高屈折率・高透過率シリカエアロゲルの開発
科研費 特定領域研究:質量の起源 公募研究A03
研究課題:高屈折率・高透過率シリカエアロゲルの開発
課題番号:14046224
研究代表者;住吉 孝行 東京都立大学大学院理学研究科
(首都大学東京 都市教養学部 物理学コース)
研究分担者:横川 弘
松下電工(株)新事業企画室
高屈折率・高透過率シリカエアロゲルの開発
目的 : Belle 粒子識別装置のアップグレード ( Super KEKB )

e+

~4 GeV/c までの広い運動量領域

閾値型検出器(現在)  リングイメージ型
空間制約近接型 (ミラーを用いない)
3.5 GeV
e-
Θ(π) = 308 mrad
Θ(π)– Θ(K) = 23 mrad
8 GeV
Θσ(1光子) = 12 mrad
B(1.5 T )
@ P= 4 GeV/c
(8mx8mx8m)
屈折率 1.05
20 cm
Pixel ~ 5 mm
前方Endcap部に適用
検出光子 If 10個  5σ< K/π分離@ 4 GeV/c
ビームテスト(2001年度)の結果

結果


検出光電子数/ring :2.7個,
σΘ ~10 mrad
改善の方法

光電子数の改善

シリカエアロゲルの透過率の向上
KEK typical ~15 mm (n=1.05)
cf. Novosibirsk’s one ~48 mm


PMTの検出効率の改善
有効面積
1光電子分解能

6x6 Multi Anode PMT array
(R5900-M16)
シリカエアロゲルの透過率の向上

透過長の差による検出光電子数の差:1.5倍
d
d;シリカエアロゲルの厚さ
T  T0 exp( )
Λ:透過長

ノボシビルスク (48mm)
d
Transmission length (mm)
T  T0 e xp(
改善の余地あり
屈折率

2.8cm Novosibirsk
)
2 cm KEK
シリカエアロゲルとは
製造工程の見直し
千葉大石橋理恵さんの図
オリゴマー
加水分解・縮重合反応
疎水化
原材料と溶媒の検討の結果
DMFについての簡単な説明
CH3
H-C-N
∥
CH3
O
【DMFの正式名】
N,N‐ジメチルホルムアミド (化学式:C3H7NO)

特徴
:有機物質溶解性に優れ、水溶性も有する有機液体。
沸点が高く(153℃)、揮発性が低い。


工業用途:人工皮革またはウレタン系合成皮革および繊維、有機
合成用の溶媒。人体に有害。
一般的な用途:各種合成における重合触媒、ガス吸着剤などとして
利用される。
DMFの効能
【ゾルゲル反応及びシリカ合成分野での報告事項】
ゾルゲル法により作製したアルコゲルを、乾燥、焼結することで高純度なシリカガラを
作製する際の乾燥工程でのクラック発生を抑制するために、溶液中に添加される。
→乾燥制御剤(DCCA(Drying control chemical additive))と呼ばれ、沸点が高いこと、
表面張力が小さいこと、がクラック防止に効果があるとされています。
・上記ゾルゲル反応溶液にDMFを添加することで、加水分解・重合反応の進み方に
変化が見られ、結果的にゲル中に形成される細孔径が大きくなることが報告されて
います。
・松下電工での検討結果と考察
DMFを溶媒として作製したエアロゲルは、メタノールを用いた場合のものよりも比表
面積が小さいことが確認されている。これは、シリカの一次粒子径が小さくなってる
ことを示しており、透明性の向上に繋がっているものと推測できる。
DMFの溶媒効果(双極子モーメントまたはカルボニル基(C=O)のSiOHとの相互
作用?)により上記のように変化が現れると考えられる。
2002年のビームテストの結果(1)
2002年のビームテストの結果(2)

Event Display
2002年のビームテストの結果(3)

本研究によりシリカエアロゲル
の透過長が15mm→45mm
に改善され、光電子数が
1.5倍になった。
n=1.05
n~1.03
波長変換剤添付シリカエアロゲルの開発
チェレンコフ光のうち散乱や吸収が大きく、観測できない紫外光を
可視光に変換する波長変換剤をシリカエアロゲルに添付する。
青 蛍光スペクトル
紫 吸収スペクトル
PMP
PPO(DPO)
1-phenyl-3-mesityl-2-pyrazline
2,5-Diphenyloxazole
POPOP
1,4-Bis(5-phenyl-2-oxazolyl)benzene
吸収波長ピーク
295nm
305nm
360nm
発光波長ピーク
425nm
363nm
418nm
波長変換剤添付シリカエアロゲルの開発
 一応効果は少し見えているが(紫外光が吸収されている)、
可視光で光量が期待したほど増加していない。
 しかしこれからの展開を期待して特許申請中。
乞うご期待!!
PPO、POPOP
PMP
名古屋大学小酒井君の図
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