環境工学委員会
2007~8年度活動報告
環境工学委員会
委員長 井上 勝夫
環境工学委員会の設置目的
 本委員会は、都市および建築の環境・
設備に関する諸問題の研究を通じて、
安全で健康、快適な環境の実現を目指
すとともに地球環境の保全に資するこ
とを目的とする。
建築環境工学の特性

建物環境工学に関わる物理現象は、熱力学、流体力学(温
熱・空気)や材料力学、構造力学(振動、音響)などの力学全
般のみならず、光学、波動学、音響学(光や音)、さらには医
学や生理や心理なども守備範囲となる。
空調設備などの関連ではエネルギー工学、建築衛生の観点
から上下水道、空気質、化学などきわめて広い学問分野が
関係する。よって、研究分野が専門分化しなければ、顕著な
学術成果が挙げられない特徴を有する。
委員会組織図
12 運営委員会
57 小委員会
53 WG
1小委員会
3WG
音環境運営委員会
5小委員会
5WG
環境振動運営委員会
4小委員会
4WG
光環境運営委員会
5小委員会
8WG
熱環境運営委員会
5小委員会
13WG
空気環境運営委員会
3小委員会
7WG
水環境運営委員会
3小委員会
3WG
建築設備運営委員会
5小委員会
2WG
都市環境・都市設備運営委員会
4小委員会
2WG
環境心理生理運営委員会
3小委員会
3WG
環境設計運営委員会
3小委員会
電磁環境運営委員会
3小委員会
企画刊行運営委員会
13小委員会
環境工学委員会
3WG
2007-8年度の重点課題
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6項目の重点課題を挙げて活動
①小委員会の自己評価結果の効果検証と利用方法の検討
②アカデミックスタンダード作成の推進
③大会の細分類・再々分類の継続検討
④環境工学シンポジウム(研究懇談会)のあり方
⑤横断的な研究テーマの設定、委員会としての組織化
⑥環境工学用教材の改訂
①小委員会自己評価システム


環境工学委員会独自の評価システム
小委員会活動成果報告と小委員会自己評価をもとに、
委員会の活動状況の把握と次年度へ向けた改善の検討
・総合評価:4段階
A評価:設置目標に対し、80%以上の達成度・・・・・・・・・・67%
B評価:設置目標に対し、70%から80%の達成度・・・・・・・ 23%
C評価:設置目標に対し、60%から70%の達成度・・・・・・・ 2%(1件)
D評価:設置目標に対し、60%以下の達成度・・・・・・・・・・ 8%(4件)
・C評価(1件)は、現体制で委員会活動を続けることに難しさもあることから,一度活動
を打ち切ることとし,再開のめどがたった時点で再度立ち上げることとした
・D評価(1件)は、発刊されている規準書との差異が見いだせないとの判断から、実質
的に作業を終了。他の3件:年度内に発刊できなかった(原稿は,ほぼ完了)
②アカデミックスタンダードの作成推進-1
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
各運営委員会、各小委員会の研究成果の社会還
元として、成果物の刊行を積極的に推奨する目的
で、「企画刊行運営委員会」を設置している。
研究成果がまとまりその刊行企画の目途がたった
小委員会は、所属の運営委員会から企画刊行運
営委員会に移行し、刊行のとりまとめを行う 。
この作成フローは、本委員会独自のものであり、
流れをシステム化している。
アカデミックスタンダードの作成推進-2
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学会として、実務家や団体、行政に対して、性能項目、性能基準、検証方法に
関する基本姿勢を、アカデミック・スタンダードとして明示する 。
刊行済みのアカデミックスタンダード(2006~8年度発刊:4件)
建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説(2004年)、ホルムアルデヒドによる
室内空気汚染に関する設計・施工等規準・同解説(2005年)、微生物による室内空気汚
染に関する設計・維持管理規準・同解説(2005年)、室内の臭気に関する対策・維持管
理規準・同解説(2005年)、湿気物性に関する測定規準・同解説(2006年)、 学校施設の
音環境保全規準・同解説(2008年)、室内温熱環境測定法学術規準・同解説(2008年)、
設備管理ガイドライン(2008年)、 廃棄物・ごみ処理設備環境評価」ガイドライン(2009年)

作成中のアカデミックスタンダード(作成中:10件)
総揮発性有機化合物(TVOCs)による室内空気汚染に関する設計・施工等規準・同解説、
トルエンによる室内空気汚染に関する設計・施工等規準・同解説、アセトアルデヒドによ
る室内空気汚染に関する濃度等規準・同解説、室内臭気測定法マニュアル、設備設計
図書に関するアカデミックスタンダード、室内光・視環境に関する窓・開口部の設計・維持管理
規準・同解説、室内温熱環境設計法学術規準・同解説(熱的快適域学術規準、温熱指
標学術規準)、温熱心理生理測定法学術規準・同解説、雨水(あまみず)利用システム
規格、都市・建築空間の音声伝送性能評価規準
③大会の細分類・再々分類の継続検討
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
講演時の討論や聴衆への配慮(類似講演をひとまとめにす
る)のために、著者が論文投稿時に申請した細分類・再々
分類を、テーマ・内容によって、妥当と考えられる細分類・
再々分類へ移動させる方式を導入
従来はプログラム編成会議の中で対応していたが、2007年
度から上記方式をプログラム編成会議前に、関係する運営
委員会の代表者で協議を行い対応した
結果・効果:大会終了後、司会者、講演者、聴講者に意見
聴取を行った結果、概ね前向きな意見であったため、今後
も継続していくことを決定
④環境工学シンポジウムの開催-1
・各分野の横断的な情報交換と共通の課題認識のため、年に1回開催。(2007年
度からは大会時に研究懇談会として1年おきに開催)
第1回「環境工学研究の最先端と将来の研究テーマ」:1998年1月
第2回「これからの性能規定とアカデミック・スタンダード」:1999年1月
第3回「建築教育問題における環境工学の課題」:2000年3月
第4回「建築環境工学における21世紀の研究展望」:2001年1月
第5回「アカデミック・スタンダードとISO規格およびJIS」:2002年1月
第6回「都市環境をどう捉えるか、環境工学委員会の取り組み」:2003年1月
第7回「環境工学の未来を拓く研究と技術開発」:2004年1月
第8回「建築環境工学の課題と展望」:2005年1月
2007年度:大会研究懇談会「環境工学分野の研究状況の現状認識と研究課
題の将来展望」:2007年9月
2009年度:大会研究懇談会「建築環境のシミュレーション技術と将来展望」の
企画(予定)
環境工学シンポジウムの開催-2
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
2007年度の大会研究懇談会「環境工学分野の研
究状況の現状認識と研究課題の将来展望」におけ
る討論を受けて、各運営委員会での取り組み状況
や分野間連携(横断的研究テーマ)を検討
これを受けて、2008年度の大会研究協議会「建
築・都市・地球環境 ~今、建築と都市に求められ
る環境性能~」を開催して、横断的研究テーマにつ
いて討論した
⑤横断的研究組織の設置-1
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2008年度大会研究協議会「建築・都市・地球環境 ~今、建築と都市に求めら
れる環境性能~」を開催。環境工学分野の横断的研究テーマの検討
その結果を受けて「建築・都市環境将来モデル特別研究委員会」(特別研究委
員会)を設置(2009年4月より活動開始)
地球環境問題は、環境負荷が地球環境容量の限界に到達してしまった人間活
動に大転換を迫っている。この問題への対策・適応に資することが、学会の研
究活動の社会的使命であるが、そのためには個別化・深化が進んできた各研
究分野が連携して、これまで得られた知見をフルに活かすことが不可欠である。
そこで本特別研究委員会では、地球環境委員会での温暖化を中心とした地球
環境問題への対策・適応の理念・基本的方向性の議論と、環境工学委員会の
各分野の最新の知見・研究成果とを連携することにより、分野横断、協働によ
る建築・都市環境の将来モデルづくりに取り組むことを目的とする。
委員は都市環境・都市設備、光環境、熱環境、空気環境、水環境、建築設備、
環境心理生理、環境設計の各運営委員会と地球環境委員会から選出
横断的研究組織の設置-2


技術者倫理の問題は,建築学の分野のみならず,すべて
の分野に大きな問題を投げかけた。一方,研究分野におけ
る研究者倫理や研究倫理の問題は,従来より指摘されてき
ていることではあり,今後,この問題もクローズアップされる
であろう。そのため,早い時期にその実態や問題点を整理
し,防止策や対処方法について討議して行く必要がある
そこで,建築環境工学分野における研究者倫理,研究倫理,
技術者倫理にかかわる問題・トラブルの実態を調査すると
共に,問題点を整理・分析し,今後の同問題への取り組み
に繋げることを目的として,本委員会直属のWG(1年間)と
して設置した(平成20年10月~平成21年9月)
⑥建築環境工学用教材の改訂
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環境工学実験用教材(環境測定編と設備計測編)を
統合し今春出版予定
環境工学用教材(環境編)、環境工学用教材(設備
編)の改訂WGを立ち上げ。2009年春を目処に内
容執筆、2009年度中に発刊を予定
大会研究協議会・懇談会・PDについて
2007年度のテーマ
(1)研究協議会「京都議定書の後に来るもの~エネルギー問題と建築環境工学の接
点から~」
(2)研究懇談会「環境工学分野の研究状況の現状認識と研究課題の将来展望-
辿った道と歩むべき道-}
(3) PD「昼光照明どうデザインする? 」
 2008年度のテーマ

(1)研究協議会「建築・都市・地球環境 ~今、建築と都市に求められる環境性能~」

2009年度のテーマ(企画)
(1)研究協議会「高齢社会の環境・設備-ユニバーサル環境デザインに向けて-」
(2)研究懇談会「建築環境のシミュレーション技術と将来展望」
(3)PD「雨を楽しみつつ都市の水を制御する建築」
※技術部門設計競技「雨を楽しみつつ都市の水を制御する建築」の主催
各運営委員会の紹介と 2007-8年度活動
常置している各運営委員会の主な活動状況
を紹介
広報小委員会(本委員会)

環境工学本委員会および運営委員会、小委員会、WG
の活動に関する各種情報を、本学会会員、環境工学
関係の本学会会員および一般向けの情報に分けた上
で、正確かつ効率的に伝達する手法を検討する 。

2007-8年度活動
(1) 「環境工学研究者名簿」を発行
(2)環境工学委員会ホームページの管理運営
(3)大会発表論文の総括と公開
音環境運営委員会



音環境分野における国内外の研究動向、社会の技術動向を
知り、研究の方向付けを行い、研究の発展・振興を図ると同
時に研究成果の社会への還元を行う。
音響数値解析小委員会、室内音響小委員会、固体音小委員
会、建築音響測定法小委員会、集合住宅の遮音性能評価水
準検討小委員会(5小委員会)
2007-8年度活動
(1)2007・8年度大会でオーガナイズドセッションを実施
(2)早稲田大学大隈講堂見学会 ほか1件の見学会・講演会:計378名
(3)第62回音シンポジウム「音声伝送性能設計・評価に関するアカデ
ミックスタンダード刊行を目指して」 ほか3件のシンポジウム:計114名
環境振動運営委員会

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
環境振動の予測・測定・評価・制御に関わる研究状況およ
び技術レベルの調査結果をもとに報告書をまとめるとともに、
広く研究者、技術者等にシンポジウム等で公表する。
環境振動測定手法小委員会、環境振動性能評価小委員会、
環境振動制御情報小委員会、環境振動性能設計法小委員
会(4小委員会)
2007-8年度活動
(1)第27回環境振動シンポジウム「設計フローと性能ランクの構築に向け
て」,ほか1件のシンポジウム:計117名
光環境運営委員会
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
建築光環境分野における研究統括、即ち国内外の研究動向
を把握し、研究活動の方向付けを行う。
光環境デザイン小委員会、建築空間の質感・色彩設計法小
委員会、昼光シミュレーション小委員会、明視環境設計小委
員会、光環境性能・基準小委員会(5小委員会)
2007-8年度活動
(1)2007・8年度大会でオーガナイズドセッションを実施
(2)2007年度大会PD「昼光照明どうデザインする? 」を実施
(3)第7回光環境デザインシンポジウム「藤森照信×乾久美子が語る光と
建築」ほか8件のシンポジウム:計645名
熱環境運営委員会

熱環境に関連する分野について調査・研究・建議を行い、
この方面の研究活動の方向付けを行う。
伝熱小委員会、湿気小委員会、温熱感小委員会、バイオ
クライマティックデザイン小委員会、熱環境シミュレーション
小委員会(5小委員会)

2007-8年度活動

(1)2007年度大会でオーガナイズドセッションを実施
(2)第38回熱シンポジウム「暑熱環境と人間・社会」-温熱感研究の社
会的貢献- ほか2件のシンポジウム:計371名
空気環境運営委員会

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
空気流動・空気清浄・換気などに関する諸問題について調
査研究を行い、広く会員に公開する。
室内空気質小委員会、室内気流・換気・通風小委員会、屋
外空気環境の予測・評価小委員会(3小委員会)
2007-8年度活動
(1)第17回空気シンポジウム「小学校における空気環境の現状、これか
らの学校環境」 ほか2件のシンポジウム:計228名
水環境運営委員会
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
建築における水環境分野における研究統括と、建築学会
以外の水環境研究団体の情報収集を行う。また、水環境分
野におけるアカデミック・スタンダードの作成を実施する。
水環境憲章小委員会、水と都市小委員会、雨水規格化小
委員会(3小委員会)
2007-8年度活動
(1) 『水辺のまちづくり 住民参加の親水デザイン』の刊行
(2) 『建物とその周辺における健全な水環境の形成に関する考え方』の
公表
(3)第32回水環境シンポジウム『国際シンポジウム「雨水利用建築の規
格化とその効果」』ほか2件のシンポジウム:計223名
建築設備運営委員会

環境を active に制御するハードウェアの設計、 施工、運転、
維持管理に関わる分野の研究の推進。
設備管理指針検討小委員会、環境選択型空調小委員会、
設計用気象データ小委員会、ソーラー建築情報小委員会、
建築一体化空調小委員会(5小委員会)

2007-8年度活動

(1)2007・8年度大会でオーガナイズドセッションを実施
(2)第4回建築設備シンポジウム「低炭素社会へむけた建築設備の技術
とシナリオ」 ほか3件のシンポジウム:計564名
都市環境・都市設備運営委員会



都市スケールでの人間環境を良好に保つ上で必要な都市
設備と環境管理について、各小委員会が検討を進める切
り口を中心に多面的評価を実施する。
都市環境気候図小委員会、空間データ利用小委員会、
クールルーフ小委員会、サスティナブルシティ小委員会(4
小委員会)
2007-8年度活動
(1)サスティナブルシティ研究 公開勉強会 第3回「グッドプラクティスか
ら見るこれからの省CO2地域づくりの展望と課題」 ほか3件のシン
ポジウム:計120名
環境心理生理運営委員会



環境生理・環境心理・環境行動に関わる国内外の研究動
向を調整し、それらの研究における理論や研究方法につい
て整理するとともに、方向付けを行い、体系化をめざす。
ヒューマナイジング小委員会、感覚・知覚心理小委員会、環
境心理小委員会(3小委員会)
2007-8年度活動
(1)2007・8年度大会でオーガナイズドセッションを実施
(2)建築空間における感覚・知覚心理シンポジウム(第6回)「屋外・半屋
外空間の心理生理評価を考える」ほか4件のシンポジウム:計150名
環境設計運営委員会



建築環境工学分野の研究は、分析的な視点から行われて
いるものが多く、実際の設計に直接結びつく研究成果は少
ない。そこで、その成果が設計につながるような横断的な
研究テーマを取り上げ、その推進を図る。
集合住宅小委員会、教育施設小委員会、バリアフリーデザ
イン小委員会(3小委員会)
2007-8年度活動
(1)公開研究会「次世代の環境バリアフリー」 計16名
電磁環境運営委員会



電磁環境に関わる用語の統一、計測、評価方法の標準化
を目指した調査・研究、および、潜在する問題や関連技術
の発掘等を行い、電磁環境の分野を建築学に定着させる
べく活動する。
技術指針小委員会、電磁環境小委員会、磁気環境小委員
会(3小委員会)
2007-8年度活動
(1) 「電磁環境シンポジウム第6回 ~現場における計測評価法~」
:計51名
企画刊行運営委員会
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

環境工学委員会に属する各運営委員会、各小委員会における成果の刊
行を目的として申請される小委員会を受け入れ、予算措置、編集作業、そ
の他の統括・調整を行う。
アカデミック・スタンダード小委員会、アセトアルデヒトに関する学会規準作
成検討小委員会、TVOCに関する学会基準作成検討小委員会、トルエン
に関する学会規準作成検討小委員会、室内微生物制御マニュアル作成
小委員会、廃棄物・ゴミ処理設備環境評価小委員会、設備設計図書に関
するアカデミックスタンダード小委員会、 「水辺のまちづくり」刊行小委員
会、ガラス建築小委員会、設備管理ガイドライン刊行小委員会、室内臭気
測定法マニュアル作成小委員会、窓・開口部アカデミックスタンダード小委
員会、シックハウス対策マニュアル作成小委員会
2007-8年度活動
(1) AIJES 学校施設の音環境保全規準・同解説 ほか7点の刊行物
(2)「 AIJES 学校施設の音環境保全規準・同解説」講習会 ほか3件:計355名
(3)シンポジウム「室内微生物汚染とその対策」ほか2件: 計51名
まとめ,今後のテーマ

2007-8年度の重点課題として6項目を掲げ活動を行ってき
た。各課題とも、当初の目標を達成できたと考えている

今後は,以下について継続および新たな検討が望まれる。
(1)横断的研究テーマの拡大と推進,特に委員会の設置に
よる検討の推進
(2)研究者(研究)倫理、技術者倫理にかかわる問題・トラ
ブルの実態把握と啓発活動
(3)専門分野の体系化の検討と再構築
(4)学会と消費者間の関係強化
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環境工学委員会 - 日本建築学会