戸別訪問業務の高度化・効率化
介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
株式会社三菱総合研究所
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
目次
 演習の概要
 介護・福祉業務における戸別訪問業務の現状
 GISの活用による訪問業務を高度化・効率化の方策
 演習① 住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!
 演習② モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!
 演習の振り返り
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習の概要
 演習の目的
 介護・福祉分野において重要となる戸別訪問業務(高齢者単独世帯等の見守り訪
問、介護認定調査のための訪問等)における現状の課題を整理し、地理空間情報
/GISを活用し、業務を効率化/標準化する方法を学ぶ。
 「訪問業務支援ツール」を使った訪問業務体験を行うことで、“業務の効率化”のイ
メージをつかむ。
 日常業務において利用する各種台帳等をGISデータ化することの業務改善の可能
性を検討する。
 演習の特徴(重視ポイント)
 個人や施設等の分布図の作成
 作成した分布図をモバイル端末へ移行することで、地図の持ち歩きによる業務の効
率化
 演習に必要な環境
 訪問業務支援ツール(シラバス別紙「演習で利用するツールについて」を参照)
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戸別訪問業務の高度化・効率化
介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
介護・福祉業務における戸別訪問業務の現状
■福祉業務における戸別訪問の例
業務内容
高齢者
福祉
生活保
護
子育て
世帯
高齢者見 独居高齢者、認知症高齢者等のほか、配慮が必要な高
守り
齢者が安心して暮らし続けられるように、自治体職員や、
地域包括支援センターほかが高齢者世帯を定期的に訪
問して、安否を確認する事業。
介護認定 市町村の認定調査員による心身の状況調査(認定調査)
調査業務 を行う業務。
訪問者
自治体職員のほか、
地域包括支援セン
ター職員による訪問
等が行われている。
市町村の認定調査
員が基本だが、指定
居宅介護支援事業
者等に委託可能
生活保護 病気や貧窮、あるいは高齢や障害など、さまざまな理由 市区町村職員(社会
世帯戸別 によって社会生活を送ることに何らかの問題を抱えている 福祉士)
訪問
人の相談に乗り、適切な助言・援助。対象者の生活状況
等により、訪問頻度が異なる(例:月1回、3か月に1回、年
に1回程度)
子育て世 妊娠や出産について心配のある場合に訪問する「妊婦訪 保健師や看護師の
帯見守り 問」や、4か月未満の子どもがいるすべての家庭に訪問し、 資格を持つ母子保
相談
育児等の相談や子育てに関する情報の紹介等を行う「乳 健推進員等が訪問
幼児訪問」、健診を受けなかった家庭を訪問する「未受診
者訪問」がある
今後の動向
高齢化に伴
い急増
低所得層の
拡大傾向
子ども・子育
て関連3法
の成立によ
り重視傾向
※その他、保育料徴収、障害者世帯訪問や、介護保険料徴収、公営住宅滞納徴収等、さまざまな戸別訪問業務がある。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
介護・福祉業務における戸別訪問業務の現状
Q.現在、介護・福祉分野の戸別訪問業務において
a. 地図を使っている部分で課題になっていることは何で
すか。
b. 地図を使えればもっと便利になると思うことは何です
か。
お隣前後の人と少し話し合ってみましょう。
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戸別訪問業務の高度化・効率化
介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
介護・福祉業務における戸別訪問業務の現状(例1)
 高齢者の居住地は台帳で住所情報で管理し、必要に
応じて紙地図にプロットしたり、位置を検索している
各部署で保有する台帳・リストでは場所がわからない
code
氏名
1 ○○ ○○
2
性別
男
年齢
住所
72 △△町△-△-△
家族構成
本人のみ
身寄りの家族状況 所得
市内居住
なし
要介護度 ケアマネージャー
・・・
3 □□□□
ひとつひとつの住所情報をもとに、市販の地図、住宅地図等と照合したりして紙地図に書き込
んだり、都度Google maps等の地図サイトで検索した結果を印刷したりする
<課題>
• 件数が多いと特定作業に膨大な時間がかかる
• Google maps等を使っても、1か所ずつ位置を検索する
必要がある/検索結果を個別に出力する必要がある
• 情報が更新されると地図を一から書き換える必要がある
• 担当者それぞれが独自のやり方で個別に地図を作成し
てしまい、情報の集約が困難
• 今後、高齢化により対象者が急増するとさらに作業が大
変になる 等
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
介護・福祉業務における戸別訪問業務の現状(例2)
 訪問に必要なあらゆる情報を持ち歩くのは大変
外で紙地図を広げて場所を探す
<課題>
• 紙地図で訪問先や訪問ルートを探すのは大変
• その日に訪問しない訪問先の情報も持ち歩くこと
になる(情報を発見しにくい)
• 万一、外出先で台帳や地図を紛失してしまうと、
機微な情報も漏洩してしまう懸念(拾得者がどの
ように情報を使うかわからない) 等
相談業務に必要な情報は膨大
<課題>
• 相談者の最寄りの地域資源を的確に教えること
ができない
• 地域資源を紹介するのに場所をわかりやすく教え
られない 等
⇒担当者の知識の範囲でしか相談対応ができない
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
介護・福祉業務における戸別訪問業務の現状のまとめ
①地図の作成・更新に
関する課題<例1>
②業務フローの標準化
に関する課題
③他部署等との情報共
有における課題
現行の訪問業務における課題
・紙地図に訪問先の位置をプロットしたもの(例:切り貼りの住宅
地図、Google Maps等で個別に出力)を持ち歩いており、劣化や
情報更新、紛失時に都度作成しなおす必要がある。
・訪問ルート選定等は各訪問担当者が独自に行っており、担当
者により訪問効率が大きく異なる。人事異動が生じた場合、慣れ
ない担当者ではより時間がかかる可能性がある。
・事業者/市民等に委託/協力依頼をしている訪問業務について
は、事業者/市民により訪問方法、訪問報告結果の形態が異な
るため、非効率になっている。
・訪問記録等は紙媒体のみで管理しており、関連部署/関係主
体と共有されておらず、またバックアップもない。この結果、生活
困難の複合化(DV被害、生活の自立支援、母子家庭等)への対
応が難しい。
・訪問先で市民から相談された際、関連する施設・サービス等の
地域資源の立地状況がわからない。
④他の情報との重ね合
わせにおける課題<例
2>
⑤情報漏洩等への対応 ・訪問先がプロットされた紙地図や台帳等を外部に持ち出して訪
における課題<例2> 問しており、紛失資料をコントロールできない。
⇒このほか、現行業務の課題を挙げてみましょう!
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
GISの活用による訪問業務を高度化・効率化の方策
課題
①地図の作成・
更新に関する
課題
②業務フローの
標準化に関す
る課題
③他部署等と
の情報共有に
おける課題
④他の情報と
の重ね合わせ
における課題
⑤情報漏洩等
への対応にお
ける課題
GISによる改善イメージ <>はGISの機能
・台帳・リストの住所をもとにいっせいに地図にプロットすることができる。<ア
ドレスマッチング>
⇒訪問先や地域資源等、短時間でプロット図が作成可能。修正・更新も容易。
・簡単に最短ルートを検索することが可能。<ルート検索>
・同一ツールを使えば、訪問結果の集約も標準化可能。
⇒担当者が同一基盤を使うことで、業務の効率化が容易になり、管理者の情
報管理が簡素化される。
・高齢者等の居住分布が必要な他の部署/他の主体に、位置情報付きで情
報を共有することができる。<GISデータ出力>
⇒これまでバラバラに管理されていた情報の重複整備・管理を回避し、同一
の情報基盤で業務を遂行することができる。
・訪問先の相談業務において地域資源等の情報を提供する際、訪問先の立
地を踏まえた情報提供が可能となる。<重ね合わせ、近傍検索>
⇒訪問者の最寄りの施設やサービスの紹介が可能となる。
・セキュリティ対策、遠隔管理、データの所在等の運用を工夫することで、端
末紛失等に対応することができる。
⇒地図データ自体の保管場所はサーバーとし、モバイル端末からはサー
バーへ参照しにいく形とすれば、端末の紛失等のリスク回避も可能。情報の
漏洩リスク等を軽減することができる。
演習①
住民や地域
資源を地図に
プロットしてみ
よう!
演習② モ
バイル端末
でGISを使っ
て訪問業務
を体験しよ
う!
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習で利用する訪問ツールについて
 「訪問業務支援ツール」(※ツールを使った演習をしない場合は、シラバス(別紙)「演習で利用す
るツールについて」を参照のこと)
 「PC版」(演習①「住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!」で利用)と「モバイル端末版」(演
習②「モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!」で利用)による構成
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習① 住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!
 演習目的
 住所リストをGISを活用して自動的に地図に落とす手法(アドレスマッチン
グ)を学ぶことで、地図化作業の効率化を理解する。
 演習内容
 日常業務で利用している(作成している)高齢者の台帳リストを使い、高齢
者の居住分布を把握する。
 高齢者向けの地域資源(病院、介護福祉施設、介護福祉サービス、集会
所・公民館等)の施設リストをもとに、地域資源マップを作成する。
※本演習では、便宜上、高齢者リスト及び施設リストにて行うが、各自治体で日常的に利
用している住所リストで同様の作業が可能。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習① 住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!
 地図化する高齢者データ
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習① 住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!
 地図化する地域資源データ
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習① 住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!
 (1)高齢者リストをプロットしましょう(高齢者リストが地図になる
手順のイメージ)
②①のcsvファイルを「訪問
業務支援ツール(PC版)」に、
アップロードする。
①要介護者リストや介護保険シス
テム、住民基本台帳等から、訪問
先の高齢者リストをcsv形式で抽出
する。
(※)本演習では、抽出済のデー
タ(見守り対象となっている一人
暮らし高齢者リスト)を活用。
③②のデータの住所情
報をもとに緯度経度情
報を付与します。(訪
問業務での活用を想定
し、住居表示の「号レ
ベル」の精度)
④地図上に表示し、
分布を確認します。
位置がずれていれ
ば、修正します。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習① 住民や地域資源を地図にプロットしてみよう!
 (2)地域資源をプロットしましょう(地域資源リストが地図になる
手順のイメージ)
②①のcsvファイルを「訪問
業務支援ツール(PC版)」に、
アップロードする。
③②のデータの住所情
報をもとに緯度経度情
報を付与します。(訪
問業務での活用を想定
し、住居表示の「号レ
ベル」の精度)
①地域資源の住所リストを作成し
ます。
(※)本演習では、作成済の地域
資源の住所リストを提供します。
④地図上に表示し、
分布を確認します。
位置がずれていれ
ば、修正します。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習② モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!
 演習目的
 モバイル端末で訪問先や地域資源の位置やルートを検索・確認しながら、訪問業
務を体験し、紙地図との違いを体験する
 演習内容
 一人暮らし高齢者の見守り訪問を想定
 「訪問業務支援ツール(モバイル端末版)」と紙地図を使った場合それぞれの一連
の訪問業務を体験する。
 研修拠点近隣の一人暮らし高齢者(想定する場所)を3件程度巡回する





(1)訪問ルートを考える<ルート検索>(演習室・外部)
(2)モバイル端末を見ながら訪問する<現在地確認・訪問ルート確認>(外部)
(3)訪問先で様々な情報を確認する<属性検索・近傍検索等>(外部)
(4)訪問記録を作成する<属性編集>(外部)
(5)訪問記録結果を掃き出す<データ出力>(演習室)
 演習の体制(演習②と連動)
 2~3人で1チーム体制。モバイル端末1台と紙地図(住宅地図)1冊を活用。
 2~3チームで1グループを形成し、グループごとに外部演習を実施。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習② モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!
 (1)訪問ルートを考える(訪問順を検討する手順のイメージ)
①「演習①」で作成した一人暮らし高齢者か
ら、本日の訪問先をフラグにチェック
③「訪問先選択」で本日の訪問先だけを抽出します
②モバイル端末のアプリケーションを立ち上
げ、ログインし、地図を立ち上げて高齢者と
地域資源のポイントを表示します。
④現在地から、一番初めに訪問する順序を決めます。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習② モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!
 (2)モバイル端末を見ながら訪問する(訪問ルートの表示イメージ)
①現在地を確認する
②訪問ルートを確認する
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習② モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!
 (3)訪問先で様々な情報を確認する(訪問先の属性を確認するイメージ)
①訪問者の属性を確認する
(個人属性、前回の訪問内容等)
②訪問先の市民から相談を受けている状況を
想定し、訪問者の最寄りの病院等を検索しま
す。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習② モバイル端末でGISを使って訪問業務を体験しよう!
 (4)訪問記録を作成する(訪問結果を端末に記録するイメージ)
訪問記録をつけるため、訪問先の属性を表示
させる。
「最終訪問日」を記録する。
「メモ」欄に気付いた点等を記録する。
 (5)訪問記録結果を掃き出す
(データ出力イメージ)
帰庁後(演習室に戻ったら)、PC版で訪問記
録が更新されたファイルをcsv形式で掃き出し
ます。
⇒各担当者のcsvファイルを統合・集約すれば、
最新の訪問状況を管理することができます。
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介護・福祉業務におけるGIS 高度活用人材育成プログラム
戸別訪問業務の高度化・効率化
演習の振り返り
 チームごとに以下の点について話し合いましょう。演習
で行ったことの再確認も含めて、意見を出し合いましょ
う。
a. 演習①、②を通じて、紙地図とGIS(訪問業務支援ツール)で
はどのような点が違いましたか。GISの方が便利な点、特に
かわらない点をそれぞれ挙げてみましょう。
b. 演習①で作成した高齢者や地域資源の地図や、一連の訪
問業務支援ツールが有効な場面はありますか。
c. 戸別訪問業務にGISを導入するにあたって課題になることは
ありますか。
d. 訪問業務を支援するツールとして、どのような機能・要件が
あるとよいと思いますか。
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