ハワイ州オアフ島
カネオヘ地域の環境保全
関西大学 木庭元晴
夏休み 1999
カネオヘ地域の特色
カネオヘ湾の特色 サンゴ礁と近代的都市が近接
かつて、ハワイ人の経済文化の中心地
この地の文化遺跡や一部の慣習を復原する動き
アメリカ軍の基地
急激なカネオヘ湾流域の住宅地化
市民の関心が高い
行政が主導する環境研究も数多い
州立ハワイ大学の海洋生物学研究所
カネオヘ地域の二つの環境テーマ
1. 市民が行政を動かして、処理済みの
下水排出口を外洋側に付け替えさせた
 2. 市民と行政責任者との間で作る
カネオヘTask Force

157Þ54´W
21Þ32´N
51´
50´
49´
48´
47´
46´
157Þ45´W
陸域
礁原
6 00
31´
等深線
( ヒ ロ)
3 00
60
水路
プ
30´
開削水路
30
シ
ッ
18
湾北西部
15
14
29´
12
堡
礁
13
28´
10
カ ハルウ
11
湾中部
サ
9
ン
ン
パ
水
路
C
ア フ イ マヌ
27´
カ ネオヘ海軍基地
8
7
6
5
遷移帯
4
26´
( モカ プ半島)
1
HIM B
3
A
湾南西部
2
B
25´
0
1km
カ ネオヘ市街
21Þ24´N
図1 カ ネオヘ湾およ び後背流域図
図中の黒丸およ び数字は調査ト ラ ン セク ト の位置と 地点番号を 示す。 A、 B、 Cは下水処理
水排出口の位置を 示す。 HI MBはハワイ 大学海洋生物学研究所の略。
図3 カネオヘ湾・流域の植民地化・基地化・都市化にともなうカネオヘ湾内の生態環境の変化
表1 造礁サンゴ各種とキッコウグサの分布データ
表1 造礁サンゴ各種とキ ッコウグサの分布データ
区域
ステーション番号
種別
調査年
ハマサンゴ一種
1971
Porites com pressa
1983
南東部
2
1
3
4
5
遷移帯
6
中部
7
8
9
10
129
353
11
114
730
12
19
7
8
16
313
237
220
50
351
943
374
15
438
365
1,006
376
620
259
138
26
13
19
7
29
3
26
10
172
13
612
872
北西部
14
15
29
504
711
922
564
424
1
4
7
57
158
18
計
4,168
7,154
イボコモンサン ゴ
Montipora verrucosa
1971
1983
3
58
22
10
208
43
78
7
112
ハナヤサイサンゴ
Pocillopora dam icornis
1971
1983
6
6
8
12
1
18
1
30
3
20
2
32
6
12
3
34
3
10
8
100
4
27
2
9
8
4
41
328
トゲキクメイシ一種
Cyphastrea ocellina
1971
1983
2
-
-
-
2
2
8
1
6
9
1
10
4
6
5
2
1
5
3
61
クサビライシ一種
Fungia scutaria
1971
1983
-
-
1
2
-
1
2
-
6
14
4
1
4
12
14
11
6
14
1
3
-
3
4
9
1
69
44
シワシコロサンゴ
Pavona varians
1971
1983
-
-
-
-
-
2
-
1
1
1
1
4
-
32
-
-
-
-
6
36
その他のサンゴ
Ot her Coral
1971
1983
-
-
-
-
- 3(MP)
- 1(PM)
1971
1983
3
-
-
1
-
520
51
キッコウグサ
Dictyosphaeria cavernosa
327
84
448
48
- 2(MP)
- 1(PS)
907
76
240
225
991
74
- 3(MP)
- 2(MP)
610
160
630
40
3(MP)
3
10
67
588
1 1,028
- 5(MP) 1(PS)
- 1(PS)
118
25
30
134
326
17
5
4,835
1,246
1971年および1983年に実施した15カ所のステーション におけるトランセクト調査結果に基づいている。
表中の数字は、各トランセクトにおけるクォドラ ートの方眼中にみられた各種サンゴおよ びキッコウグサの出現頻度を示す。ただし、1983年の数字は、各ステーションに
設定した2本のトラン セクトからそれぞ れ得たデータの平均値である。表中の「─」は出現しないことを表す。MPはコモンサンゴ一種
Montipora patula
、PMはチリメン
ハナヤサイサンゴ Pocillopora meandrina
、PSはアミメサンゴ一種
Psammocora stellata
の略。
処理済み下水排水口移設
教訓: 研究者・市民の体験に基づく運
動が行政を動かした
 残された問題: 単に汚水を外洋に流
して希釈〜システム外への放出

2. 市民と行政責任者との間で作る
カネオヘTask Force
行政は、1992年来、
カネオヘ湾の利用者(自治会、企業、大学、
軍、自由参加者)を集めて、数年に渡って
、議論し、調整し、
安全で快適な利用のための、
種々の法律や予算の整備をしました。
表1ー1. カネオヘ湾マスタープラン特別委員会による環境影響ランキング表
表1ー1. カネオ ヘ湾マスタープラン特別委員会による環境影響ランキング表
私的レクリエーション利用
排水行為
ピクニック/
ダイビン グ
パドリング
セイルボード
モーターボート スリルクラフト
下水処理水
雨水/用水
ボート
キャンプ 遊 漁
係 船
サーフィン
セイルボート
水上スキー
水上飛行機
河 川
腐植槽システム
I. 生態システム
A. 水質
B. 生息域
・河川
・湿地
・エスチュアリー
・海岸線
・サンゴ礁
・島
C. 野生動物
・多様性
・数
D. 魚類
・多様性
・数
II. 社会システム
A. 衝突の回避
B. 瓦礫、廃棄物
C. 公 益
D. アクセス
・ボート斜道
・駐車
・軍用地
・沈水地
・島
・海岸線
E. 安全性
F. 伝統利用
・フィッシュポンド
G. 田園性
H. 研究
I. 教育
III. 経済システム
A. 直接的経済面
・財政上
・生計上
B. 間接的経済面
・審美的価値
・資産的価値
C. 水産養殖
影響評価
凡 例
表中のパターン
非常に高い
度を越さない
程度に高い
適度の
最下段の影響評価
最も高い
より高い
高い
表1ー2. カネオヘ湾マスタープラン特別委員会による環境影響ランキング表
表1ー2. カネオ ヘ湾マスタープラン特別委員会による環境影響ランキング表
ビジネス利用
レクリエーション
水中活動
海面下土地利用
漁 業
航 海
ピクニック/ツアー スリルクラフト
遊 漁
係船/停泊
I. 生態システム
表中のパターン
A. 水質
B. 生息域
非常に高い
・河川
・湿地
度を越さない ・エスチュアリー
程度に高い
・海岸線
適度の
・サンゴ礁
・島
C. 野生動物
最下段の影響評価 ・多様性
・数
最も高い
D. 魚類
・多様性
より高い
・数
II. 社会システム
高い
A. 衝突の回避
B. 瓦礫、廃棄物
C. 公 益
D. アクセス
・ボート斜道
・駐車
・軍用地
・沈水地
・島
・海岸線
E. 安全性
F. 伝統利用
・フィッシュポン ド
G. 田園性
H. 研究
I. 教育
III. 経済システム
A. 直接的経済面
・財政上
・生計上
B. 間接的経済面
・審美的価値
・資産的価値
C. 水産養殖
影響評価
凡 例
教 育
総合
フィッシュポンド
海岸線開発 ハワ イ大海洋研 ヘエイア公園 軍事訓練 影響
航 空
ゴルフコース
サンゴ礁研究地域
航海訓練
評価
I. 生態システム
A. 水質
B. 生息域
・河川
・湿地
・エスチュアリー
・海岸線
・サンゴ礁
・島
C. 野生動物
・多様性
・数
D. 魚類
・多様性
・数
II. 社会システム
A. 衝突の回避
B. 瓦礫、廃棄物
C. 公 益
D. アクセス
・ボート斜道
・駐車
・軍用地
・沈水地
・島
・海岸線
E. 安全性
F. 伝統利用
・フィッシュポン ド
G. 田園性
H. 研究
I. 教育
III. 経済システム
A. 直接的経済面
・財政上
・生計上
B. 間接的経済面
・審美的価値
・資産的価値
C. 水産養殖
影響評価
市民と行政責任者との間で作る
カネオヘTask Force
教訓:
マスタープラン作成の際に、
積極的に市民を募り、その議論はTVでも公開された。
自由参加+情報公開⇔密室審議+秘密主義(日本)
自由参加+情報公開→自己責任の思想を醸成
密室審議+秘密主義(日本)→(政治的)無関心、無気力
八郎: わかったあ! おらがなしていままで、
おっきくおっきくなりたかったか!
文:斉藤隆介;絵:滝平二郎
お
わ
り
付録:
今後求められる思想の枠組み
– 行政と民間環境 保全・保護運動
– 地域モデルの設定〜
規範的なマスタープラン
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Kaneohe