滬の下着産地
と江蘇省高郵のダウンジャケット産地である。3 産地とも、専業市場を通じて、
国内市場の開拓または原料の調達を行っている。輸出の可能性が高い1つの産地
は、広東省の虎門婦人服産地である。そこには、以前から産地の生産高を遥かに
超えた取引規模を有する 18 の衣料品関係専業市場が成立していた。
専業市場が成立していながら輸出を中心に展開するような産地が、今後増えて
いく可能性は十分にある。それらは新たなアパレル産地の類型として成り立つか
もしれない。しかし、現段階ではその数がまだまだ少ないので、さしあたり専業
市場推進型に分類することにした。
-188-
地では、他の類型と比較して明らかに企業の数が多い。しかし、一産地当た
りの生産高が必ずしも高くない。
より厳密なデータで証明する必要があるが、
これらの産地の担い手が主に中小零細企業であり、専業市場は、その経営を
支援する社会基盤として機能していることが推察される。
以上は、専業市場を抱える産地の全体的な特徴である。次に、専業市場推
進型産地における企業発展の特徴をみておこう。
まず、この類型の産地においては、四分の三以上の地域で、リーディング
カンパニーの存在が確認されている。また、5 つの産地には、そのような可
能性が窺える企業が存在している。このことは、専業市場の機能が、中小企
業を叢生させるとともに、その質的な発展を促す一面も持ち合わせているこ
とを示唆している。
次に、この類型の産地においては、国家レベルのブランドを有する企業が
育った地域は数少なくない。通常、「市場」では価格が優先されるため、ブ
ランド経営は実施しにくいと認識されている。しかし、ここでは別の捉え方
もありえよう。つまり、低級品の市場でも、ブランドへのニーズが存在して
おり、またそのような市場だからこそ、地場企業でもブランド戦略を容易に
実施できる。最初は、付加価値の低い無名のブランドしか作れないかもしれ
ないが、熾烈な市場競争にさらされるうちに、一部の企業は次第に有力な国
家レベルのブランドを創出する力を身につけてくる。次節で取り上げる輸出
指向型産地との比較では、この点がとりわけ明確になっている。
2.近年の発展方向
専業市場の役割が認識されるにつれ、近年、アパレル専業市場は、量と質
の両面において、一層の成長をみせている。
まず、大型アパレル市場では、2000 年以降、成長を加速している。表 3 が
示すように、2000 年と 2004 年の間に、中国の取引高上位六大市場のうち、4
市場の取引が 5 割以上の増幅をみせている。
-189-
表 3 六大アパレル専業市場の取引高(億元)
省
市場名
2000
2004
増幅(%)
江蘇
招商城
122
220.88
81
遼寧
海城市西柳服装市場
123.37
192.028
56
浙江
浙江省織里童装市場
63.5
105.4282
66
浙江大唐軽紡袜業城有限公司
56.28*
93.3756
66
杭州四季青服装市場
45.42329
60.7038
34
即墨市服装批発市場
59.1598
69.55
18
山東
注:*1999 年のデータ。
出所:国家統計局貿易外経統計司[2001、2005]。
表 4 2000 年以降新設されたアパレル専業市場
省
市
福建 泉州
県
(市、区)
鎮
(街道)
市場名
成立
年度
石獅
霊秀
石獅
服装城
衣料品取引区域、芸術展示センター、レ
2005 ジャープラザ、物流配送区域、ビジネス関連
サービス提供区域
市場の施設
江蘇 揚州
高郵
――
製品取引、倉庫物流、展示センター、電子取
引、R&D、貿易、生活支援、娯楽といった機能
中国紡織
2005 を支える施設、工商、税務、公安、衛生、品質
服装城
管理、金融、通信などの行政やサービスを提
供する機構
江蘇 蘇州
呉江
横扇
各種金融機構、物流業者、ワンストップサー
横扇羊毛
2003 ビス担当部署、「横扇羊毛衫商会羊毛衫同業
衫商城
公会」 (同業組合)
広東 広州
増城
新塘
新塘(国
中国(新塘)牛仔紡織服装研究開発センター
際)牛仔
2002 (広州アパレルデザイナー協会と共同で設
服装
立)
紡織城
広東 佛山
南海
塩歩
下着完成品、付属品、生産設備の展示、取
中国南海
引 センター、下 着文化展示センター、 下着
国際
2002
ファッションデザインセンター、下着情報交流
内衣城
センター、下着物流センター
広東 佛山
順徳
均安
倉庫、駐車場、ビジネス用宿泊施設。
富安国際
2001
展示会センターは建設中
牛仔城
出所:表 2 に同じ。
-190-
また、各地ではアパレル市場を建設することがブームになっている。筆者
が把握しているだけでも、表 4 の 6 産地において、2000 年以降、専業市場を
開設した。
さらに、
アパレル専業市場の機能に関しても、
幾つかの特徴点がみられる。
2000 年以降の新設市場(表 4)に代表されるように、その大多数では、倉庫
や物流センター、展示センターが建設されている。また、中小企業の経営を
支援する行政部門や同業組合が導入された市場もある。専業市場による集散
機能、また取引への管理監督機能が一層強化されているわけである。
しかし、それ以外の新たな機能を備えた施設も設立されている。代表的な
のは、デザインセンターや芸術センター、文化センターである。その効果に
ついては見守っていくしかないが、デザインのような高付加価値を生み出す
機能を、専業市場に賦与したことの意義が大きい。この点に関して、デザイ
ンセンターを設立した新塘ジーンズ産地の市場管理者による説明が興味深い
(張楽人・陳奕材・林干[2004]
)。その方によると、「(以前)新塘の 3000
社以上のジーンズ企業は、あたかも散らばった真珠のようであった。牛仔城
の役割は、まさにこれらの真珠を貴重なネックレスに連ねることにある」、
ということである。
第 3 節 輸出指向型産地
1.全体の特徴
第二類型の産地を「輸出指向型」と呼んでおこう。その最大の特徴は、輸
出がアパレル生産高の 5 割以上を占めていることである。他方では、国内市
場の開拓に強力な機能を有する専業市場が成立していない。この類型の産地
においては、グローバルバリューチェーン論が想定しているように、先進国
バイヤーへの OEM 生産が主流となっている。このためもあって、その展開
には以下のような特徴点を持ち合わせている。
-191-
第一に、輸出指向型産地において、各種見本市を開催するケースが極めて
少ない。先進国のバイヤーから OEM 生産を大量に引き受けているため、見
本市を通じて、より多くのバイヤーをひきつけたり、地域ブランドを確立し
たりするようなインセンティブは、ここでは働いていない。
第二に、この類型の産地においては、産地内部でアパレル生産に関する分
業ネットワークの形成されたケースが半分以上を占めている。ただ、その数
は専業市場推進型ほど多くない。それは、この類型の産地では、一部の大企
業を除いて、生産と流通を組織する業者が域外に位置しているためである。
彼らは生地や付属品の調達、また染色などを広範囲にわたって行うことが可
能である。
参考のために一産地あたりの生産高についてみると、輸出指向型産地の数
値が断然と高い。
それは海外市場向けに、
OEM 生産を中心に展開する場合に、
一度に大量の注文を引き受けることが可能なためであろう。しかし、一般的
に、中国の繊維、アパレル輸出製品の利潤率は平均にして 3%しかないと指
摘されている11。巨額の生産高は、付加価値の少なさを補っているに過ぎな
い12。
企業レベルでみるなら、輸出指向型産地については、以下のような特徴が
みられる。
第一に、この類型において、国家レベルのブランドを有する企業が育った
産地の数は極めて少ない。可能性のある地域も含めて、4 産地に過ぎない。
もちろん、海外で通用するようなブランドも育っていない。この事実が示す
ように、海外市場向けに OEM 生産に特化している場合には、品質や生産管
11
2006 年 7 月に、筆者が行った南京の某繊維貿易会社のアパレル部門責任者へ
のインタビューによる。
12
「中国は世界の加工工場でありつづけてはならない」とか「中国は永遠に世界
のためにアルバイトをしつづけてはならない」などの批判は、主に輸出指向型産
地のこのような特徴に由来しているように思われる。ただ、中国のアパレル産業
において、この類型の産地は決して主流にはなっていない。表 2 が示すように、
その数は 19 であり、65 産地のうちの三分の一も満たしていない。
-192-
理の面での要請に応えるだけで精一杯で、企画、デザインなどのブランド創
出能力が非常に育ちにくい。この点は、前述した国内の中、底辺市場を対象
に販売する「専業市場推進型産地」とは対照的である13。
第二に、この類型の産地においては、リーディングカンパニーが専業市場
推進型産地よりも高い割合で成長してきていることである。この点は、いく
つのパターンにわけて分析する必要がある。
第一のパターンは、中小企業が輸出を中心に展開しているが、リーディン
グカンパニーが当初から国内市場を中心に発展しているケースである。最も
典型的な事例は、寧波である。スーツやシャツの産地として、この地域には
中国国内市場で最大手のヤンガー(雅戈爾)や杉杉といった有力企業が育っ
ている。しかし、他方では全体の 8 割の企業(そのほとんどが中小企業)と
8 割の製品は、海外向けに輸出されており、二極構造が形成されている14。
第二のパターンは、
グローバルバリューチェーン論が想定しているように、
グローバルバイヤーとの接触により、生産や経営指導を受け、成長を遂げた
企業である。これらの企業は、一般的に自営の輸出入権を有しており、海外
のバイヤーから直接、大量の注文を引き取ってくる。その生産能力で賄いき
れない場合は、産地内部の他の小規模工場へ回すこともある。しかし、産地
の生産と流通を全面的に組織するという意味では、オーガナイザーのような
存在にはなっていない15。これらの企業と比較したら、むしろ、次に取り上
13
Schmitz[2006]も、このような異なる性格の市場を対象に展開した場合の企
画、デザイン能力の差異に注目している。筆者のアイデアは、同氏の研究および
同氏との討論から触発されたものである。
14
筆者が 2006 年 7 月に行った寧波市政府担当者へのインタビューによる。
15
南京市の某アパレル貿易会社の担当者へのインタビューによる。筆者の浙江省
平湖という輸出加工産地での調査(2006 年 3 月に実施)でも、この点が確認され
ている。K 社は平湖産地のトップ 3 に入る大手企業である。最初、50 人の縫製工
場から出発したが、日本の繊維会社との合弁、またユニクロなど大手アパレル業
者への下請け生産を通じて、年間輸出額 6,000 万ドル、従業 3,000 人を抱えた大
手企業に成長している。平湖には、1,300 社のアパレル企業があり、年間の加工
件数は 3 億枚に達している。しかし、K 社の生産は完全に内製しており、下請け
に出すことは全くない。
-193-
げる貿易会社のほうは、輸出入権を活用しながら、産地のオーガナイザーと
して機能している。
2.オーガナイザーとしての貿易会社
中国では、長年、輸出入を行う権利を産地内部の一部の大手メーカーと省
や市、県の国営の貿易会社にしか与えてこなかった。後者は、産地の外部に
立地しており、アパレル生産と流通を組織する面において、大きな役割を果
たしているにもかかわらず、ほぼ無視されてきた16。ここでは、江蘇省最大
手である X 社の事例を通じて、この隠れたオーガナイザーの役割を検討して
おこう。貿易会社の業務は、一般的に「業務員」と呼ばれる商社マンの個人、
またその小グループによって担われている。以下の情報は、X 社に勤務して
いる業務員 O 氏へのインタビュー記録である17。
まず、バイヤーの獲得についてみると、X 社は、一般的に国内の広州交易
会、華東交易会、また海外のパリやデュッセルドルフの見本市への出展を通
じて、新規のバイヤーを探している。顧客からの紹介も、バイヤーと知り合
う手段の一つである。業務員は、通常複数のバイヤーと取引関係を持ってお
り、だれか一人との取引に特化しているケースが極めて少ない。O 氏と取引
関係のあるバイヤーのうち、6 割は日本、4 割はヨーロッパの出身である18。
16
WTO への加盟に伴い、中国政府は次第に輸出入権を多くのメーカーへ与える
ようになった。しかし、その審査は煩雑な手続きを伴うものである。また、貿易
のノウハウを身につけることもそれほど容易ではない。このためもあって、中小
企業の大多数は、依然として輸出入業務を貿易会社に依存している(2006 年 7
月に、筆者が行った南京の某繊維貿易会社のアパレル部門責任者へのインタビュ
ーによる)。
17
以下の X 社に関する情報は、筆者の 2006 年 7 月に行った O 氏へのインタビュ
ーによる。
18
O 氏によると、日本とヨーロッパのバイヤーの行動様式には大きな差異がある。
ヨーロッパのバイヤーによる一回あたりの発注量が大きい。対する日本のバイヤ
ーは、市販状況に応じて、発注量を調整し、なるべく在庫のないようにしている。
よって、発注量が少なく、納期が短い。日本の加工料は比較的高いが、加工工場
-194-
バイヤーとの交渉では、X 社の業務員は生地の使用について積極的に提案
をしている。生地のコストは、完成品の 6 割を占めており、その提案を通じ
て外国バイヤーへのバーゲンニングパワーを高めることが可能なためである。
江蘇省と浙江省には、多くの繊維産地が集積しており、アパレル生産に必要
な 9 割の生地が調達できる。業務員は、一般的に自らこれらの産地へ生地の
調達に出かける。
生地の産地では、一般的に各種の生地を専門的に扱う生地商人がいて、市
場のなかで店舗を構えている。O 氏のような業務員は、
取引効率を考慮して、
生地商人を通じて工場と接している19。彼らと生地商人の取引関係は安定的
であり、十数年続いている場合もある。
なお、X 社では付属品も、業務員が自ら調達して工場へ支給している。X
社の所在地には、浙江省商人の開設した付属品の専門会社がある。
バイヤーから受注した後、X 社の業務員は、自社の加工工場、または省内
「中国出口服装製造名城」である
の各縫製産地へ加工を依頼する20。O 氏は、
金壇市の工場に発注している。下請先は製品ごとに異なっており、シャツ加
工が 3-4 社、ジャケットが 3-4 社、ズボンが数社、といった具合である。一
としてはかならずしも受注したがらない。
品質管理の面では、日欧とも、繊維製品の品質に関する国際基準や自国内の品
質基準の達成を要請している。ただ、日本のバイヤーは、発注工場への管理、監
督が比較的厳しい。とくに、工程管理、工場のレイアウトなどを大事にしている。
そのために QC 担当者を工場へ派遣することもある。
一方、ヨーロッパのバイヤーは、工場の人権状況をより重要視している。縫製
工場は、往々にしてバイヤーに従業員の労働時間を公表しなければならない。ま
た、ヨーロッパの顧客は、品質チェックに来ることがあるが、細かい点には日本
のバイヤーほどこだわらない。
グローバルバリューチェーン論では、主にヨーロッパやアメリカのバイヤーの
行動様式に注目してきたことにご留意いただきたい。
19
X 社から QC 担当者を生地工場へ派遣することがある。
ただし、
工場の監督は、
主に生地商人に任せている。一方、染色は生地産地で行われている。貿易会社は、
染色工場とは接していない。
20
X 社内には 100%出資の工場が十数社ある。いずれも品質検査不要な優良工場
である。ただ、加工料が高いため、O 氏の場合は、フォーマルウェアの生産時に
のみ利用している。
-195-
般的に、X 社の業務員は一つの工場から 5-8 の生産ラインを借り切り、ライ
ンがフル運転するようにしている。このやり方のほうが、工場にとって受注
が安定しており、また貿易会社にとっても、品質の面で保証があるという。
ただ、工場を完全に借り切ることはない。複数の業者から受注できるように
したほうが、工場長にとって、インセンティブが強く働く。X 社では、縫製
工場のベテラン社員の出身者を中心に、品質管理担当(QC)の専門チームが
設立されている。O 氏は QC 担当者を工場へ派遣して、品質管理をチェック
してもらうことがある。
ところで、この会社では自社ブランドによる国内外市場での販売はほとん
ど行っていない。O 氏によると、デザインやマーケティングには、貿易や工
場生産とは別のノウハウが必要であり、
容易に身につけられるものではない。
以上の事例が示すように、アパレル貿易会社は、見本市への参加や、工場
との取引関係の構築、生地使用面での提案などを通じて、海外のバイヤーに
対してバーゲンニングパワーを強化しつつある。これを支えているのは、江
蘇省や浙江省に大量に存在している繊維、アパレル産地の存在である。ただ
し、外国バイヤーとの取引のみを行ってきたため、X 社のような大手貿易会
社でも、マーケティングや企画デザインの能力は育ってこなかった。
第 4 節 大企業主導型産地
1.概要
第三の類型の産地を「大企業主導型」と呼んでおこう。その数は 11 に止ま
っており、一類型として成立し得るかどうか、検討の余地が残されている。
さしあたり表 2 の集計結果と手元の資料に基づいて検討してみると、そこで
は、地場の大企業を中心に、国内市場向けの販売を行っている。しかし、専
業市場は成立していない。その結果、大企業は、自力で生産と流通の組織に
-196-
取り組むようになっている。このためもあって、この類型の産地では、企業
の成長を反映する二つの指標がとても際立っている。具体的にみると、
第一に、この類型の産地では、大企業の成長が極めて目立っている。表 2
が示すように、すべての産地においては、リーディングカンパニーの成長が
確認されている。また、必ずしも厳密なデータではないが、生産高と企業数
に基づいて計算するなら、他の二つの類型と比較して、一企業あたりの生産
高が最も高い。
第二に、この類型の産地においては、国家レベルのブランドを有する企業
を抱えた産地が割合的に最も多い。国内市場の開拓に際して、大企業が次元
の高い需要層を対象に、ブランド戦略を積極的に推進している様子が窺われ
る。
しかし、アパレル産地を量る指標でみた場合、大企業主導型産地には、こ
れといった特徴点が見当たらない。
まず、見本市を開催する産地は一つしかない。大企業主導型産地では、マ
ーケティングは主に大企業を中心に高い次元の消費者を対象にしながら行わ
れている。そのため、見本市の開催による産地のグレードアップと地域ブラ
ンドの向上を図る努力があまり払われていない。
次に、産地内分業ネットワークが形成されているケースが最も少ない。や
はり、大企業は外部から直接調達するか、自社内で一貫生産をしており、産
地内の関連業者と連携を強める必要が少ないのである。
2.高度化の方向
この類型の産地における高度化は、大企業の経営動向から検討する必要が
ある。ここでは、「中国男装名城」である温州瑞安市 L 社の事例を通じて、
この点を検討しておこう。2005 年時点で、瑞安にはアパレルメーカーが 300
社集積しており、主に紳士用のスーツ、カジュアルウェア、ニットの生産に
携わっている。これらの企業による生産高は 90 億元に達しており、雇用規模
-197-
は 10 万人となっている21。L 社は、瑞安における代表的なカジュアルウェア
企業である22。同社は 2001 年に創業した新規参入者であるが、2005 年時点で
すでに 1,600 万着の年間生産量、8,000 万元の年間売上を達成している。
この会社の経営の特徴は、一部の中枢機能を本社に置く以外に、生産と流
通に係るすべてを域外で行っていることである。まず、デザインについてみ
ると、同社は広東の中山にデザイン会社を、上海にはその支店を設立してお
り、年間数百万元のデザイン投資を行っている。2006 年時点で、同社によっ
て開発された衣服の種類は、1,000 以上にも上っている。
生産の面では、L 社が上海、広州、中山のアパレル産地やアパレルメーカ
ーに縫製加工を依頼している。加工する製品の業種は、工場によって異なっ
ている。製品のデザインは、本社が決めており、生地と付属品も本社から提
供している23。L 社から品質担当者を工場へ派遣することがある。なお、同
社は、
これらの下請け先の約 7 割との間で安定的な取引関係を結んでいる24。
残りの 3 割については、毎年設備、技術力、従業員などの指標を審査し、不
合格の工場を淘汰するようにしている。
L 社の製品は、主に国内の中小都市と県級都市の中間層を対象に販売され
ている25。そのために、同社は全国各地に 400 店以上のチェーン店を設立し
ている26。その大多数は代理店であり、主に上海(50-60 店)、浙江(110 店)
、
江蘇(100 店弱)
、東北三省(100 社)といった地域に集中している。L 社の
代理店の経営者の 6-7 割は、温州出身である。同社は、中国各地にある「温
州商会」を通じて、代理商を探してきた27。なお、代理店では、一般的に本
21
「中国男装名城」
、
http://www.66ruian.com/Html/ramp/, 2007 年 2 月 7 日アクセス。
22
L 社に関する情報は、筆者の 2006 年 10 月の当社瑞安本社でのインタビューに
よる。
23
生地の仕入れ先は、広東省が多い。
24
それによる生産高は、全体の 8-9 割を占めている。
25
大都市の消費者層は、経営戦略などの理由から販売の対象からはずされた。
26
そのうち、十数店は自社の直営店であり、500-600 人の従業員を採用している。
27
ただ、いまでは広告などを通じて、温州以外の商人による加盟も誘致している。
-198-
社が統一して販売価格を決定する28。売れない商品は、一定の比率まで返品
が可能である。L 社における製品の完売比率は、7 割-9 割の水準に達してい
る。
L 社の瑞安にある本社は、もっぱら情報管理、物流管理とマーケティング
に特化している。デザイン、生産、販売に関する情報を集中的に管理するた
めに、本社では情報化センターが設置されており、十数人のスタッフが情報
システムのメンテナンスに当たっている29。また、本社には物流倉庫があり、
加工した衣料品の集荷と出荷を集中的に行っている。さらに、代理商会議の
開催やブランドの宣伝など、マーケティング活動も本社で行われている。
以上のように、専業市場が存在せず、企業が自ら生産と流通の組織に乗り
出す場合には、産地の生産基地としての意義が薄れてくる。大企業は、産地
内外に存在するあらゆる経営資源を活用しているからである。L 社に関して、
とりわけ注目すべきなのは、生産面において各地にデザインと加工の資源が
存在しており、また流通面において温州人のネットワークが存在しているこ
とである。このために、同社は極めて短期間に、企画、デザインとマーケテ
ィング機能に特化する高度な経営を実現してきた30。
第 5 節 産業の集積とは異なる動き
1.垂直統合を目指す大手メーカー
以上検討してきたように、アパレル産業の集積が進む中で、貿易会社にし
28
夏服は、十数元から二十数元程度である。冬服は、百元以上する。
本社職員数は、全部で 120 人いる。
30
瑞安産地のアパレル企業は、中国国内で 1 万店近くの専門店とチェーン店を開
設している。付録をみると、第三類型の産地の大半は、瑞安のような遠隔地取引
の伝統を有する地域である。専業市場が不在する場合、遠隔地にある生産の資源
を利用し、市場の情報を収集するには、やはりこのような伝統から生まれた商業
ネットワークが必要なのである。
29
-199-
ても、企画、デザインとマーケティングに特化した企業にしても、各繊維、
アパレル産地の経営資源を広範に活用しながら成長してきた。しかし、こう
した動きとは裏腹に、一部の大手メーカーは、垂直統合を図る方向へ展開し
ようとしている。その代表的な事例は、中国アパレル企業最大手のヤンガー
(雅戈爾)集団である31。
1979 年に創業したヤンガー集団は、
2005 年時点で売上 167 億元、
利潤 10.18
億元、税金 5.6 億元(浙江最大)を達成している。同社によるスーツの生産
量は 7 年連続、シャツの生産量は、12 年連続で中国の第一位を占めている。
縫製の面でヤンガー集団の寧波本社では、1980 年代以来、次第にシャツ(18
の生産ライン)
、スーツ、ファッション服(4 つの生産ライン)の生産部門を
設置してきた。2005 年に、同社は新たに重慶に二つの工場を開設している。
生地についてみると、同社は 1985 年に毛織物の生産工場を開設した。その
後、次第に毛織物の生産に関する紡績、織り、染め、整理の工程を社内に備
えてきた。そして、当社は 2003 年に 10 億元を投資して、ヤンガー紡織城を
建設した。そこでは、日系企業と提携しながら、高級先染め生地、プリント
生地、またニットの生産と開発に取り組んでいる。
販売についてみると、ヤンガー集団ではこれまで国内市場を中心に展開し
てきた。1995 年に開設した最初の国内販売店を皮切りに、同社ではこれまで、
2,000 店以上の国内販売拠点を設立してきた。そのうち、300 店は自社の直営
店である。輸出についてみると、同社は米国、香港、日本に子会社を設立し
ている。そこでは、原料の調達、提携先のサーチ、またバイヤーからの受注
といった業務を担っている。
さらに、ヤンガー集団は、R&D も自社内で行う方向で発展してきた。これ
まで、同社では、アパレルデザイン、高級生地、衣服の裏地、小売チェーン
店運営システム開発に関する R&D センターが相次ぎ設立された。とりわけ
小売チェーン店運営システムの開発には、17 億元もの巨額の資金がつぎ込ま
31
ヤンガー集団の概要は、2006 年 7 月に筆者の当社でのインタビューと当社の
パンフレットによる。
-200-
れた。同社は、今後、三次元による人体のデータベースの構築にも着手する
予定である32。
2. 大企業による産業移転
産業の集積と異なるもう一つの動きは、経済後進地域への生産拠点の移転
である。表 5 が示すように、代表的な企業の移転は、すべて 2000 年以降から
始まっている。沿海部において労働力不足の問題が顕在化してきたことが、
このような移転を促すきっかけとなったと考えられる。具体的にみると、大
企業による産業移転には二つのパターンがある。
表 5 大手メーカーによる産業移転の事例
産地名
企業名
業種
移転先
年度
ヤンガー
スーツ、シャツ
重慶
2005
太平鳥
カジュアルウェア
湖北省宜昌市
2005
山東省徳州
2000
波司登
ダウンジャケット
江蘇省高郵
2005
安徽省銅陵
2002
山東省郯城
2006
江蘇省南通
不明
寧波
常熟
スポーツウェア
上海
東隆集団
ダウンジャケット
出所: ヤンガー、太平鳥:2006 年 7 月の寧波本社でのインタビューによる。
波司登:2002 年の常熟本社でのインタビューと「新農村建設中的産業聚集与労働力転
移問題研究」[2006](江蘇省統計局ホームページ、http://www.jssb.gov.cn/tjfx/sxfxzl/1
200611280057.htm、2007 年 2 月 7 日にアクセス)による。
東隆集団:2006 年 9 月の上海青浦本社でのインタビューによる。
32
なお、同社は繊維、アパレル事業以外でも、経営の多角化を積極的に進めてい
る。その分野は、不動産、重化学製品貿易、ホテル経営、動物園、リゾート開発、
文房具、マスコミ、証券会社などに及んでいる。
-201-
第一のパターンは、沿海部の後進地域へ移転するケースである。常熟と上
海の会社の移転先は、このケースに当てはまる。一般的に、移転先の地域で
も、ある程度アパレル生産加工能力を持ち合わせている。例えば、江蘇省の
高郵と山東省の郯城とも、中国紡織工業協会から指定された「紡織産業特色
名城(鎮)
」である。とりわけ前者は、ダウン加工の産地として、1980 年代
からすでに国内の大手メーカーより縫製加工の発注を受けてきた。
もう一つのパターンは、寧波の二社のように、内陸部へ移転するケースで
ある。その場合、労働力の確保と同時に、市場の開拓が主要な目的として考
えられる。そのために、これら会社の工場は、一般的に内陸部の重要都市の
近辺に設立されている。
おわりに
中国のアパレル製品は、クォーターが撤廃された 2005 年以降、世界市場を
席巻するようになっている。その過程で、米国やヨーロッパとの間で、貿易
摩擦が起き、またアフリカなどの後発工業国の地場産業にも、大きなインパ
クトを与えるようになっている。本章の検討が示すように、このような状況
は、低賃金労働力の大量存在というファクターのみで解釈しきれるものでは
なかった。産業集積の形成とそこにおけるオーガナイザーの成長こそ、中国
アパレル産業の独自の国際競争力を理解する最大のポイントだといえる。本
章では、65 のアパレル産業集積を 3 つの類型に分類し、オーガナイザーの機
能を中心にそれぞれの高度化の特徴を検討してみた。
第一の類型は、専業市場推進型産地である。そこでは、「専業市場」と呼
ばれる商品取引市場が形成されており、主に国内の中、底辺市場向けに生産
が行われている。広大な国内市場からやってくる小商人と産地内部の夥しい
数の小生産者を組織するうえでは、個別の企業では限界があり、これらの中
小企業が集う舞台である市場自体が、オーガナイザーとなったわけである。
-202-
この類型の産地の数は、65 産地の半分以上も占めており、中国アパレル産地
の代表的な類型だといえる。
専業市場では、伝統的市場と同様に、地場製品の販売や生地、付属品の供
給、また情報の集積などの機能を有している。ただ、それがアパレル産地の
発展に寄与しえたのは、地方政府からの介入で市場に二つの変化が生まれた
ためである。その一つは、インフォーマルな取引空間の改造による取引効率
の向上であり、もう一つは各地の「市場」に展開される商人ネットワークの
改造による国内市場開拓機能の強化である。そのためもあって、専業市場推
進型産地は、産地全体の発展水準を示す指標、すなわち見本市の開催と産地
内分業ネットワークの形成の面で、最も高い水準を示している。
近年、既存市場の取引高が拡大しつづけている。一方、新しい市場も相次
ぎ開設されている。新設市場の場合に、専業市場の本来の集散機能などが強
化されただけでなく、デザインのような高付加価値を生み出す機能も新たに
賦与されている。専業市場は、中国アパレル産業の高度化を推進するオーガ
ナイザーとして、その役割がますます期待されているのである。
第二の類型は、輸出指向型産地である。この類型の産地においては、輸出
が生産高全体の 5 割以上を占めているが、専業市場は成立していない。そこ
では、グローバルバリューチェーン論が想定しているように、外国のバイヤ
ーが産地のオーガナイザーとして機能しているのである。このような特徴か
ら、輸出指向型産地においては、自前の企画、デザイン能力の向上よりも、
先進国のバイヤーからの品質や経営管理上の要請にいかに応えるかに、経営
のポイントが置かれてきた。このこともあって、この類型の産地では、国家
レベルのブランドを有する企業の育った産地の数と、見本市の開催が確認で
きた産地の数が最も少ない。
ところで、中国では貿易制度の影響で、グローバルバイヤーと直接接する
企業は少なく、両者の間には一般的に有力な貿易会社が介在してきた。江蘇
省の事例が示すように、このような貿易会社は、アパレル産地のオーガナイ
ザーの一つとして、顧客の獲得や工場との取引関係の構築、生地の提案など
-203-
の面でイニシアティブを取りつつ、グローバルバイヤーとのバーゲンニング
パワーを強化してきた。ただ、外国バイヤーとの取引に特化してきたため、
マーケティングや企画デザインの面においては、依然として課題が残されて
いる。
第三の類型は、大企業主導型産地である。この類型の産地は、国内の中間
層以上の市場を中心に展開している。しかし、専業市場が成立しておらず、
逆に一群の大企業が主導的な役割を果たしている。瑞安 L 社の事例は、そこ
における一つの発展の方向性を示している。同社は、企画、デザインと販売
の機能に特化しており、生産加工や小売をほとんど産地外部の企業に下請け
させてきた。中国各地に広範に存在するアパレル産地と、温州商人のネット
ワークが、このような経営を短期間に実現させた。
こうした企業の出現により、大企業主導型産地は、リーディングカンパニ
ーや国家レベルのブランドの有無といった企業レベルの指標の面では、抜き
ん出ている。しかし、見本市の開催、産地内分業ネットワークの整備といっ
た産地全体の特徴を示す指標に関しては、各類型のなかで最も低い水準にあ
り、産業集積の生産基地としての色彩が薄れている事実を示唆している。
なお、本章の最後で取り上げたように、沿海部への産業の集積という大き
な流れのなかで、中国アパレル産業には、二つの注意すべき動きがある。一
つは、ヤンガー集団のように、上流の紡績、織物から、下流の小売チェーン
店まで、垂直統合を図る動きである。もう一つは、大企業による生産拠点の
一部を後進地域へ移転する動きである。後者は、これまでほとんど沿海部に
集積していたアパレル産業の内陸部移転を促し、その本格的な工業化につな
がるかどうか、今後の注目すべきところである。
-204-
[参考文献]
<日本語>
伊丹敬之・伊丹研究室編著[2001]
『日本の繊維産業-なぜ、これほど弱くな
ってしまったのか』 NTT 出版.
小川秀樹[1998]『イタリアの中小企業-独創と多様性のネットワーク』日
本貿易振興会.
竹内常善[2004]
『現代繊維産業分析-東アジア工業化の視点から』名古屋大
学東アジア工業化研究会.
<英語>
Schmitz, Hubert[2006]“Learning and Earning in Global Garment and Footwear
Chains,” European Journal of Development Research, Vol.18, No.4,
December 2006.
<中国語>
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「試論浙江省的専業市場」“2006 第五届産業集群与区域発展国際
学術会議”提出論文.
国家統計局貿易外経統計司編[2001]
『中国商品交易市場統計年鑑 2001』
中国統計出版社.
国家統計局貿易外経統計司編[2005]
『中国商品交易市場統計年鑑 2005』
中国統計出版社.
孟楊・牛艶紅[2006]
「産業集群利在行業利在地方利在百姓」
(
『中国紡織経済
信息網』
、元出所は『紡織服装週刊』http://www.ctei.gov.cn/chanyejidi/
newshow1.asp?xx=71874、2007 年 2 月 5 日アクセス)
.
張楽人・陳奕材・林干[2004]
「
“牛仔城”拉動新塘経済」
、http://powertown.cb
iq.com/NewsDetail.asp?FId=1914&FNewsClassId=002&FTownId=67、
元出所
は、
『人民網-華南新聞』
、2007 年 2 月 12 日アクセス)
.
-205-
中国紡織工業協会編著[2006]
『中国紡織工業発展報告(2005/2006)
』中国紡
織出版社、p.93.
中国製衣雑誌社・中国紡織導報雑誌社[2006]
『2006 中国著名紡織服装基地
実用商務地図』
.
-206-
付録 1 専業市場推進型産地一覧
市
県(市、区) 鎮(街道)
称号
東莞
虎門
中国女装(婦人服)名鎮
佛山
順徳
均安
中国牛仔(ジーンズ)名鎮
掲陽
普寧
中国紡織産業基地市(県)
広州
増城
新塘鎮
中国牛仔(ジーンズ)服装名鎮
中山
沙渓
中国休閑服装(カジュアルウェア)名鎮
東莞
大朗
中国羊毛衫(セーター)名鎮
佛山
禅城
環市
中国童装(子供服)名鎮
佛山
順徳
張槎
中国ニット名鎮
佛山
南海
塩歩
中国内衣(下着)名鎮
スワトー
潮南
両英
中国ニット名鎮
スワトー
潮南
陳店
中国内衣(下着)名鎮
揚州
高郵
中国ダウン服装製造名城
蘇州
常熟
中国休閑服装(カジュアルウェア)名城
蘇州
常熟
新港
中国毛衫(セーター)名鎮
蘇州
常熟
古里
中国ダウン名鎮
蘇州
常熟
海虞
中国休閑服装(カジュアルウェア)名鎮
蘇州
常熟
沙家浜
中国休閑服装(カジュアルウェア)名鎮
蘇州
常熟
辛荘
中国ニット服装名鎮
蘇州
呉江
横扇
中国毛衫(セーター)名鎮
金華
義烏
中国袜業(靴下)名城
金華
義烏
中国無縫ニット服装名城
湖州
呉興
織里
中国童装(子供服)名鎮
嘉興
桐郷
濮院
中国羊毛衫(セーター)名鎮
紹興
大唐
中国袜業(靴下)名鎮
諸暨
杭州
中国著名紡織シルク服装城
紹興
嵊州
中国ネクタイ名城
泉州
石獅
中国休閑服装(カジュアルウェア)名城
泉州
石獅
霊秀
中国運動休閑服装(スポーツ、カジュアルウェア)名鎮
泉州
石獅
蚶江
中国西褲(ズボン)名鎮
泉州
石獅
宝蓋
中国服装補料(付属品)服飾名鎮
泉州
晋江
深滬
中国内衣(下着)名鎮
青島
即墨
中国ニット名城
臨沂
郯城
中国男装(紳士服)加工名城
邯鄲
磁県
中国童装(子供服)加工名城
鞍山
海城
中国紡織産業基地市(県)
出所: 表 1 に同じ。
-207-
付録 2 輸出指向型産地一覧
省
市
県(市、区) 鎮(街道)
広東
スワトー
潮陽
広東
スワトー
澄海
広東
東莞
称号
谷饒
中国ニット内衣(下着)名鎮
中国工芸毛衫(セーター)名城
中国紡織産業基地市(県)
広東
江門
広東
潮州
開平
中国紡織産業基地市(県)
広東
佛山
広東
深圳
広東
江門
開平
広東
恵州
恵城
中国男装(紳士服)名城
広東
茂名
高州
中国手袋名城
浙江
寧波
浙江
嘉興
平湖
中国出口服装製造名城
浙江
寧波
象山
中国ニット名城
浙江
杭州
桐廬
横村
中国ニット名鎮
福建
泉州
晋江
英林
中国休閑服装(カジュアルウェア)名鎮
福建
泉州
晋江
新塘
中国運動服装(スポーツウェア)名鎮
福建
泉州
石獅
鳳里
中国童装(子供服)名鎮
江蘇
常州
金壇
中国出口服装製造名城
山東
煙台
海陽
中国毛衫(セーター)名城
中国婚紗晩礼服(ウェディングドレス)名城
南海
里水
中国袜子(靴下)名鎮
中国著名服装城
三埠
中国牛仔(ジーンズ)服装名鎮
中国著名服装城
出所: 表 1 に同じ。
付録 3 大企業主導型産地一覧
省
広東
広東
浙江
浙江
浙江
浙江
福建
福建
江蘇
山東
河北
市
県(市、区) 鎮(街道)
スワトー
潮南
峡山
中山
大湧
温州
温州
瑞安
紹興
諸曁
楓橋
温州
楽清
泉州
泉州
晋江
蘇州
張家港
塘橋
諸城
潍坊
保定
容城
称号
中国家居服装(ホームウェア)名鎮
中国牛仔(ジーンズ)服装名鎮
中国著名服装城
中国男装(紳士服)名城
中国シャツ名鎮
中国休閑服装(カジュアルウェア)名城
中国著名服装城
中国紡織産業基地市(県)
中国綿紡織毛衫(セーター)名鎮
中国男装(紳士服)名城
中国男装(紳士服)名城
出所: 表 1 に同じ。
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第6章 アパレル産業の発展方向 - 産業の集積とオーガナイザーの成長