医療は、教育などと同様に「社会的共通資本」です。
医療は、“国民の生命や健康をより高いレベルで守る”
という公共的使命を強く持つもの、です。
だからこそ、すべての国民が、地域・職種・立場を超えて、
より良い医療を公平に受けられることが大切なのです。
そうした理念のもと、構築されたのが、
日本の国民皆保険制度、そして
皆さんのフリーアクセス権、です。
日本国中どこに居ても、
誰もが自由に医療機関を選択し、
低額で医療を受けられる・・・、
世界で今、高く評価されているのは、
そうした“日本の医療”です。
国民総医療費の将来予測
平成9年、厚生省は“医療費の将来予測”を、
平成12年には38兆円、22年には68兆円に達する、
と公表しました。
マスコミは“医療費亡国論”で同調し、
一般会計82兆円、医療費がそんなに増えたら大変だ、
抑制しなければならない、と書き立てました。
“将来予測“の見事な効果・・・ (・_・;)
国民医療費30兆円、他と比べてどうなのでしょう?
国民の健康を、いのちを守る医療費が、パチンコ産業と同じ、財政投融資の1/12。
有形資産残高
3114兆円
個人保険金額
1400兆円
個人金融資産
1200兆円
財政投融資
365兆円
建設投資額
85兆円
公的年金
40兆円
パチンコ産業
30兆円
国民医療費
30兆円
葬式産業
15兆円
紙面を賑わす「国の予算額 82.1兆円」は、一般会計の数値です。
正しい国の予算規模は、一般会計のうちの一般歳出と、
特別会計から借換債や内部取引などを除いた額の合計、
242.4兆円です。本当に国を亡ぼすのは・・・??(・_・;)
社会保障費の国庫負担率は減少。
政府最終消費支出比率は増加傾向。
社会保障給付費の中で
“医療”は毎年抑制。
少子高齢化、の中で、
抑制すべきは国民医療費、でしょうか?
世界各国に比べて日本の国民医療費は?
日本の国民医療費対GDP比は
先進国といわれる 30カ国の中で 19位。
国際的にみて、国力に見合った
国民医療費、と言えるのでしょうか。
イギリスでは、小泉首相が手本とする
サッチャー元首相時代の医療改革で
22位まで転落、医療の質も低下しました。
そこでブレア首相は、2005年までに
国民医療費を当時の1.5倍にまで
高める、と公約しました。
毎年、国民医療費が増えるのは無駄遣い?
急速に進む世界各国の高齢化・・・、
その中で例外的とも言えるほど、
医療費が抑えられているわが国、日本。
ブレア政権の医療費拡大政策と、日本の低医療費
政策により、2004年度、日本の医療費対GDP比は
主要先進7カ国(G7)中、最下位に転落しました。
診療報酬 3.16%引き下げ 過去最大の下げ幅で決着
(共同通信) - 12月18日21時36分更新
政府、与党は18日、公的医療保険から医療機関や調剤薬局に
支払われる診療報酬を来年度に 3.16%引き下げることを決めた。
下げ幅は過去最大で、医師の技術料などに当たる本体部分が 1.36%、
薬価が医療材料を含め 1.8%。
ほかの医療制度改革と合わせ、計約2850億円の国庫負担圧縮となる。
診療報酬の内容と使われ方は、
1)本体部分
⇒ a)医師、職員の人件費・技術料
b)建物、設備、医療機器の購入・管理・更新費用
c)その他
2)薬価・医療材料部分
⇒ a)医療材料費
b)医薬品費
まず、実際に病気になった時、支払う医療費ってどのくらい?
虫垂炎手術入院の都市別費用 (単位:万円)
海外の医療事情
(旅行保険サイトのQ&Aより)
諸外国の医療事情は日本とは大幅に異なり、「救急車が
有料」も普通ですし、医療費が高額となることもあります。
1)日本
7日間入院して約40万円。このうち3割の12万円を
病院の窓口で支払いますが、高額療養費で払い戻される
部分もあるので、最終的な自己負担は約 8万円です。
2)ニューヨーク
盲腸手術を受け240万円かかっても、健康保険からは
32万円しか戻ってきません。差額の208万円はすべて
自己負担となってしまいます。
優れた医薬品の開発は、医療の進歩に欠かせません。
治療費は新しい医薬品の登場により激減します。
が、しかし・・・、
日本の医者は薬で儲けてる?
各国の薬剤費比率は年々
上昇傾向にあります。
一方、日本では薬価差の
削減により、薬剤費比率は
大きく低下しました。
薬価差
分業率
1986年
23.0%
9.7%
2004年
6.3%
53.8%
(薬価差=保険請求価格-購入価格)
欧米各国では「常識」となって
いる医薬分業は、日本でも
急速に拡がっています。
従って、薬の保管、期限切れ薬の処分などの費用を考えると、
院内処方は「薬価差益」どころか「薬価差損」という現状も・・・。
下がったとは言え、日本の薬剤費比率が依然、高めな理由は?
投薬の種類・量が多い為ではなく、
薬価が高く設定される先発品の比率が高いから、です。
後発品(ジェネリック)とは、
1)新薬の特許が切れた後に
厚生労働省の承認を得て
発売される薬です。
2)先発品と有効成分、投与経路、
用法・用量、効能・効果が同等
であるとされています。
3)製品によって様々ですが、
先発品の20~80%の値段で、
平均するとほぼ半額程度です。
「厚労省が高すぎる先発品の価格を国際的に適正な額にまで引き下げれば、
1兆5千億円程度削減できる」との試算を経済産業省も発表しています。
医療材料の価格はどうなのでしょう?
医療機器の販売価格の国際比較(1995年) (単位千円)
牛肉は安くなりましたが、
高いままの医療材料。
医師の技術料の評価はどうなのでしょう?
技術料の日米比較(1994年)
(単位:円、1ドル=104円で換算)
ずっと低く抑えられ続けている
日本の医師の技術料。
検査に頼る日本の医療、と揶揄されますが、
CTやMRIの登場により、さまざまな病気の早期診断が容易になり、
多くの人命を救えるようになったことも、また、事実です。
例えば日本でのMRIの販売価格は、
アメリカ、ドイツ、フランスの1.3~2.2倍ですが、
アメリカに比べ検査料は、CTで1/5、MRIでは1/7に過ぎません。
こうした医療の現場で医師や看護師は?
先進7カ国の中で、日本では、
医師は 4.6倍、 看護師は 5.2倍、という
多くの病床を抱えて日夜奮闘しており、
(“社会的”入院まで、あたかもその全てが
“医は算術”が故、かのように言われつつ・・・)
欧米の2.8倍の
受診者を診ています。
度重なる医療費抑制で、
現場の人手不足は
改善の目途が立ちません。
医者は儲けすぎ、と診療報酬も減らされましたが、
本当に儲けすぎ?
特集「日本人の給料」から (雑誌プレジデント)
職種
プロ野球選手
国務大臣
事務次官
国会議員
弁護士
知事
開業医師
パイロット
公認会計士
歯科医師
税理士
医師
大学教授
不動産鑑定士
平均年収
3743 万円
3041 万円
2432 万円
2228 万円
2101 万円
2100 万円
2086 万円
1713 万円
1426 万円
1329 万円
1266 万円
1227 万円
1153 万円
1020 万円
製薬会社
エーザイ
武田薬品
三共
アステラス
第一製薬
平均年収
1112 万円
1047 万円
911 万円
898 万円
892 万円
商社
三菱商事
住友商事
三井物産
平均年収
1277 万円
1264 万円
1229 万円
そんなに開業医は儲けてる??
「日医白クマ通信 No.268」参照
個人立は、法人立のごとく経営者の給与を経費として算定できないので、
その医業収支差額は法人における黒字赤字を示す額ではありません。
個人立の場合には医業収支差額から従業員・事業主の退職金引当、
建物・設備の更新費用を積み立てる(平均月々30万円)と同時に、
事業用借入金を返済(平均月々40万円)しなければなりません。
結果としてこれらと引き当て相当分の税金を引き、賞与分を勘案すると
開業医師の平均年収は、勤務医とほぼ同様の約1200万円となります。
特集「日本人の給料」から
他人の懐具合を詮索するのは
あまり趣味ではありませんが、
では、開業医は儲けている、と
盛んに喧伝する大手マスコミは
どうなのでしょう。
マスコミ
フジテレビ
朝日放送
日本テレビ
TBS
朝日新聞
テレビ朝日
毎日新聞
平均年収 平均年齢
1567 万円 39.8 歳
1525 万円 39.5 歳
1462 万円 39.6 歳
1443 万円 43.5 歳
1358 万円 42.3 歳
1357 万円 41.1 歳
870 万円 44.0 歳
再び、
セーフティネットとしての日本の医療制度は、
国際的に高く評価され、「マクロの大成功」と言えましょう。
しかしそれは、現場の医療人や患者・家族それぞれの
「ミクロの犠牲」の上に成り立っていることもまた、事実なのです。
日本では、病気になれば誰もが保険証一枚でどこの病院の診察も
受けることができます(フリーアクセス)。世界的にみても、例外的な
システムと言えます。
アメリカでは、一切保険に入っていない無保険者が
4,000万人余りに達しています。民間保険者は採算を
とる為に、受診できる医療機関や診療内容に厳しい
制限を課しており、かなりの国民が病気になっても
受診できない状況に陥っています。
イギリスでは、国による原則無料の医療提供制度が
運営されていますが、「風邪を引いても受診できるのは
結局風邪が治ってから」と言われるように、膨大な
待機リストが深刻な問題となり、政府は医療費の絶対的な
不足がその本質的問題と認識し、対応を始めています。
フリーアクセスを背景に、日本の国民が医者に通う回数は、
医療費世界一のアメリカを抑え、世界で最多、にも拘わらず、
医療費はイギリス並みに納まっているのです。
----最も厚い壁は医療ですか。
最後に、オリックス証券の
医療、福祉には確固たる「鉄壁の城」ができています。
「宮内義彦ジャーナル」から、
それを崩しにかかるのですから、少々のことでは動きません。
特に医療はGDPの7%という大マーケットです。
――具体的には。
既存の保険制度のなかにある無駄を排除しよう、例えば、
報酬の出し方が基本的に出来高払いですが、症状別の
標準方式、定額払いという方向に持っていきたい。
国民医療費をGDPの7%に抑えるなんてとんでもない。
10%でも何でもよいと思います。国民がもっとさまざまな
医療を受けたければ、「健康保険はここまでですよ」、
後は「自分でお払いください」というカタチです。
金持ち優遇だと批判されますが、金持ちでなくとも、
高度医療を受けたければ、家を売ってでも受けるという
選択をする人もいるでしょう。
それを医師会が止めるというのはおかしいのです。
(宮内義彦氏@内閣府規制改革・
民間開放推進本会議議長)
病人は入れない民間保険、
病人の為の国民皆保険。
さて、どちらを選びますか?
誰の為の日本の医療・・・
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そうした“日本の医療”です。