豊玉香料株式会社
膨大な種類の原料を扱う香料製造において
生産管理パッケージシステムを活用し
有効在庫や製品原価をリアルタイムに把握
導入の狙い
老朽化した生産管理システムの再構築
膨大な量の在庫管理や原価管理の精度向上
導入システム
原材料製造業向け生産管理システム
『生産革新 Blendjin』
基幹業務システム
『SMILE BS 販売/会計/人事給与』
輸出貿易業務管理システム
『TOSS-EXPORT』
ASPサービスグループウェア
『アルファオフィス』
導入効果
パッケージシステムへの移行で運用
コストを低減
リアルタイムでの有効在庫や製品原
価の把握
製販一体型のシステムで業務効率が
向上
集計処理や更新処理を大幅にスピー
ドアップ
—USER
P R O F I L E ———————————————————
豊玉香料株式会社
●業種:香料製造
ここ数年は食の安全に対する要求も厳しくなっているため、工場の製造設備や作業環境などの品質管理体制も強化している
豊玉香料株式会社は1925年(大正14年)に設立された老舗の香料製造企業だ。
小田原に自社工場を構え、同社がブレンドした香料は食品や生活用品などさまざ
まな製品に使われている。今回、老朽化した生産管理システムを再構築するに当
たり、リリースされたばかりの『生産革新 Blendjin』を導入。従来のオーダーメイ
ドシステムからパッケージシステムへ移行することで導入・運用コストを低減した。
さらに課題だった有効在庫や製品原価をリアルタイムに把握するなど、多くの成果
を上げている。
●事業内容:天然香料、合成香料、調合香
料、食品香料、天然抽出物、農産加工品、
食品添加物、医薬・電子産業中間体など
の製造・販売ならびに輸入
●従業員数:145名
(2012年1月現在)
在 庫 管 理 、原 価 集 計 の 課 題を『 生 産 革 新
Blendjin』
によって解決した豊玉香料株式会社
2012年1月取材
小田原工場、船橋研究所の4拠点で広
5,000種を超す香料を製造
健康食品向け製品で新規顧客を開拓
は汎用品だけで5,000種を超える。
豊玉香料株式会社は、天然の素材
1万種以上ある膨大な原料の中から、
や化学的合成品の調合で多種多様な
数十種類を調合したレシピを作り、製
香りを提供する合成香料メーカーと
品化する。それらを種類ごとに小容量
してスタートし、現在は食品向けのフ
のビンや200リットル以上もあるドラ
レーバーと、化粧品などの生活用品向
ム缶など、さまざまな容量の容器に充
けフレグランスの開発を主力として取
填し出荷している。香料には汎用品と
り組んでいる。東京本社、大阪営業所、
特注品があり、汎用品は年間の販売量
1
範囲な事業を展開し、同社の香料製品
豊玉香料株式会社
を予測し、見込み生産を行っている。
双方を手掛けている。特に今は円高な
一方、特注品は受注生産で、原料の調
ので輸入品を増やし、品質を高めるた
合を微妙に変えることで顧客の細かな
めに同社で精製を行ったうえで販売し
ニーズに応えている。
ているという。ここ数年は食の安全に
また同社は有効成分の抽出技術に
対する要求も厳しくなっているため、
優れており、植物の色素抽出なども
工場の製造設備や作業環境などの品
行っている。近年では健康食品向けの
質管理体制も強化している。
子会社を設立し、桑の葉の成分を利用
膨大な数に上る原料・製品の管理
したサプリメントなどの機能性食品の
と、複雑かつ繊細なレシピの管理。同
研究・開発製造にも力を入れ、健康食
社にはこれらの管理が可能なシステム
品会社など新規顧客の開拓にも成功
が必要だった。
している。
食品を中心とするフレーバー開発
添加する食品香料、パウダー香料とア
パッケージシステムへ移行し
フィッティングコンサルで最適化
イスクリームなどに使用するジャム・果
同社の小田原工場では、もともと
実ソースなどの開発を行っている。特
オフコン の 生 産 管 理 シ ステ ム を 利
にフルーツ系やミント系に強いのが同
用していた。1995年にW i n d o w s
社の特徴である。
95がリリースされたタイミングでオ
一方、生活用品を中心とするフレグ
フコンからP Cクライアント/サーバ
ランス開発部門では、化粧品や石鹸な
型の『 S M I L E
どのさまざまな日用品に使われる合
/給与 』へ 移 行 。そ の 際 、従 来 の 生
成香料を開発。特にフレグランスでは
産管理システムの機能を移行後も使
ローズ系の香りに力を入れている。ま
用するために、
『SMILE
た合成部門では、同社が保有する合成
ベースにした生産管理システムを構
香料製造技術や設備を、異業種である
築。およそ15年にわたって運用して
IT産業用の液晶や電子材料などの製
きた。その後、システムのサポートが
部門では、清涼飲料水・お菓子などに
代表取締役社長
井上 晃氏
「現在、当社では桑の葉の抽出物を利用し
たお茶やサプリメントの健康食品を中心に
ホームページで販売しています。今後、健
康食品分野に積極的に取り組んでいく予
定です。
これからもITを積極的に活用しなが
ら事業規模を拡大していきます」
V e r .5 販売/財務
Ver.
5』を
造メーカーにも提供しており、高付加
終了し、ハードウェアも老朽化してき
価値商品を生み出している。 たので、新たな生産管理システムの
「香料の原料は1万種類以上あり、1
導入を検討するようになった。それを
社ですべての原料をまかなうことはで
機に従来のシステムでは実現されて
きないので、香料業界では同業者間
いなかった、在庫管理や原価管理を
での取引が活発に行われていること
リアルタイムに行える環境を整える
も特徴です。その中で当社は、
『豊玉
ことにしたのだ。
に頼めば、どんな原料でもそろう』と
「 以 前 の システム は『 S M I L E
言われることを目指して日々取り組ん
V e r.5販売 』に生産管理部分を大幅
でいます」と代表取締役社長の井上
にカスタマイズしたものです。システ
晃氏は語る。
ムを刷新した場合、カスタマイズ部分
海外の同業者との取引も多く、ヨー
を一から構築する必要がありました。
ロッパやアジアを中心に輸出と輸入の
そうするとかなりのコストがかかって
2
総務部 部長
樋口 邦行氏
「新システムを使い始めてから半年が過ぎ、
使い慣れてきたことによる要望が現場から
上がってきています。そうした意見をもとに
『生産革新 Blendjin』の運用含め、業務
改善を行っていきます」
システム部 部長代理
長久保 敬氏
「大塚商会さんは、何か細かい問題が起こ
ると迅速に対応してくれるので、サポート面
では非常に満足しています。イベントなどの
案内も含め、いろいろな情報を提供してもら
えるので、システムを拡張していくうえで参
考になります」
しまうので二の足を踏んでいたところ
サルティングを済ませる予定でした。
タイミング良く、
『SMILE BS販売』
その最中に、
『 生産革新 Blendjin』
が
をベースに香料製造に適した最新の
正式リリースされると聞きました。最終
生産管理パッケージシステム『生産革
的には1年ほどかかりましたが、そのお
新 Blendjin』が開発中であることを
かげで当社の業務に適した生産管理シ
聞いたのです。パッケージであれば
ステムをカスタマイズなしに構築でき
カスタマイズすることなく導入できま
たのです」
と長久保氏は語る。
す」とシステム部 部長代理の長久保
また基幹業務システムのリニュー
敬氏は語る。
アルも並行して実施。
『SMILE BS
「以前からパッケージシステムに合
会 計 / 人 事 給 与 』を先 行して導 入し
わせるのが理想的だと思っていたが、
た。全 社 のクライアントP C 約 1 3 0
社内の運用含めパッケージに合わせる
台 のうち7 0 台で利 用できる環 境を
体制が整ったタイミングであった。」と
整備し、2011年5月から『生産革新
井上氏は説明する。
Blendjin』本稼働させた。
そこで同社は、原材料製造業向け生
産管理システム『生産革新 Blendjin』
フィッティングコンサ ルティングを実
在庫や原価を正確に把握し
処理スピードも格段にアップ
施。従来のシステムの現状調査を行っ
香料は調合する原料や製品種類が
たうえで、新しいシステムとの機能面
膨大な数に上る。また同社は完成品だ
の違いをすり合わせた。実際の本稼働
けでなく、中間品の製造も手掛けてい
に向けたスムーズな運用が目的だ。
る。汎用品、特注品それぞれに中間品、
「当初は、半年でフィッティングコン
完成品が存在し、レシピどおりに生産
の 導 入 に 先 立 ち 、大 塚 商 会 による
する必要がある。管理は複雑を極め、
従来のシステムではリアルタイムでの
『生産革新 Blendjin』
における業務フロー概要
在庫や原価の管理は難しく、それらを
正確に把握するために手間と時間が
販売
部門
受注
受注
材料を配合する製造業向けに開発さ
れた『生産革新 Blendjin』を導入した
生産
部門
在庫引当
購買
部門
発注
生産指示
生産報告
リアルタイムな
在庫データの
把握に成功
仕入
同社は、こうした香料製造業における
課題を解決している。
「従来の生産管理システムでは、更
新によるタイムラグにより、有効在庫
を正確につかむことができなかったの
倉庫
部門
経理
部門
かかっていた。しかし、多種多様な原
出荷売上
原料出庫
製品入庫
支払
ですが現在はほぼリアルタイムに有効
製品出庫
在庫を確認できます。有効在庫デー
請求
入金
タへの信頼性が向上し、営業担当者
が在庫の有無を顧客に自信をもって
回答できるようになりました。また調
3
豊玉香料株式会社
達担当者や販売担当者の在庫に対す
した。また売上データの信頼度が向上
パッケージ導入でコスト削減
品質管理のさらなる強化へ
し、キャッシュフローも向上しました」
従 来 の カスタ マ イ ズした 生 産 管
と井上氏は語る。
理システムは、機 能 強 化などを行う
「以前のシステムは、原価計算を月
たびにプログラムなどの大幅な修正
に1 回 行って集 計する仕 組 みだった
が 必 要 だったが 、今 回 、
『生産革新
る意識が以前に比べて大きく変わりま
ので、製品原価が分かるのが1カ月
Blendjin』をできる限りパッケージの
後でした。新システムでは、移動平均
まま導入し開発・運用コストを低減し
法により原 価 計 算を行うため、いつ
ている。しかし、複雑なレシピ管理な
でも原 価を把 握できるようになりま
ど一部フィットしない部分は、運用によ
した。特に石油系の原料は価格の変
る創意工夫で補った部分もある。
動が激しいので、現時点の原価を正
「香料は調合する構成成分の割合が
確につかめることは大きなメリットで
非常に重要で、ほんのわずかな違いで
す」と総務部 部長の樋口 邦行氏は
香りが微妙に変化します。そのため、
説明する。
当社では構成成分の量を小数点以下
また『生産革新 Blendjin』は製販
5桁まで管理しているのですが、
『 生産
一体型のため、従来のように別々のシ
革新 Blendjin』
では、単位変換によっ
ステムで個別に処理する手間が省け、
て3桁で運用しています」と長久保氏
原料の消費入力と完成報告の段階で
は語る。
入庫処理や仕入計上が同時に入力処
新システムは本稼働してまだ間も
理できるようになるなど、業務効率も
ないが今後は品質管理面を強化す
大幅にアップしている。
ることが課 題だという。具 体 的には
「 新システムへ の 移 行に伴 い 、原
現 在 活 用 で き て い な い『 生 産 革 新
価集計やデータの更新スピードも格
B l e n d j i n 』の標準機能であるロット
段に速くなりました 。これまでは 更
管理や包材管理を行い、トレーサビリ
新処理に3、4時間かかっていました
ティを実施することだ。しかしロット数
が、今は2時間足らずで終わります。
が非常に多く、生産現場の入力負荷が
各 製 品 の 原 価 集 計 の 伝 票 出 力にも
増えてしまう可能性があるため、生産
以 前はコーヒーを1 杯 飲めるくらい
体制を整備したうえでタイミングを見
時 間がかかっていましたが、今は瞬
て取り組む考えだ。
製販一体型のシステムのため、データ入力業務が効率化
フレーバーではフルーツ系、
フレグランスではローズ系の香
りを得意とし、研究開発にも精力的に取り組んでいる
時に行えるので大 変 便 利です」と長
久保氏は語る。
また旧システムは、プログラムなど
のメンテナンスを行う際に、すべての
処理が一時的に行えなくなるため、業
務がストップしてしまうという問題が
あった。しかし現在は、そうした問題も
改善され、メンテナンスが楽に行える
豊玉香料株式会社のホームページ
http://www.toyotama.co.jp/
ようになったという。
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記載内容は2012年4月現在のものです。
Copyright©2012 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved.
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膨大な種類の原料を扱う香料製造において 生産管理