ふるとの
⑩ 農事組合法人 どんどんファーム古殿
(集落ぐるみで地域農業を支える仕組みの構築)
法人の概要
代表者:代表理事 中間 幸敏 さん
設立年月日:平成17年4月1日
構成員数:59人(農家56戸、土地持ち非農家3戸)
オペレーター:14人 経理担当:1人
経営面積:31ha
作付面積:水稲5.6ha、そば1.1ha、飼料作物(イタリアン)8ha、
WCS用稲6ha、甘藷8.5ha、
たまねぎ0.6ha、ブロッコリー1.2ha
作業受託面積:米刈取り・乾燥10ha
加工品名:生甘酒、味噌、たまねぎドレッシング、乾燥たまねぎ
鹿児島県南九州市
法人設立の経緯
古殿地域は、「太鼓踊り」の保存など集落活動が活発な風土であり、昭和57年に設立された
「古殿むらづくり委員会」に、集落の農地・農村環境を守るという役割を担う農産部会を設置。
平成5年に県の新・農村振興運動の重点地区に指定され、ほ場整備事業等に取り組み、 共
同機械利用によるコスト低減を目的として平成8年に「古殿機械利用組合」を設立。
平成17年に「集落住民参加による農業経営と地域への還元」と「機械の共同利用によるコス
ト低減」を基本理念とした「農事組合法人どんどんファーム古殿」を設立。
リーダーの確保
旧川辺町議会議長や古殿むらづくり委員長を歴任し、
共同利用について他の事例を参考にしながら集落に説
明した中間氏が、代表に就任した。
JA南さつまの構成員参加により会計や運営などのサ
ポートを受けている。また、会計は、農繁期がある農家
の兼務は困難であり、異業種で理容師の水溜氏が平
成8年から事務局(会計)を担う。
合意形成のポイント
中間組合長(後列右)、水溜事務局長(後列
左)と「どんどんプリティ」の皆さん(前列)
集落活動などで集まるメンバーが同じということもあり、話は進めやすかった。
組織づくりについては、全員の同意を得るのは困難であったため、「上手く運営していると人は
ついてくる」と考え、賛同する者で機械利用組合を設立した。
法人設立の際は、機械利用組合からの9年間の活動を認めてくれる人もいたが、まだ反対者も
いたので、アンケートを実施した。その結果、「農業をやめたい」「農地を売りたい」という意向が
出てきたので、「このままだと、この地区の農地は、他の地域からの入作に替わってしまい、農
村環境が守れない」という話をしながら同意を得たことにより、加入者が増えた。
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経営安定のための工夫
精米、農産加工の生甘酒、たまねぎドレッシング、乾燥たまねぎ、味噌等を道の駅を中心に販売す
るとともに、旬の農産物や加工品を詰め合わせた「どんどん通心便」の発送も行っている。
高齢女性を中心とした軽作業グループ「若葉会」と農産加工と商品開発を行う「どんどんプリティ」
があり、女性の雇用の場と活動の場を提供している。
農産加工は、平成18年のたまねぎが気象災害により
小玉となって青果では販売できなかったため、加工し
て販売するために女性グループが商品開発に取り組
んだことから始めた。
加工所の設置には県単事業を活用するとともに、建
物は消防倉庫を改装し、また、調理器具などは他の施
設で不要となったものを再利用するなど、初期投資の
コストを削減した。
畜産農家とのWCS用稲や飼料作物の契約栽培により、
安定的な供給と収入確保を図っている。
今後の課題と経営展開の方向
農産加工による経営の安定を図っていきたいが、加工
量が限られており、また、他の加工グループ等と商品が
競合するなど、販路拡大に苦労している。
若葉会やオペレーターなど、高齢化により働き手が少
なくなってくるので、若い専従者を確保する。
道の駅で販売している
精米とたまねぎ
ドレッシング
経費節減により健全経営を進める。
法人化を目指す組織へのアドバイス
・ 「法人化して万が一ダメになった時はどうするの
か」という意見もあるが、「ダメな時はいつでも止
めればいい。それは元に戻ること。無理しないよ
うに頑張れば良い」と考え、まずやってみること。
気楽な気持ちでやるとよい。
・ 自分たちの住んでいる農村環境、美しい集落を
維持していくという理念を強く持ち、努力をしてい
くこと。
たまねぎの作付田
法人化によるメリットを伺いました
法人の周りには耕作放棄地は一切ない。出てくれば法人が地主に相談して、法人が甘藷やそば
を作付ける。法人化によって農地の貸借や作業の委託が安心してできるようになり、貴重な地域
資源である農地が有効に利用・保全されている。
法人から機械を借りることにより、機械投資をしなくても農業ができる。また、離農する農家の農
地を法人が集約し、それを作りたい人に貸し出している。
年配でも農作業ができるうちはやってもらい、作業ができなくなった時や難しい作業は法人が引
き受けることにより、「生きがい農業」が実践でき、集落の活性化にも繋がる。
〔意見交換会開催日:平成24年11月21日〕
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