COSMOS/Wによる構造解析実践ノウハウ (60分)
1.当構造解析事務所、 HPのご紹介 (10分)
2.CAEを行うための基礎知識 (5分)
3.ソリッド要素を使った薄板構造解析 (25分)
3-1
3-2
3-3
3-4
長方形金属板の板曲げ解析
薄板金属構造物の解析
板金アセンブルの解析
カーボン積層板の板曲げ解析
4.プラスチック部品(ソリッド要素)の応力、疲労解析 (10分)
(材料非線形の取り扱い、S/N曲線)
5.防振ゴム(ソリッド要素)の固有振動解析 (5分)
(CD-ROMドライブ)
6.技術サポートのご案内、 質疑応答 (5分)
1.当構造解析事務所ご紹介
代表者 : 御子柴 泰洋
代表者経歴
事業内容 : 有限要素法による構造解析 技術支援
1986年 : 修士論文にて ”有限要素法による複合エンジンマウント解析”
1986年 : 日本IBM入社 CAD/CAM/CAE 開発部門勤務
I-DEAS、 CATIA 担当
1992年 : I-DEAS 担当SEとして長野県下のお客様サポート
2001年 : 当構造解析事務所開設
2002年 : 公的機関での構造解析講習会講師など
(長野県工科短大、長野高専地域テクノセンター、長野工業試験場)
長野県下のお客様への構造解析技術サポート
(構造解析基礎教育、ケーススタディ技術支援、CAE導入サポート)
構造解析ソフトのマニュアル翻訳 (CATIA)
所在地
TEL & FAX
E-Mail
HPアドレス
:
:
:
:
長野県伊那市狐島4371-2
0265-72-1170
[email protected]
http://www.kaiseki.net (カイセキ ドット ネット)
2. CAE(有限要素による構造解析)を行うために必要な知識
2-1 概要
応力解析、振動解析、座屈解析、疲労解析、熱解析 を行うにあたり、習得が必要なスキルは以下のものがあります。
解析実践ノウハウ
(物理現象のモデル化、解析結果の評価)
構造解析、3D-CADソフト操作
有限要素法基礎理論
弾性力学(応力解析)、
機械力学(振動解析)、
一般3次元理論
(ソリッド要素)
薄(厚)板理論
(シェル要素)
座屈理論、
梁理論
(ビーム要素)
熱力学
その他
・ 弾性力学(応力解析)、機械力学(振動解析)、座屈理論、熱力学は 従来の力学理論です。
・ 解析対象物の形状による制約を取り除くために、離散化の概念を取り入れて、汎用的にしたもの(どんな形状にも対応)
が有限要素基礎理論となります。
・ これら基礎理論をコード化し、ユーザーインターフェース機能を加えたものが構造解析ソフトとなります。
・ 解析実践ノウハウとは、物理現象をモデル化(解析の種類、解析範囲、要素の選定、境界条件、材料特性の
決定)や、 結果の評価(物理現象を正しくとらえているか、値は信頼できるか等の判断)といったユーザースキルです。
デザインCAEで取り扱われている要素は ソリッド と シェル
実際に応力解析、振動解析、座屈解析、熱解析などを行う際、 どの理論を適用するかは解析対象物の形状で判断を
行います。 一般的には適当ではない理論(要素)を適用すると正しい解析結果が得られなかったり、莫大な計算時間が
かかったりします。
・ ブロック型の形状
――> ソリッド要素 (一般3次元理論)
・ 平薄板、曲面薄板
ソリッドメッシュ
――> シェル要素 (薄板理論)
シェルメッシュ
2-1 ソリッド要素(一般3次元応力状態) : X、Y、Z 方向 並進3自由度
z
zx
xz
xy
zy
yx
yz
y
x
σ=Eε
τ=Gγ
2-2 シェル要素 : 板曲げ理論 (X、Y、Z 方向 並進3自由度、回転3自由度)
薄板理論(キルヒホッフ理論)
厚板理論(ミンドリン理論)
平面要素の集合としてのシェル
面内圧縮引っ張り
せん弾力
曲げモーメント
3.ソリッド要素を使った薄板構造解析
薄板物をあえてソリッド要素で解析 (メッシュが細かくなり解析時間が長くなる欠点あり)
1. 板金アセンブルモデルや積層板モデルへの適用。
板金アセンブル
の接合
シェル要素の場合、中立面上に2次元要素を作成するめ、接合面での処理が難しい。
2. 圧縮と引っ張りで材料特性(ヤング率)が異なる材料への対応可能。
ソリッド要素使用し、中立面で分けて異なる物性値適用。 接合はボンド結合。
3. デザインCAEソフトではシェルのアセンブル機能が限定される。
4. シェルの拘束条件は中立面のみ(オフセットが必要なケースあり)
板の曲げ
ソリッド要素(一般3次元理論)の薄板物への適用の問題点
3次元弾性応力状態にて、板の圧縮引っ張り、せん断、ねじり(せん断)に十分対応。
曲げ変形には疑問。 (通常は板厚方向に要素分割を行い圧縮、引っ張り応力で対応)
==> COSMOS/W でサポートされるソリッドの2次要素(P法)を使って問題をクリア。
(2次要素とは変位関数に2次関数を使い要素内での歪状態を1次関数で表現)
板厚方向にメッシュを
細かくすると要素数
が莫大に増える
一般3次元応力状態での変形表現
圧縮、引っ張り
z
zx
xz
xy
せん断
zy
yz
yx
x
y
中心軸周りねじり
σ
曲げ
実際の応力状態
形状関数
1次  応力、歪は要素内一定
2次  応力、歪は1次関数
3次(P法)  応力、歪は2次関数
σ
1次要素近似応力
σ
2次要素(P法)近似応力
3-1 長方形金属板の板曲げ解析
3-1-1 概要
中立面エッジを単純支持
ソリッド要素による変形状況
下エッジを単純支持
周辺を完全固定
シェル要素による変形状況
実験モデル
3-1-2 理論値と解析結果の比較
*1) 薄板構造力学(共立出社) P185参照 単純支持
*2) 側面中立線を選択し 固定(平行移動量なし) を定義 *3) 側面を選択し 固定(平行移動量なし) を定義 ソリッド要素 (単純支持) 周辺端の 下エッジ
x、y、z変位=0
たわみ量(mm) 境界条件 :周辺端 中立線 にX、Y、Z 変位=0 *2)
圧力(Mpa)
理論値*1)
1次要素
誤差率
2次要素
誤差率
0.1Mpa
2.698
0.351
-
2.722
0.89%
0.2Mpa
5.396
0.701
-
5.444
0.3Mpa
8.094
1.052
-
8.166
P法
誤差率
2次要素
2.726
1.04%
1.312
0.89%
5.447
0.95%
2.263
0.89%
8.17
0.94%
3.935
シェル要素 (単純支持) たわみ量(mm) 境界条件: 周辺端に X、Y、Z 変位=0 、X,Y,Z回転フリー*3)
圧力(Mpa)
理論値*1)
1次要素
誤差率
2次要素
誤差率
P法
誤差率
0.1Mpa
2.698
2.699
0.04%
2.732
1.26%
-
-
0.2Mpa
5.396
5.397
0.02%
5.465
1.28%
-
-
0.3Mpa
8.094
8.096
0.02%
8.197
1.27%
-
-
たわみ量
板厚方向に1分割のメッシュ使用
4辺すべて
単純支持
3-1-3 理論値と解析結果の比較
*1) 薄板構造力学(共立出社) P193参照 固定支持
*2) 周辺端面を選択し 固定(平行移動量なし) を定義 *3) 周辺端面を選択し 固定 を定義 たわみ量(mm) (固定支持) 圧力(Mpa)
理論値*1)
ソリッド要素 シェル要素 境界条件: 周辺端全面に
境界条件 : 周辺端に *3)
X、Y、Z 変位=0 *2)
X、Y、Z 並進、回転変位=0
2次要素
誤差率
2次要素
誤差率
0.1Mpa
0.745
0.741
-0.54%
0.752
0.94%
0.2Mpa
1.49
1.481
-0.60%
1.503
0.87%
0.3Mpa
2.235
2.222
-0.58%
2.255
0.89%
ソリッド : 固定面にX、Y、Z 並進変位=0を定義
たわみ量
4辺すべて
固定支持
シェル : 中立面に X、Y、Z 並進、回転 =0、を定義
3-2 薄板構造物の解析
たわみ量
たわみ量(mm) 圧力(Mpa)
ソリッド P法
ソリッド2次要素
誤差率
0.1Mpa
8.867
8.761
-1.20%
9.074
2.33%
9.017
1.69%
0.2Mpa
17.59
17.52
-0.40%
18.15
3.18%
18.03
2.50%
0.3Mpa
26.33
26.28
-0.19%
27.22
3.38%
27.05
2.73%
*1) スタディ作成時に中立面抽出シェル要素
*2) スタディ作成時に指定面によるシェル要素
シェル2次要素 *1) 誤差率 厚肉シェル2次要素 *2)
誤差率
3-3 板金のアセンブルモデル(ソリッド2次要素)の解析
変形状況
メッシュ/境界条件
応力分布
*) 接触面はボンド結合
3-4 カーボン積層版の曲げ解析
3-4-1 物理現象のモデル化(解析要件の決定)
荷重 :300N、380N、500N
積層板断面
上下板 : 炭素繊維強化プラスチック(CFRP) 厚さ1.5mm ヤング率 圧縮90.15GPa、引っ張り132.3GPa
中板 : フォーマック 厚さ 10mm ヤング率 圧縮91.12GPa、引っ張り53.38GPa
・ 使用要素 :
ソリッド + 接触面ボンド
(シェルでは難しい理由 : 板間の接触処理、 中板フォーマックの圧縮、引っ張り堅さの違いの処理)
・ 板厚方向の分割数の検討 ――> 2次要素、又はP法使用にて1分割(要素分割数をなるべく少なく)
・ 要素数(自由度)を減らすための工夫 ――> 対象性考慮にて長手方向に2分割(4分割はダメ)
・ 中板の圧縮/引っ張りのヤング率の違いの処理 ――> 中立面にて分割し別部材として定義
・ 境界条件指定 ――> 対象切断面、単純支持条件(フリー&固定)、剛体移動を防ぐための工夫
1/4 分割図
1/4 分割変形状況
1/4 分割 境界条件、たわみ図
1/2 分割図
単純支持 : 中立面をとめてはいけない。
4層構造での解析
1/2 分割 境界条件
荷重 : 150N、190N、250N
圧縮
引っ張り
1/2分割 モデル、 メッシュ & 境界条件
材料物性値
部材種類
炭素繊維強化プラ
フォーマック
引っ張り ヤング率
圧縮 ヤング率
ポアソン比
メーカー値
平均値
メーカー値
平均値
127.4 ~ 137.2
132.3 Gpa
86.8 ~ 93.5
90.15 Gpa
53.38MPa
91.12 MPa
0.32
0.35
3-4-2 解析結果/実験値
荷重(N)
たわみ(mm)
誤差率
実験値
解析結果
150
1.043
0.796
― 23.7%
190
1.289
1.009
― 21.7%
250
1.702
1.327
― 22.0%
たわみ量
*) 荷重は1/2モデルなので実験の半分
誤差の原因は?
τ
カーボン繊維は板の縦、横に入っている。(厚さ方向には弱い)
メーカ―公表ヤング率はカーボン繊維の引っ張り圧縮方向より測定されている。
本解析では等方性材料として解析しているため、曲げのせん断弾性係数Gは以下で与えられる。
G=E/2(1+u)
(uはポアソン比)
(参考 : τ=Gγ)
==> つまり解析上は板厚方向にも繊維が入っていると同じ強度があるとしているが、実際のGは、もっと小さい
と予測される。 つまり実験では解析結果より多くたわむ。
クリープ現象により計測中にたわみが増える?
解析結果より実際の現象は約20%多くたわむという補正が必要。
*) COSMOS/Wでは直交異方性材料のサポートあり。
板厚方向のせん断弾性係数、ヤング率(縦弾性係数)が分かれば入力可能
4.プラスチック部品(ソリッド要素)の応力、疲労解析 (材料非線形の取り扱い、S/N曲線)
4-1概要
アセンブル解析応力図
傾きがヤング率
解析のポイント
強い非線形性の取り扱い
つめに強制変位を与え集中ひずみを
求めればグラフより応力が分かる。
材料物性値
σ=Eε より
50MPa=E*0.02、 E=2.5GPa
ポアソン比 : 0.35
4-2 解析手順
① 荒いメッシュにてシュリンク接触解析 ==> 接触面にて0.80mm内側へ変位。
② 単体にて0.80mmの強制変位を定義し解析。
(強制変位には、回転運動を妨げない様にリモート荷重/変位(剛結合)を使用。
⊿L
ε=⊿L/Lより
ひずみはヤング率の影響を受けない。
*) シュリンク接触解析でメッシュを細かくすると時間が莫大かかる。
このケースでは3時間以上
荒いメッシュ
L
アセンブル解析変位図
0.8mmの強制変位
リモート荷重
-0.8mmの
強制変位
4-3 解析結果と評価
解析結果
変位
集中要素主ひずみ
集中要素主応力
解析の主ひずみに対する
非線形グラフからの応力
0.8mm
1.77%
51.2MPa
36MPa
1.2mm
2.66%
76.9MPa
44MPa
1.6mm
3.55%
103.0MPa
49MPa
100
90
80
70
要素主ひずみ図
引っ張りひずみの評価
3.55%
1.77% 2.66%
*)圧縮は応力曲線が変わるのでつめの
内側の圧縮応力に関しては別途解析必要。
4-4 疲労破壊の検討
プラスチック材料での集中応力値が分かればS/N曲線より疲労破壊の回数の予測が可能。
== > 設計寿命の検討、 損傷度の確認 など
*)プラスチックは疲労強度も引っ張りと圧縮と特性が異なるので注意。
(MPa)
(引っ張り疲労試験)
5.防振ゴム(ソリッド要素)の固有振動解析 (CD-ROMドライブ)
5-1 モデル&メッシュ分割
防振ゴム断面
圧縮、引っ張り
応力状態
振動発生源
金属部は荒く、
変形の大きいゴム部を細かく
5-2 境界条件、 仮定
上下フラット面 : 固定
シャーシ接触面 : ボンド結合
内側円筒面 : 半径方向固定、円周フリー
軸方向フリー
A
・ 振動発生源はCD-ROMのアンバランス (モーターの回転数は 0 ~ 10000 回転)
・ 材料物性値は各部品ごとの値を入力。 シャーシは鉄、 ピッカ-部はアルミ、ダンパにはゴム。
・ ゴムの非線形性は無視。
・ ゴムの局面 A とシャーシの接触定義(干渉不可)ができない。 解析上は干渉を許す。
・ 実際にはボルトによりゴムの上下フラット面を締め付け。 2-3mm程度の強制変位あり。
より正確な解析には圧縮状態での固有値解析が必要。 COSMOS/Wには機能あり。
5-3 解析結果
1次 52.7 Hz (3162 rpm)
3次 79.8 Hz (4788 rpm)
2次 75.2 Hz (4512 rpm)
4次 154.7 Hz (9282 rpm)
実験では1次モードのみ確認
センサーによる測定では約50 Hz
5次 168.5 Hz (10110 rpm)
6.技術サポートのご案内
1. ケーススタディでの技術支援
COSMOS/Wを使用して解析を行っているが、現象のモデル化、解析手順(境界条件の設定、
使用要素の決定、アセンブル解析の接触要素の使い方など)に不安があり、解析結果に不安がある。
解析結果の評価のやり方、設計への生かし方がよくわからない。
===≫
当解析事務所のケーススタディ解析支援をご利用ください。
お客様と共に実務解析を行い、理論、手順の確認、結果の評価、実践ノウハウをご提供いたします。
遠方のお客様へは、 FTP,HPからのダウンロード、メール、FAX,TEL、リモートコントロールなど
にてサポートいたします。
2. 構造解析教育ご支援
有限要素法による構造解析自体を根本的に勉強し直したい。
===≫
当解析事務所の構造解析教育支援プログラムをご利用ください。
(HP上の “教育/コンサルタント” メニューをご覧ください。)
わかりやすくまとめたテキストもご用意いたしております。
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