Effects of fluid resuscitation with colloids vs
crystalloids on mortality in critically Ill
patients presenting with hypovolemic shock
JAMA. Nov 6 2013-vol310,No.17
聖マリアンナ医科大学
横浜市西部病院 救命
丹波 和也
Djillali Annane,MD, PhD;
Shidasp Siami, MD;
Samir Jaber,MD, PhD;
Claude Martin, MD, PhD
背景
• 血液量減少性ショックの管理に晶質液よりも膠質液の静脈内投
与の選択を支持しているEvidenceは不明なまま
• (晶質液:Crystalloid・膠質液:Colloid)
• 一般に膠質液は、血管内腔に残る液体量の点で晶質液よりも効
率的であると考えられている
• 膠質液は急性腎障害のriskを高める可能性がある
• 膠質液は晶質液より高価
• 現在のSurviving Sepsis Campaignガイドラインでは、体液回復に
おいて膠質液使用よりも晶質液が望ましいとされている
• 最近の研究で低張性膠質液と晶質液では死亡率は変化なし
目的
• 本研究の目的は、血液量減少性ショック
で ICU に入室となった患者で、輸液によ
る体液回復に際して、晶質液に比較して
膠質液の使用は死亡率を変えるかどう
か検証すること
方法
• 場所:フランス、ベルギー、カナダ、アルジェリ
ア、チュニジアにある57施設のICU
• Open label
• トライアルの治療は非盲式であったが、転帰
評価は治療割り当てを伏せて行われた
• 期間:2003/2~2012/11
(follow upの最終は2012/8)
対象
ICUの滞在中に急性血液量減少のための輸液
蘇生が必要で補液を受けた人
①90mmHg未満の収縮期動脈圧、動脈平均
60mmHg未満、起立性低血圧(半横臥位に仰
臥位から少なくとも20mmHgの収縮期動脈圧の
低下)、または13%以上の脈圧差
②低充満圧と低心係数
③組織低灌流や低酸素を示唆する以下の徴候で2
項目以上当てはまる人
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GCS12点以下
まだらな皮膚徴候
25ml/hr以下の尿量
3秒以上の毛細管補充時間
動脈乳酸値≧2mmol/L
BUN≧56mg/dl
ナトリウム排泄分画(FeNa)<1%
★除外基準
・ICU管理になる前に補液管理を受けた
・試験に使われる薬剤にアレルギーがある
・慢性肝障害
・麻酔に関連した低血圧
・慢性腎障害
・急性アナフィラキシー反応
・蘇生拒否
・遺伝性凝固異常
・妊娠中
・同意が得られなかった
・熱傷
・脳死もしくは移植ドナー
・脱水
使用した輸液製剤
晶質液群(Crystalloid群):
等張性・高張性食塩水またはリンゲル乳酸溶液から選
択して自由に使用
膠質液群(Colloid群):
HES、ゼラチン、アルブミンなどから選択して自由に使用。
ただし、HESだけは30ml/kg/dayまでという使用制限あり
また
・維持輸液は晶質液を使用
・血清アルブミンが2.0g/dl以下になったらアルブミンを投
与可能
outcome
• Primary outcome
28日以内の死亡率
• Secondary outcome
死亡率:90日以内・ICU退室時・病院退院時、
人工呼吸器or透析or昇圧剤使用せずに生存して
いる日数、SOFA<6で生存している日数
ICUにいなくて生存している日数
病院にいなくて生存している日数
Statistical Analysis
• ITTの原理に従って実施
• 生存曲線は、カプラン·マイヤー法に従っ
て構築
結果
参加症例:2857症例
(晶質液群:1443症例、膠質液群:1414症例)
主要疾患:敗血症54%
(次いで外傷6%・その他)
患者背景
明らかな有意差は認めなかった
28
28日の時点で生存曲線のずれは出てきているが
有意差はなし
有意差あり
・90 日以内の死亡率
⇒膠質液群が、晶質液群よりも多い
→有意差あり
・人工呼吸器装着なしの生存日数
⇒7日と28日ともに膠質液群が、晶質液群よりも多い
→有意差あり
・昇圧剤治療なしの生存日数
⇒7日と28日ともに膠質液群が、晶質液群よりも多い
→有意差あり
discussion
• 他施設で行った補液のstudyとは違い今回のstudy
では、限られた項目を見ているため死亡率における
Colloidの効果を確認できた。
• 2つのトライアルで、5%AlbもしくはHES vs 晶質液の
比較がされており死亡率に差がないとされている
• 又他のトライアルでデンプン vs リンゲル液の比較で
は死亡率においてデンプンの方が高いとされている
• 晶質液群と膠質液群で差が出たのは、同じ値まで
の昇圧に必要な補液量が前者のほうが多いことに
よると考えられる。
• 高張アルブミン液の投与で腎イベントの発生
が増えるとの結果報告があるが今回は有意
差なし
⇒その理由として
①慢性腎不全を除外したこと
②呼吸器や心血管に対する治療をより早期に
離脱することで腎保護ができたこと
③生食(Clリッチ)の投与量の減少で腎障害が
減ったこと
が考えられる。
Limitation
・盲検比較試験でない
⇒輸液製剤は異なるパッケージ、ラベルで、容器の種類
や大きさも様々であるため盲検化は難しい
・調査期間が長い
⇒9年間の間に治療ガイドラインの変更があるため一律
の治療ができていない可能性がある
・薬剤の知識の差がある
⇒薬剤の種類がわかることで治療責任者の知識と照ら
し合わせて加減されてしまう可能性ある
(例えばHESは腎機能障害をおこしやすい等)
CONCLUSION
血液量減少性ショックのある ICU 患者では、晶
質液に対して、膠質液の使用は、 28 日死亡率
に有意な差を生ずる結果とはならなかった。
90 日死亡率は、膠質液を投与された患者で低
かったが、この結果は、試験的であると考える
べきであり、その効果について結論に至るには
更なる研究が必要である
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2014年8月5日(丹波和也)(1.0MB)