公益法人セミナー
社団法人日本青年会議所
会計監査人グループ
公益法人制度改革
改革の流れ
担当:橋本幸治
(社団法人吹田青年会議所)
改革の背景
個人の価値観と社会のニーズの多様化
政府に依存しすぎていた体質からの変質
抜本的な「構造改革」によって新しい社会
の形を創造
改革の背景
よりスピーディに
社会のニーズに対応すべく
公益法人に抜本的な見直し
求められている
従来の公益法人の制度上の問題点
主務官庁の許可主義の下、裁量の幅が大きく、法人
設立が簡便でない
事業分野毎の主務官庁による指導監督が縦割りで
煩雑
情報開示(ディスクロージャー)が不十分
公益性の判断基準が不明確
公益性を失った法人が公益法人として存続し続ける
ガバナンス(法人の管理運営のあり方)に問題がある
主な変更点は
平成20年を実施時期と定め、数年間で新制度に
本格移行
現行の公益法人制度
(主務官庁による設立許可制)を廃止。
公益の有無に関わらず登記手続のみで法人が
設立できる非営利法人制度が創設
つまり
JCを含む現行の公益法人は
すべて非営利法人へ移行
↓
その後、非営利法人は2段階に区分
『公益性を有する非営利法人』
『一般的な非営利法人』
公益を有する非営利法人と
一般的な非営利法人の判定基準
公益を有する非営利法人に
判定されるためには
一般会計の事業費が50%以上
余剰金割合が30%未満
理事のうち同一業界関係者が占める
割合が現理事数の1/2以下
<公益性を有する非営利法人>
長所は
税制上の優遇
ガバナンスの強化
情報開示の徹底
一定の判断要件
現行の
公益法人
(JC)
<一般的な非営利法人>
移行
公益性の有無は問わない
登記だけで簡便に設立可能
法人類型は社団と財団
公益法人制度改革
公益性の有無の判断基準
担当:近藤秀一
(社団法人池田青年会議所)
もし貴方のLOMが
公益性のある非営利法人を
目指すのなら
公益性を有する法人は不特定多数の利益(公益)の実
現を目的とすべきである。
受益の範囲が事業若しくは事業を媒介として
社会全体や十分に広い範囲に利益が及ぶ必要がある。
公益と共益
公益法人が行う共益的な活動に対する
余地については、公益を主たる目的とし、
共益は従たる目的となる範囲で認めら
れるという考え方が基本ベース
公益かどうかの判断
構成員が特定の者だから 公益性が無
いのでは無く、法人本来の目的が公益が
どうか
受益対象が多数かどうかについても将来
においてその受益が及ぶ範囲を踏まえ
判断
公益的な事業
公益的な事業の規模は、法人の事業の
過半を占めることが必要
社会通念上、営利企業が行うような事業
を、主たる事業として行うことは望ましくな
い
収益的事業
公益的法人が健全な運営を維持し、公益的
な事業を行うための収入を確保するべく事
業の要件
①収益的事業の利益は公益的事業のために
使用
②社会的信用を損なうような事業かどうかの
判断
③事業規模については、制限が加えられる
規律
内部留保
法人の継続のために一定の内部留保は必要であるが、
本来公益的な事業に使われるべき資金が法人内部
に蓄積されることは望ましくない
↓
一事業年度の事業費管理費等の合計額の30%以下と
すべき
ただし 有識者委員会の判断による
情報開示の必要性
公益法人の活動内容の透明性
公益性法人の自律機能の適正な発揮の
ため
不特定多数者からの寄付などの提供享
受
情報開示の方法
国民一般に対し
法人の業務や財務に関する資料を
公益性が継続されているかどうかの判断
のため
インターネットなどで公開することが適当
である
公益性の判断による効果
法人の社会的信用が高まり寄付や労務提
供などが受けやすく活動の促進につながる。
税制上の優遇措置については所官省にお
いて検討中。
国民一般への公開により 情報提供や法人
運営に関する相談・助言が有識者会議を通
じて得ることができる。
公益法人会計基準の改正
旧基準(現基準)の考え方
新基準の概要
公益法人に関する税制
担当:佐多 宗
(社団法人江津青年会議所)
公益法人会計基準の改正
・旧基準(現基準)の考え方
現行の公益法人会計 → 予算準拠の原則
受託資金→収支予算書→これに準拠した活動
現行の計算書類の体系
・収支計算書 ・正味財産増減計算書
・貸借対照表
・財産目録
※予算準拠の原則とは・・・収入及び支出は予
算に基づいて行わなければならない。
この原則によると、収支計算書は、事業執
行以前に確定した事業計画に基づいて(予算
事前主義)を要求するとともに、事前に作成さ
れた予算によって事業の執行に伴う収支の
枠を明らかにして、事業の執行者に支出の権
限を与えていくものである。
公益法人会計基準の改正
・旧基準(現基準)の考え方
現行の公益法人会計 → 予算準拠の原則
受託資金→収支予算書→これに準拠した活動
現行の計算書類の体系
・収支計算書(予算書) ・正味財産増減計算書
・貸借対照表
・財産目録
<公益法人会計の目的>
① 受託資金に対する理事者の管理運用責任
の明確化・・・収支予算書・収支計算書
② 公益法人の有する財産の増減とその事由
の明示・・・正味財産増減計算書
③ 公益法人の有する財産の明示
・・・貸借対照表・財産目録
最も重要なもの・・・収支計算書
※予算への準拠状況を資金収支の面から表現
公益法人会計基準の改正
・新基準の考え方
<公益法人会計の目的>
① 財務情報の透明化の充実
② 事業の効率性をわかりやすく表示
③ 法人の受託責任の明確化
① 財務情報の透明化の充実
現行基準・・・予算準拠の考えによる収支計算
書重視
新基準・・・事業活動の内容についていっそう理
解しやすい情報を提供する必要性を重視
→企業会計的手法の採り入れ
→計算体系の簡素化
→財務情報の透明化
② 事業の効率性をわかりやすく表示
・・・事業の効率性に関する情報を充実させる
必要性
→ 一般正味財産の当期増減額をもって事業
の効率性を判定可能
具体的には・・・正味財産増減計算書をフロー
式に統一
→収益・費用さらにその差額により事業の効率
性が明らかに!
③ 法人の受託責任の明確化
・・・受け入れた財産の受託責任についてより明
確にすることを通じてより理解しやすい財務
情報を提供する。
正味財産の区分
指定正味財産
一般正味財産
寄付による受け入れ資産→その使途が制約
→指定正味財産の区分に記載
→受託責任の明確化
公益法人会計基準の改正
※新たな非営利法人に関する税制
・公益性を有する非営利法人
・一般的な非営利法人
「公益性を有する非営利法人」に対する課税
「第三者機関」が非営利法人の公益性を判断
・・・法人税法上の公益法人等として取扱うべき
→ 基本的にすべての収益を非課税
ただし営利法人とのバランスを考えると・・・
<営利法人と競合関係にある事業のみ課税>
一般的な非営利法人に対する課税
多種多様な非営利法人の設立・・・
非営利法人に対する課税を一律に取り扱う
には無理がある。
共益的事業活動・・・会員からの会費は非課税
その他・・・租税回避手段としての濫用防止
→営利法人と同等の課税
<公益法人等に共通する課税上の諸論点>
・課税対象所得の範囲
・・・収益事業から生じた所得に対してのみ課税
→収益事業範囲の洗い直し・範囲の拡大?!
・軽減税率
・・・法人税率22%→基本税率30%へ?!
みなし寄付金制度
・・・損金算入限度額の拡充?!
公益法人会計基準の改正
新基準の具体的内容
担当:加藤茂樹
(社団法人串間青年会議所)
(1)財務諸表体系の見直し(No.1)
現行公益法人会計基準
1.収支予算書
2.会計帳簿
3.計算書類
※新公益法人会計基準
1.貸借対照表
2.正味財産増減計算書
・ 収支計算書
3.財産目録
・ 正味財産増減計算書
※大規模法人のみ
・ 貸借対照表
キャッシュフロー計算書
・ 財産目録
◎収支予算書・会計帳簿・収支計算書
については「内部管理資料」となる!
(1)財務諸表体系の見直し(No.2)
1.貸借対照表
・・・ 「資産」「負債」及び「正味財産」を明瞭に表示。
受入資産についての法人の受託責任を明確化。
2.正味財産増減計算書
・・・ 「収益」「費用」に分けることで、正味財産の増減内訳を
明瞭に表示。事業の効率性を明確に示す。
3.財産目録
・・・
「資産」「負債」の名称・数量・価格等を詳細に表示。
※キャッシュ・フロー計算書(新規)
(2)大規模法人を対象とする
キャッシュフロー計算書の導入
「対象法人」
・・・
大規模法人のみ
※大規模法人とは、前事業年度において
①資産の合計額が100億円以上 若しくは
②負債の合計額が50億円以上 又は
③経常収益の合計額が10億円以上
の公益法人をいう。
(3)正味財産の部における
区分表示の導入
貸借対照表の区分 ・・・
「資産の部」「負債の部」
及び「正味財産の部」 (現行)
新基準では「正味財産の部」を次の2つに
区分表示する
①指定正味財産
(寄付者より使途が制限されている資産に対する正味財産)
②一般正味財産
(使途が制限されていない資産に対する正味財産)
(4)正味財産増減計算書の様式
現
行
新基準
ストック式(資産負債の増減額
から正味財産の増減額を求める)
フロー式(正味財産の増加・減少
原因を総額で示す)
①「一般正味財産増減の部」と「指定正味財産増減の部」に分かれる
②増加要因を収益、減少要因を費用として記載
③一般正味財産増減の部がさらに
「経常増減の部」「経常外増減の部」に分かれる
④指定正味財産から一般正味財産への振替に注意
目的:「事業効率性の明確化」
(5)財務諸表に対する
注記事項の拡充
新規・変更項目
1.「基本財産及び特定資産の財源等の内訳」(新規)
2.満期保有目的の債権については簿価と時価を注記
3.補助金等の内訳、交付者、増減額、残高を注記
4.「関連当事者との取引の内容」(新規)
5.「消費税等の会計処理」(新規)
※「資金の範囲について」は、収支計算書が財務諸表
からはずれたため注記不要
(6)収支予算書及び収支決算書
等の位置づけ
現行の収支予算書・収支計算書
新基準では内部管理資料となる
※公益法人制度改革による主務官庁制廃止後は任意資料となる
ただし、主務官庁制継続期間においては作成の義務あり
※変わって、事業活動・財務運営の効率化の視点から
正味財産増減計算書の予算作成が重要となる
(7)減価償却その他
現
行
新基準
減価償却費の計上は任意
(費用配分の概念はない)
減価償却費の計上は強制
(効率性重視の視点から正味財産
増減計算書の費用項目に計上)
その他
① 退職給付会計の導入
② 有価証券の時価会計の導入
③ 貸借対照表・正味財産増減計算書ともに前年度・当年度の比較形式
④ その他
ダウンロード

現行の 公益法人