2002.7.14
朝霞市講演会
フッ素でむし歯予防
-その科学的根拠-
国立保健医療科学院・口腔保健部
安藤雄一
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなもの
があるのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績(効
果)があるのか
• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について
• なぜ虫歯予防が必要なのか
• 有効とされる虫歯予防法とは
• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯
予防方法
歯科医療の発展段階
日本の
現状?
第3段階
科
第2段階
第1段階
予防歯
修復歯科
痛みの緩和
むし歯の原因と予防法
はみがき
細菌
甘味の適正摂取
砂糖
むし歯
フッ素を利用
歯質
う蝕予防のために有効な
フッ化物応用方法
• 全身応用
• 局所応用
フッ化物を服用
(飲む)方法
局所的にフッ化物を
作用(うがい、塗る)
させる方法
フッ化物の全身応用
いずれの
方法も現
在、日本で
は行われ
ていない
• 水道水フッ化物添加
• フッ化物添加食塩
• フッ化物錠剤
• フッ素入りミルク
フッ化物の局所応用
•フッ化物配合歯磨剤
•フッ化物洗口(フッ素洗口)
•フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)
など
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなもの
があるのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績(効
果)があるのか
• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について
• なぜ虫歯予防が必要なのか
• 有効とされる虫歯予防法とは
• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯
予防方法
「フッ素」と「フッ化物」
• フッ素(fluorine)は、元素
– フッ素元素(F2)は気体
– しかし、天然に元素(気体)の状態で存
在することはほとんどない
• フッ化物は、化合物(イオン)
– 虫歯予防に用いられるのは、フッ化物
• フッ化ナトリウム(NaF)
• フッ化スズ(SnF2)
• モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)
– 実際には、イオンが歯に作用する
を市
よ販
くの
見歯
る磨
と剤
出の
て成
い分
ま表
す示
自然界でのフッ素濃度
• 土壌:300ppm*以下
• 空気:0.02~2.00ppb**
• 水 :0.01ppm前後。
地表水:0.05~0.2ppm,地下水:0.1~1.0ppm
• 海水:1.3ppm
* ppm:100万分の1(1%=10000ppm)
**ppb:10億分の1(1ppm=1000ppb)
環境中・人体中における元素の比率
1.酸素
海
水
2.水素
中
3.塩素
の
4.ナトリウム
元
5.マグネシウム 素
の
:
比
12.フッ素
率
13.窒素
人
体
中
の
元
素
の
比
率
1.酸素
2.炭素
3.水素
4.窒素
5.カルシウム
:
12.ヨウ素
13.フッ素
水道水フッ化物添加が実現するまで
の歴史(20世紀前半)
• 斑状歯の流行調査(Mckay FS, Black GV)
– 原因を特定できず
– 飲料水中の何らかの物質が原因
– 斑状歯流行地域では、う蝕が少ない
• 原因の特定(Churchill HVほか)
– 飲料水中の過量のフッ素が原因である
– 動物にフッ素を投与し、斑状歯を発現させる
↓
• Deanの研究へ
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなも
のがあるのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい
実績(効果)があるのか
•
•
•
•
フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について
なぜ虫歯予防が必要なのか
有効とされる虫歯予防法とは
まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯
予防方法
世界における各種フッ化物応用の
実施状況(推定値、単位:百万人)
1990年 2000年 日本
210
300 なし
水道水フッ化物添加
0.2
0 なし
学校水道水フッ化物添加
4
97 なし
食塩への添加
0.1
0.2 なし
ミルクへの添加
20
15 なし
液剤/錠剤
20
100 約30万人
洗口
20
30 約4割(小児)
塗布
450
1500 約9千万人
歯みがき剤への添加
〈出典〉 Rugg-Gunn A:BDJ, 191(9): 478-488, 2001
水道水フッ化物添加
(水道水フッ素化)
(水道水フッ化物濃度調整法)
(フロリデーション Fluoridation)
• う蝕予防を目的とし,飲料水中に,
天然に存在するフッ素の適正量を
模倣して,人工的にその濃度レベ
ルまでフッ化物(フッ素)を調整す
る方法
世界における
水道水フッ化物添加の普及状況
• 国民の半数以上が利用;
– 米国,カナダ,アイルランド,オーストラリア,
ニュージーランド
• 全住民が利用;
– シンガポール,香港特別行政区
アメリカ合衆国における水道水フッ化物添加
(フロリデーション)の普及状況
50大都市のうち45で水道水フッ化物添加が実施されている
20世紀の米国における公衆衛生の10偉業
Ten Great Public Health Achievements -- United States, 1900-1999
•
•
•
•
•
•
•
•
ワクチン接種
自動車の安全性
安全な職場
感染症のコントロール
冠状動脈性心疾患と脳卒中の減少
安全で健康的な食品
母子保健
家族計画
• 飲料水のフッ化物添加
• 喫煙を健康障害の危険性があると認知したこと
MMRW: April 02, 1999 / 48(12);241-243
日本における水道水フッ化物添加の
実施例
• 京都市(山科)
:1952~1965年
• 沖縄本島(返還前) :1957~1972年
• 三重県朝日町
:1967~1972年
1972年以後、28年間、日本では事例が
ない
フッ化物洗口(フッ素洗口)
• 学校・保育園における集団実施方式
• 家庭応用方式(歯科医院管理型)
わが国におけるフッ化物洗口実施施設・人数の推移
300,000
2500
人数
施設数
250,000
2000
200,000
人
数
1500
150,000
1000
施
設
数
100,000
500
50,000
0
0
85
87
90
92
94
調査年度
96
98
2000
【注】日F会議(日本むし歯予防フッ素推進会議)の調査
都道府県別にみたフッ化物洗口の
都道府県別にみたフッ化物洗
データは日F会議の2000年度調査
実施者数
80,000
70,000
80,000
都道府県別にみたフッ化物洗口の実施者数(多い順にソート)
60,000
70,000
60,000
実 50,000
実 50,000
施
40,000
者施
000
数 30,000 40,
者
20,000
数
000
10,000 30,
0
小学校の1割以上
が実施
保育所・幼稚園の
5割以上が実施
新 静 京 長 富 鹿 愛 山 山 福 長 佐 北 滋 青 宮 岐 香 福 岩 広 宮 沖 栃 群 島 高 神 岡 和 熊 愛 山 徳 千 埼 三 奈 鳥 秋 茨 東 石 福 大 兵 大
20,
000
潟 岡
都 野 山 児 媛 口 形 島 崎 賀 海 賀 森 城 阜 川 岡 手 島 崎 縄 木 馬 根 知 奈 山 歌 本 知 梨 島 葉 玉 重 良 取 田 城 京 川 井 阪 庫 分
県 県 府 県 県 島 県 県 県 県 県 県 道 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 川 県 山 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 都 県 県 府 県 県
県
県
県
10,000
0
新 静 京 長 富 鹿 愛 山 山 福 長 佐 北 滋 青 宮 岐 香 福 岩 広
潟 岡 都 野 山 児 媛 口 形 島 崎 賀 海 賀 森 城 阜 川 岡 手 島
県 県 府 県 県 島 県 県 県 県 県 県 道 県 県 県 県 県 県 県 県
県
フッ素洗口開始年度にみた12歳児
DMFTの推移の比較 -新潟県6
フッ素洗口経験なし
1986年開始
5
4
DMFT
3
2
1
1977年以前
に開始
1982-85年
開始
0
82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93
年度
12歳児DMFT市町村別ランキング
(新潟県、1983年度と2000年度)
1983年度
10
フッ化物洗口実施市町村
8
6
D
M
F
T 4
4.64
2
0
県
平
均
牧
金
井
京
ヶ
瀬
出
雲
崎
川
西
新
穂
山
北
黒
川
真
野
岩
室
吉
田
小
国
和
島
高
柳
弥
彦
大
島
小
千
谷
加
治
川
妙
高
高
原
安
塚
湯
沢
六
日
町
与
板
西
川
三
島
長
岡
大
和
松
代
名
立
中
之
島
小
出
新
井
浦
川
原
赤
泊
十
日
町
栃
尾
頚
城
両
津
板
倉
湯
之
谷
塩
沢
村
松
堀
之
内
羽
茂
清
里
上
越
栄
寺
泊
吉
川
大
潟
見
附
相
川
佐
和
田
分
水
三
和
潟
東
黒
埼
中
郷
守
門
村
上
新
潟
越
路
畑
野
能
生
川
口
燕
三
川
中
之
口
亀
田
入
広
瀬
刈
羽
小
須
戸
下
田
西
山
中
条
味
方
聖
籠
安
田
津
南
五
泉
新
発
田
笹
神
田
上
中
里
水
原
白
根
豊
浦
柏
崎
青
海
横
越
朝
日
荒
川
豊
栄
小
木
粟
島
浦
新
津
加
茂
神
林
柿
崎
上
川
妙
高
村
山
古
志
糸
魚
川
巻
三
条
津
川
関
川
松
之
山
月
潟
鹿
瀬
広
神
紫
雲
寺
中
之
島
柿
崎
聖
籠
新
穂
豊
栄
豊
浦
山
古
志
大
和
金
井
下
田
2000年度
10
8
31市町村が、
DMFT 1未満
6
D
M
F
T 4
2
0
1.81
県
平
均
粟
島
浦
板
倉
味
方
三
島
大
島
中
郷
牧
小
木
清
里
寺
泊
弥
彦
三
和
出
雲
崎
潟
東
吉
田
松
之
山
西
川
上
川
西
山
真
野
妙
高
高
原
新
井
鹿
瀬
分
水
三
川
赤
泊
妙
高
村
京
ヶ
瀬
岩
室
与
板
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之
内
浦
川
原
小
国
月
潟
山
北
黒
埼
吉
川
青
海
安
田
笹
神
川
口
能
生
塩
沢
黒
川
相
川
小
千
谷
和
島
加
治
川
松
代
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魚
川
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上
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岡
越
路
横
越
頚
城
加
茂
安
塚
十
日
町
小
出
湯
之
谷
六
日
町
大
潟
川
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佐
和
田
津
南
中
之
口
巻
入
広
瀬
紫
雲
寺
村
上
荒
川
関
川
中
里
神
林
広
神
名
立
守
門
新
潟
中
条
小
須
戸
津
川
栄
田
上
新
津
刈
羽
白
根
柏
崎
見
附
三
条
水
原
両
津
朝
日
亀
田
村
松
羽
茂
畑
野
新
発
田
五
泉
フッ素洗口経験別にみた一人あたりの
歯科治療費(10~14歳、1990年)
(円)
10000
*
8000
**
6000
4000
\9,357
**
\8,195
\6,083
2000
\4,801
0
F(-)
F(±)
F(-):F洗口実施経験なし(37市町村)
F(±):F洗口経験年数3年未満 (21市町村)
F(+)
F(++)
F(+):F洗口経験年数6年未満 (21市町村)
F(++):F洗口経験年数6年以上 (29市町村)
(安藤雄一ほか,1994)
フッ素洗口による歯科医療費の
軽減効果
4
3.80億円
3
億
円
2
1
0.38億円
0
歯科医療費の軽減額
フッ素洗口の経費
(安藤雄一ほか,1994)
フッ素洗口経験別にみた一人平均むし歯数
( 西蒲原郡内の高校2年生 )
10
処置歯
8
喪失歯
6
未処置歯
4
2
0
A
A群
B群
C群
D群
B
C
D
: 4歳児より保育園・幼稚園および小中学校の11年間の経験
: 小学校を中心に6~9年の経験
: 園または中学校中心に1~5年の経験(大半は1~2年)
: 洗口経験なし
(小林ほか,1993)
成人におけるフッ素洗口の効果
自衛隊員に対するF洗口とF歯磨剤の効果
う
蝕
増
加
量
3.5
3.0
2.5
2.0
前歯平滑面
臼歯小窩裂溝
臼歯平滑面
(
D 1.5
M 1.0
F
S 0.5
) 0.0
対照群
F洗口群 F歯磨剤群
〈出典〉郡司島由香:口腔衛生学会誌、47(3)、281-291、1997.
●歯科診療室におけるフッ化物洗口
の実施状況
〈
出典〉
フォー ラム 8020調査
フッ化物 フッ化物
洗口 歯面塗布
よく行う
5%
24%
比較的よく行う
7%
49%
たまに行う
25%
40%
行わない
63%
11%
フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)
• 集団実施方式(市町村の保健センターなど)
• 診療室ベースでの応用
フッ化物塗布受診者の年次推移
(厚生省歯科疾患実態調査)
フッ素塗布(歯ブラシ法)の効果 ①
新潟市におけるF塗布の効果
6
う
(蝕
d 4
発
m
生
f
歯
s 2
面
)数
0
0
1
2
3
4
フッ素塗布回数
清田ほか、口腔衛生会誌(1997)
フッ素塗布(歯ブラシ法)の効果 ②
笹神村における最近10年間の乳歯う蝕有病状況の推移
12
10
d 8
m
6
f
t 4
2
3歳/年少児
4歳/年中児
5歳/年長児
1991年
に開始
0
86 87 88 89 90 91 92 93 94 95
年度
八木ほか、小児歯科学会誌、35(2):212, 1997
フッ化物配合歯磨剤
• 世界の先進諸国におけるう蝕減少に関して、
どの地域でも共通する要因とされている
• 世界的には有効性を示す研究報告は多い
• しかし、わが国の調査事例は、それほど多
くない
• 原因として考えられること
フッ化物配合歯磨剤のシェアと
– フッ素入り歯磨剤の普及
– シーラントの普及
虫歯(12歳児DMFT)の推移
– 代用甘味料の普及
12歳児DMFT
– う蝕診査基準の変化(CO)
F歯磨剤シェア
5
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
4
D 3
M
F
T 2
1
0
86
88
90
92
94
年度
96
F
歯
磨
剤
シ
ェ
ア
98 2000
35
フッ素入り歯磨剤の効果的使用
• 使用量を多く
少なくとも歯ブラシの毛束長の半分以上
• うがい(洗口)をなるべく少なく
辛くない歯磨剤を使用したほうがよい
• 時間帯は「夜」を優先
• 回数は、う蝕のかかりやすい人はなるべく
多く
〈出典〉荒川、飯塚:フッ化物配合歯磨剤の効果的な利用法を考える、歯科衛生士、1996.2
フッ化物配合歯磨剤
エンドウ
豆サイズ
「う蝕ゼロ」モデル:新潟県弥彦小)
F洗口実施→シーラント応用
シーラントプログラムの開始前後におけるDMFTの比較
(新潟県弥彦小)
予防メニュー
1970年 F洗口開始前
1978年 F洗口を小学1年生時から継続
– フッ素洗口
– シーラント(CO歯)
– 定期歯科検診
1989年 シーラント開始(F洗口を保育所年長児から継続)
1996年 シー ラント開始7年後
4
3
D
M 2
F
T
1
0
1
2
3
4
5
6
学年
小林清吾ほか:日本歯科評論、No.669、9-11、1998.
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなも
のがあるのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績
(効果)があるのか
• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性に
ついて
• なぜ虫歯予防が必要なのか
• 有効とされる虫歯予防法とは
• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯
予防方法
フッ化物の安全性
~ 基本的な考え方 ~
•
•
•
•
•
フッ素は自然環境物質である。
フッ素はヒトの健康に有益な物質である。
フッ素の危険説は解明されている。
国内外の専門団体が応用を推奨している。
長期間、多地域での応用による実績がある。
欠乏
適量
毒性
効
果
(
成
長
)
(少ない)
量
(多い)
栄養素(また微量元素)の量と生体への影響
どんな栄養素も“量”が大切です
例えば食塩では…
健康に暮らすため
には1日1~2gが
1度に摂りすぎる
適切です
足りないと疲労
と下痢をおこし、
全身の脱力など
長期に摂りすぎる
と高血圧、脳卒中
など成人病の原
因に
少ない
← 適量 →
多い
絶対安全なもの
?
フッ素は必須微量元素か?
• ことばの意義論により決まる(G. Nikiforuk,
1985)
• もしも,生命維持のために摂取しなけれ
ばならない元素というのであれば,答は,
「いいえ」である。
• もしも,特定な組織の保全や機能に寄与
する栄養物を含めるというのであれば,
答は,「はい」である。
歯のフッ素症(斑状歯)の原因
過量の
フ ッ 素
斑状歯
長期間
継 続
歯冠を
形成する
時間
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなもの
があるのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績(効
果)があるのか
• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について
• なぜ虫歯予防が必要なのか
• 有効とされる虫歯予防法とは
• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯
予防方法
現在歯数の実態
厚生省歯科疾患実態調査(1999)
30
25
20
現
在 15
歯
数
10
5
0
20- 25- 30- 35- 40- 45- 50- 55- 60- 65- 70- 75- 80- 8524 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84
年齢
8020:理想と現実
無髄歯数(推定値)の実態
(1993年度 厚生省歯科疾患実態調査)
無髄歯
(神経のない歯)
35
30
健全
充填
C1-2
C3-4
冠
25
一
人
平 20
均
現
在 15
歯
数
10
5
0
5~
15~
25~
35~
45~
年齢階級
55~
65~
75~
85~
クラウン装着経験歯と健全歯の
喪失歯率の比較
30
9
8
25
7
20
6
5
15
4
10
3
相対危険度
喪失歯率(クラウン)
喪失歯率(健全歯)
2
5
1
0
0
15~29 30~39 40~49 50~59 60~77
〈出典〉安藤ほか:日本歯科評論,618; 195-205,1994
むし歯は元に戻らない
健全歯
小さなむし歯
充填歯
むし歯のない歯
歯医者へ行く
小さな詰め物
逆向きの矢印はない
大きなむし歯
歯医者へ行く
もう抜くしかない
残根
はずれる
金属冠
根っこしかない
歯医者へ行く
大きな詰め物
歯を長持ちさせるための
2大原則
• フッ化物による歯質強化
• 歯間部清掃
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなもの
があるのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績(効
果)があるのか
• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について
• なぜ虫歯予防が必要なのか
• 有効とされる虫歯予防法とは
• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯
予防方法
う蝕における防御的および病理的要因間の
バランス ( Featherstone,1996)
防御的な要因
病理的な要因
唾液の流れと成分
微生物
タンパク質,抗細菌物質
ミュータンス菌,乳酸菌
フッ化物,カルシウム,リン酸
食餌の成分_炭水化物
防御的な食餌の成分
低下した唾液の機能
う蝕なし
う蝕あり
奥歯の溝はみがけない
歯ブラシの毛先
入らない
歯の溝
お菓子の中の砂糖
種
類
ケ
ー
シ ュ ー ク リ ー
ド
ー
ナ
カ
ス
テ
ビ ス ケ ッ
キ ャ ラ メ
チ ョ コ レ ー
チ ュ ー イ ン ガ
量
キ
ム
ツ
ラ
ト
ル
ト
ム
1個
1個
1個
1切
3枚
1箱
1枚
1箱
砂
糖
16.2g
7.2g
9.6g
20.0g
5.0g
20.2g
20.7g
9.0g
飲み物の中の砂糖
種
類
コ
-
ラ
フ
ァ
ン
タ
ヤ
ク
ル
ト
ア ク エ リ ア ス
ト マ ト ジ ュ - ス
ネ
ク
タ
-
ポ カ リ ス エ ッ ト
カ
ル
ピ
ス
量
225cc
225cc
1本
225cc
100cc
200cc
225cc
1杯
砂
糖
16.0g
22.6g
3.7g
15.0g
6.3g
30.9g
15.4g
19.1g
上手なおやつの食べ方
• 夜食をとりすぎてはいけません
眠くなるし,太る原因です
• ジュ-スも一緒です
お菓子じゃなくても砂糖は入っています
• アメやガムなどを噛みながらの勉強
もよくありません
– ただし、キシリトールは虫歯予防に効
果あり
スコットランドでう蝕ハイリスク小児
に対して強く奨められている予防法
• 親に対するアドバイス
• フッ化物が配合歯磨剤(1000ppm)の使用
– 1日2回みがく
– 歯磨きは吐き出すべきで、うがいすべきでは
ない
• 小窩裂溝(奥歯の溝)に対するシーラント
処置
〈出典〉Scottish Intercollegiate Guidelines Network:Preventing Dental Caries in Children at High Caries Risk.
Targeted prevention of dental caries in the permanent teeth of 6-16 year olds presenting for dental
care, 2000 (http://www.show.scot.nhs.uk/sign/pdf/sign47.pdf)
本日の話題
• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなものがあ
るのか
• フッ素(フッ化物)とは何か
• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績(効果)
があるのか
• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について
• なぜ虫歯予防が必要なのか
• 有効とされる虫歯予防法とは
• まとめ:
– 明日からできるフッ化物を用いた虫歯予防方法
CDCのF応用に関する推奨(2001.8)
予防法
水道水フッ化物添加
学校水道水フッ化物添加
フッ化物配合歯磨剤
フッ化物洗口
フッ化物補充剤(
錠剤、液剤)
妊婦
6歳未満児
小児(
6-16歳)
16歳以上
フッ化物ゲル
フッ化物バーニッシュ
エビデン 推奨の
標的集団
スの質
強さ
II-1
A
全地域
II-3
C
田舎、非F化地区
I
A
全員
I
A
ハイリスク
I
II-3
I
¶
I
I
E
C
A
C
A
A
N one
ハイリスク
ハイリスク
ハイリスク
ハイリスク
ハイリスク
MMWR: August 17, 2001 / Vol. 50 / No. RR-14
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5014.pdf
う蝕予防対策として推奨できるもの
(現在、国内で実施されているもののみ)
1. フッ化物洗口


学校、保育園における集団実施方式
家庭応用法式(診療室ベース)
2. フッ化物歯面塗布


3.
4.
5.
6.
母子保健現場における集団実施方式
診療室ベースでの応用
フッ化物配合歯磨剤
シーラント
サホライド塗布
甘味の適正摂取
〈出典〉フォーラム8020:8020「健闘」資料、2000
厚生省の見解
(2000.12.6 省内担当部局合意文書)
• 自治体から、技術支援の要請があれば、応
じる
– 水質基準の範囲内(0.8ppm以内)
– 関係者(水道事業者・利用者、歯科医師会など)
– 厚生科学研究の成果を活用
現在、日本で利用できる
フッ化物応用法
• フッ化物配合歯磨剤(フッ素入り歯みがき剤)
• フッ化物洗口(フッ素洗口)
• フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)
フッ化物応用を行う「場」
• 自分で行う(Self Care)
• 公衆衛生的応用(Public Care)
• 専門的応用(Professional Care)
フッ素入り歯磨剤の効果的使用
• 使用量を多く
少なくとも歯ブラシの毛束長の半分以上
• うがい(洗口)をなるべく少なく
辛くない歯磨き剤を使用したほうがよい
• 時間帯は「夜」を優先
• 回数は、う蝕のかかりやすい人はなるべく
多く (1日2回以上)
〈出典〉荒川、飯塚:フッ化物配合歯磨剤の効果的な利用法を考える、歯科衛生士、1996.2
未処置う蝕の保有状況
(1999年度厚生省歯科疾患実態調査)
70%
5
未処置う蝕保有者率
60%
一人平均未処置歯数(分母=未処置歯あり)
4 一
人
平
3 均
未
2 処
置
歯
1 数
50%
40%
30%
子供だけでなく、大人の
虫歯予防も重要
20%
10%
年齢階級
85~
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
0
10~14
0%
5~9
未
処
置
う
蝕
保
有
者
率
ダウンロード

成人の口腔管理システム と 歯の喪失リスク