市民活動連続講座
(第2回助成金入門)
助成金担当者の本音
~助成金を獲得したいNPOに
必ず知っておいてほしい3つのこと~
2013年11月13日
日本財団海洋グループ
海洋安全・教育チーム
荻上 健太郎
http://blog.canpan.info/kaizokudan/
今日みなさんにお伝えしたいこと
<助成金を獲得したいNPOが必ず知っておくべき3つのこと>
1.助成金は買い手市場である
2.申請書は書きたいことを書く
書類ではない
3.事前の相談なくして助成金なし
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1.助成金は買い手市場である
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1.助成金は買い手市場である
そもそも助成金とは?(広辞苑より)
①助成金
事業や研究などを助けて成就させること。力を添えて
成功させること。
②補助金
不足を補うために出す金銭。特定の事業の促進を期する
ために、国または地方公共団体が公共団体・私的団体・
個人に交付する金銭給与。
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1.助成金は買い手市場である
つまり・・・
そもそも助成金とは?
・自分たちのために出してくれるお金ではない
・事業や活動に対するお金である
・足りないからくれるのではなく、成功を助けるためのお金
・日常的に困っていることを助けてくれるお金ではない
・ずっと応援してくれるお金ではない
以上の基本的な性格を理解しておきましょう。
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1.助成金は買い手市場である
助成する側にとって助成金とは?
①目的を達成するための投資
・助成する側にもそれぞれ存在目的がある
・その存在目的を達成するために、助成金という手段を持つ
・投資だからこそ、投資した以上の成果を期待する
・助成をする側もまた、資金提供者から成果を求められている
②NPOは目的を達成するためのパートナー
・自分たちのもっていない手段(人、ノウハウ、現場)を持つ
・お互いに手段・強みを持ち寄ることで目的達成を目指す
・パートナーだからこそ慎重に選ぶ(審査する)
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1.助成金は買い手市場である
事業のレベルと助成金のレベルが合うか?
(1)対症療法のレベル
(2)予防のレベル
(3)仕組みづくりのレベル
(4)連携・政策提言のレベル
※助成金の目的によって期待する事業のレベルが異なる。
※一般的に、助成金額が大きくなるほど、(3)や(4)の
レベルが求められる。
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1.助成金は買い手市場である
制度として見ると、助成金の種類も多様!
種類
(1)募集方法
公募型
計画型
待ち受け型
(2)対象団体
法人格必要
法人格不要
(3)活動実績
○年以上
実績不問
立ち上げ支援
(4)対象経費
事業助成
事業助成
基盤助成
(管理費無し)
(管理費有り)
(5)自己負担
有り
無し
(6)使途
自由
制限有り
(7)支払方法
前払い
精算払い
(8)選考方法
事務局審査
選考委員会
投票など
(9)期間
単年度
複数年度
継続
(10)出し手
助成財団
行政・国
企業
特定
性格と特徴をよく確認することが重要!
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1.助成金は買い手市場である
募集要項をよく読み、どんな制度か確認しよう
■要件の確認
・助成制度の概要(目的やレベル)を把握する。
・対象/対象外を知る。
・制約条件を確認する。
■ねらいや好みを知る
・趣旨や審査基準で助成する側のねらい・好みが分かる。
・過去の助成実績などで傾向を把握。
・記入例はヒントの宝庫。
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1.助成金は買い手市場である
みなさんの
目的・レベル
助成する側の
目的・レベル・制度
人・もの・金
情報・ノウハウ・現場
助成金
手段を
持ち寄る
目的の達成(課題の解決)
の実現を目指す
どんなに良い事業(だと思っても)、助成する側の目的・レベルと
かみ合わなければ助成は獲得できません!
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1.助成金は買い手市場である
NPO法人
(約47,000団体)
一般財団・社団法人
(約30,000団体)
77倍!!
団体数で比較すれば、
圧倒的に買い手市場(助成財団側が強い)!!
助成財団
(約1,000団体)
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
①申請書式を守る
申請書式は助成財団がこだわって作っているもの。そして、
みなさんへの問いかけ(知りたいこと)。文字数制限を守らない、書式
を逸脱するなどは、マイナス効果となる。
※書式で表現しきれない部分を添付資料で補足する。
②要点を簡潔に書く
申請書はエッセイではなく事業計画書。美しい文章表現や感動を誘
う文章などは不要。要点を簡潔に書くことを心がける。
※外部審査員は短い時間で申請書を読まなければいけない。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
③平易な表現を心がける
審査担当者は専門家とは限らないので、専門用語の羅列はNG。分かっ
てくれるはずではなく、分かってもらうにはという意識で。
※分かっていない相手を分からせる説得力が求められる。
④実現性のある解決策を具体的に記述
助成金でなにができ、それによりなにがどう変わるのか(=期待される成
果)を具体的に記述する。
※問題の羅列や思いの記述だけではだめ。審査の視点は解決策とその実現性。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
⑤企画の筋道と根拠のある数字を記述
企画の筋道「問題→原因分析→原因解決の方法」を明確にし、
かつ根拠のある数字の記載で理解を深めてもらう。
※原因分析が抜けてしまうことが多いので要注意。
※事業と直接関係する数字だけでなく、周辺環境などの数字も。
⑥団体情報を積極的に記載
パートナーとしての信用を獲得するため、基礎情報、実績、現状、
財政、実施体制などを積極的に記載する。
※ありのままを素直に記述するのが一番良い。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
⑦予算書は算出根拠を明確に
いまどき、○○一式□□万円ではとおらない。事業計画と連動した合理
的な予算づくりを。
※対象になる経費とならない経費があるので募集要項をよく確認。
⑧事業内容、予算書、スケジュールの連動性を確認
事業計画がしっかりしているかどうかは、連動性をみれば分かる。一通
り書き終えた後で確認する。
※連動性がとれていない場合、計画自体に無理や不整合がある場合があるので要注意。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
⑨添付資料はほどほどに
新聞掲載記事コピー、活動現場の写真などの添付資料は有効。しかし、
添付資料は程度が大事。大量の添付資料はマイナス効果になることも。
※添付資料はあくまで添付であることを忘れずに。
⑩読み合わせを行う
複数の目で見ることで、誤字脱字のチェックだけでなく、内容の推敲も
可能。
※専門知識や先入観のない団体外部の人にも読んでもらうとより効果的。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
⑪団体内部で共有する
一部のメンバーだけの動きとせず、団体内部で必ず共有する。団体の
活動計画全体の中での位置づけを明確に。
※助成金は団体に与える影響も大きいので、事前の共有をしていないと団体の存続危
機に陥ることも。
⑫期日には余裕をもって
締め切り直前に資料請求しているようではもう遅い。
※上記に取り組むのは時間がかかるので、動き出しは早めに。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
採択される申請書とされない申請書の違いは!?
(1)目的が明確になっているか?
(2)ニーズや課題を明確に把握、説明できているか?
(3)ニーズや課題へのアプローチが適切か?
(4)事業内容が合理的かつ実現可能か?
(5)成果が明確かつその後の展望にも期待がもてるか?
(6)助成金の使途に必然性があるか?
※審査担当者も上記の視点で申請書を読みます。
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2.申請書は書きたいことを書く書類ではない
申請書作成の最大のポイントは「姿勢」!
自分たちが書きたいこと、言いたいことを書けばよい
発想の転換
が必要
相手(助成する側)が知りたいこと、聞きたいこと
に答えてあげる
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3.事前の相談なくして助成金なし
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3.事前の相談なくして助成金なし
助成金の申請について、
事前に相談できることをご存じですか?
事前相談は非常に有効です。
必須のプロセスと思い、積極的に活用しましょう!
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3.事前の相談なくして助成金なし
事前相談でできること(メリット)
(1)分からないことを確認
・募集要項を読んでも分からないことを確認。
・審査基準(○○性など)の意味を知る。
・助成する側が求める事業のレベル感を確認。
(2)事業計画を改善
・第三者に相談することで、計画改善のヒントを得る。
・多くの事業を見ている助成財団は格好の相談相手。
(3)プラスアルファな関係の構築
・申請書だけでは伝えられない情報、印象を与える。
・申請のみでなく、情報交換、何かで役に立つ相互関係の構築。
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3.事前の相談なくして助成金なし
事前相談の際に注意すること
(1)相談する内容を整理しておく
・整理しておかないと聞き忘れてしまう。
・できれば箇条書きで質問点を書き出しておく。
(2)要望よりも確認を中心に
・要望だけでは相手も対応のしようがなくなる。
・相手の考え方や条件の確認を中心に。
(3)早めに動く
・締め切り間際ではもう遅い。募集期間の前半までに!
・募集時期に関わらず、事業計画を立てる時期にも相談を!
まずはお電話で、可能であれば面談を
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3.事前の相談なくして助成金なし
助成金の事前相談をする前に・・・
まず最初に確認すべき3つのこと
(1)目的と課題の把握ができているか?
(2)本当に足りないのはお金か?
(3)様々な資金獲得の可能性を検討したか?
※団体の経営戦略や事業計画との整合性を忘れずに!
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3.事前の相談なくして助成金なし
(1)目的と課題の把握ができているか?
・なんのために(=目的)
・なにに(=課題)
・どう取り組む(=計画)
・なにが変わる(=成果)
以上の点が明確になっていますか?
(助成金の申請時には必ず必要になります)
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3.事前の相談なくして助成金なし
(1)目的と課題の把握ができているか?
実はとても多いのが・・・
・とにかく問題なんだ
・なんとかしたい
・お金が足りなくて困っている
というだけで申請を検討してしまう。
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3.事前の相談なくして助成金なし
(2)本当に足りないのはお金か?
資金源の話の前に・・・
<NPOの「資金」以外の経営資源>
①ヒト
②もの
③情報
④ノウハウ
⑤人脈(ネットワーク)
⑥ミッション(目的、情熱)
これら資金以外の経営資源を見直し、有効活用しよう!
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3.事前の相談なくして助成金なし
(3)様々な資金獲得の可能性を検討したか?
<NPOの資金源は?>
・政府・自治体→税収
・企業→売り上げ
・NPO→多様!
①持ち出し
⑤補助金、助成金
②会費
⑥委託金
③寄付
⑦融資(NPOバンク)
④事業収益
⑧税金(条例による)
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3.事前の相談なくして助成金なし
<自主財源と他主財源>
◆自主財源
①持ち出し ②会費 ③寄付 ④事業収益
◆他主財源
⑤助成金、補助金 ⑥委託金 ⑦その他
→最後に頼りになるのは「自主財源」です。
→まずは「自主財源」の確立を目指しましょう。
→本当に助成金が必要なのか?確認しましょう。
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3.事前の相談なくして助成金なし
忘れてはいけない心構え
(1)不採択になっても気にしすぎない。
・基本的には、制度や審査基準を合わないことが理由。
・活動や人格の否定ではないので、深刻に悩みすぎない。
(2)不採択の理由を問い合わせる。
・結果の通知には理由が記載されていない場合も多い。
・問い合わせれば、ある程度は教えてもらえる。
・理由を把握していないと、次も同じ結果になってしまう。
・次への課題が分かることも。(転んでもただでは起きない)
(3)一度や二度であきらめない。
・助成金は競争率が高い(5倍10倍は当たり前)。
・一度や二度であきらめない粘り強さが必要。
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今日みなさんにお伝えしたいこと
<助成金を獲得したいNPOが必ず知っておくべき3つのこと>
1.助成金は買い手市場である
2.申請書は書きたいことを書く
書類ではない
3.事前の相談なくして助成金なし
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<プロフィール>
荻上 健太郎(おぎうえ けんたろう)
1973年米国ミシガン州生まれ(英語は不得手)
1998年日本財団に入会。
ボランティア活動支援、国際協力プロジェクト担当、社内システムやインターネット申請担当、
公益コミュニティサイトCANPAN(主に公益ポータルの推進)の担当を経て、現在は海洋グ
ループ海洋安全・教育チームのチームリーダー。
海洋グループは、「世界随一の海洋財団」となることを目指し、日夜、身近な市民活動の支援
から海洋立国日本の世界戦略支援まで、様々な取り組みに邁進しています。
この海洋グループでの業務の傍ら、全国の自治体・NPO支援センター等との協力のもと、助
成金活用や資金調達等のテーマに関するセミナー講師をつとめています。
詳しくは、私のブログ「晴耕雨読」をご覧ください!
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