著作権、新しい技術、データ販売
Yutaka Yasuda
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著作権
• 目的
– 著作物の公正な利用を行い、著作者の権利
を保護し、「文化の発展に寄与」する。
• よりうまく利用するための法律
– 利用制限のためのものではない
• (当然ですが)これは日本の法律です
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音楽の著作権
• 楽譜以前、音楽は一過性だった
• 蓄音機以前、再現すら芸術家の仕事
• 音楽ビジネス
– 技術が作り出した(拡大した)マーケットと
考えて良い
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私的使用のための複製
• 日本著作権法
– 個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた
範囲内において使用すること(以下「私的使用」
という)を目的とする場合には(中略)その使用す
る者が複製することができる。
• どこの国でも同じとは限らない
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ベータマックス訴訟
• USで家庭用ビデオ発売
– 『コロンボ』を見ても『コジャック』は見逃さな
い
• 裁判 (1976年)
– 映画業界の売り上げが下がる
– 原告:ユニバーサルスタジオ、ディズニー
– 被告:ソニー本社、ソニー・アメリカ
Sony history : 第2部 第20章 第5話 ベータマックス訴訟
http://www.sony.co.jp/Fun/SH/2-20/h5.html
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ベータマックス訴訟
• 主張
– 映画は著作物であり複製の独占権は我々に
ある、勝手に複製するのは違法
– これはタイムシフト(盛田氏による造語)
である
• 目的に注目するか技術(過程)に注目する
か
– 技術を言うならコンピュータの中で複製は
何度でも行われている(次頁)
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データとプログラムの流れ
入力装置
入力装置
入力装置
出力装置
出力装置
出力装置
処理装置
例:
ディスプレイ
プリンタ
例:
キーボード
マウス
記憶装置
例:メモリ
プログラム
データ
プログラムもデータも可換
計算機の中では同様に扱われる
記憶装置
記憶装置
例:ハードディスク
例:MO
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ベータマックス訴訟
• 主張 (つづき)
– 公共の利益
• 経過
– 1979年10月 ソニー全面勝訴
– 1981年 米国連邦高等裁判所では敗訴、連
邦最高裁判所へ
– 1984年1月 ソニー勝訴
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ベータマックス訴訟
• 裁判で決するだけでなく、立法とも関
連する
– USの著作権法(当時)には新技術に対する明
確な記述がない
– 日本のように「私的複製の例外」もない
• 結果
– 立法こそされなかったが、裁判と立法活動
が並行して展開
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レンタルレコード業
• 複製機器(カセットテープ)の登場
• レンタルレコード店の普及
• 主張
– レンタル業者は複製しておらず権利侵害は
ない
– 貸与自体は違法ではない
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レンタルレコード業
• 1984年、著作権法を改正して解決
– 立法で決着
– 関係者の利益を守る方向
• DATはメーカーが対応
– Digital - to - digitalの複製ができないように
– 著作者・メーカーの歩み寄り
• DVDも複製不可の方向に企業が努力
– 複製禁止のための機構がついた(迂回は違法)
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ナップスター
• 個人が持っているデータをネットワーク越し
に自由に交換できるシステム
• 1999年12月、US で音楽業界から提訴
• Napstar は閉鎖に
• おおよそ法的には決着したと考えられているが、
• 2003年4月 同種のサービス提供者 Streamcast
NetworksとGroksterにロサンゼルスの米連邦地裁は
勝訴判決
• という経過だったが、いままた再燃している
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対個人提訴へ
• RIAA が利用者の提訴を開始
– 2003.6.26 大学内の数名を提訴
– 1万ドル強の賠償金支払いに合意
– 2003.9.9 には 261 名を対象に提訴
– 2005.5.30 現在も継続的に提訴
• 実際に勝訴するかどうかはまだ不明
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著作権法のインターネット対応
• 自動公衆送信可能化権
– 「サーバ等から自動的に公衆送信されない
権利」の創設
– 公衆に送信することへの権利はあった
– インターネットで受信者側が起点になる
「自動送信」が発生
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ファイルローグ
• 日本でのナップスター的事例
– 2002.2.28 にJASRACがMMOを提訴
http://www.jasrac.or.jp/release/02/02.html
– 2002.4.9 裁判所の差止仮処分命令によりサービス
停止
– 2002.5.13 MMOが答弁書を提出
http://www.filerogue.net/
– 2003.1.29 東京地裁が違法の中間判決
– 2003.12.17 賠償命令判決・控訴 (7100 万円)
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新しい技術への対応
• 法律の対応
– 著作権法の絶え間ない更新
• 技術による対応
– CCCD (コピーコントロールCD)
• 音楽配信というビジネス
– 2003.4 Apple が一曲99セントでオンライン
販売
• 現在揺れている最中
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意見を下さい
• 音楽販売の展開としてどのような可能性があ
るでしょう?
– 音楽データの個人間での流通を今後も阻止すべき
か?
– もはやコントロールすべきではないのか?
– CD販売に可能性はあるのか?
– iTunes / 着うたフルのようなデータ販売に可能性
はあるか?
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著作権と利用公開
• 決して相反しない概念であることを忘れず
– 著作者の利益と、利用者の利益の両立
• 着陸点に向けて
– 現時点では、著作権保護の理想と、新たな技術の
可能性を、矛盾なく調和させる方法を探し出すこ
とに、だれ一人成功していない
「ファイル交換と音楽著作権問題」岡村久道(弁護士)
http://www.zdnet.co.jp/internet/guide/0205/sp/04.html
– 既存の法律すら変わる可能性を考える
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技術の進歩と拡散
• 技術が世界を書き換える速度
– コンピュータやネットワークが加速
• 参加機会の広がり
– 必要資源の小型・高性能・低廉化
– 時間・空間を越えた共同作業を現実のものに
• 法律や文化との摩擦
– 全体の流れ、歴史を忘れない
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