アフリカ馬疫
家畜伝染病: 馬。
(African horse sickness)
動物衛生研究所 「家畜の監視伝染病」
病原体: レオウイルス科オルビウイルス属のアフリカ馬疫ウイルス 。2本鎖RNAウ
イルスで、9種類の血清型がある。
感染様式: ヌカカの唾液腺で増殖し、8日程すると多
量のウイルスが産生され、成虫となったヌカカは21-22
日生存する。空高く舞い上がったヌカカは、季節風に乗っ
て数100kmも離れた地へたどり着くこともある。ヌカカ
の他、蚊やダニなどの関与も考えられる。
体長: 3mm以下
病態: ウイルスの病原性及び感染歴の有無により4病型に分けられる。
臨床的型別
病勢
潜伏期
最高体温
死亡率
肺型
甚急性
3-5日
40-41℃
95%以上
肺型と心臓型の混合型
急性
5-7日
39-41℃
80%
心臓型
亜急性
7-14日
39-41℃
50%
発熱型(馬疫熱)
一過性
5-14日
39-40℃
ほとんど生存
発熱型以外の3病型では、致死率は高く、発症後2週間以内に死亡する。 JRA
肺型は、全く抵抗性のない
馬が感染を受けた場合に見
られる。突然発熱し、鼻翼を
広げて呼吸困難の様子を示
し、呼吸数は毎分60~70を
数える。そして多量の発汗と、
聴診で湿性のラッセル音
が聞こえる。
最後は発作性の咳と鼻
孔から泡沫を含む血清
様の液体が多量に流れ
出て、起立不能となって
死亡する。
両
側
眼
窩
の
上
の
浮
腫
心臓型は病原性の弱いウイルスに感染す
るか、あるいは僅かながらウイルスに対す
る抗体を持っている馬が感染した場合。特
徴である冷性浮腫は解熱と共に現われ、
初め側頭部、眼上窩、眼瞼、次に口唇、頬、
舌、下顎部、喉頭部へと広がっていく。そ
の後、更に頸部、胸部、腹部へと移動して
いくが、四肢の浮腫を見ることはない。
結
膜
の
充
血
と
水
腫
。
下
は
末
期
。
両
側
性
の
浮
腫
肺型と心臓型の
混合型はラバや
ロバが感染した
場合に、しばしば
見られる。この型
は発熱と同時に、
肺炎症状と浮腫
が合併して見ら
れる。
発熱型は別名、馬疫熱とも呼ばれ、過去にアフリカ馬疫にかかったこ
とのある馬、あるいは先天的に抵抗性のあるロバやシマウマなどが
感染したときに、発熱だけで終わってしまうものである。アフリカ馬疫
がいつも発生しているような地域では、このような例が多く見られる。
(上) 胸腔内の過度の液
体と肺水腫: 膨張した肺
小葉間中隔に注目
(左) 水腫様の肺の割
面: 膨張した肺小葉間
中隔に注目
右: アフリカ馬疫で死
亡した馬の剖検所見。
漿膜面の点状出血は
ウイルス血症や敗血症
の指標である。
左: 横隔膜の点状出
血はウイルス血症や敗
血症の指標である。
頚部の筋間筋膜の水
腫がアフリカ馬疫の唯
一の病変であった例
アフリカ馬疫にみ
られた心膜血腫
2007
2008
2005
2006 1-6
1-6
7-12
2006
2005
1-6
普段は南アフリカを中心に発生し、毎年流行を繰り返しているが、北アフリ力から
地中海沿岸、中近東からインド、そしてスペインやポルトガルでも流行したことがあ
る。とくに1987年から1990年にかけ4年間も続けてスペインで発生した時は、バル
セロナオリンピック( 1992 )を控え、馬術競技の開催が危ぶまれた。しかし、関係
者の努力によって発生がぴたりと止まり馬術競技が無事に開催された。
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