経営学入門Ⅱ
第7講
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企業の組織形態(1)
1.組織構造の基本
◆
伝統的(古典的)組織論
【
特
徴
①
公式組織
②
組織=
③
【
】
を対象とする
権限と責任の体系
目的達成の手段
組織原則(管理原則)
●
としての組織作り(=組織設計)が重要
】
組織化,組織編成
=
共通目標を達成するために仕事をグループ化して合理的に秩序だてること
①
命令一元化の原則(principle of unity of control)
=
命令・指示は「直接の上位者一人」から受けるべきという原則
→
組織の命令系統を混乱させないようにするもの
専門化の原則(principle of specialization)
②
=
仕事を細かく分けて,同じ者が同じ仕事に専門的にあたるようにする原則
→
単純化・標準化
→
人材の熟練化によって組織の効率化が進む
監督範囲適正化の原則(principle of span of control)
③
=
一人の監督者が監督する範囲を,広く(多く)もなく,狭く(少なく)
もないようにする原則
【
・監督範囲が広すぎる場合
・・・
管理が行き届かなくなる
・監督範囲が狭すぎる場合
・・・
過剰な管理になる,組織階層が長くなる
適正な監督範囲の目安
・作業的な仕事
・・・
・スタッフ的な仕事
【
その他の特徴
】
10 名から 30 名程度
・・・
5 名から 10 名程度
】
組織階層が上位になるほど,監督範囲は狭くなるが責任範囲は広くなる
→
直接命令する部下の数は少なくなるが,部下が部下を
持つようになる
1
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権限と責任の原則(principle of authority and responsibility)
④
=
組織を権限と責任に基づいて体系だてる原則で,権限を伴わない責任や責任を
伴わない権限を与えてはならないという原則
さらに,以下の原則(職能化の原則に従う)も含まれる。
→
権限と責任と職位は,職務を通じて三位一体の関係にある
(1)明確化の原則
(2)対応の原則
・・・
・・・
(3)階層化の原則
・・・
権限と責任は明確に規定されなければならない
権限と責任は対応していなければならない
権限と責任は職位と結びついていなければならない
【重要ワード】
権限・・・職務を公に遂行できる権利や力のこと,命令を行使することのできる力
責任・・・リスポンシビリティ(responsibility)
・アカウンタビリティ(accountability)
リスポンシビィティ・・・職務を遂行する責任
アカウンタビリティ・・・職務遂行の結果に対する責任
職能化の原則・・・組織は職能に基づいて編成されるという原則
職能・・・仕事上の区分できる一つのまとまり。その仕事に固有の機能
職務・・・組織内で割り当てられた業務(仕事)
職位・・・職務を遂行するために与えられた組織上の地位
階層化の原則(principle of scalarship or hierarchy)
⑤
=
組織が,垂直的な命令系統(責任・権限関係)をもつ,階層連鎖あるいはピラ
ミッド型の階層組織から成り立つという原則
→
命令一元化・監督範囲適正化の原則に従うからこのような形になる
→
しかし,管理距離(組織のトップからボトムまでの管理上の距離)が長くなる
と,情報伝達・モラール等,色々と問題が出てくる
→
階層を短くして組織全体をフラット(平坦)にする必要が出てくる
=
階層短縮化の原則
権限委譲の原則(principle of delegation of authority)
⑥
= 権限を下位者に委譲することで組織運営を円滑に進める原則
→
権限は委譲されても監督責任や結果責任は委譲されない
【
適用される場合
】
・大企業になって階層の数が増加した場合
・ルーティン(日常反復的)業務が多い場合
・サービス業など現場での判断が重要な場合
【
問題点
】
権限委譲の行き過ぎ→管理不行き届き=オーバー・デリゲーション
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例外の原則(principle of exception)
⑦
=下位者にルーティン(日常反復的)業務に関する権限を委譲して,上位者は,例
外的な業務に専念すべきという原則
→上位者である管理者の仕事を軽減する効果がある
→上位者は,長期的視野にたった判断業務に専念すべきという考え方
2.一般的組織形態
●
必然的にピラミッド型の組織となる
「命令一元化の原則」
「専門化の原則」
→
→
組織の職能化を推進
「監督範囲適正化の原則」
「権限と責任の原則」
●
組織の階層化
→
→
→
垂直方向の広がり
→
組織をグループ化
水平方向の広がり
→
図中の○が増える
図中の○の関連付け
→
対応の原則・階層化の原則
→
権限=責任=職位の三位一体の関係で職位と結びつく
管理階層
→
企業の一般的な管理階層は,以下の 3 つの層に分けて捉えられる
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①
経営層・・・取締役会メンバーなど全社的な方針や意思決定にあたる人々
②
管理層・・・部課長クラスで部門別の計画立案と管理にあたる人々
③
作業層・・・生産・販売・事務などの現場に従事したり,技術職・専門スタッフ
など現場を支援する人々
【具体的組織形態シリーズ】
3.ライン組織(直系組織)
⇒
ライン組織(直系組織)は,最も簡素な組織形態であり,生産している製品の種類が
少なく,比較的小規模な組織に適している
⇒
ライン組織は,「
明確
命令の一元化
」が貫徹できるため,
である反面,部下に対する命令は 1 人の上司から発せられるため,上司の責
任が過重となりやすく,作業能率も低下しやすい
◆
純粋ライン組織
=
→
◆
権限や責任の所在が
部門ライン組織
=
→
。
水平的分業が未発達
同一階層では基本的には同じ職能を遂行する組織
水平的分業が進んでいる
部門別に違う職能を担当する組織
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◆
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ライン組織の長所・短所
4.ファンクショナル組織(職能組織)
⇒
ファンクショナル組織(職能的組織・職能組織)は,テイラーが考案した職能別職長
制を原型とする組織であり,各管理者が特定の管理職能を担当し,「 専門化 」する
ことによって
→
作業能率の改善
が図られる。
ただし,ここでのファンクショナル組織は「専門化の原則」のみに基づいたもので,
「命令一元化の原則」には従っていない組織とする。
⇒
ファンクショナル組織では
専門化の利益
しかし,命令系統が多元化するために
が享受でき,熟練の形成も促進される。
責任・権限の所在
が不明瞭になりやすい。
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◆
ライン組織とファンクショナル組織の比較
◆
ファンクショナル組織の長所・短所
5.ライン・アンド・スタッフ組織
⇒
ライン組織とファンクショナル組織の両面を合わせ持つ組織(=直系参謀組織)
6
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⇒
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ライン組織に
スタッフ部門
スタッフの助言・勧告によって
⇒
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を付加することで, 命令の一元性
専門化の利益
ライン・アンド・スタッフ組織では,
のに対して,スタッフ部門は
を保持しつつ,
を生かすことを意図した形態である。
組織の基幹業務
ラインに助言・勧告
はライン部門が担当する
を行うが,他部門への指揮・
命令の権限はない。
【
前
①
提
】
ライン権限の優先
・・・ライン部門の命令指揮は一元化しており,スタッフ部
門はラインへの命令権限はもたない
②
スタッフ権限にある間接的命令機能
・・・スタッフ部門は,トップへの助
言を通じて,組織全体への命令権
限的影響を行使する
◆
ラインとスタッフ
ライン・・・企業が最も基本としている本来の企業活動を担当する部門
(→
定型的業務,命令一元化の原則が有効
)
スタッフ・・・ライン業務を支援したり専門的な業務を担当する部門
(→
◎
ライン業務に対して専門的立場からアドバイス,ラインを補助
管理スタッフ(ゼネラル・スタッフ)
→
◆
)
専門スタッフ(サービス・スタッフ)
→
◎
非定型的業務,専門化の原則が有効
企画・調整・組織化・統制などの機能を持つ
ライン・アンド・スタッフの構造
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◆
ライン・アンド・スタッフの長所・短所
◆
小まとめ:組織形態の特徴
長
所
短所あるいは特徴
ライン組織
命令の一元化
責任・権限の明瞭性
上司の負担が重くなりや
すい
ファンクショナル組織
専門化による作業能率の
責任・権限の所在が不明
向上,早期の熟練の形成
瞭になりやすい
が可能
ライン・アンド・スタッフ組織
命令の一元化を保持しつ
スタッフ部門に指揮・命
つ,専門化のメリットを
令の権限はない
享受
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