SCALE ECONOMIES AND OVER-CAPITALIZATION
IN JAPANESE ELECTRIC UTILITIES
BY JIRO NEMOTO, YASUO NAKANISHI AND SEISHI MADONO
平成12年5月24日
発表 : 寺 島 修
論文の概要
(目 的)
・日本の電力会社について
規模の経済性は働いているか
検証
最適な資本量が達成されているか
(分析方法) ・短期均衡モデル
・資本を準固定要素として取り扱い
・トランスログ型の費用関数
・国内9電力会社の1981~1985のパネルデータを利用
(結 果)
・短期でみた場合、 9社中8社は規模の経済を達成している
・長期でみた場合、9社中8社は規模の不経済が生じている
・9社中7社は、過剰資本となっている
費用関数の定義
可変費用関数
VC( PL , PF ; Y , K )  min {PL L  PF F | Y  f ( L, F , K )}
L, F
PL:賃金率 PF:燃料費
Y:産出量 K:資本 L:労働投入量 F:燃料投入量
短期総費用関数
STC  VC( PL , PF ; Y , K )  PK K
PK:資本の調達費用
長期総費用関数
LTC  LTC ( PL , PF , PFK , Y )
 STC ( PL , PF , PK ; Y , K )
*
  STC 

0

K*:STCを最小化する最適資本ストック   K  K  K
*



評価の指標(1) 規模の経済性
(短期)
S
  ln STC 

SCE  1  
  ln Y  K CONST
 ln VC ( PL , PF ; Y , K )
 1
 ln Y
SCE>0 規模の経済性あり
SCE<0 規模の不経済性あり
(長期)
L
 ln LTC
SCE  1 
 ln Y
1
  ln VC 
  ln VC 




 1  1 

 ln K  K  K *   ln Y  K  K *

評価の指標(2) 資本の最適性
K
R *
K
R>1 過剰資本
R<1 過少資本
K*が長期均衡における(最適な)資本なので、
Rが短期において1より乖離している場合は、
何らかの要因があるはず。
費用関数(可変費用関数)の推定(1)
(推定式)
ln VC   0    i ln Pi   Y ln Y   K ln K   T T
i

1
1
1
2
2

ln
P
ln
P


(ln
Y
)


(ln
Y
)
  ij
i
j
YY
KK
2 i j
2
2

1
 TT T 2    iY ln Y ln Pi    iK ln Pi ln K
2
i
i
   iT T ln Pi   YK ln Y ln K   YT T ln Y   KT T ln K
i
  Y DUM ln Y
(但し
(関数の制約)
i  1
i
  ij    ij    iY    iK  0
i
j
i
j
i, j  L, F)
費用関数(可変費用関数)の推定(2)
(推定
式)
S L   L   LL ln PL   LF ln PF   LY ln Y   LY ln K   LT T
S F   F   FL ln PL   FF ln PF   FY ln Y   FY ln K   FT T
[シェパードの補題]
 ln VC Pi i

 Si
Pi
VC
(但し、 S:i i財のシェア )
推定結果(1) 規模の経済性
S
L
SCE
SCE
北海道
0.1932
(0.1130)
-0.1071
東北
0.4281
(0.1927)
-0.0839
東京
0.4556
(0.4119)
0.0012
中部
-0.2655
(0.3241)
-0.0246
北陸
0.6922
(0.1344)
-0.1223
関西
0.1531
(0.3425)
-0.0125
中国
0.5489
(0.1206)
-0.0861
四国
0.3533
(0.0917)
-0.0775
九州
0.2882
(0.1734)
-0.0787
推定結果(2) 資本の最適性
資本額
(K)
最適資本
(K*)
R(=K/K*)
t
北海道
1,358.00
1,224.76
1.109
11.36
東北
3,107.00
2,596.91
1.197
46.45
東京
10,174.00
8,640.35
1.178
12.90
中部
4,502.00
4,843.16
0.930
4.32
北陸
1,294.00
943.00
1.373
115.90
関西
6,552.00
6,201.46
1.057
2.47
中国
2,026.00
1,598.10
1.268
82.33
四国
1,337.00
1,138.42
1.175
32.52
九州
2,911.00
2,564.42
1.135
19.45
平均
3,695.67
3,305.61
1.118
結論と課題
1.規模の経済
・短期では、中部以外に規模の経済あり
・一方、長期では、東京以外は規模の経済なし
国内各電力会社の規模の経済は、既
に消滅している。会社を分割すべし。
*但し、今後の需要の変化や、会社分割による
費用は今回の分析では考慮されていない。
2.資本の最適性
・中部と関西以外は、過剰資本
需要の急増への対応のため、資本に余裕が
必要な可能性がある。分析のためには、モデ
ルの拡張が必要である。
(参考資料) 費用構造の変化(9電力合計)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
98
96
94
92
90
88
86
84
82
80
78
76
74
72
19
7
0
0%
その他費用
法人税
渇水準備金引当又は
他社購入電力料
地帯間購入電力料
事業税
固定資産税
減価償却費
支払利息
修繕費
燃料費
人件費
(参考資料) 電力需要量の変化
(百万KWH)
(百万KWh)
300,000
北海道
東北
東京
中部
北陸
関西
中国
四国
九州
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
98
96
94
92
90
88
86
84
82
80
78
76
74
(年)
72
19
70
0
(参考資料) 最大電力需要の変化
70
(百万KW)
60
北海道
東北
東京
中部
北陸
関西
中国
四国
九州
50
40
30
20
10
19
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
88
87
86
85
84
83
82
0
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"Scale Economies and ...," International Economic Review 34.2