溶接変形予測のための基礎実験
および数値シミュレーション
14
Basic experiment and numerical simulation
for welding transformation forecast
金田 朋晃(Tomoaki Kaneta)
山根 敏(Satoshi Yamane)准教授
日立建機(株)技術開発センタ
アーク溶接を行う際のアーク熱による溶接変形は、溶接精度悪化につなが
る。本プロジェクトではこの溶接変形の予測が出来る数値モデルの構築を目
的とし、基礎実験および数値シミュレーションを行い、比較検討した。
The welding deformation by the arc heat when the arc welding is done causes the
deterioration of the welding accuracy. The purpose of this project is construction of the
numerical model to be able to do the welding transformation forecast. The basic experiment
and the numerical simulation were done, and it made comparative study of them.
1.背景・目的
目的:溶接変形の変形量を予測でき、かつ実時間で
利用できる数値モデルの構築
200
+
20
35
Bead
160
Measuring
point
100
近年、溶接分野において高効率化、高品質化、省コスト化、
労働環境の改善が求められ、自動溶接化が進められている。
その中の問題の1つに溶接変形がある。
溶接変形とはアーク溶接を行う際のアーク熱により熱歪み
が発生することで、これが溶接精度の悪化につながる。
対処法は溶接後、逆側から熱を加え矯正する、などである
が、変形量を予測できればあらかじめ対処したり変形を利用
したりすることが出来る。
35
4.基礎実験
20
200
220
45
145
-
Welding direction
Torch
Sensor
Fig.3 Experiment condition
Fig.3のように溶接を行い、測定点においてレーザー変位計
により変形量を測定した。
着目点:溶接中の変形量の推移を検討した例が少ない
変形量の推移は被溶接材の温度変化の推移
によって決まる
Fig.4 Thermo-couple
Fig.4のように熱電対を被溶接材に取り付け、溶接中の温
度変化を測定した。
2.アーク溶接
アーク溶接法とは電極棒
と被溶接材間に電圧をかけ、
その間にアーク放電を発生
させそのときのアークの熱
により被溶接材を溶融、接
合させる方法である。
本研究では、電極
および溶接材料の
溶融金属部を大気か
ら保護するためにシ
ールドガスを用いた
電極溶融型 のGMA
(Gas Metal Arc)溶接
を対象としている。
シールドガスにはArと
CO2 の混合ガスを用い
Fig.1 Gas metal arc welding
ている。
Fig.5 Welding robot & Appearance of welding
5.シミュレーション
Fig.6のように対象モデル
を構築し、熱伝導方程式と
変位の方程式に有限要素
法を適用して数値計算した。
Fig.6 Object model
3.溶接変形
加熱された溶接接合部近辺は熱膨張しようとするが,周囲
の低温部がその変形を拘束する。このため,溶接接合部近辺
の高温部は周囲から圧縮を受け,縮む方向に塑性変形する。
溶接接合部近辺の高温部が常温まで冷却されると,溶接接
合部近辺は元の体積より小さくなり,周辺部を強い力で引っ張
る。この結果,母材は一体となって変形し,板幅方向断面は溶
接線を中心にV字型に変形する
Plastic strain
Compression
Compression
Expansion
Residual stress
Warp of
throughthickness
direction
Shrinkage in direction of
welding line
Fig.2 Generation process of welding deformation
by one side arc welding
Amount of transformation
Temperature of base metal
Fig.7 Comparative result of measurements and simulation
変形量の結果のシミュレーション2は線膨張係数に温度依存
性を持たせていたが、現在は温度依存性なしでの実現を目
指している。また温度変化の推移については温度の立ち上
がり時間はほぼ同時だがピークが200℃程異なっている。
6.今後の展開
温度測定をより詳細に行う必要がある。より妥当性のある温度
変化を測定し、時間メッシュと物理的なメッシュのバランスをとっ
たシミュレーションを行い、比較検討し、溶接変形の基礎的なシ
ミュレーション方法を確立する。
その後、すみ肉溶接のシミュレーションに移行する。
ダウンロード

14,溶接変形予測のための基礎実験および数値シミュレーション