レーザー加速電子ビームの安定
性の向上とそのパルス幅計測
日本原子力研究開発機構
レーザー電子加速研究グループ
小瀧 秀行、森道昭、神門正城、林由紀雄、
川瀬啓悟、本間隆之、甲賀ジェームス、
Sergei V. Bulanov
ビーム物理研究会 2010年11月12日、理化学研究所
発表の概要
1. はじめに
レーザー加速電子ビームの特徴
研究の目的
2. レーザー電子加速実験
多価イオンを用いたレーザー電子加速
電子ビームの生成方向コントロール
電子ビームのプロファイルコントロール
電子ビームのパルス幅計測
3. まとめ
レーザー電子加速の特徴
レーザー加速の原理
レーザー加速の実験装置と加速原理
1. 高強度レーザーをガスに集光し、プ
ラズマを生成する。
数十MeV以上の
2. プラズマ電子振動によりウェーク場
が生成される。
電子ビーム
3. 電子がウェーク場により加速される。 レーザー
T.Tajima and J.M.Dawson, Phys.
により提唱。
Rev. Lett. 43, 267 (1979).
加速距離〜1mm
34mm
レーザー加速生成電子ビームの特徴
• 高い指向性(低エミッタンス)
• 超短パルス(短いプラズマ波長)
• 装置が小型(高い加速電場)
ビーム利用




次世代加速器(X線FELやリニアコラ
イダー等)の電子ビーム源
フェムト秒パルスラジオリシス
蛋白質の構造変化リアルタイム測定
発電用タービンの非破壊モニタリング
数十mm程度
(数十フェムト秒)
レーザープラズマを用いた電子加速研究
レーザー電子加速の研究
電子ビームの
安定化及びコ
ントロール
レーザー加速電
子ビームの高エ
ネルギー化
多段加速
さまざまな
インジェク
ション方法
長距離加速
高出力レーザー
による加速
レーザー加速電子ビームの安定化
Colliding-injection
J. Faure et al., Nature 444, 737 (2006)
H. Kotaki et al., PRL 102, 211083 (2009)
E. Esarey et al., PRL 79, 2682 (1997)
H. Kotaki et al., PoP 9, 1392 (2002)
Injection
Pumppulse
laser2
Pump laser1
e-
B field
Magnetized plasma
Pump laser
T. Hosokai et al., PRL 97, 075004 (2006)
e-
Density ramp
Pump laser
T. Hosokai, et al., Phys. Rev. E 67, 036407 (2003)
C.G.R. Geddes et al., PRL 100, 215004(2008)
S.V. Bulanov et al., PRE 58, R5257 (1998)
Prepulse control
T. Hosokai, et al., Phys. Plasmas 11, L57 (2004)
S.P.D. Mangles et al., Plas. Phys. Cont. Fus. 48, B83 (2006)
E. Miura, rt al., Appl. Phys. Express 2, 126003 (2009)
Ionization-stage control
M. Mori et al., PRST-AB 12, 082801(2009)
High-Z gas target
JLITE-X 実験セットアップ
Front edge
Pump laser
E=130±4.8mJ
t=40fs (3TW)
3mm
l=800nm
Smart shot
ASE pedestal:
(RMS Jitter: ~14ps)
LX-03R
1x10-6(500ps>t>1ps)
2x10-8(t>500ps)
Pump laser (from JLITE-X)
Helium or Argon gas
Laser intensity: 9x1017 W/cm2
f/22 OAP
Pb wall
Pb wall
CCD camera
Gas jet
Electromagnet
Al filter/Phosphor
Electron image/
Electron energy distribution
(f=646mm)
Gas jet:
Smart shell LX-03R
Nozzle:
Laval nozzle
Density length: ~3500 um
Gas material: Helium or Argon
生成電子ビームの発散角及び位置安定度
電子ビームプロファイル
発散角(RMS)
発散角
100 mrad
RMS FWHM divergence (mrad)
100
for 50 shot
80
100 mrad
Argon
40
プラズマ密度:
ne
~4x1019
cm-3
(in He and Ar)
[email protected]
20
100 mrad
0
2
3
4
5
6
7
19
8
9
10
-3
Plasma density x10 (cm )
Pointing in vertical (mrad)
30
アルゴン(>1MeV)
[email protected]
60
ヘリウム(>1MeV)
100 mrad
(>1MeV)
Helium
位置安定度
位置安定度(RMS)
Helium target
Argon target
20
for 50 shot
10
@optimum cindition
0
[email protected]
-10
[email protected]
-20
-30
-30
-20
-10
0
10
20
30
Pointing in horizontal (mrad)
多価イオンガスターゲットを用いることにより、電子ビームを安定化
チャネル長さのガス種依存性
Laser propagation
Gas jet
f/22 OAP
(f=646mm)
@Helium
Laser propagation
CCD
ω bandpass filter
アルゴンガスターゲットにおいて長いチャネルを観測
2mm
@Argon
Image of the 90o Thomson
scattered image
長いウェーク場の生成
メカニズム:発散角及び位置
M. Mori et al., PRST-AB 12, 082801(2009)
電子入射位置
L=short
加速距離
ヘリウムガス
→ 加速距離:短い
→発散角/位置安定性: Worth
電子入射位置
L=Long
加速距離
アルゴンガス
→ 加速距離:長い
→発散角/位置安定性: Good
  tan
1
d wf
dwf : Wakefield spot size
lwf
lwf : Wakefield length
長いチャネルの形成により、電子ビームが安定化された
電子ビームエネルギー
~10pC/bunch
(in FWHM)
~20pC/bunch
(in FWHM)
2
8
6
Spectrometer limit
4
-1
6
Helium
6
Spectrometer limit
6
8
dNe /dE (x10 MeV )
10
-1
dNe /dE (x10 MeV )
10
4
Argon
2
0
0
10
20
30
40
50
E (MeV)
0
0
5
10
15
20
25
30
E (MeV)
Helium Target
Argon Target
Peak Energy (MeV, for 50 shots)
24.8±3.6
8.5±0.8
Probability (%, for 50 shots)
38
84
窒素ガスターゲットによる生成電子ビームの安定度
Number of electrons [a.u.]
30
20
Helium target
Argon target
Nitrogen target
He: 9.8mrad
Ar: 2.4mrad
N2: 1.7mrad
10
0
-10
-20
-30
-30
-20
-10
0
10
20
30
Pointing in horizontal (mrad)
エネルギー分布
位置安定性
ガス密度: ~4x1018 cm-3
窒素ガスターゲットを用いることにより、電子ビーム位置安定性、
発散角、エネルギーが向上した。
高エネルギー電子ビーム発生
peak energy
: 130 MeV
peak energy
: 160 MeV
ガスジェットポジションを変化させ、高エネルギー電子生成
安定性 : 低い
準単色エネルギー電子ビーム生成 : 15%
高エネルギー電子生成(>100MeV) : a few %
電荷量 : 数 pC
3TWのレーザーで、高エネルギー電子ビームを生成
低エネルギー電子ビーム生成
Energy distributions (for 10shots)
1
(for 20 shots)
E=0.22±0.02 MeV
ΔE=0.10±0.02MeV
Beam divergence:
18.4±4.1 mrad (FWHM)
( ΔEtrans=4keV)
Number of electrons:
4-10pC
→ LBLと比較して約半分の
transverse/longitudinalのspread
Energy:
#1
#2
#3
0.8
∞
0.3 0.1 MeV
#6
#7
I=3x1017 W/cm2
ne=2.9x1019 cm-3
0.6
#4
#5
#8
#9
#10
0.4
0.2
0
100
200
300
400
500
600
Energy (keV)
Peak energy vs plasma density
Spatial profile of the electron bunch
(E>100keV)
500
[email protected] pumping
[email protected] pumping
1
400
I=3x1017 W/cm2
ne=2.9x1019 cm-3
0
300
200
100
0
0.5
0 1
2 3
4 5°
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
-3
Plasma density n (cm )
e
→Plasma densityの変化によりEnergyがTunable
電子ビーム発生方向実験セットアップ
方向のコントロール
ガスジェットのyをシフトさせて、電子ビームの方向をコントロールした。
Gas jet
電子ビームの方向コントロール
ガスジェットの位置のコントロールにより、電子ビームの
方向のコントロールに成功した。
電子ビームプロファイルコントロール
レーザー加速電子ビームのプロファイル
P
Oblique
S
Oblique
レーザーの偏光を回転させることにより、プロファイル
のコントロールを行った。
レーザーの偏光方向のコントロールにより、電子ビーム
プロファイルのコントロールに成功した。
Similar result was published in
S. P. D. Mangles, et al., PRL 96, 215001 (2006)
減速位相にある電子ビームのエネルギースペクトル
N2 0.34MPa
P polarization
ne = 2.2x1019 cm-3
S polarization
E
5.3
6.2
7.4 9.1 11.5 15.5 23.0 42.8
Electron energy [ MeV]
S polarization
E
6.7
The peak energy is 20 MeV
8.1 10.0 13.0 18.1 29.0 67.9
Electron energy [MeV]
電子ビームの振動は、偏光に依存する。
電子ビームは、1.5周期(FWHM)の振動を持っている。
この振動は、レーザーの電場かプラズマ波によるものである。
0.73mrad
E
Angle [mrad]
N2 0.103MPa
N2 0.110MPa
0.78mrad
E
Energy
N2 0.121MPa
1.07mrad
E
Angle [mrad]
Angle [mrad]
Angle [mrad]
低密度でのエネルギ-空間における電子振動(P偏光)
N2 0.140MPa
1.42mrad
E
Energy
プラズマ波による振動
Y. Glinec, et al., Europhys. Lett. 81, 64001 (2008)
電子エネルギーに対する電子生成の角度は、
1/ 4
E 0

 0  0 0 
 ( )  
sin
2  2 0 0 
  3 / 4
E
 z

0 = wpr0/(2c).
0 = w0/( 3 wp) = 4.86,


wpとともに振幅も
大きくなる
実験結果と一致
解析1:プラズマ波による振動と仮定
Y. Glinec, et al., Europhys. Lett. 81, 64001 (2008), 他
プラズマ波による振動と仮定した場合
1. 電子エネルギーに対する電子生成の角度は、
1/ 4
E 0

 0  0 0 
 ( )  
sin  2  2 0 0 
3
/
4
  
E z

2mrad程度の振幅のはずだが、一致しない。

2. P偏光のとき、2mrad程度
の振動が見えるはずだが
見えない。
プラズマ波
による電子
振動の振幅
解析2:プラズマ波による振動と仮定
プラズマ波による振動と仮定した場合
3. プラズマ波によるベータートロン振動の周波数は、
w = wp/ 2 00 .
これらの式より、ベータートロン振動の波長は、
l = 20.8 [mm].
1.5周期なので、電子ビームのパルス幅,
te_は、

te_ = 20.8[mm]×1.5/c = 31.2[mm]/c,
= 104 [fs].
電子バンチ長は、プラズマ波長の4.6倍である。
電子バンチ(104fs)は、プラズマ波長の4.6倍と長いた
め、エネルギー空間にて、きれいな振動は見えない。
プラズマ波による振動ではないと思われる。
解析3:レーザー電場での振動と仮定
レーザーの電場による振動と仮定した場合
1. 「振動の周波数」 = 「レーザーの周波数
(800nm)」
1.5周期なので、電子ビームのパルス幅は、
te_L = 0.8[mm]×1.5/c = 1.2[mm]/c,
= 4 [fs].
プラズマ密度より、プラズマ波長は、
lp = 6.73[mm].
電子バンチ長は、プラズマ波長の18%である。
電子バンチ(4fs)は、プラズマ波長より短い
ので、エネルギー空間で電子の振動は見える。
解析4:レーザー電場での振動と仮定
レーザーの電場による振動と仮定した場合
2. 電子振動の振幅は、
las = a0/ = 16 mrad
レーザーに
よる電子振
動の振幅
3. P偏光においては、レーザーによる電子振動により、
プラズマ波による振動が消えて見えなくなっている。
レーザーの電場による振動とすれば、矛盾はない。
3D-PIC シミュレーション
(K. Nemeth, et al., PRL 100, 095002 (2008))
レーザーの電場による電
子ビームの振動。
3次元の粒子シミュレー
ションによる計算結果。
VORPALを使用。
K. Nemeth, et al., PRL 100, 095002 (2008)
よりコピー
まとめ
1. アルゴン及び窒素ガスを用いて生成電子ビームの安定
性の向上に成功した。
2. 電子ビームの生成方向を、ガスジェット位置のコント
ロールにより行なった。
3. レーザーの偏光のコントロールにより、電子ビームプ
ロファイル制御を行なった。
4. エネルギー空間において、2タイプの電子ビーム振動
を観測した。
5. 電子ビームのパルス幅は4fsと考えられる。
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レーザー加速電子ビームの安定性の向上とその