法人税について
04f0111 児玉 由香
目次
☆はじめに
1.法人税とは何か
2.法人税率について
3.事業年度について
4.繰越欠損金について
5.受取配当の損金不算入について
6. 交際費について
7.青色申告制度について
8.法人税の納付について
☆終わりに
☆参考文献
はじめに
経済社会において、法人企業の営む活動は多岐にわたってい
る。企業はその生産活動に必要な資金を調達し、従業員を雇
い入れ、原材料を購入するなどして、財・サービスを生産・販売
して、利益を獲得する。そして、これにより得た利益を、企業は、
株主に配当したり、社内に留保して将来の投資に備える。
法人税は、法人に対して、このような企業活動により得られる
利益を基礎に税負担を求めるものである。
今回は法人税の「企業会計上」と「法人税法上」での違いを中
心に調べて行こうと思う。
1.法人税とは何か。
法人税は、株式会社、協同組合等の法人の
所得を対象として法人に課される税金の事。
組織別法人数
平成16年度
2%
2%
0%
法人数2,568千社
40%
56%
株式会社
有限会社
合名会社
合資会社
その他
「国税庁統計年報告書」より
資本金階層別法人数
平成16年度
0%
1%
法人数2,568千社
43%
56%
1千万円未満
1千万円以上1億円未満
1億円以上10億円未満
10億円以上
「国税庁統計年報告書」より
法人税の国税収入に占める割合
2% 3%
5%
2%
1%
28%
2%
3%
23%
間接税等
40.6%
0%
3%
直接税
(59.4%)
28%
租税及び印紙収入の内訳(平成18年度一般会
計予算額)
所得税
法人税
相続税
地価税
消費税
酒税
たばこ税
揮発油税
自動車重量税
関税
印紙収入
その他
法人税法の特徴(所得税法との違い)
①税率について、所得税法は超過累進税率で
あるのに対し、法人税法は原則として単一税
率となっている。
②所得の計算期間について所得税法は暦年を
基準としているのに対し、法人税法は法人が
定款等によって定めた会計期間(事業年度)
を基準としている。
法人の主な種類について
内国
法人
普通
法人
協同組
合等
法人
人格のな
い社団
公益法
人等
公共
法人
外国
法人
株式会社、合名会社、合資法人、
合同会社、医療法人等
農・漁業共同組合、消費生活共同組合
信用金庫等
PTA、同窓会、同業者団体等
宗教法人、学校法人、社団・財団法人等
地方公共団体、国民生活金融公庫、
日本放送協会等
・・・・・・・・(日本国内で生じた所得にのみ課税)
法人税の対象となる所得にはどのよ
うなものがあるか。
各事業年度の所得に対する法人税
清算所得に対する法人税
法
人
税
各特定信託の書く計算期間の所得に対
する法人税
退職年金等積立金に対する法人税
・・会社が事業活動をしてい
る時に課されるもの。
・・会社が解散して株主等に
財産を分配する時に課され
るもの。
・・特定信託の受託者であ
る法人だけ課されるもの。
・・退職年金業務を行う信
託会社、生命保険会社等
にだけ課されるもの。
3.事業年度とは何か
区
分
定款や法令等に会計期間等の定めが
ある場合
事
業
年
度
○法令又は定款等に定めた事業年度
○設立の日から2ヶ月以内に税務署長に
届け出た事業年度
定款や法令等に会計期間等の定めが
ない場合
○届け出がないときは、税務署長が指定
した期間
○人格のない社団等については、1月1日
から12月31日までの期間
定款や法令等に定めた会計期間等が1
年を超える場合
○その開始の日以後1年ごとに区分し
た期間
法人税率について
a)大法人(資本金1億円超の法人及び相
互会社)
30%
b)中小法人(資本金1億円以下の法人)
・年800万超の所得金額からなる部分
30%
・年800万円以下の所得金額からなる
部分
22%
c)協同組合
d)公益法人
22%
e)人格のない社団など
・年800万超の所得金額からなる部分
30%
・年800万以下の所得金額からなる
部分
22%
Ex) 中小法人Aが年間2000万円の所得が
あった場合
①800万円以下の場合
800万円×0.22=176万円
②800万円を超える部分
1200万円×0.3=360万円
③ ①+②=536万円・・・納める税金は536万円
各事業年度の所得の金額
各事業年度の所得の金額は、法人税上はそ
の事業年度の益金の額から損金の額を控除
して計算する事になっている。
益
金
の
額
損金の
額
所得の
金額
減算部分
確定した決算に基づく損
益計算書
加算部分
損金不算入
損金算入
例 繰越欠損金
など。
(
減
算
)
(
加
算
)
例 交際費等の
損金不算入な
ど。
益金不算入
益金算入
例 受取配当等
の損益不算入
例 合併差益分
のうち評価益相
当部分として益
金算入されるも
の
(
減
算
)
(
加
算
)
所得金額
4.繰越欠損金とは?
⇒企業が決算期をまたいで持ち越す赤字の事。
税制ルールで新しい年度に会計上は黒字に
なっても、その前の期の赤字と相殺して課税
対象額を軽減出来る仕組みがある。
このルールに法ると、繰越欠損金があると、法
人税を納めなくてもよい仕組みになっている。
D社は青色申告書を提出している中小企業である。
当社に欠損金が1000万円生じた。翌期以降の課税所得は、100万円、150万円、200
万円、300万円、300万円となると仮定する。
以上の前提条件で、欠損金の繰り越しの特例を図解すると以下のようになる。
【翌期以降の課税所得の計算は次の通りである。】
1年目の課税所得=100万円-100万円=0 (繰越し欠損金の残 900万円)
2年目の課税所得=150万円-150万円=0 (繰越し欠損金の残 750万円)
3年目の課税所得=200万円-200万円=0 (繰越し欠損金の残 550万円)
4年目の課税所得=300万円-300万円=0 (繰越し欠損金の残 250万円
5年目の課税所得=300万円-250万円=50万円 (繰越し欠損金の残 0)
5年目については、課税所得300万円のうち、前期よりの繰越し欠損金の残
250万円を差し引いた「50万円」が課税所得となる。
5.受取配当等の損金不算入
<二重課税排除の措置>
配当
個人
法人
株主
配当
法人税課税
法人株主
配当
損金不算入により
配当控除により二重
二重課税排除(法23)
課税排除(所法92)
6.交際費
会社がその得意先、仕入先その他「事業
に関係のある者など」に対する接待、供応、
慰安、贈答その他これに類する行為のた
めに支出するものをいう。つまり、ひらたく
いえば、会社の業務が円滑に運ぶように
するために、得意先や仕入先などのご機
嫌を取りその者から見返りを期待するため
の支出の事。
①福利厚生費
自ら従業員の慰安の為に行われる運動会、演芸会、旅行等の
為に通常要する費用。
②小額広告宣伝費
カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類す
る物品を贈与する為に通常要する費用。
③会議費
会議に関連して、茶菓、弁当、その他これらに類する飲食物を
供与する為に通常要する費用。
④取材費
新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集する為に行われる
座談会その他記事の収集のために、又は放送の為の取材に通
常要する費用。
交際費から除かれる費用
交際費等の損金不算入額の計算方法
期末の資本金
(出資金)の額
支出交際費等
の額
1億円以下の
400万円×月
数/12以下の
場合
損金不算入額
支出交際費等の額×10%
法人
400万円×月数
/12超の場合
(400万円×月数/12×10%)
+
(支出交際費額-400万円×月
数/12)
1億円超の
法人
支出交際費等の額
Ex)甲株式会社の当期(平18.4.1~平19.3.31)末の資本金
の額1000万円、当期の交際費等の支出額が720万円(内、
200万円は福利厚生費として経理されている。)であるとし
た場合、その交際費等の損金不算入額を計算しなさい。
〔A〕 損金不算入額は
(400万円×12/12×10%)+(720万円-400万円×12/12)
=360万円 となる。
7.青色申告制度とは?
法人が法人税法により、一定の帳簿書類を
備付け、これに日々の取引を性格に記録し、
納税地の所轄税務署長に青色申告の承認申
請をして、その承認を受けた場合は青色申告
書を提出する事が出来る制度の事。
納税者を信頼し、適切な記帳による正しい申
告納税を奨励する事を目的としたもので、一
般の申告書と区別するために青色の申告書
を使用するので、この呼び名がある。
青色申告をする事の利点
根拠法
特典の内容
○青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金の7年間繰越控除
○欠損金の繰戻しによる法人税額の還付
法人税法
○帳簿書類の調査に基づかない更正の原則禁止
○更正を行った場合の更正通知書への理由付記
○推計による更正又は決定の禁止
租税特別
○特別償却
措置法
○各種準備金の積立金の損金算入
○各種の法人税額の特別控除
○各種の所得の特別控除
国税
通則法
○更正の処分に不服がある時に、意義申立てをしないで、直接審査請
求をする事が出来る。
☆欠損金の繰戻しによる還付☆
●欠損金の繰戻しによる還付は、確定申告書を提出する事業年
度において欠損金額が生じた場合、繰越欠損金として翌期以降7
年間にわたって控除するのに変えて、その欠損金額を前1年以内
に開始したいづれかの事業年度(還付所得事業年度)の所得金
額に対する法人税額の還付を受けるというものである。
●この還付を受けるには、還付所得事業年度から欠損金額が生
じた事業年度(欠損事業年度)まで連続して青色申告書を提出し
ていることが必要である。
欠損金の繰戻しにより法人税額の還付を請求する事が出来る金額の算式
欠損事業年度の欠損金額
還付所得年度の
法人税の額
×
=
還付できる金額
還付所得事業年度の所得
の金額
Ex) 当期の欠損金額100万円、前期の所得金額200万円でその法
人税額が50万円であった場合、繰戻しによる還付請求額はいくらに
なるか?
A) 繰戻しによる還付請求額は
50万円×100万円/200万円=25万円
法人税はいつまでに納付しなければ
ならないか?
法人税額は、それぞれの申告書の提出期限
までに納付しなければならない。
この法定納付期限までに納付しない場合は、その内容により次のような税金が別途課税
される場合がある。
種類
内容
税率
利子税
監査等・災害時により申告書の提出の延長が認められた場
合
7.3%
延滞税 ※
期限内申告提出後法定期限までに納付しない場合または
期限内申告・修正申告後納付期限までに納付しない場合
14.6
%
過少申告加算
期限内申告の後に修正申告等をした場合
税
無申告加算税
期限内申告をせず期限後申告をした場合また更正処分が
あった場合
不納付加算税 源泉所得税等を納付期限までに納めなかった場合
重加算税
還付加算金
事実を隠蔽または仮装した場合
更正の請求または中間納付の還付がある場合等
10.0
%
15.0
%
10.0
%
35.0
%
7.3%
※延滞税は、納付期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは、年7.3%となります。
終わりに
法人税は、個人所得課税と並び、政府の歳
入として重要な地位を占めており、所得課税
の一翼を担うものとして税体系において基幹
的な税目となっている事が分かった。
納税は義務であるが、企業は青色申告所な
どを利用して、賢く納税していく事も大切な事
ではないかと思った。
参考文献
「図解 法人税」 小田島 清治 編
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/faq35/faq22.html
「中小企業庁」
http://www.ntc.nta.go.jp/kouhon/houjin/mokuji.html 「税務
大学校」
http://www.fps-net.com/kiso_zei/zei02_05.html
「税務の基礎知識」
http://www.rakucyaku.com/Koujien/M/B01/B100400 「一件
楽着」
http://www.tky-ma.net/sub/hou7.htm
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/zeichof09.pdf#sea
rch='法人税とは'
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