溶解の原則
● (構造、性質が) 似たものどうしは 溶け合いやすい。
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● 極性物質どうし: 水と塩類など
● 非極性物質どうし: 有機溶媒と油類など
● 界面活性剤を使うと:
性質が異なる油類も水に分散する。
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表面エネルギー:表面が持つエネルギー
●内部の粒子:
働く引力の和が0
合力=0
●表面の粒子:
外向きの引力がない
→内部向きに力が働く
高エネルギー
エネルギーの高い表面の粒子の数を減らして安定化する
⇒ 表面張力、焼結現象 の原因
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表面張力とは
●表面張力:
表面積を縮小して、表面エネルギ-を下げようとする力
●比表面積(表面積/重さ)を小さくするには:
① 形を球形にする
② 粒を大きくする
●焼結現象: 固体のままで(融点以下の温度で)
比表面積の小さな大きな組織になる現象
① 焼き物
② 粉末冶金
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焼結現象: 固体のままで大きな組織になる
融点以下の温度
で加熱 ⇒ 焼結
焼物
原料粒子は表面積大 ⇒
表面エネルギー大
(不安定)
焼物:組織大 ⇒ 表面積小
⇒ 表面エネルギー小(安定)
融点まで加熱
⇒ 液体
⇒ 円盤状
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表面張力:粒子間の力の強さを反映
(金属結合は強い)
(水素結合はやや強い)
(ファンデルワールス結合は弱い)
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水の表面
表面張力の方向
1円玉
重力
1円玉
水相
重力
重力
● 水は表面張力が大 ⇒ 縁で上向きの力
⇒ 重くても浮かぶ ⇒
アメンボウ、アヒルなどが水に浮かぶ
● 石けん水を加える ⇒ 表面張力 小
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界面活性剤: 界面張力を激減させる
表面張力の方向
1円玉
重力
界面活性剤
を加える
小さい
離れる
沈む
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石けんの構造と加水分解
(親油性)
(親水性)
炭化水素基
カルボキシル基の塩
石けんの加水分解 ⇒ 水溶液がアルカリ性
RCOONa + H2O ⇆ RCOOH + Na+ + OH8
陰イオン(陽イオン)界面活性剤
洗濯用合成洗剤
高級アルコール系洗剤
(台所用、シャンプー)
陰イオン
陽イオン
合成洗剤: 強酸と強塩基の塩 ⇒
水溶液が中性
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石けんと合成洗剤
● 石けん:
① 硬水中で
カルシウム石けん( (RCOO)2Ca )
マグネシウム石けん( (RCOO)2Mg )
になり沈殿
② 加水分解して弱アルカリ性 ⇒ 羊毛、絹を傷める
③ 微生物が分解しやすい
● 合成洗剤:
① 硬水中でも洗浄力がある
② 加水分解をせずに中性
③ 冷水にも溶けやすい
④ さらさらの粉末にできる
⑤ 石けんよりも微生物が分解しにくい
⑥ 安価
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陽イオン界面活性剤
●タンパク質の表面: マイナスに帯電
(構成アミノ酸にグルタミン酸が多い)
HOOCCH (NH2)(CH2)3COOH
グルタミン酸
重合
COO-
ポリペプチド鎖
COO-
⇒ 陽イオン界面活性剤と結合しやすい
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陽イオン界面活性剤の利用
●病院用石けん:
細菌表面のタンパク質と結合 ⇒ タンパク質を凝固 ⇒
殺菌作用 ⇒ 洗剤兼消毒剤
●リンス: 陽イオン部分が髪(ケラチン)に結合 ⇒ 炭化
水素基部分が外側に向く ⇒ 油を塗ったたよう感じ
●トリ-トメント:
リンスに類似(浸透性大)
●ソフタ-
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界面活性剤の濃度と表面張力
表面が炭化水素基
炭化水素基
親水基
CMC
水
ミセル
(Critical Micel Concentration): 臨界ミセル濃度
(界面活性剤分子の集合体ができ始める濃度)
⇒
CMC以上の濃度で表面張力が激減
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界面活性剤の濃度と洗浄力等
洗濯時
油の乳化
●推奨使用量:
洗剤濃度がCMC
になる洗剤量(十
分な洗浄力が得
られる最小量)
⇒
それ以上の量の
使用は無駄使い
●可溶化量:
溶かすことのできる
油類の量
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界面活性剤(まとめ)
●作用: 少量で界面張力を激減させる
●構造: 分子内に親油基と親水基がある
●陰イオン界面活性剤: 石けん、合成洗剤
●陽イオン界面活性剤: タンパク質と結合する
⇒ 殺菌作用、リンスなど
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洗濯のプロセス
油汚れ
繊維
入浴時に、脂肪が 人体 から 器壁へ :
皮膚の脂肪 + CMC以上の濃度の洗剤 ⇒ ミセル形成
⇒ CMC以下の濃度 ⇒ ミセルが壊れる ⇒ 脂肪が遊離
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商品としての合成洗剤
● 界面活性剤 + 洗浄促進剤
● 洗浄促進剤
● ゼオライト: イオン交換作用
Ca2+, Mg2+ ⇒ Na+
● 蛍光増白剤:
紫外線 ⇒ 青紫色(黄色の補色)の
可視光線 ⇒ 白色、増光
● アルカリ性で働く酵素
タンパク質、脂質、デンプンを分解する酵素
セルロース分解酵素: セルロースの非 結晶質部分の汚
れを落とす
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界面活性剤の利用
● 化粧品(乳液、クリーム)
● 起泡剤(アイスクリ-ム、ケ-キ)
● 界面活性作用をもつ天然物
● レシチン(細胞膜、卵黄):
食品、化粧品の乳化(マヨネ-ズ、米のとぎ汁)
● 胆汁酸: 脂肪の消化、牛の胆汁で羊毛を洗浄
● ウグイスの糞(胆汁酸塩)
● 水溶性タンパク質(卵白アルブミン等)
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乳濁液(エマルション)の種類
水中油滴型
(水の性質が強い)
マヨネーズ、牛乳
油中水滴型
(油の性質が強い)
界面活性剤 バター、マーガリン
界面活性剤が親水基を水側、親油基を油側に向けて界面に並ぶ ⇒ 界面張
力と界面エネルギ-が低下 ⇒ 界面の安定化 ⇒ 乳化状態の安定化
起泡: 泡 は表面積 大 ⇒ 界面活性剤があると、泡があっても比較的安定
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ゴキブリに界面活性剤水溶液をかけたら
ゴキブリの気門(呼吸器): 表面が親油性固体
⇒ 水をはじく
界面活性剤をかけると
親油性物質
気門
表面が親水
性に変わる
水滴
水
気門に入らない
ので死なない
水滴が気門
に入り窒息死
水滴
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昆虫の気門の詰り
● ゴキブリ: 灯油をかけると?
●ツマグロヨコバイ:
水に落ちても平気。
田に石油の油膜を張り、落とすと死ぬ
(農薬がない時代の殺虫法)
●アブラムシ、蚊、ブヨ、甲虫:
台所用洗剤水溶液をかけると
死ぬ ⇒ 万能の殺虫剤?
(安全、殺虫剤耐性がでない )
洗剤水の噴霧で蚊が瞬間的に
落ちるのは、羽と胴体が水濡れして
くっつくから(水では落ちない)
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第2章 界面活性剤