高次元時空の構造と
BHの形成条件
柳 哲文 (APCTP)
石原秀樹, 木村匡志 (大阪市大)
丹澤優 (基研)
2
僕が知りたかったこと
Kaluza-Klein的な時空においてブラックホールの形成
条件として知られるフープ予想はどうなるのか?
BH最前線
柳 哲文
3
目次
• 導入
• (ハイパー)フープ予想とは?
• Kaluza-Klein時空中の2質点系の初期データ
• 初期データを用いた形成条件のテスト
• ハイパーフープ予想の拡張
• ブラックホール生成断面積について
• 結論
BH最前線
柳 哲文
4
導入
BH最前線
柳 哲文
5
TeV
• 超ひも理論 → ブレーンワールド → TeV 重力
• LHCや超高エネルギー宇宙線におけるBH生成
• 大きな余剰次元についての証拠が得られる?
• 漸近平坦(ミンコフスキー)BHに注目
:ミニブラックホールを考えると妥当
• しかし,
高次元の空間構造を漸近的に
ユークリッド空間に限る理由はない.
BH最前線
柳 哲文
6
KKバックグラウンドでのBH
D次元
= 我々の4次元
(4+n)次元空間
+ n 個の長さ l にコンパクト化された方向
+ (D-n-4) 個のプランク長 l* にコンパクト化された方向
• G4~Gn+4 / l n → プランク質量 m* ~ TeV
• もし MBH~ k m* とすると
• もし (D-n-4) 個の方向のうち,一つでも rh と同程度の大きさを
持つならば,このBHは (n+4)次元漸近ミンコフスキーというよりは,
(4+n+1)次元Kaluza-Klein BH とみなさられるべきである.
BH最前線
柳 哲文
7
なにが知りたいか
rh と同程度の長さにコンパクト化された時空構造が,
ブラックホール形成に与える影響
「フープ予想」
BH最前線
柳 哲文
8
フープ予想?
BH最前線
柳 哲文
9
Thorneのフープ予想
(4次元時空)
“Black holes with horizons form when and only
when a mass M gets compacted into a region whose
circumference C in every direction satisfies
ざっくり言って
エネルギーが十分小さい領域に
押し込められると
ブラックホールが出来る
深刻な反例はない.
BH最前線
柳 哲文
10
高次元でのフープ予想
5次元ブラックストリング解の存在
明らかにブラックストリングの周囲の長さは無限
BHができる
しかし,
BHができる
修正が必要
BH最前線
柳 哲文
11
ハイパーフープ予想
(高次元時空)
[Ida, Nakao(2002)]
“Black holes with horizons form when and only when
a mass M gets compacted into a region whose (D-3)dimensional circumferential surface volume VD-3 in
every direction satisfies
ざっくり言って
エネルギーが十分小さい領域に
押し込められると
ブラックホールが出来る
深刻な反例はない.
BH最前線
柳 哲文
12
KK時空では?
BH最前線
柳 哲文
13
検証に使う初期データ
BH最前線
柳 哲文
14
2質点系
時間反転対称初期データの構築
BH最前線
柳 哲文
15
初期データの構成
時間
初期データセット (hab, Kab)
◎時間反転対称
◎真空
◎共形リッチ平坦
: Kab=0,
: Tab =0,
:
Momentum拘束条件
hab, Kab
自明
Hamiltonian拘束条件
BH最前線
柳 哲文
16
4次元ユークリッド上の2質点
• ハミルトニアン拘束条件
• 2質点系の解
二つを覆うホライズン
2a
2a
AH
a小
BH最前線
acr
a大
柳 哲文
17
コンパクト化
S2
コンパクト化
一様
AHは常微分方程式で求まる
歪む
同一視
偏微分方程式が必要
BH最前線
柳 哲文
18
別の可能性
3次元空間
同一視 (Hopf ファイバー)
一様な2次元面
常微分方程式でOK
• 2つの質点を覆うAHのトポロジーは S3/Zn
BH最前線
柳 哲文
19
Gibbons-Hawking計量
3dim Euclid
• Hamiltonian 拘束条件 :
• F がψに依存しないとする,
• 2質点系の解
• Abbott-Deser 質量 (基準は m=0 の場合 )
BH最前線
柳 哲文
20
座標
x
φ
r
θ
z
ψ
y
0 ≤θ≤ π, 0 ≤φ≤ 2π, 0 ≤ψ≤ 4π
→2質点を覆うAHのトポロジーは S3/Z2
BH最前線
柳 哲文
21
漸近計量
r →∞
3次元ユークリッド空間
コンパクト化された1次元
余剰次元のサイズ
BH最前線
柳 哲文
22
空間の対称性
• ∂Φ, ∂ψ : Killingベクトル
• AHは r=rh(θ)
AHは常微分方程式を解けば得られる.
BH最前線
柳 哲文
23
フープ予想の検証
BH最前線
柳 哲文
24
ハイパーフープ予想の再解釈
ハイパーフープ予想はとてもあいまい
Black holes with horizons form when and only when a mass M gets
compacted into a region whose (D-3)-dimensional circumferential
surface volume in every direction satisfies
• 適当に再解釈する必要がある
Mass M
(D-3)-dimensional circumferential
surface volume in every direction
α
BH最前線
Total mass
(Abbott-Deser mass)
二つの質点を覆うAH上の測地面
の面積の内最大の物
Schwarzschild BHで等式になるよう
柳 哲文
25
測地面
Coverall horizon
Vn = Max{
BH最前線
,
,
}
柳 哲文
26
満たされるべき性質
• V2 はAH上で測られる,aに依存
• AH は a > acr で消える
• 不等式は a > acrでやぶれなければならない
2a
(1) V2(a) はaの単調増加関数(少なくとも acr近傍で)
(2)
BH最前線
柳 哲文
27
AH上の測地面
• 2-dim surface
• 定義
BH最前線
柳 哲文
28
V2(a)
m/l2=0.0025
m/l2=4
BH最前線
m/l2=1
m/l2=100
柳 哲文
29
結果
(1) V2(a) は a の単調増加関数
(2)
V2
Variable
Property
(1)
(2)
l2 << m
No
No
l2 >> m
Yes
Yes
ハイパーフープ予想はl2<<mでは使えない.
BH最前線
柳 哲文
30
拡張してみる
BH最前線
柳 哲文
31
l2 << m の場合はどう扱われるべきか
• 素朴には KKコンパクト化の後4次元フープ予想が適用できる
(1) V1(a) は a の単調増加関数
(2)
BH最前線
柳 哲文
32
AH上の測地線
• 1-dim
circumference
• 定義
BH最前線
柳 哲文
33
V1(a)
m/l2=0.0025
m/l2=1
Large value of V1(acr)
m/l2=4
BH最前線
m/l2=100
柳 哲文
34
結果のまとめ
(1) V(a) は a の単調増加関数
(2)
V2
Variable
V1
Property
(1)
(2)
(1)
(2)
l2 << m
No
No
Yes
Yes
l2 >> m
Yes
Yes
Yes
No
5次元的なら面積,4次元的なら長さを使うのがよろしい
BH最前線
柳 哲文
35
An alternative variable
W は (1), (2) をどちらも満たす
BH最前線
柳 哲文
36
一般化
“Black holes with horizons form when and only when a mass
M gets compacted into a region whose n-dimensional
circumferential surface volumes Vn (n=1…D-3) in every
direction satisfy
• Note
1- 左辺は系のコンパクトさを表す量だけでなく,余剰次元のサイズも含む
2- ハイパーフープ予想も含む
BH最前線
柳 哲文
37
BH生成断面積
BH最前線
柳 哲文
38
断面積の評価
• 厳密に計算する方法を知らない.
• 素朴にはものすごくひしゃげたBHは出来ない(?)
• W の中のV1 ,V2をσpを使って置き換える
BH最前線
柳 哲文
39
σp
∝m2
4次元的
∝m
5次元的
BH最前線
柳 哲文
40
σp
Dtotal =10, その内二つ→10-2cm, 他の二つ→10-15cm,
残る二つ→10-17cm
6次元的
8次元的
10次元的
BH最前線
柳 哲文
41
結論
• ハイパーフープ予想の拡張を行った
“Black holes with horizons form when and only when a mass M
gets compacted into a region whose n-dimensional circumferential
surface volumes Vn (n=1…D-3) in every direction satisfy
• σp の質量依存性をモデルを指定せずに計算してみた.
• σp の質量依存性が見れると楽しい.
特に余剰次元サイズrhがコンパラなところが面白い(?)
BH最前線
柳 哲文
42
おわり
BH最前線
柳 哲文
43
a = 0 case
• The area of r = const. surface : A(r)
• Horizon radius rh is given by
• V2 can be calculated as
m/l2 →∞
BH最前線
∞
柳 哲文
ダウンロード

高次元時空の構造とブラックホールの形成条件