資料1
「原発稼働ゼロ」から「原発ゼロ」へ
リアルな脱原発の実現シナリオ
2012年11月20日
環境エネルギー政策研究所
所長 飯田 哲也
矛盾と数字遊び・言葉遊びの政府戦略
2030 ?
2
0
1208
1207
1206
10
1205
15
1204
20
1203
25
1202
3.11
1201
1112
1111
1110
1109
1108
1107
1106
1105
1104
1103
1102
30
1101
1012
1011
1010
1009
1008
1007
1006
1005
1004
Nuclear Power (TWh/month)
原発は(事実上)ゼロとなった
0
稼働
5.5
5
3
「ゼロ」から「ゼロ」へ
稼働
原発
今
未来
4
初期条件と境界条件を確認する
ほぼ全原発が停止している
この夏の電力は足りた
再稼働には最低2年かかる
さらに、仮に再稼働しても
使用済み核燃料プールが満杯
使用済み核燃料の行き場なし
5
この夏、電力は足りた
3,500
予備率
5.7%
予備率
5.8%
3,000
最大電力・供給力[万kW]
関西電力需給
予備率
6.5%
(原発なしの場合)
2,500
2,000
最大電力(実績)
1,500
供給力(需給検証委、大阪府
市会議他)
1,000
500
0
2010
2011
2012
66
この夏、電力は充分に足りた
7
「我慢」で「一時的」に足りたのではない
・無理なく儲かる省エネ
・需給調整契約
・デマンドレスポンス
・(分散発電・自家発)
・広域融通
・分散発電(自家発)
・揚水発電など電源管理
供
給
需
要
8
節電・省エネにかんする進化論
・我慢
・効率化
・上からの省エネ
・節電発電所
・電気が足りない
・ピークマネジメント
・発電所増設
・需要側管理
・経済にマイナス
・経営に良い
9
再稼働には最低2年かかる
2012年
9月
原
子
力
規
制
庁
発
足
2013年
1月 4月 7月 10月
2014年
1月 4月 7月 10月
2015年
1月 4月 7月 10月
まともに安全基準見直しをした場合
安全基準
改訂
PC
新基準
承認 適合作業
安全
審査
PC
承認
バックフィット
新規制庁が手抜きした場合
安全基準
改訂
新基準
安全
適合作業 審査
稼働0
バックフィット
10
再稼働には最低2年かかる
30
3.11
最低2年〜
20
約1年
安全基準
15
10
+α年
安全審査
再
稼
働
?
稼働0
1207
1204
1201
1110
1107
1104
1101
1010
1007
5
0
約1年
バックフィット
1004
原子力発電量 (TW時/月)
25
11
体系的・リアル・合理的な脱原発・エネルギー戦略
目指すべき原子力・エネルギー政策
原子力・電力行政のガバナンスの再構築
脱原発メカニズム
過渡期マネジメント
電力市場出口戦略
(安全規制、使用済み燃料
総量規制、損害賠償)
(電気料金影響緩和、
電力需給、廃炉、東電等)
(発送電分離、競争市場、
再エネ・コジェネ戦略等)
開かれた競争的・創造的な電力市場へ
環境とエネルギーのデカップリング(切り離し)
12
脱原発メカニズム
現
50基
状
技術的廃炉
大前提となる安全性改善
経済的廃炉
経済的廃炉
原子力損害賠償見直し
経済的廃炉
使用済み核燃料
総量規制・保管場所
総量規制
40年寿命
40年寿命・新増設禁止
制度的廃炉
廃炉へ13
脱原発プロセスのメカニズム
40年廃炉
不安全炉(安全強化)
使用済み燃料総量規制
民主主義(国民投票など)
14
日本学術会議の提言(2012年9月12日)
(前提として)再処理・核燃料サイクルは破綻しており、
ゼロからの見直しが必要
高レベル放射性廃棄物処分は(当面)実現不可能
(高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し)
使用済み核燃料の総量管理と乾式中間貯蔵
(暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築 )
合意形成のための熟議の場
(・負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性
・討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性)
15
使用済み核燃料の『唯一解』としての乾式中間貯蔵
やってはならないこと
(再処理)
およそ実現できないこと
(地層処分)
使用済核燃料の乾式中間貯蔵
総量規制と長期貯蔵場所
「最終処分」のあり方
の真の国民的熟議
16
使用済み核燃料の『唯一解』としての乾式中間貯蔵
推進と批判の対立を埋める、政治的に現実的な唯一の解決策
核燃料サイクル
破綻の現実
発電所プール
貯蔵容量限界
安全面からの緊
急避難
使用済核燃料の乾式中間貯蔵
・貯蔵期限:50〜100年
・貯蔵場所:どこに置くか?(サイト、都市、集中)
・総量抑制:今後どれだけ生み出すか?
「最終処分」のあり方
の真の国民的熟議
17
平均6年弱の
貯蔵容量残
18
使用済燃料の乾式中間貯蔵の必要性
原発名
1取替分
貯蔵量
泊
50
350
1,000
女川
60
390
790
東通
30
60
230
福島第一
140
1,820
2,100
福島第二
120
1,130
1,360
柏崎刈羽
230
2,210
2,910
浜岡
100
1,090
1,740
志賀
50
120
690
美浜
50
360
680
高浜
100
1,160
1,730
大飯
110
1,350
2,020
島根
40
370
600
伊方
50
550
940
玄海
90
760
1,070
川内
50
850
1,290
)
敦賀
40
580
860
東海第二
30
370
440
1,340
13,530
20,420
ー
2,700
3,000
(
使
用
済
燃
料
貯
蔵
の
現
状
20
10
年
9
月
末
合計
六カ所
使用済燃料の乾式貯蔵施設
最大容量
平
均
6
年
、
最
短
で
2
年
の
余
力
し
か
な
い
六カ所再処理工
場もほぼ満杯
東電福島第1原発にもあるが3・11の地
震・津波でも安全性に全く問題なかった
19
原発の事故保険料は14〜6000円/kW時
額原
の発
発災
生害
確が
率発
生
し
た
場
合
の
被
害
総
ドイツ17基の原発災害損害額
→16兆円〜680兆円
それをカバーする賠償保険額
→14円/kW時〜6000円/kW時
16兆円
「儲けは電力会社、リスクは国民と
いう不公平なギャンブルをしてい
る」(ジョセフ・E・スティグリッツ教
授)
680兆円
原発災害が発生した場合の被害総額
【出典】 Markus Rosenbaum (May 2011) Versicherungsforen Leipzig GmbH
20
今後かんがえられる2つのシナリオ
政治無策のまま料金値上げや再稼働
「なし崩しシナリオ」
国民・地方自治体・国・電力・経済界による
「五方良しシナリオ」
21
政治無策のまま料金値上げや再稼働
「なし崩しシナリオ」
国
官邸前デモ
パブリックコメント
国民の反発拡大
民
安全規制・政治・電力への不信→反発
電力会社
経営悪化→料金値上げ→社会反発
経 済 界
料金値上げへの反発→電力対立・政治不信
地方自治体
再稼働対立→地域疲弊→国/地域対立と地域間対立
政
国民反発・経済反発→いっそうの政治不信
大飯3・4号
再稼働
治
社会的に
いっそうの
混乱
次の再稼働
の強行
22
国民・地方自治体・国・電力・経済界による
「五方良しシナリオ」
官邸前デモ
パブリックコメント
国民の反発拡大
大飯3・4号
再稼働
徹底的な安全性改善
国
が
使用済み核燃料の
モ
ラ 総量規制と中間貯蔵場所
ト
リ 電気料金値上げへの対処
ア
ム 電力市場改革ロードマップ
宣
言 原子力損害賠償の抜本見直
国民合意期間
(2年間程度)
国 国民的合意に沿った
民 脱原発シナリオへ
的
な
合
意
23
脱原発ニューディール
原発を動かせない期間を利用して、国民的な合意の場を創る
国民合意期間
変革期
新市場へ
安
全
性
体制・基準の再構築
再適用・改善措置
再稼働の可否
国民的合意
厳しい安全監視
原賠法抜本見直し
市電
場力
電力破綻の一時回避
料金値上げ抑制
廃炉債務処理
電力新市場へ
国費回収(系統費)
合脱
意原
発
国が再稼働凍結
電力支援
使用済燃料総量規制
乾式中間貯蔵
最終処分への
国民合意
24
原発「不良債権」をどうするか?
電力自己責任
国による救済
廃炉に伴う
原発資産の扱い
破綻処理
送電資産買取
資本注入等
モラトリアム間の
燃料費等超過分
破綻処理
電気料金値上
厳しいリストラ
交付国債等に
よる支援
25
参考資料
「原発ゼロで電気料金2倍」のからくり
・原発維持でも高くな
る
・高くなる要素は主に
地球温暖化対策や化
石燃料の高騰
・あくまで計算上の話
で、現実は異なる
【出典】 朝日新聞2012年9月28日
27
製造業生産と電力価格はほぼ無関係
中国を中心とした輸出好調期(2004-2007)
たまたま電気代も安かった。
情報機器投資好調(2000)
2000年の情報機器投資好調
の反動(2001)
製造業売り上
げに占める電
力コストは1.3%
リーマンショック
2008年9月以降。2008年は価格高騰、2009
年は価格低下だがそれと関係なく景気が悪
い
製造業生産と電力価格との関係
製造業生産と電力価格との関係
製造業の生産額に占める電力コスト割合と雇用者割合(2010年度)
35%
圧縮ガス液化ガス製造業(製造業雇用の0.04%)
30%
生産額に占める電力コスト割合
・省エネ再エネ対策でビジネスチャンスを得る産業。
・今後の低炭素化国際競争、地域産業雇用の中心
電力多消費業種(生産額比購入電力コストが10%以上) エネルギー少消費業種(生産額比購入電力コスト5%以下)
製造業の約99%=日本の製造業の生産・雇用の中心
雇用は製造業の約0.11%
25%
準電力多消費業種(生産額比購入電力コストが5%〜10%)
雇用は製造業の約0.34%
20%
繊維工業(製造業雇用の2.7%)
プラスチック製造業(製造業雇用の4.3%)
電子部品デバイス製造業(製造業雇用の6.0%)
亜鉛第一次製錬(製造業雇用の0.02%)
15%
食料品製造業(製造業雇用の14.7%)
ソーダ工業(製造業雇用の0.06%)
セメント製造業(製造業雇用の0.06%)
10%
電炉など、製鋼・製鋼圧延業(製造業雇用の
0.5%)
高炉製鉄業(製造業雇用の0.6%)
5%
製造業平均
0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
製造業全体に占める雇用者割合
汎用機械、生産用機械製造業
(製造業雇用の10.9%)
電気機械器具製造業
(製造業雇用の7.0%)
輸送用機械器具製造業
(製造業雇用の15.1%)
情報通信機械器具製造
業
(製造業雇用の3.5%)
70%
80%
90%
100%
原発停止で化石燃料の輸入と貿易赤字が増える
• 「ウソ」ではないが誤解招く「誇張」
• 原発よりも化石燃料価格(とくに原油価格)の影響大
• 原発比率が高いときでも23兆円を輸入した2008年
30
総輸入額(兆円)
貿易収支
70.0
60.0
25
50.0
20
40.0
15
30.0
10
20.0
5
10.0
0
0.0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
201
原油価格(円/キロリットル) 及び 原発比率(%)
化石燃料の総輸入額(兆円)
35
31
5
天然ガス輸入額
天然ガス輸入量
4
2
100
80
60
3
40
1
20
0
0
石炭輸入額(兆円)
天然ガス輸入量(百万トン)
12
10
26
14
25
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
原油輸入額
石炭輸入額
石炭輸入量
24
原油輸入量
23
22
6
21
4
20
2
19
0
18
50
0
原油輸入量(百万キロリットル)
8
2…
2…
2…
2…
2…
2…
2…
2…
2…
2…
2…
2…
16
150
100
石炭輸入量(百万トン)
原油輸入額(兆円)
• 311後の化石燃料の輸入量
はむしろ減った事実(天然ガ
ス以外)
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
6
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
天然ガス輸入額(兆円)
原発停止で化石燃料の輸入が増える
200
32
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