跡見学園女子大学 公開講座 教養コース
世界経済の激変にどう対応するか-日本と世界の動き-
フランスと日本
-第6位と第2位の先進国の違い-
跡見学園女子大学マネジメント学部
丹野忠晋
2009年6月6日
フランスのイメージ
– 日本人フランスのイメージ
1.
2.
3.
4.
5.
エッフェル塔
凱旋門
ワイン
ベルサイユ宮殿
美術館
以下,ナポレオン,ファッション,フランス料理 ,フランス革
命,フランスパン
– 日本人はフランスによいイメージを持っている
– 経済や歴史から日本と比較したフランスを理解,
– 日本の強みと弱み,今後の行方を考察
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
2
各国の影響度調査
•
•
•
•
各国のフランスと日本のイメージ
BBCと読売新聞の調査
日本とフランスはドイツと英国に次いで3位と4位を占める
両国は諸外国からの良いイメージ
良い
2009/6/6
悪い
ネット(良い-悪い)
日本
57
20
37
フランス
52
21
31
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
3
各国の影響度調査/2
日本から見たフランスの評価
良い
悪い
ネット
37
4
33
日本自分自身
良い
悪い
41
ネット
11
30
フランス自分自身
良い
悪い
72
2009/6/6
ネット
13
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
59
4
各国の影響度調査/3
フランス人の評価
• ドイツをかなり評価.米国が低い
ドイツ 75 ,フランス 59,EU 54,イギリス 36,
日本 12,ブラジル 9,南アフリカ 3,米国 -17,
インド -21,ロシア -48,中国 -48,北朝鮮 -61
日本人はヨーロッパに甘い
• ドイツ 38,EU 36,イギリス 36,フランス 33,
日本 30,ブラジル 28,インド 19,南アフリカ 10,
米国 -1,ロシア -29,中国 -51,北朝鮮 -92
フランスから見た日本≒日本から見たインド・南ア
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
5
隣国との関係
フランスの隣国の大部分がフランスは良い影響
• スペイン (74%),イタリア(72%)
他のヨーロッパ諸国はより控えめな評価
• ロシア (56%), ドイツ (55%), 英国(55%)
フランスは隣国を高く評価,
隣国からも尊重されている
日本の隣国: 米国 -1,ロシア -29,中国 -51,
北朝鮮 -92
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
6
フランスの実態
o
o
o
o
o
o
いつも遅れて当てにならない交通機関
度重なるスト
かなり不潔な道路:犬のフン
2005年のパリ暴動
毎年,新年のクルマの放火
 2009年大晦日から新年にかけての車炎上
(放火)は1147台,
 減少した2008年と比較すると30%増し
閉鎖されるソニー工場の社長を労働側が軟禁
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
7
フランスと日本との比較
1. 遠いフランス,学べる点
– 共通点と異質な点
– 自分たちの有利な点と不利な点
– 環境か特徴か
– 政府の統制と自由経済
2. 地理的特徴
– 札幌:
緯度43度4分7, 経度 141度21分
– トゥールーズ:
緯度 43度36分, 経度 1度26分
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
8
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
9
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
10
意外と北にあるヨーロッパ
ポロナイスク
パリ
札幌
トゥールーズ
東京
チュニス
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
11
バラ色の町トゥールーズ
•赤い煉瓦でできた町
•南フランスのハイテク都市,エアバス
•サッカー日本代表の合宿地
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
12
気温:パリの夏は日本の春
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
13
降水量(mm),東京の冬の降水量
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
14
降水量(1mm以上の雨の降る日数)
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
15
日照時間,夏の太陽・冬の曇り空
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
16
西岸海洋性気候
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
17
地中海性気候
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
18
温暖湿潤気候
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
19
亜寒帯湿潤気候
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
20
とても大きな温帯から亜寒帯の領域
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
21
項目
フランス
日本
国旗
通称トリコロール
日章旗
国の標語
フランス語: 自由、平等、友愛
なし
政府
大統領:ニコラ・サルコジ
天皇: 明仁
首相:フランソワ・フィヨン
内閣総理大臣: 麻生太郎
面積
675,417km2(47位)
377,835km2(60位)
人口
65,073,482人(20位,2009年)
127,156,000人(10位,2008年)
人口密度
GDP
1人当りGDP
2009/6/6
115人/km2
337人/km2
1兆9,472億 ユーロ(2008年)
507兆6,148億円 (2008年)
2兆8,657億ドル (5位,2008年)
4兆9,237億ドル (2位,2008年)
2兆1,303億ドル (8位,PPP)
4兆3,543億ドル (3位,PPP)
34,208ドル
34,100ドル
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
22
千人
人口(2008)
140,000
127,288
120,000
100,000
82,370
80,000
64,058
60,944
フランス
イギリス
60,000
40,000
20,000
0
日本
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
ドイツ
23
10億ドル
名目GDP(2008)
6,000
5,000
4,923
3,667
4,000
3,000
2,856
2,674
フランス
イギリス
2,000
1,000
日本
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
ドイツ
24
欧州と日本
o
日本の人口と経済力はフランスとイギリスを足し合わせたもの
人口
千人
600,000
492,850
500,000
400,000
日本
EU
300,000
200,000
127,700
100,000
0
日本
2009/6/6
EU
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
25
欧州の人口は4倍,GDPは3倍
GDP(2006)
100万ユーロ
12,000,000
10,917,000
10,000,000
日本
8,000,000
EU
6,000,000
4,000,000
3,739,000
2,000,000
0
日本
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
EU
26
日本は一人あたりのGDPでは上
ユーロ
一人あたりGDP(2006)
35,000
30,000
29,284
日本
EU
25,000
23,400
20,000
15,000
10,000
5,000
0
日本
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
EU
27
2009/6/6
1824
1831
1838
1845
1852
1859
1866
1873
1880
1887
1894
1901
1908
1915
1922
1929
1936
1943
1950
1957
1964
1971
1978
1985
1992
1999
2006
1
千人
フランスと日本の長期人口
140,000
120,000
フランス
日本
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
年
28
0
1
1600
1822
1828
1834
1840
1846
1852
1858
1864
1870
1876
1882
1888
1894
1900
1906
1912
1918
1924
1930
1936
1942
1948
1954
1960
1966
1972
1978
1984
1990
1996
2002
2008
千人
英独仏の長期人口
90,000
80,000
フランス
70,000
イギリス
ドイツ
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
年
29
千人
18世紀以前の日英独仏の人口
35,000
日本
30,000
フランス
25,000
イギリス
ドイツ
20,000
15,000
10,000
5,000
0
1
2009/6/6
1000
1500
1600
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
1700
1820
年
30
2,500,000
0
2009/6/6
1821
1825
1829
1833
1837
1841
1845
1849
1853
1857
1861
1865
1869
1873
1877
1881
1885
1889
1893
1897
1901
1905
1909
1913
1917
1921
1925
1929
1933
1937
1941
1945
1949
1953
1957
1961
1965
1969
1973
1977
1981
1985
1989
1993
1997
2001
2005
日本とフランスの長期GDP
(million 1990 International Geary-Khamis dollars)
3,500,000
3,000,000
日本
フランス
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
年
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
31
18世紀以前の日英独仏GDP
(million 1990 Int. G.-K. dollars)
40,000
35,000
日本
30,000
フランス
25,000
イギリス
20,000
ドイツ
15,000
10,000
5,000
0
1
2009/6/6
1000
1500
1600
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
1700
1820
年
32
日英独仏長期GDP (1870年以降)
3,500,000
日本
フランス
イギリス
ドイツ
3,000,000
2,500,000
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
1870
1876
1882
1888
1894
1900
1906
1912
1918
1924
1930
1936
1942
1948
1954
1960
1966
1972
1978
1984
1990
1996
2002
年
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
33
日英独仏の長期一人あたりGDP
(1990 International Geary-Khamis dollars)
25,000
日本
フランス
20,000
イギリス
ドイツ
15,000
10,000
5,000
1900
1905
1910
1915
1920
1925
1930
1935
1940
1945
1950
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
0
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
年
34
フランスと日本の先史時代


•
•
•
•
•
農耕・牧畜
メソポタミア
(肥沃三日月地帯)
紀元前8500年
小麦,エンドウ,オリーブ,
羊,ヤギ
栽培と家畜化可能な植物
と動物の野生種が豊富に
存在
気候変動や森林伐採
気候変動に対し
て脆弱な土地
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
35
フランスと日本の先史時代/2


•
•
•

フランスへの農耕の伝播は紀元前3500年頃
中国の農耕と牧畜
紀元前7500年
米,粟,コーリャン
豚,蚕
日本の最初の農耕
イネ,アワ:紀元前3000年 (縄文後期)
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
36
フランスと日本の先史時代/3

•
•

日本の世界初:
磨製石器(石斧)
土器(縄文式)
なぜメソポタミアと中国で農耕と牧畜が始まったか

東西に延びる大陸は植物と動物が豊富

多くの栽培植物と家畜の存在

人口が稠密で,定住している人々の階層化された社会

技術の発達,政治機構,大規模な国家,疫病
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
37
古代から中世


ケルト人=ガリア (セルティックFC)
フランスはローマ帝国の植民地
–
シーザー「ガリア戦記」,水道橋跡「ポン・デュ・ガール」
キリスト教の受容
ゲルマン民族の大移動
フン族=匈奴
カタラウムの戦い(北フランス)↑
 フランク王国の誕生


2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
東
ア
ジ
ア
・
漢
・
三
国
38
感染症
農耕・牧畜と都市化の負の側面
起源前2000年に疫病の流行の記録
ペスト(黒死病),元々クマネズミに流行する.
高い致死性
ノミに人が血を吸われると感染.
聖書の「ペリシテ人の疫病」は腺ペスト?
数度の大流行は欧州の中心地を変える
地中海沿岸(ローマ帝国)
2009/6/6
北部諸州
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
39
感染症,黒死病(ペスト)
中国もペスト,天然痘,はしかが流行
南方の揚子江流域を中国化する障害は病気
1世紀頃,仏教が漢帝国に浸透
ムスリムやユダヤ教徒が豚肉を食べない理由
インドでカーストの肉体的な接触を避ける理由
インドの仏教,中東のキリスト教
2つの宗教は病気による突然死を扱う必要
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
40
ペスト,天然痘
天然痘の日本上陸:藤原四兄弟の死

モンゴルの支配で東西が結合
14世紀に全ヨーロッパ
でペストが大流行




ヨーロッパ人口の三分の一から四分の一が死亡
緒方春朔がジェンナーに先立って種痘
近代に北里柴三郎が香港でペスト菌を同時発見
疫病蔓延の原因
–
–
2009/6/6
モンゴルにより中国
の人口が半分へ
家畜を飼う
都市化
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
41
古代のおもな都市のランキング
順位 900年
1バグダート
2長安
3
コンスタンティノ
ポリス
4平安京
2009/6/6
人口(千
順位
人)
900
1200年 人口(千人) 順位 1300年
人口(千
人)
432
1杭州
255
1杭州
500
2フェズ
200
2大都(北京)
401
300
3カイロ
200
3カイロ
400
200
4パガン
180
4パリ
288
5鎌倉
175
5鎌倉
200
13パリ
110
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
42
アメリカ大陸とオーストラリア大陸
1.
2.
3.
4.

1.
2.
3.

栽培化と家畜化候補の動植物が異なる
ユーラシア大陸は東西に延びる大きな陸塊
稠密な都市は病疫の流行
生き残った者は免疫を有していく
ヨーロッパ人の大陸の征服要因は病原菌
天然痘でアステカ人は激減.2000万人→160万人
アメリカ先住民も激減.2000万人→100万人
アボリジニも同様
ヨーロッパの植民地支配は地理的な偶然が大
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
43
フランスの歴史





イスラム化したスペインから南フランスへ攻め込まれる
トゥール・ポワティエ間の戦い(732年)
バイキング=ノルマン人,百年戦争
ノルマンディー地方,ブルターニュ地方
十字軍
アルビジョア十字軍
–
–



南フランスのキリスト教徒=アルビ派迫害
トゥールーズ大学創立(1229年),神学(カトリック)の布教
フランス語の成立は11世紀頃
フランス人・カルヴァンはスイスへ
ユグノー戦争,サン・バルテルミの虐殺
カトリックがプロテスタントと虐殺(1572年)
農業を中心とした社会から商工業金融を中心とした社会へ
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
44
南フランスはフランス王国・カトリックへ
南フランスは
違った文化圏だった
オック語
フランス政府
1881年にオック
語の学校教育を
禁止
2009/6/6
オック語が話されていた地域
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
45
フランス革命と明治維新
1. フランス革命
 貴族=武士
 ブルジョワジー=町人
 市民革命としての評価
権力の担い手が土地を基盤にする者から
商工業や金融業を基盤にする者へ移行
 農民も革命に加わる
 テロリズム,クーデター,共産主義思想
2. 明治維新
 尊皇攘夷
 一部の下級武士
 結局,開国し近代化
3. 市民革命
イギリス名誉革命,オランダ独立,アメリカ独立戦争,ドイツ統一
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
46
クー・デター , coup d’Etat
ロベスピエールの処刑,ナポレオン政府樹立
25年間(1789~1814)でフランス人だけで200万人死
亡
農民の反乱,独裁政治
政教分離-最高存在の祭典の失敗
→結局カトリックが主要な宗教
ダライラマ等の東洋思想に憧れる
「自由,平等,博愛」は一種の建前
「原理は学校のためにある.権益は国家のためにある」
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
47
テロリズム
テロリズム:「社会への何らかの訴えかけが意
図された、物理的被害よりも心理的衝撃を重視
する暴力行為」
定義されたのはフランス革命において行われた
9月虐殺(1792年)
革命派は反革命派1万6千人を殺害
恐怖政治
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
48
奴隷制度
ローマ帝国の植民地
奴隷 slave ← スラブ人 Slav
9~10世紀-西欧州の奴隷がマルセイユ港か
らイスラム国家へ売られる.
三角貿易
フランス革命時に廃止された奴隷制度をナポレ
オンが復活
第2共和制が発足した1848年に最終的に廃止
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
49
日本との比較
宗教改革~鎌倉新仏教
一向一揆,加賀の国「百姓の持ちたる国」
政教分離-信長の仏教徒攻撃,寺請制度
魏志倭人伝に生口(奴隷)の記述
秀吉のバテレン追放令
火薬と交換,天正少年使節団の観察
太閤検地-耕作者=年貢納入者
下人(名主の隷属民)の消滅.
欧州と比べより平等
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
50
王権を支えるモニュメント・絵画
文化芸術のローマからの模倣・洗練
王権を確立するための政治利用
歴史画-聖書やギリシャ神話の話
ルイ14世(太陽王)=アポロン(太陽神)
ナポレオンのイメージ=アレキサンダー大王,
シーザー
ルーブル美術館の整備
凱旋門-古代ローマ時代に軍事勝利を讃え将
軍が凱旋式を行う記念
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
51
ローマのコンスタンティヌスの凱旋
門(4世紀)
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
52
江戸とパリ
1.
循環都市江戸と糞尿都市パリ
江戸では人間の排泄物は立派な商品
夜パリを歩いていると降ってくるモノ
あらゆるモノが捨てられるセーヌ川
香水,日傘の起源
伝染病
2. 不潔なフランス
o フランス人の生活,入浴頻度
o
o
o
o
o
3.
江戸の弱点
o
o
寄生虫感染率の高さ
地震,火事,洪水
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
53
フランス人の今の生活
•
•
•
•
フランス人の71%が毎日シャワーを浴びる
20世紀初頭,身体を清潔に保つことは関心事でな
かった
1951年には三分の一のフランス女性が週に1回し
か全身を洗っていなかった.
また31%が月に一回しか髪を洗っていなかった.
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
54
フランス経済の特徴:19世紀まで
1. 後進性
–
常にイギリス優位を前提.対応に腐心
2. 国家主導の経済
–
–
–
重商主義~コルベール財務総監 (ルイ14世の時代)
ナポレオン1世~フランス銀行設立,産業振興,大陸体制
ナポレオン3世の産業政策~経済膨脹政策,パリ改造
3. 零細企業の割合が大
–
政府が援助した少数の巨大企業,実際は中小企業が多い
日本と同様に上からの産業革命
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
55
アダムスミスと日本
1. アダム・スミス:経済学の創始者
2. 重商主義批判





輸出が超過している分だけその国は富める
輸出奨励と輸入制限
自由な取引であれば両国が利益を得る.Win-winの関係
国富の増進は国内の生産に求められるべき
企業は関税アップ,輸出奨励を求める
3. 神の見えざる手
4. 関税自主権がなかった日本の幸福
 熾烈な経済競争に巻き込まれる
 比較優位のある産業に特化できた
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
56
近代的成長をもたらした要因
1.
私有財産権の確立
•
•
•
2.
科学的な合理主義
•
•
•
3.
世界を精査・解釈する手段
教会は地動説を弾圧.ガリレオ「それでも地球は動いている」
宗教は救済と引き替えに人々から財産を搾取
資本市場の成立
•
•
•
4.
財産のみならず,知的財産や自分の身体も.市民的な自由
中世の農奴は人格も所有物も領主の物
領主への義務を超えて耕すことはしない.創意工夫がない
新しい商品開発・生産には元手が必要
前近代で債務不履行になれば厳罰に処せられた → 有限責任会社
オランダの東方航海で株主を募る
通信手段と輸送手段
•
新しい商品を宣伝し輸送する必要
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
57
フランスの後進性の理由










創意工夫と勤勉ではなしに特権を手に入れることで富裕に
なる体制
新興の金持ちの夢は息子を王の官吏か徴税請負人にする
こと
貴族階級と残余の国民との間に一つの障壁
イギリスでは貴族のブルジョワ化
産業革命期の発明は職人層が主.それをサポートするフラ
ンスの科学者との壁
フランスは統一が取れていないからこそ中央集権化を好む
道路網と運河建設v.s.内国関税制度の非効率性
蓄えはマットレスの下へ.資金は起業家へは渡らない
フランス革命で小作農は農地を所有.しかし零細化
保護主義に守られた農業から工業へ人手が流れない
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
58
フランスと中国
1.中国とフランスの共通点
• 第二次世界大戦の被害の大きい戦勝国.核の保有
• プライドが異常に高く,他国に行っても自国の流儀を
• 最も歓迎されない観光客はフランス人と中国人.
2. 中国趣味(シノワズリ)
o 百科全書派は中国磁器を愛好
o 華夷思想=中華思想の輸入
o 欧州では18世紀フランスで最初に「自国が文明の
中心」という意識が生まれる
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
59
印象派と日本文化
国立美術学校
コンクール・ローマ賞,4年のローマ留学が許される
印象派は普通の風景画 (1874年)
サロンの批評家
• ギリシャ・ローマに基づく古典的な絵画を推奨
• 「この絵には印象しかないではないか」
ジャポニズム(日本の影響),浮世絵
因習的でアカデミックな作画技法の規範を破る契機
• 俯瞰構図,平面的な色彩,軽妙な形態描写,風俗
画(歌麿の美人画)
既に日本では大衆が牽引する美術が開花していた
政治のための絵画から自分自身・民衆のための絵へ
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
60
日本の高度成長をもたらしたもの
風土が重要
夏の高温多湿が水田を可能.人口の増加.
豊富な水 v.s. 水が悪く高温乾燥
山と森林.灌漑農業が可能.平野の存在
植民地の解放
資源の発見.中東の石油は第二次大戦後
大型タンカーが入港できる港湾
資源輸出国の負の側面.オランダ病.
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
61
フランスと旧植民地
• イタリアとアルジェリア
o 19世紀までイタリアの文化を模倣
o 旧植民地からの移民,マグレブ
文明・文化の伝播
旧植民地
フランス
肥沃三日月地帯,ギリ
シャ・ローマ
アルジェリア,モロッ
コ,ベトナム
日本
中国
韓国,台湾
ニュース「仏大統領,植民地時代の謝罪せず アルジェリア」
2007/12/5
o アルジェリア戦争でのフランスの敗北
o
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
62
フランスは住みやすいか
•
人間開発指数~人間が生きていく上で自分の能力を十全に
発揮できか
平均寿命
(年)男/女
日本
乳児死 妊産婦死 5歳未満児死
亡率
亡率(出 亡率(出生千
(出生 生10万対) 対)男/女
千対)
79.1 / 86.3
3
10
5/4
フランス
76.5 / 83.4
2009/6/6
4
17
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
6/5
合計特
殊出生
率
1.36
1.86
63
フランスは住みやすいか
日本
フランス
2009/6/6
15-19歳の
少女1000人
当たりの出
生数
4
1
避妊実 避妊実行 15-49歳の
行率何 率近代的 HIV感染率
らかの 避妊法
(%)男/女
方法
56
51
<0.1 / <0.1
75
69
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
0.6 / 0.3
64
少子化に取り組むフランス
フランスの高い合計特殊出生率2.002 (2006年)
日本は2007年に1.34と回復した
厚い家族手当,安い教育費
ユニオン・リーブル,パクスという新しい結婚
婚外子が半分以上
煩雑な法的な結婚
第一次大戦後の低い出生率に取り組んできた
国の力は人口.同時に移民を受け入れ
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
65
日仏のトップ企業 (百万ドル)
フランス
国内
Global
企業名
順位
500
1 Total
8
2 AXA
15
3 BNP Paribas
21
4 Creit Agricole
23
日本
国内
順位
187,280 1
162,762 2
140,727 3
138,155 4
売り上げ
5
Carrefour
33
115,585
6
Societe Generale
43
103,443
7
8
9
10
Peugeot
Electricit de France
France Telecom
Suez
66
68
84
97
82,965
81,629
72,488
64,983
2009/6/6
企業名
Toyota Motor
Honda Motor
Hitachi
Nissan Motor
Nippon Telegraph &
5
Telephone
Matsushita Electric
6
Industrial
7 Sony
8 Toshiba
9 Nippon Life Insurance
10 Nippon Oil
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
Global
売り上げ
500
5
230,201
40
105,102
48
98,307
50
94,782
54
93,527
72
79,412
75
91
115
117
77,682
67,145
57,859
57,049
66
フランス企業の性質
エネルギーと金融の比重が大きい
元公企業が上位にランク
Electricit de France (フランス電力),
France Telecom (フランス電話),
23位にはフランス国鉄( SNCF)
24位にはフランス郵便( La Poste)
東京電力が15位,JR東日本が45位
フランス経済のイメージ=旧国鉄が存在,宅急
便事業が存在しない
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
67
就職と学歴
1.
2.
フランスの大学は最高学府ではない
グランゼコール(Grandes Ecole)
3.
4.
5.
一般の大学は無試験・授業料無料
大卒者は直ぐに正規職員として採用されることは希
Stage(スタージュ,職業見習い制度)やformation(フォルマシ
オン,就職につながる研修制度)でキャリアを積む
2009/6/6
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68
フランスの天下り
カルロス・ゴーンはパリ国立鉱山学校出身.7年で社長
大企業の集中と高級官僚の天下り
グランゼコール出身,会計検査院
フランス企業上位100社のうち
• 経営者の12%が財務監査院・会計検査院出身
• 43%が何らかの形で行政分野に所属
銀行とマスコミ(新聞,テレビ,ラジオ)
• マスコミ重役:重役65名中,16名が高級官僚,13名がグラン
ゼコール出身
国民をコントロールする重要性,文化的支配権
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
69
フランスは終身雇用の国
失業率8%.若年者の失業率は20%を超える
正規社員の権利はCDIと呼ばれる無期限労働
契約で守られている
会社にいったん雇用されると特別の事情がない
限り65歳の定年まで解雇されることはない
1ヶ月近い長期のバカンス休暇を取る
しかし,実際に長期のバカンスを取るのは半数
多くの人々じっと空きが出るまで辛抱強く待つ
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
70
デモの主体
調査でフランス国民の72%が、公務員によい印
象を持っていると回答
72%の回答者が近親者に公務員に就職するこ
とを勧める
公務員は全労働者を代表して待遇改善や賃上
げ社会保障制度の改革阻止のために頑張る
「公務員」といえば市役所職員,公共交通機関
職員,学校教師,公立病院職員,航空管制官
加えて学生がデモの主体
公務員人件費のGDP比:フランス14%,日本6%
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
71
フランスと日本の失業率
%
12
10.344
10
8.967
9.225
9.275
9.613
9.225
8.283
8
6
5.25
7.787
フランス
日本
5.594
4.716
4.425
4.127
4
4.603
3.848
3.988
2007
2008
2
0
2009/6/6
2003
2004
2005
2006
2009
2010
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
年
72
15-24歳の年代の失業率
順位
2009/6/6
国
15-24歳の年代の失業率
1
イタリア
24.00%
2
フランス
22.80%
3
スウェーデン
22.30%
4
ベルギー
19.90%
5
ドイツ
15.20%
6
カナダ
12.40%
7
イギリス
11.80%
8
アメリカ合衆国
11.30%
9
オーストラリア
10.80%
10
オランダ
9.60%
11
日本
8.70%
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
73
賃金以外の労働コスト
順位
国
賃金以外の労働コスト 賃金に対する割合
1
ベルギー
55.20%
2
フランス
47.40%
3
イタリア
41.60%
4
スウェーデン
32.70%
5
オーストラリア
21.30%
6
ドイツ
19.30%
7
オランダ
18.10%
8
カナダ
13.60%
9
日本
12.70%
10
イギリス
11.00%
11
アメリカ合衆国
8.50%
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
74
解雇に伴うコスト
順位
2009/6/6
国
解雇に伴うコスト 賃金の何週間分か
1
ドイツ
69.3
2
フランス
31.8
3
カナダ
28
4
スウェーデン
26
5
イギリス
22.1
6
オランダ
17.3
7
ベルギー
16
8
日本
8.6
9
オーストラリア
4
10
イタリア
1.7
11
アメリカ合衆国
0
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75
失敗した労働改革
フランスは雇用に対する費用がとても高いので
若者を雇いたがらない
CPE(初期雇用契約, Contrat Première
Embauche)~若年層の雇用促進のために提案
した法律.雇われてから2年以内は雇用者側に
自由な解雇権限を与える
2006年,法案に対する抗議デモ.撤回へ
26歳以下の若い人に雇用の機会を与える
労働者側は「雇用の不安定」,「解雇権の濫用」
2009/6/6
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76
人種問題
 2005年パリ郊外暴動事件~北アフリカ出身の三人の若者が
警察に追われ逃死亡したことをきっかけに暴動が全国で発生
 フランス国民3分の1にあたる2千万人の少なくとも祖父一人が
外国人
 平等のタテマエ.人種別の失業率統計は存在しない
 マグレブ出身の国会議員がいない
 フランスにおける移民の分離は西欧諸国の中で最もひどい
 ドイツにも多くのトルコ人.イギリスにもインド人.
 フランスに抗議を暴力に転化するという長い伝統がある
 移民はフランスの農民や組合員がやってきたことに倣っている
に過ぎない
 職業に貴賎あり.いわゆる3K職場.
 アルジェリア系のジダンは国民的英雄~移民統合の象徴
 米国は二重のアイデンティティーを持つことを認める
2009/6/6
跡見学園女子大学 公開講座 『フランスと日本』
77
差別を測る/1
米国では履歴書に年齢,性別,国籍,写真を載
せてはいけない.
人種によって名前の傾向が違う
ある求人に対して人種や民族が異なる以外内
容は同じ2通の履歴書を企業に送付
フランス系(白人)とアフリカ系(アラブ人・黒人)の
2人の若者.異なる点は名前と顔写真
2009/6/6
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78
差別を測る/2
白人を優遇したケースは70%.逆にマグレブ13
%
応募の段階で差別的な扱いが見られたケース
は59%
白人には応募の段階で次の面接の連絡をする
が,アラブ人には即不採用の通知を出す
残りの450件(40.9%)は応募の時点でフランス系
及びアフリカ系のいずれも同じ扱い
2009/6/6
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79
差別を測る/3
同等の扱いを受けたうちの212件は次回の面接
実施を決定.残り238件は即答を避けた.
この238件のうち後日フランス系が有利な扱い
を受けたのは167件,アフリカ系に有利な決定
がなされたのは51件
同様にカテゴリー別258人の履歴書送付の研究
•
•
•
•
•
•
•
75/258 白人男性,フランス名,パリ在住
69/258 白人男性,フランス名,パリ近郊在住
45/258 白人男性,フランス名,「ゲットー化した」郊外在住
33/258 白人男性,フランス名,パリ在住,乱れた身なりの写真
20/258 白人男性,フランス名,パリ在住,50代
14/258 アラブ系男性,アラブ系の名,パリ在住
5/258 白人男性,フランス名,パリ近郊在住,障害者
2009/6/6
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80
公務員になりたいフランス人
1. 個人主義と企業・政府に依存
 各種のデモの要求
2. 自前の宗教を持てなかったフランス
 カトリック,最高存在の祭典
 精神的な拠り所を求める,仏人の四人に一人が向
精神薬を服用,英国などの2倍.
3. 中央集権的な政府・産業と実は多様な地方文化
4. 平等のタテマエと移民統合への願望
5. 自分たちの要求を暴力で表現する
 DVで3日に1人の女性が前夫に殺されている
6. 公務員になりたいフランス人
 安定的な身分,バカンス,デモ
2009/6/6
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81
おわりに
欧州の勃興や日本の発展を地理的な要因や人
口などで考えてきた
少子化問題に長期的に取り組む必要性
失業や非正規労働の問題の反面教師としてのフ
ランス
移民や外国人労働の問題が日本にも起こるか?
日本の優位な点は欧州と同様に地理的な要因に
依存している
2009/6/6
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82
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のレジメ - 跡見学園