実験III 素粒子テーマ
素粒子物理学とは
物質の究極の構造(素粒子),
素粒子間に働く力(相互作用)
時空の構造,対称性
を探求する分野です。
担当教員: 佐藤
TA: 奥平、臼井(今日は本多)
連絡先: 自然学系棟D208 (x4270)
実験スケジュール
第1回(11/8/金):素粒子物理概説,μ粒子寿命測定法,
同軸ケーブルとインピーダンス,NIMモジュールの機能.
第2回(11/15/金):シンチレーション・カウンターの理解,HVカーブの測定.
第3回(11/20/水):タイミング・カーブの測定
第4回(11/22/金):寿命測定回路のセットアップ,寿命データ収集開始(Al)
第5回(11/27/水):[データ収集継続(Al)] UNIX入門,PAWを用いたμ粒子寿命測定
データの解析法
第6回(12/4/水):[データ収集継続(Fe)] Z粒子質量測定法概説,CDF検出器の概説,
Event display,Z粒子の質量
第7回(12/6/金):[データ収集継続(Fe)] 軽い粒子(J/ψ)の質量
第8回(12/11/水):データ解析とグループ内でのまとめ
第9回(12/13/金):発表・討論
レポート提出(12/20/金):第9回の一週間後が締め切り
成績評価に関して
評価:出席点9点,レポート点10点(発表4点,レポート6点)
レポート:
手書き・ワープロどちらでもよい。
自分の言葉でやったことを纏めること。
以下は大幅減点の対象とする。
テキストの丸写し
友達のレポートを丸写し
素粒子テーマ 第1回目



素粒子物理概要
μ粒子寿命測定法概要
測定に使用する機器の説明
 信号伝送線(同軸ケーブル)
 NIMモジュール
 ディスクリミネータ(discriminator)
 ディレイ(delay)
 スケーラ(scaler)
 コインシデンス(coincidence)
 ゲートジェネレータ(gate generator)


グループ分け(グループ1~4)
NIMモジュール,同軸を理解するための実験
素粒子物理学とは
物質を細分化していくと何に行き着くか?
それ以上分けられない物質は?
クォークは現在知ら
れている最小の物
質構成要素.クォ
ークに内部構造は
あるのか?
⇒ 物質の究極の構成要素=素粒子
水の分子10-7cm
原子核10-12cm
クォーク≤10-16cm
?
酸素原子10-8cm
陽子10-13cm
陽子:uud, 中性子:udd
?
クォーク同志にどう
いう力(相互作用)
が働いているの
か?
素粒子標準模型(Standard Model)
フェルミオン … 半整数スピン(spin1/2),物質の基本構成要素
クォーク … カラー荷(RGB)を持つ(強い相互作用をする)
レプトン … カラー荷を持たない
ボゾン … 整数スピン(spin0,1,…)
ゲージボゾン … 相互作用を媒介する
ヒッグス粒子 … 素粒子に質量を与える
クォーク
u
c
t
+2/3
+1/2
d
s
b
-1/3
-1/2
強い相互作用
… 電磁相互作用
弱い相互作用
ne
nm
nt
0
+1/2
… 弱い相互作用
e
μ
τ
-1
-1/2
… 電磁相互作用,弱い相互作用
レプトン
電荷(e)
+ 上の粒子の反粒子
I3
ゲージボゾン(力の場に伴う粒子)
W+ W-
g
g
Z0 弱い相互作用を媒介
(ウィークボゾン)
電磁相互作用を媒介
(光子)
強い相互作用を媒介
(グルーオン)
素粒子ではない例
陽子(uud),中性子(udd)
… バリオン(クォーク3つで構成)
π中間子:
… メソン(クォーク・反クォークで構成)
素粒子の相互作用と崩壊
相互作用=ゲージボゾンの交換
-p
g
p
g
p
ゲージボゾンを介して運動量が
やり取りされている.
電子と電子の相互作用に
おけるファインマン図
μ粒子の崩壊
弱アイソスピン: (I, I3)
ne
e
時間を逆行する
粒子は,時間を
順行する反粒子
として見える
運動量以外に電荷,弱ア
イソスピンも媒介
nm
μ
I3
Q
+1/2
0
-1/2
-1
W-は,I3=-1, Q=-1を運んでい
る(μ-から持ち去った)と解釈
できる.
素粒子の崩壊
∥
素粒子の相互作用の一形態
μ粒子の崩壊と寿命
…弱い相互作用の結合定数
(Wボゾンとフェルミオンとの結合定数)
…Wボゾンの質量
この相互作用の確率(崩壊確率ω)は,上のパラメータ
を用いて相対論的量子力学により計算される.
崩壊確率が高い  寿命が短い
崩壊確率が低い  寿命が長い
寿命を測定すると崩壊確率が得られる.
崩壊確率と寿命
ω:1個のμ粒子が単位時間当たりに崩壊する確率
t=0でN0個存在したμ粒子の時刻tでの個数をN(t)とすると
N(t)のμ粒子のうちΔtの間に崩壊をおこす数
N(t)
N0
N(t)∝e-t/τ
N0/e
ある時刻においてN0あったμ粒子がt時間経過後い
くつになっているか調べればよいが…
t0
t0+τ
t
寿命測定原理1
時刻tにおいて単位時間あたりに崩壊するμ粒子の数
Ndecay
∝ある1個のμ粒子が時刻tにおいて崩壊する確率
Ndecay∝e-t/τ
tdecay
μ粒子の寿命は,あるμ粒子を捉えて(t=0),それがいつ崩壊するか
(t=tdecay)という時間分布を測定することにより求めることができる.
寿命測定原理2
二次宇宙線のμ粒子を金属板のストッパーに捉え,t=0とし,そのμ粒子の
崩壊でできた電子(陽電子)を観測した時刻をtdecayとする.
高エネルギー陽子
宇宙
大気
p
π-
π+
μ
荷電粒子が通過すると
信号を出す検出器
μ-
“突き抜け”μ粒子に対し
ては,Startはかからない.
Start
ストッパー
突き抜け
Stop
NIMモジュールの機能
補助単位




k(キロ)
M(メガ)
G(ギガ)
T(テラ)

m( ミリ)
μ(マイクロ)
n(ナノ)
p(ピコ)

f(フェムト)10-15
103

106
109
1012


10-3
10-6
10-9
10-12
(テキストP4の脚注)




電子の質量:511keV (~0.5MeV)
トップクォークの質量:~170GeV
光が1mを進む時間:~3ns
光が1μsの間にすすむ距離は?
同軸ケーブル
オシロスコープでのタ
ーミネート
絶縁体(誘電体) 外部導体(GND)
芯線
1m/5ns
20cm/1ns
LEMOコネクタ
∞Ω(オープン)
0Ω(ショート)
50Ω
インピーダンスマッチングを取らないと反射がおこる(付録Aを参照のこと).
NIM信号

NIM規格
 回路モジュールの機械的・電気的仕様
 素粒子・原子核実験で主に使用される

論理信号(ON/OFF, 1/0, T/F)
 電流で定義


OFF
0mV
OFF: ~0mA
ON: <-14mA
 50Ωターミネートで見た場合


-700mV
OFF: ~0mV
ON: <-700mV
TTL信号(電圧で定義)
• OFF(Low): <0.8V
ON(High): >2.0V
ON
OFF
Discriminator (ディスクリミネータ)
入力
Vth
出力
NIM
Width

入力インピーダンス


50Ω
設定パラメータ


threshold(しきい値)
出力パルス幅
出力端子が白線で結ばれ
ている場合は,内部でつな
がっている.
(出力インピーダンスを
50Ωにしたいときなどに使
用)
Coincidence (コインシデンス)
ロジックに参加させる
ためのスイッチ
A入力
B入力
VETO
入力
出力
Width
VETO入力がある間は出力が禁止される.
Variable Delay

Cable によるdelay




電源不要
Input/Outputの区別はない
NIM信号である必要はない
スイッチの切り替えで1~31nsまで1ns毎に
調節可能
入力
出力
delay
Gate Generator (Gate & Delay type)


入力信号からあるdelay,widthをもったNIMゲート
を出力する.
Delay,Widthの値は調整可能
ダイヤルでレンジを切り替え,
このネジで微調整する
入力
出力
width
delay
Gate Generator (Start/Stop type)

Start入力で開き,Stop入力で閉じるNIMゲート
を出力する.
Widthの設定は,LATCHモードにしておく.
Start入力
Stop入力
NIM出力
width
Widthの設定がLATCH以外ではstop入力よりも先に設
定Widthが来るとゲートが閉じられる.
Scaler


NIMパルスの数をCount
Start/Stop/Resetボタン


8チャンネル共通動作
桁あふれが起こるとCarry outから
NIMパルスを出力

Carry outを次のチャンネルへ入力す
ることで桁を増やすことができる.
オシロスコープ
Trigger slope: -

Trigger
繰り返し波形を見る際に時間軸の基準を与える
(波形と同期を取る)
 トリガーソース: Ch1, Ch2, Ext, Line ...
 トリガーレベル
 スロープ: (立上り +),(立下り -)
Signal source
Trigger level
Trigger position
IN/OUTを持つモジュール
の機能を調べたいとき
Ch1
IN
Ch2
Ch1
OUT
Tコネクタ
T-connectorを使って右のように
接続し,モジュールへのIN/OUT
をオシロスコープのCh.1/Ch.2で
観察する.
Signal
source
Ch2
50Ωターミネータ
IN
OUT
ダウンロード

ppt