不動産の証券化とは
平成19年2月15日
株式会社 都市経営戦略研究所
Urban
Management
Strategy
Institute
1.流動化とは
資産先行型
特定目的会社
TMK
匿名組合
YK-TK
GK-TK
調達先行型
投資法人
REIT
私募ファンド
YK-TK
LLP
LPS
流動化は大きく『資産先行型』と『調達先行型』に大別される
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2.『調達先行型』について
REIT
私募ファンド
投資法人法
〈根拠法〉
商法第535条
公募
50人以上に勧誘
〈募集形態〉
私募
50人未満
高い
〈流動性〉
低い
4.5兆円
〈市場規模〉
5.5兆円
*2006年6月末現在
不動産証券化協会作成
投資方針を表明して最初に資金調達するREITや私募ファンドは
不動産流通市場における重要プレイヤー
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3.J-REITの投資先
北陸 7件
北海道・東北 48件
中国・四国11
件
九州・沖縄57
件
関東地方
182件
近畿
110件
(内大阪京都89件)
静岡県 0件
愛知県 44件
三重県 1件
岐阜県 0件
東京23区
658件
2006年6月末現在
不動産証券化協会作成
投資先不動産は首都圏に集中
地方不動産も地方の主要都市の一等地に限定
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4.証券化のメリット
保有者
保有している不動産を現金化し
財務バランスを改善
投資家
市況の影響をうけにくい不動産投資を
小額で簡易に投資可能
不動産利用者
自社の借入調達枠を温存して不動産開発が可能
売却後も継続利用が可能
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5-1.証券化活用例①
保有者
~流動化型~
SPC
売却
融資
銀行
Debt
Asset
出資
Equity
収益不動産
投資家
自社で保有している既存の不動産をSPCへ売却
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5-2.証券化活用例②
ゼネコン 完成後
~流動化型~
SPC
売却
融資
銀行
Debt
Asset
出資
Equity
開発不動産
投資家
自社で魅力のある不動産を開発して、完成後SPCへ売却
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5-3.証券化活用例③
ゼネコン
~開発型~
SPC
工事発注
融資
銀行
Debt
開発不動産
Asset
完成後
出資
Equity
第三者
売却
投資家
SPCが資金を調達して不動産を開発
開発後に第三者へ売却
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5-4.証券化活用例④
ゼネコン
~開発+流動型~
SPC
工事発注
融資
銀行
Debt
Asset
完成後
出資
Equity
開発不動産
運用
投資家
SPCが資金を調達して不動産を開発
開発後もSPCで保有し賃料収入を配当
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6.証券化の全体プロセス
投資家
投資
配当
元本償還
賃料収入
取得
運用期間
賃貸
売却
第三者
証券化とは投資家から資金を集め
二重課税を回避して、賃料収入を公平に分配する仕組み
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*参考書類①二重課税とは
事業会社
売上
売上総利益
販売管理費用
営業利益
営業外収支
経常利益
特別損益
税前当期利益
法人税
当期利益
・法人税
・所得税
2,000
1,000
500
500
△100
400
0
400
160
240
二重課税とは
法人税と所得税がそれぞれ課税され
利益に対して二重に税金が発生すること
投資家
配当所得
所得税
手取資金
240
48
192
約40%
約20%
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*参考書類②パススルーとは
SPC
2,000
売上
1,000
売上総利益
500
販売管理費用
500
営業利益
△100
営業外収支
400
経常利益
0
特別損益
400
税前利益
400
配当(費用扱い)
0
税前当期利益
パススルーとは
配当が損金として認められるために
二重課税を避ける仕組みのこと
投資家
配当所得
所得税
手取資金
400
80
320
配当が損金参入される要件はSPCの種別によって異なるが
節税(脱税)を避けるために厳格なルールあり
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7.証券化フロー
3~6ヶ月
組
成
証券化に必要な諸手続
各関係者のアレンジおよびファイナンス実行
3~5年
モニタリング
証券化実行後の投資家のための継続業務
・決算や継続開示書類の作成業務
・財務局への届出業務
3ヶ月
清
算
対象不動産の第三者への売却
・財務局への届出業務
・清算手続き業務
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8.組成プロセス
デデ
リュ
ジー
ェ
ン
ス
ス
キ
ー
ム
策
定
参
画
企
業
の
調
整
証
券
化
各
種
手
続
証
券
化
実
行
2ヶ月~3ヶ月
1ヶ月~3ヶ月
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9.デューデリジェンス
資産デュー
デリジェンス
対象資産の現地調査
(周辺環境、接続道路、土壌汚染調査など)
対象資産の鑑定評価 → 特定価格の算定
建設会社等によるエンジニアリングレポート作成
資産を売却する原保有者の財務状況確認
流動化案件参画企業の財務状況確認
財務デュー
デリジェンス
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10.スキーム策定
不動産収支簡易分析
証券化の対象となる不動産の収益力を分析
スキーム策定
証券化の組成手段を策定
調達方法策定
資金を調達する際の調達手段を策定
繰返検討
税務課題要件確認
事業計画作成
二重課税を回避するための手段を構築
あらゆる状況を想定した事業計画を作成
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11-1.不動産収支簡易分析
運営事業者の
収益力分析
周辺
賃料相場
維持管理費
用
公租公課な
ど
稼働率
不動産収支率 =
期中収入
-
期中費用
初期投資
不動産
売買価格
不動産取得税等
公租公課算定
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11-2.スキーム策定
広義のSPC(特別目的会社)
組合型
特定目的会社
TMK
匿名組合
組合
TK
LLP
LPS
どのビークル(器)を用いて証券化するか検討し、基本フレームを策定
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*参考書類③
ビークルの違い
特定目的会社
匿名組合型
Tokutei Mokuteki Kaisya
Yugen Kaisya Tokutei Kumiai
YK-TK
TMK
SPC法
〈根拠法〉
商法 535条
318条
〈条文数〉
8条
金融庁
〈担当官庁〉
なし
高い
〈透明性〉
低い
所有権
受益権
〈所有形態〉
受益権
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11-3.調達方法策定
調達方法策定:必要金額をどのような手段で資金調達するか
金利
銀行
借入
不動産簡易
収支予想
購入資産
期待利回
優先出資
投資家
期待利回
劣後出資
投資家
*加重平均
不動産収支率 ≧ (金利 + 優先出資期待利回 + 劣後出資期待利回)
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(計算例)
借入
5割 調達金利 3.0%
優先出資
3割 期待利回 5.0%
劣後出資
2割 期待利回 9.0%
購入資産
不動産収支率 ≧ (0.5×3.0% + 0.3×5.0% + 0.2×9.0%)
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11-4.税務課題要件確認
原則課税
二重課税を避けるために税務課題要件を必ず確認する必要有り
租税特別措置法第67条の14
→
特定目的会社に係る課税の特例
パススルーの条件
1.特定社債券の発行価額の総額が1億円以上の場合
2.特定社債券が適格機関投資家のみに引き受けられた場合
3.優先出資証券が50人以上の者によって引き受けられた場合
4.優先出資証券が適格機関投資家のみに引き受けられた場合
上記のいづれかの要件を選択
調達方法策定と密接な関係
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11-5.事業計画策定
スキームごとの法人税等の税務負担を考慮し
調達方法やパススルー要件充足のためのコストを反映させて
SPCの設立から清算までの全期間の事業収支予想を作成
オフバランス要件の充足や、倒産隔離のスキームの充足も考慮して
最終的な証券化のフレームを策定
証券化
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12.アレンジプロセス
保険会社
出口の売却担当
PM業務担当
管理業者
リスク管理
業務委託
業務委託
融資
期中管理業務担当
モニタリング
業者
業務委託
処分業者
金融機関
SPC
出資
投資家
募集
運営
事業者
業務委託
資産賃貸
取締役
監査役
募集業者
会計監査
会計監査人
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12-1.資産利用者
資産の特性に応じて組立
賃貸マンション
オフィスビル
→
パススルー型マスターリース
保証型マスターリース
駐車場、介護施設
→
運営事業者への一括賃貸
事業計画組立のうえで
最大のキープレイヤー
財務状況確認の結果、十分な与信をはかれない場合
バックアップサービサーを選定し信用を補完
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12-2.管理業務
資産流動化に関する法律第200条の規定により
特定資産の管理に係る業務を委託する必要有り
PM業務
建物管理業務
テナント業務
メンテナンス
テナントの誘致
管理
管理業務は不動産の投資価値を最大にすることを目指し
日々の管理・運営業務を行うプレイヤーであり、その手腕を評価して選定
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12-3.処分業務
資産流動化に関する法律第200条の規定により
特定資産の処分に係る業務を委託する必要有り
資産流動化計画に従い、証券化対象となった不動産を売却する
金融機関等への弁済や投資家への元本償還に充足
実力あるプレイヤーを選定することが肝要だが
当初の事業計画に、売却想定金額のリスクを反映させて策定する必要有り
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12-4.金融機関
プロジェクトファイナンス
期
中
期中収入の確度
期中費用の正確性
リスク
出口戦略
償還時の売却確度
金利、返済方法、特約条項に反映
プロジェクトを作り込んで期中の収支予想の確度を高め
賃借人(運営事業者)及び特定資産の処分業者に有力企業を附置し
如何に好条件で融資をつけるかが証券化における重要なポイント
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12-5.募集業務
証券会社
選択
SPC
原保有者
資産の流動化に関する法律
第208条
資産流動化計画に定められた特定資産の譲渡人は・・・・
・・・証券取引法第2条第8項第6号に掲げる行為に該当しない
有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募の取扱い
証券会社が持つ投資家群とは異なる
原保有者が持つ独自ルートでの投資家へのアプローチが可能
販売手数料等の初期費用削減要因にも繋がる
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12-6.会計監査人
公認会計士
委託
SPC
監査法人
資産の流動化に関する法律
第67条
特定目的会社には、次に掲げる機関を置かなければならない。・・・
・・・三 会計監査人
投資家保護の観点から
会計監査人の設置が義務づけられており
透明性の高い会計を実現
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13.証券化手続きプロセス(公募型)
SPC設立
議決権ベースの同族要件に該当しないよう配慮しつつ
証券化の目的に沿った定款を作成し、設立
資産流動化計画
作成
投資家保護の観点から、重要な事項を資産流動化計画に
記載し開示することが資産の流動化に関する法律にて
定められている
業務開始届出書
提出
資産の流動化関する法律第4条の規定に基づき
内閣総理大臣への届出が必要 → 所管の財務局へ提出
有価証券届出書
提出
投資家を公募する場合は証券取引法の規定に基づき
特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の
第5号の二様式に従って記載し関東財務局へ提出
証券化実行
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13-1.資産流動化計画
資産流動化計画の記載事項
大項目
1.計画期間
2.資産対応証券に関する事項
3.特定目的借入れに関する事項
4.特定資産に関する事項
5.特定資産の管理及び処分に関する事項
6.資金の借入れに関する事項
あらゆる状況変化を想定した柔軟な作り込みと
事業の硬直性による事業の透明性の確保とが相関関係にあり
資産流動化計画の作成には細心の注意が必要
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13-2.有価証券届出書
有価証券届出書の記載事項
大項目
第一部 証券情報
資産対応証券に関する事項
第二部 管理資産情報
管理資産に関する事項
第三部 発行会社及び関係法人情報
SPCの概況や原保有者その他関係法人の概況に関する事項
関東財務局に届け出た有価証券届出書は金融庁が管轄するEDINETにて確認可能
上場会社に課される企業情報開示に準じた事項を要求されており
投資家の保護及び投資家とのトラブルの回避に繋がる
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14-1.実例①介護施設(ハッピィーライフ大垣)
株式会社
共立機械建設
開発契約
SPC
特定目的借入
建設
融資
大垣共立銀行
入居者
特定資産
第2優先出資
介護報酬
万有商事
株式会社
第1優先出資
出資
出資
地元投資家
投資家
事業運営委託
地元の支援者や個人投資家から資金を調達し証券化を実行したことで
介護事業を展開する同社が施設を購入せずにすみ
資金効率を高め、安定した介護運営が実現
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14-2.実例②従業員寮(Y‘sライフサポート)
売買契約
SPC
原保有者
特定目的借入
融資
ORIX
液晶関連工場
特定資産
請負
従業員
三重県内
3物件129戸
賃貸借
株式会社
ニッコー
第1優先出資
第2優先出資
出資
出資
投資家
原保有者
一括借上
請負業者大手の株式会社ニッコーと一括借上の契約を締結し
空室率のリスクを排除し、賃料収入の安定化を実現
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14-3.実例③SA(クックラひるがの)
株式会社
アーカイブス
開発契約
SPC
特定目的借入
設立
融資
金融銀行
建設
特定資産
第1優先出資
出資
地元投資家
地元の名士
第2優先出資
テナント
賃貸借契約
第3優先出資
出資
機関投資家
出資
投資家
東海北陸道の全線開通に伴い、大幅な利用客増が見込める
ひるがの高原サービスエリアに地域活性化施設の開発型証券化
旧高鷲村商工会と地域一帯的に取組む
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15.当社が証券化を行う理念
地域の「利活用資産」
地域の個人マネー
利便性
配当
地域住民の資金を、地元の「利活用資産」に直接投資することで
地域経済を活性化させ、配当と利便性の二つの益を享受できる
地産地消型金融の実現を掲げる
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※お問い合わせ先
株式会社 都市経営戦略研究所
代表取締役 伊藤 公一
本 社 名古屋市中区錦二丁目2番13号
名古屋センタービル701
TEL 052-201-5103
市場会計のご提案
FAX 052-201-5104
支 社 東京都中央区日本橋茅場町1丁目2番14号
日本ビルディング3号館7F
TEL 03-5640-3737
FAX 03-5640-2771
URL
http://www.umsi.jp/
投資顧問業者
東海財務局第65号
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ダウンロード

証券化プロセス - 都市経営戦略研究所