低速タングステンイオン-気体衝突
における電荷移行断面積に関する研究
<環境計測> 黒 裕二
研究背景
1
電荷移行反応とは・・・
ex. W+ + H2 → W
核融合(重水素 + 三重水素→ヘリウム原子核+中性子)
1億度℃(10 keV)
プラズマ状態
不純物イオン(高Z金属,CFC材 etc.)+H2 or He
プラズマ冷却
ダイバータ※の材料としてタングステンが検討されている。
※プラズマ周辺の不純物や燃料の燃えカスであるヘリウムの排気
・・・しかし、
タングステンイオンの電荷移行断面積データが少ない。
研究目的
低エネルギー(keV領域)のWイオンと
水素、ヘリウムの電荷移行断面積の絶対値測定
不純物の含まないタングステンイオンの生成
標的気体の精度よい圧力測定
中性タングステンとタングステンイオンの分離と検出
成果 3.9 and 3 keV W+ + H2 → W
2
3
ターゲットホルダー
タングステン板
引き出し電極
遮蔽板
絶縁体
イオンビーム
20 keV Ar +
アインツェルレンズ
デフレクタ
製作した
スパッタ型イオン源
0
75
150 mm
セットアップ
4
W target
TMP(300 l/s)+DP(300 l/s)
4.5×10-5 Pa
TMP(150 l/s)
1.4×10-4 Pa
TMP(300 l/s)
7.7×10-5 Pa
・イオン源の加速電圧:0.5~5 kV
・45°分析磁石:最大0.7 T (4 keV W+偏向可能)
・ガスセル 長さ:40 mm、入口径:1 mm、出口径:3.5 mm
・2次元MCP(Wedge and Strip anode)の有効寸法:13 mm×45 mm
質量分析スペクトル
※Ta(181) m /Δm = 74
加速電圧:1,000 V
※ 182W:26.5% , 183W:14.30% , 184W:30.64% , 186W:28.43%
5
検出器及び計測システム
Wedge and strip anode
6
W
AMP
M
AMP
Z-Stack MCP
S
+
AMP
-
temperature
Thermo
couple
2.7×10-3
Pa/℃
List mode ADC
MKS
Baratron
2.5 kVpressure
Data logger
10-2 Pa台
wedge
temperature
pressure
middle
strip
2.7×10-3 Pa/℃
10-2 Pa 台
horizontal
vertical
前実験① 1 keV
H+ +
H2 → H 位置スペクトル
target presuure
5.3×10-2 Pa
background presuure
4.5×10-5 Pa
H
H+
半値幅
H+:1.8 mm
H :2.2 mm
7
1 keV
H+ +
H2 → H 断面積
8
生成率法
dFi
=
dp
F
j
 s ji 
j
 F s
i
ij
i
Fi:全粒子中のi 価イオンの割合
p : ターゲットガス厚さ (/cm2)
s ij : i 価からj価への電荷移行断面積 (cm2)
単回衝突の条件(0価と1価の2状態)
F0  s10p
F0 (中性フラクション)= Y0 / ( Y0+Y1 )
Y i : i 価イオン収量
s10 = 3.85×10-16 cm2
H++
H2 → H
9
前実験②
W
純粋なW+イオンの選択
W+
①≫②、③、④(①は約5倍)
③の一番ピークの大きい位置で断面積測定
10
3 keV
W+ +
H2 → W 位置スペクトル
ターゲット厚さ
-6.1×1013(/cm2)
-1.0×1014(/cm2)
-1.4×1014(/cm2)
-1.8×1014(/cm2)
-2.2×1014(/cm2)
半値幅
W+:1.3 mm
W :3.8 mm
11
3 keV
W+ +
H2 → W 断面積
12
誤差
ガス圧力測定  ±8%
- ガス圧力変動
- 温度変動
- 読み取り精度
セル実効長 ±5%
s10 = (1.39±0.16)×10-18 cm2
誤差:11.4 %
Fraction
 ±6%
- ピーク分離
- カウンティング
最終結果
3 keV
W+ +
H2 → W
(1.50±0.15)×10-18 cm2
13
10%
① (1.39±0.16)×10-18 cm2
② (1.72±0.24)×10-18 cm2
3.9 keV
(2.29±0.20)×10-18 cm2
8.8%
W++
H2 → W
14
まとめ
15
3.9 keV, 3 keVのW+ と H2衝突における
電荷移行断面積の絶対値測定ができた。
タングステンイオンビームの生成
標的の精度よいガス圧力測定 ±8%以下
中性タングステンとタングステンイオンの分離と検出 ±4%以下
課題
電荷移行断面積のエネルギー依存
多価イオンの生成
おしまい
1. 研究背景
9. データベース
2. 研究目的
10. 前実験2
3. 製作したスパッタ型イオン源
11. W++H2
4. セットアップ
12. 断面積
5. 質量スペクトル
13. 最終結果
6. 検出器及び計測システム
14. 比較
7. 前実験1
15. まとめ
8. H++H2断面積
WO-
W-
WO2-
W2O-
W2-
W- 加速電圧:550 V
W2O2-
エネルギー分布
条件:20 keV Ar、10,000発、 厚さ40 Å、 45方向入射、 0.1 eVステップ
5.50 Atoms/ion
質量分析
Kr
Ta
Pt
Offset法
Offset法+エネルギー分析器
3D‐SIMIONによるイオン軌道シミュレーション
(a) スパッタ型イオン源断面図
(b) 電位勾配
W+ ビーム
加速電圧:1,000 V、レンズ電圧:730 V、上下方向デフレクタ電圧:100 V
― イオン軌道、― 等電位線
前実験② 純粋なW+イオンの選択
原因となる分子ピーク
Wに水素が付加した分子イオン
解離した分子イオン ex. WO2+→WO++O
1 keV H+ + H2 → H 断面積
生成率法
s 10
1  exp s 10  s 01 p 
F0 =
s 10  s 01 
F0 = Y0 / ( Y0+Y1 ) : 中性粒子の生成率
Y i: i 価イオンの収量
s ij: I価からj 価への電荷移行断面積 (cm2)
p : ターゲットガス厚さ (/cm2)
単回衝突の条件
F0  s10p
s10 = 3.85×10-16 cm2
核融合
国際熱核融合実験炉(ITER)
Images from Newton.
ダウンロード

Document