A-1
マルチ磁気プローブを用いた
非接触による金属丸棒の
偏芯および形状歪みの測定に関する研究
金沢大学大学院 自然科学研究科
電子情報工学専攻
有馬浩史
発表の流れ
はじめに
測定に用いるプローブの構成
偏芯および形状歪みの測定原理
金属丸棒の偏芯の測定
金属丸棒の形状歪みの測定
偏芯のある時の形状歪みの測定
まとめ
はじめに
金属丸棒のキズの検査
うず電流探傷法
金属丸棒貫通型プローブ
非接触,高リフトオフ高さ
キズ信号とは別に周期的な信号が含まれる
小形のマルチ磁気センサを用いて
偏芯および形状歪みの測定を行う
金属丸棒の偏芯と形状歪み
キズ信号
偏芯の測定
傷の検査などにおいてプローブの中心にある事で探傷性能の向上
溶接などの加工の自動化が容易になる
形状歪みの測定
製造段階における形状の検査
プローブの構成
Unit : mm
25
A
B
10
Exciting coil
(φ=0.4 mm×40 turn)
16
5
A’
B’
Test piece
Test piece
sensors
Sensors×36
10°
16 mm
16 mm
26 mm
26 mm
プローブの構成
励 磁 部
試験対象貫通型励磁コイル
40ターン×2個
それぞれに逆方向の電流
(100 kHz 400 mA)
磁束は互いの励磁コイルの
間を通る
検 出 部
巨大磁気抵抗効果センサ
10°間隔で36個
有限要素法を用いたr-z平面でのシミュレーション
A-A’断面
B-B’断面
感度は周方向
センサの構成
Lead
SV-GMR
element
250
90 10
Unit : μm
350
80
200
1.3
Unit : mm
z
x
5V
2.5
y
巨大磁気抵抗効果(GMR)センサ
感度方向を互い違いにブリッジ構成
センサの感度特性
・高感度
-V
・オフセット電圧の取得
・DC~数MHzまで測定可能
230 μV/μT
y方向
出力電圧 ・感度の向上
・指向性特性
10 μV/μT 以下
z方向
・熱雑音の軽減
SV-GMR sensor ・素子サイズが小さい
磁束により抵抗が変化
+V
偏芯および形状歪みの測定原理
偏芯および形状歪みの測定原理
励磁コイルにより磁束を試験対象に印加
試験対象にうず電流が流れ放射状に磁束が分布
偏芯や形状歪みが起こると磁束の分布が変化
周方向成分の磁束をセンサによって測定
磁束
センサの感度方向を周方向とする.
偏芯時の磁束の分布
センサの位置での
磁束ベクトル
励磁コイルからの磁束と
うず電流による磁束をわける
うず電流からの磁束
励磁コイルからの磁束
丸棒表面から
径方向
垂直に発生
検出しない
周方向の磁束を検出
偏芯時の出力電圧変化
測定は周方向の磁束のみ
センサNo.5,No.36において感度方向
に生じる磁束に注目する
センサNo.36
偏芯が生じても感度方向の
磁束は発生しない
センサNo.5
偏芯すると感度方向である
周方向成分の磁束が変化
する
偏芯時のセンサの周方向の磁束
d  r2 の条件
Vn  kBr sin n
 kBrn
2
d
1 d 
n    sin  n    sin 2 n
4  r2 
 r2 
1
1
Br 

r1  Ln r2  d cos n
 d

Br  k ' 1  cos  n 
 r2

Ln リフトオフ高さ
r1 丸棒の半径
2
 d 



3
d
Vn  k    sin  n    sin 2 n 
  r2 

4  r2 


d 偏芯量
r2 プローブの半径
偏芯時のセンサの周方向の磁束
偏芯の方向を考える
2
 d 



3
d
Vn  k    sin  n    sin 2 n 
  r2 

4  r2 


偏芯方向を 0
2
 d 



3
d
Vn  k    sin  n   0     sin 2 n   0 
  r2 

4  r2 


振幅の大きさは変化しない
形状歪みの場合についてセンサの出力を考える
形状歪みでのセンサの周方向の磁束
金属丸棒の断面が楕円状に
歪んだ時を考える
Vn  kBrn
a  b のとき
a b
Vn  k
sin 2 n
2a
T
周期が のみの信号になる
2
歪みの向きを考えると
a b
Vn  k
sin 2( n   0 )
2a
金属丸棒の偏芯の測定
金属丸棒の偏芯の測定結果
実験結果
近似
0
最小二乗法を用いて近似
偏芯量 d=1.0 mmにおける測定結果
センサ1周を周期 T
信号は周期 T とT/2 を含む
Vn  A sinn  0   B sin 2n  0 
金属丸棒の偏芯の測定結果
偏芯の大きさ
偏芯方向0=0で統一
2
 d 



3
d
Vn  k    sin  n   0     sin 2 n   0 
  r2 

4  r2 


偏芯量と振幅の関係
235 mV/mm
金属丸棒の偏芯の測定結果
偏芯方向
偏芯量d=0.6 mm
正の傾きで出力電圧が0 V
偏芯方向 0
偏芯方向を変えても振幅
の大きさは変わらない
2
 d 



3
d
Vn  k    sin  n   0     sin 2 n   0 
  r2 

4  r2 


金属丸棒の形状歪みの測定
測定の対象は解析の容易な楕円状に歪んだもの
材料番号 長軸 2a [mm] 短軸 2b [mm]
①
②
③
④
金属棒の断面が楕円
16
16
16
16
15
15.25
15.5
15.75
金属丸棒の形状歪みの測定結果
実測値
近似値
2a=16,2b=15 mm
信号は周期 T/2 のみ
a b
Vn  k
sin 2( n   0 )
2a
金属丸棒の形状歪みの測定結果
歪みの大きさ
a b
Vn  k
sin 2( n   0 )
2a
歪みの大きさと振幅の関係
45 mV/mm
金属丸棒の形状歪みの測定結果
歪みの向き
長軸と短軸の差
2a-2b=1.0 mm
正の傾きで出力電圧が0 V
長軸の方向 0
長軸の方向を変えても振幅
の大きさは変わらない
a b
Vn  k
sin 2( n   0 )
2a
偏芯がある時の形状歪みの測定
偏芯がある時の形状歪みの測定
形状歪みの信号と偏芯による信号を
分ける方法を考える
偏芯した楕円棒を測定した結果
偏芯がある時の形状歪みの測定
偏芯した楕円棒の信号を近似する
Vn  k  Asin(n  0 )  B sin2n  0 
偏芯
楕円
d=0.4 mm
0.3  d
 sin 
V0.2
n k
n

r
0.1  2

シミュレーション

3 d 
 0     sin2 n  0 

4  r2 

2
近似

Vn  k  
0
A sinn  0 
a b

sin 2 n   0 
2a

偏芯による信号
B sin 2 n  0 
形状歪みと偏芯による信号
A の大きさによりB の偏芯によるものの大きさを求める
形状歪みによる信号を取り出せる
偏芯+形状歪み
シミュレーション
偏芯がある時の形状歪みの測定
シミュレーションによる周方向の磁束密度
d=0.4 mm
0.3 mm
0.2 mm
0.1 mm
0 mm
偏芯のある楕円棒の磁束密度
2a=16
2b=15 mm
偏芯した楕円棒からの信号から
偏芯の信号を引いたもの
形状歪みの信号のみを取り出せる
偏芯がある時の形状歪みの測定
実験結果から形状歪みによる信号を取り出す
形状歪み 周期T/2の振幅
実験結果より楕円による信号,
偏芯
方向75° 大きさ
2a-2b=0.75
mm
偏芯による信号の分離が可能
形状歪み 周期T/2の振幅 48.2 mV
偏芯
方向220°大きさ 200 mm
2a-2b=1.0 mm
形状歪み 周期T/2の振幅 28.2 mV
偏芯
方向215°大きさ
250 mm
2a-2b=0.5
mm
35.7 mV
200 mm
形状歪み 周期T/2の振幅 17.3 mV
偏芯
方向80°mm
大きさ 50 mm
2a-2b=0.25
まとめ
マルチ磁気プローブを用いて金属丸棒の偏芯および
形状歪みの測定を行った.
偏芯の測定
偏芯の大きさは周期T の振幅を見ることにより測定可能である.
また,その関係は235 mV/mmである.
偏芯の向きは近似式の0より求めることができる
形状歪みの測定
測定は解析が比較的容易な断面が楕円のものを用いて測定を行った.
T
形状歪みの大きさ2a-2bは周期 2 の振幅により測定可能である.
また,その関係は45 mV/mmである.
偏芯のある形状歪みの測定においては楕円棒による信号を
取り出すことができたが,偏芯のない時と比べると信号が大きくなった.
今後の課題
楕円状だけでなく他の形に歪んだ時に対しての測定検討
偏芯と形状歪みの測定を傷の検査に応用する
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