第5章 軸と軸受の設計
軸と軸受
★多くの機械は回転運動を利用している。
★軸系の要素(軸,軸受,カップリング・・・)
★回転機械における設計の要点
5.1 軸の設計技術
1. 軸の種類と用途
2. 軸の強度計算
3. 軸を設計する際の要点
5.1.1 軸の種類と用途
(1) 伝動軸
(2) 機械軸
(3) 車軸
荷重の加わり方によって,3種類に分類される。
(1) 伝動軸
伝動軸
回転によって動力
を伝達する。
伝動軸
ねじり強さに注意
する!
(2) 機械軸
機械軸
工作機械の主軸
など。
高い回転精度(ぶ
れの少なさ)が要
求される!
機械軸
(3) 車軸
車軸
車輪を持つ軸
=曲げ荷重を受ける。
軸受による軸の支
持が重要!
車軸
5.1.2 軸の強度計算
(1) 軸のねじれ荷重
トルク
せん断力
Tq  Z p
極断面係数
(1) 軸のねじれ荷重
ねじれ荷重を受ける軸の強度(SUS304)
(2) 曲げ荷重
曲げモーメント
曲げ応力
M
 
Z
断面係数
(3) 強度計算時の注意点
(a) 応力集中
段付軸などでは応力集中に気をつけ
る!
(b) たわみ
たわみが問題になることがある!
(c) ねじりの固有振動数
共振すると軸が破損するこ
とがある!
(d) 衝撃荷重・不慮の荷重
一定の荷重が加わるとは限
らない!
5.1.3 軸を設計する際の要点
(1) 軸の直径
軸の直径は決められている(推
奨)!
(2) 軸の長さ
必要以上に長くしない!
(3) 軸の加工精度・表面粗さ・硬度
使用方法により制限される!
★軸が破損した例
模型車いす
曲がった軸
路面の段差による強い荷重を受けて破損!
5.2 カップリング
1. カップリングの種類と特徴
2. カップリングの強度
3. カップリング選定の要点
5.2.1 カップリングの種類と特徴
(1) フランジ形軸継手
固定軸継手
たわみ軸継手
JISによって規格化されている。
(2) ゴム・樹脂カップリング
衝撃的な荷重を吸収できる。
(3) 金属カップリング
回転方向のバックラッシ(遊び)が少ない。
回転運動を正確に伝達できる。
(4) ユニバーサルジョイント
2本の軸の角度が大きい場合に使われる。
5.2.2 カップリングの強度
カップリングのカタログの一例
許容トルクがカタログに記載されている。
5.2.3 カップリング選定の要点
(1) 許容トルク
カップリングのカタログの一例
許容トルクが,実際に使用するトルクを上回ること!
(2) 軸との固定方法
機械の構造や用途に適した固定方法を選ぶ!
(3) トルク変動
許容トルクが,最大トルクを上回ること!
(4) 回転角度の精度
高い運動精度が必要な場合
ゴムカップリングは適していない?
(5) 軸の位置精度
偏心・偏角が大きい場合,
使用できるカップリングは限られる。
【補足】軸心を出しやすい形状
「板」より「丸」の方が,軸心を出しやすい!
(6) 大きさと形状の制限
例
小型化
軸方向の長さを短くする。
高回転
直径方向に小さくする。
5.3 軸と回転体の固定
1.
2.
3.
4.
5.
止めねじ
テーパによる固定
キーによる固定
スプライン
フリクションジョイント
5.3.1 止めねじ
最も簡単な方法。
締結の力は弱い。
5.3.2 テーパによる固定
軸心を合わせやすい。
5.3.3 キーによる固定
比較的大きい機械でよく使われる。
5.3.4 スプライン
締結は,キーよりも強い。
自動車や工作機械に使われる。
5.3.5 フリクションジョイント
締結力が強く,手軽に使える。
★フリクションジョイントの使用例
スターリングエンジン
軸と穴の形状が単純!
5.4 軸受の利用技術
1.
2.
3.
4.
摩擦と潤滑
軸受の構造と種類
深溝玉軸受の強度
軸受を使用する際の要点
5.4.1 摩擦と潤滑
転がり摩擦は,
すべり摩擦より,
摩擦力が小さい。
運動部には潤滑
が必要!
5.4.2 軸受の構造と種類
(1) 転がり軸受の構造
転がり摩擦を利
用している。
(2) ラジアル軸受とスラスト軸受
(3) 玉軸受ところ軸受
【補足】すべり軸受
小型のすべり軸受
安価である。
舶用エンジンのすべり軸受
大荷重に耐えられる。
5.4.3 深溝玉軸受の強度
最大荷重
基本静定格荷重C0(N)
寿命計算
基本動定格荷重C(N)で100万回転
5.4.4 軸受を使用する際の要点
(1) 軸受の固定方法
軸方向に動かな
いように固定す
る。
(2) 回転体との接触
内輪・外輪が滑らかに回るようにする。
(3) 軸受の位置
均等な荷重が
加わるように
する。
モーメント力
を小さくする。
(4) 軸受の潤滑
軸受には潤滑が必要!
5.5 軸系の設計例
1. スターリングエンジンの出力取り出し機構
2. 魚ロボットの動力伝達機構
5.5.1 スターリングエンジンの
出力取り出し機構
★出力測定装置
★出力測定装置
5.4.2 魚ロボットの動力伝達機構
本日の課題
①下図は町中を自由に動きまわるための簡易自動車
である。この簡易自動車における軸系の設計手順を
考えなさい。
②右図の簡易自
動車において,強
度を保ちながら,
車軸を軽量化す
る方法を考えなさ
い。
③本日の講義で印象に残ったことを書きなさい。
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H14講義用スライド(MS-PowerPoint簡易版,820kB)