戦略クラフティング
経営学研究科 一年生
11mc002
セキ
ショウレイ
 まずは戦略プランニング(Planning)
戦略プランニングとは「計画すること」「作られること」であり、戦略
担当者はマーケティング・スキルや統計学に知識をフルに活
用して、企業を取り巻く内部・外部環境を詳細に分析しなけれ
ばならない。
そのデータを基に、体系的で綿密な計画を策定するというもの
です。
ミンツバーグは、戦略担当者には計算機のような正確さ と物事
を 合理的・論理的に捉える能力が求められると言っています。
 次に戦略クラフティング(Crafting)
戦略クラフティングとは「創作すること」「生まれること」であり、
戦略を立案する過程で偶然の発見や自然的な発生、予期
せず生まれる戦略を重視するというものです。
ミンツバーグは、戦略担当者はひたすら試行錯誤を繰り返し、
徐々に形あるものに創り上げていく工芸家のクラフト(創作)能
力が問われると言っています。
ここで、ミンツバーグは戦略が工芸制作のように創作されると
いうイメージこそ、実効性の高い戦略が生まれてくるプロセスを言
い表しています。
マネージャーが陶芸家であれば、戦略は粘土(ねんど)である。
そして、自社のケイパビリティという過去と市場の可能性という未
来の間に座っている。陶芸家と同じく、自らが置かれた状況にお
いて、手持ちの経営資源に関する知識を活用するだろう。

戦略という言葉は、未来を意図する行動を表現するだけでな
く、過去の行為を説明するためにも用いられる。

戦略とは何か
一種の計画であり、未来の行動を明らかにするガイド
ラインであると定義する。

どのような戦略を立案してきたか?⇒これまで踏襲されてきた
行動について語る。
戦略がどのように取り組まれているかは、過去のパターン、
「実現された戦略」を見れば分かれる。
一人の工芸家の作品を年代順に並べて見比べればわかる
ように、少なくともある一定期間において、だれでも何らかのパ
ターンを苦も無く見出せる。
例:フォルクスワーゲン(Volkswagen)の車種の変遷。
意図された戦略、すなわちプラニングし、これを組織内に
提示する場合は、いろいろな問題にぶつかる。

陶芸家の場合、行動が思考を触発し、一つの戦略が創発さ
れる。

戦略は策定される場合もあれば、次第に自己形成される場合
もある。言い換えれば、戦略は状況変化に即して形成される
こともあれば、戦略立案から実施段階へと連続するプロセスを
経て、論理的に策定されることもあるのだ。ただし、このように
計画された所期の目的が期待していた行動に結実しない場
合、実現に至らなかった戦略だけが残ることになる。
実際の行動や経験を通じて戦略が自己形成されることを
認めることで賢くなれる。
本当に賢い戦略立案家ならば、人間はすべてを予測でき
るほど賢明でありえないことを承知している。
ただし、これは戦略プランニングを否定ではなくて、共存す
べきと説いています。

まず、創発戦略とは知らず知らずのうちに生まれてくる戦略、あるい
は何らかの意図があったにしても次第に形成されていく戦略のこと
である。

プラニングは学習を排除するが、創発は統制を排除する。一方に
偏りすぎると、どちらの方法もその意味を失う。学習と統制は結びつ
いていなければならない。

そのため、戦略を策定する行為は二本足で進んでいく。すなわち、
プラニングの足と創発の足である。

純粋なプラニング戦略と純粋な創発戦略は一本の線の両極にあり、
したがって戦略クラフティングは、この線上のどこかに位置する

プランニングとクラフティングを含めた戦略を策定するプロセスを図
式化したら、以下の図のようになります。
まず初めに意図された戦略
これは意図的に策定された複数の戦略は、すべてが実現されるわけ
ではなく
一部は有効として残され、それ以外は適切でないと棄却されるというこ
とを表しています。
そこで残された戦略案を熟考戦略として、棄却された戦略案を実現さ
れなかった戦略として区分しています。
実現されなかった戦略は、一時的に構想案から除外されます。
しかし先ほどの戦略クラフティングの考えで、その棄却された戦略案の
中から、再び考え直すというのが創発戦略です。
企業が偶発的な事態や予期せないことに見舞われた際、実現されな
かった戦略の中から再考し、不測の事態に適応できる戦略案はない
かと探し出すのです。
最終的に、企業の実現された戦略は、初めから残っている熟考戦略と、
不測の事態への適応で再考された創発戦略の両方の特性を兼ね備
えた戦略が実行されているということです。

優れた戦略策定には、論理的思考、統制と柔軟な思考、組織学習
がうまく調和している。

人々がある状況に直面することで学習し、かつその学習能力を支
援する経営資源が存在しているならば、戦略は生まれる。
1.計画的に創発を促す(うながす)方法
「アンブレラ戦略」:プラニング(上層部からのガイドライン)だけでな
く、創発のプロセス(具体的なプランの作成)も含んでいる。くわえて、
戦略が途中で発展するように意図的に管理していくという点で計画
的に創発を促すアプローチ、「プロセス戦略」とも呼ぶ。
2.プロセス戦略、あるいはアンブレラ戦略はとりわけ高度の専門技術と
創造性が要求されるビジネスで活用されているようだ。これらの組織
は、全員が戦略プランナーであり、工芸家なのである。
例:IBM
戦略プラニングのジレンマは、安定を求める力と変化を求める力をい
かに調整するかにある。
変化に対応する戦略転換のパターンを発見し、「量子的飛躍理論」と
名づけた。基本的な論点は、組織は、タイミングを間違えると、まったく
異なる行動様式を採用するというものである。
「量子的飛躍理論」は、特に大規模かつ安定した大量生産企業につ
いて言い当てている。なぜならこれらの組織は、定型業務への依存度
が高いため、戦略転換への抵抗はことに激しくなりがちからである。
例:NFB(カナダ国家映画局)の拡散と収斂のバランス
拡散というのは、安定や均衡から離れること
収斂というのは、安定や均衡へと戻っていくこと
第二次世界大戦
四十年代
戦後
収斂
拡散
国民の意識を高揚
させる戦争映画
テレビの登場
五十年代初期
新しい存在意義
を求める映画
活動は収斂された
拡
散
六十年代初期
収斂
社会変動の影響を
受けた実験的映画
や社会問題を取り
上げ映画
新しい実験と創
造の時代 五十
年代後半
活動は拡散始めた

戦略者に関する一般的見解を述べれば、[プランナー」であり、「ビ
ジョナリ―」である。さらに、パターン認識者、あるいは学習者である。

戦略家の定義:単に個人という概念のみならず、多数のアクター
(登場者)が情報を相互交換し、組織の思考をかたちづくるような集
合体という概念。
戦略者として、以下の能力を持つべきである。
1.安定性を統御する
–既存の戦略を追及し、変革を起こすタイミングを知ること
2.非連続性を察知する
–非連続を察知し、思考を転換させる能力こそ本質
3.ビジネスを理解する
–何か事が起こりかけた時に、観察できる能力を鍛えること
4.各種のパターンをマネジメントする
–戦略を管理するカギは、創発してくるパターンを認識し、それが形
成されるのを促す能力
5.変化と連続性を融合させる
–マネージャーは、いつ既存の戦略を活用すべき時期なのか、いつ
新しい戦略をこれと置き換える時期なのか、正しく識別できる能力
(パターン認識)を備えなければならない。
–未来と現在と過去を無理なく統合させることが求められる。
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