20.個別消費税と利子所得課税
20.1 一括固定税と超過負担
20.2 一般消費税と超過負担
20.3 個別消費税と超過負担
20.4 労働所得税と超過負担
20.5 利子所得税と超過負担
20.1 一括固定税と超過負担
一括固定税=個人が行動を変化させても税額が変化しない税
(例)人頭税
<税の存在しない場合の予算制約式>
財1と財 2 に関する個人の消費選択のモデルを用いて個別消費税と一括固定税の効果の相
違を比較検討しよう。
財 i の量を x i 、税が存在しないもとでの財 i の価格を pi とする( i  1, 2 )。また、所得を m
1
とすれば、予算制約式は
p11 x1  p12 x2  m
(20-1)
である。なお、以下では議論を単純化するために財2の価格は1であるとする( p2  1 )。

*
*

1

*
*
そして、税が存在しないもとでの最適消費点を x1 , x2 とする。そして、最適消費点 x1 , x2
1
を通る無差別曲線を I とする。


*
*

(問題 20-1) x1 x2 平面に税が存在しない場合の最適消費点 x1 , x2 とその点を通る無差別
1
曲線 I を図示しなさい。
x2
m
p11 x1  x2  m
x2*
I1
p11
x1*
x1
<一括固定税が存在する場合の予算制約式と税額>
「生産者価格」は課税されても
財 i に対する税率(従価税)を t i とし、
pi1 のまま変化しない
とする(水平な供給曲線)。また、一括固定税(lump-sum tax)を TL とする。そのとき、一
括固定税のケースの予算制約式は、
p11 x1  x2  m  TL
(20-2)
となる。

L
一括固定税 TL のもとでの最適な消費の組み合わせを x1
(20-2)を満たすので

TL = m  p1 x1  x2
1 L
L
L


L
L

, x2 とする。そのとき、x1 , x2 は

(20-3)
2
と変形できる。一括固定税 TL 課税後の最適消費点を通る無差別曲線を I とする。

L
L

(問題 20-2) 問題 20-1 で描いた図に、一括固定税 TL のもとでの最適消費点 x1 , x2 とその
2
点を通る無差別曲線 I を図示しなさい。また、 TL を図示しなさい。
x2
m
p11 x1  x2  m
p11 x1  x2  m  TL
TL
x2*
x2L
I1
I2
p11
x1L x1*
x1
<超過負担(excess burden )>
課税の結果、個人の効用水準は低下することになるが、その効用低下の大きさを金銭的に
評価したものが「実質的租税負担額」である。なお、課税で得られた財源で公共財などを
供給することで生じる効用の上昇についてはここでは考慮しないこととする。たとえば、
税収は全て他国への賠償金の支払いのために支出されていると考えることにする。
課税による実質的租税負担額と租税負担額は必ずしも一致するとは限らず、「実質的租税
負担額」から「租税負担額」を差し引いた値は「超過負担」と呼ばれる。そのような超過
負担が生じる基本的な理由は、課税により個人が租税を回避(節税)するために行動を歪
める(変化させる)からである。以下では、そのような超過負担が一括固定税と個別消費
税に関して生じるかどうかを検討する。
「実質的租税負担額」を捉えるために、第 8 章で導入した補償所得と等価変分という概念
を用いることにしよう。

*
*

課税前の効用水準を価格 p11 のもとで、課税されていない状況での最適消費点 x1 , x2 を通
1
る無差別曲線 I に対応する効用水準を実現するために最低限必要な所得、すなわち補償所
得 E( p11 , I 1 ) は
E( p1 , I )  p1 x1  x2  m
1
1
1 *
*
(20-4)
である。

L
L

2
また、税額 TL の一括固定税を課税した後の最適消費点 x1 , x2 を通る無差別曲線 I に対応
1
1
2
する効用水準を価格 p1 のもとで実現するための補償所得 E ( p1 , I ) は
E( p1 , I )  p1 x1  x2
1
である。
2
1 L
L
(20-5)

TL = m  p1 x1  x2
1 L
L

(20-3)
E( p1 , I )  p1 x1  x2  m
(20-4)
E( p1 , I )  p1 x1  x2
(20-5)
1
1
1
1 *
2
*
1 L
L
(20-3)、(20-4)、(20-5)より、一括固定税 TL により生じる効用の増分を変化前の価格 p11 を
用いて金銭的に評価した等価変分 EVL (equivalent valuation)は


EVL  E( p1 , I )  E( p1 , I )  p1 x1  x2  m  TL
1
2
1
1
1 L
L
(20-6)
となる。
したがって、一括固定税 TL の実質的租税負担額は  EVL で捉えられるので、一般消費税に
よる超過負担 EBL は
EBL  EVL  TL  0
である。すなわち、一括固定税 TL のもとでの超過負担はゼロである。
(20-7)
(問題 20-3) 問題 20-2 で描いた図に、 E( p11 , I 1 ) 、 E ( p11 , I 2 ) 、 EVL を描き加えなさい。
EVL  E( p11, I 2 )  E( p11, I 1 )  TL
x2
E( p11 , I 1 )
 EVL
m
p11 x1  x2  m
p11 x1  x2  m  TL
TL
E ( p11 , I 2 )
x2*
x2L
I1
I2
p11
x1L x1*
x1
実質的租税負担額  EVL が課税前の価格 p11 、課税前の無差別曲線 I 、課税後の無差別曲線
1
I 2 だけで求められることと、一括固定税のもとでは実質的租税負担と租税負担税額が一致
すること((20-6)参照)を用いれば、ある課税による超過負担は次のような手順で求めるこ
とができることになる。
すなわち、
①ある課税のもとでの租税負担額とその課税のもとで実現する効用水準を求める。
②その効用水準と一括固定税により実現する効用水準が一致するような一括固定税の税額
(すなわち租税負担額) TL を求める。
③その課税の超過負担を TL からその課税の租税負担額を引くことで求める。
20.2 一般消費税と超過負担
財1と財 2 に関する個人の消費選択のモデルを用いて、一般消費税と一括固定税の効果の
相違を比較検討しよう。なお、一般消費税とは原則的に全ての財・サービスを課税対象と
する税である。また 20.3 節では、特定の財・サービスを課税対象とする税である個別消費
税について検討する。
一般消費税を課すケース( t1  t 2 [ t C ]  TL  0 )と一括固定税のケース( TL  0  t1  t 2 )
を比較することで一般消費税のもとで生じる超過負担を求めよう。
一般消費税のケースの予算制約式は、
(20-8)
(1  tC ) p11 x1  x2   m
C
C
である。また、税率 tC の一般消費税のもとでの最適な消費の組み合わせを x1 , x2 とする。
1 C
C
C
C
そのとき、一般消費税のもとでの租税負担額 TC は TC = t C p1 x1  x2 であり、 x1 , x2 は

(20-8)を満たすので

1 C
C

TC = t C p1 x1  x2 =
と求めることができる。
tC m
1  tC





(20-9)
p11 x1  x2  m  TL
(1  tC ) p11 x1  x2   m
(20-2)
(20-8)
一括固定税のもとでの予算制約式(20-2)と(20-8)を比較すると、一括固定税の税額 TL を
TL 
tC m
1  tC
(20-10)
と定めることにより、税率 tC の一般消費税のもとでの予算制約式と税額 TL の一括固定税の
もとでの予算制約式が一致する。したがって、両者の税制のもとでの達成される効用水準
は一致することになる。また、(20-10) のように一括固定税の税額 TL を定めれば、(20-9)
より一般消費税のもとでの租税負担額と一括固定税のもとでの租税負担額 TL は一致する
( TC  TL )
。
以上より、税率 tC の一般消費税のもとで生じる超過負担 EBC は
EBC  TL  TC  0
(20-11)
と求められることになる。つまり、一般消費税のもとでの超過負担はゼロである。
(問題 20-4) x1 x2 平面に一般消費税を導入する前の予算線と導入した後の予算線を描き、縦
軸の切片の値を書き入れなさい。また、税率 tC の一般消費税のもとでの最適な消

C
C

費の組み合わせ x1 , x2 を図示しなさい。さらに、(20-10)を満たすように税額 TL
が定められた一括固定税のもとでの予算制約式を図示しなさい。そして、一般消
費税のもとでの租税負担額 TC と一括固定税のもとでの租税負担額 TL を図示しな
さい。 x2
TC =
m
TL  TC
p11 x1  x2  m
(1  tC ) p11x1  x2   m
m
1  tC
tC m
1  tC
EBC  TL  TC  0
or p11x1  x2  m  TL
x2C
p11
x1C
(2-10)
x1
20.3 個別消費税と超過負担
財1と財 2 に関する個人の消費選択のモデルを用いて、財 1 にのみ個別消費税を課すケー
ス( t1  t 2  TL  0 )と一括固定税を課すケース( TL  0  t1  t 2 )を比較することで、
個別消費税により生ずる超過負担について検討しよう。
まず、個別消費税のケースの予算制約式は、
(1  t1 ) p11 x1  x2  m
である。
(20-12)
(問題 20-5) x1 x2 平面に個別消費税を導入する前の予算線と導入した後の予算線を描き、
2
縦軸の切片の値を書き入れなさい。また、無差別曲線 I を描き加えることで、税

1
1

率 t1 のもとでの最適消費点 x1 , x2 を図示しなさい。
x2
p12  (1  t1 ) p11
p11 x1  x2  m
m
x12
(1  t1 ) p11 x1  x2  m
p12
x11
p11
I2
x1

1
1

税率 t1 の個別消費税のもとでの最適な消費の組み合わせを x1 , x2 とする。


そのとき、個別消費税のもとでの租税負担額 T1 は T1  t1 p1 x1 であり、 x1 , x2 は(20-12)を
満たすので
1 1
T1  t1 p1 x1 = m  ( p1 x1  x2 )
1 1
1 1
1
1
1
(20-13)
と表すことができる。
2
なお、個別消費税を導入したあとの財1の「消費者価格」を p1 と表すことにする。すなわ
ち、 p1  (1  t1 ) p1 である。
2
1
(問題 20-6)問題 20-5 の図のなかに租税負担額 T1 を図示しなさい。
x2
p11x11
T1
T1  t1 p11x11 = m  ( p11x11  x12 )
p11 x1  x2  m
m
T1
x12
(1  t1 ) p11 x1  x2  m
p12
x11
p11
I2
x1
税率 t1 の個別消費税もとで実現する効用水準と一括固定税のもとでの効用水準が同一にな
る一括固定税の税額 TL を求めよう。

1
1

(問題 20-7)問題 20-5 で描いた税率 t1 の個別消費税もとでの最適消費点 x1 , x2 と税額 TL
L
L
2
の一括固定税のもとでの最適消費点 x1 , x2 が同じ無差別曲線 I 上にあるとする。
最適消費点

L
L
x1 , x2


と一括固定税の税額 T を問題 20-5 で描いた図に描き加えな
L
さい。
x2
T1  t1 p11x11 = m  ( p11x11  x12 )
p11 x1  x2  m
m
T1
TL
x12
TL
p11 x1  x2  m  TL
x2L
(1  t1 ) p11 x1  x2  m
p11
x11
x1L
I2
x1
個別消費税による超過負担 EB1 は、問題 20-6 と問題 20-7 で求めた T1 と TL を用いて、
EB1  TL  T1
と求めることができる。
(20-14)
(問題 20-8)問題 20-5 の図のなかに超過負担 EB1 を図示しなさい。
x2
T1  t1 p11x11 = m  ( p11x11  x12 )
EB1  TL  T1
p11 x1  x2  m
m
T1
x12
TL
p11 x1  x2  m  TL
x2L
(1  t1 ) p11 x1  x2  m
p11
x11
x1L
I2
x1
(問題 20-9)無差別曲線(の集まり)が x2  x12  4 x1  u ( u は実数)で与えられており、
所得が m  3 、財 1 の価格が p11  1 であるとする。このとき、①税率 100%( t1  1 )

1
1

の個別消費税を導入した場合の最適消費点 x1 , x2 と個別消費税のもとでの租税
1 1
2
負担額 T1 を求めなさい。② x1 , x2 を通る無差別曲線 I に対応する u の値 u 2 を求



L
L

めなさい。③税額 TL の一括固定税のもとでの最適消費点 x1 , x2 が②で求めた
u 2 に対応する無差別曲線 I 2 上にあるとする。超過負担 EB1 の大きさを求めなさ
い。
20.4 労働所得税と超過負担
2 期間にわたる消費選択モデルを用いて、労働所得税と超過負担の問題を検討しよう。なお、
労働供給は非弾力的(すなわち、労働供給量は一定)であると想定する。
<税の存在しない場合の予算制約式>
消費財の価格は 1 に標準化されているとする。第 t 期の消費量(=消費支出額)を c t 、第 t
期の労働所得を wt とする( t  1, 2 )。また、(第1期の)貯蓄を s 、利子率を r とする。
1
1
利子所得が r s であるから第 1 期と第 2 期の予算制約式は、それぞれ
c1  s  w1
c2  w2  (1  r 1 )s
(20-15)
(20-16)
である。そのとき、2 期間を通じた予算制約式は
c1 
c2
w2

w

1
1  r1
1  r1
(20-17)
となる((19-3)参照)。なお、左辺は消費の割引現在価値、右辺は労働所得の割引現在価値
である。
<労働所得税が存在する場合の予算制約式と税額>
労働所得税率 t w のもとでの 2 期間を通じた予算制約式は
c2
w2 

(20-18)

(
1

t
)
w



w
1
1  r1
1  r1 

w
w
である
((19-6)参照)
。
また、
税率 t w のもとでの最適な消費の組み合わせを c1 , c2 とすると、
w
w
c1 , c2 は(20-18)を満たすので、第 1 期と第 2 期の労働所得税額の割引現在価値 Tw は、
t w
w2 

(20-19)
Tw = t w w1  w 21 = t w  w1 

1 r
1  r1 

である。また、1 期のみに税額 TL の一括固定税を課すケースの予算制約式は、
c2
w2
c1 
 w1 
 TL
(20-20)
1
1 r
1  r1
であるから、TL  Tw と定めれば、予算制約式(20-18)と(20-20)は一致する。したがって、両
者の税制のもとでの達成される効用水準は一致することになる。以上より、税率 t w の労働所
得税のもとで生じる超過負担 EBw は
(20-21)
EBw  TL  Tw  0
c1 




と求められることになる。つまり、労働所得税のもとでの超過負担はゼロである。
(問題 20-10) c1c2 平面に労働所得税を導入する前の予算線と導入した後の予算線を描き、
縦軸の切片の値を書き入れなさい。また、税率 t w の労働所得税のもとでの最適な消

w
w

費の組み合わせ c1 , c2 を図示しなさい。さらに、 TL  Tw と定められた一括固定税
のケースの予算制約式を図示しなさい。そして、労働所得税のもとでの租税負担額 Tw
と一括固定税のもとでの租税負担額 TL を図示しなさい。
c2
EBw  TL  Tw  0
c1 
c2
w2

w

1
1  r1
1  r1
TL  Tw
c1 
w
c2
I2
w2
c2
w2 


(
1

t
)
w



w
1
1
1
1 r
1 r 

c
w
or c1  2 1  w1  2 1  TL
1 r
1 r
Tw = t w w1 
1  r1
w
c1
w2 w1
w1 
 TL
1
1 r
w
w1  2 1
1 r
t w w2
w2 

=
t
w



w
1
1
1  r1
1 r 

c1
20.5 利子所得税と超過負担
2 期間にわたる消費選択モデルを用いて、利子所得税の効果と超過負担について検討しよう。
利子所得税率を t r とすれば、利子所得が r 1 s であるから第 1 期と第 2 期の予算制約式は、そ
れぞれ
(20-22)
c1  s  w1
1
1
1
(20-23)
c2  w2  (1  r )s  t r r s  w2  1  (1  t r )r s
2
1
である。ここで r  (1  t r )r とおけば、(20-22)と(20-23)より 2 期間を通じた予算制約式は
c
w2
c1  2 2  w1 
(20-24)
2
1 r
1 r

となる。

r
r
利子所得税率 t r のもとでの第 t 期の最適消費量を ct 、第 1 期の最適貯蓄水準を s とする。
そ の と き 、 税 率 t r の 利 子 所 得 税 の も と で の 租 税 負 担 額 の 割 引 現 在 価 値 Tr は Tr =
t r rs /(1  r ) であり、 (c1r , c2r , s r ) は(20-22)と (20-23)を満たすので、次のように求められ
r
1
る。
w2   r
c 2r 
t r r 1s r 

  c 
Tr =
=  w1 
1  1
1
1
1

r
1

r
1 r

 

(20-25)
r
r
c1

c2  w2
1 r
1
 Tr  w1
c1r  s r  w1
(2  22)
c2r  w2  (1  r1 )s r  tr r1s r  w2  (1  r1 )s r  (1  r1 )Tr (2  23)
(問題 20-11) c1c2 平面に利子所得税を導入する前の予算線と導入した後の予算線を描き、
横軸の切片の値を書き入れなさい。また、無差別曲線を描き加えることで、税率 t r の

r
r

もとでの最適消費点 c1 , c2 を図示しなさい。
c2
c1 
c2
w2

w

1
1  r1
1  r1
c1 
r
c2
I2
c2
w2

w

1
1  (1  tr )r1
1  (1  tr )r1
w2
1  (1  tr )r1
1  r1
r
c1
w1
w1 
w2
1  r1
w1 
c1
w2
1  (1  tr )r1
(問題 20-12)問題 20-11 の図のなかに租税負担額 Tr を図示しなさい。
r
w2   r
c2 

=  w1 
Tr =
  c1 
1
1
1
1  r  
1  r 

1 r
1 r
tr r s
c2
c1 
c2
w2

w

1
1  r1
1  r1
Tr
c1 
r
c2
I2
c2
w2

w

1
1  (1  tr )r1
1  (1  tr )r1
w2
1  (1  tr )r1
1  r1
r
c1
w1
Tr
w1 
w2
1  r1
w1 
c1
w2
1  (1  tr )r1

L
L

1 期のみに税額 TL の一括固定税を課すもとでの最適な消費の組み合わせを c1 , c2 とする。
L L
そのとき、 c1 , c2 は(20-20)を満たすので、次のように求められる。


L
w2   L
c2 

TL =  w1 
 c 
1  1
1
1 r  
1  r 

(20-26)

r
r

(問題 20-13)問題 20-11 で求めた税率 t r の利子所得税のもとでの最適消費点 c1 , c2 と税
L L
2
額 TL の一括固定税のもとでの最適消費点 c1 , c2 が同じ無差別曲線上 I にあるとす
る。
最適消費点

L L
c1 , c2


と一括固定税の税額 T を問題 20-11 の図に描き加えなさい。
L
r
w2   r
c2 

=  w1 
Tr =
  c1 
1
1
1
1  r  
1  r 

1 r
1 r
tr r s
c2
L
w2   L
c2 

TL =   w1 
  c1 
1
1
1  r  
1  r 

c1 
c2
w2

w

1
1  r1
1  r1
TL
L
Tr
c2
c1 
r
c2
I2
c2
w2

w

1
1  (1  tr )r1
1  (1  tr )r1
w2
1  (1  tr )r1
1  r1
L
c1
r
c1
w1
w1 
w2
1  r1
w1 
c1
w2
1  (1  tr )r1
利子所得税のもとで生ずる超過負担 EBr を TL と Tr を用いて表せば、
EBr  TL  Tr
(20-27)
である。
(問題 20-14)問題 20-11 の図のなかに超過負担 EBr を図示しなさい。
c2
c1 
c2
w2

w

1
1  r1
1  r1
EBr  TL  Tr
TL
L
Tr
c2
c1 
r
c2
I2
c2
w2

w

1
1  (1  tr )r1
1  (1  tr )r1
w2
1  (1  tr )r1
1  r1
L
c1
r
c1
w1
w1 
w2
1  r1
w1 
c1
w2
1  (1  tr )r1
(問題 20-9)無差別曲線(の集まり)が x2  x12  4 x1  u ( u は実数)で与えられており、
所得が m  3 、財 1 の価格が p11  1 であるとする。このとき、①税率 100%( t1  1 )

1
1

の個別消費税を導入した場合の最適消費点 x1 , x2 と個別消費税のもとでの租税
1 1
2
負担額 T1 を求めなさい。② x1 , x2 を通る無差別曲線 I に対応する u の値 u 2 を求



L
L

めなさい。③税額 TL の一括固定税のもとでの最適消費点 x1 , x2 が②で求めた
u 2 に対応する無差別曲線 I 2 上にあるとする。超過負担 EB1 の大きさを求めなさ
い。


① 税率 100%( t1  1 )の個別消費税を導入した場合の最適消費点 x11 , x12 と個別消費税
の税収 T1 を求めなさい。
t1  1 のもとでの予算制約式は 2 x1  x2  3 である。また、無差別曲線の x11 , x12  にお
ける接線の傾きは 2 x11  4 である。したがって、 2 x11  4  2 より x11  1 であり、
x12  3  2x11  1 となる。そして、 T1  t1x11  1 である。


2
2
② x11 , x12 を通る無差別曲線 I に対応する u の値 u を求めなさい。
u 2  x12  x11   4 x11  1  12  4  4
2


2
③ 一括固定税 TL のもとでの最適消費点 x1L , x2L が②で求めた u に
2


対応する無差別曲線 I 上にあるとする。 x1L , x2L と一般消費税の
税収 TC を求めなさい。


無差別曲線の x1L , x2L における接線の傾きは 2x1L  4 であり、一
括固定税のもとでの予算制約式は x1  x2  3  TL だから、その傾
きは-1である。したがって、 2 x1L  4  1 より、 x1L  3 / 2 だ
 2  4x11  u 2  (3 / 2)2  4(3 / 2)  4  1/ 4 となる。
から、 x2L  x1L
そして、 TL  m  ( x1L  x2L )  3  (3 / 2  1/ 4)  5 / 4 である。
EB1  TL  T1  5 / 4  1  1 / 4
20.1 一括固定税と超過負担
20.2 一般消費税の超過負担
20.3 個別消費税の超過負担
20.4 労働所得税と超過負担
20.5 利子所得税と超過負担
課税標準
所得
国税
地方税
所得税
道府県民税
法人税
市町村民税
事業税
資産
消費
相続税・贈与税
固定資産税
地価税
都市計画税
1998年以降当
分の間非課税
印紙税
特別土地所有税
登録免許税
不動産取得税
消費税
酒税
石油ガス譲与税(1/2)
たばこ税
たばこ特別税
地方道路譲与税(100%)
航空燃料税
石油石炭税
揮発油税
自動車重量譲与税(1/3)
石油ガス税
自動車取得税
地方道路税
自動車重量税
軽油取引税
自動車税
関税
特別とん税
とん税
電源開発促進税
軽自動車税
地方消費税
(注1) 「○譲与税」の後のカッコの中の値=「○税」の税収のうち地方に譲与される割合
(注2) ガソリン税=揮発油税+地方道路税
(注3)
=道路特定財源諸税
<道路特定財源>
(出所)国土交通省道路局HP
<道路特定財源>
(出所)国土交通省道路局HP
<消費税等>
消費税等=消費税(国税)と地方消費税の総称
付加価値=売上高-仕入高
消費税額=4%×付加価値
地方消費税額=25%×消費税額=25%×(4%×付加価値)=1%×付加価値
消費税額+地方消費税額=4%×付加価値+1%×付加価値
=(4%+1%)×付加価値=5% ×付加価値
消費税=付加価値税=Value-Added Taxes (VAT)
復習:スタート
8.1 支出最小化問題と補償需要関数(復習)
p1 =財 x1 の価格
財 x2 の価格=1
E =支出額(expenditure)
E  p1 x1  x2 :支出額
(8-1)
I :無差別曲線
44
<支出最小化問題>
無差別曲線 I 上の消費量の組 ( x1 , x2 ) のなかで支出額 E  p1 x1  x2
*
*
を最小にする消費量の組 ( x1 , x2 ) を求める問題である。
x1* =財 x1 の補償需要量
x2* =財 x2 の補償需要量
Compensated Demand Function
x1*  x1Cd ( p1 , I ) :財 x1 の補償需要関数
x2*  x2Cd ( p1 , I ) :財 x2 の補償需要関数
(8-2)
(8-3)
E ( p1 , I ) =支出最小化問題で求められる支出額
E( p1, I )  p1  x1Cd ( p1, I )  x2Cd ( p1, I ) :補償所得
(8-4)
Compensating Income
45
(問題 8-1)
下の図に等支出線を描き加えることで、
I と p1 が 与えら れても とでの x1* , x2* ,
E ( p1 , I ) を図示しなさい。
46
x2
E( p1 , I )  p1 x1*  x2*
 p1  x1Cd ( p1 , I )  x2Cd ( p1 , I )
E ( p1 , I )
x2*
x2Cd ( p1, I )
I
p1
x1* x1Cd ( p1, I )
x1
47
8.2 補償変分と等価変分
所得を m とすれば予算制約式は
p1 x1  x2  m
である。
 p2  1
(8-5)
状態1と状態2における所得は
簡単化のため同一であるとする。
価格 p1 が p11 (状態1)から p12 (状態 2)に低下したとする。
( x1j , x2j ) =状態 j における個人の最適消費量の組
I j =「 ( x1j , x2j ) を通る無差別曲線」
48
CV =補償変分(compensating valuation)
EV =等価変分(equivalent valuation)
効用の増加を所得の変化分としてとらえる概念
「変化後の効用」を「変化後の価格」
=
のもとで補償するために必要な所得
CV  E( p12 , I 2 )  E( p12 , I 1 )  m  E( p12 , I 1 )
m
(8-6)
「変化前の効用」を「変化後の価格」
のもとで補償するために必要な所得
EV  E( p11 , I 2 )  E( p11, I 1 )  E( p11 , I 2 )  m
(8-7)
「変化後の効用」を「変化前の価格」
のもとで補償するために必要な所得
49
(問題 8-2)
E( p12 , I 1 ) と E( p11, I 2 ) を図示しなさい。
② E( p11 , I 1 )  m  E( p12 , I 2 ) であることを確認しなさい。
③ 価格が p11 から p12 に低下したときの CV と EV がどの線
①
分の長さとして捉えられるかを図示しなさい。
50
x2
E( p11, I 2 )
=
E( p11, I 1 )
E( p12 , I 2 ) m
E( p12 , I 1 )
x12
I1
2
2
x
1
1
p
x11
1
1
2
1
p
p
x12
I2
x1
51
(問題 8-2)
E( p12 , I 1 ) と E( p11, I 2 ) を図示しなさい。
② E( p11 , I 1 )  m  E( p12 , I 2 ) であることを確認しなさい。
③ 価格が p11 から p12 に低下したときの CV と EV がどの線
①
分の長さとして捉えられるかを図示しなさい。
52
CV  m  E( p12 , I 1 )
EV  E( p11 , I 2 )  m
x2
EV
E( p11, I 2 )
CV
m
E( p12 , I 1 )
x12
I1
2
2
x
1
p
p
x11
x12
2
I2
x1
復習:終了
53
E( p11 , I 1 ) =課税前の効用水準を
価格 p11 のもとで実現するための補償所得
E( p11 , I 1 )  m
(20-6)
E ( p11 , I 2 ) =一括固定税 TL 課税後の効用水準を
1
価格 p1 のもとで実現するための補償所得
E( p11 , I 2 )  p11 x1**  x2**
(20-7)
<個人所得課税の計算例>
個人所得課税=所得税(国税)+個人住民税(地方税)
給与収入=500(万円)、社会保険料支払額=50(万円)で、夫婦のうち 1 人のみに収入があり、
2 人の子供(うち 1 人は特定扶養親族)がいるケースについて計算する。
所得税=所得税の課税所得より計算
個人住民税=個人住民税の課税所得より計算
① 所得税の課税所得=給与所得-所得税の所得控除
② 個人住民税の課税所得=給与所得-個人住民税の所得控除
給与所得=給与収入-給与所得控除
① 所得税の所得控除=社会保険料控除+所得税の人的控除
② 個人住民税の所得控除=社会保険料控除+個人住民税の人的控除
(1) 給与所得控除と給与所得
給与所得控除≒給与所得者にとっての必要経費
給与等の収入金額
(万円)
給与所得控除額
(65万円以上の場合)
180以下
40%
180~360
30%
360~660
20%
660~1000
10%
1000超
5%
給与収入が 500 万円のときは、給与所得控除は次のように求められる。
給与所得控除=0.4×180+0.3×(360-180)+0.2×(500-360)=72+54+28=154
給与所得=給与収入-給与所得控除=500-154=346(万円)
(2) 社会保険料控除=社会保険料支払額(=50 万円)
(3) 人的控除
夫婦のうち 1 人のみに給与収入があり、2 人の子供うち 1 人は特定扶養親族なので、人的控除
は次のようになる。
所得税
個人住民税
人的控除額の差
基礎控除
38
33
5
配偶者控除
38
33
5
(一般)扶養控除
38
33
5
特定扶養控除(16 歳から 22 歳まで)
63
45
18
合計
177
144
33
(単位=万円)
(4) 課税所得
給与収入 Y=500 かつ社会保険料控除=50 なので、所得税と個人住民税の課税所得は
次のように定まる。
所得税の課税所得=給与所得-社会保険料控除-所得税の人的控除
=346-50-177=119
個人住民税の課税所得=給与所得-社会保険料控除-個人住民税の人的控除
=346-50-144=152
(5) 個人所得課税
○所得税
所得税=0.05×119=5.95
課税所得(万円)
税率(%)
195
330
695
900
1800
∞
5
10
20
23
33
40
(←課税所得が 195 万円までは(限界)税率が 5%)
○個人住民税
個人住民税=0.1×個人住民税の課税所得-(個人住民税の)調整控除
調整控除=国から地方への税源移譲にともなう調整措置
このケースの調整控除=1.65(注)
個人住民税=0.1×152-調整控除=15.2-1.65=13.55
○個人所得課税
年収に対する個人所得課税の割合
=19.5/500=3.9%
個人所得税=所得税+個人住民税=5.95+13.55=19.5
(注)「人的控除額の差の合計(33)≦個人住民税の課税所得(144)≦200」が成り立つときは、
調整控除=0.05×人的控除額の差の合計=0.05×33=1.65 と計算される。
ダウンロード

自動車重量譲与税