平成15・16・17年度
文部科学省教育研究開発学校指定
総合制・地域制の養護学校における
教育課程はどうあるべきか
~障害種別の枠を超えた教育課程のあり方に関する研究~
●
特別支援教育の取組
ー 障害のある子どもの「生きる力」と
保護者への生涯にわたる支援 -
=京都市立総合養護学校の取組=
提 案: 企画委員会委員長 朝 野
京都市立西総合養護学校長
浩
障害のある子どもの「生きる力」と
保護者への生涯にわたる「支援」
★ 「 個 別 の 包括支援プラン 」
サポート 生涯にわたる支援
★
カリキュラム
障害種別にとらわれない教育課程
マネージメント
内と外に向けた連関
総合育成支援教育相談センター
1.はじめに
• 本市養護学校の再編の経緯
◆平成11年11月
「養護育成教育の今後のあり方」 <報告>
◆平成12年度~14年度
文部科学省教育研究開発学校(第1次指定)
◆平成15年度~17年度
文部科学省教育研究開発学校(第2次指定)
再編の様子
保護者の不安
・通学圏が変わること
・障害が異なる集団になること
・給食や健康管理に関すること
・指導体制が変化すること
など
・「個別の指導計画」(京都版)
「期 待」 に
による事前準備 ⇒ 指導の継続性
・試行通学 ⇒ 学級編成
・PTA共催の給食試食会
・看護師の4校配置
など
2.カリキュラム開発に関する研究
●従前の教育システムの見直し
障害種別の学校設置と教育課程
「個」の視点からの出発
教育改革
障害のある子供の教育の「場」の見直し
「生活者」としての捉え直し
「生きる力」の定義
「生きる力」の定義
「四つの生きる力」の視座
と 京都市版「個別の指導計画」
1
2
3
4
「生命として生きる力」
「生きて生活する力」
「生きて働く力」
「ともに生きる力」
「個別の指導計画」(京都市
版)改称:
個別の包括支援プラン
ともに 特別支援教育
●カリキュラムの創造ーーー 障害種別をこえた教育…
●教育の「場」の見直しーー 生涯にわたる支援…連続・継続性
●組織運用システムーーーー-
センター機能…内・外(小・中など)支援
「四つの生きる力」を育む視座
(1)学校全体で育む視座
(2)学校のある地域社会で育む視座
(3)学校を含む社会全体で育む視座
本市における「個別の支援計画」の考え方と名称
「個別の指導計画」(京都市版)から
「個別の包括支援プラン」
乳児期
幼児期
小
中
高
青年期
壮年期
個別の移行支援計画
個別の指導計画
個別の教育支援計画
★「個別の包括支援プラン」
個 別 の 支 援 計 画
就学前
学齢期
卒業後
老年期
「生きる力」の視座からカリキュラム編成の試行①
三者の願い
「四つの生きる力」の視座でみた
長期目標
「四つの領域」の視点で実態把握と分析
行動
★【環境】
【スキル】
他者
自己
【社会性】
心理
【意欲・主体性】
★右回りスパイラル構造仮説
「短期目標」の設定
「個別の包括支援プラン」に基づく
カリキュラム編成の手順
本人・保護者・指導者の願い
三者の願い
現在の姿
4つの領域と右回り
スパイラル構造仮説
長期目標
短期目標
「四つの生きる力」の視座
カリキュラムベース
ユニットの編成
カリキュラムベースマップ
個別のカリキュラム表
実行プログラム= 授業
「生きる力」の視座からカリキュラム編成の試行②
平成15年度に「短期目標」からカリキュラムベースとして集約
「
4
つ
の
生
き
力
」
の
視
座
機
能
か
ら
み
た
学
習
内
容
の
系
Ⅰ 群
生命として生きる力
Ⅱ 群
■■■■■
生命として生きる力
・生きて生活する力
Ⅲ 群
生きて生活する力
■■■■■
■■■
ユニット
■■■
■■■■
Ⅳ 群
生きて働く力
第1段階 第2段階 第3段階 第4段階
■■=短期目標
発達からみた学習内容の系
カリキュラムベースの例
学習内容要素一覧(活動による表記)
「
四
つ
の
生
き
力
」
の
視
座
機
能
か
ら
み
た
学
習
内
容
の
系
カリキュラムベースⅡ群 日常生活活動
1段階
Ⅱ 日常生 習慣活 運動系
群 活活動 動
Ⅱ 日常生 習慣活 座学系
群 活活動 動
2段階
3段階
生活リズムを整えたり,節目の時間において,
情緒を安定させたりす 何回する,何周走る,
ることをねらいとして,毎日続ける,等,自分
時間の節目において, の目当てを持って習慣
習慣的に遊具遊びや自 的にランニングや体操
転車乗り,ランニング をする。
や体操をする。
日課活動
日課活動
4段階
節目の時間において,
何のためにするのかと
いう課題意識を持っ
て,習慣的に基礎的な
運動トレーニングをす
る。
生活リズムを整えたり,節目の時間において,
情緒を安定させたりす これだけするといった
ることをねらいとして,自分の目当てを持っ
時間の節目において, て,習慣的に,音読,
習慣的になぞり描きや,書き取り,計算,箱折
紙切り,ペグさし等を り,等をする。
する。
日課活動
日課活動
節目の時間において,
何のためにするのかと
いう課題意識を持っ
て,習慣的に,教科的
学習や日記付け等をす
る。
発達からみた学習内容の系
日課活動
日課活動
カリキュラム編成とケース会議の役割
●カリキュラムづくりに保護者が参画
ユニット一覧表の提示
ケース会議
カリキュラム編成
アカウンタビリティー
と
インフォームドコンセント
本人・保護者のニーズ
目標と評価の共有化
授業の質の向上
個別週予定の例
2.学校経営システムに関する研究
☆養護学校=>本来:教育・指導機能 + センター機能
マネジメント部門
●組織マネジメントとクライシスマネジメント
機能の分化
ティーチング部門
●実行プログラムにおける授業実践
組織の改革
サポート部門
●計画のための支援と指導のための支援
経営システムの基本的な考え方
総合制・地域制養護学校に求められる機能
・個に視点をあてた「個別の包括支援プラン」
をツールとした組織運営システム
指導の充実
・個から出発するカリキュラム運営
・必要な時に,必要な指導と支援
・P・D・C・Aによる指導システム
専門性の向上
・校内支援と地域支援
・コーディネータの役割と配置
・研修システムの充実
マネジメント
機能の強化
・経営方針の明確化
・人材養成システム
・クライシスマネジメントの強化
経営システムの検証
35項目についてアンケート調査を実施
対象 : 総合制・地域制4校の教頭・副教頭・学部長・学年主任
A~Dの4段階で評価
学校組織の機能に関するアンケート調査結果(地域制 4校)
100%
90%
80%
70%
60%
無回答
D
C
B
A
50%
40%
30%
20%
10%
0%
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
報告冊子:第3章第3節(P90)
アンケート調査からの考察①
評価が高い項目について
マネジメントに関すること
・2人教頭制や副教頭・学部長の配置により学校経営機能が強化
ティーチングに関すること
・サポート機能の充実により指導が充実
・機能分化により担任が指導に専念
サポートに関すること
・看護師の2名配置により保健管理体制が充実
・経営システムの構築により相談センター業務が充実
アンケート調査からの考察②
評価が低い項目について
・「個別の包括支援プラン」の運用面での調整の円滑化が必要
・「個別の包括支援プラン」に基づく実践の評価・更新のあり方
についてさらに検討が必要
・効率的なケース会議の運営が必要
・コーディネーターの養成と研修システム充実が必要
・授業者の授業企画力と指導力を高める研修の充実が必要
まとめ
機能の分化による学校運営
・一人一人の子どもへの指導の質を高める
・学校全体の課題が見えやすくなる
・業務内容が明確になる
・研修の充実と専門性の向上が求められている
4.センター機能に関する研究
面(地域ぐるみ)としての支援機能
障害種別の
枠を超える
総合制養護
小学校・中学校・高等学校
と養護学校の枠を超える
総合育成支援教育
センター機能
学校の枠を超える
支援ネットワーク
地域ぐるみでの支援
地域が学びの場
地域の特別支援教育センターとしての役割
国の動向
●平成15年3月「今後の特別支援教育のあり方について
(最終報告)」(調査協力者会議)
・「特殊教育」から「特別支援教育」への転換
・「特別支援教育コーディネーター」の設置
・「個別の教育支援計画」の策定
●平成16年1月「小・中学校におけるLD,ADHD,高機能
自閉症の児童生徒に対する支援体制の整備のための
ガイドライン(試案)」(文部科学省)
●平成16年12月「特別支援教育を推進するための制度の
在り方について(中間報告)」(中央教育審議会)
養護学校の地域の特別支援教育センターとしての役割
京都市における総合養護学校のセンター機能
市の取組
特別支援教育はもう始まっている
●平成14年6月に「養護育成教育相談センター」を開設
●平成16年7月に更に、「総合育成支援教育相談センター」
に名称変更, 「愛称:育(はぐくみ)支援センター」となる
●「個別の包括支援プラン」を基本に据えた
センター機能の活用
●学校経営システムと関連づけられた機能の運用
●LD等の児童生徒に関する支援を含む,総合的な
地域支援システムの構築
地域制の総合養護学校(北・東・西・呉竹)
センター機能と支援システム
地域の学校への支援システムの例
「個別の包括支援プラン」 をツールとしたP・D・C・Aのサイクルで指導
担任等
保護者
相
談
・
支
援
地域の小・中学校
校内LD等教育支援委員会
LD等教育支援主任
相談・支援
相談・支援
総合制・地域制養護学校
関係機関
医 療
福 祉
連
携
・
協
力
総合制養護
(白河・鳴滝・桃陽)
育(はぐみ)支援センター
学校サポートチーム
地域支援コーディネーター
育(はぐみ)
支援センター
職業学科
病弱教育
総合養護学校の専門性を活かした支援システム
相
談
総合育成支援教育相談センター(京都市)
個別の包括支援プラン
P・D・C・Aによる
支援内容・方法等の分析・プランニング・評価・更新
地域の学校における
サポート・パッケージ
支援の実施
●京都市立総合養護学校の取組概要
①校務分掌組織の基礎構造改革
…「総務」「指導」「支援」の三部体制
Point:行動(役割の明確化)による意識改革
「個別の包括支援プラン」(京都市版)の運用と授業改善
②サービスから学校業務への機能分化
…相談から面ぐるみの「支援」へ機能の解放
Point:学校の教えるという本来業務の確保
③4総合養護学校に「学校サポートチーム」の設置
…特殊教育から特別支援教育へ「援護」の要請
Point:小・中学校等の基礎構造(意識)改革へ
生涯にわたる支援計画(ネットワーク)の策定
●特別支援教育に関する動向
①「21世紀の特殊教育のあり方について」
(H13.1)
②学校教育法施行令の改正
(H14.4)
③「今後の特別支援教育のあり方について」 (H15.3)
*障害者基本計画ーガイドライン試案
(H16.1)
・特別支援教育体制の整備
*中央教育審議会特別委員会での審議
「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」
中間まとめ(H16.11),答申(H16.12)
*発達障害者支援法の策定
(H16.9)
*学校教育法など関連法案の改正
(H17~)
*養護学校での「個別の教育支援計画」の策定
(H17までに)
●特別支援教育ってなぁーに??
☆障害種別の枠をはずす
・・・養護学校
☆軽度発達障害の
児童生徒も対象とする
・・・小・中・高等学校
約1%
→
約10%
• 教師の不安,親の不安・・・
→
どう答えていきますか?
教師・・・
・ また面倒な仕事が増える →
・ 障害のことなど分からない →
・ 人も予算も増えないでどうしょう →
親・・・
・ 先生の手が足りなくなるのでは →
・ もしかしたら学校が変わるかも知れない →
●親の期待
期待・・・学校が変わる
学校が見える
保護者参画, 関係者のネットワーク
①先生が変わる …「専門性」
「特別支援コーディネータ」
②授業が変わる …「個別の指導計画」
「個別の教育支援計画」
③組織が変わる …「センター化」
「校内委員会」
●小学校,中学校などの不安
①先生の困っていることと
子どもの困っていることの混同
・・・つまずきの要因分析が難しい
②保護者対応の難しさ
・・・行動の問題性への対応の
ノウハウが少ない
③個に応じた学習方略が作り出せない
・・・専門知識,個人ファイル作成など
④長期展望にたった教育支援のあり方
・・・校内委員会,構造化など
●盲・聾・養護学校の不安
①相談・支援体制等の校内体制の
整備がとれていない
②発達障害に関する専門知識や指導経験が
少ない
③小・中学校などの現在の様子が分からない
④小・中学校などの教科指導に合った
アドバイスが可能か分からない
⑤小・中学校などの管理職へのアドバイスをどうす
ればよいか 例:校内体制の改革等
★外部状況
・目標に準拠した評価の時代
インフォームドコンセント・アカウンタビリィティー
・ノーマライゼーション理念の浸透
障害者権利条約案「合理的配慮」2006採択予定
・法制度の確立
「障害者基本計画」「新障害者プラン」
「発達障害者支援法」
「中央教育審議会特別支援教育特別委員会中間報告」
●小・中学校などの特性の打破
学級王国
支援体制
チームで考える習慣を作り出す
行動を伴う意識改革
例;ファイルの個別化・・・指導簿(全員)
→ ケースの掘り起こしと個別の
引継ぎ。継続性…教育支援計画
顔の見える支援の在り方
→ 保護者・地域と共に考える
特別支援教育--総合的な教育力の向上(1)
• 解決・改革への道
× どうしたら良いでしょう? → 丸投げ
× 専門家に任せるほうがよい
→ 問題の気づきの他人任せ
保護者の信頼関係を損ねる原因となる
特別支援教育=総合的な教育力の向上(2)
① 問題の箇所の整理;-
本人・・・障害?
保護者・家庭・・・意識,ニーズ,
障害受容 etc
教師,学級・・・意識,手だて,障害受容 etc
学校,地域・・・意識,機構,組織 etc
特別支援教育=総合的な教育力の向上(3)
• 皆が本人の行動で
問題だと思っていること・・・
☆なぜ起るのかwhy?
何時when
何がwhat
記録
何処でwhere
ベースライン
どの程度how
特別支援教育=総合的な教育力の向上(4)
• why?の解決のために
☆評価の方法を決めて
who誰が
when何時
・・・ 関わるのか
what何に
howどのように
☆待つより出て行く ・・・保幼小連携
個別の引き継ぎ
小中連携
特別支援教育=総合的な教育力の向上(5)
• 一冊のファイルから始まる
特別支援教育
「個別の教育支援計画」
※ 校内の役割分担の工夫
※ 専門性の高いグループなどの醸成
※ 校内授業研究のレベルアップ
平成15・16・17年度
文部科学省教育研究開発学校指定
「障害種別の枠を超えた教育課程のあり方に関する研究」
●
特別支援教育の取組
ー 障害のある子どもの「生きる力」と
保護者への生涯にわたる支援 -
=京都市立総合養護学校の取組=
THE
END
提 案: 企画委員会委員長 朝 野 浩
京都市立西総合養護学校長
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講義資料 - 学校教育研究センター