印南研究会2 2001.6.7 Presentation
健康福祉領域における
生涯スポーツの効能
― 誘導機関の必要性 ―
慶應義塾大学 総合政策学部 1年
河野 理愛
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
1
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Introduction
-現代社会の実際と求められることとは-
2
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現代社会は疲れるのか?(1)
肉体的な疲労
70歳以上
20.4
60代
46.7
0.7
12.5
52.8
0.7
50代 10.9
56.7
0
40代 8.5
58
30代 10.2
52.3
20代 6.2
0%
47.3
20%
大いに感じる
0
0
34
32.4
33.5
37.5
46.5
0
40%
32.3
60%
ある程度感じる
80%
100%
解らない
感じない
3
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現代社会は疲れるのか?(2)
精神的な疲労・ストレス
11.8
30.3
1.6
56.2
10.8
50代 12.2
31.1
1.2
56.9
70歳以上
60代
47.8
40代
14.6
49.3
30代
16.1
14.5
47.4
41.9
20代
0%
20%
大いに感じる
40.1
0
40%
0.6
0
0.4
60%
ある程度感じる
35.6
36.5
43.1
80%
100%
解らない
感じない
4
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
豊かさを求める現代社会
現代社会
高齢社会
生涯学習
高度情報化
余暇増大
国際化社会
自由時間の増大
ストレスの増加
人生をより豊かにし、充実した生活を求める
心身の健康志向
5
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Supposition
-スポーツの働きを考えてみる-
6
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生涯スポーツの重要性(1)
心理面への効果1
14
社会的向性
13
のんきさ
12
支配性
神経質
11
抑うつ性
10
劣等感
9
8
7
していない
月1~2日
週1~2日
運動をよく行って
いる人ほど
うつ病の気は少
なく、おおらかさ
や活動性が高
まっている
ほとんど毎日
スポーツ実施程度からみたY-G尺度の得点
7
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生涯スポーツの重要性(2)
心理面への効果2
性格的な変化だけでなく、
短期的な「ミスの低下」にも
繋がる
1.計算問題
2.1群:13分間の縄跳び・1分間休憩
2群:9分間の縄跳び・5分間休憩
3群:15分間休憩
3.計算問題
誤数の変化量
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
1
2
3
8
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生涯スポーツの重要性(3)
%
25
運動実施程度別年間死亡率
49
身体面への効果1
非運動群
軽運動群
中等運動群
激運動群
20
15
10
5
以
上
85
84
~
80
79
~
75
74
~
70
69
~
65
64
~
60
59
~
55
54
~
50
45
~
0
運動をしている人のほうが
死亡率が低い
9
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生涯スポーツの重要性(4)
身体面への効果2
糖尿病への効果 (運動で血糖値が下がっている)
正常者の血糖値変動
血糖値(mg/dl)
糖尿病者の血糖値変動
210
210
160
160
110
110
60
0
分
3
0
分
:
運
動
開
始
6
0
分
:
運
動
終
了
60
0
分
3
0
分
6
9
0
0
分
分
始 : 了 :
運
運
動
動
開
終
1
2
0
分
安静
運動
10
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生涯スポーツの重要性(5)
身体面への効果3
高齢者がトレーニングをしても効果がある
膝関節伸展力
速歩
通常歩
歩行スピード
60
1.7
55
1.6
1.5
1.4
m/秒
Nm
50
45
1.3
1.2
40
1.1
35
1
0.9
30
前
後
トレーニング
前
後
トレーニング
11
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Problem
-生涯スポーツがなぜ普及しないか-
12
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なぜスポーツをしない・できないのか
運動・スポーツを行わなかった理由
機会が無い
2000年
指導者がいない
1997年
1994年
場所が無い
最近の傾向
金がかかる
●体が弱い
仲間がいない
●お金をかけたくない
好きではない
●運動が嫌い
体が弱い
●場所が無い
年を取った
時間が無い
%
0
10
20
30
40
50
60
13
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スポーツに至るまでの問題点
▼ 運動するよりも病気になったら治療する方が簡単
▼ スポーツをする場所が無い・知らない
物理的に足りない (施設数・サービス 共に)
■ 公営施設と私営施設の折り合いがついていない
■
▼ 正しいトレーニング法・スポーツの仕方を知らない
■
現在の体育教育・スポーツ振興では、
学生時代にスポーツが嫌いだった人・・・どうしていいかわからない
学生時代にスポーツをしていた人・・・Sports Transferには対応できない
14
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
治療コストと予防コスト(1)
Case1.ケガや病気になっ
たら治療をするだけの人…
Case2.普段からケガや病
気の予防をする人…
時間が無い人
スポーツにかけるお金が惜しい人
ほとんどの場合は、元々動くのが
好きな人
日本の医療保険制度では
治療が安価に受けられるし・・・
=
病気・ケガする前にお金をかけたっ
て・・・
(健康に対する金銭感覚なし)
日本人の平均スポーツ支出
年間
35,000円
フィットネスクラブなどを利用すると
10万円以上はかかる
15
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
治療コストと予防コスト(2)
Case1.と Case2.の今後・・・
健康にお金を
かけない人
健康にお金を
かける人
健康に対する支出額
短期的には Case1<Case2
長期的には Case1>Case2
ただ、スポーツは ごく小コストでも
できることを意識しなくてはならない
国民参加率の一番高い「体操」は
年間平均費用が3,500円である
どのように健康に対する金銭価値を人々に根付かせるか
これからのテーマ
16
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
スポーツに至るまでの情報の伝達(1)
▼ スポーツ施設数
職場スポー
ツ施設
5%
公共ス
ポーツ施
設
25%
民間ス
ポーツ施
設
7%
体育・スポーツ施設設置数
総数は
258,026施設
学校ス
ポーツ
施設
63%
そのほとんどが公営
のものであり、その中
でも学校スポーツ施
設が占める割合が高
い
文部省『わが国の文教施策2000』
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
スポーツに至るまでの情報の伝達(2)
▼ スポーツ施設の内訳1
学校関連
小学校
中学校
高校
大学・高専
企業関連
総計
総施設数
120465
66738
33837
14534
5356
8762
129227
開放数
74845
48710
19516
4502
2117
3425
78270
%
62.1
73
57.7
31
39.5
39.1
60.6
日本でその多くを
占めていた学校ス
ポーツ施設だが、
その60%ほどしか
開放していない
しかも昼夜開放し
ている施設は
開放数全体の半数
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
スポーツに至るまでの情報の伝達(3)
▼ スポーツ施設の内訳2
近頃流行のスポーツ医科学
センターのサービス内容
公営はリハビリテーション事業に弱い
私営は心理サポートに弱い
必要なことが
カバーできていない!
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
スポーツに至るまでの情報の伝達(4)
▼ スポーツ施設の内訳3
複合種
目型
8%
一種目
型
92%
日本にあるスポーツクラブのほ
とんどは 単一種目型
それに対して、国は総合種目型
スポーツクラブを増やそうと計画し
ているが、それは間違いではない
か?
低予算や指導者不足で運営の幅を広げられ
ないスポーツ施設が存在している
そのクラブは見捨てるのか?
スポーツクラブの形体
既存の施設を活かす方法を!
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スポーツに至るまでの情報の伝達(5)
▼ 運動処方の情報はどうなっているのか
選手は情報を手に入れられない
● アスリートは所属企業、学校の関係で自由に研究関係者 との
接触ができない
● 健康スポーツ競技者は どこへ行けば情報が手に入るか解らない
指導者はボランティアが多すぎて、養成されていない
全国・国際クラスの大会を除くほとんどのスポーツイベント・チームの
指導などは
74.1%が無償ボランティア
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
Needs
-スポーツに関する隙間を繋ぐ-
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
日本社会・スポーツ界における必要性のまとめ
▼ 既存の施設や人材を上手く使い切れていない
■見捨てるのではなく有効活用するためには、
これまでの施設・人材情報の再整理と振り分け
=繋ぎ役が必要
▼ あまりに正しいトレーニングに無知すぎて、
スポーツでケガをする
(スポーツの効果が発揮されていない)
▼ 日本人は健康への金銭感覚が無い
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
・・・ということで
現代日本スポーツ界の「繋ぎ役」のために
組織を作りました
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
非営利組織
Sports Incubation System
・小さな団体・個人、行き詰まっている団体・個人に対して
導き、育てる組織
・現在会員数は25名程度
(研究者・大学院生・大学生・大学教授・医者・スポーツ選手・
スポーツチーム経営者・スポーツ愛好者 など)
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
25
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
各分野間・業界間の繋ぎ役 -マッチング-
科学者・研究施設・大学
etc.
新ポジションとしての存在
Sports Incubation System
Connect Matching
スポーツにおける、ニーズに対
して人材や組織、施設を紹介、
結びつける
人材 情報 施設
知識 相談 交流
選手・コーチ・
チーム etc.
例 : こんなスポーツの指導者が欲しい
現場に出て教えてみたい
本の執筆者を探したい
このケガを見てくれる医者を
紹介して欲しい
企業・国・地方自治体
研究をしたいので企業と
etc.
知り合いたい
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
26
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
ワークショップ・教育普及
既存のスポーツセミナー・・・
参加者へ提供したきりで一方通行の内容
SAT-Workshop
参加申込者から事前に伺ったニーズに合わせての講習会や、定期開催で授業方式
のステップアップが期待できる内容を扱う勉強会を開く
SAT-Workshopの「SAT」は 満足(satisfaction)という意味や、この会が中継局になって皆さまにスポーツ知識
を繋ぐというサテライト(satellite)の意味を持つ
Academic Web Page & Academic Field
Web上でスポーツに関する科学や医学、心理学、社会学などの情報を 無償で公開
スポーツに関することを学びたいと感じる人(小中高生やお年寄りなども)に対してスポ
ーツ科学に関する学習プログラムやテキストの提供を行う
また、大学生・大学院生などを中心に 個々の研究領域にこだわらず研究会(ワーキ
ンググループ)を作ることも可能である
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
各分野間・業界間の交流
これまで・・・
研究会・学会と言う名で研究者や学生同士が集まることや、地域ス
ポーツの指導者だけでコミュニティを作ることがほとんどであった
Community Session
年齢や肩書きなどには一切こだわらず、参加する意思さえあれば
参加可能な交流会
他分野間の研究者・学生同士での交流会
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
スポーツ・健康への価値感覚付け
現在のスポーツ界・・・スポーツプログラムの提供や心理アドバイスなど
ソフト面の産業は非常に頼りない状況
スポーツ産業が根付けばよい
・・・でも、それまでは 放置していてもいいのか?
Consulting Square & Counseling Square
Connect Matchingの接続先として存在
収益事業→将来的に収益活動は行わない
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
最終目標
日本ではスポーツを「文化」として捉えていない
「文化」:人々の心を豊かにすることや人間関係をより良いものにするもの、
マナーの習得ができるもの など...
=私たち自身の生活・人生を充実・豊かにする
行動的・精神的な習慣活動
その可能性は スポーツにも 充分ある
「スポーツを生活習慣に!」
その1つのきっかけとして繋ぎ役を担う
特定非営利活動法人(申請予定)
Sports Incubation System
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印南研究会2 2001.6.7 Presentation
Hereafter
-今後の研究課題-
31
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
残る 健康への予防コスト問題
どうすれば健康のための行動に金銭価値・感覚がつくのか
●本当に健康スポーツによる予防策を取った方が、
金銭的に楽になれるのだろうか?
●医療界ででも、医療保険制度による費用保証のシステムが
患者の医療サービスに対するコスト意識を希薄にして
安易な受診を発生させてはいないだろうか?
●そこでは どのように対処しようとしているのだろうか?
●そのノウハウを健康スポーツ・健康福祉分野に
還元できないだろうか?
32
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
Bibliography
池田勝、守能信次(1998)『講座・スポーツの社会科学1 スポーツの社会学』.杏林書院.
池田義雄(1982)『臨床医のためのスポーツ医学3 糖尿病のスポーツ医学』、42-47.朝倉書店.
SSF笹川スポーツ財団(2000)『スポーツライフ・データ2000』.SSF笹川スポーツ財団.
NHK放送文化研究所(2001)『データブック 国民生活時間調査2000』.日本放送出版協会.
大鋸順(1999)『文化経済学ライブラリー2 スポーツの文化経済学』、29.芙蓉書房.
小野三嗣(1982)『臨床医のためのスポーツ医学1 肥満のスポーツ医学』、51-52,91-96.朝倉書店.
河野理愛(2000)『スポーツ知識・情報の普及に関する実態とインキュベーション組織の必要性』.
金崎良三(2000)『生涯スポーツの理論』.不昧堂出版.
総務省統計局(2001)『家計調査報告(平成13年1~3月期平均及び平成12年度平均)』.総務省.
総務省長官官房高齢社会対策室(2000)『数字で見る高齢社会 2000』.大蔵省印刷局.
電通総研(1999)『スポーツ生活圏構想』.厚有出版.
徳永幹雄(1998)『新版 健康と運動の科学』.大修館書店.
福祉士養成講座編集委員会 編(2001)『新版社会福祉士養成講座5社会保障論』.中央法規.
丸山富雄 編(2000)『スポーツ社会学ノート 現代スポーツ論』.中央法規出版.
丸山富雄、日下裕弘、生沼芳弘(1994)『スポーツ社会学ノート 現代生活とスポーツ』.中央法規出版.
三浦文夫 編(2000)『図説高齢者白書2000』、56-69,104-112.全国社会福祉協議会.
文部省 編(2000)『わが国の文教施策』、249-266.大蔵省印刷局.
余暇開発センター(2000)『レジャー白書 2000』.余暇開発センター.
33
印南研究会2 2001.6.7 Presentation
ありがとうございました...(^-^)
34
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健康福祉領域における 生涯スポーツの効能 ― 誘 導 機 関 の 必 要 性 ―