立教大学講義2004(第二回)
ストーリーの源泉 生
生物学的アイデンティティー
(第3回講義と入れ替え)
2003.10.07
曲がった手で(志樹逸馬)
曲がった手で 水をすくう
こぼれても こぼれても
みたされる水の
はげしさに
いつも なみなみと
命の水は手の中にある
指は曲がっていても
天をさすには少しの不自由も感じない
地中海世界の癩とストーリ
薬は問題を解決したか?
旧約 民族 祝福と呪い サタンも神の使い 運命
新約 個人
罪
イエスの赦し
救済
中世 感染
罰
法王庁の権威
倫理
近代 細胞
細菌
医療と人道
隔離
癩予防法 (1907~1996年・2001年迄)
• 地中海 罪・隔離(ヨブ記・新約) 西洋医学
• 中国
(黄帝内経)
風と寒が体内に溜まる(慓風)。腫れたところを針で突
き、汚れた空気を出すのが治療。
• インド
(アユルヴェーダ?)
カスト制度との関係(?)
• 日本
白癩(しらはたけ)
612年 渡来者入国拒否と牛の譬(日本書紀)
833年 虫がいて、人の五臓を食べる。人にうつる。
(令義解)前世の因縁ゆえ、善行が必要。
鎌倉時代
社会追放と乞食・お遍路
明治以後
療養所への隔離(韓国での断種)
ハンセン氏病(1873:Norway)
ライ菌(伝染性が弱い細菌)による
細胞性免疫が抵抗力に影響(自然治癒が多い)
増殖部位(原因は増殖より免疫反応か)
マクロファージ
シュワン細胞 (白い皮疹・知覚消失・運動麻痺)
筋肉細胞
(麻痺性萎縮)
症状経過
潜伏期(1-7年) 初発症状(皮膚・末梢神経)
徐々に経過 拘縮・変形・ライオン顔貌・角膜炎
手足の重症感染による死亡
細菌の基本形
(図説人体組織学:本陣良平・南山堂)
病原微生物
• 細菌
強毒
コレラ・ペスト
弱毒
マイコバクテリウム(結核・ハンセン・他)
共生(常在) 腸内細菌叢
耐性菌 MRSA,VRE
• ウイルス インフルエンザ・天然痘・麻疹・AIDS・
SARS
• リケッチア チフス
• 真菌
• その他(スピロヘータ・原虫)
風邪(新明解国語辞典:金田一京介)
• 風と同原
• 薄着したり、汗をかいたりしたあと、寒気がし、
むやみに鼻水・くしゃみ・せきが出たり、喉が痛
くなったりする症状。
• 寒冒(ウイルスによるものは「感冒」といわる)
• 風邪は万病の基、鼻かぜ、風邪をひいたたく
わん
• 邪は、社会生活の妨げになる意味で添えたも
の
カゼ:風邪から感冒症候群へ
• カゼ、ヤーネ
• 寝冷え? 疲れ? 気がたるんだ?
• カゼは社会の迷惑です?
– …うつる病気
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伝染病から感染症へ
風邪は万病の元(肺炎・結核)
まず、栄養? そして、睡眠!
ちょっとした風邪。風邪のようなもので…。
カゼには、先ず薬 … 薬って効くの?
働く責任? 自己コントロール責任?(健康21)
感冒:中核症状(共通性)
• 喉の痛み
sore throat
• 鼻水
rhinorhea 水っ洟・青洟
• 咳
cough
コンコン・ゴホゴホ・ゼコゼコ
ゼーゼー・ヒーヒー
• 熱
fever
• 頭痛
headache
• 腹痛
abdominal pain
• 下痢 diarrhea・吐き気 nausea・嘔吐 vomiting
• 関節痛 arthralgia
感染症
Infectious Disease
• それは一時期、伝染病と翻訳された
• 体内に侵入し、病的な反応を人体に引き起こす微
生物は多様で、その病理反応も多彩である
……ウイルス・細菌・カビ・虫など
……炎症・増殖・遺伝子変化・自己免疫など
• 疫病と世界史(W.H.マクニール)
黒死病とEU・天然痘とアステカ・結核
• 変化は産業革命後のヨーロッパに始まった
顕微鏡と下水道
病気の原因と外敵の発見
例えば結核の場合
• 1483 フラカストロ
病芽による伝染説
1865 ヴィルマン
ウサギに膿を接種
1883 コッホ
病原菌の発見
1895 レントゲン
レントゲン撮影
1907 ピルケー
ツベルクリン反応
• それ以前の因果論
宗教的因果律 (神罰・つきものetc)
占星術(天体運行の異変・有毒ガスetc)
ギリシャ医学(体液バランスの変化)
結核感染とは
• 感染:初感染と免疫
• 異物反応としての
炎症・結節
• 異物の増殖
呼吸器の狭小化・全身反応
• ノンセルフとセルフという概念
結核という文化
福田眞人著・中公新書
• 用語の諸相
肺病・肺労・胸病・肺患・労咳
phthisis, wasting disease, consumption,
decline, complaints of the lungs,tuberculosis
• 結核の変遷
BC70009000
ハイデルベルク原人第5胸椎
西洋中世の流行
BC200
中国の馬王堆遺跡 AD500-600
弥生人の脊椎カリエス
江戸の流行・大正の大流行
治療法の変化
• 医学以前
シャ血・吐剤・からし軟膏・絶食
阿片・運動療法
食餌療法・安静療法・転地療法・鉱泉療法
• 外科的治療
人工気胸(1821)・肺切除(1895)
• 抗生物質の発見
• 現代の死亡数
東南アジア(120万人)・南部アフリカ(60万人)
東アジア・太平洋(70万人)など年300万人
Bath (Roman Bath)
病と人間の文化史
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立川昭二 新潮選書 1984
シルクロードをたどった疫病
痘瘡(仏教とともに) インド495中国 528日本
ペスト(十字軍・蒙古)中央アジア(中国)13c欧州
海上の道をたどった疫病
梅毒(コロンブス・倭寇) 1494欧州 1512京都
近代化の大波
コレラ
インド 19C世界中
結核
インフルエンザ・AIDS・SARS
サンタマリア聖堂とペスト
細胞と細菌の類似性
細菌と人間の関係
• 強敵の弱毒化そして共生へ
• 人間の細胞も、細菌の進化?
• 最近40億年の変化
2000
1990
1980
1970
1960
1940
1950
1930
1920
1910
結核による死亡率
300
250
200
150
実際
予想
100
50
0
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