REACH規則の解説セミナー
~REACH規則の基礎~
(お願い)
本資料は、平成19年度経済産業省委託事業 「欧州の新たな化学品規制の中小製造業に及ぼす影響調査」 事業で
実施したアンケート調査の際に用いた説明資料です。本事業以外でこの資料をご活用される場合は、利用者ご自信の
責任でご利用くださいますようお願い致します。
(社)産業環境管理協会
目次
1.REACH規則の特徴と関連文書
2.REACH規則の概要と全体像
3.REACH規則に係る諸手続き
- 登録について
- 認可について
- 制限について
- 情報伝達・情報提供について
- 成形品中の物質の届出について
4.参考資料 化学品管理に関する3極の法規
制
2
■1.REACH規則の特徴と関連文書
REACH規則の法律的な位置づけ
• REACH規則は、EU加盟国すべてに適用され、
各国の法律と同等に扱われる。
– 規則(Regulation):すべての加盟国にそのまま適用さ
れる。
– 指令(Directive):加盟国を拘束するものであるが、
方式・手段については加盟国に委ねられる。
– 決定(Decision):その対象となるものに対して、特
定の義務を課すもの。
– 勧告(Recommendation):欧州委員会が表明するもの
で、法的な拘束力はない。
– 意見(Opinion):特定のテーマについて欧州委員会が
意見を表明したもので、法的な拘束力はない。
3
REACH規則の概要
• 欧州の化学物質管理規則で2007年6月に発効と
なった規則
• 化学物質の登録,評価,認可,制限を統合し
た新たな化学物質管理規則
– 欧州化学品庁に必要な情報を提出する(登録)
– 当局の評価と要求に応じ追加情報を提出する(評価)
– 付属書ⅩⅣ収載物質の用途ごとに認可を受ける(認
可)
– 許容できないリスクのある物質の製造、使用、上市
の制限がある(制限)
4
REACH規則の特徴
• 安全性評価の義務を規制当局から産業界に移
管
• 既存化学物質と新規化学物質を一律に規制
• 特定の条件に合致する場合、成形品中の化学
物質も規制
• サプライチェーンにおける情報伝達を要求
• 化学物質を直接EUに輸出している国内の製造
メーカーだけでなく、成形品をEUに輸出して
いる成形品メーカーもREACH規則の影響を受
ける
5
REACH条文と関連資料
• 条文(141条文)
• 付属書(17文書):条文の補足文書
– 必要となる安全性試験等を規定(付属書Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,
Ⅹ)
– 登録の(除外)免除を定めた規定(付属書Ⅳおよび
V)
– 認可対象物質を規定(付属書ⅩⅣ) ←公表されていな
い
• RIP(REACH Implementation Project):運用する
上での(マニュアル)ガイダンス作成プロ
ジェクト
• ガイダンス文書:RIPを整理したもの
6
RIP一覧
RIP
タイトル
公開日
RIP1:REACHプロセスの記述
REACHプロセスの詳細記述
-
RIP2:REACH-IT
REACH支援ITシステムの開発
-
RIP3:技術指針書
(TGD):産業用
RIP3.1:登録技術文書の作成指針書*
RIP3.2:化学物質安全報告書(CSR)の技術指針書
RIP3.3:物質固有性状要件の技術指針書
RIP3.4:データ共有(予備登録)の指針書*
RIP3.5:川下ユーザーの指針書
RIP3.6:GHSの分類・表示の指針
RIP3.7:認可申請書作成の指針
RIP3.8:成形品中物質の要件についての指針書
RIP3.9:社会経済分析(SEA)実施の技術指針書
RIP3.10:物質の特定と命名についての技術指針書*
RIP4:技術指針書
(TGD):行政用
RIP4.1,4.2:文書評価の指針書
RIP4.4:付属書ⅩⅣ ドシエ
RIP5:暫定所管官庁の設置
REACH施行までに暫定所管官庁の設置
-
RIP6:所管官庁の設置
REACH施行後18ヶ月以内に化学品庁(ECA)の創立
-
RIP7:REACHのためのEC準備
REACH施行のEC体制の確保
-
2007/6
2006/9 ドラフト
2007/6 ドラフト
2007/9
2007/9 ドラフト
-
-
2006/5 ドラフト
2006/3 ドラフト
2007.6
2006/6一部
7
ガイダンス文書
ガイダンス名称
公開時期
登録
公開済み(2007年6月)
中間体
公開済み(2007年6月)
モノマーとポリマー
公開済み(2007年6月)
科学的な研究開発(SR&D)と研究・開発中の
製品・プロセス(PPORD)
公開済み(2007年6月)
物質の同定
公開済み(2007年6月)
予備登録
公開済み(2007年9月)
データ共有(SIEF)
公開済み(2007年9月)
成形品中の物質への要求項目
2007年末公開予定
認可申請
2007年末公開予定
CSR(化学品安全性報告書)の作成
分類と表示
2008年始め公開予定
2008年末公開予定
8
■2.REACH規則の概要と全体像
REACH規則の概要
• REACH規則は、以下の4つの手続きにより構成されてい
る。
– 「登録(Registration)」
• 年間1t以上 (事業者毎)の製造・輸入の化学物質
• 製造・輸入数量とリスクに応じた情報の提出を要求
– 「評価(Evaluation)」
• 当局が登録内容を評価し、必要に応じ情報提供を要求
– 「認可(Authorisation)」
• 認可対象候補物質(高懸念物質)のうち認可対象物質は、
原則上市禁止とし、用途ごとに製造・輸入,使用を許可制
• 対象となる物質は、CMR,PBT,vPvB,内分泌撹乱化学物質
等
– 「制限(Restriction)」
• ヒトや環境に悪影響を及ぼすリスクがある場合、製造・輸
9
入,使用について制限
登録(Registration)の概要
• 年間1t以上 (事業者毎)の製造・輸入の化
学物質
• 製造・輸入数量とリスクに応じた情報の提出を
要求
• 既存化学物質(段階的登録)
– 予備登録をすれば、製造・輸入数量とリスクに応じた
猶予期間が付与
• 新規化学物質
– 事業者は登録後3週間で輸入・製造可
10
予備登録、SIEFの概要
• 予備登録
– 段階的登録を行うためには予備登録が必要
– 予備登録期間:2008年6月1日~12月1日
• 登録期限
– 2010年12月1日
・年間1t以上製造・輸入の
CMRカテゴリー1,
2物質
・年間100t以上製造・輸入の水生生
物影響
物質
・年間1000t以上の物質
– 2013年 6月1日
・年間100~1000tの物
質
– 2018年 6月1日
・年間1~100tの物質
• SIEF(Substance Information Exchange Forum)
– 予備登録した事業者はSIEFの参加
– 動物実験、リソースの無駄遣いを回避
– SIEF内でデータ等の共有化
11
評価(Evaluation)の概要
• 規制当局が登録書類・情報を評価
• 必要に応じて、追加情報を要求
認可(Authorisation)の概要
• 認可対象物質は、「登録」手続きとは別に「認可」
手続きが必要、認可されないとEU域内での製造・
輸入はできない
– 認可対象物質は、付属書ⅩⅣに記載される
• 2009年6月までには公表予定
12
制限(Restriction)の概要
• 制限対象物質は、制限条件を遵守しない限り
製造や上市禁止、あるいは、ある用途での使
用禁止
– 制限対象物質は、付属書ⅩⅦに記載
– 制限対象物質は、製造・輸入数量によらず、年間1
t未満であっても対象
13
サプライチェーン上の情報伝達の概要
• 化学物質、調剤の場合
– 化学物質、調剤の供給者は、受給者に当該物質の情
報を伝達
– 安全性データシート(SDS)を紙面または電子媒体
で無償提供
• 成形品の場合
– 0.1重量比(wt%)を超える認可対象候補物質は、成形
品の受給者に、安全に使用ができる十分な情報を提
供
– 消費者からの要求により、成形品の供給者は、安全
に使用ができる十分な情報を45日以内に提供
14
サプライチェーン上の情報伝達
• サプライチェーン全体に影響する
川上
<伝達情報>
用途情報、ハザード情報
原材料メーカー
流通業者
加工メーカー
登録の可能性
安全性データシート、登録情報の提供
登録、届出の可能性
危険物質の含有情報の提供
セットメーカー
登録、届出の可能性
川下
要求があった場合、情報を提供
消費者
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成形品中物質における責務の概要
• 登録が必要な場合(7条1項)
– 意図的放出が年間1t以上の物質
• 届出が必要な場合(7条2項)
– 年間1tを超え、かつ0.1重量比(wt%)を超える認可対象
候補物質
– 暴露の可能性を排除できる場合には適用除外
• 情報伝達が必要な場合(33条)
– 0.1重量比(wt%)を超える認可対象候補物質は、成形品の
受給者に、安全に使用ができる十分な情報を提供
– 消費者からの要求により、成形品の供給者は、安全に使
用ができる十分な情報を45日以内に提供
16
REACH規則における責務と期限
責務内容
登録
(成形品の意
図的放出物質
は登録の義務
がある)
2008年
2009年
2010年
2011年
・・・ 2013年
・・・ 2018年
既存化学物質(予備登録をすることで登録期間が猶予される)
6月
登録:1000t/年以上
予
備
登録:100t/年以上
登
録
登録:1t/年以上
新規化学物質
登録:1t/年以上(現行の新規化学物質登録制度を準用)
情報伝達・
開示
製品・部品中に含有する0.1%以上の認可対象候補物質
届出
6月
製品・部品中に含有する0.1%以上
かつ1t/年以上の認可対象候補物質
■予備登録対象化学物質
既存化学物質
登録不要
1t未満/年
約7万種類
新規化学物質
登録対象
1t以上/年
登録対象
1t以上/年
約3万種類
17
REACH規則の対象(1)
• 登録および届出等の申請者
– EU域内の物質・調剤もしくは成形品の製造業者
– EU域内の物質・調剤もしくは成形品の輸入業者
– EU域外企業が指定する「唯一の代理人(Only Representative)」
• EU域内の輸入業者が登録等の申請をしない場合や輸入業者
へ例えば調剤の物質の構成等の情報を明かしたくない場合
• REACHにおける物質等の定義
–
–
–
–
–
化学物質(Substance)
調剤(Preparation)
成形品(Article)
ポリマー(Polymer)
中間体(Intermediate)
18
REACH規則の対象(2)
• REACHにおける物質等の定義
– 化学物質(Substance)
• 化学物質単品、原材料としての化学物質のこと
「自然状態又は製造プロセスによって得られる化学的要素及びそ
の化合物のことであり、その安定性を確保するために必要な添
加剤及び使用されるプロセスに由来する不純物を含むが、その
物質の安定性に影響を与えずに又はその組成を変えずに分離
される溶剤は含まない(第3条1項)」
– 調剤(Preparation)
• 「2物質以上からなる混合物または溶液のこと(第3条2項)」
– 成形品(Article)
• 特定の形状、デザインを与えられた物体のこと
「製造中にその機能を決定する特定の形状、表面、デザインが、
その化学物質合成物よりもはるかに大きな程度で与えられた物
体(第3条3項)」
19
REACH規則の対象(3)
• REACHにおける物質等の定義
– ポリマー(Polymer)
• 「1つ以上のモノマー単位の連続により特徴付けられ、分子量の
差が主としてモノマー単位の数の差に起因し、ある範囲の分子
量の分布がある。
– (a)少なくとも他の一つのモノマー単位または他の反応成分と共有結合
している、少なくとも3つのモノマー単位を含有する分子が、単純重量の
半分以上を占める分子
– (b)同じ分子量の分子が、単純重量の半分未満である。
– 中間体(Intermediate)
• 他の物質に変わるための化学的処理のために製造され、その
処理において消費又は使用される物質のこと
20
REACH規則の対象(4)
• REACHにおける物質等の定義
– 成形品の意図的放出
• 成形品の最終的な使用機能のために放出が不可欠である、
あるいは逆に、当該物質の放出なしでは成形品が十分に機
能しない場合
– 例 :フェルトペンからのインクの放出、ガラス用化学雑巾の洗剤の
放出
• 放出が成形品の品質又は副次的機能の向上に寄与する場
合、言い換えると放出が成形品の最終機能に直結しない付
加価値に寄与する場合
– 例:匂いつき消しゴムからの匂いの放出
21
(参考事例1) ポリエチレン製包装材
物質/調剤と成形品
の境界(RIP3.8報告書
天然素材
原油
案より)
精製
物質
エチレン
重合、添加剤添加
調剤
ポリエチレン ペレット
フィルム成形
成形品
ポリエチレン フィルム
裁断、接着
ポリエチレン包装材
22
(参考事例2) ウール繊維製品
物質
物質/調剤と成
形品の境界
羊
天然素材
(RIP3.8報告書案よ
り)
刈り取り、洗浄
洗浄羊毛
紡糸、染色
成形品
毛糸
機織
織物
裁断、縫製
ウールのジャケット
23
(参考事例3) 紙
天然素材
木
破砕
物質/調剤と成形
品の境界(RIP3.8報告
書案より)
木片
蒸解
物質
(登録対象外)
バージンパルプ
サイズ剤、糊などの添加
調剤
ストック(パルプを水に溶かしたもの)
成形品
抄紙機、巻き取り
板紙(ライナー)
コーティング
コート処理された板紙(ライナー)
型押し成形、折りたたみ、プリント
紙製品
24
(参考事例4) アルミニウム製品
物質/調剤と成形
品の境界(RIP3.8報
鉱石(ボーキサイト)
天然原材料
抽出
物質
告書案より)
アルミナAl2O3
電解
アルミニウム鋳造物
合金組成の添加
調剤
アルミニウム合金鋳造物
鋳塊への鋳造
形状への連続的鋳造
成形品
押出鋳造体
圧延体
アルミニウム合金
鋳造片
圧延
シート
(巻回体)
押出
切断、更なる加工
最終切断
成形品
形状加工 最終アルミ
最終アルミ
ニウム製品
成形品
研磨、穴あ
け、表面加
工…
最終アルミニウム製品
ニウム製品
25
■3. REACH規則に係る諸手続き
登録について
• 登録とは、
– 年間1t以上EU域内で製造あるいは輸入する物質、
調剤の構成物質、及び一定条件を満たす成形品中の
物質(意図的放出物質)は登録が必要
– 登録情報は、物質名,物理化学性状,有害性などを、
一定の書式に従って報告
• 登録対象外の物質
– 放射性物質,非分離中間体,廃棄物,防衛物質,医
薬品,食品添加物,ポリマー自身など
26
登録の対応(1)
•
製品区分
登録すべきものを確認する
(1)貴社の製品分類
表の「製品例」を参考にして、「定義」に従って貴社がどの「製品
区分」に該当するか確認する。
(2) 登録の要否の確認
-「登録が必要となる基準」より対象となる製品が登録の対象とな
るか確認する。
定義
製品例
登録が必要となる基準
登録物質の例
物質
何らかの製造プロセスを経
て得られた化合物
メタノール、ベン
ゼン
年間1t以上の物質それ自身
その物質自身
調剤
2物質以上からなる混合物、
溶液
塗料、インク
年間1t以上の調剤を構成する物
質
塗料の構成成分
ポリマー
一種以上のモノマー単位の
連続分子からなる物質
-
ポリマー中に2重量比(wt%)以上
組み込まれ、年間1t以上となる構
成モノマー
アクリロニトリル(モノ
マー)
成形品
特定の形状、デザインを与
えられた物体
フェルトペン、匂
いつき消しゴム
その成形品からの放出が意図さ
れる物質で、年間1t以上の物質
但し、既にその用途のために登録
されている物質には適用されない。
(フェルトペン中のインク、
カートリッジ内のインク部
分)匂いつき消しゴムの
匂い成分
27
登録の対応(2)
• 登録手続きを開始する
(1)登録申請者の決定
– 輸入業者に登録を依頼する。
– 唯一の代理人(OR)を決定し登録を依頼する。
• 輸入業者が登録しない場合あるいは輸入業者に調剤等の物質構成
等の情報を明かしたくない場合、貴社が唯一の代理人を選任し登
録業務を依頼する。
(2)予備登録を行う
– 予備登録は、2008年6月1日~12月1日までに行う。予備登
録の情報は、
•
•
•
•
物質名称
唯一の代理人の名称、所在地、担当者
製造・輸入量のトン数帯
関連物質の名称などの情報
28
登録の対応(3)
(3)登録期限を確認する
– 予備登録後2009年1月1日までに公表される予備登録物質リス
トに基づいて物質情報交換フォーラム(SIEF)が形成され、
登録が開始される。
– 年間輸入量に応じて登録期限があるので確認が必要である。
– いくつかの事業者がデータ共有、機密性などを目的として任
意にコンソーシアムを設立することも可能である。
29
登録の対応(4)
(4)登録に必要な書類を準備する
– 登録には下記の文書①,②の提出が必須となる。
– 輸入量が年間10t以上の場合は、さらに必要な文
書③が追加される。
<必要となる文書(情報)>
①第10条に示される技術一式文書の項目
②第12条に示される技術一式文書の項目
③化学品安全性報告書(第14条)
30
登録の対応(5)
①第10条に示される技術一式文書(Technical Dossier)の項目
10条(a)に以下の申請項目が記載、詳細は付属書VI (参考
資料参照)
1. 製造/輸入業者の一般登録情報
2. 物質の名称などの識別情報
3. 物質の製造と全ての特定された使用の情報、曝露カテゴリも記載可
4. 分類と表示
5. 安全使用ガイダンス (SDS記載事項)
6. 付属書 VIIからXIの適用によって得られる結論 (Study summary)
7. 付属書 Iに基づき要求される場合、付属書 VIIからXIを適用した評
価結果
の概要 (Robust study summary)
8. どの情報が製造業者または輸入業者によって選ばれた適切な経験を
有する評価者 (assessor) によってレビューされたかの表示
9. 付属書IXからXの適用によって要求される場合、試験実施の提案
10. 1~10トンの物質についての曝露情報
11. インターネットでの公開拒否を要求する情報、及びその理由
31
登録の対応(6)
②第12条に示される技術一式文書の項目
製造/輸入量に応じた物理化学的性状,ヒト健康への有害性及び環境
影響情報(第12条)
「製造/輸入量に応じた物理化学的情報、有害性情報、
生態毒性情報」が最低限必要。
• その他の情報も入手可能であれば提出する。
• 「製造/輸入量に応じた情報」の区分と記載付属書
製造・輸入量
1~
10トン/年
記載付属書
付属書Ⅶ
10~ 100トン/年
付属書Ⅶ、Ⅷ
100~1,000トン/年
付属書Ⅶ、Ⅷ、Ⅸ
1,000トン/年以上
付属書Ⅶ、Ⅷ、Ⅸ、Ⅹ
・ 付属書Ⅸ、Ⅹは、登録時点で情報あれば提出する。
無い場合は、試験計画を提出し、EU化学品庁で試験実施の必要性
を判断する。
32
登録の対応(7)
②第12条に示される技術一式文書の項目
製造/輸入量に応じた物理化学的性状,ヒト健康への有害性及び環境影響
情報(第12条)
要求される試験項目
製造/輸入量 (トン/年)
1~10
1~10
10~
懸念物質、
100
100~1,000
1,000 以上
新規
付属書
Ⅶ
Ⅶ、Ⅷ
Ⅶ、Ⅷ、Ⅸ Ⅶ、Ⅷ、Ⅸ、Ⅹ
1.物理化学的性状
物質の状態、融点・凝固点、沸点、比重、蒸気圧、表面張力、水溶解度、分配
係数、引火点、可燃性、爆発性、自然発火温度、酸化性、粒度分布
○
○
○
溶剤中安定性、解離定数、粘性
○
○
○
○
2.ヒト健康への有害性
皮膚刺激性、眼刺激性、皮膚感作性
○
○
○
○
変異原性
○
○
○
○
急性毒性
○
○
○
○
反復投与毒性
○
○
○
生殖発生毒性
○
○
○
トキシコキネティクス
○
○
○
発がん性
○
3.生態毒性
水生生物毒性試験
○
○
○
○
生物的分解性
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
加水分解性
分解生成物の特定
環境中運命及び挙動
陸生生物毒性試験
○
鳥類毒性試験
4.検出及び分析法
○
○
○
33
登録の対応(8)
③化学品安全性報告書(CSR)
パート
A
パート
B
1. リスク管理手法の要約
2. リスク管理手法が実施されていることの宣言
3. リスク管理手法が通知されていることの宣言
1. 物質の特定及び物理化学的性質
2. 製造と用途
製造、特定された用途、推奨しない用途
3. 分類及び表示
4. 環境中運命に関する性質
分解性、環境分布、生物蓄積性、二次毒性
5. ヒト健康への有害性評価
→ 「影響が生じない曝露量(DNEL)」を求める
6. 物理化学的性状の危険性評価
7. 環境中生物への有害性評価
→ 「影響を与えない濃度(PNEC)」を求める
8. PBT、vPvBの評価
9. 曝露評価
危険物質、あるいは
10. リスク評価
PBT,vPvBの場合に実施
化学品安全性評価
34
登録の対応(9)
(5)物質情報交換フォーラム(SIEF)に参加
– REACHでは、動物試験の重複回避、リソースの無駄遣
いを避けるため、動物試験に関するデータについて共有
化
– 必要な試験について企業間で試験費用を負担することを
奨励
– 予備登録したすべての潜在的登録者や情報提供者が参加
– SIEFでの活動内容
• 必要な情報の入手(コストは負担)
• 保有情報の提供(脊椎動物試験結果は必須。その他は任
意)
– 技術一式文書中の次に示す情報に関しては、共同で提出
• 有害性の分類と表示、調査要約書(Study summary) 、ロバス
ト調査要約書(Robust study summary)
35
登録の対応(10)
B
C
・
各
社
が
持
っ
て
い
る
情
報
を
提
供
・各社が持っている情報を提供
A
・各社が欲しい情報を伝達
予
備
登
録
し
た
企
業
・
各
社
が
欲
し
い
情
報
を
伝
達
SIEF(物質毎)
A
B
動物試験の情報共有
費用分担の決定
C
代
表
者
が
概
要
を
登
録
代表者が概要を登
録
その他項目を
各企業が登録する
ECHA
36
認可について
• 認可とは、
– 付属書ⅩⅣに記載されている物質(認可対象物質)
は、「登録」手続きとは別に「認可」の手続きをと
り、認可されないとEUでの製造、輸入は出来ない。
– REACH規則が施行された2007年6月1日時点では付
属書ⅩⅣには何も記載がない(認可対象物質が示さ
れていない)が、2009年6月までには公表される予
定。
37
認可の基準
•
下記①と②が共に満たされること。
①使用が適切に管理されること
②下記(i)~(iv)に当てはまる場合は、社会・経済的
便益がリスクを凌駕し、かつ代替物質・代替技
術がないこと
(i)
発癌性物質、変異原性物質、生殖・発生毒性物質
のうち一定程度以上の懸念があるもの
(ii) 難分解性、生物蓄積性、毒性を有する物質
(PBT)
(iii) 極難分解性、高生物蓄積性を有する物質
(vPvB)
(iv) PBTまたはvPvBと同等のレベルの懸念がある物
質
38
認可の対応
• 認可対象物質をEU域内で製造または輸入したい場
合は、下記の情報や書類をECHAに提出する必要
がある。
(a)その物質の名称、CAS番号、構造式、分子量など
の、 物質を特定する情報
(b)申請者名および連絡先
(c)認可の要請文
(d)化学品安全性報告書
(e)適切な代替物がある場合、代替計画
(f)適切な代替物がない場合、代替物の研究開発活動
に関する情報
39
制限について
• 制限とは、
– 付属書ⅩⅦに記載されている物質(制限物質)の製造や上市の禁止、あるい
は、ある用途での使用の禁止。
• 制限物質の使用
– 制限物質に関してはトン数制限(「登録」において詳述)がなく、EU
への輸入量が1トン/年未満であっても対象となる。
– したがって制限物質とは、「使用禁止物質」あるいは「特定用途での
使用禁止物質」と理解しておくと間違いない。
• 制限物質の輸入
– 制限物質や制限物質を含む製品をEUへ輸入する際には、制限条件(付
属書ⅩⅦ中に記載)を侵していないかどうかを確認する必要がある。
– 制限条件に触れる場合には輸入を行ってはならない。
40
制限物質の例
物質の名称
制限条件(抜粋)
アスベスト繊維(クロシドライト、アモサイ
ト、クリソタイル、等)
これらの繊維および意図的に加えられたこれらの繊維を含有する
アーティクルの上市と使用は禁止されます。
ベンゼン
遊離状態でのベンゼンの濃度が、玩具または玩具の部品の重量中
で5mg/kgを超える場合には、上市される玩具および玩具の部品にお
いて許可されません。
トルエン
一般公衆に販売されることを意図する接着剤またはスプレー塗料中
に、物質として、また0.1重量比(wt%)以上の濃度で調整の成分として
上市または使用が制限されます。
トリクロロベンゼン
物質として、また0.1重量比(wt%)以上の濃度で調剤の成分として、全
ての使用に対して上市または使用が制限されます。
41
情報伝達・情報提供について(1)
• 情報伝達・情報提供とは、
– 物質、調剤、成形品の各々の供給者により、物質に関係す
る情報を受領者あるいは消費者に伝達。
<物質または調剤の供給者の場合>
– 下表に従って対応。
要件
物
質
/
調
剤
提供する情報
・危険物質(67/548/EEC、
1999/45/EC)
・PBT、vPvB
・認可対象候補物質リストに収載
SDS(安全性データシート)
上記物質以外
登録番号、認可関連情報、制限関連情報、
リスク管理措置関連情報
42
情報伝達・情報提供について(2)
• 安全性データシート(Safety Data Sheet:SDS)
1.化学物質等および会社情報
2.危険有害性の要約
3.組成、成分情報
4.応急措置
5.火災時の措置
6.漏出時の措置
7.取扱いおよび保管上の注意
8.曝露防止および保護措置
9.物理的および化学的性質
10.安定性および反応性
11.有害性情報
12.環境影響情報
13.廃棄上の注意
14.輸送上の注意
15.適用法令
16.そのほかの情報
43
情報伝達・情報提供について(3)
<成形品の供給者の場合>
・ 川下ユーザーへの情報伝達義務
– 認可対象候補物質を0.1重量比(wt%)を超えて含有する成
形品の供給者は、成形品の安全な使用のための十分な情
報(少なくとも物質の名称)を提供。
・ 消費者への情報伝達義務
– 消費者から安全に成形品を使用するのに必要な情報提供
の要求があった場合、45日以内に提供。
44
成形品中の物質の届出について
• 成形品中の物質の届出とは、
– 成形品をEU域内に輸入する場合、次の条件を満たす場合
に、成形品中の物質の届出が必要。
• 届出が必要なケース
(a) 成形品中に認可対象候補物質が0.1重量比(wt%)を超えて含まれる
(b) 成形品中の(a)の物質が年間1t以上になる
但し、既にその用途のために登録されている物質には適用されない。
• 届出をする場合
‐ 下記情報をECHAに届出
①届出をする会社の情報(名称、連絡先等)
②物質に関する情報(名称、分類等)
③成形品の使用目的
45
■4.参考資料 REACHの責務内容 (まとめ)
◎登録・届出
製造・
輸入量
成形品中の物質
ハザード
評価
リスク
評価
既存化学
物質※の
登録期限
意図放出
物質
リスト物質
:重量比
0.1%超
~
1t/y
不要
不要
-
登録不要
届出不要
1~
10t/y
必要
不要
11年
登録必要
届出必要
10~
100t/y
必要
必要
11年
登録必要
届出必要
100~
1000t/y
必要
必要
6年
登録必要
届出必要
1000t/y~
必要
必要
3.5年
登録必要
届出必要
◎認可
◎制限
認可対象
物質につ
いて原則
上市禁止、
用途毎
認可制
ヒト、環境
に容認しが
たいリスク
がある場合、
上市・使用
を制限
※欧州の既存化学物質リスト(EINECS等)の収載物質。但し、全て運用開始から18ヶ月以内に予備登録が必要
46
■4.参考資料 化学品管理に関する3極の法規制 比較その特色(1)
日本
米国
TSCA
EU 現在
67/548/EEC
REACH
化審法
安全衛生法
法の目的
難分解性で継続的
に摂取される場合
には、人の健康を
損なう恐れがある
化学物質による
環境汚染を防止
するため化学物質
の製造、輸入等
について規制する
職場において
有害な化学物
質による労働
者の健康障害
防止
健康、環境を損
なう不当なリスク
をもたらす化学
物質および混合
物の影響を規制
することにより人
の健康または環
境への不当な影
響を防止する
上市される物質の
届出、届出物質の
情報交換、リスク
アセスメント、危険
な物質の分類・包
装・表示に関して
加盟国間の法律を
近似させる
競争力および確信を
高揚させつつ人の健
康および環境の高レ
ベルの保護ならびに
物質の共同体市場で
の自由な流通を確実
にする。
届出、登
録の対象
新規物質の届出
新規物質の
届出
新規物質の
届出(PMN)
新規物質の
届出
新規、既存物質の
登録、認可
規制の具
体的内容
新規・既存物質
製造・輸入の実質
禁止、制限、
管理(監視)等
変異原性物質
の製造・輸入・
使用制限
製造・輸入
の禁止、管理
新規物質の情報
要求、用途制限
(SNUR)等
新規物質の包装、
表示決定
他の指令
76/789/EECで使用
制限
製造、輸入の禁止、制
限、認可
47
化学品管理に関する3極の法規則 比較その特色(2)
米国
TSCA
EU 現在
67/548/EEC
REACH
化審法
労働安全衛
生法
法の特徴
環境(生分解
・生物蓄積
性)を経由し
て人の健康に
与える影響を
評価
変異原性物
質、発がん
性物質の評
価、規制
毒性物質の人
の健康影響と環
境への影響を評
価
物質の安全性、
生態影響評価
に基づいて包
装、表示内容
を決定する有
害性情報取得
・新規のみならず既
存物質も対象
・申請者に安全性
の立証責任
・DSU、流通業者等
すべての物質のビ
ジネスに関連する者
が法的義務を有す
る
対象者
基本的に
製造・輸入者
製造・輸入
者
基本的に製造・
輸入者
基本的に製
造・輸入者
物質の製造・輸入
者、流通業者・製品
製造者(DSU)
届出・登
録対象
製造・輸入
届出
1トン/年/国
以上
製造・輸入
届出
100kg/年/社
以上
PMN
1トン/年/製造・
輸入者以上
1トン/年/製造・
輸入者以上
1トン/年/製造・輸入
者以上
48
化学品管理に関する3極の法規制 比較その特色(3)
日本
米国
TSCA
EU 現在
67/548/EEC
REACH
化審法
労働安全衛
生法
評価にお
いて要求
される項
目等
生分解試験、
濃縮性、スク
リーニング毒性
試験、生態
影響評価試
験
復帰変異原
性試験陽性
の場合追加
試験要求あ
り(染色体
異常試験
等)
基本的に要求さ
れる試験項目
はないが所持し
ている毒性情報
はすべて
(QSAR等利用)
Tonnageごとに
Tonnageごとに要
要求項目が追
求項目が追加さ
加される 急性 れる 急性毒性、
毒性、慢性毒性、 慢性毒性、生態
生態影響等
影響等
リスクアセスメントに関
する情報
新規物
質の取り
扱い
既存化学物
質点検によ
り監視物質
等に指定
既存化学物
質リスト物
質以外新規
既存化学物質
(TSCA
Inventory)リスト
物質以外新規
EINECS、
ELINCS以外新
規物質
ELINCSリスト物
質以外はすべて
登録対象
高懸念物質は別
途設定
その他
MSDS等は
PRTR法、
安全衛生法
で対応
本指令に基づ
きEU各国は各
国国内法規を
整備
・加盟各国はす
べて本法を遵守
・リスクアセスメントを
実施してマネージメ
ントすることが原則
49
化学物質管理に係る我が国関連法令とREACHの比較
REACH
有害性
人
の
健
康
へ
の
影
響
環
境
へ
の
影
響
曝露
急性毒性
長期毒性
労働環境
消費者
毒 劇 法
労
働
安
全
衛
生
法
農
薬
取
締
法
農
薬
取
締
法
食
品
衛
生
法
薬
事
法
環境経由
有
害
家
庭
用
品
規
制
法
建
築
基
準
法
化学物質排出把握
管理促進法
農
薬
取
締
法
化学物質
審査
規制法
排出・ストック汚染
大
気
汚
染
防
止
法
水
質
汚
濁
防
止
法
土
壌
汚
染
対
策
法
廃棄
廃
棄
物
処
理
法
等
動植物へ
の影響
オゾン層
破壊性
オゾン層
保護法
※
50
防衛
化
学
兵
器
禁
止
法
ダウンロード

化学物質の登録